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創立50周年記念特集:情報処理技術の未来地図 13.ユビキタスネットワークの未来

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Academic year: 2021

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(1)50. th Anniversary Information Processing Society of Japan. 50 周年記念特集. IPSJ. 情報処理技術の未来地図 未来地図. 投稿論文. 情報処理 Vol.51 No.5 May 2010. 523.

(2) 50 13. th Anniversary Information Processing Society of Japan. ユビキタスネットワークの 未来 徳田英幸(慶應義塾大学環境情報学部). サイバー空間: Context Processing Sensing. ユビキタスネットワークの研究開発  我が国では,u-Japan 政策のもと,2003 年からユビキタスネットワーク 関連の技術開発が開始された.ユビキタスネットワークのコア技術,電子. Actuation. 実空間:. タグ,ネットワークロボット,センサネットワークなどのプロジェクトがス タートし,我々の生活している実空間とサイバー空間の 2 つを連携させる 技術開発が加速され,2008 年に第 1 ラウンドが終了した.第 2 ラウンド の技術開発として,ユビキタスサービスプラットフォーム,ユビキタス端. 地域・社会・生活. 末,ユビキタス ID,ネットワークロボット 2 などのプロジェクトが現在進. 領域:. 部屋. 屋内. 屋外 (ネット接続可) 屋外 (ネット接続不可). 図 -1 実空間とサイバー空間におけるユビキタスサービス. 報通信技術のデジタル化による融合だけではなく,あらゆる分野のサービ. 行中であるが,国際的な技術開発は Future Internet の技術開発競争とと. スや技術を ICT 技術やネットワークサービスと連携させ,融合していく. もに,大変盛んである.. ことを意味する.技術的には,実世界モデリング技術,仮想化統合技術, 異種センサネット統合化技術,実空間とサイバー空間連動技術,AR 技. 第 2 ラウンドの研究開発. 術,ユニバーサルサービス技術,クラウド化技術,匿名化技術,マイニン.  ユビキタスネットワークの基盤開発として,電子タグ,スマートカー. グ技術,集合知化/可視化技術などのさらなる進化が必要である.たと. ド,センサネットワーク,ユビキタス端末などのハードウェアプラットフォ. えば,環境技術と ICT の融合により,従来の気象センサによる広域気象. ーム,コンテクストアウェアなサービスやアプリケーションを容易に実現. 情報だけでなく,個人のスマートフォンからのセンサ情報を匿名化しクラ. 可能とするサービスプラットフォーム,GUI でない新しい HCI を実現す. ウド上に集積することで,町や地区レベルでの情報を集合知化/可視化. るためのインタラクション技術,そして人々の活動を支援するユビキタス. できるようになる.同様に,建築物にセンサノードを埋め込み,地震の影. サービス(以下 uService)やアプリケーションの開発が重要である.第 1 ラ. 響を検知し,他センサネット群と統合化して地域レベルの情報をリアルタ. ウンドでは,図 -1 に示すような,実空間の A,B,C 領域での uService の. イムで集合知化/可視化することも可能である.このように社会的なレベ. 要素技術開発が中心であった.第 2 ラウンドでは,インターネットや GPS. ルでグローバルなアウェアネスを飛躍的に向上することが可能となる.ま. に接続できない D 領域も含めすべての領域において,uService を容易に. た,ロボット技術と ICT 技術を融合し,実空間からセンスし導出したコン. 創出し,より安全・安心なユビキタスネットワーク社会を構築し,生産性. テクスト情報に基づいて,人々の行動を支援するためのアクチュエータと. の向上や新たな価値創発に貢献できるかが鍵である.米国では NSF を. してネットワークロボット技術が活用できる.将来的には,高齢者の見守. 中心に GENI/FIND などの Future Internet プロジェクトに加えて,サイバ. り・介護サービスとして従来型(ビジブル型)のネットワークロボットだけ. ー空間と実空間のより高度な連携を目指す CPS(Cyber Physical Systems). でなく,ユビキタス端末や TV で動くエージェント型や部屋や家に組み込. プロジェクトも動き出している.また,EU では,ARTEMIS,UbiCom な. まれた組込み型ネットワークロボットが普及するであろう.. どの組込みシステムやユビキタスコミュニケーション技術の開発とともに. Beyond IP プロジェクトが活発に遂行されている.. ユビキタスネットワーク社会に向けて  ユビキタス融合を加速しユビキタスネットワークを実現する意義は,新. ユビキタスサービスの創出   uService を実現するための技術的課題として,1)サービスの発見,連. たな産業やビジネスマーケットの創出,安心・安全な社会の実現,障害者・ 高齢者等の社会参加の促進,環境問題への対応など従来の ICT 技術の. 携と結合,再結合プロトコル,2)サービスプロファイル,ユーザプロファ. 応用分野より幅広い分野での貢献が期待できる点である.しかし,旧来. イル,コンテクストプロファイルの記述と管理,3)コンテクスト情報の検. の法規制のために社会実装が止まっている技術も存在する.たとえば,ネ. 出と処理,4)セキュリティとプライバシ保護技術などがある.一方,社会. ットワークロボットは,現行の道路交通法が改正されない限り,安全性が. の隅々まで浸透していくには,標準化が高いハードルで,社会的課題とし. 検証されても簡単には公道を走れない.将来のユビキタスネットワーク社. ネットワーク社会における信頼やデータの信憑性の保障,2) 個人 ては,1). 会が,我々にとって安心・安全で,豊かな社会となるためには,技術の適. のプライバシの保護とガイドラインなどの策定,3)ネットワーク上の悪意. 応(テクノロジーシェーピング) と制度改革(社会イノベーション)の両方が. ある攻撃など非社会的行動の抑制などがある.. 協調して進化していく必要がある.未来社会のかたちを予測することは大.  このように数多くの課題が残っている一方で, 「でもでも型」や「だけだ. 変難しいが,社会インフラを支える情報処理技術の健全な社会実装にむ. け型」の uService は,着実に我々の日常生活に取リ入れられてきている.. けて,本会のメンバが貢献できることは非常に大きい.かつて,インタ­. たとえば,Suica は,単体のカードだけでなく,ケータイと合体し,切符,. ネットが,我々の生活空間を広げてくれたように,ユビキタスネットワー. 定期券,さらには商品の購買にも利用でき,キャッシングの形態を進化さ. クが,人間中心的な切り口から,実空間とサイバー空間を連携・融合させ,. せている.また,スマートフォンの GPS を利用した位置情報とインターネ. より安全・安心で豊かな社会と新しい生活空間をもたらしてくれることを. ット上のサービスとを連携させることによって,現在地周辺の銀行やレス. 期待している.. トラン等もワンクリックで検索可能である.. ユビキタス融合  これからの uService の創出に向けて, 「ユビキタス融合」の概念が重要 である.放送と通信の融合や FMC(固定電話とケータイの融合)など情. 524. 情報処理 Vol.51 No.5 May 2010. (平成 21 年 10 月 31 日受付). 徳田英幸 (正会員)● [email protected]  1975 年慶應義塾大学工学部卒.同大学院工学研究科修士.ウォータールー大学計 算機科学科博士.カーネギーメロン大学計算機科学科研究准教授を経て,1990 年慶 應義塾大学環境情報学部に勤務.OS,ユビキタスシステム等に関する研究に従事. 現在,日本学術会議連携会員,情報通信審議会委員等を務める..

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