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医療サービスの発展や向上に対する外商投資家による貢献の機会を与えるものであり 今後の動きを注視する必要がある 中国に関するお問い合わせについては 下記までお願いいたします 折原康貴 Tel: 香港 香港裁

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目次: 中国・韓国・香港・台湾・インドネシア・カンボジア・シンガポール ---ベーカー&マッケンジー法律事務所は、アジア・太平洋地域に 17 の事務所からなるネッ トワークを有しております。アジア・フォーカスチームにおいては、かようなネットワー クを最大限に活かし、アジア全域へ進出・事業拡大を検討する日本企業に対し、コーポ レート、M&A、ファイナンス、紛争解決等、幅広い分野でシームレスなリーガルサービ スを提供しております。本ニューズレターは、アジア各事務所にて執務する日本人弁護士 が、現地における最新の重要な法律情報をお届けするものです。

東アジア

中国

外商投資家による 100%所有の病院設立を 3 都市・4 省において許可

中国の商務省及び国家衛生和計画生育委員会は共同で、2014 年 7 月 25 日から北京市、天津市、上海市の 3 都市 及び江蘇省、福建省、広東省、海南省の 4 省において、外商投資家による 100%出資の病院の設立を認めるパイ ロットスキームを実施することを公表した。これにより外商投資家は、新たな病院の設立又は既存の病院の買収 を行うことができるとされている。香港、マカオ及び台湾の投資家は伝統的な漢方療法を実施する病院の運営を 認められている。 2011 年の外商投資目録における外商投資プロジェクトの制限項目から「医療機関」の項目は除外されているも のの、香港、マカオ及び台湾以外の外商投資家による病院の設立については、2013 年に上海自由貿易試験区に おいて外商投資家による 100%保有の病院の設立が認められるまでは、中国と外商投資家による保有比率の制限 付きの合弁会社による投資に限定されていた。今回のパイロットスキームにおいては、外商投資家に対して中国 でのヘルスケア産業に対する門戸を拡大することになる。 パイロットスキームにおいて、許可地域で 100%保有の病院を設立しようとする外商投資家は、以下のいずれか の要件を満たす直接又は間接的なヘルスケアに関する投資及び運営の経験のある独立した法人である必要がある。  国際的に先進的な運営の経験、運営モデル及びサービスモデルを提供できること  国際的に先端の医療技術及び機器を提供できること  地域の医療サービス能力、医療技術、資本的・医療的施設を補完又は改良できること 承認手続については、健康省及び商務省の地域事務所が担当することになる。上海自由貿易試験区と異なり、パ イロットスキームにおいては外商投資家が 100%保有する病院の最低投資金額や最長運営期間を規制しておらず、 各地域の政府によってパイロットプランの実施の方式は異なる。 中国のヘルスケア市場に進出する機会を得るためには、実際の各地域におけるパイロットプランの実施の状況や 実務によるため、外商投資家としては今後の注視が必要となる。今回のパイロットスキームの実施は、これまで 厳しい規制業種であった医療分野に対する外商投資家の参入を緩和するものであるが、価格設定や医薬品・医療 機器の輸入といった実務的な問題は残っている。地域政府機関が実施計画を発表するまでは、外国資格の医師の 雇用要件や既存の健康保険でカバーされるサービスといった点に関し、外商投資家による投資に対する規制があ るかどうかについては、不明確な状況にある。もっとも、今回のパイロットスキーム自体は、適用地域において

アジア・フォーカスチーム ニューズレター

2014 年 10 月号

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医療サービスの発展や向上に対する外商投資家による貢献の機会を与えるものであり、今後の動きを注視する必 要がある。 中国に関するお問い合わせについては、下記までお願いいたします。 折原康貴 Tel: 03-6271-9545 [email protected]

香港

香港裁判所が e ディスカバリー制度のパイロットスキームの導入を公表

香港の司法機構は e ディスカバリー制度に関するパイロットスキームを実施すると公表した。パイロットスキー ムは商業案件に関して電磁的に保存された書類の開示及び提出を目的としており、2014 年 9 月 1 日より実施され ている。 実務方針によれば、本制度の主な目的は、電子化された書類を証拠として開示又は提出する際に、より合理的な 配分、かつ経済的な枠組みを整備するということにある。本制度の適用対象は、2014 年 9 月 1 日以降に高等法院 で審理された案件、又は同法院の商業案件審理表(Commercial List)の案件で訴額が 800 万香港ドルを超え、か つ開示対象となる書類が 1 万件以上存在する案件である。また、当事者の合意又は裁判所の指示により実務方針 に従って証拠開示を行う案件も含まれるとのことである。なお、実務方針に基づく証拠開示は、一般的な証拠開 示手続より限定的であり、開示書類は直接的な関連性があるものに限定されている。 この新しい枠組みの狙いは、当事者間で訴訟手続の初期の段階から e ディスカバリーの範囲において積極的な協 議を進め、相互の協力を促進するという点にある。本制度は、当事者間の電子書類開示義務についての初期の協 議を促進する目的で、電子書類開示質問票(Electronic Documents Discovery Questionnaire: EDDQ)を導入して おり、当事者は EDDQ を提出する必要がある。EDDQ には開示の日付と期間、書類の保管者、保管場所、通信 及び書類の形式、当事者が使用するデータベースに関する状況等が記載され、当事者は EDDQ とともに主張書 面や答弁書を提出する必要がある。 現段階において、e ディスカバリーの実施がどの程度行われるか、当事者間での協力が実際に促進されるのかど うかについては不明な状況である。当事者としては、実務方針を遵守する義務を負うため、紛争の初期の段階に おいて、電子書類の保管方法、保管場所、管理者、日付等を確認することができるような体制にしておくことが 望ましい。さらに e ディスカバリーを想定し、紛争前の段階から e ディスカバリーを念頭に置いたデータ管理業 者に業務委託を行うという実務的な対応が考えられる。 香港に関するお問い合わせについては、下記までお願いいたします。 折原康貴 Tel: 03-6271-9545 [email protected]

台湾

行政院が国土計画法草案を承認

行政院は、7 月 24 日に内政部が起草した「国土計画法」草案を承認した。本計画法は、現在、立法院において 審議が行われている。内政部によれば、本法案は将来的に国土の保全、海洋保護、農業経営及び都市と農村開発 等の面から過剰開発による環境破壊防止に対応することを目的とした法案であるとされている。以前にも関連法 案が立法院に提出されているが、いずれも立法院の審議で可決されなかったという経緯もあり、今回は立法院に おける承認を取得すべく、与野党協調について内政部が積極的に取り組んでいるとされており、注目を集めてい る。 従前の草案と本法案の主要点としては、内政部が行政院原住民委員会と共同で原住民族の土地及び水源に関する 土地使用規制と原住民の土地に関する特別地域計画の作成を行うとともに、国土計画の安定性を確保するため、 土地区分の使用原則を明確に確立し、開発を理由とした土地区分の変更を禁止するとしている。そして、政府は

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国土持続的発展基金を設置し、その基金の財源として最初の 10 年間は政府が予算を確保するとし、予算総額は 500 億台湾ドル以上となっている。 内政部によれば、環境資源の特性及び発展の需要により国土保全地域、海洋資源地域、農業発展地域及び都市と 農村開発地域という四区分に分類し、保全や開発の程度により更に分類するとしている。 本法案の主な内容は次の通りである。  国土計画の類型、全国の国土計画と直轄市・県の国土計画との相互関係、又は国土計画と都市計画、国家 公園計画、政府の各主務機関の部門計画との相互関係(第 7 条)  国土計画の作成、国民の参加、審議及び承認、公告、実施のための手続(第 10~12 条)  国土区分及び分類の原則、国土の用途区分図面の作成及び土地使用規制の原則(第 19~22 条)  国土の用途区分の原則に基づき、土地使用者による許可申請及び主務機関が申請を受理した後において処 理されるべきこと(第 23~25 条)  従来適法に使用している土地、建築物又は施設に関し、その権利者の権利保障及び補償の原則(第 31、32 条)  土地使用規制に違反した場合の罰則(第 33、34 条)  国土の持続的発展のための基金の設置、その資金源及び用途(第 38 条)  各級政府機関の国土計画及び国土の用途区分図面の公告、施行の期限、及び地域計画法の不適用の期限 (第 39 条) 台湾に関するお問い合わせについては、下記までお願いいたします。 折原康貴 Tel: 03-6271-9545 [email protected]

東南アジア

インドネシア

インドネシア語による契約書の作成義務に関するジャカルタ高等裁判所の判断

2014 年 5 月、ジャカルタ高等裁判所において、金銭消費貸借契約書についてインドネシア語版が作成・締結さ れなかったために、当該契約が国旗、国語、国の紋章及び国歌に関する法律(2009 年法律第 24 号)の規定に反 するとして契約書の効力を無効としていた西ジャカルタ地方裁判所の判断を是認する判断がなされた。 高裁の判断は、地裁の判断に特に詳細な説明を加えることなく、地裁の判断を是認するものである。本件は、現 在最高裁で争われており、その最終的な判断が待たれるところであるが、商業的契約についてはインドネシア語 の作成を不要とすると解釈されていた実務的慣行と相反する判断として議論を呼んでいた上記地裁の判断を是認 するものであり、実務上の影響は大きいと予想される。 上記判断に対応し、最高裁において判断が確定するまでの間に締結される契約の効力につき十分な保障を図るた めには、①作成される契約書の言語に加えてインドネシア語版の契約書を同時に作成・締結する、②(インドネ シア語版作成による契約締結の遅延を避けるために)他言語による契約締結後、一定期間内にインドネシア語版 を作成・締結することを契約書中に定める等の対応を検討する必要があると考えられる。 インドネシアに関するお問い合わせについては、下記までお願いいたします。 富本聖仁 Tel: 03-6271-9710 [email protected]

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シンガポール

2014 年の

ナショナル・デイ・ラリーにおける

シンガポール首相のスピーチ

例年、8 月 9 日の独立記念日後の第二日曜日に、時の首相がシンガポールにおける主要な課題と今後の方向性に ついて演説する集会、ナショナル・デイ・ラリー(National Day Rally)が開催される。2014 年のナショナル・デ

イ・ラリーは 8 月 17 日に開催され、首相のリー・シェンロンがスピーチを行った1。同スピーチは 2014 年及び

2015 年のシンガポール政府の指針を示すものとして重要視されていたが、今回は急増する外国人の問題、高騰 する不動産の問題には敢えて踏み込んだ発言を控えたようである。他方、シンガポール人の労働問題、高齢化対 策について重点的に言及がなされた。スピーチの概要は以下の通り。

 CPF(Central Provident Fund、シンガポールの年金積立制度)の一部を一時金として 65 歳から受け取り可能

とする新システムの導入(定額給付金とは別に受け取り可能)  2015 年 7 月 1 日以降に 55 歳になる CPF 積立者の CPF Minimum Sum(CPF の口座に残しておくべき定年後の 生活に必要な最低残高)を 16.1 万シンガポールドルに設定(現在は 15.5 万シンガポールドル)  低所得の 65 歳以降の積立者を対象として毎年提供される金銭的支援制度、シルバーサポートボーナスの創 設  キャリア面ですべてのシンガポール人を教育・研修・育成する総合的なシステムを創設し、各個人のスキル 向上に基づき産業を支援するとともに、個人の社会的認識を向上することを目的とした政府、雇用者及び労 働組合から成る三者委員会を設置  大学卒業者か否かに関わらず、より責任のある業務に就かせるための支援を企業が提供  公営住宅(HDB フラット、長期間の借家権を居住者が取得する形態)のリース・バイバック・スキーム (借家権の一部を政府が買い戻す制度)の対象を 4 部屋の HDB フラットに設定(従来は 3 部屋の HDB フ ラットが対象であった。4 部屋の HDB にすることでシンガポールの HDB フラット所有者の半数以上をカ バーできることになる)  ジェロン湖・クアラルンプール(マレーシア)間に新しい高速鉄道の敷設計画を推進(マレーシア政府と交 渉中)し、自然豊かなジェロン湖エリアに居住エリア、庭園と融合した科学センターの新設を計画 ●

求人サイトへの広告を義務付けた Fair Consideration Framework が施行

2014 年 8 月 1 日、シンガポール人材省(Ministry of Manpower)は、シンガポール政府が総力を挙げて取り組む シンガポール人の雇用を促進する枠組み「Fair Consideration Framework」を施行した。同枠組みでは、外国人を 雇用するための管理・専門職向け雇用許可書(Employment Pass: EP)を申請(EP 保有者の転職による雇用を含 む)する場合は、シンガポール政府が運営する求人情報サイト Jobs Bank(https://www.jobsbank.gov.sg/)に少な くとも 14 日間にわたりシンガポール人にも応募の機会を与えるため、求人広告を掲載することが求められてい る。企業は求人広告の掲載 14 日後には、国籍を問わず最適な候補者を選ぶことができる。また、Jobs Bank に掲 載された各求人広告には、シンガポール労働力開発庁(Singapore Workforce Development Agency: WDA)が発 行した識別番号(Job Posting ID)が存在するため、EP の申請用紙には該当する番号を記載する必要がある。 シンガポール三者委員のガイドライン(Tripartite Guideline)では、Jobs Bank での求人広告は特定の国籍保有者 を対象としてはならないと定めている。その他、Jobs Bank での求人は、同ガイドラインに従う必要がある。 もっとも、実務上の理由から、下記の求人については、広告掲載の要件は免除される。

1 スピーチの内容はシンガポール首相官邸のサイトで公開されている。 http://www.pmo.gov.sg/content/pmosite/mediacentre/speechesninterviews/primeminister/2014/August/prime-minister-lee-hsien-loong-s-national-day-rally-2014--speech.htm

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 従業員数が 25 人以下の会社の求人  月額固定給与が 12,000 シンガポールドル以上の求人  企業内の移動(シンガポールの関連会社に移動した従業員の異動も含む。世界貿易機関(WTO)のサービ スの貿易に関する一般協定(GATS)に基づき、企業内の上級管理職又は豊富な経験を要求される職務への 移動が対象となる)  短期間の職務の求人(シンガポールでの雇用期間が 1 か月を超えない雇用) 同制度については、シンガポール人が応募してきた場合、雇用しなければならないという義務まではないため、 形式的に 14 日募集した上で、結局外国人を雇用することも不可能ではないものの、それを見越して、シンガ ポール人材省は外国人比率が異常に高い企業等に対しては、定期的に検査を行っている。また、このような企業 に対し、国籍情報付きの組織図、従業員からの苦情処理プロセス、従業員の昇進に関する枠組み、シンガポール 人である従業員を高い地位に就任させる・EP 保有者への依存度を低減させるための雇用計画等の提出を求めて いる。これらは、従業員が国籍を前提として採用されていないかといった点についてのチェックが行われること を示している。 したがって、上記の求人掲載義務を怠らないように注意する必要があることはもちろん、日本人のみで構成され ているシンガポール子会社においては、シンガポール人材省からの指摘が行われる可能性があるため注意が必要 である。 シンガポールに関するお問い合わせについては、下記までお願いいたします。 栗田哲郎 Tel: 03-6271-9522(日本)、+65-8183-5114(シンガポール) [email protected]

タイ

タイ入国管理局、入国時のビザ審査を厳格化へ

タイ入国管理局は、2014 年 8 月 12 日より、観光旅行者及びビジネス旅行者のいずれもがタイ来訪時に適切なビ ザを取得することを確保するための新たな方策を実施している。これは、ビジネス目的を有するにもかかわらず、 ビザ免除措置を利用してタイに入国し就労する外国人が増加していることへの対応策である。 タイの法令上、外国人がタイで就労するためには、通常、非移民ビジネスビザを取得し、労働許可証の交付を受 ける必要がある。他方、日本を含む一部の国籍者に対しては、入国目的が観光である場合に限って、ビザを免除 して 30 日間の滞在を許可するとのビザ免除措置がとられている。かかるビザ免除措置を利用して、ビジネス目 的を有するにもかかわらずタイに入国し、非移民ビジネスビザ及び労働許可証を取得しないまま就労している外 国人が近時増加しており、悪質な事例ではビザ免除措置を用いてタイの出入国を繰り返し実際上長期滞在を行っ ている場合があるとのことである。今般の新たな方策は、当該状況に対する取締まりを強化するために行われる。 実際、タイと隣接国との陸路国境において、出国同日にタイ入国を試みて入国を拒否された事例も存するようで ある。 今回の措置は悪質な事例の取締まりを主な目的とするものであって、通常のタイ入国手続への影響は軽微である と思われるものの、入国手続における今後の運用を注視する必要がある。 タイに関するお問い合わせについては、下記までお願いいたします。 勝山正雄 バンコク事務所勤務 Tel: +66-2-636-2000(内線 4022) [email protected]

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フィリピン

汚職行為防止に関連し、公務員が関与する契約について、あっせんを行う旨の

申し出を行った者に刑罰を課す法案(共和国法第 48211 号)が成立の見込み

フィリピンでは、2014 年 8 月 26 日に汚職行為防止に関連し、公務員が関与する政府との契約について、あっせ んを行う旨の申し出を行った者に刑罰を課す法案が全会一致で議会の第三読会を通過した。今後、ベニグノ・ア キノ 3 世大統領の承認及び署名を経て新法が成立する可能性が高い。 新法は、公務員の関与する政府との契約や申請について、一定の利益を対価として、当該契約や申請につきあっ せんを行う旨の申し出(当該あっせん行為を行うことが可能か否かを問わない。)を、口頭又は文書により行っ た者に対し、最長 6 年間の懲役又は最高 1,000.000 ペソの罰金の両方又はいずれかを課し、さらに同人が公務員 であった場合、公職からの追放を可能とする旨を規定している。 フィリピンにおける、国内公務員に対するあっせん収賄行為を罰する既存の汚職行為防止法には、以下のものが 含まれる。 改正刑法: 同法は、公務員の贈賄、汚職を規定し、公務員と民間人の両方に適用される。あっせん収賄行為に ついては、政府との契約に関連する利益の収受、権力の行使による利益の収受、取引相手である会社への就職、 行政上及び司法上の権力の行使に当たり不当な損害を生じさせること、及び私的な利益を得るために任務を遂行 しないこと、著しく不利な取引を実行すること等が含まれる。 収賄及び汚職行為防止法(共和国法第 3019 号): 同法は、政府との契約に関連して利益を得る行為(あっせん 収賄行為)を禁止している。 公務員及び政府職員の贈収賄処罰法(大統領命令第 46 号): 同法は、公務員が贈答品を収受すること及び民間 人が公務員に敬意を表するための贈答品の申込み及びパーティーの開催や接待を行うことを禁止している。 既存の法律は、いずれも利益の収受を要件とするものであったのに対し、今回の新法は、あっせん行為の申し出 自体を禁止する規定であり、新法が成立すれば、より早い時期に汚職行為を処罰することが可能になる。 今回の法案は、アキノ大統領が就任当初から最重要課題として掲げる汚職への取り組みに合致したものである。 近年、これらの汚職対策の取り組みを経てフィリピンの汚職・腐敗度に対する国際評価は改善してきており、ド イツにある非政府組織であるトランスペアレンシー・インターナショナルの調査結果によるフィリピンの腐敗度 ランキング(順位が高いほど腐敗度が低い)は、2008 年の 180 か国中 141 位から 2011 年の 129 位、2012 年の 105 位、昨年の 94 位と上昇し、ASEAN 諸国の中で第 3 位へと躍進した。 フィリピンに関するお問い合わせについては、下記までお願いいたします。 寺田万里子 Tel: 03-6271-9536 [email protected]

ベトナム

外国契約者税の課税対象範囲の拡大

外国企業が、ベトナム国内の企業との契約に基づきベトナムで収入を得た場合には、ベトナムにおいて外国契約 者税が課される。2014 年 10 月 1 日より施行される財務省の通達 103 号(Circular No. 103/2014/TT-BCT)におい ては、契約条件や取引における役割分担により、ベトナムに物品・サービスを提供する外国企業に対して外国契 約者税が課される可能性が拡大した。通達 103 号は、通達 60 号(Circular No. 60/2012/TT-BCT)に代わり施行さ れ、10 月 1 日以降に締結される契約は通達 103 号が適用される。提供するサービス契約条件により課税範囲が拡 大することから、ベトナム企業に対する物品・サービス提供の契約では、外国契約者税の課税可能性をふまえて 条件を明確に記載することがさらに重要となる。

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適用対象となる取引

通達 103 号においては、外国企業が販売する物品に対するベトナム国内での危険(紛失、破損等のリスク)を負 担した場合には、外国契約者税が課される。旧法である通達 60 号におけるインコタームズの DDP、DAT 又は DAP 条件の場合に加えて、通達 103 号では、新たに以下のいずれかに該当する場合には、物品・サービスを提 供する外国企業に対して外国契約者税が課税される。 (a) 外国企業が、ベトナム企業に対して引き渡した物品の所有権を留保する場合 (b) 外国企業が、流通、販促、宣伝の費用を負担する場合 (c) 外国企業が、物品・サービスの品質に対する責任を負担する場合 (d) 外国企業が、物品・サービスの第三者への販売価格を決定する場合 (e) 外国企業が、流通又はその他ベトナムでの物品販売に関するサービス提供のために、ベトナム現地業者に委 託した場合

適用対象とならない取引

通達 103 号では、単に保証条項を付けていることのみでは課税の対象とならないことが明確になった。また、国 際輸送、中継、加工のための保税倉庫、内陸コンテナデポを利用する場合も課税の対象にならない。 ●

中古機械の輸入規制の施行停止

老朽化した中古機械の輸入を防止するため、ベトナムの科学技術省は、2014 年 7 月 15 日付けで通達 20 号 (Circular No. 20/2014/TT-BKHCN)を公布した。通達 20 号では、輸入する中古機械は使用期間 5 年未満で元の 性能の 80%以上を保持していなければならないとの条件が課された。 しかし、公布直後から、外資系企業及びローカル企業、特に国外の製造拠点からベトナムへの製造ライン移転・ 拡張のため中古機械の輸入を検討する製造業者から多くの批判が集まった。 通達 20 号は 9 月 1 日より施行予定であったが、批判を受け、科学技術省は施行直前の 8 月 29 日に施行を停止す る決定を出した。法令の施行が停止されることは非常に珍しく、この決定はベトナム政府が高性能の機械を要す る製造分野への投資を支援する姿勢の表れとも考えられるが、今後も輸入中古機械への制限が課される可能性が あるため留意が必要である。 ベトナムに関するお問い合わせについては、下記までお願いいたします。 松丸知津 ハノイ事務所勤務 Tel: +84-4-3936-9614 [email protected]

マレーシア

マレーシア半島における外国法律事務所及び外国資格弁護士の活動の解禁

マレーシア弁護士会は、Legal Profession Act 1976(LPA)の改正及び Legal Profession (Licensing of International Partnerships and Qualified Foreign Law Firms and Registration of Foreign Lawyers) Rules 2014 が 2014 年 6 月 3 日付で 施行されたことを 2014 年 6 月 30 日に公表した。この改正により、外国法律事務所及び外国資格弁護士の活動が その規定に従いマレーシア半島において解禁されることになる。

ライセンスのカテゴリー

今回の改正で新設された LPA の新しい章によれば、外国法律事務所はマレーシアの法律事務所との国際的な パートナーシップ、あるいはマレーシアの法律事務所をパートナーとすることが不要な認定外国法律事務所

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(Qualified Foreign Law Firm)として活動が認められることになる。また、マレーシアの法律事務所が外国弁護 士を雇用することも可能となった。 いずれのライセンスに関しても期間は 3 年(更新可能)で、諸条件が付帯する可能性がある。

出張ベースでの外国弁護士の活動、及び仲裁に関する弁護士活動

また、今回の改正で、外国弁護士がマレーシア法のアドバイスを提供しない場合には、1暦年で最大 60 日間ま でマレーシアに滞在した上でマレーシアにおいて案件に従事することが認められることとなった(入国管理手続 のクリアランスを条件とする)。また、今回の改正で、外国弁護士が仲裁手続に関与するためにマレーシアに入 国することが認められることとなった。

外国弁護士の活動が認められる事業領域

上述の 3 カテゴリーの下で外国弁護士の活動が認められる領域は限定されており、「マレーシア法に加え最低で ももう一カ国の法律の適用がある業務、あるいはマレーシア法以外の法律によってのみ規律されている業務」と されている。認定外国法律事務所がかかる領域外の業務を行うにはマレーシアで資格を有する弁護士を関与させ る必要がある。 外国弁護士の活動が認められない領域には、憲法、行政法、刑法、家族法・相続法、中小企業への貸付を含むリ テールバンキング、知的財産権の登録業務、マレーシアにおける訴訟代理等が含まれる。

緩やかな解禁・自由化

外国弁護士の活動を認めることによるマレーシアにおける弁護士業の自由化は、マレーシアの法律事務所が参入 する外国法律事務所と公平な立場で競争するに足る専門性を取得する必要性との兼ね合いで慎重に検討されなけ ればならないとされている。したがって、弁護士業の自由化は今後も緩やかに進むものと考えられる。

結論

マレーシア弁護士会は、今回の改正はマレーシアの弁護士業界にチャンスをもたらすものと捉えなければならな いとしている。もっとも、現時点においてライセンスの申請をしている外国法律事務所は、それ程多くないよう であり、今回の改正が実務上与えるインパクトについては未だ不透明である。 マレーシアに関するお問い合わせについては、下記までお願いいたします。 木村裕 Wong & Partners(ベーカー&マッケンジーのメンバーファーム) クアラルンプール勤務 Tel: +603-2298-7888 [email protected]

ミャンマー

ミャンマー投資委員会告示による「ネガティブリスト」の全面改正

ミャンマーにおける外国投資規制は複雑な構造を持つが、外国投資法、外国投資規則及びミャンマー投資委員会 の告示(MIC 告示)が、事実上、ネガティブリストとして機能している。中でも、2013 年 1 月に成立した MIC 告示が最も詳細なリストを規定しているが、このたび、2014 年 8 月 14 日付で同告示が全面改正された。 新告示においては、旧告示において 21 業種存在していた①禁止業種(economic activities under prohibition)が 11 業種に、また、②制限業種(economic activities to be allowed only in the form of joint venture with Myanmar citizens、 ミャンマー内国投資家との JV を組成することが義務付けられる業種)が 42 業種から 30 業種に減らされた。ま た、③特定条件付業種(economic activities permitted with the specific condition)の数も減少している。

しかしながら、旧告示では、連邦政府や監督官庁の許可取得を条件としたり、国内産原料の使用を求めるなどの 「特定の条件」を付せられる業種という意味であった③の特定条件業種が、新告示では、前提として、ミャン

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マー内国投資家との JV を組成したうえで、③(i)関連官庁の許可・推薦を要する 43 業種と、③(ii)その他の条件 を課する 21 業種と定義されることとなり、JV の組成を要するビジネスの範囲はかえって広範となるなど、必ず しも全面的に外資規制を緩和する方向にあるとの評価はできない。 さらに、旧告示で③特定条件付業種に含まれていた流通小売業に関する以下のような「特定条件」が、新告示で はすべて削除されている点が注目されている。  小規模小売業は禁止される(ただし、小規模かどうかの判断基準は不明)。  デパートやスーパーマーケット、ショッピングセンターは許可するが、現在内資企業が営業を営んでいる付 近では禁止される(近接性の判断基準は不明)。  国内製品を優先して販売することを義務付ける(「優先販売」の具体的内容は不明)。  自動車とバイクを除く小売業を 2015 年から解禁するが、最低資本金は 300 万ドルとし、租税優遇措置は付 与されない。  複数店舗の設置はフランチャイズ形態によってのみ可能である。  小規模倉庫業は禁止される。  卸売業を営む場合は、商務省の許可を取得することが必要である。 上記の削除をもって、ミャンマーにおける小売りが全面的に自由化され、コンビニエンスストア、外食産業が自 由に同国に進出できることとなったとする報道も見られたが、旧告示時代も、告示の記載と実際の運用が乖離し ている事例が多かったことから、このような自由化がすぐに実現するとみる向きはむしろ少数であろうと思われ る。 なお、JV の組成が要求される場合の内資・外資の比率については、新告示においても、各業種ごとには定めら れておらず、法律上は、外国投資規則 20 条に規定する内資 20%:外資 80%が適用されることになるはずである が、実際には、MIC が個別判断することとなると思われる。 ミャンマーに関するお問い合わせについては、下記までお願いいたします。 穂高弥生子 Tel: 03-6271-9461 [email protected]

南アジア

インド

外国直接投資規制の緩和-鉄道産業・防衛産業

インド政府は、2014 年 8 月 26 日、防衛産業に関する外国直接投資規制を緩和し、外国直接投資の上限比率を従 来の 26%から 49%へ変更した 。ただし、政府承認ルート であること及び 1951 年産業(開発規制)法に基づく許 可を必要とすることは従来から変更されていない。また、投資対象会社は、インド国籍者によって保有かつ支配 されているインド法人でなければならない等の制限がある。 また、インド政府は 2014 年 8 月 27 日、鉄道産業に関する外国直接投資規制を緩和し、鉄道産業への外国直接投 資を初めて認めた 。上限比率は 100%であり、自動承認ルート となる 。外国直接投資が認められる鉄道産業と は、具体的には以下のものに関する建設、運営及びメンテナンス事業をいう。  PPP を通じた地方回廊プロジェクト/高速鉄道プロジェクト/貨物専用鉄道/鉄道を含む車両/信号システ ム/貨物ターミナル/旅客ターミナル/鉄道に隣接し付随する工業団地におけるインフラストラクチャー/ 大量高速輸送システム(Mass Rapid Transport System)

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なお、鉄道産業に対する外国直接投資については、鉄道省が定めるガイドラインの適用を受ける。また、鉄道産 業のうち、安全保障上の見地から重要と判断される分野について 49%超の外国直接投資を行う場合には、内閣安 全保障委員会による審査を受けることがある。

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