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知的障害者の就労継続に向けた支援のあり方に関する研究-家族支援のあり方に焦点を当てて-

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Academic year: 2021

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(1)知的障害者の就労継続に向けた支援のあり方に関する研究         一家族支援に焦点を当てて一 特別支援教育学 心身障害コース. M07089C 味 岡 真 弘 序章.問題の所在と目的.  しかし、雇用状況は依然厳しい。知的障害特別.  1997年に、「障害者の雇用の促進等に関する法. 支援学校卒業生の就職率は、ここ15年で11.7%. 律」が改正されるなど、法的な環境整備が進んで. も減少している。また、「障害者の雇用の促進等に. きている。しかし、知的障害者の雇用状況は依然. 関する法律」で制定された法定雇用率を達成して. として厳しい状態である口就職・再就職の難しさ. いる企業も少ないのが現状である。経済的不況や. や働くことで安定した生活確保ができることから. 産業の構造化により障害者の雇用は今後も厳しい. も就労を継続することはとても重要である。. ことが考えられる。.  就労を継続させるための要因として、家族から.  ところで、障害者が働く意義働くことの意義を. の支援があげられる(手塚,1986)。就労継続に. 考えると、①経済的な自立、②自信の獲得、③生. は日常的な家族からの支援が重要であることは理. 活の変化や規貝1」正しい生活リズムの確立、④家庭. 解できるが、負担の大きさや家族の高齢化、生涯. 内での位置づけの確立、⑤人間関係の広がり、⑥. を通した支援を考え併せるとき、家族の支援をバ. 社会での位置づけの確立、が挙げられる。就労す. ックアップする環境整備が必要である。. ることによって個性の発揮、自己実現の過程を楽.  本研究では、知的障害者の就労継続に向けた家. しむことができるようになり、得た収入で経済的. 族支援のあり方について検討する。また、継続就. な自立や社会的・家庭的地位の確立にもつながる。. 労に必要な家族支援のためのガイドモデルを作り、. このことは、障害の有無にかかわらずすべての働. 環境整備の提案としたい。. く人に共通すると言える(手塚,1986)。. I章.知的障害者の歴史的変遷と就労意義. 皿章.継続就労のための要因.  知的障害者のための障害者雇用施策は戦前まっ.  就労継続のための要因として、会社内での環境. たくなかったが、戦後の身体障害者施策とともに. 整備や障害受容促進(高畑・光真坊,2006)、コ. 進んできた。そして、現在の代表的な障害者雇用. ンビテンスの発達(陳,2007)、本人の自己決定. の法律の基礎となったr身体障害者雇用促進法」. による職場選択(黒田・須田,1996)、家庭での. が1960年に制定されたことで大きく進歩する。. 支援(真謝・平田,2000)などが明らかにされて. 以後、法律が改名され、「障害者の雇用の促進等に. いる。これらの就労継続のための要因を見たとき、. 関する法律」になる。この法律が改正され、法の. 家庭で行える支援が多い。また、企業が雇用継続. 対象に知的障害者を含める、法定雇用率を設定す. にあたっての必要条件として、家庭の協力の必要. るなど、法的な環境整備が進んだ。. 性をあげている(真謝・平田,2000)。そして、. 一186一.

(2) 家庭での生活の安定、情緒の安定が働く上で必要. 3.考察. であり、安定した就労の継続に重要な条件である.  保護者は、子どもに対して『健康管理」「生活リ. (手塚,1986)。また、保護者は知的障害者の生. ズム作り」の支援を行っていた。また、子どもの. 活リズム作りや健康管理、就労への意欲付けとい. 過半数が、職場で困ったときに保護者に相談し、. った支援を行えることからも就労継続に大きな影. 家族から問題を解決するための支援を受けており、. 響を与えると言える回つまり、知的障害者の就労. こうした精神的安定のための支援も就労を継続す. 継続には家族からの支援が必要不可欠であると言. る上で必要不可欠と言える。このような身体的、. える。しかし、保護者が困ったときに対処できな. 精神的なサポートといった両側面での支援が必要. い、相談する場所がない場合支援は不十分になっ. といえよう。これらに加えて、問題が起きたとき. てしまう。また、保護者の高齢化などで負担が大. にすぐに対応できるという即応性の面、子どもの. きくなっていくことからも保護者をサポートする. 特性をよく理解しているので適切な対応ができる. 必要があると言える。. という適切性の面での支援の確保もできる。その. ためには、支援者である保護者への適切な情報提 皿章.継続就労に向けた家族支援. 供が確保されることが望まれる。家族へのサービ. 1.アンケート調査の方法. スが提供されることは、知的障害者の継続就労の. ①目的. ために重要である。. 一般就労を継続している知的障害者の保護者にア ンケート調査を行い、家族ができる就労継続のた. 終章.家庭における支援と課題. めの具体的な支援を検証することを目的とした。.  保護者のための就労支援を考えた際、時系列で. ②調査対象. 見ると、r就労前」r就労時」r就労後」r全段階」. A県内で1年以上一般就労している知的障害者の. の4段階での支援が必要であることが明らかにな. 保護者58名. った。そして、各段階におけるそれぞれの留意点. ③調査項目. を整理し、保護者を支援するためのサポートブッ. r仕事で困った時の相談相手」r相談内容」r転職. クの方向性を示し、サンプルを示した。. 回数」「離職理由」「家族が普段から行っているこ. と」r情報交換場所」r情報交換の頻度」r就労継続.  今後の課題. に不可欠な支援は何か」など.  本研究では、就労継続のために必要なこと、取 り組むべき支援内容や支援時期などサポートブッ. 2.結果. クに取り入れるべきコンセプトを示しただけであ. 就労継続のための支援として、r体調の管理」r仕. る。また、作成したサポートブックも部分的なサ. 事の頑張りを褒める」r子どもの様子の把握」「対. ンプルにすぎない。そのため、今後はこのデータ. 人関係に関するアドバイス」「金銭管理の支援」が. をもとに、具体的な対応策などより充実した内容. 必要であることがわかった。また、相談のタイミ. の支援ブックにしていかなければならない。. ングについて、企業へは早期に相談し問題解決す.         主任指導教員   河相 善雄. ることが必要であることがわかった。.         指導教官  河柏義雄. 一187一.

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