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近畿大学奈良キャンパスにおけるチ ョウ類の生息状況

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(1)

i

i 近畿大学農学部紀要 第39号 9‑40 (2006)

近畿大学奈良キャンパスにおけるチ ョウ類の生息状況

東候 達哉 ・桜谷 保之

近畿大学農学部環菟管理学科

Bi yo ut t

TO O J a n dY T t as uya

b f l

oog e r f l i i es nt he N ar aC mp a us o f Ki m k i U nve i r s i t y AKURATANI

S i k a s uy u

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k n fE Managemen

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yofbutterfliesinteN aC mpsoh fKi Un

Deparmet tno t a,F lcub10/Agn'cultur eKinkiUm'veysi&

4N kaa 0 2

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3 ‑mac NARA6hi 311 5J850,apan.

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i n

はじめに 告 しているが、それ以降、新たに生息が確認 され た種や、生態が明 らかになった種、以前 と比べ個 近畿大学奈 良キ ャンパスは奈良市郊外の矢田丘 体数に変動がある種な どがあ り、保全対策やビオ 陵にあ り、二次林、草地、調整池、及び庭園等か トープ化の基礎資料 となるためには、最新の情報 らな り環境は比較的多様 であ る.)。キ ャンパ ス内 の蓄積が必要不可欠である。そ こで今回は、新た

haron ad i

Sasak

にはオオムラサキ ac をは じめ とす

るレッドリス ト動物種の生息が確認 されている2)0 息状況 として報告する。

に近畿大学奈良キャンパスにおけるチ ョウ塀の生 bt

oaa Puerari

iiss t l dag i Slo

しかし、近年 はクズ al ワダチソウ oa ma

やセイタカア

が繁茂 し、当キャン 調査地および調査方法 パスの生物多様性が低下 しつつある。

) 5

チ ョウ頬は環境指標 として も有効 とされ3、近

年ではチ ョウ頬群集を用いて環境を評価する試み 調査は奈良市郊外の矢 田丘陵にある近畿大学奈 も盛んに行われている6‑9)。 この ことか らも、当キ 良キ ャンパ スで行 った。 当キ ャンパ スの標 高は

調査地の概要

ャンパ スにおけるチ ョウ類の生息状況を把握する

1 5 0m〜 2 0 0m

、敷地面積 は約

12 . km

2であ る。

a iiss rena inenssi

t acu

t C tasane

C le a

7 era

i aponca uercu

nu

ことは、今後の環境保全対策や ビオ トープ化に関 矢 田丘陵のほ とん どは二次林で構成 されてお り、

コナラQ ss i、 クヌギQ.

、 ク リ ac t、ハソ ノキAl sj .エノキ ss な どの

する調査において も重要な資料になるもの と考 え ma、ア

られる。 ベマキQ.varaibilis 桜谷 ら1Oはキ ャンパスのチ ョウ煩相について報)

(2)

0

1 東候 達哉 ・桜谷 保 之

落葉 広葉樹 にア ラカ シQ. , ソ ヨゴ

I

、 ヒサカキ

l e x l

ga u c a Pd eu n c uo l s a

【幼虫の餌植物】クヌギ な どの常緑

P i ao nc a j Eu a

ry

7 o y a j

i d 2 n u se n s Da/ ' m i

広葉樹が混 じり、さらにアカマツ

P

な どの針葉樹 が混在す るJO '。 こうした、植生の中

)

ダイ ミョウセセ リ

ot s( e t

図版

1

2. h y

5 9

成虫の出現期】成虫は 月上旬か ら 月下旬まで

に1989年、当キ ャンパ スは造成 され、校舎、グ 見 られ、年 3回の発生 と推定 される。

ラウン ド、圃場、調整池、庭 園、道路な どの他、 【生息環境 ・生態】里山林 内や林縁部、調整池堤 法面な どの新たな環境が出現 した1)0 防な どで見 られる。成虫は訪花性が強いが、湿地

で吸水する個体 も確認 されている。

調査方法 【成虫の吸蜜植物 】モ チツツ ジ、 シロツメクサ、

成虫の出現時期、成虫の吸蜜植物、吸汁資源、成 【幼虫の餌植物】ヤマノイモ 虫の産卵行動やなわぼ り行動、幼虫の餌食物な ど

調査は前報 10 '以降、引 き続 き随時行 って きた。 ウツギ、オカ トラノオ、ヤマハギ、ヒヨドリバナ

7オバセセ リ

C 3.

【成虫の出現期】成虫は4月か ら

8

月まで年2回発

( ' ' / ' n/ / a m j

h o a s pe s e b n

図版1

を記録 した。 また、今回の報告では、過去のデー )

タ(近畿大学奈良キ ャンパ スのチ ョウ頬相 o')も参 考 とし、キャンパスにおけるチ ョウ類の生息状況

としてまとめた。

結 果

当キ ャンパス内で以下の8科66種のチ ョウ類が 確認 された。チ ョウ頬の出現時期、餌植物、生態 な とはキ ャンパス内で確認 されたデー タを記載 し た。現在までに特に採集や 目撃記録が少ない種に ついては、 レッドデータブ ック等の参考 となるよ う、キャンパス内における成虫の主な記録 日、記

生することが知 られている13)。当キャンパスで も 5月 と7月に確認 されてお り、年2回発生 している

と考 えられるが、当キャンパスでの記録は少な く、

出現期は明 らかではない。

【生息環境 ・生態】里 山林 内のアワフキで幼虫が 確認 されている。幼虫は葉の先端を綴 って巣を作 る。キ ャンパス内での個体数はかな り少な く、セ セ リチ ョウ科の中では最 も個体数が少ない。

【成虫の吸蜜植物】モチツツジ

【幼虫の餌植物】アワフキ

【成虫の主な記録 日】12 May1996(YS)、26

)

I Y ( 4 0 0 l2 .

録者を記載 した。 また、生態等で もこれまでに記 Ju 録が少ない ものについては主な記録 日と記録者 を

記 した。図版に示 した写真は筆者 らが当キャンパ スで撮影 した ものであるが、一部、提供を受けた 写真については撮影者、標本写真については採集 者、キ ャンパス以外で撮影 した ものは撮影地を記 した。記録者は次のように()内の略号で示 した。

東候達哉(TT)、桜谷保 之(YS)、西中康 明(YN)、 岩崎江利子(EI)、武 内 幸(ST)、城本啓子(KS)、

i ) a r h or

4.

コチ ャバネセセ リ

T e s s av a(

図版

1

【成虫の出現期】成虫は

5

月上旬から

8

月上旬まで 見 られることが多いが、9月下旬にも記録がある。

2‑3

回の発生 と推定 される

。7

月の中旬に個体 数のピークがみ られる。

【生息環境 ・生態】成虫は林縁部に多いが、芝生、

調整池堤防などの草地で も見 られる。雄は林縁部

I

) I Y

釜我美葉子

( MK)

、稲本雄太

(

、香取郁夫

(K)

0 の湿地 な どで吸水 し、吸い戻 し行動 も見 られる。

4 0 0

2

年 以降は観察記録が多 く、個体数は増加傾

」 によった。

向にあるもの と推察される。

セセ リチ ョウ科He p rd e s eiia 【成虫の吸蜜植物 】 タンポポ類、 シロツ メクサ、

種の配列や学名は 「チ ョウの調べ方12

t ona nu E r y nnsm i

1. ミヤマセセ リ

s(

図版1) オカ トラノオ、 ヒメジ ョオン、ヒヨ ドリバナ

【成虫の出現期】成虫は

3

月下旬か ら

5

月上旬 まで

5.

ホ ソバセセ リ

【生息環境 ・生態】早春に里山林内の開けた場所 【成虫の出現期】成虫は

7

月中旬から

7

月下旬のご や林縁部の 日当た りの よい場所で見 られる。個体 く限られた期間しか見られない。年1回の発生である。

数は少ない。林縁部のクヌギの幼木に産卵する成 【生息環境 ・生態】近年の地球温暖化や乾燥化な 虫が確認 されている。 どの 自然環境の変化によ り、本種は減少傾向にあ

/ ' / ' ) l

nona mpr o s / '

I t s oe pI S(

図版

2

出現 し、年1回の発生である。

(3)

ll 近畿大学奈良キ ャンバスにおけ るチ ョウ額の生息状況

るこ とが知 られてお り‖)、キ ャンパス内で も個体 やす。

数はかな り少ない。 当キ ャンパスではセセ リチ ョ ウ科の中でアオバセセ リとともに個体数が少ない もの と推察 され る。成虫は林縁部の湿地 で吸水行 動が確認 されているが、吸蜜植物や幼虫の餌植物 は確認 されていない。

【成虫の主な記録 日】

15

Ju

12 . 0 0 4 ( TT)

【生息環境 ・生態 】里 山林 内以外の明るい環境 で 見 られ るが、特 に林縁部、調整池堤防、砂州な ど で多 く見 られる。個体数はセセ リチ ョウ科の中で は最 も多 く、全体的にみて もかな り多い。成虫は 訪花性が強 く、多 くの植物で吸蜜が確認 されてい る。 また集団で メグサハ ッカの花で吸蜜 している のが観察 されている。

キマグラセセ リ

【成虫の出現期 】成虫は5月下旬か ら9月下旬 に見 クズ、 ヒヨ ドリバ ナ、 ミゾ ソバ、アキ ノノゲシ、

られ

、6

月下 旬 と

8

月下 旬 に ピー クが見 られ る。 メグサハ ッカ、セ イタカアワダチ ソウ 年

2

回の発生 と推定 される。 【幼虫の餌植物】メヒシバ

【生息環境 ・生態 】成 虫は林縁部 や芝生、調整池

堤 防 な どの明るい環境 で見 られ、オカ トラノオ、 7ゲハチ ョウ科Pa Ho iap ind e

6. Pt t oa n h f u s l av um

(図版

2)

【成虫の吸蜜植物】 ウツギ、アベ リア、ヤマハギ、

ヒメジ ョオンの花で よ く吸蜜す る。

1 0.

7オスジ7ゲハ

G h r a p ms J ' u a r peo d n )

【成虫の吸蜜植物 】オカ トラノオ、 ヒメジ ョオン、 (図版

3

メグサハ ッカ 【成 虫の出現期 】成 虫は4月下旬 か ら

1 0

月中旬 ま

【幼虫の餌植物 】ススキ】 ) 5 で見 られる。年

3

回の発生 と推定 される。

【生息環境 ・生態 】校舎付近 か ら里 山林 内まであ オオチ ャバネセセ リ

(図版

2)

7. Po / yr l J e m I sp

e

/ l I uc ' d a

らゆる環境で見 られる。樹冠をすばや く飛期す る ことが多い。 クスノキに産卵す る成虫が確認 され

【成 虫の出現期】成 虫は

6

月上旬 か ら

1

0月中旬 ま で見 られ、年

2

回の発生 と推定 される。

【生息環境 ・生態】成 虫は林縁部や調整池堤 防な どの明るい環境で見 られ、キマダラセセ リ同様 オ カ トラノオ、 ヒメジ ョオンな どの花で よ く吸蜜す る。

【成虫の吸蜜植物 】オカ トラノオ、 ヒメジ ョオン、

メグサハ ッカ

ている。個体数は多い。湿地での吸水行動 も観察 されている。 また、エサキ型 と呼ばれ る斑紋異常 型 も確認 されている16)0

【成 虫の吸蜜植物 】 シ ロツ メクサ、 ヤブガ ラシ、

オカ トラノオ、 ノブ ドウ、 リョウブ、カラスザン シ ョウ、セ イタカアワダチ ソウ、 ヒヨ ドリバナ

【幼虫の餌食物】 クス ノキ

0 ' ' Pa pl

【成虫の出現期】成虫は3月下旬 か ら

1

月上 旬ま

hu s t ox u J J l.

l

7ゲハ (ナ ミ7ゲハ)

0

8.

チ ャバネセセ リ

【成 虫の 出現期 】成 虫は

8

月上 旬か ら

1

月下旬 ま

i a s ) h d a sma t

Pl i eo p

(図版

2

(図版3)

で見 られ る。 で見 られる。春型の成虫は

6

月上旬頃まで見 られ、

【生息環境 ・生態 】里山林 内以外の明 るい環境 で 見 られ るが、特 に林縁部、調整池堤防などに多い。

個体数はセセ リチ ョウ科の中では イチモソジセセ リに次いで多い。成虫は訪花性が強いが、湿地で の吸水す ることもあ る。

【成虫の吸蜜植物】 ノブ ドウ、アベ リア、 ヒ ヨ ド リバナ、 クズ、 メグサハ ッカ、セ イタカアワダチ ソウ

0

以降夏型 の成虫 が

1

月上旬 まで連続的 に見 られ る。年4-5回の発生 と推定 される。

【生息環境 ・生態 】校舎付近や圃場、林綾部や里 山林内までさまざまな環境 で見 られ、個体数は多 い。 イヌザンシ ョウに産卵す る成虫、 イヌザソシ ョウを食べ る幼虫 も確認 されている。成虫は多 く の植物 で吸蜜が確認 されている。 また、湿地で吸 水す る個体 も確認 されている。

【成 虫の吸蜜植物 】 ソメイヨシ ノ、キ ャベ ツ、 ウ

)

0 t Par n a r ag

9.

イチモ ンジセセ リ

ut t

aa (図版

2

【成虫の出現期 】成 虫は

5

月中旬か ら

1

月下旬 ま

ツギ、ハル ノノゲシ、オカ トラノオ、ネム ノキ、

ネジバナ、 リヨウブ、アベ リア、 イタ ドリ、ヤマ で見 られるが、特に夏か ら秋 にかけて個体数を増 ハギ、 ヒヨ ドリバナ、アキ ノノゲシ、 カラシナ、

(4)

12 東候 達哉 ・桜谷 保 之

メマツ ヨイグサ、ツツジ類、 メグサハ ッカ、フジ ウツギ

【幼虫の餌植物】 イヌザソシ ョウ、カラスザソ シ ョウ

12 .

キ7ゲハ P p/oma h oa ii c a n (図版

3)

【成虫の出現期 】成虫は4月上旬か ら11月中旬に 記録 があ るが

、 1 0

月上 旬以降 は記録 が少 ない。

春型の成虫は6月下旬頃まで見 られ、以降夏型の 成虫が見 られる。年

3‑4

回の発生 と推定 される。

【生息環境 ・生態】キ ャンパス内のあ らゆる環境 で見 られるが、個体数は少ない。

【成虫の吸蜜植物 】アベ リア、ヤマハギ、アキ ノ ノゲシ、コスモス、ヒメジョオソ、ノカンゾウ

13 .

モ ンキ7ゲハP ploh ln s a ii ee u (図版

3 )

【成虫の出現期】成虫は

5

月上旬か ら

1 0

月中旬ま で見 られるが、9月中旬以降の記録は少ない。年

2‑3

回の発生 と推定 される。

【生息環境 ・生態】校舎付近や調整池付近な ど開 けた環境では個体数はあま り多 くないが、里山林 内のギ ャップでは個体数は多い。雄は林内で蝶道 を形成 し飛期するのが確認 されている。

【成虫の吸蜜植物】アベ リア、クサギ、ネムノキ、

モチツツジ

14 .

クロアゲハ P plopoe o 図版 a ii rtn r(

4 )

【成虫の出現期】成虫は4月下旬か ら9月下旬 まで 見 られ、年

3

回の発生 と推察 される。

【生息環境 ・生態】林綾部や里 山林 内のギ ャップ で多 く観察 されているが、特 に里山林内では蝶道 を形成 し、個体数はかな り多い。里山林内の最優 占種である。ツツジ頬でよ く吸蜜する。また湿地 での吸水行動 も確認 されている。

【成虫の吸蜜植物 】 リョウブ、クサギ、モチツツ ジ、アベ リア

15 .

ナガサキ7ゲハ P p /a /'omel' mn n (o 図版

4)

【成虫の出現期】当キ ャンパスでは

5

月 と

8

月に見 られることが多いが、詳 しい出現期は明 らかでは ない。本州では 5月か ら 9月に年 3回発生すること が知 られている 13)0

【生息環境 ・生態】本種は北上傾 向の著 しい種で、

近畿地方では最 も顕著な分布の拡大をみせている 種 であ る 17)。 当キ ャンパ スで も

1997

年 に初めて

記録され

、1 998

年 には記録がなかったが

、2 004

年 には

4

、2 005

年 には

6

例 と近年は 目撃例が急 増 し、個体数は増加傾 向にある と推察される。キ ャンパス内では明るい環境で観察 されることが多 い。

【成虫の吸蜜植物】ツツジ類

16 .

カラス7ゲハP p'a I/oba o 図版 i in r(

4 )

【成虫の出現期】成虫は4月中旬か ら9月中旬まで 見 られ る。5月下 旬 と 7月下旬 に個体数 が多 く、

2

回の発生 と推定 される。

【生息環境 IFt.態】開けた環境では個体数はかな り少ないが、里山林内では蝶道を形成 し、個体数 は多い。林縁部の湿地では吸水をする個体が確認 されている。

【成虫の吸蜜植物】クサギ、 リョウブ

17 .

ミヤマカラス7ゲハP p /a /'omaI' a k/c l'r

(図版

4)

【成虫の出現期】当キ ャンパスでは7月 と 8月に記 録があるが、詳 しい出現期は明らかではない。

【生息環境 ・生態】本種はカラスアゲハに似 るが、

観察 されることはかな り稀で、個体数はかな り少 ないもの と推察される。林綾部で吸水する個体や、

里山林内のギ ャップで吸蜜する個体が観察されて いる。

【成虫の吸蜜植物】クサギ

【成虫の主な記録 日】

22

Ju

l .2003( TT、S T)

27

Aug

2003( TT、S T)

シロチ ョウ科 Pird eeia

18 .

モ ンキチ ョウC /oI'seae a rt 図版 (

5 )

【成 虫の出現期】成 虫は

3

月中旬か ら

12

月中旬ま でほぼ連続的に見 られる。盛夏には少ない。

【生息環境 ・生態】里山林 内を除 くあ らゆる環境 で見 られるが、特 に芝生、調整池堤防、圃場など 明るい環境に多い。個体数は多い。多 くの花で吸 蜜が確認 されている。 また、湿地で吸水する個体 も確認 されているが、吸水することは稀である。

【成虫の吸蜜植物】オランダ ミミナグサ、 タンポ ポ頬、モチツツジ、キャベツ、シロツメクサ、ア カツメクサ、スズメノエソ ドゥ、カラスノエソ ド ゥ、ブ タナ、カタバ ミ、 ヒメジ ョオン、オカ トラ ノオ、プ リペ ット、ネジバナ、オオキンケイギ ク、

ノアザ ミ、ヤマハギ、アベ リア、キ ュウ リ、オ ミ

(5)

近畿大学奈良キャンバスにおけるチョウ類の生息状況 13

ナエシ、キキ ョウ、アキ ノノゲシ、 コセンダソグ サ、オニ タビラコ

【幼虫の餌植物 】シロツメクサ、二セアカシア

19.

キチ ョウ (キクキチ ョウ)Euremahecabe (図版

5)

【成虫の 出現期】成 虫で越 冬す ることが確認 され て お り、越冬 した成 虫は

2

月 中旬か ら見 られ るO 以降連続的に

12

月中旬まで見 られる。

【生 息環境 ・生態 】ベ ニ シジ ミ、 ツバ メシジ ミ、

ヒメウラナ ミジャノメな どとともに当キ ャンパ ス では最 も普通 に見 られ る種 の一 つであ る。芝生 、 調整池堤防、林縁部で多 く見 られ るが、里山林内 で も普通 に見 られ る

。10

月 には明 る く開 けた環 境でかな り多 くの個体が見 られる。 ネム ノキ、ヤ マハギに産卵す る成虫が確認 されている。多 くの 花で吸蜜行動が確認 されている。 また湿地での吸 水行動 もよ く観察 され、数匹で集団を作 り吸水す るこ ともあ る。成虫での越冬場所 はモチツツジの 葉裏、ススキの株元が記録 されている。

【成 虫の吸蜜植物 】カラス ノエソ ドゥ、モチツツ ジ、二ガ イチゴ、 シロツ メクサ、オ カ トラノオ、

ネム ノキ、ヤマハギ、アキノノゲシ、ア メ リカセ ンダソグサ、 コセンダソグサ、 ヒヨ ドリバナ、ネ ジバ ナ、セ イタカア ワダチ ソウ、オニ タビラコ、

ヒメジ ョオン、グ ミ

【幼虫の餌植物】ヤマハギ、ネム ノキ

20 .

ツマキチ ョウA to h rss oynh c aII c /mus (図版

5)

【成 虫の出現期】成虫は 4月中旬か ら5月中旬に 見 られ る。年

1

回の発生である。

【生息環境 ・生態 】林縁部 の 日当た りの よい環環 を緩 やかに飛び、他の シロチ ョウ料 の種 に比べ、

あま り静止 しない。

【成虫の吸蜜植物 】 タネツケバナ、 カラス ノエソ ドゥ、 オオ イヌノフグ リ、 タンポポ類、ニガ イチ ゴ、グ ミ、カラシナ

,モ ンシロチ ョウP' sr e (

) 21

Ieri apa 図版

5

【成虫の出現期 】成虫は3月中旬 か ら

12

月上旬 ま で連続的に見 られる。 しか し盛夏には個体数がか な り減少す る。年5回程度の発生 と推定 され る。

【生息環境 ・生態 】圃場、芝生 、調整池堤 防、林 縁部、校舎付近な ど里山林以外の明るい環境で普

通 に見 られ るが、特 に食草であるアブラナ料植物 が栽培 されている圃場 に多い。個体数は多い。ア ブラナ科植物 で幼虫 もよ く見 られ、産卵 も確認 さ れてい る。 多 くの植物 で吸蜜が確認 されてお り、

稀 に吸水す ることもある。

【成 虫の吸蜜植物 】 タンポポ頬、 カラシナ、 ソメ イ ヨシ ノ、ム ラサキケマン、 カラスノエソ ドゥ、

キ ャベ ツ、シロツメクサ、ブタナ、ヒメジ ョオン、

リョウブ、カタバ ミ、ヤマハギ、ソバ、ネジバナ、

オオキンケイギ ク、セイタカアワダチ ソウ、マ リ ーゴール ド、ア メ リカセンダソグサ、オ二 タビラ

【幼虫の餌植物 】キ ャベツ、カラシナ

22 .

スジグ ロシロチ ョウP'r'/eIsmeee lt (図版

5)

【成虫の出現期 】成虫は

3

月下旬か ら

10

月上旬 ま で見 られ、年

4

回程度の発生 を繰 り返 す もの と推 定 される。

【生息環境 ・生態 】特 に林綾部 、調整池堤防の 日 陰部分な どやや暗い環境 で観察 されることが多い が、明るい環境 で観察 されることもある。発生個 体数は年 によ り異な るが、全体的には多い もの と 推察 され る。湿地での吸水行動 も見 られ る。

【成 虫の吸蜜植物 】シロツメクサ、 ヒメジ ョオン、

ヨウシ ュヤマ ゴボ ウ、 タンポポ頬 、ニガ イチ ゴ、

ク リ、ホ トケノザ

シジ ミチ ョウ科

し yande ceia

23 .

ムラサキシジ ミN rtua a o ia aah r jp nc (図版

6)

【成 虫の出現期】成 虫で越冬す るこ とが知 られて お り13)、成虫で越冬 した個体 が3月中旬 に確認 さ れている。新成虫は

6

月上旬 か ら

1 0

月下旬 まで見 られ る。特 に秋 に多い。年

3

回程度の発生 と推定 される。

【生息環境 ・生態 】林綾部 で観察 され るこ とが多 いが、個体数は少ない。成虫は吸蜜のはかに、ヤ マガキの実での吸汁 も確認 されている。

【成 虫の吸蜜植物】 ヒ ヨ ドリバナ、セ イタカアワ ダチ ソウ

【成虫の吸汁資源】ヤマガキの果実

2 4 .

7カシジ ミJp n'alla (a o I uc e 図版

6 )

【成虫の出現期 】成虫は5月中旬か ら6月中旬に見 られる。年 1回の発生 である。

(6)

14 東候 達哉 ・桜谷 保之

【生息環境 ・生態】里山林 内で も見 られるが、特 に林縁部で多 く、発生のピー ク時には多 くの個体 が観察 される。飛期が観察されるのは夕方以降が 多い。 また、早朝 には林緑部の下草に止 まってい る個体が多 く観察される(例 えば

、2001

6

2

日 には

68

個体)0

【成虫の吸蜜植物】ク リ

25 .

ウラナ ミ7カシジ ミJp nc a p sraa a o iase etit (図版

6)

【成虫の出現期】成虫は

6

月に見 られ、年

1

回の発 生である。

【生息環境 ・生態】林縁部で見 られ るが、観察 さ れることは稀で、個体数はかな り少ない もの と推 察 される。本種はアカシジ ミと同様 に早朝 に下草 で静止 している。

【成虫の主 な記録 日】

4

Jun.

2000 ( YS) 、1 0

Jun.

2001 ( YS)

26.

ダイセ ンシジ ミ (ウラ ミスジシジ ミ) Wag'Imo

s

in ts (g au 図版

6 )

【成虫の出現期】成虫は

6

月上旬か ら年 1回発生す ることが知 られているが3)、 これまでに数例の記 録があるだけで、キ ャンパス内における出現期間 などは明 らかではない。

【生息環境 ・生態】林縁部 や林 内で見 られ るが、

観察 されることは稀で、当キ ャンパスで最 も個体 数が少ないチ ョウの うちの一つである。

【成虫の主な記録 日】9Ju

l .2003

(TT、 ST)

、2

Ju

l .2004 ( YS) 、6

Jun.

2005

(TT、 MK)

27 .

ミズイロオナガシジ ミA tniisat/gu li'/a

(図版

6)

【成虫の出現期】成虫は5月下旬か ら6月中旬まで 見 られ、年1回の発生である。

【生息環境 ・生態】林縁部や里山林内で見 られる。

早朝 には林縁部の下草に止まっている個体が よ く 観察 される。 また、 日中は林内の枝先な どに静止

しているのが確認 されている。 日中より夕方以降 に飛期が活発になる。個体数は少ない。

.

ミドリシジ ミN oe h sa o c s

28

e zp yru jp nJ'u

(図版7)

【成虫の出現期】成虫は

6

月に見 られる。年

1

回の 発生である。

【生息環境 ・生態】幼虫の餌植物 はハソノキでキ ャンパス内のハソノキで卵、幼虫 も確認 されてい る。成虫 もハ ソノキ付近を飛期 し、ハソノキにか な り依存 した種である。成虫は夕方 に飛期するの が観察で きるが

、2003

年以降急激 に個体数が減 少 し、現在ではかな り少ない。

【幼虫の餌食物】ハソノキ

29 .

コツバメC IO hy era/p rsf era (図版

7 )

【成虫の出現期】成虫は

3

月下旬か ら

5

月上旬に見 られる。年 1回の発生である。

【生息環集 ・生態】早春 に里山林内や林綾部で見 られる。個体数は少ない。 コバ ノミツバツツジな どで吸蜜が確認 されている。

【成虫の吸蜜植物 】 コバ ノミツバツツジ、ニガイ チゴ

30 .

トラ7シジ ミR p l rt 図版a aaaaa (

7 )

【成虫の出現期】成虫は

4

月上旬か ら

7

月下旬に見 られ る

。5

月下 旬までは春型、以降

7

月下旬 まで は夏型が見 られるが、夏型は個体数が少ない。年

2

回の発生 と推定される。

【生息環境 ・生態】林綾部、調整池堤防な ど明る い環境で見 られるが、特 に食樹であるウツギ付近 では多 くの個体が観察 される。個体数は少ないが、

多 くの個体が発生する年 もある。

【成虫の吸蜜植物 】コバ ノミツバ ツツジ、ニガイ チゴ、ウツギ、ニセアカシア、 ヒメジ ョオン

【幼虫の餌食物】ウツギ

31 .

ベニシジ ミL c e ap /es (y a n ha a 図版

8 )

【成虫の出現期 】

3

月中旬か ら

1

1月中旬 までほほ 連続的 に見 られ る。特 に

4

月 と

6

月に個体数が多

く、年

4

回程度の発生 と推定される。

【生息環境 ・生態】 里山林内を除 くあ らゆる環境 で見 られるが、特 に調整池堤防な どの明るい環境 に多い。個体数はかな り多 く、キチ ョウ、ツバ メ シジミ、 ヒメウラナ ミジャノメなどとともに当キ ャンパスで最 も普通に見 られる種の うちの一つで ある。成虫は多 くの植物で吸蜜が確認 されている。

また、スイバでの産卵が確認されてお り、幼虫 も 観察 されている。

【成虫の吸蜜植物 】コバ ノミツバ ツツジ、ニガ イ チゴ、 タンポポ類、ハ)レジオン、カラシナ、モチ ツツジ、コメツブウマゴヤシ、スイバ、オオイヌ

(7)

近畿大学奈良キャンパスにおけるチ ョウ額の生息状況 15

ノフグ リ、シロツメクサ、カタバ ミ、カラスノエ ソ ドゥ、 ヒメジ ョオン、オカ トラノオ、 ヨウシュ ヤマゴボウ、オオキンケ イギ ク、ヒヨ ドリバナ、

セイタカアワダチソウ、メグサハ ッカ

【幼虫の餌植物】スイバ

32 .

ウラナ ミシジ ミL mpd sb eIa ie o tc sIu (図版

8)

【成 虫の 出現期 】近隣の大阪府 では5月中旬か ら

1

1月頃まで

7

回程度発生 を繰 り返す ことが知 られ ているが14)、当キ ャンパスでは春季 には記録され てお らず

、8

月中旬か ら

10

月下旬に見 られる。特 に

1 0

月に個体数が多い。

【生息環境 ・生態】圃場、芝生、調整池堤防な ど 明るい環境で見 られる。個体数は少ないが、秋以 降には比較的 よ く観察 される。湿地での吸水行動、

ミヤコグサでの産卵行動が確認 されている。本種 は国内で夏季 に北へ と地域間移動をする種 として 知れている18)。当キ ャンパスでは秋に多 くの個体 が記録 されてお り、他地域か らの移動個体が含 ま れている可能性があるが明 らかではない。

【成虫の吸蜜植物 】シロツメクサ、ヤマハギ、ア ベ リア、コセンダソグサ、 ミヤ コグサ、セイタカ アワダチソウ、 ミゾソバ

【幼虫の餌植物】 ミヤコグサ

33 .

ヤマ トシジ ミZI'e rama a Z ej h (図版

8 )

【成虫の出現期】成虫は4月中旬か ら

1

1月下旬ま で連続的 に見 られるが、特 に秋 に個体数が多い。

5‑6

回程度の発生 と推定される。

【生息環境 ・生態】 里山林内を除 くあ らゆる環境 で観察で きるが、特に圃場や調整池堤防、芝生な どの明る く日当た りのよい環境に多い。幼虫の餌 植物はカタバ ミであ り、成虫 もその周辺を飛期 し ていることが多い。

【成虫の吸蜜植物】 ソバ、 シロツメクサ、ヤマハ ギ、カタバ ミ、セ イタカアワダチソウ、 コセンダ ソグサ、ヒメジ ョオン、 メグサハ ッカ、ツユクサ

【幼虫の餌植物】カタバ ミ

3 4 .

ル I)シジ ミC /srea tI'aagBls (n r/ou 図版

8 )

【成虫の出現期】成虫は

3

月中旬か ら出現 し

1 0

月 中旬まで連続的に見 られ る。年4‑ 5回の発生 と 推定 される。

【生息環境 ・生態】圃場、芝生、調整池堤防、林

縁部をは じめ里山林内で も見 られる。ヤマ トシジ ミやツバ メシジミは低 い所 を飛朔す るのに対 し、

本種は高い所 まで活発に飛朔する。個体数は多い。

湿地での吸水行動がよ く観察 され、集団で吸水す ることもある。

【成虫の吸蜜植物 】コバ ノミツバツツジ、 コバ ノ ガマズ ミ、モチツツジ、ウツギ、 タンポポ構、ウ メ、ヒメジ ョオン、イタ ドリ、 ヨウシュヤマゴボ ウ、ヤマハギ

35.

ツバ メシジ ミEveresargiades (図版

8)

【成虫の出現期】成虫は4月上旬か ら

10

月下旬ま ではば連続的 に見 られ る。特 に4月中旬か ら4月 下旬、6月 に個体数 が多い。年5回程度の発生 と 推定 される。

【生息環境 ・生態】里山林 内以外の明るい環境で 観察 されるが、特に調整池堤防に多い。個体数は かな り多 く、キチ ョウ、ベニシジミ、ヒメウラナ ミジャノメとともに当キ ャンパスで最 も普通に見 られる種の うちの一つである。シジミチ ョウ科で はベニシジミの次に個体数が多い。成虫は多 くの 花で吸蜜が確認 されている他、湿地での吸水行動 も観察 されているが、ル リシジミのように集団で 吸水す ることはない。 また、ア レチヌスビ トハギ やヤマハギなどマメ科植物での産卵行動が確認 さ れている。

【成虫の吸蜜植物 】 ニガ イチ ゴ、 タンポポ頬、

グ ミ、 コメツフウマゴヤシ、スズ メノエソ ドゥ、

シロツメクサ、 ヒメジ ョオン、 ミヤコグサ、オオ キンケ イギク、オカ トラノオ、 ノブ ドウ、オニタ ビラコ、クサフジ、ヤマハギ

【幼虫の餌植物】ア レチヌスビ トハギ、ヤマハギ、

シロツメクサ

36 .

ウラギ ンシジ ミC rtsa ua (uei c t 図版

9)

【成虫の出現期 】成虫で越冬す ることが確認 され てお り、越冬 した成虫は

3

月下旬から見 られ、新 成虫は

5

月下旬か ら

1

1月下旬まで連続的に見 られ る。

【生息環境 ・生態】圃場、調整池堤防、校舎付近、

里山林内な どあ らゆる環境で見 られる。個体数は 多い。湿地での吸水行動がよ く観察されるが、人 の汗やカエルな どの動物の死骸、熟 したカキの実 な どで も吸汁す る。成虫の越冬場所はツバキ、シ ラカシ、アラカシの葉の裏が確認 されている。

(8)

16 東候 達哉 ・桜谷 保之

【成虫の吸蜜植物】セイタカアワダチソウ

【成虫の吸汁資源】人の汗、カエルの死骸、 ミミ ズの死骸、カキの果実、ヤナギ頬の樹液

【幼虫の餌植物】クズ

テンゲチ ョウ科Liyh iab ted e

.テ ンゲチ ョウL' h lS ( 37 Ibyteacet/' 図版 9)

【成虫の出現期】成虫で越夏、越冬す ることが知 られてお り1 3㌧ 越冬 した個体は 3月上旬か ら見 ら れる。新成虫は

5

月下旬に出現 し、その後盛夏は 姿 を消 し、再び 10月上旬に出現 し 10月下旬まで 見 られる。

【生息環境 ・生態】圃場、調整池堤防、校舎付近、

里山林内な どあ らゆる環境で見 られる。成虫での 越夏、越冬が確認 されてお り、個体数は多い。セ イタカアワダチソウ、ヒヨ ドリバナで吸蜜が確認 されている。 また、湿地での吸水行動がよ く観察 され、特 に5月下旬か ら 6月にかけては集団で吸 水する姿が よく観察できる。エ ノキでの産卵行動、

幼虫 も確認 されている。

【成虫の吸蜜植物 】ウメ、 イタ ドリ、セ イタカア ワダチソウ、ヒヨ ドリバナ、ハルジオン

【幼虫の餌食物】エノキ マグラチ ョウ科 Da ad en ia

38.7サギマグラP rnias'aa tc /t 図版 a ( 1 )0

【成虫の出現期】当キ ャンパスでは10月上旬か ら 11月上旬まで見 られる。

【生息環境 ・生態】本種は春 に南方 か ら北上 した 成虫が本州な どで世代を繰 り返 し、秋 に暖地 に移 動すると言われている19)。当キ ャンパスで も10月 に移動(南下)中の個体が見 られるが、個体数はか な り少ない.調整池堤防などの開けた環宅や里山 林の谷沿いな どで観察 されている。ヒヨ ドリバナ、

セイタカアワダチソウで吸蜜が確認 されている。

【成虫の吸蜜植物 】 ヒヨ ドリバナ、セ イタカア ワダチ ソウ

タテハチ ョウ科 NymP aiah ld e

39 .

ウラギンスジヒョウモン Agrn me/o cryo o a d/Ae (図版10)

【成虫の出現期】成虫は 6月か ら発生することが知 られているが、春 と秋 に数例の 目撃例があるだけ で、当キャンパスでの出現期は明 らかではない。

【生息環境 ・生態】調整池堤防やその周辺で観察

されている。個体数はかな り少ない。盛夏は成虫 で越夏することが知 られている13)0

【成虫の吸蜜植物】ウツギ

【成虫の主な記録 日】23Jun.1997(YN、EI)、 28May2004(TT、YS )

40.オオウラギンスジヒョウモ ン Aryo og rn mersa a (uln 図版1 )0

【成虫の出現期】成虫は 6月か ら年 1回発生するこ とが知 られているが13)、当キ ャンパスでは

1

個体 しか記録されてお らず、出現期は明 らかではない。

【生息環境 ・生態】当キ ャンパ スでは調整池堤防 のヒヨリバナで吸蜜 している

1

個体のみ しか確認 されていない。盛夏は成虫で越夏することが知 ら れている .3)0

【成虫の吸蜜植物】ヒヨ ドリバナ

【成虫の記録 日】40ct.2003(YS)

41.

メスグ ロヒョウモ ンDamorasagana

(図版10)

【成虫の出現期 】成虫は 6月中旬か ら 10月に見 ら れるが、夏には見 られない。盛夏は成虫で越夏す ることが知 られてお り13)、年 1回の発生 と推定 さ れる。

【生息環境 ・生態】林縁部や調整池堤防、里山林 内の明るい環境などで見 られる。個体数は少ない が、6月にはオカ トラ ノオ、9月にはヒヨ ドリバ ナによ く訪花する。秋にはスギの表皮に産卵にす る個体 も確認されている。

【成虫の吸蜜植物】オカ トラノオ、ヒヨ ドリバナ、

セイタカアワダチソウ

42. ミドリヒョウモ ンAg n Iry n' a h'spp a/ (図版10)

【成虫の出現期】成虫は 6月中旬か ら 10月中旬 に 見 られるが、夏には見 られない。盛夏は成虫で越 夏するこ とが知 られてお り13)、年1回の発生 と推 定 される。

【生息環境 ・生態】林綾部、調整池堤防、里山林 内、校舎付近な ど多 くの環境で見 られる。個体数 は少ないが、 ヒ ョウモソチ ョウ類の中ではツマグ ロヒ ョウモソの次に多い。 メスグロヒ ョウモソ同 様

、6

月 にはオカ トラノオ

、9

月にはヒヨ ドリバ ナによく訪花する。

【成虫の吸蜜植物 】オカ トラノオ、 リョウ7、 ヌ

(9)

近畿大学奈良キャンバスにおけるチ ョウ頬の生息状況 17

ルデ、ヒヨ ドリバナ

43 .

ウラギンヒョウモ ンF biina rca aa ipdp e (図版 10)

【成虫の出現期】成虫は

5

月か ら年

1

回発生す るこ とが知 られているが13)、当キ ャンパ スでは

1

個体 しか記録 されておらず、出現期は明 らかではない。

【生息環境 ・生態 】当キ ャンパ スでは調整池堤防 のオカ トラノオで吸蜜 している

1

個体のみ しか記 録 されていない。盛夏は成虫で越夏することが知

られている

】 3 ) 0

【成虫の吸蜜植物】オカ トラノオ

【成虫の記録 日】 18Jun.2004(TT)

44 .

ツマグロヒョウモ ン Ag ru y eburye shp ris (図版 11)

【成虫の出現期 】成虫は

5

月上旬か ら12月上旬ま ではば連続的 に見 られる。年

4-5

回の発生 と推 定 される。

【生息環境 ・生態】圃場、芝生、校舎付近、林緑 部、調整池堤防な ど里山林内以外の明るい環境で 見 られる。本種は近年北上傾向が著 しい種 として 知 られてお り2 0)、近隣の大阪府では、近年の暖冬 化の影響で第

1

化の発生が早 くな り個体数 も増加 している-4)。当キ ャンパスで も 5月上旬か ら第 1化 が発生 し、個体数 も多 く、 ヒ ョウモソチ ョウ頬で は最 も個体数が多い。 ス ミレに産卵する個体が確 認 されているはか、園芸種のパンジーで も幼虫が 確認されている。

【成 虫の吸蜜植物 】オ ミナエシ、シ ロツ メクサ、

アベ リア、メグサハ ッカ、セイタカアワダチソウ、

ノアザ ミ、 コスモ ス、 ミゾソバ、 ヒヨ ドリバナ、

マ リーゴール ド

【幼虫の飼植物】スミレ芙頁

.

イチモ ンジチ ョウ Lme t a Ia

45

i nI'/'sc mi/

(図版

11)

【成虫の出現期】成虫は 5月中旬か ら 9月上旬まで 見られる。年

2

回の発生 と推定 される。

【生息環境 ・生態】林縁部や調整池堤防な どの明 るい環境 か らやや暗い環境で見 られる。本種 はア サマ イチモソジに似 るが、アサマ イチモソジより 個体数が少ない。湿地での吸水行動が確認 されて いる。 また、稀に樹液を吸汁することもある。

【成虫の吸蜜植物】ウツギ、セイヨウノコギ リソウ

【成虫の吸汁資源】ヤナギ規の樹液

46 .

7サマイチモ ンジL d ga o agoiialrfc (図版

11)

【成虫の出現期】成虫は5月下旬か ら10月上旬 ま で見 られる。年

2

回の発生 と推定 される。

【生息環境 ・生態 】林縁部や調整池堤防な どで多 く見 られるが、里山林内や校舎付近で も見 られる こともあ り、イチモソジチ ョウより多 くの環境で 見 られる。個体数は イチモソジチ ョウより多い。

湿地での吸水行動 や樹液の吸汁 も確認 されて い る。 また、スイカズラで産卵行動 も確認 されてい る。

【成虫の吸蜜植物 】ウツギ、セイヨウノコギ リソ ウ、プ リペ ット、 ヒヨドリバナ、セイタカアワダ チソウ、イタ ドリ、 ヒメジ ョオン

【成虫の吸汁資源】ヤナギ頬の樹液

【幼虫の餌植物】スイカズラ

47 .

コ ミスジ N p sse 〟 叩 P /0 (1 図版 1 )2

【成虫の出現期】成虫は

4

月下旬か ら10月下旬ま ではば連続的 に見 られ る。年

3-4

回の発生 と推 定 される。

【生息環境 ・生態 】圃場、校舎付近、林縁部、調 整池堤防、里山林 内な どあ らゆる環境で見 られる が、特 に林縁部、里山林内に多い。個体数は多 く、

ウツギ、オカ トラノオ、 ヒメジ ョン、オオキンケ イギ クな ど多 くの植物で吸蜜が確認 されている。

また、ヤナギでの樹液吸汁 も確認 されているはか、

湿地での吸水行動 も見 られる。

【成虫の吸蜜植物 】ウツギ、オカ トラノオ、 ヒメ ジ ョオン、オオキンケイギク、ク リ、プ リペ ッ ト、

シロツメクサ、ヤマハギ、ヌルデ、イタ ドリ、セ イタカアワダチソウ

【成虫の吸汁資源】ヤナギ頬の樹液、 ミミズの死 骸、人の汗

【幼虫の餌植物】クズ、フジ

48 .

ホシ ミスジN pipy r 図版 e ts rei( 1 )2

【成虫の出現期】成虫は

5

月下旬か ら10月上旬ま で見 られる、年

2

回の発生 と推定される。

【生息環境 ・生態】幼虫、桶がユキヤナギで確認 されている。成虫はユキヤナギ付近で観察 される ことが多 く、移動性は弱い もの と推定 され るが、

ユキヤナギか ら離れた林緑部の湿地で吸水 してい

(10)

18 東候 達哉.桜谷 保之

る個体 も確認 されている。

【成虫の吸蜜植物】ヒメジ ョオン、ウツギ

【幼虫の餌植物】ユキヤナギ

49 .

キクテハP l noygo/'aca ru-ue m (図版

1 ) 2

【成虫の出現期】成虫で越冬することが確認 され てお り、越冬 した成虫は

2

月中旬か ら見 られ る。

新成虫は

4

月下旬か ら

12

月中旬まで見 られる。年 3回の発生 と推定される。

【生息環境 ・生態】圃場、芝生、校舎付近、調整 池堤防、林綾部な ど里山林内以外のあ らゆる環境 で見 られる。個体数は多 く、特 に

3

月の越冬明け 個体

と10

月中旬~下旬に個体数が多い。 多 くの 花での吸蜜行動が確認 されているほか、樹液、ヤ マガキの実、人工的なバナナ トラップでの吸汁な ど多様な餌資源を利用する。 また、湿地での吸水 行動 も確認 されている。カナムグラで幼虫が観察 されている。成虫はシナダレスズ メガヤの株元で 越冬 しているのが確認されている。

【成虫の吸蜜植物 】ソメイヨシノ、グ ミ、 タンポ ポ炉、ウツギ、オカ トラノオ、 メグサハ ッカ、ア ベ リア、 ヒヨ ドリバナ、セ イタカアワダチ ソウ、

コスモス

【成 虫の吸汁資源】ヤナギの樹液、 クヌギ樹液、

ヤマガキの果実、バナナ トラップ

【幼虫の餌植物】カナムグラ

50 .

ヒオ ドシチ ョウN mp ai a loy h lsx nh meas/ (図版13)

【成虫の出現期】成虫で越冬す ることが知 られて お り■3㌧ 越冬 した成 虫は4月上旬 か ら見 られ る。

新成 虫は5月中旬か ら見 られ る。年 1回の発生 と 推定される。

【生息環境 ・生態 】林縁部な どのやや暗 い環境で 見 られることが多いが、 コソク リー トの上な ど明 るい環境で 日光浴をする姿 も見 られる。個体数は 少ない。ヤナギでの樹液吸汁、湿地での吸水が確 認 されている。

【成虫の吸汁資源】ヤナギ頬の樹液

51.ル リタテハK n'k a a e (a /sac n c 図版1 )3

【成虫の出現期】成虫で越冬す ることが確認 され てお り、越冬 した成虫は3月中旬か ら見 られ、新 成虫は

5

月上旬か ら

1

1月下旬まで見 られる。年

3

- 4回程度の発生 と推定 される。

【生息環境 ・生態 】圃場、調整池堤防、林縁部、

里山林内など多 くの環境で見 られるが、特に林縁 部に多い。成虫は林縁部の側溝に置かれた板の裏 で越冬するのか確認されている.ヤナギ類での樹液 吸汁や湿地での吸水行動が確認 されている。

【成虫の吸蜜資源】ヤブツバキ

【成虫の吸汁資源】ヤナギ頬の樹液

【幼虫の餌植物】サル トリイバラ

52.7カタテハVna es 'd-a (saI /n c 図版13)

【成虫の出現期 】成虫で越冬す ることが知 られて お り13㌧ 越冬 した成 虫は

3

月下旬か ら見 られ る。

新成虫は

5

月下旬か ら

1

1月中旬まで見 られる。特 に

、10

月に多 く見 られ、年

2-3

回程度の発生 と 推定 される。

【生息環境 ・生態】林縁部や調整池堤防、里 山林 内の開けた環境な どで見 られる。成虫は訪花性が 強いが、樹液を吸汁することもある。

【成虫の吸蜜植物】ソメイヨシノ、ウツギ、グ ミ、

ヒメジ ョオン、セイタカアワダチソウ

【成虫の吸汁植物】ヤナギ類の樹液

53.ヒメ7カタテハC nhac ru'図版1 )y ti ad I( 4

【成虫の出現期】成虫、または桶で越冬す ること が知 られてお り13)

、4

月上旬か ら

12

月下旬までほ ぼ連続的 に見 られ る。年

4-5

回の発生 と推定 さ れる。

【生息環境 ・生態】圃場、草地、校舎付近、調整 池堤防な どの明る く開けた環篤に多い。個体数は 多 く、成虫は多 くの花で吸蜜が確認 されている。

湿地での吸水行動 も確認 されているが、吸水する ことは稀である。

【成 虫の吸蜜植物 】 シロツ メクサ、プ リペ ッ ト、

ウツギ、オカ トラノオ、 ヒメジ ョオン、オオキン ケイギク、 ヒヨ ドリバナ、ア レチハナガサ、セ イ

タカアワダチソウ、ヘ クソカズラ

【幼虫の餌植物】 ヨモギ

54 .

ス ミナガシDih a i eIc orrgan s' c umahs (図版14)

【成虫の出現期】成虫は5月 と7月か ら8月までの 年

2

回発生するもの と推定 されるが、記録が少な

く、詳 しい出現期は明 らかではない。

【生息環境 ・生態 】林縁部や調整池堤防のヤナギ の樹液で吸汁する個体が見 られるが、個体数はか

(11)

近畿大学奈良キ ャンパスにおけるチ ョウ叛の生息状況 19

な り少ない。 また里山林内のアワフキで幼虫が確 認 されている。

【成虫の吸汁資源】ヤナギ叛の樹液

【幼虫の餌植物】アワフキ

【成虫の主な記録 日】8May 2004(YI)、10May 2005(KS)

55.イシガケチ ョウC r / y d mayest'Sth o a s (図版14)

【成虫の 出現期 】近隣の大阪府 では5月下旬か ら 発生 し、年3 ‑4回発生することが知 られている14)0 当キャンパスでは5月下旬か ら6月中旬、7月上旬、

9

月中旬か ら10月下旬の年

3

回見 られ るが、当キ ャンパスで発生 しているかは明 らかではない。

【生息環境 ・生態】本種は近年分布を北 に拡大 し ている種 で21)、当キ ャンパ スで も2003年 には じ めて確認 された(28 May2003(IK))。それ以降 2004年 には3例の記録があ り、2005年 には比較 的頻繁 に見 られ るようにな った。 この ことか ら、

個体数が急激 に増加傾向にあると推定 される。林 縁部で見 られることが多いが、開けた明るい環境 で も見ることがで きる。湿地での吸水行動が確認 されている。

【成虫の吸蜜植物】セイタカアワダチ ソウ

56 .

コムラサキA auameip tr ts(図版14)

【成虫の出現期】成虫は

5

月下旬か ら

9

月下旬まで 見 られる。年3回の発生 と推定される。

【生息環集 .生態 】林綾部 や調整池堤防な どのヤ ナギ付近で見 られることが多い。過去の記録は数 例であったが、近年では樹液に集まる個体が多 く 観察 されることか ら、個体数は増加傾向にあるも の と推定 される。ヤナギ頬の樹液や人工のバナナ トラップな どによく集 ま り吸汁する。 また、湿地 での吸水行動 も確認 されている。幼虫はヤナギ類 で確認 されている。

【成虫の吸汁資源】ヤナギ額の樹液、クヌギの樹液

【幼虫の餌植物】ヤナギ類

57.ゴマダラチ ョウH sia a o /etn jp n'a (c 図版1 )5

【成虫の出現期】成虫は

5

月中旬か ら

8

月中旬まで 見 られる。年

2

回の発生 と推定 される。

【生息環境 ・生態】林縁部、調整池堤防、里山林 内な どのやや暗い環境で見 られる。ヤナギ頬によ く集ま り樹液を吸汁する。個体数は少ない。里山

林 内では樹冠 での なわぼ り行動 も観察 されてい る。越冬幼虫がエノキの根元の落葉で確認 されて いる。

【成虫の吸汁資源】ヤナギ頬の樹液、動物の糞

【幼虫の餌植物】エノキ

58.オオムラサキS sk' h rn a (aa ac/ ao d 図版1 )5

【成虫の出現期】成虫は6月か ら8月まで見 られ、

1

回の発生である。

【生息環境 ・生態 】本種 は環塙省選定 レッ ドデー タ種(準絶滅危供種; NT)であ り、個体数は少ない2)0 雄成虫は丘や頂上等で占有行動(ヒル トソビング、

Hi l lt oppi ng)

を示す ことが知 られてお り13)、当 キ ャンパ スで も里山林で確認 されている。 また、

餌植物のエノキで雌成虫の産卵行動が確認されて いる。幼虫は3齢 または4齢幼虫でエ ノキの株元 に下 って、落ち葉の裏で静止 して越冬するのが確 認 されている2)。林綾部のクヌギで樹液を吸汁す

る個体が観察されている。

【成虫の吸汁資源】クヌギの樹液、バナナ トラップ

【幼虫の餌植物】エノキ

ジャノメチ ョウ科Sayiatrd e

59 .

ヒメウラナ ミジャノメY l maaph'/ rugs (図版16)

【成虫の出現期】成虫は

4

月中旬か ら

1

1月中旬 ま ではば連続的に見 られ る。年

3

回の発生 と推定 さ れる。

【生息環境 ・生態】開場、芝生、校舎付近、調整 池堤防、林縁部、里山林内な どあ らゆる環境で見 られるが、里山林内には少ない。個体数はかな り 多 く、ベニシジミ、ツバ メシジ ミ、キチ ョウな ど とともに当キ ャンパスでは最 も普通に見 られる種 の一つである。多 くの花で吸蜜が確認 されている.

また、ヤナギ頬での樹液吸汁 も確認 されているが、

吸汁することは稀である。

【成虫の吸蜜植物】ヒメジ ョオン、オカ トラノオ、

ウツギ、オオキンケイギ ク、ヒヨ ドリバナ、 タネ ツケバナ、 コバ ノガマズミ、ニガイチゴ、 タンポ ポ頬、シロツメクサ、アベ リア、ネジバナ、アカ メガシワ、セイタカアワダチソウ

【成虫の吸汁資源】ヤナギ炉の樹液

【幼虫の餌植物】ススキ1 )5

60.ジャノメチ ョウMI i r'osdy s(n a 図版1 )6

(12)

20 東僕 達哉 ・桜谷 保 之

【成虫の出現期】成虫は

6

月中旬か ら出現 し

9

月下 旬まで見 られるが、盛夏は個体数を減 らし、成虫 で越夏 しているもの と思われる。年 1回の発生で ある。

【生息環境 ・生態 】圃場、芝生、林綾部、調整池 堤防、グラウン ドな どの開けた環境で見 られ る。

西中 ら22)の調査では、1997年 には本種 が当キ ャ ンパ スの最優 占種であった。 しか し、近年著 しく 個体数を減 らし、現在ではあま り多 くない。成虫 は吸蜜のはか、樹液吸汁 も確認されている。

【成 虫の吸蜜植物 】オ カ トラ ノオ、 ヒヨ リバナ、

ヒメジ ョオン、オオキンケイギク

【成虫の吸汁資源】クヌギの樹液、バナナ トラップ 61.ヒカゲチ ョウL tesc leh ieI' 図版1 )S ( 6

【成虫の出現期】成虫は5月下旬か ら9月中旬に見 られる。特 に5月下旬か ら6月中旬

、8

月上旬か ら 中旬に多 く、年

2

回の発生 と推定される。

【生息環境 ・生態 】林縁部や里山林内の暗い環境 で見 られる。個体数は少ない。林縁部では樹液に 集まる個体が よく観察 される。また、湿地で吸水 する個体 も観察 されている。

【成虫の吸汁資源】ヤナギ類の樹液、クヌギの樹液 62.クロヒカゲLe的ed/na a (図版1 )6

【成虫の出現期】成虫は4月中旬か ら10月上旬ま で見 られる。年3回の発生 と推定 される。

【生息環境 ・生態 】林綾部 や里山林 内な どの暗 い 環境で よ く見 られ、 この ような環境では個体数が 多い。ヤナギ類、 クヌギな どの樹液によ く集ま り 吸汁する。また、湿地で吸水することもある。

【成虫の吸汁資源】ヤナギ頬の樹液、クヌギの樹液

63 .

サ トキマグラヒカゲN o eg s h e/e p o c k v'tc 'sh//'

(図版16)

【成虫の出現期】成虫は4月下旬か ら9月中旬に見 られる。年2回の発生 と推定 される。

【生息環境 ・生態 】圃場、芝生、校舎付近、林縁 部、調整池堤防、里山林内な どあ らゆる環境で見 られるが、特 に林縁部、調整池堤防などのやや暗 い環境 に多い。特 に

5

月中旬か ら

6

月上旬 に多 く 見 られ、個体数は多いOヤナギ頬、クヌギなどの 樹液によ く集 ま り吸汁する。

【成虫の吸汁資源】ヤナギ類の樹液、クヌギの樹液

64 .

ヒメジ ャノメMyaei oac lssg lma (図版

1

7)

【成虫の出現期】成虫は

5

月上旬か ら

10

月下旬ま で見 られる。年

3

回の発生 と推定 される。

【生息環境 ・生態】調整池堤防、林縁部、里山林 内などやや暗い環境で見 られる。個体数はやや少 ないoヤナギ頬、 クヌギでの樹液吸汁が確認 され ている。

【成虫の吸汁資源】ヤナギ類の樹液、クヌギの樹液 65.コジャノメMy aei rn icc/ssfa csa (図版1 )7

【成虫の出現期 】成虫は

5

月中旬か ら

10

月上旬ま で見 られる。年

3

回の発生 と推定 される。

【生息環境 ・生態】圃場、林縁部、調整池堤防な どの暗い湿 り気の多い木陰に見 られる。本種はヒ メジャノメに似 るがヒメジャノメより個体数は少 ない。

66 .

クロコノマチ ョウMea / h d'/nit'sp e Ima (図版17)

【成虫の出現期】7月か ら8月 と

1 0

月に見 られ、年

2

回の発生 と推定される。

【生息環賃 ・生態】本種は南方系の種 で近年分布 域 を拡大 している種であるが13)、当キ ャンパスで は毎年数個体程度確認 されてお り、現在の ところ 個体数は少な く、大 きな個体数変動は見 られてい ない。 里山林内や林縁部の暗い環境で見 られるこ

とが多い。

考 察

以上の ように、近畿大学奈良キ ャンパスか らは

8

科66種のチ ョウ規が確認 された。桜谷 ら10)によ る とキ ャンパ スのチ ョウ類 は 1998年現在、8科 61種であ り、新たに5種が記録 され、今回の調査 で記録 されなかった種はなかった。新たに記録 さ れた種は、 ミヤマカラスアゲハ、オオウラギソス ジヒ ョウモソ、ウラギソヒ ョウモソ、ス ミナガシ、

イシガケチ ョウで、 この うちオオウラギソスジヒ ョウモン、ウラギン ヒ ョウモソ、インガケチ ョウ の3種は2003年以降に初めて記録されたものであ る。

オオウラギソスジヒ ョウモソ、ウラギンヒ ョウ モソほ共に幼虫がス ミレ頬 を食草 とす る草原性の チ ョウであるが13)、近年、多 くの ヒ ョウモンチ ョ ウ頬 は減少傾 向にあ ることが知 られている23‑24)。

(13)

近畿大学奈良キャンバ スにおけるチ ョウ頬の生息状況 21

これは人間の生活様式の変化に伴い、牛馬の放牧 や火入れ、カヤの刈 り取 りな どが行われな くな り、

ス ミレ塀の 自生が持続 されるような環境が極端 に 減少 して しまった ことなどが考 えられる 25‑O 当午 ャンパ スでは、 オオウラギ ンスジヒ ョウモ ンが

2003

1 0

月に、 ウラギンヒ ョウモソが

2004

6

月に初めて記録 された。 これ らは、 ヒヨ ドリバナ やオカ トラノオ といった里山植物に訪花 していた 個体 を確認 した ものであ る。 当キ ャンパスでは、

オオウラギソスジヒ ョウモソ、ウラギソヒ ョウモ ソ以外 にウラギソスジヒ ョウモソ、メスグロヒ ョ ウモン、 ミ ドリヒ ョウモソ といった希少にな りつ つあるヒ ョウモンチ ョウ類が、 これ らをは じめ と する里山植物 に訪花 しているのが確認 されている ことか ら、 これ らの里山植物はヒ ョウモソチ ョウ 塀をは じめ とするチ ョウ塀に とって、特に重要な 吸蜜資源であると推察 される。 しか し、同 じヒ ョ ウモソチ ョウ類であるツマグロヒ ョウモンは、当 キ ャンパスではヒ ョウモソチ ョウ頬の中で もっ と

も個体数が多い種であ り、本種は、近年北上憤向 が著 しい種 として知 られている18)20)26‑28)。本種 も 他のヒ ョウモンチ ョウ類 同様、ス ミレ頬を食草 と してお り、他のヒ ョウモソチ ョウ頬の生息に影響 を与える可能性が高い と推察 される。 イシガケチ ョウは近年の地球温暖化の影響を受け分布を拡大 していることや、生活様式の変化に伴 う人家周辺 の環境変化な どの要田で分布を拡大 している可能 性 が知 られている21)。当キ ャンパ スでは

2003

年 に初めて記録 されて以降

、2 004

、2 005

年 と記 録が増加 してお り、今後定着の可能性 もあると推 定 され、注 目される種である。 また、 イシガケチ ョウ同様、北上傾向にあるチ ョウ としてナガサキ アゲハが知 られている17)18)20)126‑28)。ナガサキアゲ ハは北上傾向にある種の代表 として、年代に伴 う 分布域の北方への変遷がかな り詳細に知 られてお り、外因的な気候の温暖化が もっとも重要な要因 であることや、近年ではさらに、幼虫の食物資源 の分布状況なども重要な要因になっている可能性 も考 えられている27‑29)。当キ ャンパ スではナガサ キアゲハ が

1997

7

月 に初 めて記録 されたが、

1998

年 には記録がな く、かな り稀な種である と 思われていた。 しかし

、2 004

、2 005

年には記 録が多 く、本種が当キャンパスにおいて、 ここ数 年 間で確実 に増加傾 向にある種であ る と言 える。

また、本種の幼虫の主要な食樹は栽培 ミカン頬で

ある 13)。当キ ャンパ スに生息する栽培 ミカン煩を 食樹 とで きるチ ョウ類は他 にアゲハ、キアゲハ、

モソキアゲハ、グロアゲハ、カラスアゲハがあ り、

今後 これ らの種 に対する影響 に注 目する必要があ る。また、新たに記録 された ミヤマカラスアゲハ、

ス ミナガシについては以前から生息 していたもの の、個体数が少ないため記録されなかった と思わ れ、現在で も個体数は少ないが比較的安定 して発 生 しているもの と推察される。

当キ ャンパスで記録 されたチ ョウ叛は

8

66

種 であるが、同 じ里山環境で報告のある奈良公園 30)、 大阪府三草山7)、大阪府箕面31)と比較 す る と、奈 良公園

54

種、三草山

49

種、箕面

35

種(ただ し、各 調査面積、調査年数、調査方法な どは異なる)で あ り、当キ ャンパスのチ ョウ類相はこれ らの地域 か らみて も多様 であると言える。 これは、造成 に よる草原的環境をは じめ とするさまざまな環境の 出現がチ ョウ頬相を豊富にしているため と思われ る。餌植物をみて も里山植物をは じめ とする在来 植物が多 く利用 されている一方、造成 に伴 う環境 の変化 によ り生育す るようになった外来植物や、

園芸植物 もかな り多 く利用 されてお り、 これ ら植 物の侵入がチ ョウ額の生息を多様 に している とも 考 えられる。 しか し、ジャノメチ ョウの ような遷 移の安定 した草原を好むチ ョウは、セ イタカアワ ダチソウをは じめ とする外来植物の侵入による生 物多様性の著 しい減少により、急激に個体数を減

らしているもの と推察され る。

今回記録 された種の多 くは、林縁部に多 く生息 していることも明 らか となった。林縁部では多 く の植物での吸蜜や、樹液吸汁、さらに湿地を利用

し吸水する種 も多 く観察 されている。 この ことか ら、今後 は外来植物、北上種の対策 とあわせて、

林縁部、吸水場所の管理がチ ョウ額の保全に重要 であると考えられた。

謝 辞

本報告にあた り、調査や研究面で 日頃ご配慮を 頂 いてい る本学農学部昆虫生態制御学研究室の 杉本 毅教授な らびに香取郁夫講師に深謝 します。

また、貴重な情報や資料、写真な どの提供を頂い た西中康 明、岩崎江利子、城本啓子、武内 幸、

釜我美葉子、山中みの り、稲本雄太の各氏に厚 く 御礼 申し上げます。 これまで、調査等にご協力頂

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