青年心理学研究への投稿のすすめ
3
0
0
全文
(2) 128. 青年心理学研究 第32巻 第 2 号. ターフェースであろう。これを機に,ぜひ青年心. る(たとえば Chambers, 2017 大塚訳 2019; 池田・. 理学研究への投稿をお考えいただきたい。. 平石 , 2016)。これらの問題に対処する方法とし て,事前登録(pre-registration)や事前審査(pre-. 青年心理学研究投稿ページ. review)の制度を設けている雑誌もあるが,青年. https://www.editorialmanager.com/JJAP/default.. 心理学研究ではそのような制度を設けてはいな. aspx. い。しかし,無料で使用することができる OSF (Open Science Framework; https://osf.io/) な ど. 多様で信頼できる青年心理学研究を. のサービスを活用して研究の透明性を高める試み を行っている場合には,ぜひそのことを論文内に. 現在,少子高齢化に伴う日本では青少年人口の. 記載していただきたい。. 減少を背景としてか,青年心理学を取り巻く状況. ぜひ投稿を. にはやや厳しい印象があるかもしれない。しかし 海外に目を向けると,脳神経科学的な発達が成人 期初期まで続くことや認知的な側面も青年期を通. 今回のオンライン投稿のスタートを契機に,こ. じて発達していくこと,道徳的・倫理的な信念や. れまで以上に多様な青年の側面に焦点をあてた研. 価値の変化,アルコールやドラッグ,無軌道な性. 究が投稿されることを期待したい。そして,本誌. 交渉などのリスクテイキング行動,SNS などオ. が青年心理学を研究する多くの研究者にとって活. ンラインも含めた人間関係の発達,病理的な問. 発な対話のフィールドとして,さらに発展してい. 題,そしてそれらを背景として自分自身と社会を. くことを願っている。. どのように捉えていくかという自己やアイデン. 引用文献. ティティの問題など,青年期を取り巻く心理学研 究は実に多彩に展開している印象を受ける。また 近年では,大規模なオンライン調査を行う体制が. アトラス社(2019) .Editorial Manager web サイト. 整ってきており,その中でこれまではなかなかア. (Retrieved from https://www.editorialmanager.. クセスすることが難しかった多様な背景をもつ. jp)(2020年12月 7 日アクセス). 人々へのアプローチも可能となっている。さらに. Chambers, C. (2019). The Seven Deadly Sins of Psy-. 文献データベースの拡充は,メタ分析の利便性を. chology: A Manifesto for Reforming the Culture of. 向上させている。このような研究フィールドの多. Scientific Practice. Princeton, NJ: Princeton. 様化は,青年心理学にとっても好ましい影響をも. University Press.(チェインバーズ,C. 大塚. たらすと予想される。. 紳一郎(訳) (2019).心理学の 7 つの大罪. その一方で,p-hacking(サンプルサイズを増. ――真の科学であるために私たちがすべきこ. 加させて有意な結果を導こうとするなど)や. と―― みすず書房). HARKing(Hypothesizing After the Results are. 池田功毅・平石 界(2016).心理学における再. Known; 結果を得たあとで仮説を立てる行為),. 現可能性危機:問題の構造と解決策 心理学. QRPs(Questionable Research Practices; 各 種 の. 評論,59,3-14.. 好ましくない研究実践)といった,研究の信頼性 や再現性を妨げる研究行為が近年話題となってい. 西平直喜(1987).創刊のことば 青年心理学研 究, 1 , 1 ..
(3) 129. 小塩真司:青年心理学研究への投稿のすすめ. 編集関係資料 本誌の過去 5 年間の原著と資料の投稿数を新規投稿数と修正投稿数に分けて示したものが,以下に示 す表である。修正投稿は, 2 回目, 3 回目, 4 回目以上に分けて示した。 【過去 5 年間の投稿数】 原著. 資料. 新規 投稿数. 2 回目 投稿数. 3 回目 投稿数. 4 回目以上 投稿数. 2020. 8. 5. 5. 2019. 5. 5. 3. 2018. 7. 4. 2017. 10. 2016. 11. 計. 新規 投稿数. 2 回目 投稿数. 3 回目 投稿数. 4 回目以上 投稿数. 計. 3. 21. 2. 3. 2. 0. 7. 2. 15. 4. 1. 1. 1. 7. 3. 1. 15. 6. 2. 2. 6. 16. 8. 7. 3. 28. 1. 3. 2. 0. 6. 5. 4. 3. 23. 5. 1. 1. 3. 10. 5 年間. 41. 27. 22. 12. 102. 18. 10. 8. 10. 46. %. 40.2%. 26.5%. 21.6%. 11.8%. 100.0%. 39.1%. 21.7%. 17.4%. 21.7%. 100.0%. 本誌の過去 5 年間の原著と資料の審査状況を示したものが,以下に示す表である。審査された論文数 に対する採択数の割合は,原著において18/102=17.6%,資料において7/46=15.2%となる。 【過去 5 年間の審査状況】 原著 採択. 修正 採択. 再審査. 2020. 4. 4. 2019. 3. 4. 2018. 4. 2017 2016. 資料. 不採択. 取り 下げ. 採択. 修正 採択. 計. 再審査. 不採択. 取り 下げ. 計. 10. 3. 0. 5. 3. 0. 21. 0. 1. 6. 0. 0. 7. 15. 1. 0. 4. 2. 0. 1. 8. 2. 7. 0. 15. 4. 6. 4. 2. 0. 16. 4. 8. 12. 3. 6. 12. 4. 0. 28. 0. 1. 5. 0. 0. 6. 2. 0. 23. 2. 2. 5. 1. 0. 10. 5 年間. 18. 23. 47. 14. 0. 102. 7. 10. 24. 5. 0. 46. %. 17.6%. 22.5%. 46.1%. 13.7%. −. 100.0%. 15.2%. 21.7%. 52.2%. 10.9%. −. 100.0%. なお,2016∼2018の 3 年間に新規投稿された論文が最終的に採択されて掲載された割合は,原著にお いて12/28=42.9%,資料において5/12=41.7%であり,新規投稿された論文が初回の審査で不採択と なった割合は,原著において6/28=21.4%,資料において3/12=25.0%であった。.
(4)
関連したドキュメント
本稿 は昭和56年度文部省科学研究費 ・奨励
は、金沢大学の大滝幸子氏をはじめとする研究グループによって開発され
「心理学基礎研究の地域貢献を考える」が開かれた。フォー
・アカデミーでの絵画の研究とが彼を遠く離れた新しい関心1Fへと連去ってし
原稿は A4 判 (ヨコ約 210mm,タテ約 297mm) の 用紙を用い,プリンターまたはタイプライターによって印 字したものを原則とする.
(2011)
関西学院大学手話言語研究センターの研究員をしております松岡と申します。よろ
さらに体育・スポーツ政策の研究と実践に寄与 することを目的として、研究者を中心に運営され る日本体育・ スポーツ政策学会は、2007 年 12 月