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Academic year: 2021

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(1)2. Editorial 今回は「血友病診療・最近の話題」というテーマで特集を組ませていただきました. 血友病診療は,これまで不足している凝固因子を凝固因子製剤の輸注によって補充する治療(補充療法)が 行われてきました.補充療法は,出血時の補充療法から定期補充療法へ,凝固因子製剤は血漿分画製剤から遺 伝子組換製剤へ,生体内の第 VIII(IX)因子と同じ半減期の通常型製剤から半減期延長製剤へと進化を続けて きましたが,2018 年 5 月に初めての第 VIII 因子代替二重特異抗体製剤エミシズマブ(ヘムライブラ®)が上市 され,non-factor 製剤・非補充療法の時代が幕を開けました.このエミシズマブは皮下注射という投与経路,4 ∼ 5 週間もある半減期,インヒビターの影響がない,などこれまでの凝固因子製剤とは大きく異なる薬剤であり, 血友病 A の治療を大きく変えるものと思われます.さらに現在,凝固制御因子を抑制して出血傾向を軽減す る止血再均衡(Re-balance)療法や,遺伝子治療の臨床治験が実施されており,良好な成績が報告されています. これまでの血友病治療は,足りないものを外から補充して正常化するという,比較的シンプルな治療であり, インヒビター発生例を除き,その調節はそれほど難しくはありませんでした.しかしながら,non-factor 製剤・ 非補充療法はインヒビター発生例にも効果があり,出血防止には非常に効果的で,投与方法も簡単である点は 素晴らしいものの,出血治療時の止血機能の調節,過凝固による血栓塞栓症の防止など,逆に調節が難しい部 分もあります.また,遺伝子治療については,その長期的効果や将来の副作用について,まだまだ不安を払拭 できている段階ではないと思います. これらの新規治療法のメリットを最大にし,かつデメリットを最小にできるように,我々は今後,様々な工 夫や,情報の伝達・共有が必要になると思われます. このような状況の下,本特集では,まずエミシズマブ使用における大きな課題である止血モニタリングにつ いて,エミシズマブ開発にも大きく貢献された奈良県立医科大学の野上恵嗣先生に解説いただきました.そし て,エミシズマブ以外の新規 non-factor 製剤の作用機序と開発の状況について兵庫医科大学血液内科の澤田暁 宏先生に,遺伝子治療の進歩については我が国における第一人者である自治医科大学医学部生化学講座病態生 化学部門の大森司先生に解説していただいています. さらに,これらの新規治療製剤以外の話題として,これまでやや見過ごされがちであった血友病と加齢疾患, および保因者について,荻窪病院血液凝固科の長尾梓先生と独立行政法人国立病院機構大阪医療センターの西 田恭治先生にそれぞれ解説いただきました. 本特集には含まれませんが,同じく血友病関連の話題として,北九州八幡病院の白幡聡先生に「医療経済の 視点から血友病治療を考える」と題した論説もいただいております. 「トピックス」には株式会社血栓トランスレーショナルリサーチラボの神窪勇一先生に内因系テンナーゼ複 合体の新たな形成メカニズムについて,前号からスタートした「新型コロナウイルス関連シリーズ」には,線 溶系から見た COVID-19 の病態について浜松医科大学の浦野哲盟先生に,重症 COVID-19 と一般的な敗血症に おける凝固線溶障害の相違について大阪急性期・総合医療センター救急診療科の梅村穣先生にそれぞれご執筆 いただきました. 研究四方山話は藤田医科大学医療科学部臨床検査学科の松井太衛先生にお願いしましたが,ABO 血液型と VWF の研究の道のりを情熱的に執筆いただき,大変感動的な内容となっています. いずれの論文も大変興味深く読み応えのある内容であり,執筆いただいた先生方に厚く御礼申し上げます. 本号が読者の皆様の診療や研究のお役に立てば幸いです. 兵庫医科大学 血液内科 日笠 聡.

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