地域密着アーカイブにおける国際標準メタデータ付与の検討
A Study for Using a National Standard Meta-Data for the Local Archive
伊藤学
*,**丹野義和
*,**石橋洋一
*Manabu Ito*,**
Yoshikazu Tanno
*,**Youichi Ishibashi
***
山形県デジタルコンテンツ利用促進協議会
**山形ナショナル電機株式会社
*
Yamagata Digital Contents Center
**Yamagata National Electric Co., Ltd
ABSTRACT：This paper describes the examination of an MPEG-7 based original retrieval profile as a means to research efficiently the video material include the archive by web-base centrally, the development of the retrieval application by using a profile, and the verifica-tion of the layered structure descripverifica-tion of a profile.
１．はじめに 本論文は，開かれたアーカイブを目指して，コンテン ツ記述に MPEG-7 を用いることを前提に，ID とメタデー タが一般化かつ階層化された，オブジェクト記述に関す る適切なプロファイル検討を述べる． ２．適切な記述内容 素材映像検索に有効な記述は実験結果より，実際に映 っているオブジェクト名とその上位概念を取り入れるこ とが有効であると判断，語彙階層の低いほうから，固有 名詞，中間概念，さらに最上位概念と３階層を用いた． これらを記述できる MPEG-7 スキームは Part,5 の MDS であり，オブジェクト名の階層記述が可能な<Semantic> の“ObjectType”を用いる事とした．階層構造をとる事 は，対象とする階層を指定できる為，DB 負荷を軽減す る事が期待できる． ３，プロファイル構築における検討 オブジェクトの名詞句階層に関して，階層をとらない <KeywordAnnotation> の フ ラ ッ ト 記 述 と ， <Semantic> “ObjectType”を用いた階層記述との違いをデータベー スにおける検索作業の負荷について検討する．前提とし て「検索メタデータには，シーンに含まれるオブジェク ト名とその上位概念を記述する」という条件で検討する． １つの素材に対し「ｐ個のシーンに，ｑ個のオブジェ クトがあり，１つのオブジェクトにはｒ個の名詞句記述 がある」．この場合，付与されている記述は全部でｐｑｒ 個になる．固有名詞を知っている人が検索した場合，フ ラット記述では検索対象はｐｑｒ個，一方階層構造では 階層を指定できるので“ｒ＝１”であり，対象となるの はｐｑ個．両者では“ｒ”倍の検索作業の差が出る． 一般的にキーワードをつける場合，名前，形，色など， 多くの記述が予想され，記述者により内容がばらつく恐 れがある．<KeywordAnnotation>では，記述内容の定義付 けが明確でないため，変数“ｒ”は安易に増加し検索作 業も増加する．階層を図ることは，記述者に内容を明確 に提示することができ，固有名詞や概念で検索したいユ ーザ等に対応できるため，DB作業を軽減でき，インデッ クスとしての効果も期待できる． 他のDSについても検討する．別の方法として挙げられ るのは<Semantic>の“ConceptType”である．この場合， <Label>に固有名詞を記述し，<Property>に上位概念を記 述する．しかし，“ConceptType”ではそれのみで上位概 念の階層構造を図ることはできない．記述できるのは <Label>に与えられる１つの固有名詞と，<Property>に記 述する上位概念の要素的２階層のみである．よって， “ConceptType”のみでは，３階層以上の名詞句が存在す る場合は適応できないと判断する．また，オブジェクト を記述する場合，“ConceptType”のみでは定義上不充分 ともいえる． 他の属性も利用し３階層を図った場合，さらに必要と する属性は“ObjectType”，“SemanticType”である．しか しながら，これら多くの記述子を使用することは，デー タ量が多くなってしまい，データベース負荷も増大する． ４．まとめと今後の課題 素材検索のため，映っているオブジェクトに対し，３ 階層の名詞句記述を用いることで，データベース負荷を 軽減した．また本プロファイルを用いたアプリケーショ ンは，順調に稼動している．今後の課題として，ID リン ク法，映像の著作権保護及び肖像権の管理などがある． ―――――――――――――――――――――――――― 山形県デジタルコンテンツ利用促進協議会 〒990-2473 山形県山形市松栄 1-3-8 E-mail : ito-m@archive.gr.jp
