• 検索結果がありません。

平成 22 年近畿圏パーソントリップ調査から見た 移動困難者の移動実態

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "平成 22 年近畿圏パーソントリップ調査から見た 移動困難者の移動実態"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平成 22 年近畿圏パーソントリップ調査から見た 移動困難者の移動実態

猪井 博登

1

・山室 良徳

2

・田中 文彬

3

・白水 靖郎

4

1正会員 大阪大学助教 大学院工学研究科地球総合工学専攻(〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1)

E-mail:[email protected]

2正会員 中央復建コンサルタンツ株式会社 計画系部門(〒533-0033大阪市東淀川区東中島4-11-10)

E-mail[email protected]

3正会員 中央復建コンサルタンツ株式会社 計画系部門(〒533-0033大阪市東淀川区東中島4-11-10)

E-mail[email protected]

4正会員 中央復建コンサルタンツ株式会社 計画系部門(〒533-0033大阪市東淀川区東中島4-11-10 E-mail [email protected]

京阪神都市圏では、平成22年度に近畿2府4県4政令市(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、

和歌山県、京都市、大阪市、堺市、神戸市)において、昭和45年の第1回目から数えて、第5回目とな る「パーソントリップ調査」(以下「PT調査」)を実施した。モータリゼーションの進展に伴い、クル マに依存したライフスタイルが広がるなかで、誰もが自由に移動できる社会の実現が求められている。一 方、今後ますます高齢化が進展する状況にあるなか、外出時の身体上の困難を持つ方などへのモビリティ の確保の重要性が高まっている。そこで、今回のPT調査では、移動困難者のモビリティ確保に向けた検 討に資するデータを収集するため、調査票の個人属性の質問項目に、外出時に関しての困難の有無や要介 護認定の状況、あるいは身体障害者手帳の有無に関する設問を設け、移動困難者の移動実態を把握するこ ととした。本稿では、PT調査結果(速報版)の分析により明らかになった移動困難者の移動実態・特性 等についての考察を行う。

Key Words : Travel behavior and activity analysis, Trip generation unit, principal trans- portation means

1. はじめに

第 5 回近畿圏パーソントリップ調査では、パーソン トリップ調査において、はじめて移動困難に関する設問 が追加された。これまで、移動困難者の移動実態を捉え た研究はあるものの、都市圏全体の移動困難者の実態を 調査した初めての調査である。本研究では、このデータ を集計し、移動困難者の移動実態について整理するとと もに、移動困難者のとらえ方について検討する。

なお、本論文において、実サンプルと断っていない場 合のサンプル数は拡大後の数字である。

2. 調査の概要 (1) 調査対象範囲

近畿圏全域(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良 県、和歌山県〉

(2) 調査方法

・ 郵送配布

・ 回収は郵送またはWeb回収(選択制)

(3) 特徴

本研究に関連する第5回調査の特徴は下記になる。

・ 調査対象範囲を、近畿全域に拡大

・ 本体調査票に移動困難に係る設問

・ 調査票配布者以外の方を対象としたオープン Web 調査を実施

(4) 調査期間

・ 平成22年10月~11 月 (5) 回収結果

・ 世帯回収数 355,073件(回収率19.9%)

3. 年齢層(高齢者、[前期・後期]高齢者)に関す る集計

図- 1 に年齢層別の生成原単位・外出率を示した。前 期高齢者、後期高齢者と年齢が増加するほど、グロスの 生成原単位が外出率が低下し、ネットの生成原単位は大 きくは減少しないという点は、これまでの調査から明ら かになっていることと同様の傾向を見ることができる。

(2)

加えて、前期高齢者においては、ネットの生成原単位 は他の年齢層よりも高い状態を見ることができ、前期高 齢者の中でも活発に活動している人が見られるようにな り、これまでの交通対策の効果と見ることができる。

後期高齢者になると外出率の低下が著しくなり、トッ との生成原単位も低下することから、高齢者を対象とし た移動支援施策を考える際には、後期高齢者を対象とす るなど、「高齢者」の範囲を絞る必要性が見られる。

図- 1 年齢層別生成原単位・外出率

4. 要介護認定の有無に関する集計

今回の調査の要介護認定者の比率は3.5%。一般には 人口の約5%程度であることを考えると、手帳保有者の 比率はやや少ない。しかし、分析に用いる上では十分な 数が集まっており、問題はないと考えられる。

(1) 生成原単位・外出率

高齢者のうち、移動の困難な人が含まれる可能性が高 い者として、要介護認定を受けた者であるかという指標 がある。そこで、要介護認定の有無別に生成原単位、外 出率を図- 2に示した。

なお、介護保険制度においては、満40歳以上の者が 被保険者となる。65歳以上を第1号被保険者とよび、介 護や支援が必要な際にサービスを受けることができる。

また、40歳から65歳未満の医療保険加入者を第2号被保 険者とよび特定疾病のために介護や支援が必要な際にサ ービスを受けることができる。そのため、要介護認定を 受けられる者は、高齢者の中で特に身体に介護や支援が 必要な者である。要支援1でも生成原単位、外出率いず れでも後期高齢者の平均を下回る。また、生成トリップ のほとんどが自由目的と帰宅トリップであり、通院など に限られた外出をしていると考えられる。

図- 2 要介護認定別生成原単位・外出率

(2) 代表交通手段

図- 3に要介護認定別の代表交通手段を示した。

図- 3 要介護認定別代表交通手段(トリップベース)

自動車が代表交通手段となるトリップが多いが、要介

サンプル数(千人)

(トリップ/人日)

2,536 8,227 4,293 2,671 2,117 4,787 19,843 2.58

2.45 2.58 2.30 1.40

1.90 2.36

2.67 2.91

3.15 3.21

3.10 2.96 2.88

84.2%

82.0%

71.4%

61.3%

79.8%

96.6%

48.6%

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5~17歳

18~49歳 50~64歳 65~74歳 (前期高齢者) 75歳以上 (後期高齢者) 高齢者 計 総計

生成原単位Gross 生成原単位Net 外出率

資料出典:第5回近畿圏パーソントリップ調査速報版

※総計には要介護認定について無回答の者を含む

生成原単位Gross 生成原単位Net

外出率

サンプル数(千人) 692 18,575 19,843 0.95

2.43 2.36

2.60 2.97 2.96 36.5%

81.7%

79.8%

認定有 認定無 総計

(トリップ/人日)

160 139 95 100 72 51 45 1.28

1.05 0.92 0.83 0.72 0.61 0.47

2.77 2.65 2.51 2.45

2.40 2.40 2.38 46.3%

39.7%

36.8%

34.0%

29.9%

25.3%

19.8%

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 要支援1

要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5

資料出典:第5回近畿圏パーソントリップ調査速報版

※総計には要介護認定について無回答の者を含む

※代表交通手段不明除く

生成量(千トリップ/日)

515 41,717 43,219 5.1

19.9 19.7 4.5

30.7 34.9 34.9

17.4 17.3

26.2 21.0 21.0

3.9 0.1 0.1 1.9

1.9

0.7 0.7 3.4

0.3 0.3 3.0

0.2 0.1 14.8

3.5 3.6 0.9

5.9

0.2 0.2 1.5 認定有

認定無 総計

157 114 74 69 41 24 16 8.0

5.2 2.5 2.3 1.5 3.2 2.7

7.0 29.1 30.0 32.7 33.9 32.6 28.5 28.6

9.9

20.0 23.9 32.3 34.4

36.0 9.6

5.2 3.3

3.1 2.2 3.0 5.0 35.8 32.4 23.3

17.5 12.5 7.4

7.1 1.1 3.4 3.6

6.6 11.7 7.5 5.2

1.7 1.6 1.3

2.0 2.9

6.4 4.3 5.3

5.7 5.9

2.5 1.1

1.6 2.3

2.2 3.2 3.3 4.1

2.63.1

0.2 0.3

0.2 0.5 0.3 0.9 1.7

6.2

3.2 3.2 3.3 1.6 2.2 1.2 0.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5

鉄道 路線バス 自・貸バス 自動車

タクシー 介護タクシー等 自二・原付 自転車

徒歩 車椅子等 その他

資料出典:第5回近畿圏パーソントリップ調査速報版

(3)

護度が3以上となると、介護タクシーなどが代表交通手 段となるトリップが、ほぼ同量または介護タクシーが上 回るという状態である。介護タクシー等の比率が比較的 高いことは、タクシーチケット制度や福祉有償運送が提 供されており、これらの高度なサービスを必要とする層 を指していると考えられる。

一方、要支援1,要支援2では、自分で自動車を運転 するトリップが自動車を利用するトリップ全体に占める 比率は、それぞれ、51.3%、29.1%であるが、要介護1以 上となると、10%からそれ以下となる。以上から、要 支援の認定をもらう人については、自動車を自分で運転 していることも多く、後期高齢者と似た代表交通手段の 構成となる。

5. 障害者手帳の有無に関する集計

本調査の調査の障害者手帳保有者の比率は3.7%であ った。一般には人口の約5%が障害者手帳保有者である ことを考えると、障害者手帳保有者の比率はやや低い。

加えて、回答者の高齢者比率が高く、高齢者の障害者手 帳保有者比率は上がるはずなので、記入の困難により、

障害者の回答が低くなったと考えられる。

ただし、障害種別毎に分析を行う場合、平衡機能障害 で実サンプル数は約200人であり、近畿全域での動向把 握にとどめる方が望ましい。

(1) 生成原単位・外出率

障害者手帳保有別の生成原単位、外出率を図- 4 に示 した。

図- 4 障害者手帳保有別生成原単位・外出率

生成原単位については、障害者手帳保有者の有無によ り、ネットの生成原単位で比較するとほとんど差がない。

また、外出率については、障害者手帳保有者の外出率が

下がっている。障害者手帳保有者においては、外出して いる者の生成原単位は障害者手帳非保有者と差がないも のの、外出していない者が多い。バリアフリー化などの ある一定の整備の効果が現れていると評価することがで きる一方、外出できていない者への対策が必要と考えら れる。手帳保有者のうち、就業者が 24.9%であり、手 帳非保有者50.5%に比較すると低く、就業支援などと組 み合わせた対策が必要と考えられる。

(2) 代表交通手段

図- 5 に身体障害者手帳保有別の代表交通手段を示し た。

図- 5 障害者手帳保有別代表交通手段

(トリップベース)

自動車トリップのうち、障害者手帳保有者において、

65.8%は自ら運転している。障害者手帳非保有者 80.7%

に比べると低い値であるが、自動車を自ら運転する障害 者が少なくないことを示している。

鉄道、路線バスといった公共交通が代表交通手段とな る比率が障害者手帳保有者では比較的高い。加えて、視 覚障害、聴覚障害、音声・言語・そしゃく機能障害を有 する者は、路線バスを代表交通手段とする比率が高くな っている。一方、肢体不自由者に着目すると、手帳非保 有者に比べると路線バスを代表交通手段とするトリップ の比率が高いが、他の障害に比べると、路線バスを代表 交通手段とするトリップの比率が低い。

サンプル数(千人)

(トリップ/人日)

※総計には身体障害者手帳有無について無回答の者を含む 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0

生成原単位Gross 生成原単位Net 外出率

60.0 75.5 7.6 12.0 319.9 183.8 740 18,265 19,843 1.62

2.41 2.36

2.89 2.97 2.96

56.2%

81.2%

79.8%

手帳有 手帳無 総計

1.43 1.60 1.36

1.84 1.56

1.91 2.77 2.81 2.73

3.02 2.88

2.99 51.6%

57.1%

50.1%

60.9%

54.2%

63.6%

視覚障害 聴覚障害 平衡機能障害 音声・言語・

そしゃく機能障害 肢体不自由 内部障害

資料出典:第5回近畿圏パーソントリップ調査速報版

生成量(千トリップ/日)

69.6

99.9

8.7

18.8

440.0

311.0 17.6

17.1

9.4

15.1

10.0

12.5 6.5

5.5 2.9

6.6 4.1

4.6

26.5

29.8

38.8

30.8

42.6

40.9

12.0

16.4

14.3

13.4

10.2

11.8 28.5

22.3

17.2

23.9

18.5

21.1 0.7

0.9

3.4

0.3

3.0

0.6 1.3

1.9 2.8 1.1

0.8 1.0

1.4 1.5 1.2 1.8

1.0 1.6

2.3 4.8 2.2

8.9 2.3 2.7

3.0 2.5 2.1

0.7 3.4 2.4

0.6 0.9 1.6 1.5 0.4 0.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

視覚障害

聴覚障害

平衡機能障害 音声・言語・

そしゃく機能障害 肢体不自由

内部障害

1,033

40,750

43,219 12.1

19.9

19.7 4.6

1.8

1.9 39.2

34.8

34.9

17.4

17.3 20.7

21.1

21.0 1.8

0.1

0.7 0.1 0.7 1.5

0.3 0.3

1.4

0.2 0.2

3.5

3.5 3.5

2.711.7

0.2 0.2 手帳有 0.7

手帳無 総計

鉄道 路線バス 自・貸バス 自動車 タクシー 介護タクシー等 自二・原付 自転車

徒歩 車椅子等 その他

※総計には身体障害者手帳有無について無回答の者を含む

※代表交通手段不明除く

資料出典:第5回近畿圏パーソントリップ調査速報版

(4)

6. 外出困難に関する集計

(1) 外出困難者の出現率

本調査では、外出の際に困難を感じることについて下 記の項目で質問を行った

・ 歩行がほとんどできない[歩行が困難]

・ 歩行できるが、時間がかかる、体力を要す、歩き にくい(妊婦や骨折等のけがを含む)[歩行が苦し い]

・ 車いす(電動を含む)を利用[車いす利用]

・ 外出には付き添い、介助が必要[要付添い・介助]

・ 公共交通(一般タクシーを含む)を利用できない[公 共交通利用不可能]

・ 見たり、聞いたりする際に不自由がある. [視聴覚 に不自由]

以上の回答を集計し図- 6に示した。その結果、何ら かの外出に困難を訴える人は、全体の7.5%となった。

図- 6 外出困難

(2) 生成原単位・外出率

外出困難の別に生成原単位・外出率を図- 7に示した。

図- 7 外出困難の有無別生成原単位・外出率 外出困難においても、同様にネットで見た生成原単位

は低下しておらず、外出率が減少しており、外出してい る者としていない者に分かれており、外出していない者 への対策が必要であることが分かった。

また、外出困難を有する人がどのような位置づけとな るかを考察するため、図- 8に属性別の生成原単位およ び外出率を整理した。

図- 8 属性別生成原単位・外出率(再掲)

これまで述べたようにいずれの属性においても、ネッ トの生成原単位は減少せず、外出率の減少が見られた。

そこで、外出率の変化に着目して、それぞれの属性が移 動へあたえる支障を考える。これまで示した生成原単 位・外出率を属性毎に集計しその結果、移動に支障を与 える順番は、前期高齢者、身体障害者手帳保有者、後期 高齢者、外出困難者、要介護認定者の順となる。

(3) 代表交通手段

外出の困難の有無別代表交通手段を図- 9に示した。

介護タクシーなどがタクシーを上回っており、介護タ クシーや福祉有償運送などのサービスが外出を支えてい ることが分かった。福祉施策などにおいて、障害者手帳 保持者(特に肢体不自由など)に介護タクシーなどの利 用料金減免が行われることが多く、障害者手帳保有者の 方が介護タクシーなどの利用率が高くなると予測される が、今回の調査結果では、外出困難の回答があったもの の方が、介護タクシーなどの利用率が高かった。身体障 害者手帳保有者のうち、外出困難が有する者が部分集合 になっている可能性を示している。

0 % 1 % 2 % 3 % 4 % 5 % 0.9

4.6 0.8

2.1 0.7 1.1 歩行が困難 歩行が苦しい 車いす利用 要付添い・介助 公共交通利用不可能 視聴覚の不自由

資料出典:第5回近畿圏パーソントリップ調査速報版

サンプル数(千人)

※総計には外出困難について無回答の者を含む 生成原単位Gross 生成原単位Net 外出率

1,464 17,939 19,843 1.27

2.46 2.36

2.78 2.97

2.96 45.6%

82.9%

79.8%

外出困難有 外出困難無 総計

(トリップ/人日)

182 920 156 417 133 217 0.74

1.35 0.84

0.96 1.21 1.24

2.49 2.84 2.50

2.56 2.72

2.76 29.7%

47.4%

33.5%

37.3%

44.4%

45.0%

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 歩行が困難

歩行が苦しい 車いす利用 要付添い・介助 公共交通利用不可能 視聴覚の不自由

資料出典:第5回近畿圏パーソントリップ調査速報版

資料出典:第5回近畿圏パーソントリップ調査速報版

2.36 2.3

1.62 1.4 1.27 0.95 2.96 3.21 2.89 2.88 2.78

2.6 79.871.4

56.248.6 45.6 36.5

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5

生成原単位Gross 生成原単位Net 外出率 (右軸)

[サンプル数]

生成原単位(トリップ) 外出率(%)

(5)

図- 9 外出困難の有無別代表交通手段

(トリップベース)

公共交通においては、外出困難者の多くは、路線バス よりも鉄道を代表交通手段とするトリップが多いことが 分かった。ただし、「歩行が苦しい」「聴覚に不自由」

と回答した回答者においては、路線バスを代表交通手段 とする者の比率が高くなる。「歩行が苦しい」「聴覚に 不自由」において、1日の移動距離や外出時間は他の回 答者とほとんど差がないため、路線バスを頼る傾向が強 いことが分かった。

これまで、バリアフリー整備でバス車両の整備が取り 組まれているが、介護タクシーなどへの依存が高く、外

出をしていない者へのさらなる展開を考えると、需要の 増加が考えられる、そのため、タクシー車両のユニバー サル化、タクシーベイの整備などが必要であると考えら れる。

外出困難を持つ者の自動車利用に着目すると、視聴覚 に不自由があると回答した者以外では、自動車が最も多 い代表交通手段となっており、歩行が苦しいと回答して いる者の自動車トリップの50.9%、公共交通利用不可能 と回答している者の47.4%は、自動車を自分で運転して おり、このような移動困難者の外出支援において、自動 車の運転の負担軽減などを検討する必要性がある。

いずれの外出困難を回答した者も徒歩が代表交通手段 であるトリップの比率は高く、歩行環境の整備の意義も 大きい。

7. まとめ

移動円滑化基本構想などにおいて、外出困難を有する 人数として、高齢者数や障害者数が示されることが多か ったが、外出に困難を持つ人は 7.5%であることを示し た。また、タクシーを含めた公共交通手段が使えない者

が 0.7%居ることを示した。これは、福祉有償運送の必

要量を推し量ることに有用であると考えられる。

また、外出困難を有する人の様態として、後期高齢者 よりも外出率が低く、要介護認定者よりも外出率が高い ことから、後期高齢者よりも外出困難が強い様態である ものの、要介護認定者ほど強い困難の様態ではないこと が推測される。

さらに、今回の調査において、介護タクシーなどが交 通手段の選択肢に初めて設定され、外出困難者を中心に 移動のセーフティネットを構成している実態を示すこと ができた。

(2012. 5. 6 受付)

Travel behavior of mobility-handicapped people based on results of Person Trip Survey Kinki area in 2010

Hiroto INOI, Yoshinori YAMAMURO, Fumiaki TANAKA and Yasuo SHIROMIZU

生成量(千トリップ/日)

※総計には外出困難について無回答の者を含む

※代表交通手段不明除く

0% 20% 40% 60% 80% 100%

鉄道 路線バス 自・貸バス 自動車

タクシー 介護タクシー等 自二・原付 自転車

徒歩 車椅子等 その他

102

1,059

109

340

140

232 6.9

7.7

3.8

4.1

4.0

10.5 8.1

5.8

4.6 38.1

35.2

34.3

36.1

46.7

28.0

16.4

11.4 7.6

11.4

3.6

6.8

9.2 9.1

29.8

19.2

16.7

29.3 7.9

0.8

19.8

2.2

1.6 5.1

1.9 2.9 1.3

5.2 1.5

5.2 1.7 4.5

1.3 0.9 2.3 2.7

2.4 1.7

22.2 3.4

19.5

1.2 1.9 0.3 0.4 1.8

1.5

2.2 6.6

5.3

4.3

1.5 1.7 2.5 2.8

0.6 2.7 歩行が困難

歩行が苦しい

車いす利用

要付添い・介助 公共交通

利用不可能 視聴覚の不自由

1,570

40,958

43,219 20.2

19.7 4.7

1.8

1.9 34.9

34.9

17.6

17.3 26.8

21.0 8.1

2.8

0.6

0.7

35.2 2.0

0.3

0.3 5.5

0.0

0.2 3.5 3.6 1.7

10.4

20.8 1.8

0.0

0.1 0.9

0.2

0.2 外出困難有

外出困難無

総計

資料出典:第5回近畿圏パーソントリップ調査速報版

参照

関連したドキュメント

(5)宮崎市の社会動態の推移 社会動態は、平成8年(1996 年)頃までプラス基調にあったが、平成

【巻頭言】 学会の 誕 生 ・歩み ・これ か ら 兵 庫 教 育 大 学岩  田  一 彦 本学会誌が第20 号を迎える 。これ を機会に,時 系列的に学会の歩み を振

       会計学における「経済(学)的」思考  363

[r]

表2   「主体的・対話的で深い学び」が実現でき た子どもの姿の例 「主体的な学び」が実現できた子どもの姿の例

[r]

Occur- rence and distribution of freshwater shrimps Atyopsis spinipes and Australatya obscura (Decapoda: Atyidae) in the Satsuma Peninsula, Kagoshima Prefecture, southern

It is important to extend the survey conducted here to further clarify the influence of accompanying animals on the system dynamics of the workplace, and examine in greater