論文要旨 【目的】 増加しているハイリスク新生児に対する看護の役割は退院後の生活を見据えた母子関係 に対する支援である。そのため、医療・生活・家族形成の場である NICU において、看護師 が母子関係をどのように判断し、何を意図して介入しているかのプロセスを明らかにする。 【方法】 参加観察と半構造化インタビューから、看護師の母子関係に対する判断と介入の意図を 明らかにし、判断から介入までのプロセスを記述する質的記述的研究である。 【結果】 6名の NICU 看護師へのインタビューと3組の母子への NICU 看護師による支援場面の 観察を行った結果、NICU 看護師による母子関係に対する支援には、プロセスの要素があり、 6 のカテゴリーと 15 のサブカテゴリ―で構成された。 そして、NICU 看護師による母子関係に対する支援のプロセスは、NICU で出会った【は じめましての母子と捉える】母子に対して、【Family-Centered Care に導かれふれあいを提 案する】ことを繰り返しながら、【母子の応答性の育ち】を支え、【ひとつひとつが大切な子 どもとその母が共に育つ関係になる】ことを意図したプロセスが導き出された。そして、 【Family-Centered Care に導かれふれあいを提案する】にあたっては、Developmental Care に導かれ【子どもの全身状態を優先する】とし、子どもの全身状態の改善とよりよい成長・ 発達を目指し、さらに、NICU 退院後も母子共に地域社会の中で心身共に健やかな状態で過 ごせるように【今の子どもと歩調のあった母への移行を支える】ことを実践していた。
【結論】
NICU 看護師は、母子関係に対して支援する際、Family-Centered Care の理念を道標とし て、子どものよりよい成長・発達を意識し、子どもの全身状態が安定・改善するように子ど も中心にケアを行いながらも、母が母となるように移行の過程を支え、母子関係の基盤づく り、すなわち、母子の応答性の育ちを支えていくことが大切である。