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地域福祉における「地域性」と「文化」 -災害支援の領域で語られるものをめぐって-

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要旨  本研究では、地域福祉の実践で重要とされる「地域性」という概念に照射し、地域性を捉える仕方を 考察する。地域性が、地域の特質のなかの、特に資源として働くものであるという従来の枠組のみでは 説明しにくい事象や、物理的な地域性ではないが資源として作用するものがあることを、災害支援の領 域で語られたものをめぐって検証していき、「文化」という概念を地域性のなかに位置づけることの意義 を示したい。  まず、日常生活圏域というシステムとしての地域では、全体論指向になりがちで、地域性を記述する ことが地域福祉の「成功か/失敗か」で判断されやすいことを理論的に示す。また、文化を集団による共 通の意味体系であると捉えた場合、災害支援の領域での、災害ボランティアセンター運営の原則のひと つである「地元主体」や、伝承や遺構、霊性による癒しといったものにも、文化としての要素があるこ とを考察する。さらに、ソーシャルワークのグローバル定義における「地域・民族固有の知」は、文化 的な側面に目を向けるという考え方を示していることを議論する。  本研究では、地域福祉における地域性を考えるには、文化という概念を問い直し、さらに包含してい く必要があることが示された。今後の研究課題としては、実践手法において文化という要素を入れてモ デル化していくことである。例えば、東日本大震災後の原発事故による広域避難者への支援などについ て、文化を鍵概念として考えてみたい。 キーワード: 地域福祉、地域性、文化、災害支援、実践の方法

はじめに―問いの所在

 今からおよそ10年前に「これからの地域福祉の あり方に関する研究会報告書」(厚生労働省2008) が出された。地域福祉のあり方において、地域に おける新たな支え合いの必要性が提言され、支え 合いの質といったものには、「自助」「地域の共助」 「福祉サービス」があるとされた。さらに、支え 合いを構成するものがうまく機能することによっ て、地域における様々な生活課題を予防すること につながるということも示された。  それから約10年後に出た指針では、先のあり方 報告書を踏まえつつ、「共助」の部分をどのよう に創出していくのかを提示し、理念としては、さ らにメタ化された「地域共生社会」というものを 打ち出した。この理念のもとで、「地域住民や地 域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世 代や分野を超えつながることで、住民一人ひとり の暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社 会を目指す」(厚生労働省2017)ことを提案する

 

地域福祉における「地域性」と「文化」

―災害支援の領域で語られるものをめぐって―

大 島 隆 代

早稲田大学

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に至った。しかしながら、地域共生社会を目指す ための地域での共助といった支え合いの質を、実 際の場で具体的に可視化することは非常に難し い。さらに、そのような、既存するともされる支 え合いの状態を、特に地域の資源として探してい くことは現場に委ねられている。  地域福祉学会では、このような流れも背景にお いて、地域福祉研究のあり方の立脚点としては「自 発的な福祉というべき実践を地域福祉の核に据え て」、具体的な研究行為としてこだわるテーマの いくつかを、「政策的には制度福祉との協働関係」、 「対象でいえば流動性を視野に納めた主体と対象 の拡大」、「方法でいえばローカルな状況に規定さ れた実践」(永田2019:2)とあげている。研究 の視座に立った時のこの「こだわり」とは、こだ わり続けることや見逃さないようにする姿勢を持 ち続けることを意味しているような気がしてなら ない。  本研究では、その「こだわり」を抱きつづける べきものの中の、「地域性」に照射して、その概 念的側面からアプローチし、先行研究や文献等の 解題から理論的に考察を進めていく。地域福祉の 領域では当たり前に使われる地域性が意味するも のや使われ方などを検討し、さらに、地域性とい うものが適用される範囲や説明できることには限 界があるのではないかということを議論してみた い。そして、そのような限界性を踏まえつつも、 そこを超えることができる考え方が、災害支援の 領域では語られてきたということを示しながら、 地域性という概念のなかに見出すべき、あるいは、 付与すべき、新たな概念的要素を探っていくこと を試みる。  災害支援の領域を取り上げるゆえんは、地域を 基盤として営まれる人びとの生活を継続させるこ とが脅かされる要因となるものが災害であり、地 域福祉を壊す可能性があるといえる現象だからで ある。ではあるが、特にわが国では、幾多の災害 に向き合い乗り越えてもきたなかで構築された知 見もそこにはあり、壊す可能性があるからこそ、 予防(災害領域でいえば、防災や減災)という概 念も生まれてきたからである。

2.地域福祉における「地域性」

 ここで、地域福祉の理論においても実践におい ても重要視される「地域性」という概念について、 それがどのような文脈でどのような目的のために 使われているのかを確認したうえで、さらには、 地域福祉を考えるにあたって、地域性という概念 に絡めとられる可能性がある価値的側面があるの かどうかを考察してみたい。 ⑴ 支援のための資源1)とされる地域の特性  地域福祉を語る際に使う地域性という言葉は、 その地域が持つ(有する)特質のことを指してい るといってよい。岡村は、コミュニティを社会福 祉にとっての資源としてあるべきだと考えており (岡村2009:87)、さらに、従来からの伝統的(一 般的)な機能的コミュニティの下位集団としての 「福祉コミュニティ」の重要性を説いた(岡村 2009:26-27)。この岡村の福祉コミュニティにつ いて、鷹野は「地域を基盤とする公私協働の多元 的な協働主体からなる地域性(=福祉コミュニテ ィ)」(鷹野2015:37)としているが、これはつま り、地域性の中に、社会福祉の実践にあたり資源 として働くものを見出すことの意義も含まれてい る。  この、資源となり得る地域の特質(地域特性) を把握するということは、その地域を成り立たせ る特徴を普遍的に理解したうえで、さらに具体的 に、実践の対象となる地域に即した特殊性を見つ けていくということでもある。しかし、対象とな る地域の範囲が広すぎても見つけづらいわけで、 そのような特殊性を示すことは、特にメゾという 地域の範囲において実践を展開するにあたり、個 別性の高い課題(個別課題)を、「地域に共通す る課題(私たちの問題)として認識し」、「地域で の共同性を再構築していく取り組みの前提」(永 田2017:77)となる。特に、このような個と地域 の一体的支援を、地域を基盤としたソーシャルワ

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ークの実践であるととらえると、支援の実態を評 価するポイントの中には、インフォーマルサポー トという資源を活用できたかどうかという項目も 入ってくる(岩間2012)。  地域福祉実践の目的のひとつが地域での共同性 を再構築していくことであるとすれば、地域特性 なるものが共同性を築くにあたってよい方向に作 用するものになり得ることが望まれる。岡村も、 地域性について「地域住民や集団、制度的施設等 の社会資源と住民の意識構造という地域社会の二 つの次元を統合した全体」(岡村1970:9-10)と 説明したが、実践を展開するうえでは、フローや 制度といったサービスに直結すると考えられるも の以外に、住民意識やインフォーマルサポートや ネットワークのような目に見えにくいストックを 地域の特性として見つけ出すことに注力されるこ とにもなる。 ⑵ 地域性を有効に機能させる範囲─メゾレベル  地域福祉では、特にメゾレベルの実践での技法 を、「地域を基盤としたソーシャルワーク」とか「コ ミュニティソーシャルワーク」と呼んでいる。こ の技法をざっくりと定義すれば、地域における諸 個人の生活の支援と地域をつくることの両方を視 野に入れる実践のことである。このような実践の 始まりからみていくと、施設の社会化が叫ばれた 1960年代末頃から議論された脱施設化を目的とす る技法として取り上げられたものではあった。し かし、それだけではなく、大橋の指摘のように「施 設の意義と限界を明確にしつつ、コミュニティと の有機的結合を図るという機能分担論として」(大 橋2008:91-94)理解すべきであり、ひいては、 現在の共生社会を実現するための手法のように設 定されているのがメゾレベル=社会の中範囲(三 重野2018)であるということができ、このレベル (範囲)は、コミュニティを意識した実践におい て重視される。  このように、実践の機能的側面を強調した場合、 地域性も含めた様々な要素が有効に働く範囲がメ ゾレベルである。しかし、有効範囲があるという ことは、ある範囲に入ってこない実践対象には、 別の(他の)有効範囲を設定して対応することに もなる。別の範囲は当該範囲の外に設定するもの なのか、範囲内に設定するものなのか、また、範 囲内の別のものであれば、ある範囲の下位のもの なのか、場合によっては区別が生まれる可能性が あり、包摂という理念とどう関係づけるべきなの か。つまり、資源としての地域性は、どうしても 物理的範囲を設定して探すことにならざるを得な いものなので、地域性という概念に絡めとられて しまう可能性のある課題も生じさせることにな る。 ⑶ 全体論2)的思考からみる「地域性」適用の 限界  地域性を有効に機能させるには、メゾレベル内 に想定される日常生活圏域という考え方ととも に、機能を働かせるシステムが必要になってくる。 例えば、地域包括ケアシステムはその最たるもの である。松端は、ルーマンのシステム理論3) おける二項的コードを援用し、「社会福祉も機能 分化したひとつのシステム」であり、「そこには、 〈生活困難の解決/未解決〉というコードが割り 振られる」(松端2019:30)としているが、地域 福祉を論じる場合には、このシステムの働きが成 功しているか、あるい、失敗なのかという二項に 収斂されやすい。  個々人の生活上の課題を地域社会との不適合と みなし、生活課題の調整をシステム依存で行って いくという地域福祉の考え方というのは、髙橋に よれば、「社会『全体』の規模を」日常生活圏域 に「縮小することで機能的統一化を実現しようと 試みる議論」(髙橋2011:125)ということになる。 そして、例えば、地域福祉において資源になり得 ると認識できる地域の特性のような明確なもので はなく、文化を取り扱うような「人類学者が」、「分 析方法としての全体論を採用せず、社会の全体性 が不明確な状況を記述しても」、特に実践を重視 する側からは「全体システムの成功/失敗の記述 として」しか理解されないという事態が生じ、全

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体論が実践されていないと「何らかのシステム障 害によると受け止められ」(髙橋2011:125)てし まうとする。  この「社会の全体性が不明確な状況」とは、全 体性で説明できるいわゆるフォーマルなサービス に直結するような状況を示すのではなく、さらに は、インフォーマルであってもつながりなどとい ったような確認できるものがもたらす状況といっ たものでもない。どちらかというと、我々が文化 や歴史的背景などといったものから考えるような 特性が影響した結果、不明確ではあるけれども、 今、状況としてあるものといえるのではないだろ うか。このような状況があることを認める姿勢と いうのが、実は、我々のような地域福祉論者には 弱いと言えるかもしれない。岡村理論でいうとこ ろの「住民の意識構造」(岡村1970:9-10)です らも、我々は、「社会福祉にとっての資源」(岡村 2009:87)としてシステムづくりに活用しやすく なったものを選択しがちになってしまうし、また、 それを地域性であるとアセスメントして支援に活 用できるものとして担保しようとする。しかし、 不明確な状況による価値的側面は、記述しにくさ としてアセスメントの対象になりにくく、また、 地域性の項目に入ってこないこともある。

3.災害支援の領域で語られる「地域性」

 地域を基盤として実践するソーシャルワーク は、地域福祉を具現化するためのものである。し かし、地域を基(もと)として起こり、地域福祉 の実現を阻害してしまう可能性があるさまざまな ものの中には、災害があげられよう。ごく近年、「グ リーンソーシャルワーク」といった概念を用いて、 自然災害や環境悪化といった社会変動に対峙して いくための考え方の枠組みを示した研究もあり (Dominelli2012=2017)、社会課題の捉え方の柔 軟性やさまざまな学問との越境性の必要も説かれ てはいる。しかし、災害が多発するわが国では、 考え方というよりも、対応としての政策や技法を 先に整備せざるを得なかった。  本章では、災害と支援を考える際に出会ういく つかの考え方や概念といえるもののなかに、今ま でに述べてきた地域性とは近いものの、違う性格 を有する事象があることを探ってみたい。そのよ うな事象を構成する要素には、我々が「文化」と して認識してきたものも含まれていないだろう か。さらに、文化のように、認識する側の解釈に も大きく影響されるものは、特に、2節で述べる レベルやシステムを越境する不明確なものである ことも多い。これらが、地域福祉実践でいうとこ ろの地域性に含まれるべきこととして取り上げら れてきたのかどうかも再考する必要があるだろ う。 ⑴ 災害ボランティアセンター4)運営の原則に ある「地元主体」  園崎は、災害ボランティアセンターの運営には、 「被災者中心」「地元主体」「協働」の三つの原則 があるとしている(園崎2016)。これらの原則は、 今までの災害支援において被災者や被災地を混乱 させてしまったといった、少なからず生じた課題 からの、「支援が向く先の対象によってしか、そ れ(支援)がよきことであるのかどうかの評価が なされ得ないのではないか」(大島2017:66)と いったような反省的な省察から生まれてものでも あった。  「被災者中心」は、常に被災者を中心にした支 援を実践することで、ソーシャルワーク実践にお ける利用者中心や対象者中心と通じるものであ る。「協働」とは、災害時などのような混乱した 状況下では様々なセクターや専門職が協働して取 り組むべきであるという原則で、これも平常時の 実践でもなじみが深い。そして、地元主体の「地 元」とは被災地のことで、地域にある社会資源を 活用するという手法に重点を置くというよりも、 地元(被災地)にある、運営に影響を及ぼすよう な考え方や姿勢、視点などを重んじるという意味 が強い。  この地元主体の原則は、災害ボランティアセン ターが運営される期間のみにある原則であると考

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えるよりは、例えば、災害という経験から長い時 間を経て構築され、また意味づけされていくよう な被災地にある考え方そのものを指し示すことも あり、その考え方を用いて支援する主体が誰であ るべきなのか(または、誰であるべきではないの か)を言い当てているのではないだろうか。  このような運営に関する原則だけではなく、山 本は、「産業や観光スポット、祭りの文化などは、 復興に向けてとても重要な要素」(山本2018:46) になるとしたうえで、実際にボランティア活動を する人など支援者が、被災地の地名の読み方や独 特の方言を知ることも大切であるとし、被害の状 況だけではなく地域の文化の概要を知って関わる ことの重要性を説いている。  災害と支援を考えていくにあたり、特に大きな 災害においては、災害発生から数か月後ぐらいか ら、被災した人々が具体的な生活再建をどうして いくか考えるフェーズに移っていくなかで、支援 する側(地元にいる支援者なのかそうではないの かは問わず)が、「そもそも私たちが行っている 災害支援とは何か、人を支援するとは何か、この ような答えのない問いを考える時期に来ている」 (大関2011:61)という局面に向き合うことが往々 にしてある。そして、考え抜いても答えが出ない ようなところに一旦着地することもある。大関は そのような時期の時間を「哲学された時間」と呼 び、その時間が「日々の支援活動に深みを持たせ、 これからの新しい“まち”や“社会”の方向を決 めていくのだと思う」(大関2011:61)と説明し ている。深みを持たせる支援として有効に働くの であれば、(哲学された)時を経ているが故に、 考え方や姿勢、視点といったものに昇華されやす いであろうし、地元主体の中にそのエッセンスが 組み込まれていくのかもしれない。そして、また、 我々が自明のこととして使っていた地域性のなか には、このような時間を経て生成されたものも包 含されているといえるのではないだろうか。 ⑵ レベルやシステムを越境する不明確なもの  本研究では、全体論からもシステム論からも離 れてみて、地域福祉の実践を進める際の日常生活 圏域といった枠組みを超えるものが、地域性のな かにあるのではないかという視座に立っている。 この「超える」というのは、例えば、物理的に圏 域をまたぐこととか、システムとして安定してい る圏域内を混乱させることを意図しているもので はなく、そのようなものは、大概、不明確なもの ではあるが、被災地における支援を考えていく際 の資源となることもあるようだ。以下にいくつか あげてみたい。 1) 被災地における伝承や遺構  被災地に伝承されたものが教訓としての標語に なり、それが行動理念のような役割を担うことに よって、間接的な支援、あるいは自助としての支 え(支援)につながったといえる事例では、東日 本大震災後に再びクローズアップされた「津波て んでんこ」が有名である。これは、地震からくる 津波被害が多かった三陸地方に伝わる「津波がき たら、てんでんばらばらに逃げなさい」という言 い伝えで、片田は、特に子どもにとっては有効な 防災教育として働いたので、命を落とす犠牲者を 防ぐことにつながったのではないかとしている (片田2012)。さらに、このような伝承は、被災地 のみにとどまらず、これからの地域づくりにつな がっていくという見解もある(宮城県震災・復興 企画部2017)。  伝承であるから、行為の際の理念としては働い たけれども行動規範として明文化されているわけ ではなく、その意味ではシステムではないし、こ のような言い伝えがどのレベル(範囲)で有効な のかを明確に線引きすることも難しい。また、伝 承の過程で、伝承されたメッセージを受け取る側 が、常に一定の理解を得ているとも限らない。及 川は、津波てんでんこは、「災害時における共倒 れや一家全滅という最悪の事態を回避する」ため に編み出されたといってよい「苦渋の」行動の理 念であるとし、しかし、現状では、「利己的で薄 情すぎる」と批判的に理解されている側面がある ことを調査により実証した。さらに、このような 伝承は、「一義的・表面的な原義を正確に提示す

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るのみでは不十分」で、「適切な解説・解釈がな されることが必要である」(及川2017:82-91)と 述べている。  伝承とは異なるものの、災害が原因でダメージ を受けた建物などを、記憶の保持のためや次世代 への教訓として保存しておくといった動きもあ る。内閣府では、平成27(2015))年に「『災害遺 構』の収集及び活用に関する検討委員会」を設置 した。この委員会では、地域住民が、災害遺構等 が身近にあるということを知り、それらを活用し て災害の知識を学び防災活動に活用できるように なることを目的として、各地の遺構等の種類や活 用状況について調査し、翌年の防災白書で報告し た(内閣府2016)。  この遺構に関しては、「被災の傷跡が当時のま ま生々しく残る」ことで「言葉や文章で伝えるよ りも大きなリアリティを示す」(水上2016:51) ことができるので、後世への教訓だけではなく観 光資源としての活用の可能性や、復興のシンボル になることもあるとされる。しかし、災害によっ て身近な人を亡くした遺族にとっては、その遺構 が残り続けることが深い心痛ともなり、残すかど うかについて社会的議論となるのもまた然りであ る。  水上は、南三陸町の防災対策庁舎5)が、議論 の末に、県からの提案で2031年までの震災からの 20年間は県有化されることになったことに触れ、 この20年という時間の意味を、社会的な議論をき ちんとするためのものであると同時に、家族を亡 くされたかたが「『当事者性』を超えて」、自分だ けの感情では判断できないものとして、「時間の 重みを理解し、自分を含む遺族たちの感情を鎮め、 悲しみや苦しみからの救済を願う選択であった」 (水上2016:56-66)と分析している。  しかし、遺構として普遍化されたものの存在に は、個人の思いだけではなく社会という全体が未 来を見据えるためという名分もあるわけで、広島 の原爆ドームの保存について、濱田は、原爆ドー ムが「中心のシンボリズム」を生成する空間とな り、「未来にまなざしを向けさせる支配的な存在 を生み出し」その反面で、「今なお実在する被爆 被害にまつわる人・モノを周縁化する可能性をは らむ」(濱田2013:111-112)として、問題が社会 的に忘却されることを危惧する。  今までに述べた伝承にしても遺構にしても、そ れらが何らかの形で空間や時間を超えてさまざま な影響を及ぼしていることが理解できる。また、 当初は地域を限定したところから発信され、言説 的であったり抽象的であったりしたものでも、現 在の地域福祉の実践における技法のなかで使われ る「地域性」といったものとはまた違った意味合 いで、資源として機能する可能性があることも示 唆している。このような、人の解釈が大きく影響 はするけれども、被災地に住む人たちが紡ぎだし た価値的意味を多分に包含するものが、「文化」 といえるのではないだろうか。 2)霊性による癒し  WHOでは1998年、健康の定義に、「人間の尊厳 や生活の質を考えるために必要で本質的なもの」 として「スピリチュアル」という観点を新しく付 加することが提案された。その後、健康の定義(「病 気でないとか、弱っていないということではなく、 肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、す べてが満たされた状態であること」)自体は改定 されていないものの、「健康は静的に固定された 状態ではない」という見解を示すものとなった(日 本WHO協会2019)。日本語では、スピリチュアル という言葉は、メンタルなどと同じように「精神 的な」と訳されがちではあるが、いわゆる霊性を 含んだものもスピリチュアルといえる。  東日本大震災による死別体験者への臨床宗教師 による関わりなどを分析した安井は、「被災者が 求めてきたものは」、「苦しみに対し自分なりに意 味を見出すこと」で、「限界状態にある人へのソ ーシャルワークにおいても」、そのような「スピ リチュアリティに配慮したソーシャルワーク」(安 井2018:55-68)が必要であると述べている。  このように、健康問題や生活課題に関わる専門 職の視点としてスピリチュアリティを大切にすべ きであることは想像に難くない。しかし、「肉体」

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の対義語としての「霊」を考えた時の霊性(スピ リチュアリティ)が、時として人を癒すことがあ るという事例も被災地ではみられた。  岩手県の大槌町にある、電話線の繋がっていな い電話ボックス「風の電話」には、震災で大切な 人を失った人が通い、その受話器の向こうに話し かけるという。風の電話を訪れた人のメッセージ から悲嘆のプロセスとグリーフケアについてまと めた矢永と佐々木によれば、それは、「個別性を 受け入れ」、また、「普遍性とともに、深い悲しみ のなかにある全ての人を優しく包み込む」(矢永・ 佐々木2018)ものである。この電話ボックスは、 佐々木が震災前に個人的な目的で設置したもので はあったが、いつの間にかその存在が知られ、特 定な誰かという人が直接的なケアをするのではな いが、訪れた人へ癒しの作用を及ぼしている。  個別性を受け入れ普遍性を考えることは、ソー シャルワークという技法的な実践がみつめている ことと似ている。しかし、ここでいう普遍性を考 えることは、どこの地域でも同じであるという普 遍性では勿論なく、深い悲しみのなかにある全て の人という意味での普遍性である。石巻市でタク シードライバーにより語られた霊的現象の体験を 分析した工藤は、タクシー運転手が霊的現象を体 験することについて、亡くなったかたがたの無念 の思いを、さまざまな条件が重なって、震災で命 が助かったタクシードライバーが畏敬の念として 受け取ったのだ、と説明している。さらに、この 現象が石巻市に特有のもので、近接する他の地域 では語られていなかった背景についても、民俗学 的に検証している(工藤2018)。  霊性による癒しの事例などは特に、例えば、危 機介入のように迅速で、専門性の高い人によって 体系的になされる直接的な支援ではないものが多 い。例えば、肉親を失った被災当事者が自ら書き 綴るという手法により、被災者の肯定的な癒しに 寄り添っていくという実践をした金菱は、「痛み は取り除くより、温存する」ことにより、時間を かけても、当事者が「亡くなった肉親が『生き続 ける』意味が含まれていることが次第に分かって」 きて、亡くなった人との「関係性の再接続」を促 したのではないかとしている(金菱2016:64-72)。  このようにしてみていくと、伝承といったもの よりも霊性による癒しなどのほうが、専門性のあ る専門職にとっては,直接的支援ではないうえに 支援効果の根拠を示しにくい。支えることのため に介入するべき状況やタイミングをアセスメント し、緊急性の高い課題だと判断した場合に、霊性 といったものを支援に有効に働くものとして視野 に入れることは難しい。支援の際にジレンマとな る可能性もあるかもしれないし、支援のさまたげ になるのではないかという思いも生じるかもしれ ない。しかし、支援の枠組みだと固定的に認識し がちなものを、目に見えない形で越境してしまう 何かが、結果的に資源にもなっていたという事例 もあるということを本節にて提示してみた。

4.「地域性」の使い方の吟味のための

「文化」の再考

 本論の「はじめに」でも述べたように、地域福 祉研究においては、我々の共通認識として、自発 的な実践を常に意識しつつ、具体的な研究方法と して、ローカルな状況に規定されるものを見つめ ることを大事にすべきであるというものがある。 今までの議論からは、特に災害支援の領域で語ら れたものをみていくと、この、ローカルな状況に 規定されるものが生み出される背景には、地域に ある「文化」も大きく影響しているということが 理解できる。ここでは、地域福祉が重んじてきた 「地域性」を吟味していくために文化について改 めて考えてみたい。  学術研究において文化を探求してきたものとし て文化人類学がある。文化人類学者のギアツ (Geertz)によれば、文化とは、人間が集団的生 活や相互行為の中で、自分自身ではりめぐらした 網の目(共通の意味体系)ということになる。そ して、文化的所産には、観念、価値観、行為、さ らには感情までもがなり得るとする(Geertz1973 =1987)。この考え方に依拠すれば、ある社会的

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立場や社会的状況を共にする者たちによって共通 の意味体系として生まれたもので、無形ではあっ ても意味体系なので、解釈して表現および記述が 可能なものが文化であるということができる。ギ アツの文化人類学は「解釈人類学」と呼ばれるこ とがあるが(小泉2018:134)、解釈する姿勢とし て、多様性を重視する、全体論の立場を取らず統 合性を不在とする、体系性を拒否する、などのス タンスを取ることになる。  例えば、青山は、ハンセン病療養所における患 者文化の生成と変容についての記述を試みるなか で、共通の意味体系というものは、「固定的で一 元的に人々を規定しているというよりは」、その 意味体系を用いて「相互行為に即した解釈活動を 行い、生活を組織化している」と述べている(青 山2014:4)。そして、そのような共同体(療養 所における患者による共同体)が環境に適応して いく枠(文化)は変化するものであり、そのよう な枠の「生成・変化を、集団のもちうる創発性」 として捉えるべきで、これは、「集団を単なる個 人の総和として捉えるのではなく」、「集団を個人 の相互作用を通して出現する次元で認識する」こ とであり、「モノとして実体的に捉えることでは ない」(青山2014:129-130)としている。  文化(ある集団に共通する意味体系)というあ る種の曖昧なものを捉える場合に、その姿勢とし て、個の総和である全体の優位性を確定するとい う全体論的思考の立場は採用しないことは理解で きた。さらに、文化は、意味体系の中で自分自身 がはりめぐらした網の目なので、その網の目をど のようにはりめぐらせるのか、そして、どう解釈 していくのかについては、集団の相互作用におけ る個別性によるものということになる。これは、 諸個人の個別性というよりも、相互作用をもたら す集団がもつ多様性による個別性である。例えば、 先述した津波てんでんこを、各々がてんでんばら ばらに逃げることによりみんなが助かると解釈す るのか、誰かを置き去りにすることにつながるの で利己的で薄情だと解釈するのかの違いがあるこ とをみれば分かる。  ソーシャルワークの立場からいえば、三島は、 文化を示していると解すことのできるソーシャル ワークのグローバル定義における「地域・民族固 有の知」は、「西洋の理論や知識によって過小評 価され、」た過去を持つが、「新定義では、独自の 価値観および知を作り出し、それらを伝達する様 式によって、科学に対して計り知れない貢献をし てきたことを認めるものである」(三島2017:14-15)と述べている。さらに、地域・民族固有の知 を「在来知」6)と表現し、日本の福祉にまつわ る在来知の事例として、「たすけあい」や「津波 てんでんこ」をあげ、津波てんでんこについて、「有 効な在来知として掘り起こされ、調査、研究、教 育といった知的な営みを経ていた」(三島2017: 23)としている。

5.考察─まとめにかえて

 本研究では、地域福祉で取り扱われる「地域性」 というものを、概念的側面から再考する形で論を 進めてきた。そして、議論をするにあたって、災 害と支援の領域で語られてきたものを下敷きにし て考えてみた。社会学研究でも地域福祉学研究で も、「地域」とは何なのかについて今までに多く 議論されてきたが、地域性を見つめていくことは、 例えば、知っているつもりの「自分」の「自分性」 が意識しにくく、また、語りにくいことと似てい るのかもしれない。そこで、地域性というものの なかに、もっと見つめるべき何か別のものがある のではないかという姿勢から問い直してみたとこ ろ、「文化」という概念が、ある意味当然のように、 そこ(地域性)にあったのだということが認識で きた。  文化を、集団による共通の意味体系であると捉 えた場合、被災地で地域福祉の推進に関わってき た地域福祉コーディネーター7)と呼ばれる専門 職による語りが示唆をくれる。被災前とは個人の 生活も地域の成り立ちも変容し、極端な言い方を すれば、壊れてしまったものをまた創りなおして いくという気の遠くなるような時間の中にいた彼

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らは、実践を重ねるうちに、「時間を味方につけ て」、時間の「過程のなかでの個人や地域、ある いはその相互関係の変化や、変化をもたらしたも の(例えば、変化をもたらすものには「時間」も 含まれる)などに価値を見出していく」(大島 2017:211)ことに気づいた。他にも彼ら独特の 語りはあるのだが、このような、彼らが、文化と も捉えられるように昇華させていったといえる意 味体系について、大島は、今までに示されてきた 「学術用語には置き換えられない」とし、それは 既存の方法論の「脱構築的な視点」でもあり、災 害支援に関わらず、地域福祉の「現場の支援者に 示すことのできる励まし」にもなるのではないか (大島2017:233-234)と述べている。  本研究にて、地域福祉においては自明ともいえ る「地域性」のなかにある文化という概念、ある いは、文化を含有しての地域性について再考する 必要があるということは理解できた。しかし、文 化の無形性、文化が確認できる範囲の不明瞭さや 文化の越境性などは、現在の地域福祉推進のシス テムにはなじみにくいというのも事実ではある。  そこで、今後の研究課題として、地域福祉実践 の方法論において、どのような形で文化を位置づ けていくかを、理論的に、また、手法としてモデ ル的に説明することをあげたい。さらに、本研究 でも議論にあげた災害支援を例にとると、東日本 大震災時の福島第一原子力発電所事故の影響によ って、故郷を離れて遠隔地に広域にわたって避難 している人たちは、システムで活用されるような 目に見える地域で規定されてこない文化を紡いで いったのではないかという仮説が成り立つと考え られる。もし、そのような文化があるのであれば、 未だ続いている避難者の生活課題への支援にアプ ローチしていくのに、何かヒントをくれるかもし れない。文化を鍵概念とした災害による広域避難 者への支援のあり方についても、理論だけではな く、具体的な支援の提言になるようなものを探っ ていきたい。 謝辞  本研究は、文部科学省科学研究費基盤研究(C) 「東日本大震災後の遠隔地避難者への生活支援の 構造に関する研究」(課題番号:16K04178、研究 代表者:大島隆代)による研究成果の一部である。 また、以前よりご協力いただいている、東日本大 震災の被災地にいらっしゃる方々や支援に関わっ ておられる方々からも多くの示唆をいただきまし た。ここに感謝申し上げます。 注 1)本稿で用いる「資源」ついては、地域福祉の実践にお いて、サービスのみならず住民意識やネットワークな ど目に見えにくいものなども含めて、特に支援にあた って有効に働くものの総体を指している。しかし、本 稿でも取り上げた岡村は、シーボーム報告を参考にし、 「現に行われているサービスの欠陥を指摘し、さらに 新しい資源を動員する」(Seebohm Committee 1968 = 1989)ことを住民参加によって実現するという理論 展開をしており(岡村2009:24)、岡村はサービスと 資源をやや区別的に使用していると見受けられる。 2)全体論とは、全体は単なる部分の集合体ではなく全体 として独自のものを持ち、部分要素に還元できないと する考えを示す理論で、部分に対する全体の優越性を 主張する立場をとる。社会科学の分野では、方法論的 個人主義と方法論的全体主義の対立の場面などで語ら れてきたが、社会を個人の総和ではなく総和を超えた 独自の実在性であるとする(野家2013)。 3)ルーマンは、社会のシステムを説明する際に、一般シ ステム理論やパーソンズの入れ子構造の社会システム 論ではなく、社会システムを多次的・相互補完的・相 互浸透的と考え、システムの階層性を否定した。社会 にそもそも存在している可能性の過多の状態のことを 「複雑性」であるとし、社会の不確定性や複雑性のな かに社会システムが創り出されると説き、その際に働 くのがバイナリーコード(二項対立コード)であると した(Borch 2011)。 4)災害ボランティアセンターの存在は現在では広く知ら れているが、全国社会福祉協議会によれば、大規模災 害時に全国から多くのボランティアが参集し活動にあ

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たったことがクローズアップされた1995年の阪神・淡 路大震災後から3年後の1998年の南東北・北関東なら びに高知水害以降に、災害ボランティアセンターの設 置および支援の方式が定着化してきたとされている (全国社会福祉協議会2006)。 5)宮城県南三陸町の防災対策庁舎では、東日本大震災時 に、津波が迫る危険の中で町職員が防災無線で住民に 避難を呼びかけ続けた。しかし、庁舎内にいた職員な ど43名が犠牲になった。この庁舎建物のあり方を今後 どうするかについて、遺族や地元住民から「保存」「解 体」「判断の一時延期」の三つの陳情書が2012年に出 されていた(朝日新聞朝刊2015)。 6)ソーシャルワークのグローバル定義の「indigenous knowledge」の部分が、日本語訳では「地域・民族固 有の知」であるが、三島は、「利便性から」、「在来知 と表記する」(三島2017:12)としている。また、震 災復興と地域のレジリエンスを地域文化研究の立場か ら 論 じ た 羽 生 は、「 在 来 知(local environmental knowledge)」とは「それぞれの地域で継承・実践さ れてきた、環境と人間との相互作用に関する知識と技 術の総体を指す」(羽生2018:52)としている。この ように、「在来知」とは在来の知のことではあるが、 文脈依存性のある造語であると考えられる。しかし、 文化と同じように、ローカルにある固有性に目を向け て、そこでのさまざまな要素が相互作用を経て共有さ れることになった意味の体系であり、且つ、現在も何 らかの形で使われている知のことを指しているといえ よう。 7)ここでの「地域福祉コーディネーター」は、東日本大 震災で甚大な被害があったA県B市に導入された、厚 生労働省で予算化された配置事業によって位置づけら れたものを指している。B市以外で配置された地域も あるが、その実践は、被災者の生活相談等のサービス 提供、見守り支援体制の構築、関係機関の総合調整な どの取り組みを一体的に行い、地域において、点だけ ではなく面的な支援を行い、地域コミュニティの復興 支援を図ることを目的としている(大島2017:152-153、221)。 引用文献 青山陽子(2014)『病の共同体─ハンセン病療養所におけ る患者文化の生成と変容』新曜社. 朝日新聞朝刊(2015)「宮城・南三陸町の防災庁舎、県有 化方針 議論の時間確保」2015.1.3 Borch, Chistian,(2011)Niklas Luhmann (=2014、庄司信 訳『ニクラス・ルーマン入門 社会システム理論とは何 か』新泉社.)

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Locality and Culture in Community Development

From Discussions in the Field of Disaster Assistance

-Takayo Oshima

Summary

This study aims to reconsider the concept of locality regarded as important for community development practice. The paper discusses the need to conceptualize “culture” when considering locality and the characteristics of communities. Previous studies on practice methodologies have been focusing only on resources in the physical sense. However, regarding disaster assistance, some cases reveal that non-physical resources can be helpful too.

First, this study proves that there are some negative consequences caused by the fact that the structure of daily living space tends to be thought of only in holistic terms. Also, the paper describes some factors that are considered to be effective in social work and community development practice when we take the viewpoint to recognize culture as a system of shared meanings common to a certain group. For example, in the field of disaster assistance, there are cultural elements even in ideas such as “emphasizing the local way”, one of the operating principles of disaster volunteer centers, including oral traditions, the preservation of disaster remains, and spiritual healing. Moreover, the concept of “indigenous knowledge” in the Global Definition of the Social Work Profession indicates the idea of looking at cultural aspects.

Based on this study, the paper suggests that it is necessary to reconsider the notion of culture and to include it when thinking about community development. Future challenges include the formation of a model in practice methodology that includes “culture” as one of its components. Further on, the study tries to regard culture as a key concept for assisting displaced people who were forcibly removed far away from their homes by disasters, such as the Fukushima nuclear accident in the aftermath of the Great East Japan Earthquake.

参照

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