56 《資料》
大学生の古典力調査報告Ⅹ
~平成 29 年度横浜国立大学教育学部学校教育課程一年次生の古典に関する関心度調査~ 富永八千代 はじめに 新学習指導要綱の施行に基づき、平成 23 年度か ら古典教育が小学校に導入された。それに伴い小 学校の教員は、児童に古典の授業を実施し古典に 興味と関心を持たせ古典力を付けさせねばならな い。さらには教員自身も、より古典力を向上させ る必要性がある。 そのような状況の中、本報告は「教員志望の学 生たちが古典に関わる積極的な姿勢をもてるよう 支援すること」を目的に発足した「古典デザイン 研究会」(主宰:横浜国立大学教授 三宅晶子 HP: http://kotened.webcrow.jp/)が定期的に実施する、 大学生の古典力に関する調査の第10 回目の報告 である。 また科学研究費基盤研究(c)「中等国語科教員に 必要な「古典力」育成のための教育プロジェクト と開発」(代表 三宅晶子)の事業の一環でもある。 本調査は平成29 年度横浜国立大学教育学部学 校教育課程1 年次必修科目である「小教専国語」 受講生225 名を対象に実施したものである。 1.古典に関する関心度調査の概要 本調査は大問Ⅰ「古典力アンケート」、大問Ⅱ「古 典作品や授業に関する意識調査」の二部構成とな っている。調査に用いた「古典力アンケート」と 「古典作品や授業に関する意識調査」の問題用紙 は、79 頁の添付資料【資料一】を参照されたい。 なお、問題は昨年度*1の調査で使用したものと 基本的には同様であるが、1 箇所ほど変更を加え てある。その箇所については適宜示唆する。 大問Ⅰは5 つの小問(A~E)からなり、それぞれ 以下に関する問題を出題した。 A:『竹取物語』(計 6 題) B:『おくのほそ道』(計 10 題) C:『俊頼髄脳』(計 4 題) D:『徒然草』(計 6 題) E:季語に関する問題(計 14 題) 旧暦の名称に関する問題(計22 題) 大問Ⅱにおける意識調査の概要は以下の通りで ある。 【一】大問Ⅰ A~D の各問題作品についての既読 状況調査。既読の作品については「いつ、 機会、方法、感想」を併せて調査。 【二】小学校教科書に掲載されている古典文学15 作品についての既読状況とその程度調査。 【三】古典文学と漢文学について「好き嫌い」の 意識調査。 【四】小学校、中学校、高校、学習塾・予備校そ れぞれで受けた古典授業にたいする不満点 調査。 【五】小学校、中学校、高校、学習塾・予備校そ れぞれの古典担当教師に求められる力につ いての調査。 【六】仮に自分が古典の授業を担当することに なった場合の不安点調査。 【七】今後自信をもって古典の授業を行うために、 開催してほしい講座や支援してほしい事柄 についての調査。 また、成績などには無関係であると断ったうえ で、学籍番号を明記してもらった。57 2. 大問Ⅰ「古典力アンケート」 本章では大問Ⅰのアンケート結果について表や グラフを示し、分析した傾向と考察を述べる。各 表の解答率は小数点以下第二切り上げであり、表 中の↑↓は昨年度との対比である。また備考には 参考となる誤答例などを示した。各章のタイトル につけた既読率の詳細については65 頁の表 7 を参 照されたい。 Ⅰ- A:『竹取物語』(計 6 題) 既読率:69.3% 出題箇所は倉持皇子が架空の冒険談を語る場面 である。昨年度とほぼ同様であるが、問一・アで 「作品名」の代わりに、今年度は「文学史上の位 表 1 解答数と解答率 問題内容 形 式 解 答 (名) 率(%) 一 ア.文学史上の位置づけ 漢字記述 31 13.8 イ.成立時代 漢字記述 178 ↑ 79.1 二 現代語訳 選択 210 ↓ 93.3 三 現代語訳 記述 5 ↓ 2.2 四 現代語訳 選択 147 ↑ 65.3 五 内容把握 選択 43 ↓ 19.1 設問平均正答率(今年度第 4 位 以下同様) 45.5 表 1 – 2 正答と備考 問題 正 答 備 考 (%):備考欄は小数点以下切捨、以下同様 一 ア 最古の物語/物語の最初 ・誤答例 計 61 名(27%):物語、物語文、作物語、歌物語他 計 21 名(9%):説話、説話物語、説話集 10 名(4%):随筆 9 名(4%):おとぎ草子、他 ・無解答 38 名(16%) イ 平安時代 二 ウ 三 何と申し上げるのですか ・誤答例 122 名(54%):何と言うのか他 14 名(6%):何と申し上げるのか 81 名(36%):その他微妙な差異ある解答 ・無解答: 3 名 四 エ 五 ア(謙遜して見せることで、真 実味を加えたいと思っている から。) ・誤答例 87 名(38%):エ(勝手に折ったので、その土地の人たちに申し 訳ないと思っているから)
58 置づけ」を問うた。「作品名」は本文に挿入した。 今回の調査で一番高い既読率 69.3%(参照:65 頁-表 7)であるが、設問平均正答率は一番低い。(表 1 参照)主な原因は問一と問三にある。 問一・アは昨年度調査では「作品名」(正答率 34.5%)の問題であったが、今回は「文学史上の位 置づけ」を問い、その結果高難度となったようだ。 表 1-2 備考欄に例を示したが、解答の幅が大変広 く残念な結果となってしまった。正答の「物語」 部分については、「物語」と「説話や随筆」という 言葉の違いを把握しその上で区別していないケー スや、「物語」と「物語文学」との微妙な差異を混 同している解答も目立った。表に示した以外に、 正答に近しいものとしては「日本初の創作物語、 日本最古の物語文学」などがある。その他問題の 捉え方が大きく間違っていると思われる解答「今 昔物語、絵巻物、歴史物語、伝記物語、仮名文学」 などもあった。 また3 名ほど「物語の出で来はじめの祖」と源 氏物語にある文言で答えている例もあった。これ などは正答としたい解答である。 次回も「文学史上の位置づけ」問題を出題する のであれば、もっと解答を絞れるように導く工夫 が必要であろう。 問三・問五の低正答率は、28 年度と同様である。 問三は「何とか申す」の現代語訳であるが、「申す」 の謙譲の意味を反映させずに「言う」と誤訳して いる解答(122 名)が大部分である。また文言は正答 なのだが疑問形になってないケースや、14 名の学 生が末尾に「です」の丁寧語を付けない間違いを している。謙遜語、丁寧語、尊敬語の知識はあっ ても、使い分けと使い方を実生活で学んでいない のではないかと推測する。これは日本語の煩雑な 部分ではあるが反対に美点でもある。児童期から 日常生活でもしっかりと学び、身につけて欲しい ものである。また古典文学は現代語とかけ離れた 特有の言葉遣いも多種多様あり、細かいニュアン スの理解は非常に難解である。よって選択形式に する事も提案したい。 問五の誤答「エ・勝手に折ったので、その土地 の人たちに申し訳ないと思っているから」は誤答 ながら87 名 38%もおり、正答(43 名 19.1%)より も回答率が高い。この問はかぐや姫との婚姻を願 う皇子が献上品「蓬莱の玉の枝」の偽物を作らせ た上、その職人へは未報酬であった事、加えて「蓬 莱の玉の枝」を苦労して見つけたという「架空の 冒険談」をも語る皇子の不誠実な性格を加味して 考えねばならない。「架空の冒険談を語る」という 問題文の意味と、引用部分とを併せて考え推測す れば充分に解答のヒントとなる。 Ⅰ-B:『おくのほそ道』(計10 題) 既読率:54.7% 参照:表2、表2-2 昨年度と同様に「平泉」を出題した。問三「春 望」は27 年度からの出題で、3 度目である。 設問全体では、問四ⅱに解答の混乱があった。 問一のア.「作品名」の解答の重要なヒントとし て、問題文末にある俳句の作者名「曾良」がある。 俳聖芭蕉が奥州、北陸道を巡った旅行記が『おく のほそ道』であり、その随行者が「曾良」だとの 知識さえあれば正確に本文を知らなくとも、作品 名は自ずから解ったはずである。既読率が過半数 の割には「作品名、作者名、成立時代」の正答率 が低く、しかも無解答者が70 名(表2-2)と多い。 「作者名」も漢字で正確に覚えていない。日本で は固有名詞の人名はほとんど漢字であり、表意文 字としての意味がある。よって俳号の芭蕉の意味 を知ればより印象に残り覚えやすいと思う。 私も含め、漢字能力の低下は非常に残念である。 大事にしたい漢字文化であるが、IT 化時代の流れ として、読めるが書けない問題も出てきた。
59 表2 解答数と解答率 問題内容 形式 解 答 (名) 率(%) 一 ア 作品名 漢字記述 48 ↓ 21.3 イ 作者名 漢字記述 53 ↓ 23.6 ウ 成立時代 漢字記述 56 ↓ 24.9 二 内容把握 抜出記述 206 ↑ 91.6 三 ア 題名 記述 32 ↑ 14.2 イ 作者名 記述 48 ↑ 21.3 四 ⅰ 内容把握 選択 193 ↑ 85.8 ⅱ ア敬語の種類 選択 131 ↑ 58.2 イ.(a)敬意の方向誰から 記述 160 ↓ 84.4 イ.(b)敬意の方向誰へ 記述 25 ↑ 46.7 設問平均正答率(第 3 位) 47.2 表2-2 正答と備考 問題 正 答 備 考 一 ア おくのほそ道 /奥の細道 ・無解答:70 名 ・誤答例 36 名:平家物語 その他多種多様 イ 松尾芭蕉 ・誤答例 2 名:ひらかな、2 名:馬蕉、2 名:芭松 ウ 江戸時代 二 功名一時の叢となる 三 ア 春望 ・誤答例 6 名:春秋、2 名:春暁 イ 杜甫 ・誤答例 5 名:李白 四 ⅰ ウ ⅱ 丁寧語 イ.(a) 作者から 作者(160 名)と筆者(30 名)の合計で正答率を算出 ・誤答例 10 名:曾良、5 名:芭蕉、その他:書き手、語り手 イ.(b) 読み手へ 読み手(80 名)と読者(25 名)の合計で算出
60 解決の糸口としてはやはり宿題などで、何度も繰 り返し書くことが第一だと思う。 イ.「作者名」は松尾芭蕉の誤漢字やひらがなで答 えているケースが6 例あった。(備考参照) 問三『春望』は漢詩の中でも最も知れ渡ったも のの一つであるが、「題名と作者名」ともに低い 解答率であった。両問題共に正答者は17 名 (7.5%)であるが、備考のように他の作品名や作 者と混同しているケースもあった。「【三】古典文 学と漢文学について好き嫌い意識調査」(p66‐ 67)を見ると漢文学も古典文学に違わず嫌い度が 高い。漢詩も日本の古典文学と密接な関係がある。 中国からの輸入文化は様々だが、漢字や漢詩は日 本にとって文化の根幹を作った重要なものである。 その時間的雄大さも含めぜひ好きになって欲しい。 この問題文にはア題名、イ作者名ともに記述の指 定がなかったので、ひらがなも正答とした。 問四ⅱイ敬意の方向「(a)誰から(b)誰へ」の解 答「作者から読み手へ」の文言は非常に疑問が残 る。「作り手から読み手へ」又は「作者から読者へ」 の組み合わせが、妥当ではないだろうか。私はこ れも正答とした。また「作者と筆者」は同意と思 われ、筆者も正答とした。 次年度は、「問題の文言を設定し選択問題とする」 などなんらかの検討が必要だと思われる。 Ⅰ-C:『俊頼髄脳』(計 4 題) 既読率:19.6% 27 年度から新たに採択した 3 回目の出題で、 内容も同様である。 設問全体の結果は、昨年度と同様に高い解答率 であった。 この作品の文章は古典の知識(常識)があまり なくとも、前後の関係などから文意を推測し理 解ができると思われる。作品内容もウィットに富 んだもので他の作品とは少し趣が違い、おもしろ く親しみすら感じる。 既読率が低く初見の学生も多いと思われるのだ が、この種の問題文で選択解答形式であれば、解 答率は高くなるようである。昨年度に続く高解答 率がこれを証明している。 表3 解答数と解答率・正答 問題内容 形式 解 答 正 答 備 考 (名) 率(%) 一 語句の意味 選択 220 ↑ 97.8 イ 二 内容把握 記述 199 ↑ 88.4 午という文字の縦画が上 に突き出ていると牛とい う文字になる 誤答:13 名 無解答:13 名 三 現代語訳 選択 177 ↑ 78.7 エ 四 格助詞の識別 選択 185 ↓ 82.2 Ⓒ 設問平均正答率(第 1 位) 86.8
61 Ⅰ-D:『徒然草』(計 6 題) 既読率:52.4% 昨年度と同様の「十九段の冒頭部」の出題であ る。 設問全体では、平均正答率が二番目に高くしか も昨年度に続いて概ね高解答率である。この調査 全般の共通項は、問題が選択か記述かにより解答 率の高低が顕著である。このⅮ:『徒然草』6 題の 高解答率の結果を見ると、記述問題と選択問題の 比率が良くその結果が出ている。 問一・ア「作者名」の正答は「兼好/兼好法師」 (74 名:32.9%)となっているが、「吉田兼好」と 記した学生が (43 名:19.1%)もいた。現在の学 説では兼好が吉田姓を名乗ったことは否定されて いる。だが、高校の国語教科書などで、相変わら ず「吉田兼好」と説明されている場合もあり、そ の反映が現れているのである。 Wikipedia(http://ja.m.wikipedia.org)には「本 名卜部兼好(うらべかねよし)で、卜部氏の嫡流は兼好 より後の時代に吉田家と称するようになり、江戸 時代以降は吉田兼好と通称されるようになった。」 とあり、また「中学校国語の検定済教科書では『兼 好法師』と表す。」とある。非常に紛らわしい。 学説研究は時代とともに進み、新しい事実が発 見されたり又証明されたりする。その結果、それ までの通説が否定されていくようになる。「吉田兼 好」はその好例であろう。まだまだ世の中でも学 校教育の現場においても、その誤りが周知されて いないのである。 漢字記述問題であったが、漢字間違いが14 名(備 考参照)いた。 問二②は全員正解し、唯一正答率100%である。 表4 解答数と解答率・正答 問題内容 形式 解 答 正 答 備 考 (名) 率(%) 一 ア 作者名 漢字記述 117 ↑ 52.0 兼好(法師) (74名:32.9 %) 正答のうち「吉田兼好」と解答 したのは 43 名(19.1%) ・誤答例(全 14 名) 兼康:9 名、法子:2 名、 兼公:1名 兼行:1名、ひらがな:1名 イ 成立時代 漢字記述 104 ↑ 46.2 鎌倉時代 ・昨年度解答率: 45.5% ・誤答例 平安時代:77 名、室町時代:17 名、奈良時代:7 名、江戸時代: 3 名 ・無解答:16 名、無効答:1 名 二 ① 語句の意味 選択 212 ↓ 94.2 イ ② 語句の意味 選択 225 ↑ 100.0 ア ③ 語句の意味 選択 157 ↑ 69.8 イ 三 内容把握 選択 195 ↓86.7 イ 設問平均正答率(第 2 位) 74.8
62 Ⅰ-E:問一.季語に関する問題(計 14 題) 7つの季語の読みと季節を問うもので昨年度と 同様である。 表5 季 語 読 み・記述 季 節・選択 問 題 正答 解 答 無解答 (名) 正答 解 答 無解答 (名) (名) 率(%) (名) 率(%) 蛍 ほたる 223 ↑ 99.1 1 夏 175 ↑ 77.8 3 霧 きり 214 ↓ 95.1 2 秋 72 ↑ 32.0 6 霞 かすみ 194 ↓ 86.2 5 春 142 ↓ 63.1 10 薬玉 くすだま 51 ↓ 22.7 90 夏 28 ↑ 12.4 66 東風 こち 45 ↓ 20.0 42 春 71 ↑ 31.6 31 野分 のわき (のわけ) 85 ↑ 37.8 62 秋 67 ↑ 29.8 52 五月雨 さみだれ 197 ↓ 87.6 8 夏 154 ↓ 68.4 5 平均解答率 64.1 平均解答率 45.0 設問全体では、読み・季節とも誤答と無解答が 多いのが「薬玉・東風・野分」である。 この七語の中でも、特に現代の生活に馴染みが 薄い言葉である。しかしこの季語の背景を調べる と「薬玉」は現代でもイベントで使う装飾「くす 玉」の原型で祝儀の意味合いがあり、七夕の吹き 流しも薬玉の変型である(Wikipedia)。「東風」は 余りにも著名な菅原道真の和歌がある。「東風吹 かば匂いおこせよ梅の花~」である。「野分」は 主に台風による野の草を吹き分ける風とある。 (日本大百科全書 ニッポニカ) 蛇足ではあろうが、このような例を挙げて説明す れば印象もより深くなり、読みや季節とともに学 生の記憶に留まり、知識となるのではないだろう か。 なお「野分」は解答では「のわき」のみとなって いたが、「『古語辞典』守随憲治・今泉忠義/監修 旺文社 昭和 40 年」、「『国語辞典』金田一京助・ 春彦/ 編集 三省堂 昭和 35 年」、「『Net 辞典』 Wikipedia:https://ja.wikipedia.org」ともに 「のわき、のわけ」と併記されている。私は「の わけ(解答者 31 名・13.8%)」も正答説をとり計 上した。 「蛍」に関しては解答率100%に、二人(誤解 答一名、無解答が一名)欠けた。 昨今のTV 番組で俳句を取り上げた番組が高 視聴率を上げている。この機に多くの児童や学生 が「俳句、季語、旧暦名称」などに是非関心を持 ち、好きになって欲しいものである。外国にも俳 句の愛好者はいるが、日本人だからこそ無意識下 のうちに理解できるところ、感じるところが確か にあるのではないだろうか。
63 Ⅰ-E:問二.旧暦の名称に関する問題(計 22 題) 参照:表6、グラフ 1 一月から十二月までの旧暦名称の漢字と読み を問う問題で、昨年度と同様である。五月は解答 例とした。 設問全体では、現代も特に使用頻度が高いと思 われる「師走」などの解答率が高いが、昨年度よ りは低い。最低解答率の「文月」も同じく低くな っている。 おしなべて解答率が全体的に低い。加えて、無 回答者が多過ぎはしまいか。文月などは過半数で ある。 旧暦名称は、同じ月の読みでも「つき」と「づ き」が混同しており、一定の法則性はなく煩わし い。これには諸説あるらしいが、旧暦月名の由来 を学習すれば理解度や興味も増すと思われる。ま ず自分の誕生月を覚え、そして周りの人々の誕生 月に広げていったら覚えやすいのではないだろ うか。旧暦名称は現場ではあまり重要視されない 傾向があるらしいが*1(28年度調査報告のp57)、学童期の 子供たちも楽しみながら覚えてほしい。そして美 しくゆかしい古典由来の日本語に気づき、理解で きるようになって欲しいと強く願うものである。 全問正答者は225 名中 19 名(8.4%)で 27 年 度の23 名まではいかなかった。 表6 旧暦名称 漢字記述・読み 問題 正答 解 答 無解答 (名) 問題 正答 解 答 無解答 (名) (名) 率(%) (名) 率(%) 一月 睦月 103 46.2 85 七月 文月 69 ↓30.7 117 むつき 115 46.7 74 ふみづき /ふづき 64 ↓28.4 114 二月 如月 104 46.2 87 八月 葉月 126 56.0 74 きさらぎ 125 55.6 68 はづき 137 60.9 71 三月 弥生 136 60.4 57 九月 長月 94 41.8 83 やよい 141 62.7 56 ながつき 96 42.7 80 四月 卯月 116 51.6 79 十月 神無月 125 55.6 54 うづき 124 55.1 76 かんなづき 138 61.3 53 (五月) 解答例 (皐月) - - - 十一月 霜月 102 45.3 73 (さつき) - - しもつき 110 48.9 69 六月 水無月 114 50.7 69 十二月 師走 182 ↓82.2 30 みなづき 116 51.6 67 しわす 189 ↓84.0 26 平均解答率 51.5 平均解答率 54.4
64 3. 大問Ⅱ「古典文学作品や授業に関する意識調 査」 本章では大問Ⅱの調査結果について表やグラ フを示し、分析した傾向と考察を述べる。備考に は参考となる数値などを示した。なお、各表の率 は小数点以下第二切り上げであり、表中の↑↓は 昨年度との対比である。 【一】 大問ⅠのA から D で挙げた作品について の既読状況調査 参照:表7 まず問題文で既読状況を調べ、次に既読者のみ、 問題2から先の設問(複数解答形式)に進む。 全体の対策年度の既読率は『竹取物語』と『徒 然草』は上がり、『おくのほそ道』と『俊頼髄脳』 は下がっている。 これは昨年度から問題文に変更を加え、『竹取 物語と徒然草』に作品名を入れたことにも関係す ると思われる。しかし『竹取物語、おくのほそ道、 徒然草』は小学校から高校までの教科書記載率が 高い古典作品*2であるはずだが、未読者数が多 すぎるのではないだろうか。授業で取り上げた章 と問題文が合致せずとも作品名くらいは記憶に 残って欲しいものである。 さらにⅳ読後感想では「普通」が「面白い」を かなり上回る現状がある。大変厳しい内容である。 今年度のAからD四作品の平均既読率が 49.0% でのこの結果である。調査対象者全体の約半数し か既読していないが、その半数の6割から7割の 読後感想が「普通」なのである。 『俊頼髄脳』の「面白い」に至っては昨年度比 3.6%ダウン、『徒然草』は 2.1%もダウンしてい る。その原因をⅰからⅲの読書時期や機会や方法 から探ってみても、ほとんど同じような数値であ り、顕著な結果は見受けられない。 この「普通」を少しでも「面白い」に近づけた いものである。(参照p66-67【三】) 参考として「普通」を選択した人員数を表 7 の最下段に加えた。 睦月 如月 弥生 卯月 水無月 文月 葉月 長月 神無月 霜月 師走 漢字 103 104 136 116 114 69 126 94 125 102 182 読み 115 125 141 125 116 64 137 96 138 110 189 0 50 100 150 200 グラフ1 旧暦名称 漢字記述と読み 漢字 読み
65 単位:(%) 問題内容 A 竹取物語 B おくの ほそ道 C 俊頼髄脳 Ⅾ 徒然草 備考 【一】 1 既 読 率 (既読・名) 〈未読・名〉 ↑69.3 ↓54.7 ↓19.6 ↑52.4 平均 49.0 (156) 〈 69〉 (123) 〈 95〉 (44) 〈174〉 (118) 〈 98〉 無 効 答 と 無 回答あり 2018 年(昨年)の既読率 2017 年 2016 年 2015 年 48.6 48.6 97.9 96.0 58.6 64.7 19.5 22.0 22.7 15.1 ‐* ‐* 50.5 30.7 69.9 46.7 * こ の 年 は 俊頼髄脳 無採択 既読者のみ下の設問に進む。(複数解答)単位:(%) 【一】 2 ⅰ 読書時期 小学校 3.2 1.6 0.00 5.9 中学校 51.2 34.1 15.9 35.6 高校 44.9 61.8 77.3 55.9 浪人 0.6 3.2 6.8 1.7 大学 - - - - その他 0.6 1.6 0 0.8 ⅱ 読書機会 授業 86.5 86.1 59.1 69.0 受験勉強 10.9 13.9 36.4 16.4 趣味 0.6 0 2.3 14.7 その他 1.2 0 2.3 0 ⅲ 読書方法 原文 22.4 28.7 34.1 25.0 注釈付 44.2 44.3 43.2 47.4 現代語訳付 32.7 27.0 22.3 26.6 現代語訳のみ 0 0 0 0 その他 0 0 0 0 ⅳ 読後感想 面白い ↓ 40.3 ↓ 32.0 ↓ 36.4 ↓ 27.6 つまらない 1.9 ↑ 10.7 ↓ 2.3 ↑ 6.0 普通(%) ↑ 57.1 ↓ 57.4 ↑ 61.4 ↑ 66.4 普通(名) 89 70 27 77 表7 既 読 状 況
66 【二】小学校の教科書で取り上げられている15 作品の既読状況とその程度調査(複数解答形式) 参照:グラフ2、78 頁‐表 8 グラフ2 の数字は該当数で単位:(名)、表8(78 頁)は同じ既読状況を表にしたもので単位:上段 (%)、下段(名) 全体的にみると、馴染みのある昔話などが高既 読率で記紀由来の作品は低既読率である。大筋の 傾向としては過去二度の同じ調査と違わぬ結果で ある。「既読したが内容はよく覚えていない」(内 容記憶は薄い)学生も例年通り多い。それだけ興味 が湧かなかったということであろう。興味の湧く 優先順位として古典文学作品は高くなく、むしろ 低いという現実である。これも重く受け止めなけ ればならない。 単位:(名) 【三】古典文学と漢文学について「好き嫌い」意識調査 参照:表9、グラフ3 設問全体では、ほとんど例年通りの結果である。昨年度との状況比較では ・古典文学:(大好き+好き)昨対 2.4%↑ 、(普通)0.4%↑、(嫌い+大嫌い)2.9%↓ ・漢 文 学 :(大好き+好き)昨対 8.7%↓ 、(普通) 7.6%↑、(嫌い+大嫌い) 1.1%↑ 「大好きと好き」を併せても僅か、古典文学 32.4%と漢文学 23.5%である。(表9)同じように 問題なのは例年40%台をも保っている「普通」で ある。今年度の漢文学などは50%に迫る数値であ る。加えて、P65 の「既読状況調査-ⅳ読後感想 の「普通」の数値も併せて見て欲しい。60%を超 える数値である。この「普通」を少しでも「好き」 の方に向けるにはどうすればよいのであろうか。 これは考えるに足る問題である。 具体的対策を考慮するにあたってのデータとし 17 53 63 87 137 76 19 198 29 29 152 122 22 79 213 86 139 135 110 68 57 10 13 23 55 50 63 35 90 4 40 31 26 26 16 50 44 6 42 23 16 29 31 53 7 82 2 1 2 4 42 152 7 131 118 7 11 137 3 1 ソ 春 暁 セ 平 家 物 語 ス 枕 草 子 シ 源 氏 物 語 サ 花 咲 爺 さ ん コ 泣 い た 赤 鬼 ケ 海 さ ち 山 さ ち ク 鶴 の 恩 返 し キ 因 幡 の 白 兎 カ 三 枚 の お 札 オ 猿 蟹 合 戦 エ 笠 地 蔵 ウ 八 岐 大 蛇 イ 金 太 郎 ア 桃 太 郎
グ ラ フ 2 小 学 校 教 科 書 掲 載
15作品 既読状況
①既読 ②既読したが内容記憶は薄い ③未読だが作品名は知っている ④未読で作品名も知らない67 て、この「普通」項目の細かい意識分析を加えて みてはどうであろうか。「古典文学と漢文学への関 心度のレベルと種類」の調査項目を少し詳細にし てみるのである。例えば「少し関心はあるが読ん でみる機会がない」「機会があれば読んでみたい」 「今は関心がないが、今後は湧く可能性あり」「紙 媒体よりも電子本ならば読みたくなる」「古典文学 により興味を持つためにはどうしたいか」等々の 項目を追加して学生の心境に迫ってみるのも対策 の一助になると思う。 以下に、文部科学省が平成27 年に発表した『国 語科に関する資料』の「古典に対する興味・関心 について」(中学生と高校生に対しての調査結果) を載せた。図らずも今回の結果とほぼ同様である。 *参考資料:平成27 年 11 月 19 日 文部科学省教育課程部会 国語ワーキンググループ資料 10 『国語科に関する資料』P18 HP:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/068/siryo/__icsFiles/afieldfile /2015/12/11/1365189_1.pdf 中学生・古典 (好き+どちらかといえば好き):29.3% (嫌い+どちらかといえば嫌い):69.9% 高校生・古文 (好き+どちらかといえば好き):24.8% (嫌い+どちらかといえば嫌い):71.2% ・漢文 (好き+どちらかといえば好き):23.1% (嫌い+どちらかといえば嫌い):72.7% 出典 国立教育政策研究所「平成 17 年度教育課程実施状況調査(高等学校)結果概要・集計表」 単位:(名) 単位:(名) 表9 古典文学と漢文学に対する好き嫌い意識調査 古典文学 (%) (名) 漢 文 学 (%) (名) 大好き 6.2 計 32.4 14 3.5 計 23.5 8 好き 26.2 59 20.0 45 普 通 41.8 94 47.1 106 嫌い 19.6 計 25.8 44 24.0 計 29.3 54 大嫌い 6.2 14 5.3 12 大好き, 14 好き, 59 普通, 94 嫌い, 44 大嫌い, 14
古典文学
大好き, 8 好き, 45 普通, 106 嫌い, 54 大嫌い, 12漢文学
グラフ3
68 【四】小学校、中学校、高校、学習塾・予備校そ れぞれで受けた古典授業に対する不満点(複数解 答形式)単位:(名) データ要素と要因が多いため、一位から七位ま で別個のグラフにした。一位のみ「無回答」人員 を挿入。一部スペースの都合で⑦の項目内容が不 明な点があるが、一位から七位まで全て文言は同 じである。 8 9 24 22 35 6 9 52 60 6 46 51 17 26 1 17 21 20 7 102 36 6 21 2 9 21 22 2 25 24 5 24 1 2 22 110 0 20 40 60 80 100 120
グラフ4 古典授業の不満点一位
授業での不満点 一位 授業での不満点 一位 授業での不満点 一位 授業での不満点 一位 0 4 3 2 1 1 2 0 5 13 17 5 7 1 2 0 2 15 32 5 7 0 3 0 0 8 9 3 2 1 0 0 0 5 10 15 20 25 30 35不満点二位
授業での不満点 二位 授業での不満点 二位 授業での不満点 二位 授業での不満点 二位69 0 0 1 2 1 1 1 0 2 1 0 2 5 0 1 0 4 4 1 3 5 2 1 0 1 0 0 5 2 0 1 0 0 1 2 3 4 5 6
不満点三位
授業での不満点 三位 授業での不満点 三位 授業での不満点 三位 授業での不満点 三位 1 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5不満点四位
授業での不満点 四位 授業での不満点 四位 授業での不満点 四位 授業での不満点 四位70 1 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0.5 1 1.5 2 2.5
不満点五位
授業での不満点 五位 授業での不満点 五位 授業での不満点 五位 授業での不満点 五位 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 7 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8不満点六位
授業での不満点 六位 授業での不満点 六位 授業での不満点 六位 授業での不満点 六位71 ここでもやはり無回答が目立つ。(p68 不満点 一位のグラフ参照)小学校(60 名)はともかく、 学習塾・予備校(110 名)は通学していない人も 数値に含まれている可能性もあるのではないか。 不満点一位から数値の高い点をあげると 一位/p68:②文法、語法ばかり-高校(102 名) 二位/p68:③暗記ばかり-高校(32 名) 三位/p69:④配布資料が少ない-学習塾・予備 校(5 名)、⑤視覚教材の使用が少 ない-中学、高校(各 5 名) 四位/p69:④配布資料が少ない-高校(3 名) 五位/p70:⑤視覚教材の使用が少ない -高校(2 名) 六位/p70:⑦授業内容の作品がつまらない -中学校(7 名) 七位:①教師の知識不足-高校、学習塾・予備校 (各 2 名) 例年通り、不満点一位は「文法と語法ばかり」 で最高人員 102 名と半数に近い数値である。語学 を学ぶ時もそうであるが、まず文法から入ると具 体的に理解できず苦手意識が先に立ち、やがて興 味を失っていくものである。授業の初期段階で文 法から入るのではなく、Ⅽ『俊頼髄脳』の問題文 のように適度に面白みがあり又分かりやすい作品 で、まず古典に興味を持たせると苦手意識も少な くなり、古典好きも増えていくのではないだろう か。時代の流れとともに活字より映像の方が高訴 求力の傾向がある。文字に拒否反応さえ出ている ように見受けられる。余り視覚に頼ると想像力が 育ちにくいと思うが、IT機器、漫画本、ゲーム、 映画を資料としてより多く使いこなすことも必要 となる。 【五】小学校、中学校、高校、学習塾・予備校そ れぞれの古典担当教師に求められる力についての 調査(複数解答形式) 参照:72 頁から‐グラフ 5 単位:(名) データ要素と要因が多いため一位から七位まで 別個のグラフにした。一位のみ「無回答」人員を 挿入。一部スペースの都合で⑦項目の内容が不明 な点があるが、一位から七位まで全て文言は同じ である。 1 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0.5 1 1.5 2 2.5
不満点七位
授業での不満点 七位 授業での不満点 七位 授業での不満点 七位 授業での不満点 七位72 「古典教師に求められている力」の一位を見る と、「①古典作品に対する知識が豊富」が小学校 を除いて一番求められている。これは古典の教員 としても厳しく、大変な負荷のかかる点である。 次が「⑤古典作品が好き」は小学校が群を抜いて いる。二位以下四位まで、ほぼ平均に延べて分か れているようだ。 37 3 59 6 104 7 6 87 44 7 13 68 4 2 114 45 0 10 49 5 2 81 64 1 10 18 4 44 0 20 40 60 80 100 120
グラフ5 古典教師に求められている力 一位
古典教師に求められている力 第一位 古典教師に求められている力 第一位 古典教師に求められている力 第一位 古典教師に求められている力 第一位 13 4 43 12 12 0 34 22 14 23 13 0 36 38 1 25 13 0 26 39 0 12 0 0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50古典教師に求められている力 二位
古典教師に求められている力 第二位 古典教師に求められている力 第二位 古典教師に求められている力 第二位 古典教師に求められている力 第二位73 10 2 6 16 6 0 7 15 9 16 11 0 10 19 6 37 9 0 7 11 7 28 5 0 0 5 10 15 20 25 30 35 40
古典教師に求められている力 三位
古典教師に求められている力 第三位 古典教師に求められている力 第三位 古典教師に求められている力 第三位 古典教師に求められている力 第三位 6 2 1 7 3 0 5 8 6 6 6 0 1 10 9 9 9 0 2 1 3 10 11 0 0 2 4 6 8 10 12古典教師に求められている力 四位
古典教師に求められている力 第四位 古典教師に求められている力 第四位 古典教師に求められている力 第四位 古典教師に求められている力 第四位74 【六】自分が古典の授業を担当することになった 場合の不安点調査(複数解答形式) 設問全体では、無回答6 名であった。解答は複 数解答方式なので不安点一位(全219 名)と無回 答(6 名)の合算で 100%となり、不安点二位以 降五位まで記入があった。不安点一位の「③古典 作品をあまり読んでいない、①古典が好きではな い、②文法が好きではない」については自主努力 を願うしかない。 教員の残業時間等の勤務体制も再検討されてき 1 7 2 0 1 0 0 4 6 2 3 0 0 2 11 2 4 0 0 0 11 0 4 0 0 2 4 6 8 10 12
古典教師に求められている力 五位
古典教師に求められている力 第五位 古典教師に求められている力 第五位 古典教師に求められている力 第五位 古典教師に求められている力 第五位 0 20 40 60 80 100 不安点1位 不安点2位 不安点3位 不安点4位 不安点5位 65 3 0 0 0 53 18 0 0 0 82 28 16 1 0 7 2 10 3 1 2 6 2 0 4 2 0 0 0 1 グラフ5 古典の授業を担当することになった場合の不安点 ①古典が好きではない ②文法がよく分からない ③古典作品をあまり読んでいない ④世界観がよく分からない ⑤古文を声に出して読むのが苦手 ⑥その他75 たので、授業について準備時間を十分にとること で余裕のある方向になり、不安点を解消して欲し いと思う。 【七】今後自信をもって古典の授業を行うため に、開催してほしい講座や支援してほしい事柄 についての調査 これまでのアンケートと意識調査の結果を分 析して感じたのは、学生の古典力についての悲壮 感、不安感であった。だが、この問【七】につい ての回答票をめくり「古典が好きだ」「古典は嫌 いではない」を何枚か見つけ、少し安堵したのが 正直なところである。 以下に代表的なものを原文に忠実な形で列挙 した。これから学生自身の努力で学べるものも多 い印象だが、自身の苦い経験を基に反省し授業す るにあたっての改善点を探っているのは大変良 いと思う。しかし「なぜ古典を学ぶのか」につい ては時間をかけて自分自身で探っていって欲し い。 私自身が初めて古文書というものに対峙した のは都内のある美術館であった。「高野切こうやぎ れ」という巻子である。古今和歌集を料紙という 装飾した和紙に書写したものである。 それを目にした刹那、一瞬にして、仮名書の美 しさに圧倒された。平仮名とそれに続く連綿がつ むぎだす、筆線のしなやかさに目を奪われた。思 わず夢中になり字ずらを追っていくと、一部の仮 名が解読できることに気づいた。文意を理解でき る部分があるのに気づいた。そしてその事に、又 ひとしお感動したのである。 1千年以上前の文書を、現代人が、ほんの一部 分とはいえ共有できるのである。世界的に見ても あまり例のないことらしい。その点でも貴重であ る。だがそれ以上に、文化的にも美術的にも学術 的にも日本の財産であり宝だと心底から、ただ感 じたのである。 これが、仮名書を学びたいと思った動機であり キッカケである。 先日「日本語は文字が何種類もあり、煩雑なの で英語に統一した方がいい。」という極論を朝日 新聞のオピニオン欄で読んだが、果たしてそうで あろうか。合理的という点では一理あると、言え なくもないが、文字や言葉は貴重な文化である。 日本語は世界唯一の独立した日本文化でもある。 11 世紀の古文書も、現代の文字文化に繋がって いるのである。その稀有ともいえる貴重性と重要 性を学び、未来に向けて庇護するのが日本人とし ての務めではないだろうか。 ・「源氏物語の全解説」「ひたすら古典を読んで古 典に慣れる講座」「古典常識」「古典の世界観」 「文法講座」「子供(自分自身も含めて)が文法な どに興味を持つにはどうすればいいか(自分自身 が古典文学は好きだが、文法などは大嫌いだった ため。」 ・「古文や漢文になんとなく抱いている苦手意識 を無くす授業」「文法等基礎内容に不安があるた め基礎内容講座。音読する機会と場所」「読み方 によって印象も変わると思うので朗読会。どうい う読み方が良いのか」「古典の朗読の仕方や実際 にどんなことに気を付けるべきなのか、教え方を 学びたい。」 ・「小学校で古典を習っていないので、実際の授 業を見学させてもらいたい。」「実際に教師をして 教えている人の話を聞く機会」 ・「小学校で何を中心に、何を目的に教えたらよ いか」「小学生が楽しめるにはどうすれば良いか」 「小・中学校では、古典に触れようということで、 少しだけ古典内容を扱いますが、文法も教えず、 注釈ばかりで時々日本語訳もないのでは何を楽 しめばいいのか分かりません。高校で文法を教え てもらうことも知らず、手探りな状態での段階で 見慣れない言葉にあたります。戸惑うばかりです。 小・中学校で苦手意識を持たせないような授業の 仕方について」「生徒に古典って楽しい!と思っ てもらえるような授業の仕方」 ・「自分が将来教師になった時、なぜ古典を勉強
76 するのかという問いに正しく答えられる自信が ないので、なぜ私たちが古典を勉強するのか教え ていただきたいです。」 おわりに 今回の調査の結果、平均解答率が約54%(p 62「季語」とp63「旧暦名称」)、平均既読率は 約38%(p78「小学校教科書掲載 15 作品」)、 古典文学と漢文学に対する好き度意識は平均約 28%(p67「古典文学と漢文学の好悪度調査」) であった。 この数値だけで判断するのは早計ではあるが、 この結果は学生の古典力が決して高くはないこ とを示している。 だがp65「既読状況-ⅳ読後感想-普通」は 約60%(既読者のうち)、p67「古典文学と漢文 学に対する好き嫌い調査-普通」は約44%もあ る。この「普通」の学生が古典文学に興味を持ち、 やがて「好き」と変わっていくためにどうすれば よいのかを私なりに考えてみた。 紙に印刷した活字を読む文化は、もはや過去の ものになりつつある。幼子もスマホやⅰ-Pad で 遊び、小学生たちも学校では各自にタブレット端 末を配布され使いこなしている現実である。小学 生でもPC ソフトを作り、オリンピック競技の種 目にもゲームが取り上げられる時代である。 もはや世のIT 化には抗えない。活字本もデジ タル化し、漫画化するのは抗えようもない。なら ば古典文学も全面的にその趨勢に乗るのが上策 ではないか。デジタル化した古典作品の方が、抵 抗感がないのであればまずそこからである。古典 作品の漫画化、ゲーム化、映画化への最大強化で ある。現在もその傾向はあるが、児童の成長環境 において、これまで以上にデジタル化した古典文 学で溢れさせるというのはどうだろうか。これま で以上にたやすく入手でき読めるようにもする のである。 そのためには官民学三位一体となった強力な 協力体制がいる。各業界の方々には児童から学生 までの古典離れの現実を充分理解していただき、 企業努力をしてもらうよう国から民へ強く要請 する。少々の赤字部門*aとなっても、これまで の高収益を、これからは児童から学生の将来のた めに還元して欲しいものである。 具体案としては、日本漫画家協会は古典作品を 基にして、児童から学生までを対象とした漫画本 を一定期間に必ず何作か作ることを義務化する。 あくまでも古典をベースにするがストーリーは 教科書よりではなく、夢中になるほど面白い漫画 にする。日本書籍出版協会はその漫画本の価格を 全て400 円位*bにし、小学生が自分自身の予算 内で自由に買えるようにする。そして古典シリー ズ本が、たとえ利益率*aが低くとも、日本の古 典のために出版する努力を続けて欲しい。デジタ ル本も同時にサイトアップして欲しい。また任天 堂などゲームメーカーは古典を踏まえた作品を 期間限定で必ず何本か作らねばならないとする。 古典を土台に面白い主題で扱ったヒット作を作 るよう努力をして欲しい。映画界もしかり、毎年 古典をテーマにしたアニメ映画を創り、またその ための特別賞も設ける。だが、単に古典の歴史の 教育的作品ではなく、古典は踏まえるが子供たち が、学生が面白いと思う作品であらねばならない。 日本の古典に目を止め、興味を抱く多くの機会を、 環境を是非とも作って欲しい。 行政は「古典力の強化」をテーマに強い支持と 製作のノルマを、
日本漫画家協会、
日本書籍出 版協会、ゲーム業界、映画業界に与え指導し、そ のための特別予算を潤沢に組んで欲しいもので ある。 (平成26-27 年度教育人間科学部科目等履修生) *a連載について 朝日新聞 文化・文芸欄「火曜日 呉座勇一 の歴史家雑記」2018 年 11 月 27 日掲載分による と「歴史漫画 長い目で見ては」と題し、惜しく も事実上の連載打ち切りとも受け取れる「バンデ ット偽伝太平記(太平記を下敷きにした作品、講 談社)」のことにふれている。大ヒット漫画「キ ングダム」(集英社)を例にとり、「連載当初の人77 気は高くなかったが結果的には大ヒットとなっ た。これに倣いもう少し長い目で見てほしいと個 人的には思った。」と説いている。 又11 月 20 日掲載分には「漫画家のゆうきま さみさんが「新九郎、奔る!」(月刊スピリッツ) の連載を開始した。」と歴史漫画を紹介している。 因みに「新九郎」とは「北条早雲」のことで12 歳の頃に京都で応仁の乱を経験したと考えられ ている。 呉座勇一氏は応仁の乱についての著書でベス トセラーとなった気鋭の歴史学者である。 *b現在の古典コミック本価格 小学館1600 円+税「マンガ古典文学史シリー ズ」、学研1080 円~「まんが日本の古典」、中公 文庫637 円「マンガ日本の古典」など総て高額 すぎる。児童が自分の小遣いで買える金額にすべ きである。 ―――――― *1 安野 葵「大学生の古典力調査報告Ⅸ ~平 成 28 年度横浜国立大学教育人間科学部学校教育 課程 1 年次生の古典に関する関心度調査~」『横 浜国立大学国語教育研究 No.43(2018)』 *2 中嶋真弓「小学校・中学校の古典学習の系統 的 指 導 - 古 文 を 中 心 に - 」 三 頁 〈 表 3 〉 2013.3.14
78 表8 小学校教科書掲載15作品 既読状況 問 題【二】 ア 桃 太 郎 イ 金 太 郎 ウ 八 岐 大 蛇 エ 笠 地 蔵 オ 猿 蟹 合 戦 カ 三 枚 の お 札 キ 因 幡 の 白 兎 ク 鶴 の 恩 返 し ケ 海 さ ち 山 さ ち コ 泣 い た 赤 鬼 サ 花 咲 爺 さ ん シ 源 氏 物 語 ス 枕 草 子 セ 平 家 物 語 ソ 春 暁 平 均 既 読 率 ①読んだことがある 94.7 35.1 9.7 54.2 67.6 12.9 12.9 88.0 8.4 33.8 60.9 38.7 28.0 23.6 7.6 38.4 213 79 22 122 152 29 29 198 19 76 137 87 63 53 17 ②読んだことがあるが内 容の記憶なし 1.8 40.0 15.6 28.0 22.2 24.4 10.2 5.8 4.4 25.3 30.2 48.9 60.0 61.8 38.2 27.8 4 90 35 63 50 55 23 13 10 57 68 110 135 139 86 ③読んでいないが作品名 は知っている 3.1 23.6 13.8 12.9 7.1 10.2 18.7 2.7 19.6 22.2 7.1 11.6 11.6 13.8 17.8 7 53 31 29 16 23 42 6 44 50 16 26 26 31 40 ④読んでいないし作品名 も知らない 0.4 1.3 60.9 4.9 3.1 52.4 58.2 3.1 67.6 18.7 1.8 0.8 0.4 0.8 36.4 1 3 137 11 7 118 131 7 152 42 4 2 1 2 82 *鶴の恩返しは無回答1名で計224 名 単位:上段(%) 下段(名)
79
【
添
付
資
料
】
80
資
料
一
】
古
典
力
ア
ン
ケ
ー
ト
教 員 に 必 要 と さ れ る 「 古 典 力 」 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト 学 籍 番 号 ( )問
Ⅰ
.
A
~
E
の
問
題
を
解
い
て
下
さ
い
。
. 次 の 文 章 は 、 『 竹 取 物 語 』 の 一 部 で 倉 持 皇 子 が 架 空 の 冒 険 談 を 語 る 場 面 で あ る 。 以 下 の 問 い 答 え な さ い 。 こ れ や わ が 求 む る ① 山 な ら む と 思 ひ て 、 さ す が に 恐 ろ し く お ぼ え て 、 山 の め ぐ り を さ し め ぐ ら し て 、 二 三 日 ば か り 、 見 歩 く に 、 天 人 の よ そ ほ ひ し た る 女 、 山 の 中 よ り い で 来 て 、 銀 の 金 椀 を 持 ち て 、 水 を く み 歩 く 、 こ れ を 見 て 、 船 よ り 下 り て 、 こ の 山 の 名 を ② 何 と か 申 す 。 と 問 ふ 。 女 、 答 へ て い は く 、 こ れ は 、 蓬 莱 の 山 な り 。 と 答 ふ 。 こ れ を 聞 く に 、 う れ し き こ と か ぎ り な し 。 そ の 山 、 見 る に 、 ③ さ ら に 登 る べ き や う な し 。 そ の 山 の そ ば ひ ら を め ぐ れ ば 、 世 の 中 に な き 花 の 木 ど も 立 て り 。 金 ・ 銀 ・ 瑠 璃 色 の 水 、 山 よ り 流 れ い で た り 。 そ れ に は 、 色 々 の 玉 の 橋 渡 せ り 。 そ の 辺 り に 、 照 り 輝 く 木 ど も 立 て り 。 そ の 中 に 、 こ の 取 り て ま う で 来 た り し は 、 ④ い と わ ろ か り し か ど も 、 の た ま ひ し に 違 は ま し か ば と 、 こ の 花 を 折 り て ま う で 来 た る な り 。 一 、 こ の 作 品 の 、 ア 「 文 学 史 上 の 位 置 づ け 」 イ 「 成 立 時 代 」 を そ れ ぞ れ 漢 字 で 書 き な さ い 。 二 、 傍 線 ① 「 山 な ら む 」 の 意 味 を 次 か ら 選 び 記 号 で 答 え な さ い 。 ア 、 山 で は な い 。 イ 、 山 で あ る べ き だ 。 ウ 、 山 だ ろ う 。 エ 、 山 で あ れ ば い い 。 三 、 傍 線 ② 「 何 と か 申 す 」 の 意 味 ( 現 代 語 訳 ) を 答 え な さ い 。 四 、 傍 線 ③ さ ら に 登 る べ き や う な し の 現 代 語 訳 を 次 か ら 選 び 、 記 号 で 答 え な さ い 。 ア 、 少 し も 登 る 理 由 が な い 。 イ 、 あ ま り 登 り た く も な い 。 ウ 、 こ れ 以 上 登 る 必 要 は な い 。 エ 、 全 く 登 る こ と が 出 来 な い 。 五 、 傍 線 ④ 「 い と わ ろ か り し か ど も 」 と あ り ま す が 、 そ の 理 由 と し て 最 も 適 切 な も の を 次 か ら 一 つ 選 び 、 記 号 で 答 え な さ い 。 ア 、 謙 遜 し て 見 せ る こ と で 、 真 実 味 を 加 え た い と 思 っ て い る か ら 。 イ 、 本 当 に 粗 末 な 枝 で あ る の で 、 姫 に 申 し 訳 な い と 思 っ て い る か ら 。 ウ 、 珍 し い 枝 で あ る と い う こ と を ぜ ひ と も 強 調 し た い と 思 っ て い る か ら 。 エ 、 勝 手 に 折 っ た の で 、 そ の 土 地 の 人 た ち に 申 し 訳 な い と 思 っ て い る か ら 。81 . 次 の 文 章 を 読 ん で 、 以 下 の 問 い に 答 え な さ い 。 ① 三 代 の 栄 耀 一 睡 の う ち に し て 、 大 門 の 跡 は 一 里 こ な た に あ り 。 秀 衡 が 跡 は 田 野 に な り て 、 金 鶏 山 の み 形 を 残 す 。 ま づ 高 館 に 登 れ ば 、 北 上 川 、 南 部 よ り 流 る る 大 河 な り 。 衣 川 は 和 泉 が 城 を 巡 り て 、 高 館 の 下 に て 大 河 に 落 ち 入 る 。 泰 衡 ら が 旧 跡 は 、 衣 が 関 を 隔 て て 南 部 口 を さ し 固 め 、 夷 を 防 ぐ と 見 え た り 。 さ て も 義 臣 す ぐ つ て こ の 城 に 籠 も り 、 功 名 一 時 の 叢 と な る 。 「 ② 国 破 れ て 山 河 あ り 、 城 春 に し て 草 青 み た り 」 と 笠 打 ち 敷 き て 、 ③ 時 の 移 る ま で 涙 を 落 と し は べ り ぬ 。 夏 草 や 兵 ど も が 夢 の 跡 卯 の 花 に 兼 房 み ゆ る 白 毛 か な 曾 良 問 一 、 こ の 作 品 の 、 ア 「 作 品 名 」 イ 「 作 者 名 」 ウ 「 成 立 時 代 」 を そ れ ぞ れ 漢 字 で 書 き な さ い 。 問 二 、 傍 線 ① 「 三 代 の 栄 耀 一 睡 の う ち に し て 」 と あ る が 、 こ れ と 似 た 内 容 を 表 し て い る 部 分 を 、 古 文 中 か ら 九 字 で 抜 き 出 し な さ い 。 問 三 、 傍 線 ② 「 国 破 れ て 山 河 あ り 、 城 春 に し て 草 青 み た り 」 と あ る が 、 こ れ は 唐 代 の 詩 を 引 用 し た も の で あ る 。 こ の 詩 の ア 「 題 名 」 、 イ 「 作 者 名 」 を そ れ ぞ れ 書 き な さ い 。 問 四 、 傍 線 ③ 「 時 の 移 る ま で 涙 を 落 と し は べ り ぬ 」 に つ い て 、 次 の 問 い に 答 え な さ い (ⅰ ) ど う し て 作 者 は 涙 を 流 し た の か 。 最 も 適 当 な も の を 次 か ら 選 び 、 記 号 で 答 え な さ い 。 ア 藤 原 氏 三 代 の 栄 華 を 目 の 当 た り に し た か ら 。 イ 念 願 が か な っ て 、 義 経 が 過 ご し た 平 泉 に く る こ と が で き た か ら 。 ウ 自 然 の 悠 久 さ に 比 べ て 、 人 間 の 営 み が は か な い と 感 じ た か ら 。 エ 江 戸 か ら 随 分 遠 い と こ ろ ま で 旅 を し た こ と を 実 感 し た か ら 。 (ⅱ ) 「 は べ り 」 に つ い て 、 ア 「 敬 語 の 種 類 」 と 、 イ 「 敬 意 の 方 向 」 ( a ) 「 誰 か ら 」 ( b ) 「 誰 へ 」 の 形 で そ れ ぞ れ 答 え よ 。
82 . 次 の 文 章 を 読 ん で 、 以 下 の 問 い に 答 え な さ い 。 孔 子 こ う し ⓐ の 、 弟 子 ど も を 具 し て 、 道 を お は し け る に 、 垣 よ り 、 馬 、 頭かし ら を さ し い で て あ り け る を 見 て 、 「 牛 よ 」 と の た ま ひ け れ ば 、 弟 子 ど も ① あ や し と 思 ひ て 、 あ る や う あ ら む と 思 ひ て 、 道 す が ら 、 心 を 見 む と 思 ひ け る に 、 顔が ん 回か ひ と い ひ け る 第 一 の 弟 子 ⓑ の 、 一 里 を 行 き て 、 ② 心 得 た り け る や う 、 「 日 よ み の 午う ま と い へ る 文 字 の 、 頭 さ し い だ し て 書 き た る を ば 、 牛 と い ふ 文 字 に な れ ば 、 人 ⓒ の 心 を ③ 見 む と て 、 の た ま ふ な り け り 」 と 思 ひ て 、 問 ひ 申 し け れ ば 、 「 し か 、 さ な り 」 と ぞ こ た へ た ま ひ け る 。 ( 源 俊 頼 「 俊 頼 髄 脳 」 よ り ) 問 一 、 傍 線 ① 「 あ や し と 思 ひ て 」 と は ど う い う 意 味 か 、 次 か ら 一 つ 選 ん で 答 え な さ い 。 ア 、 気 味 が 悪 い と 思 っ て イ 、 不 思 議 に 思 っ て ウ 、 不 安 に 思 っ て エ 、 珍 し い と 思 っ て 問 二 、 傍 線 ② 「 心 得 た り け る 」 と あ る が 、 顔 回 は 孔 子 が ど の よ う に 考 え た と 理 解 し た の か 。 そ れ を 説 明 し た 次 の 文 の
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に 入 る 適 当 な 言 葉 を 、 三 十 字 以 内 で 書 き な さ い 。 ・ 馬 が 垣 根 か ら 頭 を 出 し て い た こ と と 、□
こ と を 結 び つ け た 。 問 三 、 傍 線 ③ 「 見 む 」 の 意 味 を 次 か ら 選 び 記 号 で 答 え な さ い 。 ア 、 見 な い イ 、 見 る べ き ウ 、 見 る だ ろ う エ 、 見 よ う 問 四 、 傍 線 ⓐ ~ ⓒ 「 の 」 の 用 法 が 違 う も の を 記 号 で 答 え な さ い 。83 . 次 の 文 章 は 、 『 徒 然 草 』 の 抜 粋 で あ る 。 以 下 の 問 い に 答 え な さ い 。 「 も の の ① あ は れ は 秋 こ そ ま さ れ 」 と 、 人 ご と に 言 ふ め れ ど 、 そ れ も さ る も の に て 、 今 ひ と き は 心 も 浮 き た つ も の は 、 春 の け し き に こ そ あ め れ 。 鳥 の 声 な ど も こ と の 外 に 春 め き て 、 の ど や か な る 日 影 に 、 墻か き 根ね の 草 萌も え い づ る こ ろ よ り 、 や や 春 深 く 霞 み わ た り て 、 花 も ② や う や う け し き だ つ ほ ど こ そ あ れ 、 折 し も 雨 風 う ち つ づ き て 、 心 あ わ た だ し く 散 り 過 ぎ ぬ 。 青 葉 に な り 行 く ま で 、 ③ よ ろ づ に た だ 心 を の み ぞ 悩 ま す 。 問 一 、 こ の 作 品 の 、 ア 「 作 者 名 」 イ 「 成 立 時 代 」 を そ れ ぞ れ 漢 字 で 書 き な さ い 。 問 二 、 傍 線 ① 「 あ は れ 」 、 傍 線 ② 「 や う や う 」 、 傍 線 ③ 「 よ ろ づ 」 の 意 味 を そ れ ぞ れ 選 ん で 記 号 で 答 え な さ い 。 ① 「 あ は れ 」 = ( ア す ば ら し さ イ 趣 深 さ ウ 情 け な さ エ 悲 し さ ) ② 「 や う や う 」 = ( ア だ ん だ ん イ す っ か り ウ た ま た ま エ ま っ た く ) ③ 「 よ ろ づ に 」 = ( ア い た づ ら に イ 万 事 に ウ 無 意 味 に エ ひ た す ら に ) 問 三 、 こ の 文 で 述 べ ら れ て い る 内 容 を 表 し た 文 と し て 、 最 も 適 当 な も の を 、 次 か ら 一 つ 選 び 、 記 号 で 答 え な さ い 。 ア よ ろ づ の こ と は 、 月 見 る に こ そ 、 な ぐ さ む も の な れ 。 イ を り ふ し の 移 り 変 は る こ そ 、 も の ご と に あ は れ な れ 。 ウ お ご れ る 人 も 久 し か ら ず 、 た だ 春 の 夜 の 夢 の ご と し 。 エ し ば し 旅 だ ち た る こ そ 、 目 覚 む る こ こ ち す れ 。 . 次 の 問 い に 答 え な さ い 。 問 一 、 次 の 語 句 の 読 み 方 と 、 い つ の 季 節 を 表 す 季 語 で あ る か [ 春 ・ 夏 ・ 秋 ・ 冬 ] の 中 か ら そ れ ぞ れ 選 び 、 答 え な さ い 。 【 蛍 ・ 霧 ・ 霞 ・ 薬 玉 ・ 東 風 ・ 野 分 ・ 五 月 雨 】 問 二 、 「 五 月 」 の 旧 暦 ( 異 名 ) は 、 「 皐 月 ( さ つ き ) 」 だ が 、 そ の 他 一 月 ~ 一 二 月 の 旧 暦 ( 異 名 ) は 、 何 と 言 う か 。 そ れ ぞ れ 、 漢 字 と 読 み を 答 え な さ い 。
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