JAIST Repository: アイソタクチックポリプロピレンの一次構造の変化が熱安定性に与える影響
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(2) C18a4 アイソタクチックポリプロピレンの一次構造の変化が熱安定性に与える影響 中村 悠(寺野研究室) 【緒言】日常生活の幅広い分野で利用されているポリプロピレン(PP)は、その一次構造の違いにより、 安定性が大きく変化することが知られている。また、PP の工業的製造に最も広く用いられている Ziegler-Natta 触媒は、その調製方法や使用条件の違いにより触媒特性が大きく変化する上、立体特異性 が異なる活性種が共存しているため、生成される PP の一次構造に分布が生じてしまうという特徴があ る。そこで本研究では一次構造の異なったアイソタクチック PP(iPP)を合成し、TREF を用いた溶離 分別実験を行い、iPP 各成分の劣化に対する挙動について検討を行った。 【実験】PP 合成触媒として TiCl3/MgCl2 を用い、乾式(DG)または湿式粉砕法(WG)を用いて触媒調 製を行なった。PP の合成には、粉砕法の異なる触媒ならびに、助触媒としてトリエチルアルミニウム (TEA)またはジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)、溶媒としてトルエンを用い、重合温度は 40 ℃、重合時間は 30 分とした。重合終了後、触媒残渣を取り除くためオルトジクロロベンゼン(ODCB) とキシレンを用い多量のエタノール・水中で再沈殿を行ない、30 ℃で減圧乾燥して試料とした。また 立体規則性分布を調べるため、温度上昇溶離分別法(Temperature Rising Elution Fractionation: TREF)に より、各立体規則性ごとにフラクション分別を行なった。TREF は、70mg の PP を 10ml の ODCB に溶 解させ、吸着カラムに 19 時間かけ吸着させた後、0.2 ℃/min で 10 時間昇温し、分別した。試料の立体 規則性は. 13. C-NMR 解析により求めた。熱劣化条件は. 130 ℃、空気下で、劣化時間 1~2 時間とした。劣化の進行. Fig 1. TREF results of PP DG: DG/TEA WG: WG/DEAC. は GPC 測定による分子量の変化により評価した。. WG WG (Degraded for 60 minutes). 【結果と考察】TREF 測定と劣化試験の結果から、主鎖中 寄与していることがわかった。一般的に使われている iPP は各分子が均一な立体規則性を有しているわけではなく、 その立体規則性には分布がある。このため iPP の劣化につ. Intensity. に存在する立体規則性の乱れが熱劣化に対する安定性に. いて正確に検討するには、各立体規則性フラクションごと に分別し、劣化挙動を調べる必要性があると考え、各フラ クションに分別した後、劣化試験を行った。その結果、iPP 20. 中の高立体規則性成分が選択的に劣化されていることが. 40. 60. 80. 100. 120. 140. Elution temperature (℃) DG DG (Degraded for 60 minutes). わかった。また、劣化試験後のサンプルでの TREF ピーク の変化は、高イソタクチック部位が選択的に劣化切断され これは立体規則性が下がっている NMR 測定の結果から指 示された。結論として iPP の熱酸化劣化は、立体規則性分 布の影響を強く受けることが分かり、今後の PP の安定性. Intensity. アタクチック成分の割合が増加するためであると考えた。. 改良に対する有益な知見が得られた。 Keywords 一次構造. ポリプロピレン、Ziegler 触媒、熱酸化劣化、. 20. 40. 60. 80. 100. 120. Elution temperature (℃). 140.
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