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青年心理学研究への投稿のすすめ

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Academic year: 2021

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(1)青年心理学研究. Editorial. 2021,32,127-129. 青年心理学研究への投稿のすすめ 小塩. 真司1. A recommendation to submit your article to the Japanese Journal of Adolescent Psychology Atsushi OSHIO. 1.  青年心理学研究は1987年に第 1 巻が発行されて. 行っている。創刊当時より,投稿された論文に対. 以来,わが国の青年心理学の研究フィールドを牽. してはできるだけよりよい論文となる方向で助言. 引してきた雑誌である。青年心理学研究の発行. を行い,サポートをしていくというスタンスで臨. は,日本青年心理学会の前身である青年心理学研. んでいる。ただし,改稿を経ても掲載の可能性が. 究会が発足して四半世紀が過ぎた時のことであ. 非常に低いと判断される論文に関しては,早めの. る。その創刊時には「機関誌を発行する夢が,. 判断を行い,いったん仕切り直すことを提案する. やっと果たされようと」していると,期待を込め. 場合もある。いちど不採択とされた論文に関して. て記されている(西平,1987)。その後,第 8 巻. も,査読コメントに沿って改稿をおこない,ぜひ. (1996年)からは意見論文の掲載,そして第23巻. 再度投稿をしてもらいたい。. 1 号(2011年)からは年 2 号を出版する体制が整.  これまでに青年心理学研究に掲載された論文. えられ,2020年には32巻を数えるまで発行を重ね. は,すべて J-STAGE(https://www.jstage.jst.go.jp/. ている。. browse/jsyap/)上で公開されている。ぜひ,30.  青年心理学研究では原著論文,資料論文,そし. 年以上にわたる青年心理学の研究の蓄積に触れて. て意見論文の原稿を受け付けている。本誌では原. いただきたい。. 著論文に対する意見論文と,その意見論文に対す るリプライとなる意見論文が掲載される。時にこ. 電子投稿システムの開始. のようなやりとりは投稿者にとって煩雑なものに 映るかもしれないが,このような誌上討論のやり.  そして2020年11月 1 日より,青年心理学研究は. とりも大会時の発表に対する活発な議論も,本学. 電子投稿システムを整えることによって,投稿の. 会の研究に向き合う姿勢を表す特徴だと言えるだ. 利便性を向上させるとともに,審査過程および編. ろう。. 集過程の迅速化・最適化を図ることとなった。青 年心理学研究が採用した電子投稿システムは,. 編集体制. Editorial Manager で あ る。Editorial Manager は 全世界で7,600以上,日本国内でも200を超える研.  現在,青年心理学研究では常任編集委員 9 名, 編集委員 9 名の体制で投稿された論文の査読を. 究誌の投稿システムとして採用されている(アト ラス社,2019)。心理学の領域でも,教育心理学 研究やパーソナリティ研究,カウンセリング研究. 1. 機 関 誌 編 集 委 員 長・ 早 稲 田 大 学(Chief Editor, Waseda University). などで採用されていることから,多くの投稿者そ して査読者にとってなじみのあるユーザーイン.

(2) 128. 青年心理学研究 第32巻 第 2 号. ターフェースであろう。これを機に,ぜひ青年心. る(たとえば Chambers, 2017 大塚訳 2019; 池田・. 理学研究への投稿をお考えいただきたい。. 平石 , 2016)。これらの問題に対処する方法とし て,事前登録(pre-registration)や事前審査(pre-. 青年心理学研究投稿ページ. review)の制度を設けている雑誌もあるが,青年. https://www.editorialmanager.com/JJAP/default.. 心理学研究ではそのような制度を設けてはいな. aspx. い。しかし,無料で使用することができる OSF (Open Science Framework; https://osf.io/) な ど. 多様で信頼できる青年心理学研究を. のサービスを活用して研究の透明性を高める試み を行っている場合には,ぜひそのことを論文内に.  現在,少子高齢化に伴う日本では青少年人口の. 記載していただきたい。. 減少を背景としてか,青年心理学を取り巻く状況. ぜひ投稿を. にはやや厳しい印象があるかもしれない。しかし 海外に目を向けると,脳神経科学的な発達が成人 期初期まで続くことや認知的な側面も青年期を通.  今回のオンライン投稿のスタートを契機に,こ. じて発達していくこと,道徳的・倫理的な信念や. れまで以上に多様な青年の側面に焦点をあてた研. 価値の変化,アルコールやドラッグ,無軌道な性. 究が投稿されることを期待したい。そして,本誌. 交渉などのリスクテイキング行動,SNS などオ. が青年心理学を研究する多くの研究者にとって活. ンラインも含めた人間関係の発達,病理的な問. 発な対話のフィールドとして,さらに発展してい. 題,そしてそれらを背景として自分自身と社会を. くことを願っている。. どのように捉えていくかという自己やアイデン. 引用文献. ティティの問題など,青年期を取り巻く心理学研 究は実に多彩に展開している印象を受ける。また 近年では,大規模なオンライン調査を行う体制が. アトラス社(2019) .Editorial Manager web サイト. 整ってきており,その中でこれまではなかなかア. (Retrieved from https://www.editorialmanager.. クセスすることが難しかった多様な背景をもつ. jp)(2020年12月 7 日アクセス). 人々へのアプローチも可能となっている。さらに. Chambers, C. (2019). The Seven Deadly Sins of Psy-. 文献データベースの拡充は,メタ分析の利便性を. chology: A Manifesto for Reforming the Culture of. 向上させている。このような研究フィールドの多. Scientific Practice. Princeton, NJ: Princeton. 様化は,青年心理学にとっても好ましい影響をも. University Press.(チェインバーズ,C. 大塚. たらすと予想される。. 紳一郎(訳) (2019).心理学の 7 つの大罪.  その一方で,p-hacking(サンプルサイズを増. ――真の科学であるために私たちがすべきこ. 加させて有意な結果を導こうとするなど)や. と―― みすず書房). HARKing(Hypothesizing After the Results are. 池田功毅・平石 界(2016).心理学における再. Known; 結果を得たあとで仮説を立てる行為),. 現可能性危機:問題の構造と解決策 心理学. QRPs(Questionable Research Practices; 各 種 の. 評論,59,3-14.. 好ましくない研究実践)といった,研究の信頼性 や再現性を妨げる研究行為が近年話題となってい. 西平直喜(1987).創刊のことば 青年心理学研 究, 1 , 1 ..

(3) 129. 小塩真司:青年心理学研究への投稿のすすめ. 編集関係資料  本誌の過去 5 年間の原著と資料の投稿数を新規投稿数と修正投稿数に分けて示したものが,以下に示 す表である。修正投稿は, 2 回目, 3 回目, 4 回目以上に分けて示した。 【過去 5 年間の投稿数】 原著. 資料. 新規 投稿数. 2 回目 投稿数. 3 回目 投稿数. 4 回目以上 投稿数. 2020. 8. 5. 5. 2019. 5. 5. 3. 2018. 7. 4. 2017. 10. 2016. 11. 計. 新規 投稿数. 2 回目 投稿数. 3 回目 投稿数. 4 回目以上 投稿数. 計. 3. 21. 2. 3. 2. 0. 7. 2. 15. 4. 1. 1. 1. 7. 3. 1. 15. 6. 2. 2. 6. 16. 8. 7. 3. 28. 1. 3. 2. 0. 6. 5. 4. 3. 23. 5. 1. 1. 3. 10. 5 年間. 41. 27. 22. 12. 102. 18. 10. 8. 10. 46. %. 40.2%. 26.5%. 21.6%. 11.8%. 100.0%. 39.1%. 21.7%. 17.4%. 21.7%. 100.0%.  本誌の過去 5 年間の原著と資料の審査状況を示したものが,以下に示す表である。審査された論文数 に対する採択数の割合は,原著において18/102=17.6%,資料において7/46=15.2%となる。 【過去 5 年間の審査状況】 原著 採択. 修正 採択. 再審査. 2020. 4. 4. 2019. 3. 4. 2018. 4. 2017 2016. 資料. 不採択. 取り 下げ. 採択. 修正 採択. 計. 再審査. 不採択. 取り 下げ. 計. 10. 3. 0. 5. 3. 0. 21. 0. 1. 6. 0. 0. 7. 15. 1. 0. 4. 2. 0. 1. 8. 2. 7. 0. 15. 4. 6. 4. 2. 0. 16. 4. 8. 12. 3. 6. 12. 4. 0. 28. 0. 1. 5. 0. 0. 6. 2. 0. 23. 2. 2. 5. 1. 0. 10. 5 年間. 18. 23. 47. 14. 0. 102. 7. 10. 24. 5. 0. 46. %. 17.6%. 22.5%. 46.1%. 13.7%. −. 100.0%. 15.2%. 21.7%. 52.2%. 10.9%. −. 100.0%.  なお,2016∼2018の 3 年間に新規投稿された論文が最終的に採択されて掲載された割合は,原著にお いて12/28=42.9%,資料において5/12=41.7%であり,新規投稿された論文が初回の審査で不採択と なった割合は,原著において6/28=21.4%,資料において3/12=25.0%であった。.

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