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Si蒸気圧気相環境におけるSiC単結晶表面の熱力学的安定性

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Academic year: 2021

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Si蒸気圧気相環境におけるSiC単結晶表面の熱力学

的安定性

著者

竹川 大輔

(2)

2008 年度 修士論文要旨

Si 蒸気圧気相環境における SiC 単結晶表面の熱力学的安定性

関西学院大学大学院理工学研究科

物理学専攻

金子研究室 竹川 大輔

ワイドバンドギャップ半導体である SiC を用いたパワーデバイスは、高耐圧、高温動 作可能といった優れた特性をもち、次世代パワーエレクトロニクス半導体材料として期待 されている。SiC 単結晶には結晶多形と呼ばれる Si-C 対の異なる積層構造が多数存在し (3C,4H,6H,15R・・・)、中でも 4H がデバイス特性の観点から注目されている。しかし多形間 の形成エネルギー差は微小であるため、積層方向(c 軸)への結晶成長では、4H 以外の多形 混在が問題となる。4H への単一多形制御を可能にする手段には、オフ基板を用いたステッ プ制御エピタキシーが提案されている。エピタキシャル成長法としては最も一般的なCV D法を用いると、 (0001)基底面から [11-20]方向へ 4-8°傾斜した表面から構成されたオ フ基板上では、下地の 4H 多形情報が予め内包されたステップ端からの成長(ステップフロ ーモード)が支配的となることから、幅の狭いテラス表面での二次元核形成(CVD 法では 3C 多形)が抑制され、結果として 4H 成長層が得られる。しかし、主要な結晶欠陥の一つで ある基底面転位はオフ角度の増加とともに表面に露出するため、成長層に欠陥が伝播され るという問題がある。 その根本的解決法が、表面に基底面転位が原理上は現れないオン基板(超低オフ角基 板)上への成長である。課題は二つ存在する。第一は、テラス上で二次元核発生した結晶 多形自体の 4H 化を自立的に促す成長制御法の開拓。第二は、基板表面自体の品質の不均一 性・不完全性に起因した、成長層界面で誘起される予期しない転位発生源を抑制するため の、理想表面を形成するための表面処理法の開拓。本研究では、第一の課題に対しては、 液相環境を用いた極低過飽和条件下での準安定溶媒液相エピタキシャル成長法(MSE 法)を 適用することにより、4H 多形制御が可能になる(本研究室内において検証済み)。第二の課 題に対しては、従来の化学機械研磨法で懸念されている表面内部への歪みの蓄積に対して、 新たな表面処理の概念として、歪みを内包しない熱的に安定な超平坦面で終端可能な気相 エッチング法の確立を目指す。本論分は、この第二の課題の解決に向けた取り組みである。 そこで本研究では、{0001}面オン基板表面に均一なステップを露出するために、熱力学 的に安定なステップ構造の形成を目的とした。表面処理法として本研究室独自の超高真空、 高温環境下でSiC 結晶表面に対して、Si 蒸気のみを直接照射する Si 雰囲気アニール法を適 用した。SiC 表面からの Si の優先的昇華(炭化)を抑制しながら、 SiC(s) + Si(v) → Si2C(v)

の反応を起こさせエッチングする。本手法における最大の特徴は、熱的に安定な表面原子 の自発的な再配列機構である。それにより、オン基板表面においても、熱力学的に安定な ステップ構造で表面を終端させることが可能になる。

参照

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