• 検索結果がありません。

在宅老人社会介護者問題と包括的家族政策

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "在宅老人社会介護者問題と包括的家族政策"

Copied!
21
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

在宅老人家庭介護者問題と包括的家族政策(1)

は じめ に 昭和

5

0

年以後の在宅福祉政策 には,老人本 人と 同時 に家族 の問題, とりわけ家族介護者の問題が 含 まれ るよ うになって きた(2)。しか し,その「含 ま れ万」をみ ると,発達 した産業社会に共通 にみ ら れ る女性 と家族 の変貌 に注 目す るよ りも,む し ろ戟前の家族制度の視点か ら現在のそれ らをみ る ような問題の とり上げ万 となっている。そ こでは, 老親の介護 は基本的には家族 の責任, より具体的 には,嫁 ・妻 ・娘 とい った女性の責任 と位置づけ た施策の思想 と構造が前提 となっている。 問題は,この ような在宅福祉思想の重視の下 で, あるグループ,た とえは老人の福祉向上のため に, 他の グループ,た とえは家庭介護者の福祉が公然 と,制度 ・政策 の裏づ けに よって不利 ・犠牲 に 置かれはじめた事であ る。 そ して、 この変化 は重 要である。 なぜ なら,戦後の社会福祉思想 は,貧 困 と隔離的 な施設 に片寄 った救貧的施策の払拭 と 共 に,新憲法 と新民法 によって保障 された人権 と 平等,個人の尊厳 とい った基本的価値を守ろ うと 努力 してきたはずだか らである。 しか し,現在進め られている在宅福祉の下 での 老人 と家族,家族 と福祉の問題は,家族 の持つ扶 養機能に着 目し, この扶養機能を維持,回復,強 化す るね らいで福祉への 「家族」の とり込みが行 われている。 その意味では,現在進行 しつつ ある 老 人 と家族 の福祉 は,家族の もつ 「扶養機能」 に よって維持 しようとす る考 え方 に基本的に立 った 保守的なもの とみなさざるをえない。 このよ うな 考 え方は,戦後 日本の社会福祉思想が,戦前 か ら の慣行や因習,常識 を打破 し,法の下の平等,人 権尊重を具体的施策の中に実現 しようとして きた 考 え方 とは原理的,根本的に異なるものであ る。 したがって,現在のまま在宅福祉が推進 されれば され るほど,老 人の福祉 は高まるであろ うが,逆

原 清

に,家族介護者個 人の福祉 は損われ るとい うパ ラ ドックスが生 じることになる。そ こで,以下,覗 行家族介護者に対す る 「援助」政策 について若干 の検討を加え,ねた きり老 人をかかえる 「家族」 に対す る考 え方 の方向を探 ることにす る。

家族介護者 に対す る家族政策

1

.

「家族介護者」個人の 自主性 を重視 した家族 政策 とは 前述 した ように,最近の在宅福祉の考 えには, 老 人のみならず家族の問題が とりこまれてきてい る。た とえは, 日本型福祉社会 との関連で 「家庭 基盤充実」政策 とか,在宅福祉サ ービスとしての シ ョー ト・ステイやデイ ・ケアまた, ホーム-ル パーの対象拡大施策 な どがねたき り老人をかかえ る家族 に対す る援助施策 とされて きている。 この ように,今 日の社会福祉 には,老 人 と家族へ の接 近,す なわち, ある種の家族政策 とも呼称 され る よ うな動 きが進 展 してい る とみ なす こ とが で き る。 では, このよ うな家族政策の 目的はどのよ うな ものであろ うかo一般的 にみ るな ら,ねた き り老 人をかかえる家族 に対す る家族政策 は,「社会政策 の一環 としての家族政策」と

,

「家族 その ものの福 祉 を高め る家族政策」との側面 とに分 けられ よ う。 もし,家族政策 が前著 の政策的側面 のみ強調す る 時,後者の側面,つ ま り個別的 レベルでの家族 の 福祉 はその ウエ イ トを低めざるを得ない。その場 令,家族政策の対象 は,家族の福祉 を高 めるとい う目的の下で,老人本人の福祉 と,集団 としての 家族,単位 としての家族 が政策対 象 となって,塞 人を介護す る介護者個 人の福祉 は軽視ないし無視 されるのが現実である。 そこで,次の問題が提起 される。ねた きり老人 -65

(2)

をかか える家族 に対 す る家族政策 の 目的 は何か, であ る。それ は,家族 の結 びつ きを強め るために, 家族 メンバーひ と りひ と りの 自主性や主体性が発 揮 され るよ うに援助す る ことであ ると考 える(3)0 もし,家族政策 の 目的が上記の ものであ るとした なら, これ らの 目的 を実現す るために,家族政策 は どの よ うな条件 を備 えていなけれ ばな らないだ ろ うか。第1に,老 人が家庭内に とどま りやす く, かつ, 介護 されやす い施策 を含む こと,第2に, 介護 している家族 が,介護 していない家族 よ り経 済的 に貧困ない しは不公平 な状態 に陥 入 らない よ うにす る施策 を含 む こと,第3に,介護 している (しよ うとす る) 者が, 介護 していない (しよ う としない)者 よ りも,社会的,経済的,文化的不 利 な状態 に陥 らないよ うにす る施策 を含む こと, であろ う。 以上 の よ うに,老 人をかかえる 「家族」 に対す る援助 のあ り方 を 「家族 その ものの福祉 を高め る 家族政策」 の側面 か らその必要条件 を規定す ると き

,

「家庭介護者」の問題が 「社会政策 の一環 とし ての家族政策」 よ りも,一層具体的 ・現実的 に捉 えることがで きる と思われ る。 しか し,現行老人 福祉法 には,家族 介護者 の福祉 の問題 は考慮 され て こなか った。 また

,

「家族責任主義」に基づいた 現行の老 人福祉 に は

,

「家族 な し」 の老 人福祉 は あ って も

,

「家族 あ り」の老 人福祉 は埼外 に追 いや られて きたのであ る。 したが って, これ らの こと を考慮す るな ら, 現行老 人福祉法か ら無視 ない し は軽視 されて きた 「家族 介護者」 とい う一定の社 会的 グル ープの福 祉問題が,今後,積極的 に と り あげ られなけれ ばならないだろ う。 この ことは, 現行の在宅福祉政 策,老 人福祉政策 に,個 人の問 堰,個 人の レベルの福祉問題を含め るよ う,福祉 視角の拡大 を促 し,具体的には,老 人 と家族,家 族 と福祉 の関係 について再検討 を迫 っているとい えるのであ る。 2.FamilyPolicy概念 とその使 われ方 政策 に個 人の レベル,個 人の問題を含め る視点 の必要性 を上述 したわ けだが,それは,具体的 に は ど うい うことを意味 しているのであろ うか。あ るいは,具体的 な形態 ・内容は ど うい うことにな るのであろ うか。 この点 を明 らかにす る手 がか り として,1978年 に刊行 された,S ・B・カーマー マ ン とA

・J

・カーンの編 集 に よ る '' Family PolicyH概念 をみ てみ よ う。本書 は副題 に

14か 国の政府 と家族」 とあ るよ うに,家族 に係わ る政 府政 策 を14か 国 の範 囲 で 国際比較 した もので あ る。 編者 は,各 々の国の研究者に よって提 出 された familypolicyのベ ーパ ーを,用語 の使われ万 を基 準 に して次の3つの グループに分類す る. 1.明示的で包括的 なfamilypolicyを もった 国 々- フランス,チ ェコス ログァキ7,-ンガ リー, ノル ウェー, ス クエ -デ ソ。 2.明示的 だが, しか しよ り狭 く焦点 の しは ら れたfamilypolicyを もった国 々。 その よ うな国 々では,familypolicyの用語 は常 に 特 別な政策分野を描 くため に使用 されてい る- オース トリア,西 ドイツ, ポーラン ド, フ ィンラン ド, デンマーク。 3.明示的 なfamilypolicyを もた ない国 々。そ の よ うな国 々で はfamilypolicyの よ うな 観 念 は拒否 され,暗示的 で気 の進 ま ない familypolicyとなっている- イギ リス,カ ナダ, イスラエル, アメ リが 5)。 以上,14か国を 3つのグループに大別 した編著 は, 、、今,何故 に家族政策 に関心 を もつのか〟 と い う問いを発 し,自らその問いに答 えよ うとす る。 この問い に答 える前 に編者 はfamilypolicyの用 語 の使われ万 についてまず整理す る。 それ による と,familypolicyとい う概念 自体 は何 も新 しい概 念ではない。今 までに も,第 1に, ヨー ロッパで は大家族 を促進す るために所得再分配 の文脈で使 われ て きた し,第2に, 人口政策や長期的 なデモ グ ラ フィック計画 との関連 で使 わ れ,第

3

に, familypolicyとい う概念 が最 も使わ れ て きた使 われ万だが,要援護者やあ るいは不適切 な家族 メ ンバ ーに対 して,家族 を支持 した り,家族 に代わ っ て ケアを提供す る公 的政策 を指 して きた のであ る。 しか し,最近 になって,familypolicyの概念 は, さらに二 つ の文 脈 の中で使 用 され るよ うに なって きた, とい う。 1つ は,子供 の生活条件 を 改善す る方法 として最 も効果的 な方法 は家族 を援 助す ることであ り, したがって,子供 によい影響 を与 える公的政策 を考 えるや り方 と してfamily -66

(3)

-policyの考 えが採用 され始めた こと。 2つ 目は, 若干 の国 々, あ るいは若干 の人び との問で,女性 に対す る社 会政策 の全体 の領域 がfamilypolicy の主要 な構 成要素 として定義 され始めた ことであ る, とい う(6)0 この よ うに,familypolicyの用語 はこれ までに も種 々な使 われ万 を して きたが,従来の使われ万 とは異 なる採 用の され万 に編者 はまず注 目す る。 その上で, 次 に, では It家族 とは一体何か ?〟 を 明 らかにす る。 ペ-パ ーを提 出 した

1

4

か国の家族 お よび家族 政策 の捉 え万 には種 々なものがあ る。 したが って, うっか りす る と,familypolicyは保 守的で時代 に逆行す る応用のされ方 をす る可能性 を持 った り, ある人び との よ うに,伝統的 な家族 の定義 や,伝統 的 な家 族 の役割 を認 め るため に familypolicyが使われた りす る。その場合,伝統 的 な家族 とは,二親,一家 に一人の稼 ぎ手,一人 ない しそれ以上の子供,か ら構成 されている家族 を さしてい るのである。事実, この よ うな伝統的 な家族 は, アメ リカ, イギ リス,●ヵナダにみ られ るよ うに,familypolicyを拒否す るレ トリックの 中で よ り一 層特徴づけ られ ることになる。 これ に対 して, 明示的で,包括的 な家族政策 を 持つ国で は,少 な くとも片親 と一 人ない しそれ以 上の子供 の存在 を家族 の定義 に含めてい る。 さら に, ス ウェーデ ン の 報 告 者 に よ る と,family policyの政策 が今 日浮 かび上って きたのほ,親で あ ることと男女 の役割が矛盾 ・衝突 してい るか ら だ とい う見方 を してい る。 この理解 によると,家 族 形 態 か らのみfamilypoliyの浮 上を説 明す る わ けにはいかな くなる。 その他,家族 の範囲 につ いて も編者 は言及す る。た とえは,ス ウェーデン, デ ンマーク,西 ドイツの国 々は,老 人に対 して顕 著 な制度や政策 を もってい るが,familypolicyと い った特 別の見出 しに よって活動 を位置づけてほ いない。 そ して, この よ うな国 々は,いずれ も, 家 族 諸 政 策 の 部 分 と し て,家 族 網 (family networks)を考 えることは していない。他方, イ ギ リスや ア メ リカのペーパ ー提 出者 は, 自分達 の 国 の暗 示 的 なfamilypolicyを分 析 す るに 際 し て,老 人に対す る親族網 (kinshipnetworks)早 支持 を考慮 に入れた巾広い 「家族」 を定義 してい る。 これ ら

,1

4

か国の家族 の タイプお よび家族 と家 族政策 を分析 した編者 は,familypolicyの対 象 と して少 な くとも一 人の成 人と一 人の末成年 児か ら 成 る家族 を ここで は家族 と捉 え る。 その結 果, "fami 1ypolicy"概念 は,種 々な家族 の タイプに言 及 し,種 々なタイプの政策 に言及 している現 行の 、、家族政策〟 に対 して, それ らの 「代理 人」 にな ること, と用語 を定義す る(7)0 familypolicyと家族 の関係 を明 らか に した上 で,編者 は,前述 した 、、今,何故 に家族政策 に関 心 を もつのか〟 に答 える。一般的 に,従来 の ヨー ロッパのfamilypolicyの 目的 は人 口問題 の解決 として考 え られて きた。長期的 には出生率の低下, それ に伴 う生産年齢 人口の低下お よび老齢 人 口の 増大,とい う問題に対す る対応であ った。しか し, 最近 の直接的 な問題 は,年金の負担増 と社会保険 負担増 を どうす るか, とい うことが問題 とな って い る。逆 に,今 日の家族構造 と家族構成の変化 お よび家族機能 と家族 の役割 の変化が,今 日の両大 陸 にfamilypolicyの関心 を呼 びお こす主要 な衝 激 の波 として進 んで きてい る, とい う。 さらに, 労働市 場 を と りま く条件 の変 化 もまた,family policyの関 心 を導 く要 因 となって い る。す なわ ち,家族構造 の変化,婦 人労働の増 加,男女平等 化 の進行 とい った変化が,いた るところでfamily policyの関心 を助長 す る最 も重要 な影響 力 を構 成 してい る,と編者 はfamlypolicyの今 日的 な背 景を整理す る。 この よ うな事態の変化が生 じてい るに も係わ らず,保守的 な考 えの 人,つ ま り,家 族 とい うものを,社会統制や伝統的 な社会化 の重 要 な手段 と考 えてい る人び とは, どんな変化 に対 して も不安 をいだ く。その よ うな人び との心配 は, 家族か らそのcore機能が失われ ると考 える。アメ リカや ヨー ロッパで この位 置 を代 表 す る人 び と は,現状維持 の手段 としてfamilypolicyを考 え, 事実, どんな変化 に対 して も反対 してい るのであ る。 他方,変化を積極的 に望む 人び とは,女性 の平 等 を大いに促進 させ, 居住形態の決定や労働 力参 加の決定が,家族 の経済的福祉 を決定す るのに, 重要 な意味 を持つ ことに注 目してい る。 なぜ なら ば,彼 ら 自身 の 目標 を達 成 す る能 力 をfamily policyに託 してい るか らであ る。 ー6

(4)

7-これ ら本質的 に相異 した グル ープに よって考 え られたfamilypolicyの中味 は,全体 としてはか な り異 なってい るものの,familypolicyの有 用性 とい うことでは, 同 じ展開に よって関心を持 って きてい るのであ る(8)0 以 上, カーマ -マ ン と カ-ソ の 編 集 し た

ttFamilyPolicyMか ら,fami lypolicy概念 とその 使われ方 について概要 を示 したわけであ る。つ ぎ に各国の事例 をみ るなら,前述 した よ うに各 々の 使われ方があ るであろ うが,familypolicy概念 は 編者 の分板 に よる と三 つ に大 別 され る こ とに な る。 しか し, ここで中間 タイプの国 々は一応置 く として,明示的で包括的 なfamilypolicyを持 っ た国 々と,暗示的 でI reluctantなfamilypolicyを 持 った国 々の 「老 人をかか える家族」 に対す る政 策 を簡単 に見てお こ う。前者 の タイプの国 として スウェーデソとノル ウェーを,後者 の タイプの国 として アメ リカとイギ リスの場合 をみ ることにす る。 ス ウェーデ ンの場合 :家族政策 は三つの発展段 階を辿 って現在 に到 っている。 まず第

1

段階 は, 無休護老 (児童 の労働,婚姻外の子 と未婚 の母) のための手段 としての家族政策,第

2

段階 は,人 口政策 と所得 の平等化 の手段 としての家族政策, そ して第3段階 は,男女平等 に対す る支持。具体 的には,母親であ ると同時 に1人の稼得者 の家族の 段階か ら両親であ ると同時 に二 人の接待者 のい る 家族へ の家族政策 の変化。つ ま り,両親であるこ との子 に対す る責任 と,生産労働への参加 とを両 立 させ る 上での矛盾 に対す る解決策が今 日の家族 政策 の課題 となってい る。 したが って, ス ウェー デンで は,老 人の世話 は家族 の問題ではな く,衣 族政策 の問題 は,今や,男女平等 をいか に図 るか, とい う段階 に達 してい る(9)。ここでは,集団 として の家族,単位 としての家族 を維持 ・強化す るよ り ち,また,子 どもの福祉 を 目的 とす るとい うよ り, む しろ,夫 と子 どもと共 に家族 をつ くっている女 性個 人の福祉が,男女平等 の視点か ら捉 えられ, この 目的 を達 成す る手段 としてfamilypolicyが 使われ ているとい うことがで きる。 ノル ウェーの場 合 :老 人に対 す る政 策 と して は,当然の ことなが ら年金,住宅,医療, ′ミス ・ 電車 な どへの補助金,老 人ホーム,福祉 サー ビス な どがあ るが,注 目され る ことは,現在,老 人や 病 人に対 して,その責任 を家族 か ら公的領域- と 変換が試み られ ていることであ る(10)Oっ ま り,塞 人の扶養 は,家族か ら公的責任- と政治的 に変換 が行われてい ることであ る。 アメ リカの場合 :老親 を援助 した りケアを して い る家族 を支援す るよ うな公的政策 は行われてい ない(ll)0 イギ .)スの場合 :一 人 ぐらしない しは老 人夫婦 は,種 々な公的援助 を受 けてい るが, もし老 人が 家族, と りわ け子供 と-諸に住 んでいる場合 には 「公的」サ ー ビスの提供 はさし控 えられてい る。 なぜ な らば,その よ うな場合には,家族 が必要 な ケアを提供す る もの と考 え られ てい るか らで, 1967年 のHuntの ホームヘ ル パ ーの研 究 を み て も,公的 サー ビスの提供 を拒否 されてい る最 も共 通 した理 由は,子供, と りわ け常 に娘が同 じ家か 同 じ地域 (localarea)にいた とい うことであ っ た(12)。 イギ リスの場合 には,既 にふれた よ うに, 家族 はkinshipnetworkを含 め た 巾広 い捉 え万 で定義 されていた よ うに

,

「老親 をかかえる家族」 に対 す るfamilypolicyは概 してreluctantで あ ることが この事例か らも知 ることがで きる。 3.経済政策の戦略 と しての家族政策の重視 最近 の イギ リス ・サ ッチ ャー政権下で は,経済 政策 の戦略 との関係で社会政策や家族政策 が重視 されて きている。 もちろん, サ ッチ ャー政権 にな る以前 において も家族 は政治の場 で強調 されてい た。た とえは,1976年の夏に開かれた上院の家族 に 関 す る討 論 会 の 開 会 の辞 でArchbishop of Canterburyは「社会 の安全を図 る防波堤 として家 族 は考 えられ なけれ ばな らない(13)」と述べている よ うに。 しか し, サ ッチ ャー政権下では,経済政 策 の戦略 との関係で家族政策 とい う言葉 が使われ 始めてい る点 に注 目す る必要 があ る。周知の よ う に, イギ リスでは社会政策概念 に社会保障政策, 労働政策,教育政策,住宅 ・環境政策 な どが広 く 含 まれ ることになってい る。ところが

,

「保守党で は家族 とい うものが社会政策の中で も中心的 な重 要性 を もつ もの として と くに,家族政策 (family -6

(5)

8-policy)とい う言葉 を最近用いることが多いよ う であ る」 とい う。そ こでの家族の捉 え万 ない しは 家族政策の 目的 は

F家族 は西欧社会における基本 的 な社会単位』であって

,

『人間的個性 と尊厳の一 つの生 きた表現であるとともに不安 な時代にあっ ては相互に助 け合 うための-集団』であるばか り でな く

,

『過大 な権力を持 った国家の野望 に潜在的 な抑止力』 を もつ とい う認識 に立 って,家族 の構 成員が持つ機知が鼓舞,発展させ られるよう家族 単位の強化 を図ろ うとい うのが家族政策 の 目的で あ るとしてい る(14)」。 このよ うに

,

「家族単位」の強化を図る目的で家 族政策概念 が使われた場合でも,その「使われ方」 の背景に経済政策の戦略 としての機能が隠 されて いるなら, その よ うな家族政策 は 「政府支出の削 減」を助け

,

「--経済が必要 な資源を生み出 して くれ るよ うになるまでは,老人や病人の世話を十 分 にす ることはで きない(15)」とい う経済政策 を正 面 か ら支 える役割を担 った もの となるのであ る。 この よ うな経済政策 に対す る福祉サー ビスの位 置づけは,他 の社会政策,た とえば住宅政策,敬 育政策 にもあてはまる。住宅政策 についてみ ると,

F持家購入の奨励は家族の独立性を高めるjもの として,公営住宅の払下 げを通 じた持家政策の推 進や」,教育政策関係では

,

「教育社会の多様化を 通 じた親に よる選択権の拡大 は家族の機能 と影響 力の拡大 につ なが るとして,労働党によって廃止 の方 向 が 打 ち 出 され た 私 立 学 校 (Indipendent School)の復興等の施策が提案 され,そ して,現 に実施に移 されつつある(16)。」とい うのである。し たが って, ここにい う 「家族単位」の強化を 目的 とした 「家族政策」 は,結局 は家族員個人の福祉 を図 るよ りも,家族員の相互扶助を期待 した経済 政策重視の考 え方 とい うことができる。

わが国における在宅福祉政策 として

の 「家 族 負 担 軽 減 」 論 の検 討 1.最近の在宅福祉への家族介護者の ≠とりこみ〝について (1) 中央社会福祉審議会 「当面の在宅老人福祉対 策のあ り方について」 (意見具申) 昭和56年12月10日,中央社会福祉審議会は上記 の意見具申を発表 した。そ こには

,

「在宅老人福祉 対策の今後の方向」 として これまで とは違 った福 祉原則 ない しは方向が打ち出されてい る。第

1

は, 居宅処遇原則 に基づいた積極的 な在宅福祉対策 の 確立,第2は家庭介護者に対す る援助 の必要,第 3に,一般老人への対象の拡大,そ して第4に老 人,家族,地域住民等 による自主的 な支援活動 が 組み込 まれた福祉供給 システムの形成,であ る。 これ らの原則や方向を踏 まえて,福祉利用者 の費 用負担制度の導入が示唆 され,昭和57年10月 よ り ホーム-ルパー制度に所得制限の徹廃 と費用負担 制 度の導入が実施 されたのである。 同時に,本 「意見具申」には

,

「家庭介護者」に 対す る援助の問題が大 きな ウエイ トを占めて とり 上 げ られていることに注 目したい。 まず,第

1

章 「在宅老人福祉対策の現状 と今後 の方 向」におい て,今後 は,た とえ要援護老人であっても,居宅 処遇を原則 とした積極的な在宅福祉対策の確立が 必要であることを強調 したのち

,

「その際,家族 に 過重 な心身上の負担を負わ し,家庭が崩壊す るこ とのないよ う老人の福祉向上 と併せ て家庭の介護 者 に対す る援助 についても配慮 し,介護者の負担 軽減を図 りつつ家庭の扶養機能を一層堅固な もの にす ることが必要である

」 (下線 :萩原) と記 さ れ る。 この 「方向」を受 けて,第

5

章 「当面改善 すべ き在宅老人福祉対策 について」では,今後, 緊急度の高い福祉諸施策の実現が望 まれ,「老人家 庭奉仕員派遣事業」における派遣世帯の拡大が老 人の在宅福祉対策の うち最優先課題 とされる。 そ の理 由 として 「(む当該老人が家庭 に とどま りたい とす る願いを満たす ことができること,②丞墜里 介護負担を軽減す ると同時 に家族 の介護意欲 を-層鼓舞す る動機付けの役割 を果たす ことになるこ i ,③以上の ことは,老人福祉行財政 の効果的運 営 にも寄与す ることになること等」(下線 :萩原) があげ られ,ホーム-ルパ ーの派遣世帯の拡大が 「介護負担の軽減」 と家族 による 「介護意欲 の鼓 舞」 に大 きな影響を与 えることが指摘 される。 ま た

,

「福祉施設活用サービス」としての 「短期保護 事業」では,「現行のねた き り老人短期保護事業 は, 老人の福祉及 び介護に当たる家族 の負担軽減に大 き く貢献 しているが, なお一層その量的拡大 に努

(6)

めるとともに,家庭の介護意欲を高め るために も 保護条件の緩和 につ いて考慮す る ことが望 ま し い

」(下線 :萩原) とし,同時に,対策の立ち遅 れが問題 となっている痴呆老 人の介護 について も 「痴呆老人の介護 に当たる家族の負担が大 きいこ とか ら, これ らの者が,容易に利 用で きるように す るため,短期保護す る施設 に対 して運営費に特 別の配慮を行 う必要があろ う。」 と述べている。

(

2

)

中央社会福祉審議会 「今後の老人ホームのあ り方 について」 (答 申) 周知のように

,

「ねた きり老 人短期保護事業」や 「デイ・サー ビス事業」とい った「福祉施設活用サー ビス」 は,昭和52年11月21日に中央社会福祉審議 会が行 った「今後の老 人ホームのあ り方 について」 の意 見を契機 として昭和53年度お よび54年度か ら 実施に移 され ることとなったのである。 この 「老 人ホームのあ り方」の答申では

,

「老 人ホーム機能 の地域開放」の必要性が家庭介護者 との関係で次 のよ うな文脈の中で示 されてい る。具体策 として の 「短期収容事業 (シ ョー ト・ステ ィ事業)」の項 で,「短期入所 の必要性がある老 人としては,ねた きりの老 人であって,通常 は居宅 において養護 し て くれ る者がいるが, その養護者に疾病な どの事 故があ り,一時的 に居宅 における養護が受 けられ な くなった ものが挙げ られ る

」(下線 :萩原)と, 短期入所事業の対象老 人は,居宅でねた き り,介 護者がいるもの, その介護者が一時的事故 により 一時的 に介護 がで きな くなった場合, とな三てい る。 このよ うに, きわめて限定的,制限的であっ て も,昭和52年の国の 「答申」 に家族介護者を含 めた施策の方向が示 された ことは,わが国の老 人 福祉の歴史上,意義あ る事 と同時に,一定の発展 をみた と評価で きよう。

(

3

)

在宅福祉サー ビス研 究委員会 「在宅福祉サー ビスに関す る提言

時を同 じくして,昭和52年 9月,全国社会福祉 協議会 ・在宅福祉サー ビス研究委員会か ら 「在宅 福祉サー ビスに関す る提言」が出され,そこにお いて も,在宅サー ビス と家庭介護者の関係が大 き くとり上げ られているのである。 ここでは,第2 章 「在宅サ-ビスの内容の強化」の第 2節におい て

,

「要援護者 を抱 える家庭 に対す る援助」の柱が 建 てられ,次のような内容 とな っている。「在宅福 祉 のサ ー ビスを発展させるために,要援護者個人 に対す る援助サー ビスと同時 に,要援護者 を抱 え る家庭 に対す る, いわゆる家庭援助 サー ビスは, と くに重 視 す る必 要 が あ る。 この サ ービス は シ ョー ト・ステ ィ, デイ ・ケア等の施設 の新設, ホーム-ルプ ・サー ビスの拡充や,現在実施 され ている介護器具の供与,貸与,介護手当等の施策 の拡充 によりその対策をはか ることが必要である が, この他 とくに,次のサ ー ビスについて格段の 努力が望 まれ る

.

1)家庭介護者 に対す る講習,2) 家庭介護者 に対す る健康管理対策,3)家庭介護者 の休養,保養, レク リェーシ ョソ等 の援助, 4)衣 庭介護者 に対す る税の軽減等」。ここでは,寡庭介 護者に対す る援助の具体的施策 として,施設の新 諺,拡充や介護器具の供与,貸与, さらに介護手 当 といった諸施策の他に,家族 介護者個人の レベ ルの福祉が扱われているところに, これ までにな い一定の前進をみ ることがで きる。 では,先 きの 「当面の在宅老 人福祉対策のあ り 方 について」の意 見具申では

,

「家庭介護者 に対す る援助」 はどのよ うな内容になっているであろ う か。そ こでは,世帯の核家族化,家庭婦 人の職場 進 出の傾向が強 まる中で,家庭の老親に対す る介 護機能 は低下す る状況にあ ることを認めた 上で, 「しか し,老 人は,たとえ老化 による日常生活能 力が後退 して も家庭での生活 を望み, また,家族 もで きれ ば老親 を老 人ホームに 入所 させ る よ り は,家庭で共に生活 したい と望 んでいるのが現実 である。そ こで,老 人のための在宅福祉対策の強 化 とともに,今後 ともこれ らの家庭の介護機能を 可能な限 り健全 に維持す ることがで きるよう社会 的 な扶養支援体制を整備す ることが必要であ る。」 として,ホーム・-ルパー,デ ィ・サービス,シ ョ-ト・ステ ィ,福祉手当等の現行施策の充実を図る はかに,介護者教室の創設,ねた き り老 人等介護 者 に対す る税制上の優遇措置 の創設が示 され

,上

述 の在宅福祉サー ビス研究委員会の 「提言」 とほ ぼ同 じ文脈を辿 っている。 みて きた ように,昭和

5

0

年 以後の在宅福祉重視 の傾向の中で,老 人本人のみ な らず,老 人を抱 え てい る家族 の問題が とりこまれて きた ことがわか

-7

0

(7)

-る. この 、、と りこみ〝化の流れは,老人本人の福 祉 を高めるために,家庭の扶養機能を強化 し,衣 族の介護意欲 を鼓舞す る必要か ら生 じた ものであ る。 このよ うな目的に対す る手段 として 「家族介 護者の負担軽減」が重視 され,在宅サービスに と りこみ,組み こまれてい く家族介護者の位置づけ と問題 はどの よ うなものであろ うか。以下, これ らの点 に関 して若干の検討 を加 えたい。

2

.

「負才旦軽渡」論の前提 と所産 在宅福祉政策 との係わ りで 、'とりこみ〟 の図 ら れて きた家庭介護者の問題 は,いわば「負担軽減

論 とも呼ぶ ことので きる構造を持つ といえよ うO この家族負担 の軽減を図 るとい う考 え方 は,高齢 化社会の到来,後期老年 人 口の増大,家族規模 の 縮少,主婦労働の拡大 といった社会的背景の中で, 老 人の福祉 をいかに高めて行 くか, とい う課題 に 応えようとした ものである。そ して, この課題を 具体的に進 め るに当たっては,二度にわた る石油 シ ョックの影響で,財政事情はきわめて悪 い状態 にある。 この よ うなデ ィレンマ, トリレンマの進 行す る中で,老人福祉向上のための家庭介護者の 負担軽減論 にはい くつかの前提がある

。 1

つは, 「老人は, た とえ老化による日常生活能力が後退 しても家庭での生活を望み, また,家族 もで きれ ば老親を老 人ホームに入所 させ るよ りは,家庭で 共 に生活 したい と望んでいる」とい う想定があ る。 このよ うな考 えが想定 される背景には,各種の老 人 と家族 に関す る意識調査や実態調査(17)の結果 が根拠 となっていることは確かである。 しか し, 現代の社会 の中で,望 ましい家族関係,人間関係 を保 ったままで,ねた きり老人の世話 を現 しとげ られ る家族 とは一体 どのような家族であろ うかo 後述す るよ うに,ねた きり老 人を実際に抱 えてい る家族 は, きわめてもろい状態 におかれてい るの である。他方 、老 人の側か らみて も,家族 か ら邪 魔者扱いに された り,福祉 とい う名に値 しないよ うな待遇を受 けている老 人の多い ことも周知 の事 実である。問題 は,老人と家族の双方 にとって「家 族」があま りにバ ラ色に,かつ,何 よりにも増 し て優位に描かれていることである。家族意識や家 族機能一般 か ら捉 えるのではな く,現実の社会, 現代社会 における家族の意味や家族 の位置づけを 明確 にする必要があ るが, この点 を暖味に したま まで家族の 「良 さ」が前提 され,想定 されている のである。したが って,この ような前提で「家族」, が想定 され る限 り,その家族は「家庭基盤の充実」 等 に典型に示 され るように,ユニッ トとしての「家 族」扶養機能がア・プ リオ リに前提 されている 「家 族」を指す ことになる。 このような想定の下で前提 された 「家族」 は, 次の前提 にひきつがれ ることになる。す なわ ち, そのよ うな 「家族」がある場合には,本来的 に家 族が老人の介護 をす るのはあた り前, とい う前提 である。現行の老 人福祉法 は, まさにこの前提 に 沿 った論理で構築 されているのであ る(18)。この点 に関 して,森幹郎氏は 「家族責任主義」と規定 し, 老 人福祉法制における反今 日的性格の1つにあげ ている(19)。 もう一つの前提は,単位 としての 「家族」 が前 提 され,老親の世話 は 「家族」が面倒をみるのは 当た り前 とされ る時, この文脈において

,

「介護」 は女性の責務, とい う想定が何の抵抗 もな く成立 しているこ.とである。つ ま り,在宅老親の介護 を め ぐって,福祉の領域 に改めて「性別役割固定化」 が合理化 され よ うとしているのであ る。 これ らの前提 に立 って導 入された家族 介護者 に 対す る 「援助」 は,確かに 「負担」 を 「軽減」す るものの

,

「負担」の内容,範囲,程 度についてだ れが,いつ どの ように決定す るのか, といった問 題や

,

「軽減」の水準 についての決定について も納 得のい く議論 はなされないままで施策の実施が行 われているのである。したがって,結局は

,

「負担 の軽減」 といって も,一般的に,相対的 な意味で 使われ るにす ぎず,現代社会における 「家族」の もつ意味や枚能が再検討 され るわけで も,又

,

「家 族責任主義」が否定 され るわけで もな く, さらに, 家庭介護者の 「負担」が軽減か ら解放へ と向か う わけで もないのであ る。逆 に,在宅福祉政策 との 関係で, これ らの前提は強化 され よ うとしてい る のである。た とえば,前述 の 「意見具 申」では, 在宅老 人福祉対策の今後の方向 として,「在宅福祉 サー ビスの推進 に当たっては,単 に行政 に全面的 に依存す ることを前提 とした福祉 システムを地域 社会 に樹立す ることを 目的 とす るのではな く, ま ず,当該老 人及 び家族に よる自主的 な努力を前提

(8)

に.地域の住民やボ ランテ ィア及 び民間福祉団体 等による自主的な支援活動が組み込 まれた福祉供 給 システムを形成 し,老 人が必要 とす る福祉サー ビスを何時で も提供できる体制を整備す ることが 望ましい。」としてい るか らである。 この点か らみ るなら,老親介護 の責任主体 は 「家族」であ り, それを補完す る形 で 「公」が位置づけられている といえよう。 そ うであるなら,老親介護の家族負 担 は 「解放」ではな く 「軽減」が 目的 とされ るの は当然の帰結であ る。 以上の前提 と論理で くみ立てられた「負担軽減」 論は,その所産 として,結局は,家族扶養 の強化 と,家族介護者個 人の犠牲を生み出す ことになる のである。 3.平等徐 と社会的公正論か らの批判 この ような在宅福祉政策 における老人 と家族, 家族 と福祉の現状 について,男女平等 と社会的公 正の視角か ら批判が行われている。

(

1

) Co

mmuni

t

yCar

e

とその問題 点-J

,Fi

nc

l

t

D.Gr

ov

e

s

による問題提起

ランカスター大学

,So

c

i

a

lAd

m

ini

s

t

a

t

i

o

n

学部 の講師である

J

a

ne

tFi

n

c

h

Du

l

c

i

eGr

o

ve

s

は,

t

t

Co

mmu

ni

t

yCa

r

ea

ndt

heFa

mi

l

y:ACa

s

ef

or

Equa

lOp

po

r

t

u

ni

t

i

e

s

?

"【20)とい う論文を発表 して いる.その骨子は

,

「現在,性差別を した法律が存 在 していることは確かだが,ある社会諸政策 は男 女間の平等の機会 に逆 らっているよ うにみ える。

Co

mmu

ni

t

yc

a

r

epol

i

c

i

e

s

は ま さに そ の好 適 例 で,特 に,現在 の関心が

t

c

a

r

ebyt

hec

ommuni

t

y'

へ と移 った り,障害者や老人に対 して公的支出や 在宅社会サー ビスが一度 に切 りつめ られている現 荏

, t

i

n

f

o

r

ma

lca

r

i

ngne

t

wo

r

ks

'

の動員が効果的 に図 られるよ う想定 されている場合にはなおの こ とであ る

。Co

mmu

ni

t

yc

a

r

epo

l

i

c

i

e

s

は女性の無 給の家事労働 に依存 しているため,ある程度,労 働市場から女性 を引 きあげる必要がある。 しか し その よ うな政策 は 、、平等の機会′′の推進 に とって 逆進 にな りうる。したが って,女性を不利にせず, また,常 に女性 に割 り当ててきた

C

a

r

i

n

gr

o

l

e

を男 性にも同 じよ うに 、、平等の機会′′として与 えるよ うな

c

o

mmuni

t

yc

ar

epo

l

i

c

i

e

s

を案出す ることが 挑戟 されている(21)。」 とい うのであ る。つ ま り,

Fi

nc

h

Gr

o

ve

s

,t

c

a

r

ebyt

h

ec

o

mmu

ni

t

y'

に 変化 しつつある現在 の

c

o

mmuni

t

yc

a

r

epol

i

c

i

e

s

は,平等の機会を奪い,男女平等の機運に逆行す るものだ。 また,女性 の無給の家事労働 に依存す る

c

o

mmu

ni

t

yc

a

r

epol

i

c

i

e

s

は,現実には,財政 カ ットと

i

nf

o

r

ma

lc

a

r

i

ngne

t

wo

r

k

の推 進 の下 で

,c

ommun

i

t

yc

a

r

e-c

a

r

ebyt

h

ef

a

mi

l

y-c

a

r

e

bywo

me

n

とい う二重の等式を或立 させ ることに なるのだ, とい う。 この二重の等式 は,一方で,

c

o

mmu

ni

t

yc

a

r

e

の担い手 としての女性 を労働市 場か ら引 きあげ させ,他方で, コンピューター等 の導入によって女性の失業が加速 される事態に呼 応す ることによって,攻立す ることになる。 この ような二重の等式 は,女性を不利にす るが故に, 女性 を不利 にしな

いc

o

mmuni

t

yc

a

r

epo

l

i

c

y

が工 夫 され なけれ ばな らない。その解決策 として,

C

a

r

i

n

gr

ol

e

を男女平等 に分担す る仕組みが社会 的につ くられなければならず,具体的には, ケア をす るために仕事 を中断 した時の経済的問題や, 職場復帰,休暇 中の年金資格の問題,介護休暇 の 問題等について,男女平等の立場か ら提起 され る。 そ して,何 よりも重要 な ことは,機会の平等を制 度化す ることによって,男女 とも生涯の選択の巾 が拡げ られるようにならなければならない, と指 摘す る。 以上

,Fi

n

c

h

Du

l

c

i

e

による問題提起を,大づ かみ に紹 介 した が, イギ リス にお け る現 在 の

Co

mmun

i

t

yCa

r

epo

l

i

c

i

e

s

が女性の立場 をあま り に不利 な状 況 に追 い こみ, しか も

,c

o

mmu

ni

t

y

c

a

r

e-c

a

r

ebyt

hef

a

mi

l

y-c

a

r

eb

ywo

me

n

う等式の成立が問題だ としたのである。 ここでの 問題提起は,そのままわが国の福祉状況にもあて はまると考 える。

(

2

)

社会的公正論か らの批判 星野信也氏は,第二次臨時行政調査会の第三次 答申 (いわゆる基本答申)を,福祉 と地方 自治体 との関連で批判的に検討 した論文の中で,福祉行 政の重要 な機能の一つである 「社会的公正」の実 現を図 る立場か ら

,

「家庭内福祉労働手当」の提案 を行 っている(22)。た とえば,地方 自治体の上乗せ 福祉 は,それを利 用す るもの としないもの,ある -72

(9)

-い は利 用で きな-い もの との社会的不公正 を増 幅 し, 特 別養 護 老 人 ホームの

3

0

万円 とい う自治体 の上乗せ委託費は, も早稀ではな くなっている。 そ こで,星野氏は,福祉の領域に社会的公正を回 復す る手段 として,家庭内福祉労働の社会的評価 を行 うべ きだ, と提案す る。そ して, この家庭内 福祉労働手当は,普遍的な給付 とす ることで,施 設 入所 とコ ミュニテ ィ ・ケアの選択 を現在 よ り ず っと自由な もの とし,それ とともに,施設 入所 を公的 な措置委託か ら, 自由な施葦利用の形 に転 換す る契機 も含む ことになる, とい う。 この よう に,星野氏 は,社会的公正を棚上げ した自助精神 の強調や,行財政の質の問責劉まか りに専念 して, 行財政の質 の問題を棚 上げ した議論 は,片手落 ち の議論であ ると臨調答申を批判す る。 ここでは, 家族負担の問題 と福祉サー ビスを利悶す る者 とし ない者 との問の問題が 「社会的不公正」の視点か ら批判 されているのであ る。 ねた きり老 人をかかえる家族の 「負担」の問題

,福祉行政 における社会的公正の実現を図 ると い う視点か ら基本的 に見直 される必要があろ う。 一一 その場合,星野氏の提案す る 「家庭内福祉労働手 当」は,従来,介護手 当 として実施 されてきた施 策 に合理的 な根拠を与 えるもの と思わ る。 これま での介護手 当は,後述す るように,給付対象,袷 付金領 ともにバ ラバ ラで, ともす ると 「御苦労 さ ん」手当にす ぎない場合 も多 々み られるほ どであ る。さらに

,

「家庭内福祉労働の社会的評価 を行 う べ きだ」との考 えは,家事労働を どう評価す るか, といった一般論か ら抜 け出て, よ り具体的に 「家 庭内福祉労働」を社会 との係わ りで提起 している 点 も看過 しえない。 次に,昭和

5

7

年10月よ り実施をみた老 人家庭奉 仕 員派遣制 度の改正についてみてみ よう。今回の ホーム-ルパー有料化制 度の導 入によって,施設 入所 とのアンバランスが問題 となっている(23)。藤 井辰郎氏は,-ルパ -を利 用 して在宅福祉 を継続 した場合 と.施設 入所 した場合の家族の負担す る 費用面を比較す る。「所得税三万円の世帯で寝 た き り老 人が特 別養護老 人ホームに入所 した場合,-か 月に家族 の負担す る金額 は,-

-9,

6

0

0

円であ る。 これに対 し在宅で継続す る場合は,週3回, 1回3時間で20,880円,毎 日 (週6日が限度) 3 時間の派遣を受 けると4

1,

7

6

0

円で,4.3倍 もの費 用が在宅では必要 となる。 この他家族の介護 と食 事負担がついてまわる」。この結果,次の結論 を導 き出す。「このよ うに同一家庭の老人が福祉サ ー ビ スを買 う場合,在宅 は高 く施設 入所 は安いとい う 現況か ら,在宅福祉を中心 とす る社会にす る こと を 目的 とす るな ら, このお金の負担 はさかさまに すべ きではないだろ うが 24)Jと。藤井氏 自身, こ の結論 に達す る前段で「--・在宅老 人への援助 は, お金で買 う制度 を作 ることが先行す るので はな く,(1)その家族 の老 人が どの程度の援助を受 けれ ば,在宅での生活を続けて行けるか●●●●●■●, (2)そのため に必要 な援助 を決め る ミニマムの操障が最初 に必 要 な条件ではないだろ うか(25)」と,.ミニマムの保 障 (無料)を強調 しているが,賛碇である。 なぜ ならは,藤井氏 も引用 し, また, 自らも指摘 して い ることだが

,

「今回の改正の基本的 な考 えでい う,老人世帯で苦労 している三世代家族が

, 3

万 円の フィルターをかけると,お りてしま う可能性 が高い(26)。

「所得税3万 円以下の世帯で寝た き り 老人を抱 えた世帯の多 くは,すでに家計が破産状 態 に追 い こまれていて,対象が拡大 し有料化 され て も,-ルパ ーを派遣要請する声がほとんどでて こないだろ う。

「また,それだけの経韓的負 担を す るなら,無理 をして も今 まで どお り家族で世話 を続 けて しま う可能性 も高い (27リ, といった家族 が少な くないだろ うか らである。 以上,藤井氏の論点 は,今回の老人家庭奉仕員 制度の改正が,改正の基本的な考 えと自己負担 の 具体的基準 との間にいかに矛盾をはらんでい るか を明らかにした ものである。そ して,現実には, 有料-ルパーを利用で きる階層は限定 されて しま うことを示唆 したのであ る。 これ まで,今 日の在宅福祉政策が含む問題点 を 機会の平等,社会的公正,施設入所 とのアソバ ラ ンス, といった視点か らと り上げて きた。では, 在宅福祉 と家庭介護者 に対す る 「援助」の問題 は, これ らの視点か らの批 判 だ けで尽 きるであ ろ う か。「ねた き り老 人をかかえる家族」の問題を

,

「家 庭介護者」の立場か ら問題 にす るなら,少な くと も次 の諸点 か らの検討 も付 け加 え る必要があ ろ う。現代社会における老親の介護 は私的介護か, それ とも社会的介護かo家族集団における家族員

-7

3

(10)

-の位置。家庭介護者 に対す る 「援助」は老 人の福 祉か,それ とも単位 としての家族の維持,強化か. あるいは介護者個 人の福祉 を 目的 とす るものなの かO老親の 「扶養」 とい った場合,-経済的扶養 に 限定す るのか.それ とも介護 まで含めて 「扶養」 概念を定義す るのか。社会福祉政策 は, これ ら家 族の問題を基本的 に問い直す時期 にきてい ると思 われ る。

1

1

Ⅰ 現行在宅老人福祉対策 は 「

ねた きり

老人を抱 える家族」 にいかに対応 し

てい るか

1

.

「ねた きり老人 をかかえる家族」の実態 と家 庭内介護の限界 ねた き り老 人をかかえる家族を調査 した結果の いずれをみて も,介護者 の

8-9

割 は嫁 ・妻 ・娘 で占め られ,家族規模 もわが国の平均家族規模を 大 巾に上回 っているのが特徴 となっている。つ ま り,ねた きり老 人を家庭で抱 えられ るには,一定 の条件,た とえは介護労働の量 と質が共に備わ っ ていなければならないことを示 している。そ こで, ねた き り老 人をかかえる家族の実態を全国規模で 実施 した F老 人介護の実態(28)jを もとに,ねた き り老 人をかか える家族の姿を描 くと次のよ うにな る。住宅一持 ち家,居宝数

-5

部屋以 上, 同居家 族員数- 5人以上,生計中心者 とその職業一息子, 常雇の労働者,ねた きり老 人本人の状態一 女性, 5-10年のねた き り期間,入浴 ・排浬,移動 は全 介助又は一部介助,食事 は一部介助又は自立,介 護者一嫁,40-60才代,勤めていない,健康への 自覚症状を訴 えてい る,生活上の影響を もつ,千 供

- 2

(

1

6

才以 上)である。 以上のよ うな一般的な姿を とっているが, ここ では,家族 と同居ない しは家族 と-諸であ って も 家庭内でねた きりをかかえられるにはそれ な りの 条件が必要である, との前提か ら F老人介護の実 態J を もとに家庭内介護 の限界要因8つを析出 し た(29)(表 1)。その上でねた き り老人をかか えるの に最 も良い家族のパ ターンと,最悪のパ ターンを 単純化 して考 え,表1か ら家族介護 の限界をひき お こす要因 となる家族のパ ターンの うち,主 なパ ターンを表わ した。 まず第1の家族′{タ-ソはB とィ. こ.チの タイプで老 人ホームに入所す る可 能性が高い家族 といえよう.第2の家族のパ ター ンは, -, ト, リの タイプで, この場合には老 人 ホーム入所 を申請す ることが考 えられ る家族。そ して第3の家族 のパ ターンはAお よび ロ, ホ,-のタイプで,家庭内で介護す ることが可能 と仮定 できる家族であ る。 これ らの限界要因の設定や介 護家族のパ ターン設定 は,一種の作業仮説 として 設定 した ものであるが,家族内介護の限界をひき お こす主 な要田を整理す る上で一定の意味を もつ であろ う。つ ま り,限界要因の第1は職業 と居室 敬,第2の要田は代わ りの介護者の有無,第3の 要因は介護者 の年齢 と健康状態。これ らの要因が, 最上 ない しは最低の状態 となって組み合わ さった 時,家庭内介護 に限界を生 じ 「老人ホーム入所」 の申請, または収容が理論的には行われ ることに なる。

2

.

「家庭 内介護」の 「限界 をこえた」事例

-

「特

」入所者家庭調査 よ り-では,実際 は どうであろ うか。われわれはすで にねた き り老 人をかかえる家族 を,一応三つの家 咲,す なわち,老 人ホーム入所 グループの家族, 老 人ホーム入所 申請 グループの家族,家庭内で介 護で きる家族の グループに分頬 した. これ らの分 類の うち, ホーム入所 グループの家族 とホ-ム申 請中の家族の状態について事例調査の結果を検討 す ることにす る。 ここでは仮に,老人ホーム入所 グループの家族 を家庭内介護の 「限界を こえた」 ケースとし,老 人ホーム申請中の家族 を 「限界に 達 した」 ケースとして区別し,各 々の家族 の状況 をみ ることにす る。 表

2

に示 した 「限界をこえた」事例は,長野県 U市の特別養護老 人ホーム入所者 の家族30ケース を列挙 した もので あ る。 ホーム入所 者 は49名 で あったが,その うち一 人く・らし14名.養護老 人ホー ムな どの他施設か らの移送

5

名を除いた家庭か ら の入所者30名 (男

1

4

,女

1

6

)

を調査 した ものであ る。まず,表2の結果 について簡単 にみてみ よ う. ①介護者の有無について- 介護者がいない場合 には,即鮭に老 人ホーム入所 につながるが,現実 に介護者 さえい ない ケースが30ケースの うち8 ケースもある。介護者 のいない ケースはさらに

2

つ ー

(11)

74-に分類す る こ とがで きる。 1つ は ケース11 (嫁 が 介護 に入 る と働 き手 がな くなるため介護者 がい な い), ケース

1

6(

母子家 庭であ り, 介護す る と働 く ことがで きな くな る), ケース

1

7(

介護者 が働 けな くな って しま うか ら) の よ うに, ねた き り老 人発 生時 に家族 の 中か ら介護者 を捻 出す ることがで き ない ケースで あ り, この よ うな ケースをま8ケース の うち

5

ケー スもあ る。 この ケースは表

1

の仮説 に沿 ってみ る とイの ケースにあて はまる。 も う

1

つ は, ケース

6

(介護 していた妻 が入院 し介護す る ものがい ない), ケース23(介護 していた妻 の死 亡 に よ り介護 す るものがいない), ケース24(介護 していた二 女 が ガソのため入院 し介護す る ものが いない) の よ うに,ねた き り老 人発生時 には家族 の中 に介護 者 がいた ものの,介護 の継続 中 に病気 にな り入院 , また は死亡,介護者 が ガンにな り入 院 の よ うに介護 の途中で家庭内か ら介護者 を喪失 す るケースで あ る。 この ケースは8ケースの うち 3ケースあ り, しか もその家族 には代わ りの介護 者 がいない のであ る。家 庭内介護 を考 える場 合 に は確 実 に介護 者 その ものがい るか否 かが根本 的 に 問われ る。介護者 がいない場合,それ は即老 人ホ ー ム入所 につ なが る。 ② 介護者 の年齢 について- 老化現象 には個 人差 があ るため一 概 に年齢 が高 い とい うだ けで介護 困 難 にはつ なが らないが,年齢 は介護者 の健康 状態 を知 る上 での一つ の 目安 とな る。 介護 者 の年 齢 が 60歳 以上 の ものが 7ケースあ り, 7ケ-スの ほ と ん どが肉体的疲労 を訴 えてお り,介護 者 は介護 困 難 を きた してい る。 ケース

2

6

の よ うに介護者 の年 齢 が

1

7

才 と弱齢 であ るため に介護 困難 とな りそれ が直接 の入所理 由 とな った ケースが1ケースあ る。 ③ 介護者 の健康状態 について- 介護 者不在 の8 ケースを除 いた

2

2

ケースの うち

,1

7

ケースの介護 者 が健康 に何 らかの異常 を訴 えてい る。た とえば ケース

4

(介護者 が病弱でねた き り本 人を介護す る ことがで きない). ケース

1

4

(

ねた き り老 人は妹 と二 人 ぐらしであ り,妹 も身障者 で最近体 の調子 が悪 く介護 が難 し くなった), ケース27(介護 者 が 心臓病), ケース

2

9

(介護者 が精薄 で あ る)の よ う に, 介護者 はい るにはい るが, しか し介護 とい う 役割 を完全 に果 たす ことがで きず, また これ 以

の介護 の続 行 は期待 で きない ケースであ る。 した が って, 介護者 の健康状態 は家車内介護 の限界 を 表l 家庭内介護限界要因 と家庭内介護の最上 ・最低バターン 限 界 要 因 最上パ ターン 最低パターン ○印-最上パターン×印.-最低パターソ A イ T3ノヽ- ホ へ ト チ リB 1 同居家族員数 5人以上 2人

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

○ × 2 居 宝 数 6部屋以上 2部屋以下

○ ○ ○ (

⊃ ×

○ ○ ○ ○

○ × 3 生計中心者 .職業 息子 .常雇 介護者又はねた きり本人無収入 ○ ×

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

○ × 4 介護者の年令 40-50才代 60才以上

○ ○ ×○ ○

○ × ○ × × × 5 介護者の健康状態 特に自覚症状な し 医師が入院の必要を認めた場合

○ ○ ○ (

⊃(

⊃ × × × × ○ × 6 かわ りの介護者の有.無 2人以上 なし

○ ○

○ ×

○ ○

○ × × × × 7 ねたきり老人本人の状態 入浴時.1部介護 全介護

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

○ × 8 住宅の所有形態 持 ち 家 持ち家以外

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

○ × ○老人ホーム 「入所家族」パターン - B, ィ,二,チ ○老人ホーム 「入所申請家族」パターン - -, ト, 1)

o

「家庭内介護可能家族」のパターン -

A

, ロ,ホ,-◎家族 内介護の限界をひきお こす主な要因-

-・

2と

6

3

(経済的要田)

,4

5

(介護者の身体的要因) (介護労働力の量的要因)

(12)

表2 「特圭」入所 老人の家族状況 (l地万都市におけるA「特売」入園著名河より)昭57年1月16日現在) ケ

l

ス Nl族同宿家敬 活者坐心職中の莱 介護年若令の続柄 介護者の健旗状態 代Qわり介)慕 ねたきり老人の状態 住宅所有形腔 「特 兼 」 入 所 理 由 ① 2常自 営 業〟勤61妻 捕密挽禿中 無 食 .排可S48- 拷 介護をしていたが病弱なため勤め と介苦の両立田廿、生活のためつ とめやめられない ㊨ 6 56次女 良 好 布 すべて可 持 本人次女の家に厄介になることが心苦 しく、長男のい ろ実家へ帰 りた く家をとび出す毎日、 しかし長男倒産、行方不明 @ 2 49長女.肉体的に困難 蘇 食 .排可、おむつ使用 拷 焼 き鳥屋経営のため介護困難 @ 2無常 ′′職勤61夫 病 弱 蘇 全介護 持 介話者病弱のためねたきり老人を介護することができfJ:い @ 2 釦 夫 肉体的に困難 無 食 可 持 老令夫婦であ るため、近 くに長女の家族いるが住宅市僻が悪 くひきとり困難 @ 3 72 妻 入院中 蘇 食 可 排一触介諮S55.10-拷 介蕃 していた安が入院、介護すろものがいfJ:い (息子捕縛) @ 6 35 校 肉体的に困難 無 全介護 持 長年全介誰、枚が面倒をみていたが、それでは生計が困軌 こなる (義務教育 3人) @ 6サービス業 31長TJ介許困難介謹名は心肺5級 無 全介讃S51.12- 倍 介護者長吉別ま身障者 (並務教育3人) @ 2畏 菜 57夫 無 全介諮一部介護、右半身マヒ〟〟 持拷 丑の体が病弱 してきているが、代 りの介護老がいない ㊨ 3常 勤 36# 無 長男夫村が横浜-転勤、 1人 く.らしになる ⑪ 5畏 菜35枚 蘇 嫁が介護に入 ると働 き手がな くなるため (中学生1、前校生 1) ㊨ 5常 勤 68 委 蘇 倍 長女転勤 (生活中心者)、介護老妻は身障5級、孫の面倒みなければならない (先務政市3人) ㊥ 7 45校 体に不調きたす 有 持 護者が体を悪 くした ⑭ 4

(

人) 52 疲労感 無 全介許〟 拷 介荘疲労のため病気になる ㊨ 3 51次女 足の手術謁 令 無 借 足の手術後体調憩い ⑯ 4常

艮 〟′′勤勤菜33 校〝IJ 蘇 全介諮 拷 母子ttt朽 (較 !工n)のため介護をす ると生杭できな くなる (義務教育2人) ⑰ 4 無 拷介露者が働けな く7IL:つて しまうから ⑯ 5 無 持 部尿が 2部屋 しかない ㊥ 3 76純 無 食 可食 可〟 拷 退院を勧告されていろが朽令のため介護閃牡 ㊨ ㊨ 76 446 枚4枚 疲 労病

蘇無 持

凱 612年rtl,年前から枇介護 してきた枚が疲労のため介護内兜 (き。の肋 而例をみて きたが、疲れてしか 、来演教帝3人) 、父の枇 きりの世話まで脚 (詔 T^712)人 ㊨ 2無 職64 妹 身陀 (リユ-7チ) 無 食 可 持 妹と二人 <.らし、妹の体の調子が悪 くな り姉の介護がむずかしくなった ㊨ 2 46次女 無負 .班 .移可 持ねた きり本人の世話を してきた要の死亡に上り次女がひきとつたが、家庭の部冊で長 く扶兼できない ㊨5 常 勤 58&* ガ弱 令ソ 無 全介護食 可〟 拷 介護老ガソで入坑中、回復困難、む こが家市、つきそいな してきたが介鼓の限界、他の親族のひきとり同性

㊤6

常良 勤

58

拷 ねたきり木人以外に他のねたきり2人いる0枚が 3人の介護をす るのは困難 ㊨ 3自 営 業 17孫 無 拷 息子が離解 し、校がひきとって孫が面倒をみているが、弱令のためその蝶がみかねて申請 ㊨5 常 勤32枚 心脚 蘇 食 可 倍 介護者心旋病で介誘因牡 (菰務教育1人)

㊨6

常良 勤菜39媒 肝 臓 病 無 食 .班 .移可 持 世帯主脳出血で入院中、掛 ま肝抜病であ り、孫が小さく介護困難 (義務政市 3人) ㊨ 2常 勤19養子 柿 帝 無 全介護 拷養子か柄帝で、本人の生活は自宅では無理 (持=持家、倍=借家)

(13)

ひきお こす要 因になると十分に考 えられる。 ④ 介護者 が生計中心者である場合一介護者 が生 計中心者であ り,職業が常勤,農業, 自営業 のい ずれかであ る場合には,介護 としごとを両立 させ なければな らない とい う困難がみ られる。介護人 が働いてい る間,老 人は一人 き りで介護す るもの もな く,枕 もとには水 とお昼のおにぎりが置 いて あ る状態 に放 っておかれ る i-ス も問 々み られ る。ねた き り老人は十分に介護 を受 けることがで きず. また介護人は昼間働 き,家に帰 ると介護が 待 っている とい う状態で安 らぐ暇 もな く,精神的 にも肉体的 に も困難を感 じる。生活 してい くため には働かなければならず,その間介護者不在 の状 態 に置かれ て しま う。 ケース1(介護をしていた が,病弱なため勤務 と介護 の両立困難, しか し生 活のため勤務 はやめ られない), ケース3(焼 き鳥 屋経営のため介護困難)の ように,介護者が生計 中心者であ るケースが22ケース中4ケースあ る。

4

ケースとも同居家族員数 は2人である。 G)代わ りの介護者 について

-3

0

ケースの うち

2

8

ケースにおいて代わ りの介護者がいない状態 にあ る。代わ りの介護者がいないとい うことは, 介護 は介護者のみに集中す ることを意味 し,それだけ 介護者が健 康 を損 な う時期 を早め ることに もな る。 この事例では

,3

0

ケース中

2

8

ケースに代わ り の介護者が いない とされ る背景には,介護者以外 の家族員,具体的には男性 もしくは就学中の子供 は 「介護者 の代わ り」の役割を担 っていない状況 にあることを示 している。 したがって,単純 に家 族規模の大 小で家庭内介護労働の量 と質を計 るこ とは危険である。 とくにわが国のように性別,衣 族 内地位 別 に役割 固定化 が堅 固 な社会 にあ って は,子供や男の家族 メンバ ーは介護 にとって 、、役 立たず〟の状態 にあることを今回の事例は明 らか に した。 したがって,代わ りの介護者の有無 は家 庭内介護の限界をひきお こす重要 な要因になると 考 えられ る。 ⑥生計中心者の職業について-生計中心者 の職 業 が無職であるケースは

3

0

ケースの うち

4

ケ-ス あ る

。 4

ケースとも二 人 ぐらしであ り,その うち

3

ケースの介護者 は高齢である。 これ らの介護者 は,高齢 とい う- ソデ ィキ ャップとともに,介護 を しなけれ ばならないので,働 きた くとも働 けず, 何 らかの形で生計を立てているのであろ うが,坐 活 に困難をきた してい ることが伺 える。 ⑦居室数について-表1には示 していないが, 居住空間の狭い ケースは

3

0

ケースの うち 4ケース ある。 ケース18(2部屋 しかない) は,居室数不 足が直接の老 人ホーム入所理 由となっている。 ⑧義務教育者の有無 につい、て-高校生を含む義 務教育者のいるケースは

3

0

ケースの うち

1

0

ケース を占める。その中で も義務教育者が

3

人いるケー スは半数の5ケースある。前述 した よ うに,た ん に同居家族員数が多 くて も,その中に義務教育著 が含 まれている場合,男性 ともに介護者 にな りえ ていないので代わ りの介護者 は いない状態 に あ る。 (9その他⊥表2をみ ると明 らかになるように, 家庭内介護が困難であ り,それ故 に老人ホーム入 所 に至 る理由は一つではな くい くつ も重な り合 っ て現われていることが伺われ る。 以上,表2の特養入園者調査 より老人ホーム入 所理 由,つま り家族介護 の限界をひきお こす直接 要田をまとめると,つ ぎの6要因をあげることが で きる。それ らは,介護者の有無,介護者の年齢, 介護者 の健康状態,介護者が生計中心者であるか 否か,代わ りの介護者の有無,お よび生計中心者 の職業 の6要因である。 この うち, とくに介護者 の健康状態 と代わ りの介護者の有無が重要視 され るのである。 なぜな ら,前者の理 由をあげた入所 者 は,対象 ケース22の うち17ケース (77%)に達 し,後者の場合には,対象 ケース

3

0

の うち

2

8

ケー ス (93%)にも上 っているか らであ る。 しか し,表2の結果 を検討 してみ ると,ねた き り老人が発生 し,家庭 内介護が開始 されてか ら限 界 に達す るまでには過程があ り,時間の経過 に と もない家族の中におこる問題 も変化 し,深刻化 し てい く事が考 えられ る。つ ま り,家庭内介護が限 界 に達す るまでには,問題が表面化す る順序,段 階があるのではなかろ うか。表

1

の下段 に,家庭 内介護 をひ きお こす主 な要 因 として 「経済的要 因」

,

「介護者の身体的要田」

,

「介護労働力の量 的 要因」を仮説的に提示 したが,表2の結果か らす ると

,

「経済的 なもの」がねた き り老人発生時に表 面化 し,ついで「介護者の健康状態

「代わ りの介 護者の有無」の要因へ と達す るにつれて,家庭 内

(14)

介護 は限 界状 況 に達す る図式 が描かれ る ことにな る。したが って,家族 がねた き り老 人をかか えた, どんな時期 の どの要因 に対 して在宅福祉施策 が対 応す るかが,特養 入所 を回避す る大 きな課題 とな ろ う。 3.「家庭 内介護 」・の 「限界 に達 した」事例 - 「特

」 入所 申請者調査 よ りー す で にふれ た よ うに,特別養護老 人ホーム- の 入所 を申請 中 の家族 の状態 を,家庭 内介護 の 「限 界 に達 した」 ケース と規定 し,特養 入所者家族 の 状況,す なわ ち 「限界 を こえた」 ケース と区別 し た。表

2

の結果 か ら,われわれ は家族 内介護 が限 界 に達す るまで に ほ一定 の順序,期間 が存在す る ことを結論的 に示 したわ けであ る。 そ こで, この 点 を検討す るため に,特養 入所 をす で に申請 中の 家族状況 を調 べ,特養 入所者家族 の状況 と比較す る ことに した。調 査対象 ケースは,表2と同 じく 長野 県

U

市 の ケースであ る。調査時点 の

1

9

8

2

2

1

6

日に申請 中の ケースは

7

ケースあ り, その結 果 が表3に示 してあ る。 ケース数 が7ときわめ て少数 なため,衰 2と比 較す る とい って も多 くの問題点 を残 す といわ ざる を えないが, それ らのマ イナス点 を承知 の上 で若 干 の比較検討 を してみ ることにす る。 まず, 入所 申請 の理 由の うち

,

「代わ りの介護者 が いない」や 「介護者 の健康状態」 をあげた ケースの割合 は高 く.「介護者 が高 齢」,「生計中心者 が介護者」とい っ た ケース も 目立 ってい る。 以上 の結果 か ら

,

「特養」 入所 ケース と 「特養」 申請 ケース との間 にはほ とん ど家庭状況 に違 いが ないので はないか と考 え られ る。したが って

,

「申 請」 ケースはす で に家 庭 内介護 の限界 が生 じてい る と判 断 され る。 しか し

,

「特養」に入所す るか否 か は,家庭状況 とは別 の要 因, つ ま り 「施設 のあ き」具合 に よる ものであ る ことは,調査時 に説 明 を求めた福祉事務所 の現業員か ら明 らかに され て い る。 この点 を裏づ け るため に

,

「特養」申請 か ら 「特養」入所 までの待枚期間 を調査 してみた. そ の結果 は表

4

の とお りで,待機 期間の 日数 はマチ てチで,長 期の ものは

1

0

か月 もかか り,逆 に,短 い もの は申請 か ら2日おいた後 に入所 してい る こ とにな る。 これだ け待機 期間 に違 いがあ るか らに は,何 か理 由があ るはず であ る。 そ こで,つ ぎに 待枚期 間の長 い もの(6か月以上)と短 い もの (1 か月以 内) か ら

2- 3

の ケースを選 んで さらに調 査 してみた。調 査対象 はす でに 「特養」 に入所 し てい るケースを 2つ の 「特養」 か ら選 んだ。 その 結果が表5であ る。 表5の2つの表 を見比べ てみ て も,待琉期間が 長 くて も短 か くて も家族 の状況 に大 した違 いはな く,結局,待機 期間の差 は「施設 のあ き

,つ ま り, 表3 r特糞J入所申請中ケースの家族状況 (1地方都市における「特養」申請 ケース、57年2月16日現在) ケー ス No.同居家族員数 生計中心者の職 業 介護者の年 令 と続 柄 介護者の状健 態 ねたきり老人康 の 状 態 代わりの介護者の有 無 住宅所有形態 申 請 理 - 由 ①

2

自 営 41 肉体的精 食 .入浴可 無 持ち家 次男敦嬉し

、2

人でくらしていたが、介 次男 神的疲労 他は一部介助 護をしていると仕事ができない ②

3

自 営 58 肉体的に 全介護 〟 〟 老人夫婦と長女の

3

人ぐらし、父は自宅 長女 困 難 (入院中) でねたきり、母は入院

、2

人の介護はできなし ③ 4 常 勤

2

7

妊 娠中 全介護 〟 〟 嫁妊娠、介護の継続は流産の恐れある ④

2

無 戟 妻77 身 障自 分 の 事も不 十 分4級 入浴全介助食 .可 〟 〟 介護者自身たり、昨秋からほとんどねたきり

2-3

年まえからねたりおき ⑤

2

(常建設業)勤 6秦5 乳がん手術後病弱 全介護 〟 〟 介護者乳ガン,介護困難 ⑥

2

無 聴 6妻5 肉体的精神的疲労 食事以外介護 〟 借 家 不明 -78

表 2 「 特圭」入所 老人の家族状況 ( l地万都市における A 「特 売 」入園著名河より)昭 5 7 年 1 月 1 6 日現在) ケ l Nス l 族同 宿家 敬 活者坐 中の心職莱 介 護年若令の続 柄 介護者の健旗状態 代 わQ り介) 慕 ねたきり老人の状態 住宅 所有 形腔 「特 兼 」 入 所 理 由 ① 2 常 自 営 業〟 勤 6 1 妻 捕密挽禿中 無 食 .排可 S4 8‑ 拷 介護をしていたが病弱なため勤め と介苦の両立田廿、生活のためつ とめやめられない㊨ 656次女 良 好布
表 4 特 別 糞 謙 老 人 ホ ー ム へ の 申請 か ら入 所 まで の 期 間 (1地方都市 における l福祉事務所 の受理 ケース, 昭和 5 5 年 〜) ㊨ 1 5 日 ㊨ 1 7 日 ㊨ 5 日 ㊨ 3 ケ月 と 1 5 日 ㊨ 27 ㊨ 2 3 日 ㊨ 2 0 日 ㊨ 1 ケ月 と 5 日 .㊨) ‑㊨1 ケ月 と 5 日 ㊨ 2 8 日 ㊨ 1 ケ月 と 2 0 日 ㊨ 1 ケ月 と 8 日 ㊨ 1 0日 ㊨ 6 日 ㊨ 5 日(令8ケ月 と5日⑲3ケ月 と1日㊨14日@8日⑲6ケ月
表 6 老人 と家族に係わる主な具体的施策 ( 国の施策) 1 . . 在宅福祉事業の充実 .弓 削ヒL 家庭奉仕員派遣事業, 日常生活用具給付事業,ねたきり老人短期保護事業, デイ .サービス事業 2
表 7 ねたきり老人およびその家族に対する手当の支給 ( 都道府県の施策) 制 度 名 ねたきり老人介護手当,ねたきり老人介護激励金,ねたきり老人介護慰労金,在宅ねたきり老人介護慰労手当,ねたきり老人福祉手当,老人福祉手当, ねたきり老人手当,ねたきり老人家庭見舞金.ねたきり老人介護報償金, ねたきり老人家庭介護者慰労金,ねたきり老人見舞金,など 対 象 6 5 歳以上の老人 ,6 5 歳以上のねたきり老人を介護 している者, ねたきり期間‑ ‑

参照

関連したドキュメント

強者と弱者として階級化されるジェンダーと民族問題について論じた。明治20年代の日本はアジア

ホーム &gt;政策について &gt;分野別の政策一覧 &gt;福祉・介護 &gt;介護・高齢者福祉

夏  祭  り  44名  家族  54名  朝倉 EG 八木節クラブ他14団体  109名 地域住民約140名. 敬老祝賀会  44名  家族 

411 件の回答がありました。内容別に見ると、 「介護保険制度・介護サービス」につい ての意見が 149 件と最も多く、次いで「在宅介護・介護者」が

 ファミリーホームとは家庭に問題がある子ど

海に携わる事業者の高齢化と一般家庭の核家族化の進行により、子育て世代との

sleeping in Wolfram Manzenreiter, Barbara Holthus (eds) Happiness and the good life in Japan. Sexlessness Among Contemporary Japanese Couples, In: Beniwal A., Jain

中原 千裕 救護施設の今後の展望 前田 静香 若手フリーターの増加と支援 山本 真弓 在宅介護をする家族のバーンアウト.