被虐待体験と自閉症スペクトラム傾向が他責傾向に及ぼす影響
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(2) 結果. いことが明らかになった。これは,仮説2は支. 最適モデルをTab1e1に示す。なお,E−Aは,. 持するが,仮説1と3とは異なる結果であった。. 小数点以下を切り上げて用いた場合と,切り捨. この結果は以下のように解釈される。ASD傾向. てた場合で結果はほとんど変わらなかった。. が高いと敵意的認知をしやすくなり,他責傾向. が強まる。被虐待体験が無い場合は,ASD傾向 Tab1e1他責傾向についてのポアソン回帰分析 小数点以下. 切り上げ 切り捨て M=131 M=131. β 5亙 β 5亙 独立変数 切片 2.28★ .152.20★ .16 .12 .09 .13 .09 被虐待体験. ×ASD傾向 ASD傾向. 一.03+ .02 一.03+ .02. 年齢. 一.02+ .01 一.02+ 、01. .06 ,O1 .06 .O1. が高くなると,敵意的認知をしやすくなり,内 的に生じた他責傾向を率直に外的に表出し,外 的な他責傾向が強まる。一方,被虐待体験があ. る場合は,ASD傾向が高いと,敵意的認知をし やすくなるが,内的に生じた他責傾向を抑制す るため,外的な他責傾向は強まらない。すなわ. ★ρく.001,十ρく.10. ち,ASD傾向が高く,その特性により敵意的認. 結果,ASD傾向の主効果に有意差がみられた。. 知をしやすい児童は他責傾向が高くなるが,被. また,年齢の主効果および,被虐待体験とASD. 虐待体験によりそれを抑制する反応がP−Fスタ. 傾向の交互作用に有意傾向が認められた。. ディには反映されやすいといえる。社会内望ま. 被虐待体験とASD傾向の交互作用について. しさに関する心理的構えを操作したときに,他. 検討するために,PARS得点の平均値±O.580. 責反応が減少するという研究(Si1verstein,. を基準に“ASD傾向高群”と “低群”に分け,. 1957他)からも,対人的敏感性の高い被虐待児. “被虐待体験有群”と“魚群”を併せて,E−A. が,内的に生じた敵意的認知を他責反応として. についての2要因分散分析を行った。結果,. 表出することを抑制したことが予想される。. ASD傾向の主効果が有意で(珂1,68)=19.37,. 本研究のモデルについては,被虐待体験と他. ρく.001),ASD傾向高群は低群に比べて有意に. 責傾向の直接的な関連性が認められなかったこ. 他責傾向が強かった。また,被虐待体験とASD. ともあり,十分に妥当なモデルを示すことがで. 傾向の交互作用(珂1,68)=3.97,〆.05)が有意で. きたかについては疑問が残る。サンプルの他責. あったので,単純主効果の検定を行った結果,. 傾向が全体的に低かったことなどが原因として. 被虐待体験無群とASD傾向の単純主効果. 推察される。しかし,被虐待体験とASD傾向. (耳1,68)=19.64,ρく.001)が有意であり,被虐待. の高さが他責傾向に及ぼす影響を知る上で,敵. 体験無群において,ASD傾向高群は低群に比べ. 意的な認知様式はASD児の他責傾向を高める. て他責傾向が強かった。. が,被虐待体験が介在した場合には,その対人. 考察. 敏感性により,P−Fスタディ上は抑制された反. ASD傾向が強いと他責傾向が強まり,被虐待. 応となるという関係性が示唆された本研究は新. 体験が無い場合にはASD傾向が高くなると他. たな視座を提供するものであるといえよう。. 責傾向が強くなるが,被虐待体験が有る場合に. 主任指導教員 市井 雅哉. はASD傾向は他責傾向に対する影響をもたな. 指導教員 海野千畝子.
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