• 検索結果がありません。

「沖縄自治の課題」: 沖縄地域学リポジトリ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "「沖縄自治の課題」: 沖縄地域学リポジトリ"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Title

「沖縄自治の課題」

Author(s)

仲地, 博

Citation

沖縄大学地域研究所年報 = The Institute of Regional Study,

The University of Okinawa Annual Report(2): 18-20

Issue Date

1990-12-30

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/9903

(2)

「沖縄自治の課題」

沖縄自治の課題というテーマですが、住民ある いは住民運動については内海さんがふれると思い ますので、わたしの方は自治体の側の課題という ことでお話します。沖縄の自治の課題としてとり あえず次の三点を上げます。 一番始めに政府にたいする自主性をどう確保す るか、二番目に住民参加をどう進めるか、三番目 に地域に根ざした政策をどう創造するかというこ とです。この三つを自治の課題としてとらえた場 合、最近は肯定的に評価しうるような事例が多く 大変心楽しい思いをしております。 (1) 政府に対する自主性をどう確保するか まず、第一番目に政府に対する自主性をどう確 保するかという問題でありますけれども、具体的 な例として那覇市の自衛隊施設情報の公開問題を あげてみたいと思います。 那覇市が自衛隊基地の施設に係わる情報、図面 等を市民の請求に応じて公開するという決定を行 いました。それにたいしては防衛庁長官や防衛施 設庁長官らが記者会見で、防衛秘密は大変大切で あるので非公開を強く要望するというふうなこと を述べました。那覇防衛施設局も口頭あるいは文 書で非公開を要求いたしましたけれども、那覇市 長は基本的人権としての国民の知る権利に答える として公開を決定いたしました。 自衛隊施設の情報公開の是非については、賛否 両論あるでしょうけど、ここで私が評価したいと 思うのは政府の意向にかかわらず自治体が自主的 に判断してこれを実行しようとしたという乙とで す。もちろん中央政府と自治体は協力して住民の 福祉を増進しなければなりません。これは車の両 輪として、対等な立場で補いあう関係といってよ いわけです。しかし場合によってはこの二つの統 治団体の判断は食い違う場合があるわけです。こ の場合、自治体はたんに国に反抗すればそれで価 値があるというわけでは勿論ないわけですが、自

仲 地 博

治体が中央政府にたいして主張した場合、自治体 の主張が時としては妥当でなかったということも ありうるわけでありますけれども、長い目でみれ ば、必ず国民レベルで福祉を増進し、調和・発展 をもたらすとおもいます。 かつて、自治体は、中央政府が生産した政策を 県が卸売りし、市町村が消費するという存在でし た。しかし、今日自治体は、自らの見識と判断で 何が地域住民の意思であり公益なのかを判断し住 民のために行動することを求められているのです。 (2) 住民参加をどうすすめるか

2

番目に住民参加をどう進めるかということで すが、行政の意思決定の場に住民が参加をするの は従来住民の権利として主彊されてきました。こ の主張は、今日でも重要ですがもうひとつ同時に 行政を合理化するという側面から考えなければな らないだろうと思うわけです。 これまでの行政というのは、専門家集団である 公務員にまかせればいい、役所は公正に妥当な判 断をしてくれるところだというふうに考えられて きた。だから、役所はお上というふうに言われ、 恐れられ尊敬もされたわけです。 昔の訣い農村社会においてはなにが公益かとい う判断は比較的簡単ですが、しかし今日のわれわ れの社会というのはかつてのように農村共同体の ように同質の住民で構成されているわけではあり ません。職業は細分化され、住民の関心は多岐に わたり、意識は多様化し、利害も複雑に交差して おります。誰にとっても利益となる普遍的に妥当 な解答はないわけです。だれかの利益はだれかの 不利益であるという状態です。すると、現代の行 政はこれらの利害を調整しつつ、秩序句形成をお こなうという任務を負わされています。この任務 を果たすためには行政はどのようにして判断の妥 当性を担保しようとするのか。一方の利益が他方 の不利益であるなら、結論の妥当性を担保するの

(3)

-18-は、結論にいたるプロセスである。つまり、判断 をするのに、決定にいたる過程にどの程度市民を 重参加させることができるかと恩うわけです。考慮 すべきことが考慮されたか、考慮しではならない ことは除外されたどうかというのが問われるわけ です。行政過程が住民に聞かれ、住民の積極的な 参加によって、現代における行政の決定の合理性 が担保されると思います。そして住民が参加する ルートというのはできるだけ多様に準備されなけ ればならないと思うわけです。 レジメの那覇市の基本計画策定というところを 御覧頂きたいと思います。那覇市の基本計画策定 過程は多様な参加のルートを試みたということで ひとつのモデルを示していると言えます。 那覇市は昨年第二次総合計画を策定いたしまし た。その策定のために、那覇市総合計画審議会を 設置し

4

7

人の委員を委嘱してその意見を吸収しま した。他方で、図に見るように市民の参加を広く 求めました。市民

1

.

5

0

0

人にたいして市民の意識 調査をしました。那覇市にたいする愛着度、地区 ごとに必要とする施設等についてアンケートをし た。さらに市民会議を市内

4

か所でやりました。 そのまとめとして、中央での会議、シンポジウム を行いましたo さらに基本計画の案を市民

5

.

0

0

0

人に送付いたしまして、そして市長への手紙を求 めました。 市民会議で述べられた市民の意見あるいはシン ポジウムの提言あるいは、市民からの手紙等は先 震の総合計画審議会に集約されていきます。さら に市政懇話会があります。これは市政全体に亘つ ての市長の諮問機関でありますけれども、この市 政懇話会で話題にし、この市政懇話会の意見も総 合計画審議会に集約されます。総合計画審議会は 延べ

3

5

回にわたって会議を聞き、半年の審議の後、 市長に答申を行いこれが決定されました。 市民会議や市長への手紙での、市民の提言、あ るいは意見は基本計画書のなかの資料編のなかに その要旨が記録されています。どの地域で、どう いう人が、どういう意見をのべた、という要旨が 記録されているわけです。言放しあるいはただ聴 き置いたというだけではないということです。 那覇市のこの計画策定の過程の住民参加は一つ 一つは目新しいものではありませんけれど、考え られる参加の形態をいろいろ組み合わせたという ことで評価しうるものであります。 (3)地域に根ざした政策をどうすすめるか 三番目に、地域に根ざした政策を創造すると言 う事です。自治体の任務というのが住民の生活の 守りにあることは言うまでもなく、昔も、今日も、 これがもっとも重要な自治体の課題であります。 さらに最近は衣食住足り.て市民はゆとりや安らぎ を求めている。その住民の価値観の変化にともな いまして、自治体の施策の上でも、ソフト面での 重要性が増してきております。個性的な郷土の自 然、や文化を守り育てる行政、文化的な生活環境を 創造する行政が求められてきているのです。地域 が伝統を大切にし、個性的な文化の守りてとして の自治体に期待される役割は大きい。画一化を廃 し、詰地墳が豊かな個性を持つことが潤いある国 土をもつことになるのでしょう。 地域はもともと個性的であるのだから、その施 策も本来個性的でなければならないのです。自治 体は、その地域に担ざした政策を創造することが 必要となってきます。中央政府の政策は画一的に なりがちであるし、また地域が個性的であるとい うことは、他の地域の政策をそのまま利用すると いうわけにはいかない場合があるからです。特に 沖縄の地域の個性は全国で際立っており、当然そ れに応じた独自の施策がなければならない。すで に、各自治体がその工夫を始めています。私の知 るところの例を紹介します。 読谷村は今年基本構想を策定いたしました。こ の基本構想は、ー頁が上下二段に別れていまして、 上の段で構想が示され、下の段ではウチナーグチ で基本構想が語られるわけです。ある読谷村の一 家を想定い左しまして、その家族がお互いに基本 構想をウチナーグチで話し合う。恐らくこれな全 国でも初めて考え出されたやり方でしょう。言語 こそ文化であるという思想、そしてその誇りがあ ふれています。 北谷町では、町史の一端とじて、軍事関係事典 というのを作成いたしました。アイウエオのアか ら始まって現在イまでしかきておりません。完成

-19

(4)

すれば恐らく他に類例のない膨大な資料集になり ましょう。他に類例がなくても地域に必要ならや るという姿勢を評価したいとおもいます。 北中城村では平和を守る北中城村民の会のよう な平和行政機闘を設置しています。これは、自治 体当局と住民の両者によって構成される組織です。 このような住民運動には正直なところ若干の懸念 がないわけではありませんが、沖縄の共同体社会 という特色を生かした手法と言えます。平和行政 を住民とともに(パイザビープル)行うという姿 勢の面をとらえて評価をすべきでしょう。沖縄と いう地域らしい平和運動です。 浦添市では、伝統工芸を中心とする美術館を建 設し、あるいは琉球王国評定書文書を復刊し来年 春には沖縄学研究所を設置しようとしております。 一つ一つはめずらしいことではありませんが、全 体としてみて浦添市の個性というのが感じられる わけです。 以上にあげた例は、地域の個性に対応した政策、 あるいは個性ある地域を作り出す政策を創造的に 展開しているよさ先例なのです。

(

4

)

慰霊の日休日廃止問題 慰霊の日休日廃止問題というのは、以上の三つ が全部悶われるものです。すなわち国の法律をど う理解するか、政府にたいする自主性を主彊する ことができるかどうかという政府にたいする自主 性の問題。それから住民の意思を政策に生かせる かどうかという住民自治の問題。さらに第二次大 戦で圏内唯一の地上戦が行われ、慰霊の目という のが平和のシンボルになっているところでそれを 休日にするという、地域に担ざした政策を貫徹す ることができるかどうかという、以上の三つの課 題が関われているわけであります。どのように決 着がつくか関心を持ちたいと思います。 (5) 課 題 終りに自治体に即して見た(住民の側の課題は 別のパネリストがふれます)沖縄の自治の課題と いうのは、先程述べました三つの謀題を自治体が 意識的に追及することだろうということです。市 町村長・議会・職員が常に、 Forthe people by the peop}eの姿勢をもって、住民に付託された専 門犠としての高い識見と展望で職務を執行しなけ ればならないでしょう。自治体職員の努力と熱意 で地域は変わります。 その点で最近注目したいことは、自治体聴員の 団体である組合の活動です。たとえば県職員の組 合が慰霊の日休日廃止問題で発言した。

r

組合の 社会的責任

J

という発想を大事にしたい。あるい は、宜野湾市の組合が市民シンポジウムを開催し l た。これは組合の力というのを地域社会のために 用いようとしたことで評価に値いたします。課題 としては個々人の職員のレベルでこういう姿勢が 求められるのでしょう。 s覇 市 の 基 本 計 画 策 定 過 程 市 民 市 長 審 畠 会

τ

・ 間 一ン一諮 一タ一 り 一 ル 員 一 く 一 サ 聡 一 づ 一 ン 市 一 家一コ一

信号

の 那 べ 覇

--~---ー→ 135 市

回 総 の 合 会 計 忠 商

-

-

-

-

-

-

-

.

.

.

.

.

.

47

人 S63. 8. 31 市政懇話会

決 定

参照

関連したドキュメント

地方創生を成し遂げるため,人口,経済,地域社会 の課題に一体的に取り組むこと,また,そのために

「心理学基礎研究の地域貢献を考える」が開かれた。フォー

えて リア 会を設 したのです そして、 リア で 会を開 して、そこに 者を 込 ような仕 けをしました そして 会を必 開 して、オブザーバーにも必 の けをし ます

ら。 自信がついたのと、新しい発見があった 空欄 あんまり… 近いから。

   がんを体験した人が、京都で共に息し、意 気を持ち、粋(庶民の生活から生まれた美

市民的その他のあらゆる分野において、他の 者との平等を基礎として全ての人権及び基本

○菊地会長 では、そのほか 、委員の皆様から 御意見等ありまし たらお願いいたし

○片谷審議会会長 ありがとうございました。.