• 検索結果がありません。

岡 本 智 穂

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "岡 本 智 穂"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

07385029

子 ど も た ち の 音 楽 の 学 び を 拓 く 教 師 の 音 楽 的 な 働 き か け の あ り 方 と 工 夫 に 関 す る 研 究 一歌唱指導場面における音楽によるコミュニケーションの成立を視点として一

教科・領域教育専攻 芸術系コース(苦楽)

岡 本 智 穂

はじめに

音楽科の授業では、教師と子どもたちが表現 行為を通して相互に関わり合い、音楽によるコ ミュニケーションを成立させていく必要があ るo そこで、本研究は、歌唱指導場面における 教師と子どもたちの音楽によるコミュニケーシ ョンの成立を視点として、教師の行う音楽的な 働きかけに着目し、子どもたちの学びを拓く音 楽的な働きかけのあり方とその具体的な工夫に ついて検討することを目的とするD

1 .コミュニケーションに着目した学習の本質 的な特性

学習とは、協同的ないとなみの中で、共同体 が以前よりよくなろうと努力して、協同的に関 係を再構築し、修正を模索し、その成果として 文化を創造しようとするいとなみである。この ような学習のいとなみは、一般に、文化的実践 と呼ばれているD 学びを深めることは、個人で は実現しない。人は、共同体の一員として、協 同的ないとなみの中で学びを深めているのであ るo このよう協同的な学びを深めるためには、

コミュニケーションが必要とされ、一人一人の 内面においては、対象との対話、他者との対話、

自己との対話が必要とされている。

2.音楽科の授業における学びの特性

音楽科の授業では、子どもたちは、共同体の 中でコミュニケーションを展開し、文化的実践

指 導 教 員 長 島 真 人

に参加することによって、学習を展開していく o つまり、音楽の授業における文化的実践への参 加は、子どもたちが共に学ぶ教師やまわりの子 どもたちとの開に形成した共同体の中で、音楽 によるコミュニケーションを展開しながら、学 習の対象となる音楽を探究し、共に学ぶまわり の子どもたちゃ教師の表現行為に着目しなが

ら、他者の音楽的な表現の良さを自分の中に取 り込み、自己との対話を通して、自分自身の表 現の可能性を拡大していくことになる。

音楽科の授業における対象との対話は、子ど もたちが、教師によって教材として提示された 楽曲の中にみられる教育的な価値内容と対話す ることによって実現される。対象となる音楽に は、音楽の意味が象徴されるように仕組まれた 楽音構造の形式的特徴と、楽音構造によって象 徴されている主観的な真実の世界という内容的 特性がある。音楽科の授業における対象との対 話は、この二つの側面を探究するいとなみとい

うことになるo

音楽科の授業における他者との対話は、教師 や共に学ぶまわりの子どもたちとの音楽による コミュニケーションを展開することである。子 どもたちは、他者である教師や共に学ぶまわり の子どもたちと音楽の美しさを分かち合い、音 楽の内容的特性をイメージとして共有し、感情 の世界を豊かに把握していく。そして、学びの

‑388

(2)

共同体を形成していく。このように、昔楽によ るコミュニケーションは、他者との相互作用に よって展開される。子どもたちは、自分の解釈 していることを確かめるために周囲を意識す るo その結果、子どもたちは、音楽の意味を捉 え直し、音楽的な表現行為を洗練させていくo このように子どもたちは、音楽によるコミュニ ケーションを通して学習を展開しているo

音楽科の授業における自己との対話とは、対 象との対話と他者との対話によって呼び起こさ れ、自分の解釈を反省的に捉え直すことである。

つまり、子どもたちは、他者の表現行為に着目 し、他者の表現行為の意図を解釈し、対象とな る音楽の表現上の可能性を探究していく。この ような行為を展開していくときに、子どもたち は、心の中に存在する「もう一人の自分J、つ まり、自己との対話を展開していく。その結果、

子どもたちは、音楽の意味をより深く探究して いくことが可能になる。

3 .聞き取り調査と授業観察からみられた教師 の音楽的な働きかけの実際

音楽科の授業における教師の音楽的な働きか けとして、ピアノ伴奏、範唱、身体的ジェスチ ャーを含む合図が挙げられる。開き取り調査の 結果、特にピアノ伴奏に着目すると、正規の伴 奏をこなせる教師、正規の伴奏を自分なりにア レンジしている教師、録音情報をよりどころと している教師、という三つの特徴がみられた。

そこで、それぞれの授業の中でみられる音楽的 な働きかけについて検討したD さらに、それぞ れの授業でコミュニケーションが展開されてい

る様相の分析を行った。

開き取り調査と授業観察から、教師の音楽的 な働きかけは、子どもたちが学びを深めていく 上で対象との対話、他者との対話、自己との対

話を促すものであることが確認され、ここから 指導上の留意点が明らかになった。

4.音楽科の授業における音楽的な働きかけを 試みる上での留意点

第一に、対象との対話を促すためには、教師 は、子どもたちに教えるべき内容を検討し、子 どもたちの学びが深まるような対象を選択しな ければならない。また、教師には、ピアノ伴奏 などの音楽的な表現行為を子どもたちの学習状 況 に 合 わ せ て 多 様 に 変 化 さ せ る こ と が 望 ま れ る。このように、教師は、子どもたちが学びを 深めることが可能な音楽的な働きかけを検討し なければならない。第二に、他者との対話を促 すためには、教師は、子どもたちの表現行為を 的確に解釈し九子どもたちが互いの表現の良さ

や違いを感じ取ることができるような場を工夫 しなければならない。つまり、教師は、子ども たちが互いに演奏を聴き合うことによって、他 者の音楽的な表現行為を解釈し、音楽を共有す ることができるような場の設定を工夫しなけれ ばならない。第三に、自己との対話を促すため には、子どもたちが教師の発問や表現行為、共 に学ぶまわりの子どもたちの表現行為を的確に 解釈し、子どもたち自身の表現行為を修正する ことができるような教師の働きかけや場工夫が 必要であるo したがって、教師は、常に子ども たちの反応に応じて柔軟に対応し、子どもたち が自身の表現行為を修正できるような場の工夫 をしなければならない。

おわりに

今後は、本研究で明らかにされた教師の音楽 的な働きかけに留意し、具体的な授業実践の場 で子どもたちの音楽の学びが拓かれるように工 夫していきたい。さらに、教師の技量に合わせ たピアノ伴奏の工夫について考察を深めたい。

‑389‑

参照

関連したドキュメント

このように、このWの姿を捉えることを通して、「子どもが生き、自ら願いを形成し実現しよう

子どもが、例えば、あるものを作りたい、という願いを形成し実現しようとする。子どもは、そ

この分厚い貝層は、ハマグリとマガキの純貝層によって形成されることや、周辺に居住域が未確

このような情念の側面を取り扱わないことには それなりの理由がある。しかし、リードもまた

しかし私の理解と違うのは、寿岳章子が京都の「よろこび」を残さず読者に見せてくれる

太宰治は誰でも楽しめることを保証すると同時に、自分の文学の追求を放棄していませ

ASTM E2500-07 ISPE は、2005 年初頭、FDA から奨励され、設備や施設が意図された使用に適しているこ

使用済自動車に搭載されているエアコンディショナーに冷媒としてフロン類が含まれている かどうかを確認する次の体制を記入してください。 (1又は2に○印をつけてください。 )