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モバイルインターネットの移り変わり

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Academic year: 2021

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578 情報処理 Vol.60 No.7 July 2019

[巻頭コラム]

I P S J

M a g a z i n e

 米国に来てこの原稿を書いています.

Java

を利用したプラットフォーム構築を長年やってきて,最近思っ ていることをお伝えします.驚くことにインターネットサービスの最先端である米国では,スマートフォン 前提のサービスがどんどん普及しています.時代をさかのぼって振り返ってみると,携帯電話をインター ネットにつないでモバイルインターネットを実現したのは,日本が世界で最初でした.しかし

NTT

ドコモ,

KDDI

など携帯電話キャリアのプラットフォームからインターネットにアクセスするという制限があったた め,現在のような自由なモバイル環境は実現できませんでした.公式サイトと呼ばれる携帯電話キャリア公 認のコンテンツプロバイダはキャリア決済の恩恵を受けて収益を拡大させていきましたが,残念ながらス マートフォンが普及してからというもの,これらのコンテンツプロバイダは事業縮小を余儀なくされ,今で はほとんど残っていません.  それにとって代わったのが米国から登場した

iPhone

などスマートフォンを使ったモバイルインターネッ トです.私はこのどちらのプラットフォームにもかかわったので分かるのですが,日本企業は世界に打って 出る最大のチャンスがありましたが,残念ながらそれを実現できませんでした.携帯電話キャリアの都合を 優先してユーザの利便性を考えなかったということが,最大の敗因なのではないでしょうか.電話というも のにこだわり,インターネットという世界的なプラットフォームに対抗しようとしたからです.会社が社会 という日本企業の風土が最大のチャンスを逃したのです.

モバイルインターネットの移り変わり

木寺

祥友

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579

情報処理 Vol.60 No.7 July 2019

 私は,モバイルインターネットには進化があると思っています.第一世代である日本が先行した

i

モード をはじめとしたインターネット携帯電話.第二世代である米国発の

iPhone

をはじめとしたスマートフォン.  

NTT

テレマーケティングのプロジェクトに参加したのが,日本初の

Java

プログラマーになるきっかけで したが,一番の転換期といえたのが,ダム端末からクライアントサーバへの移行期でした.すべてのデータ はメインフレームにあり,端末はあくまでも閲覧と修正をするだけの機能でした.それがクライアントサー バになりフロントにも役割の一部を担わせることによって,スムーズにコンピューティング環境を構築する ことができたのです.まさにブラウザ主体からアプリ主体への転換と同じです.  スマートフォンのコンピューティング機能をフル活用することは,サーバの負荷を低減させるだけではな く,よりスムーズなコンピューティング環境を構築することができるのです.これによってアプリは単なる ブックマークではなく,通信環境の不安定さを吸収するとともに快適なインタラクションが可能になったの です.携帯電話が通話機能しかなかった

1996

年に出した私の著書『

Java

を創った人々』にも書いていますが, 「今後

Java

の実行だけに絞ったとしてもより簡素化された端末が登場するだろう.また軽量化により携帯端 末として電話機と一緒になったものが発売されるだろう.特に電話機との融合は重要でいつでもどこでも ネットワークに繋げられる魅力は計り知れないものがある」というものをまさに実現しているのです.  今後も

Java

をプラットフォームとしたサービスが登場するかもしれません. ■ 木寺 祥友 M&A テクノロジー代表取締役 日本人として初めて Java を手がけたことによっ て,数々の Java プロジェクトに携わる.現在 は政府系システムのオープンスタンダード化を 推進するために発足された,一般社団法人オ ープンガバメント・コンソーシアムの顧問も務 めている.

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