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ヒューマノイドロボットの実用化に向けた二足歩行 技術の開発

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Academic year: 2022

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ヒューマノイドロボットの実用化に向けた二足歩行 技術の開発

著者 坂本 元

URL http://hdl.handle.net/10236/8183

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2010

年度 博士論文要旨

ヒューマノイドロボットの実用化に向けた二足歩行技術の開発

関西学院大学大学院理工学研究科 情報科学専攻 片寄研究室 坂本 元

本研究では,我々の生活を支援するヒューマノイドロボットの実用化に向けた二足歩行技 術の向上を目的とし,次の二つの研究課題,1) 歩行の安定性を高め不整地を高速で移動でき る不整地歩行,2) エネルギ効率が高くかつ歩行の外見がより人間に近い膝関節伸展歩行,に 取り組んでいる.

我々の生活を支援するロボットに求められる機能には,ヒトとのコミュニケーション機能,

人間の代替・人間と共同作業ができる作業機能,人間の活動する環境下での移動機能が挙げ られる.これらの機能を満足するには,我々人間と親和性や類似性の高いヒューマノイドロ ボットが適している.ヒューマノイドロボットの実用化を進めるにあたっては,機能面では 運動制御技術の向上,運用面からは省電力化という技術的課題が挙げられる.この課題には 実環境においてロボットの転倒の危険性ができる限り小さくなるように歩行の安定性を高め,

かつ消費電力が増加すると考えられる歩行動作中のエネルギ効率を高める二足歩行技術の向 上が含まれる.本研究では,1) ヒューマノイドロボットは不整地での歩行が困難であるとい う現状において,歩行の安定性を高め不整地を高速で移動できる不整地歩行,2) ヒューマノ イドロボットのエネルギ効率が低いという現状において,エネルギ効率が高くかつ歩行の外 見がより人間に近い膝関節伸展歩行,の二つを二足歩行技術向上のための研究課題と定めた.

各研究課題に対しては以下のような手法を用いた.

ヒューマノイドロボットは不整地での歩行が困難であるという現状の課題に対処するもの として,膝を深く曲げて腰を低くし足を左右に開いた歩行姿勢と,前後に長い足裏形状のデ ザインを組み合わせることにより歩行の安定性を高め不整地における高速な動歩行を実現し た.ロボットの動揺が発振しないように,ジャイロセンサで計測したロール方向とピッチ方 向の角速度を,足首関節・股関節・肩関節にフィードバックする制御を行い,ロボットの姿 勢の安定化を図った.歩行の直進性を向上するために,ジャイロセンサで計測したヨー方向 の角速度の積分値を,股関節のヨー軸の関節角度指令値にフィードバックする制御を行い,

ロボットの進行方向を定めた.安定性の評価基準として傾斜度安定余裕を計算することによ り,本手法の有効性を検証した.

ヒューマノイドロボットのエネルギ効率が低いという現状の課題に対処するものとして,

エネルギ効率が高くかつ歩行の外見がより人間に近い膝関節伸展歩行を実現した.膝関節伸 展歩行の膝が伸びたときの特異点問題に対処するために,脚に平行リンク機構を採用し,胴 体の姿勢を機構的に維持できるようにした.膝の関節角度の指令値は,逆運動学を用いた計 算から求めるのではなく,直接的に角度指令値を与えた.膝関節の大きな角速度に対する追 従性を向上するために,一つの膝に二個のモータを使用した.

本歩行手法をヒューマノイドロボットの実機に組み込んで試験を実施した.不整地歩行の ロボットは,平地における最高速度400[mm/s] の37% という高い歩行速度150[mm/s]を実現 し,ロボットの世界的なサッカー競技大会「ロボカップ」の不整地歩行競技では,2 位のロ ボットに比べて9 倍の歩行速度で不整地を踏破して1 位を獲得した.膝関節伸展歩行のロボ ットは,膝の関節角度の軌道が従来歩行に比べてより人間に近いことが確認され,消費電力 が従来歩行の61% という高いエネルギ効率を実現し,ロボカップのテクニカルチャレンジ 競技では3 位の結果を獲得した.本歩行手法は,ヒューマノイドロボットの実機を使用した 検証結果とロボカップで実施した参考実験の結果により,ヒューマノイドロボットの実用化 に向けた実践的な歩行手法であることが確認された.

参照

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