若者による「若者観」の受容 : 若者の社会化を促す試み
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(2) 甲南女 大学研究紀要第 42号 ,生. 人間科学編 (2006年 3月. ). 務校 だった武庫川女子大学 で授業 を受 けていた大学 3. う さや もろ さを忘 れ ,さ も当然 の よ うに語 る とす れ. 年生が,授 業感想 で大人に反撃 を加 えた一文 を紹介 し. ば ,若 者 はそ こに大 人 の怠慢 をみ て とる。 また ,個 人. た。彼女 い わ く,「 実 は私 ,喫 茶店 でバ イ トを して い. が重視 され る時代 になる と,「 み ん な とい っ しょ」扱. るのですが,40∼ 50代 のお じさんが よ く話 しか けて. い され るこ とへ の 疑問 もでて くる。 となる と,波 及効. きます。『最近 の若者 は,な っ とらんね。髪 を茶髪 に ・』。『そ うですね』。一応 同意す る。 しか し,心 ・ して・. 果 を期 待 す る物言 い は,受 け手 に疑問 視 され る よ うに. の なかで,『 あ んた ら もた い した大 人 じゃな い だ ろ. さらに,感 想②には,「 最近の大人は,私 たちと変. う。 い ま,砂 糖 の蓋 ,開 けたで しよ。片 づ け も しな. わ りない じゃないか」 とい うよ り,「 もっとひどいん. い。 自分勝手 でバ カだとあんたはい うけ ど,変 わ らな. じゃないか」 と,大 人への物言 いが されている。「最. い じゃないか,私 たちと』。『そ うですね』 と笑 う私 の 笑顔 には,理 解 しようとしない年代 の大人たちへ の皮. 近の若者 は」 とい う物言いを逆手 にとって,「 最近の. 肉 と嘲 りがあ ります」 と。 この文 を受け,2人 の女子学生が次 の ような感想 を 書 いていた。. なる。 そ の あた りの事情 が 後半部 の発言 となる。. 大人は」 とい ういい方 をし,反 発す る。 この物言 い は,大 人側を ドキッとさせる。それは,若 者への指導 の言葉 として,大 人が一方的に独占的に利用できた言 葉 による切 り返 しで,反 論 しにくいからである。 とは い え,そ の物 言 いの 言葉が大 人 に届 か な い こ と. 感想①. :「. 1995年 の大学 3年 生の方 の意見 には,共. 感 を覚 え ま した。大 人 って,『 最近 の 若者 は,… 』. もみ えて い て ,「 な に をい って も無駄 だ」 とい う諦 め の 気持 ちを生 んで い る。. ・ ・』 に入る言葉 はたいてい否定 とよ くいい ます。『・ 的 な もの です 。 そ れ に 関 して思 う こ とが ふ た つ あ り ます 。 まず ひ とつ は ,若 者 とい うふ うに ひ と ま とめ. 1。. 2. 自尊感情 や 自己信頼 が低 い若者 が増 えている. ところで ,こ れ らの学 生 にみ られ る大 人へ の 反発 を. ・ ・』が否定的なも にしないでほしい とい うこと。『・ のならなおさらです (そ うい う私 も,『 大人』 とひ. よそ に,若 者 ダメ論 を受 け い れ る若者 も少 な くない 。. とまとめにいって しまってい ますが)。 もうひとつ. 受講生 に尋 ね るこ とに した。 そ の 際 ,考 える ヒン トと. は,自 分のことを棚にあげて,私 たちを批判 しない でほしい ということ。まわりには,私 より常識のな. して ,意 見 の発端 になった 「最近 の若者 は」 で は じま. そ こで ,2人 の学 生 の意 見 につ い て , ど う思 うか を. る語 りに,改 めて注 目す る よ うに促 した。. い大人の方々がたくさんおられます。自分の行動 を. この ため ,翌 週 の 12日 の授 業 の ラ ス トで ,発 間 を. 正 してから,そ うい うことをいってほしい と思い ま. 工 夫 し,「 大 人が発 す る,若 者 に対 す る肯 定 的表現 に. す」. は どんな ものがあ るのか。 あ る と した ら,だ れが どん. 感想②. :「 大人たちはよ く,『 最近の若者 は』 とい う. が,私 たち若者からすると,『 最近の中高年には なにをいっても無駄だ』 と思 うことばか りである」 ,. な こ とをいってい るのか」 と投 げかけ ,授 業評価用紙 に記 入す る よう求 め た。 す る と,そ の 日受講 して い た学 生 loo名 の うち,34 名 か ら回答 が あ った。 うち わ け は,27名 か ら肯 定 的. まず ,感 想① の 前 半 部 に は ,若 者 を ひ と ま とめ に し. 表現 が ,4名 か らどち らと もとれ る微 妙 な表現 が寄せ. て 語 らな い で ほ しい , も っ と一 人 ひ と りをみ て ほ しい. られた。 また ,3名 か らは,否 定 的表現 しか な い とい. とい う希 望 が 書 か れ て い る 。 若 者 を一 口 に して語 るの. う声が でた。残 りの学生 は,無 回答。若者が若者 をみ. が 難 しい こ とは ,い つ の 時 代 も同 じだ ろ う。 そ れ を. て ,肯 定 的表現 が なか なかみ つ か らな い状 況が印象 に. 「念頭」 にお きつつ ,あ る こ とを十把 一 絡 に して 苦 言 を呈す るの は,大 人 の義務 で もあ ったろ う。 か つ て. ,. 残 った。 若 者 へ の 肯 定 的表 現 が なか なか み つ か らな い 状 況. 大 人が若者 に対 して ,個 々 にで はな く全体 に対 して物. は ,い ま自尊感情 や 自己信頼 が低 い子 どもが 増 えて い. 申 した の は,た とえひ と りに対す る発言 で あ って も. る こ とと無縁 で はないだろ う。. ,. それは全体 へ の波及効果 をね らって い た し,実 際 にそ. た とえば,ベ ネ ッセが 継続 的 に行 ってい る調査 をみ. の効 果 が 期待 で きたか らで あ る。 だか ら,「 最 近 の 若. よ う。 1987∼ 88年 にか け て 行 わ れ た ,世 界 の 4地 域. 者 は」 とい う物言 い は,教 育 の言葉 ,つ ま り大 人が若. (東 京 ・仙 台 ・ 岡 山 ,ソ ウル,タ イペ イ,シ ア トル. 者 に向 ける指 導 の 言葉 と して存在 した。. ヒュース トン)の 小学校 5年 生 を対象 とした比較調査. ところが ,大 人が ひ と くくりの 言葉 で 語 る こ との 危. 0. で ,子 どもの 自己像 と して ,ス ポ ー ッの うまさ,友 達.
(3) 島田 博司 :若 者 による「若者観」 の受容. か ら人気 のある子 ,よ く勉強 ので きる子 ,正 直 な子. ,. 象 に 行 っ て い る,子 ど も 向 け の QOL(Quality Of. 親切 な子 , よ く働 く子 ,勇 気 のある子 ,の 7項 目につ. Life)尺 度 の研 究 に よる と,日 本 で は小 学校 4年 生 ご. いて,そ れぞれ該当す るか どうかを尋ねている。 ソウ. ろか ら自尊感情 が 急激 に低下 して い るの に対 し, ドイ. ルの子 どもが友達 か ら人気 のある子 とい う項 目で唯一. ツで は 日本 ほ どの 低 下 は な い 点 が 指 摘 され て い る. 最低 になる以外 ,そ のほかの項 目ではすべ て日本 の子. (「. どもが最低 だった。 しか も,男 子 に比べ ,女 子 の 自己. 子 どもの健や か さ 客観的指標 で把握」『 日本教育. 新聞』2005年 4月 25日 )。. (福 武書店教育研究所 『モノグラフ・. IEA(国 際教育到達度評価学会)が 2003年 に実施. 小学生 ナ ウ 国際比較調査 「7つ の都市 の子 どもた. した国際学力比較調査では, 日本 の子 どもの,学 習ヘ. ち」』vol.8-10,1989)。. の 自信が低 い と報告 された。. 評価が低 かった. 1989∼ 90年 にか け て行 われた,世 界 の 4地 域 (東. また,日 本青少年研究所 が 2003年 に行 った 日米 中. 京 ・札幌 ・福 岡,バ ンコク・ロブリーフ オー クラ ン ド ・ウェ リン トン, トー ラ ンス・ ガーデ ィナ :ロ サ ンゼ. 韓 4ケ 国の高校 生の意識 調査 では,「 全体 としてみれ. ルス郊外 )の 小学校 5年 生 を対象 と した比 較調査 で. だった。. ば,自 分 は満足 してい る」 とい う項 目で, 日本が最低 もちろ ん,こ れ らの結果 には , 日本文化 の もつ謙遜. は,日 本 の子 どもは質問項 目 7つ 全部 で最低 だ った (福 武書店教育研究所 『モ ノグラフ 0小 学生 ナウ 国. の美徳 や ,日 本 の若者 や子 どもの 内省 力 の高 さが反映. 際比較調査 (2)「 都市環境 の 中の子 どもたち」』vol.10. して い るこ とへ の 十分 な 日配 りが必 要 であ る。 とは い え,あ る程度 の留意事項 を考慮 して も,日 本. -9, 1990)。. 1992年 に行 わ れ た 世 界 の 4地 域. (マ. ル メ・カ ー ル. の子 どもたちの現状 は気 になる ところであ る。 自尊感. ス クルー ナ ∼ス トックホ ルム,ハ ル ビン・ シ ンヨウ. 情 や 自己信頼 が低 く,自 分 を否定 的 にばか り表現す る. サ クラメ ン ト,東 京 ・札 幌 ・仙 台 ・名古屋 )の 小学校. 子 どもたちか らは,明 る い未来像 がみ えて こな い。 自. 5年 生 を対象 とした比較調査 で も,日 本 の子 ど もは. 然 と,世 間 の 彼 らへ の 評価 も低 くな る。 い きお い. ,. ,. 前 回調査 同様 ,質 問項 目 7つ 全 部 で最低 だ った (福 武. 「最 近 の 若者 は,な って な い」 とい う否定 的表現 を招. 書店教育研究所 『モノグラフ・小学生ナ ウ 第 3回 国. くこ とに もなる。. 際比較調査 「都市社会 の子 どもたち」』vol.12-4,1992 /福 武書店教育研究所 『モノグラフ・小学生ナウ 第. 1.3. 3回 国際教育 シンポジウム報告書 「都市社会 の子 ども. ,. 教育効果 をね らった研 究 の 目的 と方法. そ こで ,ま ず 「最近 の若者」 へ の肯定 的表現 ,否 定 的表現 ,微 妙 な表現 な どの若者評 を把握 し,続 いて そ. たち」』vol。 13-2,1993)。 1993∼ 94年 にか け て行 われた,世 界 の 5都 市 (上. れ らの若者評 を若者 自身 が ど う受 け とめ るか を調 べ る. 海,ソ ウル,ロ ン ドン,ニ ュニ ヨー ク,東 京)の 小学. ことに した。そ こで検討す る課題 は,① 若者評 を若者. 校 5年 生 を対象 とした比較調査では,同 様 の質問項 目. が どう考察 したか,② その考察が若者 になにをもたら. で,韓 国 と 日本 の子 どもたちの 自己評価 が低 か った. すか,な どであ る。結果 として,こ の試みに参加 した. (福 武書店教育研究所 『モ ノグ ラフ・小学生 ナウ. 若者 の社会化 を促す ことを目指す ことにした。. 第. 4回 国際比較調査 「家族 の 中の子 どもたち」』vol.14-. このために,2004年 9月 27日 ,甲 南女子大学人間 科学部人間教育学科 の 3年 生対 象 の専門科 目「教育社. 4,1994)。. 1995∼ 96年 にか け て 行 わ れ た ,世 界 の 6都 市 (東. 会学. B」. (受 講生. 87名 )で ,二 段構 えで調査 を行 うこ. 京 , ソウル ,北 京 , ミル ウ ォー キ ー ,サ ンパ ウ ロ, オ. とに した。 まず,第 一段階 として,翌 週 の 10月 4日. ー クラ ン ド)の 小学校 5年 生 を対 象 と した比 較調査 で. までに レポー トを提出 してもらった。課題 は,若 者評. は,こ れ までの 質問項 目か ら「スポ ー ツの うま い 子」. を示す 3項 目 (① 肯定的表現 ,② 否定的表現 ,③ 微妙. が落 ちて 6項 目で な された ものの ,日 本 の子 どもたち の 自己評価 は全 項 目で最低 だった (ベ ネ ッセ教 育研 究. な表現)を 設定 し,こ れ らの項 目の うち 2項 目以上 を 選 んで,自 分 の周辺 でだれが どんな表現 をしたかにつ. 所 『別冊. いて,該 当す る表現 を各項 目 1つ 以上紹介するとい う. モノグラフ・小学生ナ ウ 第 5回 国際教育. シンポジウム報告書』 1997)。 ベ ネッセによる,一 連 の調査以外 の結果 はどうだろ. ものである。その結果 ,79名 か ら回答があ った。. うか。. とめ,翌 週 の 10月 11日 に全員に返却 し,こ れ らを読. 古荘純 一 らのグループが 2001年 度 か ら小 中学生対. それか ら,第 二段階 として,こ れ らをプリン トにま んで,感 じた ことや考 えた ことをまとめて,改 めて lo.
(4) 28. 甲南女子大学研究紀要第 42号. ^. 人間科学編 (2006年 3月. ). これが きつい表現 になると,最 近 の大人の方がなっ. 月 20日 まで に提 出 して もらった。 そ の 結 果 ,76名 か. てない とい う大 人批判 となる。 た とえば,「 よ くでて. ら回答 があ った。. なお,「 どの年齢層 を若者 と呼 ぶか」 につい ての判. い ることで,携 帯 のマ ナー についての批評 は,若 者 に. 断 は,学 生が 自分周辺 で若者評 を把握する際は発言者. 限 つたことではない ように私 は感 じます。電車 に乗 っ. に,ま た若者評 を学生 自身が どう受けとめるかをまと. ていてよ く目につ くのは,お ばさんの携帯 での大 きな. める際 は学生に,そ れぞれ任せ ることに した。. 声 での会話や,背 広 を着 た人の携帯 での仕事 のや りと りで,若 者以上 にある と私 と思 い ます」や,「 見 た 目. 早速 ,記 述内容 を検討 しよう。. が派手 =非 常識 ,の 図式が成 り立 っていることに驚 い. 2.若 者 評 に 対 す る若 者 に よ る考 察. た。 これは,否 定的表現 にお いて,マ ナーが悪 い と認 識 されてい ることによるものなのだろ うか と思 う。若. 若者観 は,人 びとと若者 との相互作用のあ り方 を規. 者 でな くとも,マ ナーの なってない オ トナは,た くさ. 定 し,そ の相互作用のあ り方が若者 の行動 や発達 のあ. んい るとい うのに」,「 よく大人は 『最近の若者 は』 と. り方を規定する。. い う言葉 を口にするが,常 識がない とか電車 の なかで. 今回集 め られた若者評 を,学 生はどの ように受け と. のマ ナーが悪 い とい うのは若者 だけではない し,ど ち. めたのだろ うか。 ここでは,1)ひ と くくりに される. らか とい うと,最 近 は電車のなかでのマナーなどは大. こと,2)否 定的な見方 をする背景 ,3)日 本社会の変 貌が生 む若者像 ,4)若 者へ の評価 のね じれ現 象,5). マ ナーだけではな く,否 定的表現 は若者 だけにい える. 自分 に生 じた学 び,6)学 生か らの要望 ,の 6つ の観. ことではない と思 った」 となる。. 点でまとめた。それぞれ,学 生の記述 を拾 いなが ら紹. 人の方が悪 い と思 うことが多 々ある。電車 のなかでの. 2。. 1。. 2. 否定的 に表現 されることへの悲 しさや痛み. 否定的評価に悲 しみや痛みを覚える人 もいる。. 介 しよう。. 悲 しさを表明する もの としては,「 すべ ての人の マ ナーが悪 いわけではないが,少 数 の人の行動 が 『最近. 2e l ひとくくりにされること. まず,「 最近 の若者 は,… 」 で ひ と くくりにされる. の若者 は,マ ナーが悪 い』 とひと くくりにされるのは. 語 り口について,学 生はどのような思 いで受け とめた. 悲 しいこ とだな と思 い ました」 や,「 ひ とつの集団 と. のだろ うか。. して,ま とめてみ られてい るように感 じました。それ. 2。. 1。. 1. 否定的 に表現 されることへの反発. は,悲 しいです。なぜ なら,若 者 で も親切 な人や礼儀. ひとまとめに して語 られるとき,「 若者 とひ とまと. が いい人など,い ろいろな人がい るのですか ら。私 た. めにされるのは,ど うもイヤな気分 になった」 とい う. ち一 人ひとりをもっとみてほ しいです。若者 はきっと. 記述 にあるように,イ ヤな気分 を生みがちである。そ. さまざまな新 しいこ とに挑戦す る力 をもっていると思. れは,ど うして も否定的な表現 に出合 うことにな りが. うし,こ れか ら将来 を創 っていけるのですか ら」 など. ちだか らである。. がある。. と くに否定的な決めつ けは,反 発 を生む。それは. 痛 みの表現 としては,「 年配 の方 の意見 に,み んな. ,. 「一部 の若者 の行為 で,す べ ての若者 がそ うだ とは決. がみんな同 じではないの にと腹立た しく思 うこともあ. めつ けてほ しくない。 メデ ィアがそうい う若者 ばか り. りましたが,意 見 を読 んでい ると,自 分 にあてはまる. をクローズア ップするか ら,よ りいっそう若者 の イメ. と感 じる こともあ り,胸 が痛 く思 えました。私が,高. ー ジが低下す るのだ と思 う」 とい う言葉 となる。. 校生 をみていて,自 分 のころとは違 うと思 うの と同 じ. この矛先 は,か つ て大人 も同 じだつたん じゃないか. ように,年 上の方か らみると,若 者 の行動 は信 じられ. とい う声 につ なが る。 た とえば,「 化粧 が 濃 い,派. ないこ となんだろ うなあ と感 じました」 が該当す る。. 手 ,オ シヤレ,み んないっ しょにみえるなど,容 姿 に. 2。. 1。. 3. ひとくくりに しない大人に出会 った安堵感. つい ての批 判が多 か った け ど,フ ァッシ ョンに夢 中. 若者 をひとくくりにせず,ま して否定せず,い い と. で,オ シャレにな りた くてみんないっ しょの ものを身. ころ もみて くれてい る大人が い ることを知 った安堵感. につ けた り,メ イクもきれい になろ うとがんばるか ら. や うれ しさを述べ てい る意見 もある。. 濃 くなっていって…,っ てい うのが若 さなん じゃない かな,そ うい う部分 っていまも昔 もいっ しょじゃない. あるなどの意見 は, と くに最近 の若者 に限ったことで. かなと感 じました」 が該当す る。. はない ような気がする。親やその また親の世代 の意見. 安堵感 としては,「 自己主張 がで きる とか活動的 で.
(5) 島田 博司 :若 者 による「若者観」の受容. としてでた,自 己主張がで きるなどの意見は,そ の人. 若者 の悪 い ところ探 しにはまり,い い ところが 目に. たちが 『若者 って,そ んなことがで きていいね』 とい. 入 らな くなるとい う視野狭窄 を指摘す るもの もある。. うふ うにいってるよ うにみえた。『大人 になって社会. それ は,「 ひとつ思 ったのは,一 回悪 い ところをみて. にでて,自 分 の主張 ばっか りは してられない…。けれ. しまうと,そ れがそのまま『すべ ての若者 は』 となっ. ど,若 い うちはで きたらいいね』 ってい うふ うに。 と. てい るのではないか とい うことである」 にみ られる。. くに最近だか らとい うわけではないの に, きっと親世. こうした指摘 は,否 定的表現 にとどまらない。 た と. 代 だって若 い ときはそ うだったろ うに。で も,『 最近. えば,「 肯定的表現 で気 になったのが,電 車 で席 を譲. の若者 は,自 由ね』なんてい ってるように思 う。否定. ること。 これに関 しては,若 者 に限った ことではない. 的表現 で も同 じだ。最近 も昔 もたい して変 わらないん. と感 じる。常識的に考 えて,ご く当た り前 のように思. じゃないだろ うか ?. うのは,私 だけだろ うか」 とい う指摘 がある。若者 に. なんだか 『最近 の若者 は』 なん. てい う語 りだ しか らなんだかち ょっと悪 い感 じが し. 限 ったことではない ものが若者 に限った ことの ように. どんな子 もひ とまとめ に されてる感 じがす る。けれ. 思われて しまう。. ど,そ うや ってひとまとめにみるのは間違 ってるとい. 2。 2。. ,. う意見 もあ って,公 平 にみて くれる大人 もや っぱ りい るんだよな… と安心感 もあ った」 がある。 2。. 1。. 4. 2. 健忘症 ∼いいこ としか覚 えていない. 大人世代 の,自 分が若 い ときのいいこと しか覚 えて い ない とい う健忘症 を指摘す る声 もある。「私 は,お ばさんが化粧 を一通 り電車 のなかです ませてい る姿 を. 肯定的表現 に出合 ったうれ しさ. うれ しさの表明 としては,「 若者 とい うひ と くくり. よ くみかける し,常 識 の ない人は年 をとった人で もい. の表現 のせい もあ り,多 少 の先入観 もあると思 い ます. つ まで も常識がない と思 い ます。大人は,自 分 たちが. が,私 はなによ りもちゃん といい部分 を理解 して くれ. 若 かったときのことはいいこ としか覚 えてい ない よう. てい る大人の多 いこ とがす ご くうれ しかった」 や「最. です。肯定的表現 も否定的表現 も昔 とさほど変 わ らな. 近 の若者 について,ど う して も印象 に残 るのは悪 いこ. いのではないか と思 い ま した」 がそれである。. とばか りで,話 で と りあげ られるの も悪 いこ とばか り. 2.2.3 まなざしの誕生∼おとなになった証 し. で,い い ところをみ られていない ように思 えるなか. ,. いつの時代 も不易 と流行 の部分 がある。かつ ての若. こう して改めていい ところをあげ られると,若 者 の よ. 者 も大人 ?へ 移行 し,若 者 との距離 を感 じるようにな. さがみえて きて,若 者 としては うれ しく感 じました。. る。それが,若 者 とい うジヤンル を生み,な んらかの. そ して,と て も参考 にな りました」がある。. 視線 を発生 させ る。それは,な んらかの違和感 の発見 には じまる。そ して,そ れへ の対応 として起 こるのが. 2。. 2. 否定的な見方 をする背景. 自己肯定 と他者否定 とい う自己防衛反応 だろ う。. 大人 は,と か く若者 をひとくくりに して否定的 に評. 違和感 の発見 は,「 若者 は,確 か に昔 か らみれば. 価 して しまいがちである。そんな大人の見方がでて く. 変 わってい るだろ う。 だが,い つ の時代 で も若者は. る背景 にはなにがあ るのだろ うか。. 大人か らみたら違 った生 き物 にみえるものでは,と 私. そ こでは,大 人の安易 さや限界 を指摘す る声 が少な くない。 2.2。. 1. パ ラダイム効果 ∼見方 が評価 を決める. ,. ,. は思 った。そ して,こ の先 も若者が時代 に変化 をもた らし続け,世 の 中は変 わってい くのだろ う」 にみる こ とがで きる。. 若者へ の評価 は,大 人サイ ドの ものの見方 ・考 え方. 否定的 なまなざ しの誕生 は,「 いつの時代 で もそ う. 次第で,事 実 をみる前 に決 まってい るとい う指摘 があ. だ と思 うが,大 人 は若者 の考 え方 を理解す るのに苦労. る。 た とえば,「 一 人 ひ と りの価値観 によって,若 者. し,『 最近 の若者 は』 と表現 してい るのだ と思 う。 フ. を肯定的 に思 った り,否 定的 に思 った りするんだろ う. ァッシ ョンに して も音楽にして も流行があるわけで. な」 や,「 常識 がなってい ないこ とを常識 に捉 われな. 時代 の流れ も変 わって きて い る。 これが 時代 の特性. ,. い ととる人,自 己中を自己主張が で きると肯定的にと. (特 徴 )で. る人,冷 めてい ることをクール ととらえる人など,い. い も多少 はある。他方 ,礼 儀 やマ ナー,も のの見方 ・. ろい ろな捉 え方がある。 どう評価す るかは,そ の人が. 考 え方 , さらに コ ミュニケー シ ョン能力な ど社会 で生. 若者 を肯定的 な感情 をもってみてい るか,否 定的な感. きてい く上で必要な知識や技能 の不足 が大人か ら若者. 情 をもってみてい るか とい うことにも関係 してい るの. に対 して多 く指摘 されてい る。みんなの表現 を読 んで. ではないか」 が該当す る。. いて も,ど ちらか とい うと父親 の否定的表現 が多 かっ. もあると思 う。世代 が違 えば,価 値観 の違.
(6) 甲南女子大学研究紀要第 42号. 人間科学編 (2006年 3月. ). た よ うに感 じた。 10年 後 ,20年 後 の私 た ち も,『 最近. で は ,恵 まれ て る な ど,こ れ は 現 代 の 若 者 だか ら こ そ. の若者 は』 ときっ と口に して い る ような気 がす る」 の. で きる こ とが い っぱ い あ るんで は な い か な と思 い ま し. よ うに語 られ る。. た」 が 当 て は まる。. もちろん,消 費社 会 の 影 の 部 分 と して ,「 人 との か 2。. 3. かわ りが な くな って きた とい うので ,確 か に最近 そ う. 日本社会 の変貌 が生 む若者 像. 「最近 の 若者」 を語 る と き,そ れ はそ の 時代 や社 会. い う こ とが 苦手 な人が増 えて きて ,実 際 に事件 がお き. と蜜 月 の 関係 にあ る。現代 の 日本社 会 を○○社会 と呼. た りして い ます。 それは,モ ノがあふ れす ぎて い る こ. ぶ とき,た とえば ,情 報化社会 や消 費社 会 とい う よ う. の 時代 に も関係 があ るんだろ うな と思 い ま した」 とい. に,○ ○ には い ろ い ろな言葉 を当 てはめ ることがで き. う指摘 もでて くる。. る。変貌す る 日本社会が新 たな若者 f象 を生 んで い く。 2。 3。. 1. 2。 3。. 3. 核 家族化社会. 核 家族 化社 会 とい う視点 で は ,「 なぜ モ ラ ルの な い. 情報化社会. 肯定 的表現 は,情 報化社 会 に由来す る ものが 多 い 。. 若者 が増 えて い るのか … 。そ れは ,す べ て若者 の責任. この ため ,そ の 評価 に対 して疑 念 を挟 む声 が で て く. とは限 らない。 い まの 日本社 会 に問題 があ るので はな. る。. い か。若者 だけで な く,手 本 となる大 人たちの モ ラル. た とえば,「 肯 定 的表現 の なか で ,少 しひ っか か っ. も希薄 になって い る よ うに思 う。核家族化 が進 み ,他. た意見があ ります。 それ は ,行 動力 が あ る とか努力 す. 人に対 して無 関心 になるこ とで ,相 手 の気持 ち を考 え. と比 べ て努力 す. な い 人が増 えて きた。 そ んな社会が モ ラルの ない 若者. る人が増 えた とは思 え な い の で す。変 わ った とい え. を増 や してるので はない か と思 った」 をあげる こ とが. ば,情 報収集す る機会 と手段 が増 えた とい う こ とで し. で きる。. る人が 多 い とい う意見 です 。私 は ,昔. ょう。最 近 の 若 者 は,情 報 収 集 す る 機 会 や 能 力 に長. 多少強引 だが ,「 私 が 気 にな ったの は,い ま も昔 も. け,そ の情報 を生 かす 方法 を知 ってい る人が 多 いので. 本 質的 に変 わ ってい ない と書 い て い る人の言葉 です 。. す。生 か し方 もい ままで とは まった く違 った広 い範 囲. 、 亡 確 か に,い ま も昔 も″ 優 しい 人 もい れ ば悪 い こ とをす. での事業 で あ るため ,周 囲 か らみ る と,動 い て い る人. る人 もい て,そ れは変 わ りませ ん。 しか し,犯 罪 の低. が突 出 してみ えるので しょう。 また ,実 際 に動 いてい. 年齢化や虐待 な ど,か な り変 わ った よ うに感 じます。. る人 間 の情報 が 昔 と比 ベ キ ヤ ッチ しやす くな ってい る. と くに小学生が 人 を殺す とい う事件 は,シ ヨックで信. こ とが 原 因 だ と思 われ ます」 で は,情 報環境 の 変化 が. じられ ませ んで した」 とい う文 も,核 家族化社会 の枠. 新 たな能力 を必要 と し,そ の習熟 には若 さが モ ノをい. に含 め る ことが 可能 だろ う。. う とみ て い る。 だか ら,こ の環境 な らで きて当然 だろ う とい う見方 を生 む。. 2。 3。. 4. 欧米化社会. 日本 社 会 の 変 貌 を欧 米化 の 観 点 か らみ る もの に. ,. この 見方 は ,同 じ環境 が整 っていれ ば,い まの大 人. 「み んなの 若者考 を読 んで思 ったの は ,最 近 の 若 者 は. も若 い ときにで きたはず だ とい う推測 につ なが る。 そ. 外面 も内面 も欧米化 して きて い るので はないか とい う. れ は,「 肯定 的表現 とい つて も,昔 よ りい まの 若 者 が. こ とです 。容姿 でみ る と,頭 が小 さ くな り,手 足 が長. 偉 くな ったのでは な く,生 活環境 が 昔 よ りも進歩 した. く,昔 に比 べ て全 体的 に ス タイルが よ く,昔 か らの典. か ら起 こった もの で は な い か と思 い ま した。 た とえ. 型 的 な 日本 人体型 とい う ような若者 は少 な くな って き. ば,視 野が広 くな った ,世 界 に通用す る ようになった. て い る ような気 が します。 フ ァッシ ョンに関 して も. とい う意見 は,情 報伝達機器 が発達 して起 こった もの. 欧米 の 影響 がでて い るのか な と思 い ます。内面 的 な も. で はな い か とか。昔 の 若者 だって ,い まの ような環境. ので は,自 己主張が で きる とか ,は っ き リモ ノ をい う. におかれて い れば,そ うい うふ うにな れたので はな い. とい う表 現 が 多 か った 気 が す る け ど,こ れ も 日本 人. か と思 い ます。肯 定 的意 見 が こん な意 見 しか な い の. の ,あ ま り意 見 をい わない とい う過去 の イメー ジか ら. は,本 当 に問題 だ と思 い ます。今後 の 日本 を現 代 の 若. 大 き く変 わ って きた と思 い ます。 だ け ど,そ れが いい. 者が背負 ってい けるのか ,本 当 に心配 で す」 とい う表. こ とばか りにつ なが るか とい う と,そ う は思 え ませ. 現 となる。. ん。 自分 の意 見 をはっ き りどん どん主 張 して しまう と. 2. い うの は,見 方 に よっては ,人 の意見が聞けな くな っ. 2。 3。. 消費社会. ,. 肯定 的表現 は,消 費社 会 に生 きる現代 の若者 だか ら. て い て ,一 歩引 い て考 える,相 手 の こ とも考 える とい. こそ で は な い か とい う指摘 を呼 ぶ 。「肯定 的 な ところ. う気持 ちが な くな って きて い る ともい える と思 い ま し.
(7) 島田 博司 :若 者 による「若者観」 の受容. た。姿 ,形 は進化 していて も,中 身の進化 はイマ イチ !?と. ってい るのだ と思 い ま した」,「 肯定 的表現 の なかで. ,. 自己主張が で きる とい っていた人が 多 い よ うです 。 そ. い う感 じが しました」 がある。. の一 方 で ,自 分 の意見 を もたない とい う否定 的表現 も 2。. 4. 若者 への評価 のね じれ現象. あ りま した。 また ,自 分 に正 直 ,自 己 中心 的 ,常 識 に. 若者 に対す る,① 肯定的表現 ,② 否定的表現 ,③ 微. とらわれ な い ,自 由な発想が で きる とい った意見 も. ,. 妙 な表現 , とい う 3つ の評価 か ら,学 生がみた ものは. 肯定 と否定 の両表現 の なか にみ られ ます。 これ は,い. なんだろ うか。. い 意味 で も悪 い意味 で も,若 者が我慢 しな くな って き. 若者評 の対象 となった文章 か らキー ワー ドを抽出 し. て い るか らだ と考 え られ ます。我慢 を しな いため ,す. よう。す ると,肯 定的表現 には,「 自己主張が で きる. ぐに アルバ イ トな どを変 えるな ど 自由気 ままにや った. こと」 や,「 (フ アッシ ヨンなどのオシャレや ス タイル. り,い わゆるす ぐキ レルとい うような ことになるので. とい った)外 見や見 た 目の よさ」,「 4固 性 的. 生き. しょう。 しか し一方 で,我 慢 をしないために,思 わぬ. 方)」 ,「 (見 た目とギャップのある)中 身の よさ」 など. こともや ってのけるように人の 目には映 ります。つ ま. があがって くる。. り,や りたいこ とを して成功すれば自由な発想がで き. (な. 他方 ,否 定的表現 には,「 自己中心」や,「 (フ ァッ シ ョンなどの)だ らしなさ」,「 個性的. (な 生 き方)」. ,. 「 (言 葉使 い や ケ ー タイ,電 車 で な どの)マ ナ ー の悪 さ」,「 (ル ール を守 らない な どの)自 由奔放 さ」 な ど を拾 うことがで きる。. 三様 であるものの,い ず れ もものごとには二面性があ ることを指摘 してい る。. 2. 線引きの難 しさ. 評価す るときの,線 引 きの難 しさを指摘する声 もあ る。それは,見 た目や個性 にまつ わる記述 に現 れる。. 相剋 がある。 これ らを読 み解 くと,評 価 に関 して,各 種 のね じれ. た とえば,「 服装や見 た目に対す る意 見 には,考 えさ せ られた。オシャレ=派 手, とは違 うと思 う。その境. 現象 を指摘す ることがで きる。. 1. す」 などが該当する。見方が正反対 になる理由は三者. 2。 4。. 微妙 な表現 では,肯 定的表現 と否定的表現 をめ ぐる. 2.4。. るといわれ,失 敗す れば 自己中心的だ と思われ るので. 固性があ る とは思 わ 目は微妙 だな… と感 じた」 や,「 イ. 表裏一体 となった裏腹関係. まず,「 自分が否定的な意見 だ と思 って も他 の 人は. ない。似 たような格好 をしてい る人は多 くい る し,話. 肯定的 に捉 えてい ることがあるので,否 定的 な表現. をしてい ると,み んなあまり変 わ らないん じゃないか と思 う。で も,他 人 と少 しで も違 うことがイ 固性 だとい. は,あ る意味,肯 定的表現 を含 んでい るもの もあると 感 じた」 とい う指摘 にあるように,肯 定的表現 と否定 的表現が表裏一体 となった裏腹関係 にあることに気づ. うな らば,だ れだって個性的なん じゃないか と思 う。 自分 の価値観 にともなった服装や生活 を貫 き通 してい. く。. るとい う信念があ るなら個性的か もしれないが,そ こ. これは,「 自己主張がで きること」 と「 自己チ ュー」. まで逸脱 したことを簡単 にで きるとは思わない し,望. を対比 させ ると,わ か りやす い。 た とえば,「 自己主. んでい るとして も,な ん とな く周囲や環境 と同化 して. 張がはっき りで きると答 えた方が多かったが,逆 にい. しまうのが若者なのか もしれない と思 った」 をあげる. えば,自 己中心的な部分 も大 きくなっていると思 う。. ことがで きる。. 他人 に迷 惑 をかけなけれ ば とよ く若者. (自. 分 も含め. 2。 4。. 3. 内面 と外面の対比. て)は い うが,そ れでいい とは本当 は思わない。社会. 肯定的表現 と否定的表現 の特徴 の捉 え方が,人 によ. がそのような理屈 で成 り立ってい るとは思わないか ら. って正反対 にな りやす いのが,人 間の内面 と外面 をど. だ。ただ,自 分があ るものごとに対 して どう考 え,ど. う捉 えるかで起 きてい る。. う感 じてい るか とい うことをわかって もらいたい とい. 肯定的表現 が内面的な ことに多い とい う人 は,否 定. う部分が強 くなっていっているのでは ないか と思 う」. 的表現 は外面的や表面的 なことに多い と捉 えてい る。. や,「 自己チ ューは,自 己主張が はっ きりしてい る と. た とえば,「 否定的表現 では,マ ナ ーが悪 い,服 装が. い うふ うにもとることがで きる し, どんどん変 わって い る時代 の なかで,昔 か ら若者 にはこんなことがいわ. 派手 ,言 葉使 いが悪 い など,外 面的な ことが多い よう. れて きたのではないかなと思 い ます。で も,他 人のこ. 盛 ,の びのび してい るなど,内 面的な ことが多 い と思. とよ り自分 のこと,未 来 よりい ま,っ て考 える人が増. った。若者 を一見すると,言 葉使 い とかマ ナーの悪 さ. えたのだと感 じました。そ して,そ の一人に自分 も入. に目が いつて しまって,否 定的 にとられて しまうのだ. に思 った。肯定 的表現 では,元 気 が よい,好 奇心 旺.
(8) 甲南 女子大学研 究紀 要第 42号. 人間科学編 (2006年 3月. ). と思 う。 しか し,若 者 に少 しふれ あ ってみ る と,内 面. い た。 それは ,オ シャ レに対す る世代 間 の価値観 の違. 的 な こ とが わか り,見 た 目よ りも しっか りして い る と. い だ と思 う。 で も,私 たち若者 自身 に よる表現 となる. 感 じられ るの だろ う。若者がか っ こいい と思 つて して. と,自 分 が現 在 い る環境 に よって意 見 が だ いぶ ん 違. い る こ とが ,大 人 にはマ ナ ーが悪 い と感 じられた り. う」 とい う,世 代 間格差 と世代 内格差 を指摘 す る もの. 新 しい こ とはす ぐに受 け い れ られず に常識 が な い と受. があ る。. け とられて しまうの だ と思 う。否定 的 な ことと肯 定 的. 2。 4。. ,. な こ とが 両 方 あ って 若 者 な のか も しれ な い と思 った」. 5. 若者 の二 極化. 「最 近 の 若者」 とい うけれ ど,そ れ は ひ と く く りに で きな い とい う。 た とえば,「 自己主 張 が で きる,と. と説明す る。 逆 に,肯 定 的表現 が 外面 的や表面 的 な ことに多 い と. い う こ とが ,肯 定 的 な表現 ・否定 的 な表現 ・微妙 な表. い う人 は ,否 定的表現 は 内面的 な こ とに多 い と捉 えて. 現 の それぞれ に入 ってい ま した。 自己主張 はで きな く. い る。 た とえば,「 全体 的 にみ て ,肯 定 的表 現 には フ. ては い けない もの だけれ ど, しす ぎる と,逆 に協調性. ァッシ ョンな ど表面 的 な こ と,否 定 的表現 には 内面 的. に欠 けて しまい ます。 そ の 中間 の微妙 な部分が難 しい. な こ とが 多 か った よ うに感 じます。 なかで もマ ナ ー ・. と思 い ます。 この言葉 が 3つ の 表現 に入 ってい るこ と. ール で す ら自分 で. に疑 間 を覚 えた反面 ,い ろんな若者 が い る とい う こ と. 思 った よ うに 自由 に解釈 して い る人が増 えて い るので. を この 表現 が 表 して い るので はな いの か と,私 は感 じ. はな い か と思 い ます。 これ は,自 由 で いい場面 とそ う. ま した」 とい う文章 が ある。 ここで は ,い ろんな若者. で な い場面 をわ きまえて生 きる こ とがで きな い 人が最. が い るか ら,評 価 が われ るこ とが 指摘 されて い る。. 常識 に関す る否定 的表現 が 多 く,ル. 近 の若者 に増 えて い る こ との現 れで はな い か と思 い ま. しか し,そ れ は多様 な若者が い る とい う よ り,二 種. した」 や 「肯 定 的表 現 で ,多 くの 人が フ ァ ッシ ヨ ン. 類 の若者 が い るので は とい う。若者が 二 極化 して い る. や ,い わゆ る 自分 の 見 か け を指摘 して い る結果 に,ま. とい う指摘 は,「 大 人か らみ て ,い まの 若 者 はや りた. さにそ うだなあ と感 じた。 否定 的表現 には,根 気 が な. い放題 ,礼 儀 がで きて い ない とか思 われが ちであ る。. い ,自 己 中心 的 で あ る,ル ール を守 らな い ,だ ら しな. い まの若者 は,そ れがで きて い る若者 とで きて い な い. い な どが あ った」 な どが 該 当す る。. 若者 の 差 が激 しいの か な と も思 い ま した」 や ,「 夢 や. この ね じれ現 象 は ,た とえば「マ ナ ー の悪 さ」 を. 仕事 に対 しては,二 極 にわかれ る よ うで , しっか り見. 見 た 目の悪 さとい う外面 的 な もの と して捉 えるか ,心. 据 えて い る部分 と, ど う して いい かわか らず流 されて. の悪 さとい う内面 的 な もの と して捉 えるか ,そ もそ も. い る とみ えて い る部 分 が あ る よ う に思 う」 や ,「 若 者. の提 え方 の違 い に端 を発 して い るだろ う。 さらに, ど. は積極 的 だ とい う人 もい る し,無 気力 で無 関心 だ とい. こかで ホ メたな ら, どこかで クサ して ,バ ラ ンス を と. う人 もい て ,驚 きま した。確 か に 目標 を もって ない 若. るバ ラ ンス感覚 の なせ る業 か も しれ な い。 いず れ にせ. 者 が 多 い けれ ど,自 分が興味 を もっている こ とに関 し. よ, とて もお も しろ い現象 で あ る。. てはす ご くが んばる し,ど ち らの意 見 も正 しい と思 い. ,. 2。. 4.4. 世代 間格差 と世代 内格差. ま した」 な どにみ る こ とがで きる。. 視点 としてお も しろ いの は,世 代 間格差 に注 目 した 記述 で あ る。 それ は ,「 肯定 的表現 には ,本 人や 同世. 2。. 5. 自分 に生 じた学 び. 代 の 人 の 意見が多 く, しか もフ ァ ッシ ョンセ ンスが い. 自分 に生 じた学 び には,現 実 を知 る もの ,過 去 をふ. い や ,視 野 が広 い ,好 奇心 が強 い な ど,ポ ジテ ィブな. りか える もの ,未 来志 向 の もの な どがあ る。 自分 たち. 意見が多か った と思 い ます。否定 的表現 で は,親 や祖. が 他者 に ど う映 ってい るか を聞 くこ とで ,い ろい ろな. 父母世代 か ら,マ ナ ーが悪 い こ とや容姿 の指摘 が 目立. ものの 見方が あ る こ とを知 り,改 めて 自分 を見 直す機. ち ま した。微妙 な表現 で は,悪 い イ メー ジだけが 先走. 会 とな り,今 後 どう した らいい か を考 える場 となって. り,で も一 人 ひ と りをみ る とそ うで はないの か も… と. い る。. 思 ってい る大 人 もい る こ とを知 りま した。少年事件が 増 えて ,報 道 で はマ イナ ス な ところばか りい われ ,厳 しい 目 もあ る割 には ,温 か い 日でみて くれて い るので はな い か と思 い ま した」 とい うもので あ る。 さ らに,こ れ を もう一 歩進 め た もの と して ,「 服 装 が汚 い とい う表現 が ,祖 父母 の 世代 に多 いの が 目につ. 2。 5。. 1. 現 実 を知 った. 今 回 ,現 実 を知 って ,勉 強 になった し,お も しろか った とい う学生 が 少 な くない 。 勉 強 になった とい う感 想 には ,「 い ま まで ,私 と同 じ世 代 の 人が若者 につい て ど う とらえて い るのか 知 る 機 会が なか ったので ,新 しい発見 にな りま した」 や. ,.
(9) 島田 博司 :若 者 による「若者観」 の受容. 「母親,父 親 ,バ イ トの店長 など,年 代 によって さま ざまな見方があることがわかった。私 たち同年代 がみ. り,最 近 の若者 の典型 で した。で も,私 には幸 い にも 先生の授業 を受 けて,自 分 と向 きあ う時間 をつ くる機. る “ 若者"と ,親 世代やそれ よ り上の世代 (祖 父母な ど)が みる “ 若者"が ,同 じような意見 もあればぜ ん. 会があ ります。その時間 を活 か して,自 分 をみつめ直. ぜ ん違 う意見 もあ って,読 んでて楽 しか った し,勉 強. つ若者像 も少 しずつ変化 してい るだろう。なにか と非. になった」,「 〈若者 〉とい う立場 であ る私 たちが,〈 若 者 〉はこの ように思われ,自 分 たちも自分たち自身 を. 難 されがちな若者 だが,厳 しい現代 ゆえに,い まの社 会 に適応 しようと若者 自身 も苦 しんでいる。ぜ ひ広 い. この ように感 じてい るとい うことを改 めて知 り,自 問. 心 と視野 をもって,若 者 を温か く見守 ってほ しい と感. 自答す ることによつて,な にかい ま現在の 日本社会に. じた。 このような考察 をする ことで,身 をもって現状. とっての若者 の存在 を知る ことがで きた,そ んな気 が. を感 じる ことがで きた と同時 に,改 めて 自分 自身,自. した」,「 今回,み んなの意見 を聞 くことによ り,プ ラ ス面 ・マ イナス面それぞれの意見 を知 ることがで きて. 分 の生活 ,そ してまわ りの環境 を見直 し,考 えさせ ら. よかった」 などがある。. してい きたいです」,「 時代 の変化 とともに,世 間が も. れるいい機会 となったのは事実 だ」 などがあ る。 2。 5。. お もしろさを感 じた とい う感想 には,「 全体 をみ る. 3. 自分の課題 を発見 した. 自分 を見直 した結果 ,自 分 の課題 をみつ けた学生 も い る。 た とえば,「 微妙 な表現 のひ とつ に『いつで も. と, どれ も同 じような ことを思 っている人が多 く,お もしろ く感 じた。否定的表現 を多 く書 いてい る人 もい. おはようとい う』 とい うのが あ るのを読 んだとき,す. て,自 分が思 いつ かなかったよ うな表現 があ り,『 な. ご く納得 して しまい ました。私たちは,た とえ夕方 に. るほど』 と思 った」 や,「 読 んでみて,い ろいろ若者. 友達 に会 って も,そ の 日会 うのがは じめてな ら,『 お. について思 っている意見が聞けて,そ うい うふ うにみ. はよう』 といい ます。それが,私 たちのなかでは当た. てい るのか と思 うとお もしろい なとか,残 念 だなとい. り前 になっています。私 たちが当た り前 に思 つている. う思 いが しました」 などがある。. ことで も,よ く考 えればおか しな ことはた くさんある と思 い ます。若者考 を読 んで,改 めてそ う思 い ま し. 2。 5。. 2. 自分 を見直すいい機会 となった. 自分 を見 直す いい機会 になった とい う感想 で は 「こん なふ うに自分たちの ことを肯定的・否定的 ・微 ,. 妙な表現 として捉 えてみる ことは,改 めて 自分 たちの ことを世間が どんなふ うに思 っているのか,同 世代 の 人が 自分 たちをどうみてい るのかを知 ることがで き. ,. 自分 たちを見直す きっか けになったと思 い ます」 や. ,. た。 自分 の若者 に対する見方 も視野 も広げてみ ようと 思 い ました」 とい う記述 がある。 もう少 し具体的 な記述 としては,「 若者 をひ と くく りにして考 えるのは,本 当に難 しい と思 い ました。若 者 はいまも昔 も本質的に変 わってい ない といつた意見 や,昔 とは違 うがそれな りの価値観 をもって生 きてい. 「みんなの書 い た ものをみて,納 得 い くものや そ うで. るとい う意見 を読 んで,い つの時代 も若者 は大人や社. ない ものがた くさんあ った。い ろいろな世代 の人たち が,若 者 に対 して思 っていることをみれる機会 は減多. 会か らみれば,常 識 が足 らず ,自 己中心的な存在 であ ると思 い ました。そ して,そ のパ ワーが新 しい時代 を. にないので,今 回知 れてよかった。私 も若者 の部類 に. つ くってい く原動力 になってい くのだ と思 い ます。 し. 入る と思 うので,否 定的 なところをみて,直 してい き. か し,若 さゆえに時代 に流 されやす く,ま わ りにあわ. たい と思 った」,「 みんなの若者考 を読 んで,い まの若. せて生 きて しまった りします。 また,早 くに夢や 目標. 者 は,自 分 を含めて,ま わ りか らこん なふ うに思われ てい るんだなあ∼ と思 い ました。否定的表現 の ところ. をもてた人 とそ うでない人 とで,若 い うちは差がでて. で,自 分 にも当てはまる ことがあ り,素 直 に受けいれ. しまうと思 い ます。それをい まの時点で,若 者 はこう だ といって も一 人 ひと り抱 えてい る問題 や気づ く時期. だったのは,自 分 も『若者』 といわれる年齢 であると. は違 うと思 うので, もしなにかをみつ けたときにいつ で も思 いつ きりや つてみる力 をな くさないようにしな. い うのに,な ぜか他人事 の ように思 って しまっている. けれ ば と思 い ました」や,「 最近 の若者 は,行 動力 が. ことです。先生 の授業中 に感 じる感覚 と同 じだ と思い. あるってい うものが多かったけれ ど,そ の行動力 をど. ます。 自分 と向 きあわず ,現 実逃避 してい るのが実感. う使 うかが重要 なのだと思 い ました。 自分 のために使 うのか,他 人のために使 うのか…」 がある。. て,改 めようと思いました」,「 自分 のなかで一番問題. で きました。それ も,最 近 の若者 にみ られる否定的表 現 のなかに含 まれるものであって,自 分 も普通 にそれ をして しまっている。や っぱ り自分 も最近 の若者 であ. 2。 5。. 4. 社会的な課題 を発見 した. 自分 の課題 ではな く,社 会的 な課題 を発見 した学生.
(10) 34. 人間科学編 (2006年 3月. もい る。 た とえば,「 肯定 的 な面 は い い に して も,な. て い るな ら,教 えてあげな くて はい けな い。 も しはず. ぜ 否定 的意見 にマ ナ ーが な って な い な どの行動 につい. れて い るな ら,教 えるの は親 が一 番 だ と思 う。 そ の 親. ての 言葉 が集 中す るのか ,な ぜ そ の ような若者 が増 え. の 世代 か ら常 識 が な い とい われ るの はお か しい と思. て しま ったのか ,若 者 を と りま く環境 が ど うかか わ っ て い るのか ,知 って い きた い と思 い ま した」 や ,「 人. ). う」 にみ るこ とがで きる。 2。 6。. 2. 大人 ももっ と時代 とともに柔軟 に生 きて. に よって い ろんな捉 え方 が あ って ,お も しろか ったで. 時代 が 変 われば ,人 も変 わ る。 もちろ ん ,変 わ らな. す。『個性 が大 事 といい なが ら,み ん な似 た よ うな格. い部分 もあ る。 そ こで ,不 易 と流行 をめ ぐって ,摩 擦. 好 や 行動 を して い る。結 局 ,な にが した いの かわか ら. が生 じるの は 自然 な流 れだろ う。 そ の バ ラ ンスの と り. な い』 とい う表現 が あ った け ど,こ れ は的 をつ い て い. 方 が 難 しい。. るな と思 い ま した。最近 の若者 は,自 分 も含めて ,こ. そ こで ,「 肯定 的 な表現 と否定 的 な表現 には,微 妙. うい う矛盾 した点が 多 い と思 い ます。全体 的 に,肯 定. な関連性 が あ る と感 じた。 た とえ ば ,肯 定 的 な表 現. 的表現 よ りも否定 的表現 の 方 が 多 か ったけれ ど,こ れ. に,視 野 が広 い ,行 動力 やチ ヤ レンジ精神 が ア ップ. も納得 して しまい ま した。昔 に比 べ て最近 の 若者 に悪. 自己主張 がで きる,夢 に向 か ってが んばる人や個性 を. くな った点 が 多 い な ら,そ れ には背景 があ るはず だけ. だそ う と して い る人が 多 い とあ る一 方 ,否 定 的 な表現. ど,そ れ を知 って ,こ れか らこんな若者 が増加 しな い. に,無 気力 ,無 関心 ,夢 が な い ,個 性 が な い な どとあ. ための 対処法 を考 えて い きた い な と思 い ま した」 な ど. り,多 くの こ とが 肯定否定 の 両方 に書 かれて い た。 ま. があ る。. た ,幅 広 い世代 の 人が ,若 者 のマ ナ ーが悪 くな って い. これか ら派生 す る こ とと して ,「 これ か らの 日本 の. ,. る と感 じて い る。 ひ とつ私 が思 った こ とは,大 人は 自. う変 わ ってい くの だ. 分 た ちの 時代 と比 べ す ぎて い る気 がす る こ とだ。時代. ろ う と思 い ま した」,「 これか ら先 ,若 者 の イメ ー ジが. が変 われば人 も変 わ る。 なに もない 時代 に育 った 人 た. よい方 向 に い って くれれ ば安心 で きるが ,い まの まま. ちが若者 の服装 をみ て派手 だ と思 うの は当 た り前 だ と. では不安 になる」 とい う視点 をあげた学 生 もい る。. も思 う。 よい伝統 や マ ナ ー を守 りつつ ,そ の 時代 時代. 社 会 を創 ってゆ く若者 たちは,ど. に適応 させ て い くこ とが大切 だ と感 じた」 とい う意見. 2.6. がでて くるこ とになる。. 学生 か らの要望. 学 生 か らの提案があ る。 それは ,大 人へ の 要望 が 多. 2。 6。. 3. お互 いがお互 い を尊重 しあ って. 若者 と大 人 の 両方 に要望す る もの として ,若 者 には 2。 6。. 1. 古 きよ き伝統 を大切 に し,他 方 ,大 人 も若者 に対す る. 大人 はもっと若 者 に教育指導 を して. まず は,大 人 は もっ と若者 に教 育指導 を してほ しい とい う要望 が で て い る。 そ れ は ,「 私 は ,今 回 島 田先 生が プ リ ン トアウ トして くだ さった若者考 を読 んで. ,. 偏 見 を もたな い よ うに しようとい う提案が あ る。 まず は,「 と くに多 い意見 は,見 た 目に つ い てで し た。派手 ,チ ヤラチ ャラ して る とい う否定 的 な見方 か. もっ ともだな と思 った こ とが た くさんあ りま した。 こ. ら,オ シャ レ,ス タイルが よい ,ス タイリッシ ュ とい. の よ うにみ んなの 意見 を知 るこ とに よ り,自 分 の考 え. った肯定 的 な見方 まで 賛否両論 あ り,読 んで い てお も. の幅 が広が った と思 い ま した。 と くに考 え させ られた. しろ く感 じま した。 また,見 た 目だけ では判 断 で きな. ことは ,否 定 的表現 です 。 なかで も,礼 儀 が な ってい. い とい う意見 は ,い まの若者 をよ く表 して い る と思 い. な い ,無 神経 な人が増 えたな どは ,実 際私 自身が親 に. ます。 自分 の 意見 を通 した い ときや相手 に認 めて もら. よ く注意 され る こ とです 。 自分 で もダ メだ と思 つてい. う ときは,そ れ な りの態度や身な り,話 し方 な どを選. て も,つ い行動 に移 して しまった りして しまい ます。. ぶ 必 要があ ります。 しか し,い まはそれがで きな い若. それ は ,ま わ りの 人に甘 えて い るか らか な あ と,私 は. 者が多 いの で はな い か と思 い ます。見 た 目や マ ナ ー以. 思 ってい ます。反対 に,若 者 に対 しての肯 定 的表現 も. 外 での肯定的意見 は 多 い こ とか らも,性 格 そ の もの に. た くさ ん あ り,驚 き ま した。 うれ しか った の と同時. 問題 が あ るので な く,否 定 的意見 に多 くみ られ たマ ナ. に,親 や近所 の方 は い ろ い ろ とよ くわか ってい らっ し. ーの 低 下 に よる TPOを わ きまえな い考 え方 の 蔓 延 が. ゃるな あと感心 しま した。気 づ い て い るな ら,大 人 の. 原 因 の ひ とつ で はな い か と思 い ま した。若者が 古 きよ. 方 が もっ と若者 に注意 してほ しい と思 い ます。言 い方. き恥 じらい や マ ナ ー を意識 し,大 人が若者 に対 す る先. 次 第 で は, きっ と若者 も耳 を傾 け ,改 善 の 方向 に向 か. 入観 を考 え直 せ ば ,人 に親切 に して も見 た 日で後 ろ指. うので は な い か と思 い ま した. を指 され る とい った ことが少 しで も減 るはず だ と思 い. !」. と,「 常 識 をはず れ.
(11) 島田 博司 :若 者 による「若者観」 の受容. ます」 とい うもので あ る。. る。高校時代 ,車 内でのマナーが厳 しく問 われるよう. よ り日配 りが行 き届 い た もの と して は,「 肯 定 的表. になるまでは,私 も電車内で化粧 を平気 で した り,大. 現 の 多 くは ,最 近 で な くて も,私 の 親や祖 父母が若者. きな声で通話 をした り,ふ ざけてまわ りのお客 さんに. の ときに も当ては まるこ とで はない か と思 い ます。 そ. 迷惑 をかけて しまったこともある。 い ま客観的にこの. の た め ,で きて当 た り前 とい う潜 在 意 識 が大 人 にあ. ような行動 を思 いかえ してみると,情 けな くて恥ず か. り,若 者 の よい面 に気 づ い て もらえな い こ とが あ るの. しくなって しまう。社会のマナーの悪 さについて もう. で は と思 い ます。 否定 的表現 は とて も多 く,な かで も. 一度 自分 を見直 し,改 善 して い こ う と思 う」 や,「 私. 携 帯 に つ い ての 表現 が 多 く,最 近 な らで はの 傾 向 で. は高校生 の とき,電 車 で座るところがない と普通 に地. す。携 帯 が 普 及 して ,日 々の 生 活 が 便 利 に な っ た 反. べ たに座 っていました。 だけ ど,い まはそれが よ くな. 面 ,若 者 は依存症 になる,時 間 にル ー ズ になるな どの. いこ とだと解 かってい ます。だか ら,そ の表現 か らそ. 悪 い影響 もでて い ます。携帯 は ,マ ナ ー を守 り,使 い. うい うことをしてい る若者 だって,私 と同 じように一. 方 や携 帯 との つ きあ い方次 第 で ,私 たちは気持 ち よ く. 度経験 をしてか ら気づ くこともあるん じゃないかなと. 便利 な生 活 が送 れ ます 。 また,持 久力が ない ,責 任感. 考 えさせ られました」 などである。. が 薄 い ,人 ・親 に頼 る,考 えが甘 い ・軽 い ,現 実逃避. 判断の留保 を促す ,バ ラ ンス感覚 に富 んだ発言 とし. をす る,ま わ りにあわせ るな どの意見が 多 く,最 近 の 若者 は 自分 に とて も甘 く,精 神 的 に も肉体 的 に も弱 い. て,「 私 が まだ高校生 くらい だった とき,同 じ年代 の 子 らをみて,大 人か らは 『近 ごろの若者 は』 といわれ. 人が増 えて きて い るのか と思 い ま した。 しか し,若 者. るけ ど,そ んなになってな くもないの に と思 ってい. の すべ てが そ うで はな く,が んばる子 とが んば らな い. た。で も,時 間 を経 て,い ま現在の若者 たちについて. 子 の差 が とて も大 きい で す。 また ,や るこ とは しっか. 考 えた とき,肯 定的 に受 け とめ られる ことの方 よ り否. りや ってい るが ,髪 を染 めた り,お 化粧 す る子 が 増 え. 定的 に感 じる ことの方が多い。実際,私 たちのころよ. たため ,見 た 目で悪 い 印象 を与 えて い る人 も増 えて い. り現在 の方が否定的な部分が多 いのか と聞かれれば. る と思 い ま した。常識が ない ,マ ナ ーが悪 い ,将 来 を. け つ してそ うではない。あ の ころみ えなか った こ と. 考 えて い な い とい う意見 は,人 に も迷 惑 をかけて い る. が,い まになってみ えるようになっただけである。そ. ことなので ,こ れ らは私 たち一人 ひ と りが考 え直 し. れ と同時 に,い まの私 にはみえないこ とが,若 者 には. また努 力 で改 め る こ とがで きる意見 だ と思 い ま した。. みえてい るのか もしれない…」 がある。. ,. ,. 私 たちは,地 域 ,家 族 ,学 校 な どの集 団 の なかで協 力 しあ って生 活 を して い るので ,そ の なか にはル ー ル も. 3.お. わ り に. で きて ,マ ナ ー や常 識 も生 まれ て きます。 こ れ か ら も,集 団 生 活 して い くため に も,守 るべ きこ とは必 ず 守 り,み なが気 持 ち よ く生活 を送 る こ との大切 さを. ,. 「最近 の若者」評 には,否 定的な ものが 多 くを占め る。それ しかないの なら,若 者 の 自己評価 は低 くて も. 私 たち若者 は よ り理解す る必 要 が あ る と思 い ま した。. 当然 だろ う。 だが,「 最近 の若者」評 に,肯 定的な も. また ,さ まざまな意見 を読 み ,自 分 に足 りない ところ. のはないのか とい うと,そ うではない。. や 自分 の悪 い ところ を改 めて発見す る こ とがで きたの. そ こで,今 回,学 生 に「最近 の若者 ,… 」 とい う形. で ,改 善 して ,素 敵 な大 人 にな りた い で す」 とい う指. で言葉 をただ採集す るだけでな く,肯 定的な表現や. 摘 が あ る。. 肯定的 にも否定的 にもとれる微妙 な表現がないか,意. 2。 6。. 4. ,. 識的に拾 い集 めるように指示 した。. 大 目にみ て. 若者 も,や が て大 人 になる。 そ の とき,若 気 の至 り. ところで,若 者 にとって重要なのは,集 めた「最近. に気 が つ く。経験 してわか る こ と もあ る。 だか ら,教. の若者」評 について,若 者 自身が どう受け とめたかで. 育 的配慮 と して,大 目にみ て は とい う意 見 もで て く. ある。若者 自身が普段 自分のことをどう思 っているの. る。. か。他者 である大人が若者 をどう思 っているのか。そ. これは,電 車内のマナー に関す る記述 にみ られる。 た とえば,「 女子高生が,電 車 のなか な ど公 共 の場所 で生着替 えをしてい る子 が ときどきいる。欧米 では. ,. れについて,自 分 はどう思 うのか。呆 た して,ウ ソっ ぽい と思 うのか,そ うだ と思 うのか。 結果 は,当 然 のことだが,肯 定的 な表現はい くつ も. 人前で化粧 をするのは娼婦 であ り,こ の ような行為 を. みつかった。 とはいえ,肯 定的な評価 があればいい と. 一般人が平気 で行 うのは 日本だけであるといわれてい. い うものではない。一人 ひと りに とっては,だ れが い.
(12) 甲南女子大学研究紀 要 第 42 号 人間科学編 (2006年 3月. ). ったか に もよる し,自 分 に該 当す るか ど うか に もよる. 社 会化 を促 す とい う教育的 なね らい が あ る。 自分 たち. し,そ れ を ど う受 け とるか に もよる し,否 定 的評価 と. が 若者評 につい ての デ ー タを収集 し,そ れ らをま とめ. のバ ラ ンス も重要であ る。. た もの を検 討 す る こ とで ,図 らず も自分 ,あ るい は 自. また ,若 者 を トー タルにみれ ば ,文 中 に指摘 されて. 分 たちを客観視 す る教育機会 となる よ うに 目論 まれて. い た よ うに,若 者 の 多様 化 で はな く,二 極化 が進 んで. い る。 それだけで な く,こ の論 文 を自分 たちが 読 む こ. い る と した らど うだろ う。若者が 自己肯定 の高 い グル. とで,さ らなる教育機会 になるように編 まれてい る。. ー プ と低 い グループに三 分す れば ,高 い グルー プの 若. そ して,後 輩 たちにも教育機会 を提供する ことに もな. 者 は ます ます 高 くな り,低 い グル ー プの学 生 は ます ま. っ て い る。. す低 くな る とい う,自 己評価 にお けるマ タイ効 果 がみ. 若者 の 自己評価 の低 さが注 目され るなか,こ うした. られ る よ うにな るのか も しれ な い。 また,大 半 の 若者. 仕掛け を含め,若 者 の社会化 を促す ために,大 人に. が 自己評価 の低 い グル ー プだ と した ら,こ れ に派 生す. そ して教育になにがで きるか,い ま問われてい るので. る社 会問題 は広範 にわた る よ うにな る可 能性 が あ る。. はないだろうか。. ところで ,今 回 の試 みで は,こ れ に参加 した学生 の. ,.
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