〈特別講演抄録〉パーキンソン病診療の現況
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(2) 近畿大医誌 (MedJK i n k iU n i v )第3 4 巻 1号. 9A 2 0 0 9. 9A. 冗 斑控. の晶子. 4V宇H V 4. 宝氏刈︾. ノ学. 動之制 病良桝 ン井部. 、ノ三医 ン学. キ大. ノ. い瑚. せ. 1. , n. 多く,高齢化社会とともに有病率は増加の傾向にあ. 0 0 7年 5月時点で近畿大学医学 対象と方法:対象は 2 部附属病院三井外来に通院中で,麦角系作動薬を内. る.神経変性を抑制する根治的治療法はないが,病. 0 名(カベルゴリン 1 0 名:男性 4名 , 服していた患者2. パーキンソン病は神経変性疾患の中でも患者数が. 態の本質と考えられる脳内のドパミン不足に対し. 女性 6名,以下 C群,ペルゴリド 1 0 名:男性 2名 ,. て,様々なアプローチがある.基本は L-DOPA補 充. 女性 8名,以下 P群).上記の使用上の注意を説明後,. 療法であるが,ドパミンアゴニストも, L-DOPA治. 患者意志を尊重した薬物選択を行った.治療選択の. 療の欠点を補完するものとして重要な位置を占め. 変化を重症度,擢病期間, L-DOPAjDCI内服量,年. る.日本神経学会ガイドラインにおいては,若年者. 齢で比較検討した.. では,将来生じうる運動合併症の出現を遅らせるた. 結果 :C群は継続 3名(男性 O名,女性 3名),変更. めに第一選択として位置づけられている.しかし,. 7名. P群は継続 4名(男性 0名,女性 4名),変更. 使用機会が増えるにつれて,その問題点も明らかと. 6名.継続を選択した患者は若年者に多い傾向 ( p二. なってきており,. 0 . 0 7 4 ) を認めたが有意差は認めなかった.ただし,. ドパミンアゴニスト治療のあり方. にも見直しの気運が高まっている.特に, 2 0 0 2年 ,. b r o m o c r i p t i n eへの変更を希望した 2名を麦角系継. b r o m o c r i p t i n eによる心臓弁膜症発症の報告以来,. 続群として検討すると麦角継続群では有意に若年が. 麦角系ドパミン作動薬と心臓弁膜症との関連が注目. 多い傾向 ( pニ 0 . 0 1 3 6 ) を認めた.. 0 0 7年 1月 , NE]Mに されるようになった.さらに 2. 考察:麦角系作動薬の継続を希望する人は若年者に. 3 5月には日本神. おける麦角薬と弁膜症についての報告を受けて. 多く,非麦角系の眠気が職業や自動車運転に与える. 月には米国で p e r g o l i d e市場撤退. 影響が考えられた.ドパミンアゴニスト使用に当た. 経学会から「使用上の注意」が発表された.本研究 では,これらの動きが, ドパミン作動薬治療の処方. っては,麦角系における心臓弁膜症の問題だけはな. にどのような影響を与えたかを検討した.. 考えられた.. く,睡眠障害に対するリスクの検討が重要であると. 有害大気汚染物質の健康リスク評価について 奥村二郎 近畿大学医学部環境医学・行動科学教室 発がん性を含む多様な有害物質が大気中から検出 されている.これらの検出された物質の大気中の濃. 期間曝露することにより健康影響が懸念される濃度 であることが明らかとなってきている.. 度が将来ヒトに健康影響を生じるレベルであるかが. 本講演では,本日は,有害大気汚染物質対策の健. 注目される.近年,リスクアセスメントの手法を用. 康影響における,健康リスク評価の考え方について. いた化学物質や重金属の健康リスク(健康影響)評. 概説し,その後,闇値のない物質の代表例としてベ. 価が行われるようになり,個々の物質によっては,. ンゼンに対する健康リスク評価の手順に沿って紹介. 直ちに健康影響が発生するものではないものの,長. する..
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鈴木 則宏 慶應義塾大学医学部内科(神経) 教授 祖父江 元 名古屋大学大学院神経内科学 教授 高橋 良輔 京都大学大学院臨床神経学 教授 辻 省次 東京大学大学院神経内科学
東北大学大学院医学系研究科の運動学分野門間陽樹講師、早稲田大学の川上
総合支援センター スポーツ科学・健康科学教育プログラム室 ライティングセンター