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盲ろう者のコミュニケーション方法に関する研究(2)(承前) : 具体的手段の特徴づけ 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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(1)盲ろう者のコミュニケーション方法に関する研究(2)(承前) -具体的手段の特徴づけ- 広 瀬. 信 雄. 千 明. (山梨大学障害児教育講座). 弘 美. (八田小学校). Ⅳ.コミュニケーション方法の分類. 本項では,前項で分類した盲ろうの状態16パターン別のコミュニケーション方法を整理 し,盲ろうの状態とコミュニケーション方法の間にどのような関連があるかについて検討 する。ただし身ぶりと振動法については利用している盲ろう者が少ないため除外した。. 1.整理の視点 盲ろう障害別にどのようなコミュニケーション方法が使用しやすいかについて以下の視 点から整理を試みる。 (1)発信に使える感覚(構音器官,身体運動(手・顔・体)など) (2)受信に使える感覚(視覚,聴覚がどの程度利用可能であるか) (3)発信と受信にわけて考える(盲ろうの状態によって受信と発信が異なる). (1)発信に使える運動器官 ①音声 音声言語の表現手段としての発声器官。発声器官そのものに障害がなければ,すべての 盲ろう者が利用可能である。ただし,ろうベースの盲ろう者で,聴覚によるフィードバッ クが要努力なため音声言語を獲得しにくい先天性の盲ろう者の場合は,主な発話手段とし て用いないこともある。 また,後天性の盲ろう者や盲ベースの盲ろう者は,完全なろうになると,次第に音声言 語を失いやすいとされている。だが,多少イントネーションや発音が不明瞭になったり, 声の大きさがうまく調節できなくなったり等の問題はあるにしろ,それまで用いていた音 声言語を失うことは稀である。 キュード・スピーチの場合,音声言語の母音を口形で表して発信する。 ②手(腕),指 音声以外のコミュニケーション方法はすべて手を使って表現する。手書きは,発信者の 手のひら等の上に,発信者の「指」で文字を書いて発信する。筆談(墨字)では,紙やホワ イトボード等に「手」でペンを持って文字を書いて発信する。ブリスタと点字タイプライ. - 157 -.

(2) ターは,紙テープや点字用紙にタイプライターのキーを「指」でたたいて点字を打ちだし て発信する。指点字は,受信者の「指」の背に発信者の指先を乗せて,タイプライターを たたくように「指」を動かして発信する。指文字は「指」そのものを様々な形に変化させ て発信する。手話は「指」の形や向き ,「手」の向きや動きを変化させて発信する。キュ ード・スピーチは,音声言語の子音を「手」の形と動きによって発信する。. (3)受信に使える感覚器官 ①触覚 後天性,盲ベース,ろうベースにかかわらず,全盲ろうの盲ろう者は触覚によってあら ゆる情報を受けとる。全盲難聴,弱視ろう,弱視難聴の盲ろう者は,残存している視力や 聴力を最大限に利用して受信するが,時と場合によって触覚で情報を補う必要性も出てく る。 手書きは手のひらや背中等に書かれる文字を読みとる。筆談(ブリスタ,タイプライタ ー)は,紙やテープに打ちだされた点字を指先で読みとる。指点字は発信者によって指の 背に打たれた点を読みとる。触って読みとる指文字は,発信された指文字の指の形や動き を手のひらの中でよみとる。触って読みとる手話は発信者の手の上に受信者の手を重ねて, 発信された手話の動きを読みとる。 ②聴覚 残存聴力のある難聴の盲ろう者が活用できる感覚である。残存聴力があるとすぐに触覚 を活用することはなく,残っている感覚を最大限に使用しようとするため,長時間使用す ると感覚器官に負担がかかることがある。進行性の聴覚障害の場合には,いずれ触覚を活 用したコミュニケーション方法を身につける必要がある。 音声では発信される音声言語を耳でききとる。補聴器を装着して聞きとる場合もある。 ③視覚 残存視力のある弱視の盲ろう者が活用する感覚である。聴覚と同様に,残存視力を最大 限に活用する傾向があり,感覚器官に負担がかかることがあるので,いずれは触覚を活用 したコミュニケーション方法を身につける必要がある。 筆談(墨字)は紙やパソコン,スクリーンなどに書かれた文字を読みとる。見て読みとる 指文字は,受信者の目の前や少し離れたところで提示された指文字を読みとる。見て読み とる手話は,受信者の目の前や少し離れたところで提示された手話を読みとる。キュード・ スピーチは発信者の口元は発信される口形とキューを読みとる。. 以下に示す表5は,盲ろうの状態の16パターン別の,発信に使える運動器官,受信につ かえる感覚器官について一覧にしたものである。この一覧で示されたことは,障害の状態 が発信と受信において,どのようにコミュニケーション方法の選択に作用するかを決定す る要因となる。 - 158 -.

(3) 表5.発信に使える運動器官・受信に使える感覚 発信. 受信. 音声. 手(腕). 指. 触覚. 視覚. 聴覚. 後天性全盲ろう. ◎. ◎. ◎. ◎. ×. ×. 後天性弱視ろう. ◎. ◎. ◎. ○. ◎. ×. 後天性全盲難聴. ◎. ◎. ◎. ○. ×. ◎. 後天性弱視難聴. ◎. ◎. ◎. ○. ◎. ◎. 盲ベースの全盲ろう. ○. ◎. ◎. ◎. ×. ×. 盲ベースの弱視ろう. ○. ◎. ◎. ○. ◎. ×. 盲ベースの全盲難聴. ◎. ◎. ◎. ○. ×. ◎. 盲ベースの弱視難聴. ◎. ◎. ◎. ○. ◎. ◎. ろうベースの全盲ろう. ○. ◎. ◎. ◎. ×. ×. ろうベースの弱視ろう. ○. ◎. ◎. ○. ◎. ×. ろうベースの全盲難聴. ◎. ◎. ◎. ○. ×. ◎. ろうベースの弱視難聴. ◎. ◎. ◎. ○. ◎. ◎. ◎主に使用,○補助的に使用,×使用不可能. (3)発信と受信にわけて考える ①発信に使用しやすいコミュニケーション方法 1)先天性の盲ろう者:学齢期に獲得したコミュニケーション方法によるが,次にあげるも のは獲得するまでに努力が必要である。 ・全盲ろう…音声,墨字。他はできる。 ・全盲難聴…墨字。他はできる。 ・弱視ろう…音声。他はできる。 ・弱視難聴…すべてできる。 2)後天性の盲ろう者:次にあげるものが使用しやすい。その他は獲得するまでに努力が必 要である。 ・全盲ろう…音声,手書き。 ・全盲難聴…音声,手書き。 ・弱視ろう…音声,手書き,筆談。 ・弱視難聴…音声,手書き,筆談。 3)盲ベースの盲ろう者:次にあげるものが使用しやすい。他は獲得するまでに努力が必要 である。 ・全盲ろう…音声,手書き,点字,指点字。 ・全盲難聴…音声,手書き,点字,指点字。 ・弱視ろう…音声,手書き,筆談(墨),点字,指点字。 - 159 -.

(4) ・弱視難聴…音声,手書き,筆談(墨),点字,指点字。 4)ろうベースの盲ろう者:次にあげるものが使用しやすい。音声は盲ろう以前に使用して いた者のみ使用できる。 ・全盲ろう…手書き,指文字(日),手話,キュード・スピーチ,音声。 ・全盲難聴…手書き,指文字(日),手話,キュード・スピーチ,音声。 ・弱視ろう…手書き,筆談(墨),指文字(日),手話,キュード・スピーチ,音声。 ・弱視難聴…手書き,筆談(墨),指文字(日),手話,キュード・スピーチ,音声。. ②受信に使用しやすいコミュニケーション方法 1)先天性の盲ろう者:学齢期に獲得したコミュニケーション方法によるが,次にあげるも のが利用しやすい。 ・全盲ろう…手書き,点字,指点字,指文字(触),手話(触)。 ・全盲難聴…音声,手書き,点字,指点字,指文字(触),手話(触),キュード・スピー チ,補聴器。 ・弱視ろう…音声,キュード・スピーチ以外。 ・弱視難聴…全てできる。 2)後天性の盲ろう者:障害の状態により様々であるが,次にあげるものは使用しやすい。 ・全盲ろう…手書き。 ・全盲難聴…音声,手書き,補聴器。 ・弱視ろう…手書き,筆談(墨)。 ・弱視難聴…音声,手書き,筆談(墨),補聴器。 3)盲ベースの盲ろう者:学齢期に獲得したコミュニケーション方法によるが,次にあげる ものは使用しやすい。 ・全盲ろう…手書き,点字,指点字。 ・全盲難聴…音声,手書き,点字,指点字,補聴器。 ・弱視ろう…手書き,筆談(墨),点字,指点字。 ・弱視難聴…音声,手書き,筆談(墨),点字,指点字,補聴器。 4)ろうベースの盲ろう者:学齢期に獲得したコミュニケーション方法によるが,次にあげ るものは使用しやすい。 ・全盲ろう…手書き,指文字(触),手話(触),キュード・スピーチ。 ・全盲難聴…音声,手書き,指文字(触),手話(触),キュード・スピーチ,補聴器。 ・弱視ろう…手書き,筆談(墨字),指文字(触・見),手話(触・見),キュード・スピー チ。 ・弱視難聴…音声,手書き,筆談(墨字),指文字(触・見),手話(触・見),キュード・ スピーチ,補聴器。. - 160 -.

(5) (4)コミュニケーション方法の対象者および交信範囲 上記の(1)~(3)の分析から,それぞれのコミュニケーション方法を用いやすい盲ろう障 害パターンを発信と受信にわけて述べる。 ①発信(表6) 1)音声 利用しやすいのは,先天性全盲ろう,先天性弱視ろうを除くすべての盲ろう者であった。 以上から,音声言語を身につけている全ての盲ろう者にとって利用しやすい発信方法であ る。交信範囲は広い。 2)手書き 墨字を理解できる全ての盲ろう者にとって利用しやすい方法である。交信範囲は広い。 3)筆談(墨) 利用しやすいのは,先天性弱視ろう,先天性弱視難聴,後天性弱視ろう,後天性弱視難 聴,盲ベースの弱視ろう,盲ベースの弱視難聴,ろうベースの弱視ろう,盲ベースの弱視 難聴であった。以上から,筆談(墨)は弱視の盲ろう者にとって利用しやすい発信方法であ る。交信範囲は広い。 4)点字および指点字 利用しやすいのは,先天性全盲ろう,先天性全盲難聴,先天性弱視ろう,先天性弱視難 聴,盲ベースの全盲ろう,盲ベースの全盲難聴,盲ベースの弱視ろう,盲ベースの弱視難 聴であった。以上から,点字及び指点字は先天性の盲ろう者および盲ベースの盲ろう者に とって利用しやすい発信方法である。交信範囲は点字を知っている人に限られる。 5)指文字および手話 利用しやすいのは,先天性全盲ろう,先天性全盲難聴,先天性弱視ろう,先天性弱視難 聴,ろうベースの全盲ろう,ろうベースの全盲難聴,ろうベースの弱視ろう,ろうベース の弱視難聴であった。以上から,指文字および手話は先天性盲ろう者とろうベースの盲ろ う者にとって利用しやすい発信方法である。交信範囲は指文字および手話を知っている人 に限られる。 6)キュード・スピーチ 利用しやすいのは,先天性全盲難聴,先天性弱視難聴,ろうベースの全盲ろう,ろうベ ースの全盲難聴,ろうベースの弱視ろう,ろうベースの弱視難聴であった。以上から,キ ュード・スピーチは難聴の先天性盲ろう者とろうベースの盲ろう者にとって利用しやすい 発信方法である。交信範囲はキュード・スピーチを知っている人に限られる。. ②受信(表7) 1)音声および補聴器 利用しやすいのは,先天性全盲難聴,先天性弱視難聴,後天性全盲難聴,後天性弱視難 聴,盲ベースの全盲難聴,盲ベースの弱視難聴,ろうベースの全盲難聴,ろうベースの弱 - 161 -.

(6) 視難聴であった。以上から,音声は難聴の盲ろう者にとって利用しやすい受信方法である。 交信範囲は広い。 2)手書き 墨字を獲得している盲ろう者であれば,全ての盲ろう者が利用できるコミュニケーショ ン方法であり,交信範囲も広い。 3)筆談(墨) 利用しやすいのは,先天性弱視ろう,先天性弱視難聴,後天性弱視ろう,後天性弱視難 聴,盲ベースの弱視ろう,盲ベースの弱視難聴,ろうベースの弱視ろう,盲ベースの弱視 難聴であった。以上から,筆談(墨)は弱視の盲ろう者にとって利用しやすい受信方法であ る。交信範囲は広い。 4)点字および指点字 利用しやすいのは,先天性全盲ろう,先天性全盲難聴,先天性弱視ろう,先天性弱視難 聴,盲ベースの全盲ろう,盲ベースの全盲難聴,盲ベースの弱視ろう,盲ベースの弱視難 聴であった。以上から,点字及び指点字は先天性の盲ろう者および盲ベースの盲ろう者に とって利用しやすい受信方法である。交信範囲は点字を知っている人に限られる。 5)指文字(触)および手話(触) 利用しやすいのは,先天性全盲ろう,先天性全盲難聴,先天性弱視ろう,先天性弱視難 聴,ろうベースの全盲ろう,ろうベースの全盲難聴,ろうベースの弱視ろう,ろうベース の弱視難聴であった。以上から,指文字(触)および手話(触)は先天性盲ろう者とろうベー スの盲ろう者にとって利用しやすい受信方法である。交信範囲は指文字および手話を知っ ている人に限られる。 6)指文字(見)および手話(見) 利用しやすいのは,先天性弱視ろう,先天性弱視難聴,ろうベース弱視ろう,ろうベー スの弱視難聴であった。以上から指文字(見)および手話(見)は先天性あるいはろうベース の弱視の盲ろう者にとって利用しやすい受信方法である。交信範囲は指文字および手話を 知っている人に限られる。 7)キュード・スピーチ 利用しやすいのは,先天性全盲難聴,先天性弱視難聴,ろうベースの全盲難聴,ろうベ ースの弱視難聴であった。以上から,キュード・スピーチは難聴の先天性盲ろう者,また はろうベースの盲ろう者にとって利用しやすい受信方法である。交信範囲はキュード・ス ピーチを知っている人に限られる。. - 162 -.

(7) 表6.話すとき(発信) 先天性 全 盲 ろ う 音. 筆 談. 声. 全 盲 難 聴. 弱 視 ろ う. 後天性 弱 視 難 聴. 全 盲 ろ う. 全 盲 難 聴. 弱 視 ろ う. 盲ベース 弱 視 難 聴. 全 盲 ろ う. 全 盲 難 聴. 弱 視 ろ う. 弱 視 難 聴. ろうベース 全 盲 ろ う. 全 盲 難 聴. 弱 視 ろ う. 使用器官. 弱 指 視 難 聴. 手. △ ○ △ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○. ○. 手書き. ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○. ○. 墨. △ △ ○ ○ △ △ ○ ○ △ △ ○ ○ △ △ ○ ○ ○. ○. ブリスタ, タイプライター. ○ ○ ○ ○ △ △ △ △ ◎ ◎ ◎ ◎ △ △ △ △ ○. ○. 指点字. ○ ○ ○ ○ △ △ △ △ ◎ ◎ ◎ ◎ △ △ △ △ ○. 字. 話. ○ ○ ○ ○ △ △ △ △ △ △ △ △ ◎ ◎ ◎ ◎. 象. 全ての盲ろう者 (音声言語のある) 全ての盲ろう者 (墨字を理解できる) 弱視の盲ろう者 先天性盲ろう者 盲ベースの盲ろう者 先天性盲ろう者 盲ベースの盲ろう者. 日本語式 指 ○ ○ ○ ○ △ △ △ △ △ △ △ △ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ (50音式)指文字 文 字 ローマ字式指文字 ○ ○ ○ ○ △ △ △ △ △ △ △ △ ○ ○ ○ ○ ○ 手. 対. 声. 先天性盲ろう者 ろうベースの盲ろう者 ○. キュード・スピーチ △ ○ △ ○ × × × × × × × × ○ ○ ○ ○ ○. ○. 先天性盲ろう者 ろうベースの盲ろう者 先天性盲ろう者 ろうベースの盲ろう者. 表7.きくとき(受信) 先天性 全 盲 ろ う 音. 筆. 全 盲 難 聴. 弱 視 ろ う. 後天性 弱 視 難 聴. 全 盲 ろ う. 全 盲 難 聴. 弱 視 ろ う. 盲ベース 弱 視 難 聴. 全 盲 ろ う. 全 盲 難 聴. 弱 視 ろ う. 弱 視 難 聴. ろうベース 全 盲 ろ う. 全 盲 難 聴. 弱 視 ろ う. 声. × ◎ × ◎ × ◎ × ◎ × ◎ × ◎ × ○ × ○. 手書き. ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○. 墨. 字. 使用感覚. 弱 視 視 覚 難 聴. 聴 覚. ○ ○. × × ◎ ◎ × × ◎ ◎ × × ◎ ◎ × × ◎ ◎ ○ ○. 指点字. ◎ ◎ ◎ ◎ △ △ △ △ ◎ ◎ ◎ ◎ △ △ △ △. ○. 日本語式 指 (50音式) 指文字 文. 触る ◎ ◎ ◎ ◎ △ △ △ △ △ △ △ △ ◎ ◎ ◎ ◎. ○. ローマ字式 指文字. みる × × ◎ ◎ × × △ △ × × △ △ × × ◎ ◎ ○ 触る ◎ ◎ ◎ ◎ △ △ △ △ △ △ △ △ ○ ○ ○ ○. 触読手話. ◎ ◎ ◎ ◎ △ △ △ △ △ △ △ △ ◎ ◎ ◎ ◎. 話. 弱視手話. × × ◎ ◎ × × △ △ × × △ △ × × ◎ ◎ ○. キュード・スピーチ × ○ × ○ × × × × × × × × ○ ○ ○ ○ ○ 補聴器. ○. みる × × ◎ ◎ × × △ △ × × △ △ × × ○ ○ ○. 手. △ ○ △ ○ △ ○ △ ○ △ ○ △ ○ △ ○ △ ○. - 163 -. 全ての盲ろう者 (墨字を理解できる) 弱視の盲ろう者. ◎ ◎ ◎ ◎ △ △ △ △ ◎ ◎ ◎ ◎ △ △ △ △. 字. 象. 難聴の盲ろう者. ブリスタ, タイプライター. 談. 対. 触 覚. ○. ○ ○. 先天性の盲ろう者, 盲ベースの盲ろう者 先天性の盲ろう者, 盲ベースの盲ろう者 先天性の盲ろう者, ろうベースの盲ろう者 弱視の先天性の盲ろう者 弱視のろうベースの盲ろう者 先天性の盲ろう者, ろうベースの盲ろう者 弱視の先天性の盲ろう者 弱視のろうベースの盲ろう者 弱視の先天性の盲ろう者 弱視のろうベースの盲ろう者 弱視の先天性の盲ろう者 弱視のろうベースの盲ろう者 難聴の先天性盲ろう者 ろうベースの盲ろう者 難聴の盲ろう者 全ろうの盲ろうの着用者もいる.

(8) Ⅴ.結び. 上記の分類の結果,全ての盲ろう者が発信手段として用いることができる方法は「手書 き」であることが明らかになった。この方法は,目がみえ耳がきこえる人とのコミュニケ ーションにおいて便利であるが,一文字を書くのに時間がかかるため,伝達速度が遅いと いう欠点がある。次に利用頻度が高いのは音声言語である。しかし,進行性の聴覚障害で やがて「全盲ろう」になって,聴覚によるフィードバックが困難になると,発音が不明瞭 になったり,イントネーションが変化したりしてしまう。 また,後天性の盲ろう者で同時に視覚と聴覚の障害を受けた場合には,手書きや音声言 語以外の触覚を使うコミュニケーション方法を身につける必要性がでてくる。触覚だけを 利用して身につけるときに,最も適しているのは指文字ではないかと考える。それには, 次のような理由がある。 ①点字は同じ点の集まりであり,点字のしくみを理解し,触覚によって見分け,文章を理 解するまでには相当の時間がかかる。 ②手話は指文字や手の形,さらにはその動きという複雑な空間的な要素が入り込むため, 視覚でとらえられない場合にはかなりの負担がかかる。 ③指文字は,発信に指しか用いないため動きが少なく,読みとるときにも,指文字の特徴 をつかんでしまえば,その特徴を示されているだけで読みとれるようになる(「 い」とい う指文字なら ,“小指が立つ”という特徴をとらえればよい )。また覚える際にも,教え られた指文字が確実に理解できたかを,すぐその場で,自分の手でつくることができるし, 相手に反復することもできる。さらに,粘土や軍手に綿を詰めたもの等によって指文字の 形をつくることで,立体的な構造イメージを持てる。 このような利点から,指文字をマスターすることは他の方法に比べて容易であるし,受 信するだけでなく,発声手段の代わりとして発信にも利用できるため,盲ろう者のコミュ ニケーションに適する方法であると考える。 以上,盲ろう児・者のコミュニケーション方法について,種類や特徴を説明し,盲ろう 障害の状態別の利用しやすいコミュニケーション方法について分類を試みた。しかし,こ れらはあくまで機能的に分類したにすぎない。例えば,同じ弱視の盲ろう者がいたとして も,そのみえの状態や程度には大きな差がある。単に視力が弱い場合もあれば,極端に視 野が狭い場合もあるし,その両方であるかもしれない。したがって,コミュニケーション 方法を選択するときには,必ず一人ひとりの障害の程度や状態,生活範囲,それまでに使 用していたコミュニケーション方法を考慮して,様々な観点から検討していかなければな らない。だが,その際にここで述べた分類方法が役立つものであることは確かである。. (付記:なお小論(1)(2)は,2002年度山梨大学教育学研究科修士論文の一部に加筆・訂正 をしたものである。) - 164 -.

(9) 注1)分類方法は以下の論文に記されている。梅津八三(1997):重複障害児との相互輔生-行動体制と信 号系活動-.東京大学出版会. 注2)独立行政法人国立特殊教育総合研究所研究員 注3)表2-1は,以下の文献に示されている,信号の図をもとにして筆者が作成したものである。. 参考文献 1) 中澤恵江(1994):ノルウェーにおける盲聾教育支援体制の現状と日本の課題.特殊教 育学研究,31(4),日本特殊教育学会. 2) 川本宇之助他(1937):聾盲人の教育とヘレン・ケラー女史.聾教育叢書,第14輯. 3) 山梨県立盲学校(1965):盲ろうあ教育. 4) 山梨県立盲学校(1967):盲ろう・増田一則の教育.昭和42年度文部省指定特殊教育実 験学校. 重複障害教育研究報告書.. 5) 文部省(1970):重複障害教育の手びき-盲聾児・盲精薄児・聾精薄児-.山梨県立盲 学校. 6) 文部省初等中等教育局特殊教育課(1970):山梨県立盲学校における盲聾教育に関する 研究,-文部省指定実験学校報告書-,財団法人聾教育振興会. 7) 加藤安雄(1971):重複障害者の教育.教育と医学,第19巻1号. 8) 北海道札幌盲学校(1974):盲・ろう二重障害児の学習について,文部省特殊教育実験 学校研究成果報告書-重複障害教育の研究-,山梨県立盲学校. 9) 中島照美(1977):人間行動の成りたち-重複障害教育の基本的立場から-.研究紀要, 第1巻第2号,財団法人重複障害教育研究所. 10) 譚恵江(1978):言語行動の最初期にある盲児の行動体制. 次序変換およびそれに対. 応する信号系活動の促進,形成についての心理学的輔生工作.財団法人重複障害教育 研究所. 11) 鈴木範夫(1979):重度・重複障害児T・Nについての学習指導経過.研究報告書,第3 号,北海道札幌盲学校. 12) 松木龍夫(1980):盲ろう二重障害児M・Fの初期学習.研究報告書,第4号,財団法 人重複障害教育研究所. 13) 神尾祐治(1881):盲ろう児H君の初期学習.研究報告書,第5号,財団法人重複障害教 育研究所. 14) 東北大学教育学部聴覚・言語欠陥学研究室(1981):堀江貞尚先生遺作集.東北大学教 育学部聴覚・言語欠陥学研究室. 15) 文部省(1983):重複障害児指導事例集.文部省. 16) 志村太喜彌(1989):重度・重複障害児の教育-盲ろう児の教育実践に学ぶ-.コレー ル社. - 165 -.

(10) 17) 財団法人心身障害児教育財団(1991):平成2年度日本船舶振興会助成金事業 成果報告書. 研究. 盲聾重複障害児の教育的処遇の実態に関する調査研究.. 18) 国立特殊教育総合研究所重複障害教育研究部(1994):平成5年度心身障害児の教育指 導の改善に関する調査普及事業. 視覚障害と聴覚障害を併せもつ児童・生徒の実態調. 査.国立特殊教育総合研究所. 19) 福島智(1994):盲ろう児の言語発達と教育に関する文献的考察-「読み」の指導と想 像力の形成を中心に-.特殊教育学研究,32(1). 20) 梅津八三(1997):重複障害児との相互輔生-行動体制と信号系活動-.東京大学出版 会. 21) 中澤恵江(1999):盲ろう障害がもらたす課題の整理とこれからの支援の展望-日本各 地から寄せられた相談と問い合わせの分析を通して-.国立特殊教育総合研究所. 22) 国立特殊教育総合研究所重複障害教育研究部(2000):平成11年度障害のある子どもた ちの教育指導の改善に関する調査普及事業. 視覚聴覚二重障害を有する児童・生徒の. 実態調査報告書.国立特殊教育総合研究所. 23) 社会福祉法人全国盲ろう者協会(1993):盲ろう教育研究紀要-1視覚及. び聴覚に併. せて障害を有する子どもを考える.社会福祉法人全国盲ろう者協会. 24) 社会福祉法人全国盲ろう者協会(1994):盲ろう教育研究紀要-2視覚及び聴覚に併せ て障害を有する子どもを考える.社会福祉法人全国盲ろう者協会. 25) 社会福祉法人全国盲ろう者協会(1995):盲ろう教育研究紀要-3視覚及び聴覚に併せ て障害を有する子どもを考える.社会福祉法人全国盲ろう者協会. 26) 社会福祉法人全国盲ろう者協会(1998):盲ろう教育研究紀要-4視覚及び聴覚に併せ て障害を有する子どもを考える.社会福祉法人全国盲ろう者協会. 27) 社会福祉法人全国盲ろう者協会(2000):盲ろう教育研究紀要-5. 視覚及び聴覚に併. せて障害を有する子どもを考える.社会福祉法人全国盲ろう者協会. 28) 今枝みどり・岐阜県立岐阜聾学校(2001):ぼくと,手で話そうよ-盲ろうの子どもと その仲間たち-.国立特殊教育総合研究所. 29) 中澤恵江(2002):障害の重度・重複化.聴覚障害,第57巻1月号,聾教育研究会. 30) 中澤恵江(2002):盲ろう児のコミュニケーション方法-分類と体系化の試み-.国立 特殊教育総合研究所. 31) 松田直(2002):重度・重複障害児に関する教育実践の現状と課題.特殊教育学研究, 40(3). 32) 社会福祉法人全国盲ろう者協会(2002):盲ろう教育研究紀要-6. 視覚及び聴覚に併. せて障害を有する子どもを考える.社会福祉法人全国盲ろう者協会. 33) 文部省初等中等教育局特殊教育課(1969):盲聾二重障害者の調査結果について.教育 と医学,第17巻9号. 34) 石井康子(1984):手のひらで知る世界.思想の科学社. - 166 -.

(11) 35) 愼英弘(1987): 「 盲聾者」のコミュニケーション手段としての指点字に関する一考察. ろう教育科学,第28巻第4号. 36) 小島純郎・塩谷治(1986):ゆびで聴く. 盲ろう青年福島智君の記録.松籟社.. 37) 倉内紀子・福島智(1993)盲ろう者用の機器とそのニーズに関する調査・研究.聴覚言 語障害,第21巻4号, 聴覚言語障害研究会. 38) 小島純郎(1994):共に学び,共に生きる.近代文藝社. 39) 御所園悦子(1994):虹になりたい.学書. 40) 福島智(1995):渡辺荘の宇宙人-指点字で交信する日々-.素朴社. 41) 松沢豪(1996):聴覚障害児の教育・言語入門.牟禮印刷. 42) 財団法人全国盲ろう者協会(1996):盲ろう者実態調査報告書. 43) 福島智(1997):明石ライブラリー①盲ろう者とノーマライゼーション-癒しと共生の 社会をもとめて-.明石書店. 44) 厚生労働省(1999):「障害者の明るいくらい」促進事業の実施について. 45) 寺島彰(1999):平成11年度厚生科学研究費補助金(障害保健福祉総合研究事業)盲ろう 者に対する障害者施策のあり方に関する研究報告書. 46) 小島純郎(2001):盲ろう者についていく.近代文芸社. 47) 福島智(2001):盲ろう者とIT-ヘレン・ケラーに使ってほしかった電子メール-. 季刊福祉労働,第92号. 48) 谷合侑・黒崎恵津子(2002):点字技能ハンドブック―視覚障害に関わる基礎知識.博 文館新社. 49) 日本ライトハウス21世紀研究所(2002):わが国の障害者福祉とヘレン・ケラー. 自立. と社会参加を目指した歩みの展望.教育出版. 50) イングボリ,ステンストルム.三科聡子訳(1995):アッシャー症候群の子どもたちの 教育プログラム. スウェーデンの眼科医の視点から.盲ろう教育研究紀要-3. 視覚. 及び聴覚に併せて障害を有する子どもを考える,社会福祉法人全国盲ろう者協会.. - 167 -.

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