取り巻く環境の変化 -- ベトナムとの関わりを軸と
して (特集 途上国研究のための研究ツール -- 新
・旧書誌情報を活用する)
著者
寺本 実
権利
Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア
経済研究所 / Institute of Developing
Economies, Japan External Trade Organization
(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp
雑誌名
アジ研ワールド・トレンド
巻
150
ページ
18-19
発行年
2008-03
出版者
日本貿易振興機構アジア経済研究所
URL
http://hdl.handle.net/2344/00005047
多 く の 遠 回 り 、 過 ち を し て き た の だ ろ う 。 ア ジ ア 経 済 研 究 所 入 所 後 初 め て ベ ト ナ ム 地 域 研 究 に 取 り 組 む 機 会 を 得 た 筆 者 の 拙 い 経 験 を 下 に 、 平 凡 な 一 人 の 地 域 に 関 わ る 調 査 研 究 従 事 者 が 、 ど の よ う に 諸 文 献 、 書 誌 と 関 わ っ て き た の か を 記 す こ と に し た い 。 そ う す る こ と で 、 当 研 究 所 に お け る こ こ 十 数 年 の 書 誌 を め ぐ る 基 本 的 な 環 境 変 化 の 一 端 も お 伝 え で き る と 思 う 。 た だ 筆 者 の 経 験 と 他 の 研 究 者 の 経 験 は 多 分 に 異 な ろ う 。 こ の 点 に つ い て は ご 留 意 願 い た い 。
●
経
験
を
通
し
て
大 ま か に い え ば 、 筆 者 は 現 在 、 調 査 票 に 基 づ く 社 会 に 関 わ る 調 査 ︵ 具 体 的 に は 障 害 者 の 方 の 問 題 ︶ や 、 現 地 発 行 の 公 刊 文 献 、 ・ 新 聞 ・ 雑 誌 と い っ た 資 料 に 基 づ い て 、 ベ ト ナ ム で 生 起 す る 事 象 を 考 察 す る こ と に 努 め て い る 。 大 き く 分 け れ ば 、 前 者 は 研 究 業 務 に お い て 、 後 者 は 主 に 動 向 分 析 業 務 に 関 わ る 作 業 で あ る ︵ 前 者 の 作 業 で も 文 献 に 基 づ く 取 り 組 み 、 ま た 後 者 で も 現 地 調 査 が 必 要 と な る の は い う ま で も な い ︶。 筆 者 が 社 会 に 関 わ る 調 査 の 実 施 を 初 め て ベ ト ナ ム に 受 け 入 れ て も ら っ た の は 二 ○ ○ 五 年 の こ と で あ っ た 。 し た が っ て 後 者 の 作 業 経 歴 の 方 が 長 い こ と に な る 。 一 九 九 四 年 一 ○ 月 、 筆 者 は ア ジ ア 経 済 研 究 所 ︵ 以 下 、 ア ジ 研 ︶ に 入 所 し た 。 当 時 は 自 衛 隊 市 谷 駐 屯 地 の と な り に 建 物 が あ っ た 。 調 査 企 画 室 と い う 部 署 で 一 年 間 勤 務 し た 後 、 動 向 分 析 部 に 異 動 し た ︵ 以 降 、 一 九 九 八 年 の 日 本 貿 易 振 興 会 と の 統 合 、 二 ○ ○ 三 年 の 独 法 化 に 伴 い 、 地 域 研 究 第 一 部 、 地 域 研 究 セ ン タ ー に 所 属 ︶。 ベ ト ナ ム 地 域 研 究 に 携 わ る き っ か け を 正 式 に 得 た の が こ の 頃 で あ る 。 動 向 分 析 部 は 大 部 屋 で 筆 者 を 入 れ て 二 一 人 が 勤 務 し て お り 、 数 台 の 共 用 コ ン ピ ュ ー タ が 設 置 さ れ て い た 。 参 考 文 献 ① に よ れ ば 、 一 九 九 二 年 頃 に は 電 子 メ ー ル や フ ァ イ ル の 交 換 を 目 的 と す る ホ ス ト コ ン ピ ュ ー タ 間 の 世 界 的 ネ ッ ト ワ ー ク で あ る B I N E T に ア ジ 研 は 参 加 し て い た 。 ま た L A N 間 の ネ ッ ト ワ ー ク で あ る イ ン タ ー ネ ッ ト の 導 入 は 一 九 九 四 年 の こ と で あ り 、 動 向 分 析 部 の コ ン ピ ュ ー タ も 一 台 が 接 続 さ れ て い る 。 し か し 、 コ ン ピ ュ ー タ と の 接 点 が 乏 し か っ た 筆 者 は 、 設 備 ・ 機 能 に つ い て 知 る こ と も 利 用 す る こ と も な か っ た 。 一 九 九 七 年 一 月 か ら 一 人 一 台 ず つ コ ン ピ ュ ー タ が 支 給 さ れ る よ う に な っ た ︵ 参 考 文 献 ① 参 照 ︶。 そ れ 以 降 初 め て イ ン タ ー ネ ッ ト を 補 助 的 に で は あ る が 用 い る よ う に な っ た 。 ベ ト ナ ム 研 究 で は 何 が 事 実 で あ る か を 理 解 す る だ け で も 困 難 が 付 き ま と う 部 分 が あ る 。 情 報 媒 体 だ け が や た ら と 多 く 、 時 に 食 い 違 う 様 々 な 情 報 を 集 め る だ け で 一 日 が 終 わ っ て し ま う 日 々 の 中 、 新 た な 情 報 入 手 手 段 が ﹁ 登 場 ﹂ し た こ と に 困 惑 を 感 じ た こ と を 覚 え て い る 。 配 属 さ れ た 動 向 分 析 部 で は ベ ト ナ ム の 政 治 ・ 経 済 ・ 対 外 関 係 の 動 向 を フ ォ ロ ー す る こ と が 主 た る 職 務 で あ っ た 。 当 時 筆 者 は ベ ト ナ ム 語 の 勉 強 を 始 め た ば か り で あ っ た 。 そ の た め 、 動 向 分 析 部 の 先 輩 ・ 村 野 勉 さ ん よ り 、 各 国 発 の 時 事 情 報 を 入 手 、 英 語 に 翻 訳 し た ア メ リ カ 政 府 F B I S ︵ Fo re ign B ro ad ca st In fo rm atio n S erv ice ︶ 発 行 の D ail y R ep or t を 読 む よ う 指 導 を 受 け た 。 そ の 後 、 ベ ト ナ ム 現 地 発 行 英 語 紙 VIE TN A M N E W S を 読 む よ う に な る 。 現 地 文 献 に 触 れ た 最 初取り巻く環境の変化
─ベトナムとの関わりを軸として
特集/途上国研究のための研究ツール─新・旧書誌情報を活用する
寺
本
実
アジ研ワールド・トレンド No.150(2008.3)─ 18だ っ た 。 部 屋 に は N ha n D an︵ 人 民 ︶ 紙 、 Sa ig on G ia i p ho n g ︵ 解 放 サ イ ゴ ン ︶ 紙 、 Th oi ba o K in h t e ︵ 経 済 時 報 ︶ 紙 な ど の ベ ト ナ ム 語 文 献 が 揃 っ て い た 。 だ が 始 め た ば か り の ベ ト ナ ム 語 で は 歯 が た つ わ け が な く 、 要 所 だ け で も 用 い よ う と 努 力 し て い た 。 そ れ に 合 わ せ て 、 毎 日 届 く 日 本 の 主 要 紙 や ﹃ 世 界 週 報 ﹄︵ 時 事 通 信 社 、 二 ○ ○ 七 年 ﹄︵ 時 事 通 信 社 、 二 ○ ○ 七 年 ︵ 時 事 通 信 社 、 二 ○ ○ 七 年 ○ ○ 七 年 七 年 休 刊 ︶ 掲 載 の ベ ト ナ ム 関 連 報 道 を フ ォ ロ ー 掲 載 の ベ ト ナ ム 関 連 報 道 を フ ォ ロ ー す る よ う 努 め た 。 ま た Fa r E as ter n E co -n om ic R ev iew 誌 、 B an gk ok P os t 紙 、 余 裕 が あ れ ば 社 団 法 人 東 南 ア ジ ア 調 査 会 発 行 の ﹃ 東 南 ア ジ ア 月 報 ﹄︵ 二 ○ ○ 二 年 終 刊 ︶ も 見 る よ う に し た 。 書 誌 に つ い て は 、 当 時 ア ジ ア 経 済 研 究 所 図 書 館 が ﹃ ア ジ ア 経 済 資 料 月 報 ﹄︵ 一 九 五 九 年 一 一 月 ∼ 一 九 九 八 年 三 月 ︶ を 発 行 し て い た 。 だ が 、 先 に 述 べ た 作 業 は 筆 者 に と っ て 膨 大 で あ り 、 毎 月 配 布 さ れ る 書 誌 の 利 用 は 必 要 最 小 限 な も の と な ら ざ る を え な か っ た 。 そ し て 、﹃ ア ジ ア 経 済 資 料 月 報 ﹄ 停 刊 そ し て 、﹃ ア ジ ア 経 済 資 料 月 報 ﹄ 停 刊 ﹃ ア ジ ア 経 済 資 料 月 報 ﹄ 停 刊 の 翌 月 、 す な わ ち 一 九 九 八 年 四 月 か ら 図 書 館 に イ ン タ ー ネ ッ ト O P A C シ ス テ ム が 導 入 さ れ た ︵ 参 考 文 献 ② 参 照 ︶。 一 九 九 九 年 三 月 ∼ 二 ○ ○ 一 年 三 月 ま で の 二 年 間 は 海 外 派 遣 で ベ ト ナ ム に 渡 っ た ︵ ア ︵ ア ジ 研 は 一 九 九 九 年 一 二 月 に 現 住 所 に 移 転 ︶。 一 二 月 に 現 住 所 に 移 転 ︶。 二 月 に 現 住 所 に 移 転 ︶。。 帰 国 後 す ぐ の 動 向 分 析 業 務 で は 、 実 際 の 現 地 紙 と 各 紙 ホ ー ム ペ ー ジ の 併 用 を し ば ら く 試 み た 。 そ し て 、 あ く ま で も 個 人 的 に ︵ イ ン タ ー ネ ッ ト を 主 と し て 利 用 し て い る 方 を 批 判 す る 意 図 は ま っ た く な い ︶、 実 際 の 新 聞 の 方 が 落 ち 着 い て 読 め 、 細 か な 情 報 が 網 羅 さ れ て い る と 判 断 す る に 至 っ た 。 ベ ト ナ ム の 人 々 が 同 じ も の を 手 に し て い る と い う 思 い も あ っ た 。 そ こ で 、 平 時 に は 新 聞 を 用 い 、 緊 急 事 態 が 発 生 し 即 時 に 情 報 入 手 を す る 必 要 に 迫 ら れ た 際 に は イ ン タ ー ネ ッ ト の 強 み を 生 か す こ と に し た 。 現 在 で は 、 N ha n D an 紙 、 tu oi tre︵ 若 者 ︶ 紙 、 La o D on g ︵ 労 働 ︶ 紙 、 Th oi ba o K in h t e 紙 な ど を 中 心 に ベ ト ナ ム の 国 内 政 治 ・ 対 外 関 係 の 動 向 を 考 え て い る 。 ま た 、 研 究 に 取 り 組 み 得 る 状 況 も 少 し ず つ 生 ま れ て き た た め 、 付 属 図 書 館 の コ ン ピ ュ ー タ を 通 し た 蔵 書 検 索 シ ス テ ム を 通 し て 関 連 文 献 を 探 す 度 合 い も 増 え て き た 。 二 ○ ○ 三 年 七 月 に 図 書 館 の 新 着 ア ラ ー ト シ ス テ ム が 導 入 さ れ 、 二 ○ ○ 四 年 一 ○ 月 か ら 筆 者 も 登 録 し た 。 ベ ト ナ ム の 書 物 に つ い て は 、 昔 も 今 も 変 わ ら ず 、 現 地 に 行 っ た 際 に 書 店 を め ぐ り 、 関 連 文 献 を 入 手 す る よ う に し て い る 。 そ の 他 の 関 連 図 書 も 新 聞 に 載 る 書 評 や ネ ッ ト 検 索 な ど を 参 考 に 購 入 す る か ら 、 す べ て を 読 み 切 る こ と は 容 易 で は な い 。