映画の著作物に関する国際条約及び中日著作権制度 : 頒布権を中心として
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(2) 46. 横浜国際社会科学研究. (394). 第11巻第3号(2006年9月). れている.これらを踏まえ,映画の著作物は, 著作物の一類型として,殆どの国の著作権法に. クタ-,撮影監督,美術監督などの者による共. 掲げられている.. 映画の製作や流通に係る特質にかんがみ,映画. しかし,. 1948年のベルヌ条約ブラッセル改. 同著作物ということになる場合が多い.しかし,. 正から,すでに60年近く経ち,改正の当時に. の著作物に関する監督などの著作権は,映画製 作への参加約束によって映画の製作に発意と責. 存在していなっかた映画の著作物の複製手段,. 任を有する者(映画製作者)に帰属する(同法. 流通形態が出現し,多様化してきた.すなわち,. 第29条).. フイルムからビデオテープさらにはデジタル形. 中国著作権法第2章第2節(権利の帰属)の. 式のディスクへと複製媒体が変化するととも. 第15条も法定帰属の形式で映画の著作物に関. に,映画館での上映からビデオカセットによる. する著作権は製作者(中国著作権法では,. 販売やレンタルさらにはインターネット環境に. 作」と「制作」とを区別せず,一律に「制作」. よる配信へと公衆への提僕形態が変化してきて. の用語が使われているが,本条の趣旨は,日本 著作権法と同様に「製作者」は「映画の製作に. いる.そこで,新たな国際著作権条約,たとえ ば著作権に関する世界知的所有権機関条約(以. 「製. 発意と責任を有する者」を指すものと考えられ. 下「WCT」という.)などが制定され,映画の. る.)が享有すると定めている.ただし,脚本. 著作物に関しても権利の内容の充実が図られて. 衣,監督,撮影監督,作詞家及び作曲家などの. きている.このような状況の中で,日本では,. 著作者は氏名表示権を有し,製作者と締結した. 中古ゲームソフト販売問題をはじめ,技術開発. 契約に基づいて報酬を得る権利を有すると定め. と流通形態の多様化がひき起こした紛争も多く. て,著作者と著作権者とを分離している. (2)流通の特殊性. なってきた.映画の著作物の定義,要件及び権 利の対象など問題をめぐって,裁判例上も学説 上もさまざまな解釈が出てきている.そこで,. 映画の著作物と言えば,最初に念頭に来るの は「劇場用映画」であろう.. 各国の著作権法は,技術発展のもたらした問題. 日本における映画の流通は,従来,映画会社. にどのように対応するのか,立法者にとって,. は興行収益を見越して映画館を戟略的に決定で. 現実的かつ緊迫な課題といえる.. きるような配給制度を利用していた.すなわち, 映画製作会社は,上映用のプリントフイルムを. 2.映画の著作物の特殊性. 映画館経営者に貸し渡すにとどめて,上映期間. 映画の著作物には,次の二つの特徴がある. (1)著作者は著作権者ではないこと. が終わったら,貸し渡したプリントフイルムを. ベルヌ条約第14条の2の2項(a)は「映画. 映画製作会社に返却させたり,映画製作会社の 指示の下,次の映画館-ひき継がせたりするこ. の著作物について著作権を有する者を決定する. とにより,映画を配給してきたのである.. ことは,保護が要求される同盟国の法令の定め るところによる」と規定している.すなわち,. そこで,このような慣行を前提として,映画 「映画の著 の著作物について法律の立案者は,. 映画の著作物の著作権者は,必ずしも映画の著. 作物については,映画フイルムの配給権という. 作者に限らないのである.. 形で社会的取引の実態があるということ,それ. 日本著作権法による映画の著作者となるの. から映画フイルムの場合には経済的な効用度が. は,制作,監督,演出,撮影,美術などを担当. 高く,一本のフイルムによって多額の収益をあ. してその映画の著作物の「全体的形成に創作的. げることができるということで,映画の著作物. に寄与した者」である2).したがって,映画の. が化体されたオリジナルコピーともいうべき映. 著作物は,プロデューサーや映画監督,デイレ. 画プリントの物品の価値に着目して,最初の譲.
(3) 映画の著作物に関する国際条約及び中日著作権制度(胡). 渡にとどまらず,その行先を指定する権利とし. (395). 47. (2)中国著作権法上の規定. ての頒布権が認められている」3)と説明してい. 中国著作権法第3条6項において,. 「映画の. る.このような流通の実態に鑑み,日本著作権. 著作物及び映画制作に類似する方法により創作. 法では,映画の著作物のみに対して権利の消尽. した著作物」は著作権法上の「文学的,美術的. しない特別の意布権が付与されている.. 並びに自然科学,社会科学及び工学技術などの. 中国の劇場用映画の流通もほかの映画の著作. 著作物」5)に属する.ここでいう「著作物」は. 物に比べて特徴があるが,著作権法上には,吹. 「文学,芸術及び科学分野において独創性を有. 画の著作物に関する特別な権利を定めていな. し,かつある種の有形形式を以って複製するこ. い.劇場映画の頒布行為あるいは流通は,契約 法などの民法上の規定により規制されている.. とのできる知的成果」を指すのである6). 中国の著作権法とその実施条例の規定によ り, 「映画の著作物」に該当するのは,表現方. 3.映画の著作物の構成要件. 法の要件,内容の要件,存在形式の要件を具備. ベルヌ条約上「映画の著作物」を定義する規 定はないため,各国の著作権法はベルヌ条約第. した知的成果である.表現方法の要件とは,そ. 2条の原則的な規定に従い,映画の著作物に関 する概念,範囲及び支分権の範囲などを定めて いる.本節では日本著作権法と中国著作権法上. で,音声を伴い又は音声を伴わない一連の画面 で構成され,相応しい装置により又はその他の 方法により伝達される著作物」でなされること をいう7),内容の要件とは,その作品が「文芸,. の規定を中心として検討したい. (1)日本著作権法上の規定 日本著作権法第2条3項では,. の表現が, 「一定の媒質の上に撮影されたもの. 技術,科学分野において独創性を有」する「知 「映画の著作. 的成果」であることをいう.存在形式の要件と. 物」は「映画の効果に類似する視覚的又は視聴. は,. 覚的効果を生じさせる方法で表現され,かつ,. る」ことをいう. (3)両国著作権法における「映画の著作物」の. 物に固定されている著作物を含む」と親志して 「思想又は いる.ここでいう「著作物」とは, 感情を創作的に表現したものであって,文芸,. 「有形的な形式を以て複製することのでき. 比較 「映画の著作物」に関する中日著作権法の規. 学術,美術又は音楽の範囲に属するもの」4)を. 定を比べると,いずれも「映画の著作物」を直. いう. ある表現物が「映画の著作物」に当たるか否. 接に定義する規定はないが,映画の著作物とそ. かについては,右規定を細み合わせて,表現方. の周辺の著作物を説明するときの表現は違いが ある.日本の著作権法は, 「映画の著作物」を. 法の要件,存在形式の要件,内容の要件三要件. 説明するとき,. を具備しているかを検討するのが,伝統的な審. して,中国の著作権法は,. 査方法である.表現方法の要件とは,その表現. 調している.表現形式の違いは「映画の著作物」. が, 「映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚. の範囲にも影響を与えるわけであるが,いった. 的効果を生じさせる方法」でなされていること をいう.存在形式の要件とは,その表現が「物. いどのような基準に従うべきか,また,どのよ うにべルヌ条約の「映画の著作物」に関する規. に固定されている」ことをいう.内容の要件と. 定を理解すべきか詳細な検討が必要である.. は,その表現物が「思想又は感情を創作的に表. ベルヌ条約第2条(保護を受ける著作物). 現した」ものであって,. 「文芸,技術,美術又. は音楽の範囲に属するもの」であることをいう.. 「効果」を着目しているのに対 「制作の方法」を強. において,映画の著作物に属するのは「映 画の著作物と映画に類似する方法で表現さ れた著作物」. (cinematographic. works. to.
(4) (396). 48. are. which process. 横浜国際社会科学研究. assimilated. analogous. works. by. expressed. 第11巻第3号(2006年9月). a. to. のもある.これらは必ずしも多数人が関与しな. by. いし,オリジナルをもとに複製されたプリント が配給制度のもとに劇場,映画館を転々流通す 「相当 ることもない.よって,映画の中には,. cinematography)であ 「映画に類似する方法で表現された著作物」. る.. (works. expressed. 対外的責任をもって制作するものとは異なるも. a. process. analogous. to. 「映画制作の過程の表 cinematography)とは, 現方法」なのか「映画を上映する際の表現方. 程度の流通を前提として映画製作者に著作権を. 法」なのか,ベルヌ条約には明確な説明がな. 集中させるべき映画の著作物」と,それ以外の. い.この不明確さは,各国における解釈のニュ アンスの相違をもたらした.中国の著作権法. 思想又は感情を映像で表現した著作物の2種類 があると考えるのが妥当であろう10).. は「制作の過程の表現方法」を取り入れて, 「一定の媒質の上に撮影されたもので,音声を 伴い又は音声を伴わない一連の画面で構成さ. 4.映画の著作物に関する各支分権等 (1)著作権国際条約の規定. より伝達される著作物」が「映画制作に類似. 〔映画の著作物の著 ベルヌ条約第14条の2 作権者の権利〕では, 「映画の著作物は,翻案. する方法により創作した著作物」に当たると. され又は複製された著作物の著作者の権利を害. しているのである.なお,中国の著作権法は,. することなく,原著作物として保護されるもの. 2001年の改正前は,映画の著作物の中で,映画,. とし,映画の著作物について著作権を有する者. テレビ及びビデオを並列的に規定していたが, 改正により,テレビやビデオなどが映画の著. は,原著作物の著作者と同一の権利(前条に定 める権利を含む). 作物に含まれると規定している,. 有する.」と定めている.すなわち,映画の著. れ,相応しい装置により又はその他の方法に. 日本の著作権法は「映画を上映するときの方 法」の面から理解し,. 「映画の効果に類似する. (録音権に関する権利)を享. 作者は,映画の著作物により,ほかの著作権者 と同じように翻訳権,複製権,上映権・演奏権,. 視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法」と. 放送権,録音権,上映権,頒布権,公に伝達す. 規定している.. る権利などいずれの著作権法上の権利をも享有. 映画と同様の視覚的又は視聴覚的効果を生じ させるものとは,多数の静止画像を映写幕,ブ. するわけである. また, WCTの第6条,第7条及び第8条は,. ラウン管,液晶画面その他の物に高速で連続し. 映画の著作物に譲渡権,貸与権及び公衆-の伝. て順次投影し,見る者の眼の残像現象を利用し. 達権を付与している. そのほか,. て,動きのある映像として見せるという視覚的 効果,又は映像に音声をシンクロナイズさせる. TRIPS協定における第2部第1 節の著作権及び関連する権利には,ベルヌ条約. という視聴覚的効果を生じさせるよう表現され. が付与する権利のほか,映画の著作物に貸与権. ている事を意味している8).. を付与している11).. なお,映画の著作物について著作権を有する. したがって,日本著作権法における「映画の 著作物」に該当するものは,劇場用映画に限ら. 者を決定することは,保護が要求される同盟国. ず,テレビ番組,商業用ビデオ.DVDや家庭. の法令の定めるところによる(ベルヌ条約第. 用ホームビデオ,さらにはゲームソフトなども. 14条の2(2)(a))とされており,この取り扱い. 含まれると解されている9).しかしながら,一. はWCT,. 口に映画といっても,個人的な記録映画,自主 制作映画やアマチュア愛好家によるビデオ撮影 など,映画の製作者が資金とスタッフを集め,. TRIPS協定も同様である. (2)日本著作権法上の規定 日本著作権法における第3節(権利の内容) において,映画の著作物に関する各支分権には,.
(5) 映画の著作物に関する国際条約及び中日著作権制度(胡). 公表権,氏名表示権及び同一性保持権という人 格権があるほか,複製権,上演権及び演奏権,. (397). 5.映画の著作物において翻案され又は複製さ れた著作物との関係. 公衆送信権,意布権,翻訳権,翻案権などの財. (1)ベルヌ条約の規定. 産的権利もある.. ベルヌ条約第14条〔映画化権・上映権〕に は,映画の著作物と翻案され又は複製された著. その中では,頒布権は映画の著作物に特有の 権利であり,. 「著作者は,その映画の著作物を. 49. 作物の関係を規定している.すなわち,翻案さ. その複製物により頒布する権利を専有する.」. れ又は複製された著作物(以下「原著作物」と. 「著作者,映画の著作物において複製されてい るその著作物を当該映画の著作物の複製物に. いう.)の著作者は,この原著作物により撮影 する映画の著作物に対して,頒布,上演及び演奏,. より頒布する権利を専有する」のような規定に. 並びに有線により公に伝達することを許諾する. なっている12).. 排他的権利を享有するとともに,文学的又は美. 映画の著作権の帰属については,日本著作. 術的著作物を原作とする映画の作品を他の美術. 権法第29条の規定により,映画製作者に自動. 形式に翻案することは,その映画の作品の著作. 的に権利が帰属することとされている(法定帰. 者の許諾の権利を害することなく,原作物の著. 属).. 作者の許諾を必要とすることとされている17).. (3)中国著作権法上の規定. したがって,小説や脚本,あるいは音楽,莱. 中国著作権法第2章の第1節(著作権者及び. 術作品など映画の著作物において翻案され又は. その権利)における映画の著作物に関する著作. 複製された著作物の著作者については,映画の. 権には,公表権,氏名表示権,変更権及び同一. 全体的形成に大きな影響を与えて創作的な寄与. 性保持権という人格権を定めており,複製権,. をしているものではあるが,映画自体の著作者. 発行権,貸与権,上映権,放送権,情報ネット. とはならない.しかし,原著作者は自分の著作. ワーク伝達権,翻案権,翻訳権,編集権又は著 作権者が享有すべきその他の権利などの財産権. 物により制作された映画の著作物に対して,排. も規定されている.. (2)日本著作権法上の規定. 他的な権利を持っているわけである.. この一連の権利のうち,上映権はベルヌ条約. 日本著作権法ではベルヌ条約の規定に従い,. に基づくものであり,映画の著作物及び映画制. 原作者などは,自己の著作物を原著作物とする. 作に類似する方法により創作した著作物等に認. 二次的著作物の利用に関する権利を介し,二次. められている.また,貸与権は,. 的著作物の複製権,上映権などの権利を専有す. TRIPS協定. に基づくものであり,映画の著作物,映画制作 に類似する方法により創作した著作物及びコン ピュータ・ソフトウェアに認められている13).. 映画の著作物の著作権は製作者が享有するこ. ることになる18).. なお,映画の著作物の複製に際しては,出 演した俳優等の実演家の権利にも関係してくる. ととされている14).ただし,脚本家,監督,梶. が,映画の著作物に寄与した,俳優などの実演 家は,著作権法第4章(著作隣接権)により録. 影監督,作詞家及び作曲家などの著作者は氏名. 音権,録画権,放送権,有線放送権,送信可能. 表示権を有し,製作者と締結した契約に基づい. 化権等の著作隣接権を有しているとはいえ,俳. て報酬を得る権利を有する15).映画の著作物及. 優の許諾を得て映画の著作物において録音,蘇. び映画制作に類似する方法により創作した著作. 画された実演については,その後の映画の著作. 物に含まれる脚本及び音楽など個別に使用でき. 物の増製に閲し,著作隣接権の規定が適用され. る著作物の著作者はその著作権を個別に行使す. か、19).このことから,俳優が!映画に出演す. る権利を有する16).. るときの契約においてのみ二次利用を含む報酬.
(6) 横浜国際社会科学研究. (398). 50. 第11巻第3号(2006年9月). などの条件を決めることができるという意味. 利が消尽するか否かを説明しようと試みた.し. で,ワンチャンス主義という.したがって,いっ. かし,日本著作権法上の頒布権とはすべての著. たん実演家が許諾をした上で映画に出演した以. 作物の頒布行為に対する排他的許諾をする権利. 上,映画製作者は,ビデオ化やテレビ放送をす. ではなく,映画の著作物のみに付与される権利. るに際し,実演家の許諾を得る必要がない.俳. である.そこで,虜布権を理解するため,まず, 頒布の概念から整理する.. 優は,映画に出演するときに,その出演契約に おいて,ビデオ化やテレビ放送する場合の報酬 についても取り決めておく必要がある20). (3)中国著作権法上の規定 中国著作権法も同じように,原著作物の著作. 1.頒布の概念について (1)国際条約上の規定. 者には,一連の財産的な「権利の行使を他人に. ベルヌ条約の第14粂(1)(i)により,映画の 著作物の原著作物の著作権者には, 「その著作. 許諾し,約束又はこの法律の関連規則にした. 物を映画として翻案し及び複製すること並びに. がって報酬を得る」権利を与えることになって. このように翻案され又は複製された著作物を頚. いる21).すなわち,原著作物の著作者は,自分. 布すること」を許諾する排他的権利が与えら. の著作物により製作された映画の著作物を他人. れているが,第14条の2(1)により,. が複製などの利用行為を許諾する排他的権利を 享有しているのである.. 著作物について著作権を有する者は,原著作物. なお,俳優などの権利は実演家の権利により,. 「映画の. の著作者と同一の権利(前条に定める権利を 含む.)を享有する」と規定している.すなわ. 「実演家であることを表明する権利」及び「歪. ち,原著作物の著作権者と映画の著作権者両方. 曲から実演を保護する権利」といった人格権並. とも映画の著作物の頒布行為に対する排他的な. びに放送権,公衆への伝達権,録音録画権,実. 権利を持っているわけである.しかし,ベルヌ. 演の録音録画物による複製権,発行権及びネッ. 条約では,あらゆる嶺布行為に対して必ず頚布. トワーク上の伝達権を享有する.また,実演家. 権が及ぶか否かについて明確でなく,さらに,. は,その実演に関しては,報酬を得る権利も付 与されている(「中国著作権法」第37条).こ. 頒布行為さえ具体的解釈もないのである.英文. れによると,俳優などの実演家は映画フイルム やビデオなどへの増製に際しても許諾権を持つ. (distribution)という意味は, の「頒布行為」 (人が) (物を)分配する,割り当てる,配布す る及び散布する,ばら撒く,分布する行為など (「ジーニアス英和辞典」)を指すが(separate. ことになるが,映画の著作物の円滑な流通を考 えると,このような権利が障害となる可能性が. something. ある.映画の著作物における実演家の権利につ. person. いては何らかの調整規定が必要ではないかと考. place. えられる. 二. 頒布権について. 日本における中古ゲームソフトをめぐる紛争 は主に頚布権の有無及び権利が消尽するか否か. into parts or. thing. ;. and. spread. give. a. share. something,. to each scatter,. OXFORD parts) (rSHORT DICTIONARY」),ベルヌ条約の英語本文とフ at. different. ランス語本文には相違がある.英語版には"顔 布distribution''(頒布)という語が使用されて いるが,一方,フランス語版には``流通させる mise. en. の中では,原告,被告又は裁判所側いずれもベ. circulation''という表現が使用されて いる.これについて,英語の「頒布」は前釈の 後半どおりに解釈される.すなわち,最初の頒. ルヌ条約やWCTなどを引用し,条約の規定に. 布のみの意味と,それ以後の段階を含む,頚布. より,中古ゲームソフトの頒布権の有無及び権. のすべて行為の意味である.他方,. を中心にして展開されたのであって,その訴訟. 「流通させ.
(7) 映画の著作物に関する国際条約及び中日著作権制度(胡). (399). る」という表現には最初の嶺布の意味だけが示. 渡や貸与行為を指す.しかし,映画の著作物に. されているように思われる.. ついては,それらのほか,. ベルヌ条約では,英語とフランス語との解釈. 51. 「公衆に提示するこ とを目的としての譲渡又は貸与する」行為であ. に相違がある場合にはフランス語によるとされ. れば,その譲渡又は貸与の相手方が特定少数で. ているため22),基本的には最初に流通に置くこ とを頒布と解するものと考えられる.しかし,. あっても,嶺布に当たるとしているのである. (3)中国著作権法上の意味. 映画の著作物の今日の流通の実態を考えると,. ベルヌ条約及びWCTの「頒布」の意味に当. ベルヌ条約上の嶺布行為とは,映画の著作物及 び複製物を公に提供する行為を指し,譲渡など. たるのは,中国著作権法では「発行」というこ. の段階の回数を問わないものと位置づける方が 妥当ではないかと思われる.. なわち著作物又はその複製物を販売又は贈与の. 他方,ベルヌ条約の1971年の改正から20年. とであって,第10条6項により,. 「発行権,す. 方式により公衆に提供する」行為を指す.これ は具体的に,所有権の移転が伴って初めて発行. ほどが経過した1996年に,情報技術の発達や. とみなすことができるというように,. 社会経済状況の変化に対応すべく,新たに制定. 第6条に合わせた規定になっている.すなわち,. されたWCTでは,譲渡権と貸与権が設けられ. 所有権の移転が伴わないものは貸与とみなされ. ている.このうち「譲渡権」に, 「著作物の原 作品及び複製物について,販売その他の譲渡に. るものである.文言上では,所有権の移転が伴. より公衆-の供与」をする行為であると規定し. 含まれているが,中国著作権法上の「発行」に. ており,ベルヌ条約では不明であった頒布行為. はならないのである.なお,著作物の貸与行為. の具体的内容が明らかになっている.すなわち,. に対して,. WCTは,ベルヌ条約をさらに発展させて,咲 画の著作物に限定せず,一般の著作物の頒布行. フトウェア」のみに権利が及ぶようになってお り24),それ以外の著作物の貸与行為は自由であ. 為に対して,譲渡権を与えたのである.なお,. る.. このような頒布行為は貸与行為を除き,販売な どの所有権を移転する行為のみに着目している. 2.頒布権の意義. といえる.. (1)国際条約上の頒布に関する権利の変遷. (2)日本著作権法上の意味 もともと,日本語の「頒布」は「広く行き渡. わない貸与行為は,. WCTの. 「公衆に提供する」行為に. 「映画の著作物及びコンピュータソ. ベルヌ条約のブラッセル改正規定(1948年) において,映画の著作物の上映,頒布行為に. るように分かち配ること」を意味するが,日本. 対する排他的権利が創設されたことが著作物の. 著作権法上の「頒布」は「有償であるか又は無. 頒布に係る権利の萌芽と考えられる.その後,. 償であるかを問わず,複製物を公衆に譲渡し, 又は貸与することをいい,映画の著作物又は. 1996年に制定されたWCTにおいては,各締 約国が消尽の条件を定めることができることと. 映画の著作物において複製されている著作物に. されているものの,著作物の原作品又は複製物. あっては,これらの著作物を公衆に提示するこ. の頒布について著作者の権利を認めることとさ. とを目的として当該映画の著作物の複製物を譲. れている25).. 渡し,又は貸与することを含むものとする」と. (2)日本著作権法上の取扱い. されている23).文言上前段の頒布を,基本的. 日本著作権法第2条第1項第19号では, 「頚 布」は, 「有償であるか無償であるかを問わず,. な頒布の態様とする裁定の仕方となっている. つまり,一般的な著作物の頒布は,有償である か又は無償であるかを問わず,公衆に対する譲. 複製物を公衆に譲渡し,又は貸与することをい い,映画の著作物又は映画の著作物において複.
(8) 横浜国際社会科学研究. (400). 52. 製されている著作物にあっては,これらの著作 物を公衆に提示することを目的として当該映画 の著作物の複製物を譲渡し,又は貸与すること を含むものとする」と定義されている.嶺布権 「その映画の著作物をその複製物により頒. は,. 第11巻第3号(2006年9月). い頚布権の導入が必要となり,前述の審議会で は, 「著作物等の頒布が著作物等の利用による 経済的利益を獲得する主要な手段の一つである ことを考えれば,頚布についての著作者等の意 思を反映させることは権利者の保護という観点. 布する」,又は「映画の著作物において複製さ. から見ても重要な点である.さらに,著作物等. れているその著作物を当該映画の著作物の複製. 一般に対して頒布権を認めることにより,違法 複製物が嶺布される場合や旗布権者の許諾を得. 物により頒布する」権利である26). 以上の規定から見れば,日本著作権法におい. ずに複製物が頒布される場合には,盾布権侵害. ては頒布行為の対象と頒布権の対象が違うので. として差止請求の対象となりうることになるな. ある.頒布行為は,著作物全般に行い得るもの. ど,著作者等の保護に資するものと考えられ. であるのに対して,頒布権は映画の著作物を介. る」と述べ,映画に限定しない頒布権とする方. する場合のみに行使される.すなわち,日本著. 向性を示したものである.. 作権法では,頒布権は映画の著作物,映画の著. ただし,従来から,映画の著作物には,フイ. 作物において複製されている著作物及び映画の. ルム配給を前提とした強力な頒布権を認めてい. 著作物において翻案されている著作物について. たことや著作物の種類を問わない貸与権を認め. のみ認められており,それ以外の著作物につい. ていたことなどとの関係から,映画以外の著作 物には,第一譲渡により消尽する譲渡権を認め. ては,頒布行為のうち貸与に関する権利(貸与 権)と,譲渡に関する権利(譲渡権)に区分し. 以上述べたとおり,日本著作権法上の頚布権. て認められている.. なぜ映画の著作物のみにこのような嶺布権が 「著作権審議会第一委員 付与されているのか, 会審議のまとめ」. (平成10年12月)では,吹. のように説明している. ① 映画の製作には多額の資本が投下されてお. ②. は,配給制度により映画の著作物の複製物の流 通をコントロールする又は投資資本を回収する ために,設定されたものである.その結果,演 布権の定義と権利対象の範囲は,ベルヌ条約と. り,複製物1本あたりの経済的価値が高いた. wcTなどの国際条約における頒布権に関する 規定と違いがあるわけである.国際条約上の頒. め,その流通,利用を効果的にコントロール. 布権に当たる権利は,日本著作権法上の譲渡権. して効率的な資本回収を図る必要があるこ. といえる.. と.. (3)中国著作権法上の取り扱い. 配給制度により複製物の流通がコントロー. ルされている事態があること. ⑨ 上映権だけでは,意図しない上映を事前に. ④. るという形で,立法的解決を図ったのである.. 中国著作権第10条6項には,. WCTにおけ. る頒布権を「発行権」と規定しており,. 「著作. 物又はその複製物を販売又は贈与の方式により. 押さえることが困難であることから,その前. 公衆に提供する権利」とされている.すなわち,. 段階である頒布行為を押さえて上映権の実効. 所有権の移転が伴って初めて公衆に提供する行. 性を確保する必要があること.. 為に関わる権利である.この頒布権とWCTに. ベルヌ条約では映画の著作物に関してのみ 頒布権が認められていること.. おける頒布権の定義はほぼ同じであるほか,日 本著作権法上の「譲渡権」とも似ている. 行権」はすべての著作物について認められる. しかし,. 1996年にWCTフうミ制定され,同条. 約を批准するためには,著作物の種類を問わな. が, 「貸与権」は映画の著作物とコンピュータ・ ソフトウェアについてのみ認められる.. 「発.
(9) 映画の著作物に関する国際条約及び中日著作権制度(胡). (401). 前述のとおり,中国著作権法における嶺布権. は「著作物の原作品及び複製物を,販売その他. は,一般の著作物の頚布行為をコントロールす. の譲渡により公衆へ僕与する」行為を指す.こ. るために設定された権利であって,その権利の. れに対して,貸与行為とは「著作物の原作品又. 定義及び対象はWCTにおける規定と同じであ. は複製物を公衆-商業的に貸与する」行為を指. る.というのは,. す.. 2001年著作権法が改正され. たとき,各支分権はベルヌ条約に基づくほか,. 53. かつての著作物の中古販売行為は主に古本業. WCTの規定についても参考としたためであ. を指していたが,デジタル技術により品質が劣. る.. 化しにくい商品が登場するとともに,中古販. 一方,中国が成立した1949年以降,映画の 著作物に関する権利は映画製作場に帰属される. 売はビデオゲーム,. ことになっていたが,最初の中国著作権法が制 定された1990年代までは中国では計画経済が. けるビデオゲームをめぐって映画の著作物の頒 布権及び嶺布権の消尽などの法的紛争が引き起. 行われており(中国の社会主義市場経済政策は,. こった.それらの紛争では,著作物の中古販売 行為を再譲渡として位置づけていたのである.. 1992年中国共産党第14次全国人民代表大会で 提出されて確立した),その利益も映画製作場. DVDやCDなど書籍以外. の商品に及ぶことになった.そして,日本にお. そこで,著作物の中古販売行為と譲渡行為及び. に返還したわけである.しかし,その計画経済. 貸与行為を比較した上で,中古販売行為は譲渡. 時代の映画製作場は国有のものなので,映画の. として位置づけたほうがよいのか,独立の淀通. 著作物の著作権者は実際には国家であり,映画. 形態として位置づけたほうがよいのかについて. の流通も国家にコントロールされたものであっ. 検討する.. た.したがって,日本における映画の配給制度. のように私権によらて流通をコントロールする. 一般的に,商品を譲渡する場合には,譲渡 人は目的物について有する権利を譲受人に移. 制度は中国では全くなかった.よって,中国著. 転し,譲受人は譲渡人が有していた権利を取得. 作権法上の権利を設定するときには,日本著作. するものであり,著作物又はその複製物が譲渡. 権法と比べて,関連業界の既得権益などを考慮 する必要性が少なかったといえる.日本著作権. の目的物として市場での流通に置かれる場合に ち,譲受人が当該目的物につき自由に再譲渡を. 法が,著作者の利益の保護より,むしろコンテ. することができる権利を取得することを前提と. ンツ業界の利益をバランスした結果といえるこ とに対して,中国の著作権法は,国家の成果で. して,取引行為が行われるものである.広辞苑 によると,. あると言えよう.中国著作権法上の立法過程で. す」とは「あとで返してもらう約束で一時的に. は,日本のような流通の慣習をめぐる問題が生. 他人に金品や場所を渡したり,使わせたりする」. じず,国際条約との間の整合性に影響するよう. ことである.よって,貸与行為は目的物を公衆. な事態は発生しなかった.. に一時的に渡すことであると理解される.した. 「貸与」は「貸すこと」であり,. 「貸. がって,譲渡と貸与の区別は,目的物の物権つ 貸与及び中古販売行為 3.映画の著作物の譲嵐 (1)著作物の中古販売行為の位置づけ 従来より,国際条約においても,各国の著作. まり所有権の移転に伴うのか否かによって判断 できるものである.-そこで,目的物の流通実態 からみると,中古販売行為は譲受人の再譲渡行. 権法においても,著作物に関する流通形態は殆. 為により目的物を販売する行為に過ぎない.し. ど譲渡と貸与に分けているが,著作権が著作物. かし,仮に同じ目的物が多数の譲受人と同じ販. の中古販売行為に及ぶかどうかについて明記し. 売店との間で譲渡が繰り返し行われると,こゐ. ているものはない.. ような行為は販売行為というより,むしろ貸与. WCTにおける譲渡行為と.
(10) 54. (402). 横浜国際社会科学研究. 行為と似ている.. 第11巻第3号(2006年9月). 販売行為に著作権が及ばないことで,著作権者. 他方,著作物及びその複製物と一般の商品と 比べ,特有な性質がある.一般の商品の場合,. の利益を害する現実に鑑み,法律上は中古販売 行為を独立の流通ルートと位置づけ,それを規. 販売された商品は,商品自体が消費者により使. 制することが緊迫した課題であり,貸与権のよ. われているのに対して,著作物の場合,その複. うな権利の創設又は,著作権者に対する補償金. 製物自体が消費者により使われるのではなく,. の創設がありえるのであろう. (3)中国における著作物中古販売行為. その内容が使われているわけである.したがっ て,一般の商品の場合は何回もの譲渡又は貸与. 中国では,著作物に関する貸与及び中古販売. により消耗しやすいことに対して,著作物の場. 行為は,日本のような産業として存在していな. 合は,ビデオソフトやCDなどのデジタル技術. いため,著作権者の利益にあまり影響を与えて. により作られた媒体によって,劣化しにくい場 合が多いので,何回譲渡又は貸与しても作品と. いない.映画の著作物の中古販売及び貸与にお DVDな ける著作物は殆どビデオカセットや,. しての価値を減じることなく利用することがで. どの録音録画製品として販売されているが,咲. きる.その結果,ビデオソフトの中古販売は新. 画のフイルムを販売又は貸与する事業者はあま. たな流通ルートとして,譲渡及び貸与と同様に. りない. 他方,中国においてはビデオカセット,. 著作権者の利益に影響を及ぼす流通実態になっ ている.. などの海賊版問題がかなり深刻化しているの. (2)日本における著作物の中古販売. で,著作権者にとって,海賊版の撲滅は一番重. 「2001CESAゲーム自書」. (社団法人コン. 要なことであろう.. ピュータエンターテインメントソフトウェア. 中国がWTOに加入することに伴って法的. 協会,平成13年7月発行)によれば,ソフト. 枠組みを強化することにより,今後は,海賊版. ウェアの年間購入数は,東京ゲームショウ来場. の数も減少していくことが考えられるため,著 作物,とりわけCDやビデオカセットの中古販. 者調査(東京ゲームショウに来場した10-39 才の男女を対象としたサンプリング調査, 年で1024のサンプル数)では, 古比率が27.5%,. 2001. 1999年の中. 2000年が37.3%,. 2001年が. CD. 売及び貸与もいずれ産業化することが予測し得 る.そこで,どのように中古販売行為を規制す るのか又は中古販売に対してどのように法的枠 組みを構築するのか将来の課題になるだろう.. 34.2%となっている.また,一般生活者調査(育 都圏及び京阪神に居住する3-59才の男女を 対象としたサンプリング調査, のサンプル数)では,. 2000年は1062. 2000年の中古比率は2. -3割となっている.一般生活者調査における ゲーム参加者の中古利用比率は1998年49.0%, 1999年48.7%, 年30.2%,. 1999年29.0%,. 映画の著作物に関する頒布権の消尽について. 1.権利消尽の理論 権利消尽とは, 「著作物や特許製品等,知的 財産権の対象たる商品が権利者の同意の下に置. 2000年46.2%となっている.. また,ソフトウェアの中古購入比率は,. 三. 1998. 2000年31.7%となっ. かれたときは,その商品に関する当該知的財産 権はその目的を達成したものとして消尽し,ち はや当該知的財産権を同一物について主張す. ている.これらの調査によれば,年間購入本数. ることはできか、という考え方」である28).権. のうち大体3割前後が中古品となっている27). したがって,著作物の中古販売行為は貸与行. 利消尽は知的財産の円滑な流通を保障するため. 為と並び,新品の販売と異なる著作権者の利益. とができる.. に大きく影響する流通実態になっている.中古. に,権利者の権利に課する一つの制限と言うこ 権利消尽論にはその効果が生ずる範囲をめ.
(11) 映画の著作物に関する国際条約及び中日著作権制度(胡). (403). ぐって,国内消尽論,域内消尽論,そして国際. における一般法原理として,明文の規定が設け. 消尽論の三つの考え方がある.このうち,国内. られる前に,裁判例によって確立された法原理. 消尽論は,権利の消尽が生ずる範囲を各国内で. である.. 55. 流通に置かれた場合にのみ限定する考え方で, 域内消尽論はその範囲を国境を越えた一つの経 済圏にまで拡大する考え方である.そして,国. 2.日本における権利消尽の解釈 日本においては,特許法の分野における権利. 際消尽論は,いったん知的財産権者の同意の下. 消尽理論は,大正時代から判例により広く承認. で流通に置かれた商品については全世界でその. されている30).さらに,最高裁判所は,平成9. 商品に関する知的財産権が消尽するというもの. 年7月1日最高裁判所第三法廷判決(BBS事. で,この考え方に立てば並行輸入は原則自由と. 件上告審判決)31)において,原審の特許権の消. なる29).. 尽を認めた結論を維持した.また,. 権利の消尽については, では,. TRIPS協定第6条 「この協定に係る紛争解決においては,. 「半導体集. 積回路の回路配置に関する法律」はこの一般法 原則である「権利消尽の原則」を立法的に確認. 第3条及び第4条の規定を除くほか,この協定. し,同法12条3項には,その旨の明文が設け. のいかなる規定も,知的所有権の消尽に関する 問題を取り扱うために用いてはならない」と定. られている.消尽理論は,特許などの分野では, 既に最高裁判例によって確立された法理論であ. めている.すなわち,知的所有権の消尽に関す. るといえる.. る問題は各国の国内法に委ねることになる.こ. しかし,著作権法の分野における権利消尽. れに対して, WCT第6条2項においては,読 渡権の消尽に閲し, 「この条約のいかなる規定. に関する規定は,一般的な著作物について,辛 成11年の法改正により譲渡権が創設された際,. ち,著作物の原作品又は複製物の販売その他の. その権利は最初の譲渡が適法に行われた後の複. 譲渡(著作者の許諾を得たものに限る.)が最. 製物に対しては適用しないことが明文で規定さ. 初に行われた後における(1)の権利の消尽につ. れた32)ちのの,映画の著作物の頒布権の消尽. いて,締約国が自由にその条件を定めることを 妨げるものではない」と規定されている.譲渡. については,そのような明文の規定がなかった. 権に関する消尽は,著作物の原作品又は複製物. が分かれていた.. の販売その他の譲渡が最初に行われた後におけ. ため,特に劇場用映画以外の分野において見解 日本著作権法第26条では,. 「著作者は,その. る権利の消尽を指す.しかし,消尽の条件,す. 映画の著作物をその複製物により頒布する権利. なわち国内消尽に留まるか,あるいはそれに加. を専有する.. え国際消尽まで認めるかの条件については,柿 約国が自由に定めることができるが,国際条約. いて複製されているその著作物を当該映画の著 作物の複製物により嶺布する権利を専有する. 」. レベルのコンセンサスにはいたっていない.. と定めているが,その頒布権は第一頒布により. 2.著作者は,映画の著作物にお. 外国では,著作者の権利として譲渡権を規定. 消尽するのか否か明文に規定されていない.し. している国と,そうでない国があり,譲渡権を. かし,中古ゲーム・ソフトの頒布権について 争われた訴訟において最高裁は,映画の著作物. 認めている国では譲渡の意味を限定したり,第 一販売などで譲渡権は消尽する法原理(消尽理 論やファーストセールドクトリン)を認めたり している.また,消尽理論やファーストセール ドクトリンは,米国,ドイツなどでは,工業所 有権のみならず,著作権を含む知的財産権一般. にのみ頒布権が認められたのは,. ①映画制作に. は多額の資本が投下されており,流通をコント ロールして効率的に資本を回収する必要があっ たこと, ②著作権法制定当時,劇場用映画の取 引については,専ら複製品の数字にわたる貸与.
(12) 56. 横浜国際社会科学研究. (404). を前提とするいわゆる配給制度の慣行が存在し ていたこと,. ⑨著作権者の意図しない上映行為. を規制することが困難であるため,その前段階 である複製物の譲渡と貸与を含む嶺布行為を規 制する必要があったことが理由であるとしてい る.その上で,. 「このような事情から,同法26. 第11巻第3号(2006年9月). の目的を達成したものとして消尽し,もはや著 作権の効力は,著作権者において当該ゲーム・ ソフトの中古品を公衆に再譲渡する行為には及 ばないと判断されたことにより, 「映画の著作 物」が「劇場用映画」と「非劇場用映画」に分 けられ,同じの頒布権の下で違う待遇が与えら. 条の規定の解釈として,上記配給制度という取. れたことになるのである.次に,権利消尽は知. 引実態のある映画の著作物又はその複製物につ. 的財産権の一般的な原則として適用すべき考え. いては,これらの著作物を公衆に提示すること を目的として譲渡し,又は貸与する権利が消尽. 方であるが,わずか劇場用映画の配給制度とい. しないと解されていたが,同法26条は,映画. 原則規定から除外するのは理解しにくい.劇場. の著作物についての嶺布権が消尽するか否かに. 用映画の流通は,映画の著作物の製作者と配給 会社との間の契約に基づいて,投下資本の回収. ついて,何らの定めもしていない以上,消尽の 有無は,専ら,解釈に委ねられていると解され る.そして,公衆に提示することを目的としな. う慣行のために, 「劇場用映画」の頒布権をその. や円滑な流通を完全に保障できるはずなので, フイルムの配給についても慣行にとらわれるこ となく,法律上は,嶺布権消尽の一般原則を適. い家庭用テレビゲーム機に用いられる映画の著 作物の複製物の譲渡については,市場における. 用し,その後の涜通については,契約に委ねる. 商品の円滑な流通を確保するなど(中略)の観. こととする考え方も採り得るのではないか.. 点から,当該著作物の複製物を公衆に譲渡する 権利は,いったん適法に譲渡されたことにより, その目的を達成したものとして消尽し,もはや. 3.中国における権利消尽に関する実情 中国の著作権には,権利消尽について明文の. 著作権の効力は,当該複製物を公衆に再譲渡す. 規定がないが,. る行為には及ばないものと解すべきである」と. 尽は,知的財産権の一般的な原則として理解さ. 判断している33).. れている.そして,. 最高裁の判決においては,. 「本件ゲームソフ. WTOの加入とともに,権利消 「映画の著作物」は一般的. な著作物として規定されているので,日本の著. トが,著作権法2条3項に規定する映画の効果. 作権法における頒布権と譲渡権及び貸与権のよ. に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせ. うな区別規定もない.現実には,映画のフイル. る方法で表現され,かつ,物に固定されている 著作物であり,同法10条1項7号所定の映画. ムを貸与して,劇場で上映されることもあるが, 紛争はひき起こっていない.これは,中国の映. の著作物に当たるとした原審の判断は,正当と. 画は昔から国有の映画製作場で作られていたた. 「本 して是認することができる」とし,さらに, 件各ゲームソフトが映画の著作物に該当する. め,映画の製作者は製作場或いは国家だったか. 以上,その著作権者が同法26条1項所定の頒. 的財産権を保護する意識も薄かったので,映画. 布権を専有するとした原審の判断も,正当とし. のフイルムなどの著作物を貸与するのは,普通 だったのである.しかし,市場経済が導入され,. て是認することができる」としたにもかかわら ず,配給制度にみられるような消尽しない嶺布. らである.当時は,計画経済の下で,国民の知. 国際条約の加入と共に,中国の知的財産制度も. 権をゲームソフトに対しては認めなかったこと. だんだん充実してくるので,権利者の保護意識. について,二つの点で合理性に疑問を持つ.ま ず, 「映画の著作物」としてのゲーム・ソフト. も強くなってくる.特に,映画などの著作物の 制作は国有製作場から分離されて,知的財産権. については,頒布権のうち譲渡する権利は,そ. も昔の公権から私権に変わっているので,将来,.
(13) 映画の著作物に関する国際条約及び中日著作権制度(潤). 映画の著作物の中古販売,貸与などに関する紛. (405). 57. 争も予測しうる.したがって,著作権の消尽の. ベての映画の著作物に適用されないことは,論 理的に理解しにくいうえに,投資回収の理由の. 問題は,今後の中国知的財産権制度にとって重. みから劇場用映画の著作物頒布権が消尽しない. 要な課題である,. 解釈は不合理であろう. (3)映画の著作物の著作者と著作権者或いは製 四. まとめ. 1.日本著作権法における映画の著作物に関す る規定の問題点 (1)頒布権の規制行為と頒布行為とが一致しな いこと. 作者が混同すること. 「映画の著作物の 日本著作権法第16条では, 著作者は,その映画の著作物において翻案さ れ,又は複製された小説,脚本,音楽その他の 著作物の著作者を除き,制作,監督,演出,梶. 前述のとおり,ベルヌ条約とWCTにおける. 影,美術等を担当してその映画の著作物の全体. 頒布権は,一般的な著作物の頒布行為に関して. 的形成に創作的に寄与したものとする.」と定. 著作権者に付与された権利であり,それに対し. めており,また,第29条により,映画の著作 物の著作者が第21条から第28条までの規定に. て,日本著作権法における頒布権は映画の著作 物のみ付与された権利である.第26条1項で. 基づき有すべき著作権を映画製作者又は映画製. は「著作者は,その映画の著作物をその複製物. 作者としての地位に立つ放送事業者もしくは有. により頒布する権利を専有する.」と規定され. 線放送事業者に帰属させることを定めている.. ているが,日本著作権法における旗布行為の定 義は,一般的な著作物の複製物の場合は,有償. すなわち,映画の著作物の著作権者は映画の著. 又は無償で「公衆(特定多数人又は不特定人)」. 法第26条第1項の規定では,. に対して譲渡又は貸与することであるが,映画. 映画の著作物をその複製物により頒布する権利. の著作物の場合は,そのような場合だけではな く,公衆への提示を目的として,公衆には該当. を専有する.」と規定しており,ここでいう「著. しない特定の限られた人に複製物を譲渡したり 貸与したりすれば,たとえそれが一本のフイル ムであったとしても,. 「頒布」に該当する.そ. 作者ではなく,映画製作者である.しかし,同 「著作者は,その. 作者」は,映画の著作物の著作者を指すのか著 作権者を指すのか疑問が起こりやすい.もし, 第16条の映画の著作物の著作者の定義に従う ならば,ここで規定されている旗布権は,映画. のため,日本著作権法では,一般的な著作物に 対する譲渡権,貸与権と,映画の著作物に対す. の制作,監督,演出,美術等の担当者に与えら れるべきであるが,実は,この頚布権は,第29. る嶺布権とを区別して規定しているが,著作権 法の専門家以外にとっては,理解しにくい規定. 条の規定により映画製作者若しくは放送事業者. になっている.また,頚布行為には,譲渡及び 貸与行為が含まれるが,映画の著作物の譲渡と. 混乱を避けるため,第26条の頒布権に関する. 貸与行為に対し,頚布権という一つの権利とし. ことが考えられる.. に与えられることになる.したがって,理解の 規定には,. 「著作者」を「著作権者」に改める. て設けられていることについては,国際条約上 の表現とも一致していないため,混乱が生じや すい.. (2)頒布権が消尽しない原則がすべての映画の 著作物に適用されないこと. 2.映画の著作物の頒布権制度の構築に関する 考え方 (1)映画の著作物についても譲渡権と貸与権を 認めること. 前述のとおり,頒布権は映画の著作物に付与. 前述のとおり,日本著作権法における頒布権. されている以上,虜布権が消尽しない原則がす. は映画の著作物のみに設けられる権利であり,.
(14) 58. (406). 横浜国際社会科学研究. 第11巻第3号(2006年9月). 意布行為と一致していない上に,国際条約上の. 題が生じるかもしれない.そこで,中古販売行. 頒布権の概念とも一致していないので,混乱を. 為のような営利目的の再譲渡による頒布に対し. ひき起こす恐れがあるため,映画の著作物を一 般的な著作物に扱うこととし,その頒布行為も. て経済的な補償義務を課すようなシステムを構 築することが考えられる,これは,レコード製. 譲渡権及び貸与権の下で規制される制度が設け. 作者-の放送二次使用料支払義務を課している. られるべきである.日本の現在の著作権法制定. 制度に類似の制度であり,そのような考え方も. 当時,映画の著作物に関しては,劇場用映画が. あり得るのではないか.. 中心であり,ゲームソフトやビデオ用映画など. なお,仮に,従来からの配給制度-の影響を. は存在していなかったため,フイルムの配給と. 考慮して権利の消尽しない頒布権を認めるとし. いう流通システムを前提として,投資資本を回 収するための権利が必要と考えられていた.し. ても,著作物の円滑な流通の観点からは,その 権利は大幅な制限を受けてもやむをえないもの. かし,今日では,技術の発展により,映画の著. と考えられる.その場合,中古販売行為が著作. 作物については,劇場用映画以外にも多様な形. 権者の利益に影響を及ぼすのであれば,権利制. 態のものが出現しており,資本が投資されてい. 限に伴う経済的利益の補償として補償金支払義. る場合が多い.にもかかわらず,権利の消尽し. 務を課すことは可能であろう.近年の技術発展. ない嶺布権が劇場用映画にしか認められないの. に伴い,著作権の制限規定も,許諾を得ずに無 料で著作物を使用できるという時代から,許諾. は不合理であるとの批判が考えられる.そこ で,仮にすべての映画の著作物に権利の消尽し ない頒布権を付与した場合,著作物の円滑な. を得る必要はないが,補償金を支払うこととす. 流通を阻害するという問題が生じてしまう恐れ. るような方向に変わりつつある.例えば,家庭 内における私的な録音録画の増大に対し,利用. がある.したがって,映画の著作物を一般的な. 者と権利者との利益の調整を図るため,私的録. 著作物と同様に扱い,. 音録画は自由かつ無償という従来の秩序を見直. WCTなどの国際条約に. おける頒布権或いは譲渡権及び貸与権と一致さ. し,デジタル方式の録音録画については補償金. せて,理解しやすい規定を定めることが望まし. の支払義務を課すこととした制度は,権利制限. い.投資回収及び流通のコントロールなどの問 題は,契約に基づいて,或いは,別の権利制限. の発展型と言えるだろう.このような報酬請求 権制度を立てることにより,映画の著作物の嶺. と補償金制度を設け,解決できるはずであろう.. 布権を第一譲渡により消尽することとしても,. (2)映画の著作物の中古販売行為に対する補償. 権利者の利益又は投資回収も補償できるのみな. 制度の構築 前述のとおり,映画の著作物の中古販売行為 は貸与行為と並び,新品の販売と異なる著作権. らず,映画の著作物も一般的な著作物として, 譲渡権及び貸与権が与えられ,国際条約の規定 と一致することにもなるのである.. 者の利益に大きく影響する流通実態になってい るため,中古販売行為に著作権が及ばないこと で,著作権者の利益を害する現実に鑑み,法律 上は中古販売行為を独立した流通ルートと位置 づけ,それを規制するにも意義がある. 劇場用映画の著作物に対して権利の消尽しな い頒布権を認めないこととすれば,法律上の問 題はないが,従来から行われている配給制度と の関係上,投下資本が回収できるのか否かの間. 注 1)中国の知的財産権制度の一括的な法改正は, wTOに加入することを主たる目的としている が,その際,著作権法に関しては, WCTの規 定も参考にされている.すなわち,将来的に wcTへの加入も念頭に置かれていたと考えら れるが,現時点で中国政府による公式な加入の 見解は示されていない..
(15) 映画の著作物に関する国際条約及び中日著作権制度(胡) 2)日本著作権法第16粂.. 「全訂著作権法逐条講義」,著作権 3)加戸守行, 情報センター, 2003年6月改定新版, 194頁. 4)日本著作権法第2条1項1号. 5)中国著作権法第3条, 6)中国著作権法実施条例第2条. 7)中国著作権法実施条例第4条11項. 8)作花文雄, 「著作権法基礎と応用」,発明協会, 34頁.・ 9)石原修,水戸重之,中村勝彦,升本喜郎, 「著 作権の法律相談」第2版,青林書院, 81頁. 「著作権法詳説一判例で読む16 10)三山裕三, 章」レクシスネタシス・ジャパン,平成17年5 月21日新版改訂版第1刷発行, 64頁. ll) 「TRIPS協定」第9条 ベルヌ条約との関係 (1)加盟国は, 1971年のベルヌ条約の第1条 から第21条まで及び附属書の規定を遵守する. ただし,加盟国は,同条約第6条の2の規定に 基づいて与えられる権利又はこれから派生する 権利については,この協定に基づく権利又は義 務を有さない. (2)著作権の保護は,表現され たものに及ぶものとし,思想,手続,運用方法 又は数学的概念自体には及んではならない,第 11条 貸与権「少なくともコンピュータ・プ ログラム及び映画の著作物については,加盟団 は,著作者及びその承継人に対し,これらの著 作物の原作品又は複製物を公衆に商業的に貸与 することを許諾又は禁止する権利を与える.咲 画の著作物については,加盟国は,その貸与か 自国において著作者及びその承継人に与えられ る排他的複製権を著しく侵害するような当該著 作物の広範な複製をもたらすものでない場合に は,この権利を与える義務を免除される.コン ピュータープログラムについては,この権利を 与える義務は,当該コンピュータープログラム 自体が貸与の本質的な対象でない場合には,過 用されない」. 12)日本著作権法第26条「著作者は,その映画 の著作物をその複製物により頒布する権利を専 有する. 2.著作者は,映画の著作物において 複製されているその著作物を当該映画の著作物 の複製物により頒布する権利を専有する」. 「貸与権,すなわ 13)中国著作権法第10条7項, ち映画の著作物及び映画制作に類似する方法に より創作した著作物又はコンピュータ・ソフト ウエアの一時的使用を有償で他人に許諾する権 利」,第10条10項, 「上映権,すなわち美術の 著作物,写真の著作物,映画の著作物及び映画 制作に類似する方法により創作した著作物など を映写機及び幻灯機などの技術設備により公に 再現する権利」. 14)中国著作権法第15条「映画の著作物及び映 画制作に類似する方法により創作した著作物の. (407). 59. 著作権は製作者が享有する」. 15)中国著作権法第15条1項. 16)中国著作権法第15条2項, 17)ベルヌ条約第14条2項. 18)日本著作権法第21条-27条. 19)日本著作権法第91条2項. 20)石原修,水戸重之,中村勝彦,升本喜郎, 「著 作権の法律相談」第2版, 284頁. 21)中国著作権法第10条2項. 22)ベルヌ条約第37条の(1)のC これらの条 約文の解釈に相違がある場合には,フランス文 による. 23)日本著作権法第2条1項19号. 24)中国著作権法第10条7項. 25)広義の概念で見ると,頒布を目的とした海 賊版CD等を規制するための「許諾を得ないレ コードの複製からのレコード製作者の保護に関 する条約」や,コンピュータ・プログラムや映 画の著作物の貸与に係る権利を設けたTRIPS 協定,実演・レコ⊥ドの複製物の譲渡にかかる 権利を設けたWIPO実演・レコード保護条約 なども国際的な動向に含まれるが,本稿では, 「著作物」の複製物の「譲渡」に関する頒布権 に限定して論じる. 26)日本著作権法第26条. 「詳解 著作権法第三版」,株式会 27)作花文雄, 社ぎょうせい, 2005年1月20日,第3版第2 刷発行, 652頁. 「著 28)石原修,水戸重之,中村勝彦,升本喜郎, 作権の法律相談」第2版,青林書院, 440頁. 29)石原修,水戸重之,中村勝彦,升本喜郎, 「著 作権の法律相談」第2版,青林書院, 440頁. 30)大審院大正元年10月9日判決,大審院民事 判決録18, 827. 31)民集51巻6号2299頁. 著作者は,その著 32)日本著作権法第26条の2 作物(映画の著作物を除く.以下この条におい て同じ.)をその原作品又は複製物(映画の著 作物において複製されている著作物にあって は,当該映画の著作物の複製物を除く.以下こ の条において同じ.)の譲渡により公衆に提供 する権利を専有する. (夢 前項の規定は,著作物の原作品又は複製物 で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡に よる場合には,適用しない. (1)前項に規定する権利を有する者又はその許 諾を得たものにより公衆に譲渡された著作物の 原作品又は複製物 (2)第67条第1項若しくは第69条の規定によ る裁定又は万国著作権条約の実施に伴う著作権 法の特例に関する法律(昭和31年法律第86号) 第5条第1項の規定による許可を受けて公衆に 譲渡された著作物の複製物.
(16) 60. (408). 横浜国際社会科学研究. (3)前項に規定する権利を有する者又はその許 諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡され た著作物の原作品又は複製物 (4)国外において,前項に規定する権利に相当 する権利を害することなく,又は同項に規定す る権利に相当する権利を有する者若しくはその 承諾を得た者により譲渡された著作物の原作品. 第11巻第3号(2006年9月) 又は複製物. 33) H14.04.25第一小法廷・判決・平成13 952,著作権侵害行為差止請求事件.. (受). 横浜国立大学大学院国際社会科 [コ ウンホン 学研究科博士課程後期].
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