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グループホームにおける認知症高齢者への終末期ケア方略に関する研究

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(1)

グループホームにおける認知症高齢者への

終末期ケア方略に関す る研究

平成

21年

度∼

23年

科学研究費補助金

(基

盤研究

(C))

研究成果報告書

(研究課題番 号

:21592910)

平成

25年

12月

研究代表者

千葉真弓

(長

野県看護大学看護学部

准教授

)

(2)

は しがき

I.グ

ル ー プ ホー にお け る終末期 ケアの取 り組 み状 況 と課題

一看護師の雇用の有無による比較―

1 ●0● ● ●

e03

.学

会発表抄録

・・・・・・・・・・・・・

:・

・・・ °・・・・28

.グ

ループホームにおける終末期ケアの取 り組み状況 と課題

(第

2報

)

一医療法人 。社会福祉法人・

NPO法

人による比較―

・・・

C・

・・

16

1.グ

ルー プホー ムにおける終末期ケアの取 り組み状況 と課題: 一看護師の雇用の有無による比較‐

2.グ

ルー プホー ムにお ける終末期ケア体制 ―終末期ケア経験の有無による比較 ‐

3.グ

ルー プホームにお ける終末期 ケアで看護師の役割 として 大切 と捉 え られていること

―看護師雇用施設 を分析対象 として ―

4.グ

ルエ プホー ムにお けるケアの体制 と終末期ケアの取 り組み状況 施設 の経営母体別に よる比較

5.グ

ルー プホー ムが行 つている終末期ケア提供に向けた 質の高 い医療連携 のための取 り組み。

資料 :成 果発表一覧

,調

査用紙

39

(3)

はしがき

平成

18年

の介護保険制度の改定で、「重度化対応加算」および

「看取 り加算」が新

設 されたことによ り、介護老人福社施設においては、本人 と家族

の意思に基づいて施

設内で最期 を迎 える入所者の 「看取 り」を実施す

べ く看護・介護体制を整え積極的に

看取 りへのが奨励 され るようになつた。この改定によつて、終末期ケ

ア提供のための

体制を整 える介護老人福祉施設が

'曽

えた。さらに介護保険の居宅支援事業の一つであ

るグループホー ムにおいて も、利用高齢者の利用期間の長期化牛伴

い、終末期ケアヘ

のニー ドは高まつてきている。しか し、グループホームでは看護師の配置基準が法的

に定められていないため、認知症高齢者への終末期ケア提供は施設

の人員配置に大き

く影響を受けている。

認矢日

症高齢者のグループホームにおける終末期ケアの実態に

ついては、い くつか報

告がある。それによると、看護師を

1人

以上配置 しているグループホームは全体の

45,0%で 、単独の事業所の方が社会福祉法人や医療法人併設の事業所に比

べて看護師

を配置す る傾 向にあると報告 されている。平成

16年

度の介護報酬改定で医療連携体

制加算 を算定 している施設は、全国認知症

GH協

(2007)の

調査によると全体の

58,2%で

あつた。これ ら算定 している施設の設置主体は

79。

3%が

医療法人であつたと

報告 されている。

グループホームでの終末期支援に関す る先行研究結果か らは、

「医療提供」に関す

る課題が大きく取 り上げられ、看護師に求める役割 としても

「適切な医療の提供」に

関す る役割が期待 されていることがわかつた。それ と同時に、看護職者

がいないこと

で、終末期ケアの提供に限界があるとい う現状 も明 らかになつた。そ

の一方で施設で

のケア提供の限界を家族に示 した上で終末期ケアを提供 し、在宅での看取 りに

つなげ

ている施設 もみ られていた。

これ ら背景か ら、グループホームにおける終末期ケア

ヘの課題や取 り組みは、それ

ぞれの施設の背景によつて さまざまなに違いがあ り、看取 りの場の提供が

できないま

で も各施設の現状に沿つた終末期ケアの方略があるのではないか と考えられた。

そこで、施設の職員配置、設置主体等 さまざまな背景を持つ グル

ープホームがそれ

ぞれにどのように認知症高齢者への終末期 ケア

ヘの取 り組みを行つているのか、全国

のグループホームでの終末期ケアの取 り組み状況の詳細の把握 を平成

21年

度に実施

した。 さらに医療連携 と医療の質の確保に関す る面接調査を実施 した。

本報告書は、これ ら調査結果をもとに介護保険改正後の認知症 グ

ループホームにお

ける終末期ケア提供の状況 と施設背景の違いを報告す る。また、終末期ケ

ア提供の際

の医療連携に関す る面接調査結果の概要を掲載す る。

研究代表者

千葉

真弓

(4)

研 究課題

1

グループホームにおける認知症高齢者への終末期ケア方略に関する研究

平成

21年

度∼

23年

度 科学研 究費補助金 (基盤研 究

(C),研

究課題番号:21592910)

研 究組織

研究代表者

:千

葉真弓

(長

野県看護大学看護学部

渡辺み どり

(長

野県看護大学看護学部

細 田江美

(長

野県看護大学看護学都

曽根千賀子

(長

野県看護大学看護学部

松澤有夏

(長

野県看護大学看護学部

老年看護学分野

老年看護学分野

老年看護学分野

老年看護学分野

老年看護学分野

准教授) 教授) 助 教) 助 教) 助 教)

交付決定額

(配

分額

) (金額単位 :円) 総 計

23年

22年

21年

3,000,000

1,200,000

600,000

1,200,000

直接経費

360,000

180,000

360,000

間接経費

900,000

3,900,000

1,560,000

780,000

1,560,000

合 計

(5)

日本看護福祉学会誌Vol.16 配2,1‐

13(20■

年 3月)

グルー プホームにおける終末期ケアの取 り組み状況 と課題

―看護師の雇用の有無による比較―

千葉真弓

,細

田江美

,松

澤有夏

,曽

根千賀子

渡辺み どり

約 認知症対応型共同生活介護 (以下グループホーム

)で

の終末期 ケア実施 にむ けた体制 への示唆 を得 る目的で、全国のグループホーム

9785施

設 よ り無作為に

4886施

設 を抽 出 して質問紙調査 を行い、■

74施

設か ら回答が得 られた (回収率 24.02%)。 看護師雇 用 のある施設群 (n=487)と 看護師雇用のない施設群

(n=687)の

2群

間の比較には t

検定、 χ2検 定および Manm‐

Whitney U検

定を用いた。終末期 ケアの取 り組み状況 の 比較では、看護師雇用施設群のほ うが、終末期ケア経験、地域医療連携加算取得 、看 取 り介護力日算取得 、終末期 ケア指針の策定で有意 に実施割合が高かつた (p<0.01)。 終

末期ケアの課題・困難の程度は、

「医療の知識・技術が不足」、

「看護・介護の連携が困難」、

「終末期ケア指針の策定が困難」の項目で看護師雇用施設離のほうが低かつた

(p<

0,01)。 グループホームでの終末期ケア実施 には、それぞれの施設 の経験 を熟知 してい る看護 師の存在が重要であると示唆 された。

Key Word iグ

ループホー ム 終末期ケア 認知症高齢者

1.は

じめ に 介護保 険施設 の利用高齢者の介護度 は重度化 し

,医

療依存度 も高 くなる傾 向にある。 認知症対応型共 同生活介護 (以下 グループホーム

)が

開設 され るよ うになつた当初の 目 的では、少人数の家庭的な環境 の中で よ りきめ細やかなケアを提供 し、認知機能の低下 を遅 らせ る とともに認知症高齢者 の残存機能 を生か し社会 生活 を維持す ることであっ た。 しか しなが ら、認知症高齢者 の在宅復帰の困難 さと、入退所 に伴 う環境 の変化が与 える影響 もあいまつて利用期間の長期化が グループホームで も余儀 な くされてい る。そ の よ うな背景 を受 けて、グルエプホー ムにおいて も終末期 ケアのニー ドは高まってきて い る。長谷川 ら1)の調査では入居者め家族 に対 して行 つた「どこで最期 を迎 えたいか」 の問いに対 して、

44.1%の

家族がグループホームでの看取 りを望んでいると回答 してい た と報告 してい る。 しか しその一方、グループホー ムで終末期 ケアの提供 を実施 してい る施設 は看護師雇用 の施設が多 く、看護師雇用のない施設 は訪問看護等の利用 が一つの 方法 として考 え られ るとの報告 もみ られ る2)。 我 々の先行研 究3)に おいても終末期ケア 提供 にあた り、施設が課題・困難 とあげている内容 に看護師の確保 が難 しく、それによ り終末期 ケアに必要 な医療 の提供が困難であ り、訪 問看護 の利用に も介護保険での利用 には制限がある等の困難 を挙げていた。

2006年

の改正介護保険の施行によ り、「看取 り

(6)

日本看護福祉学会誌Vol.16 胤2,1‐

13(20■

年 3月 ) 介護加算」が新たに算定 され るよ うにな り、介護保 険施設での終末期 ケアに対す る経済 的な裏付 けがな され るよ うになつた。しか し、その算定要件 として看護の管理者 を置 く こ とと定め られてお り、看護師雇用の定め られていない グループホー ムでの「看取 り介 護加算」の取得 は困難な状 況であつた。その よ うな背景 を受 けて、グループホー ムでの 終末期 ケアの提供 を見据 え、

24時

間体制で看護 師の対応 を確保す ることがで きる体制 を とることを条件に地域医療連携加算があ らたに算定 され るよ うになった。また、

2009

年 には さらな る改定でグルー プホームにおいて も新 たに「看取 り介護加算」の取得が可 能 となつてい る。この よ うな介護保険制度上の整備 は整 え られつつあるが、実際 に看護 師雇 用のある施設 とそ うでない施設 において、終末期 ケアの提供の状況に違 いが あるの か といつた報告 はまだみ られていない。グループホームにお ける終末期ケアの実施はそ れ ぞれ の施設 の職員配置等の影響 を受 け、終末期 ケア提供の状況や課題・困難 もさま ざ まである と考 え られ る。 したがつて、今回看護 師雇用の有無 によ り、終末期 ケアの提供 状況 と課題 。困難に違いがあるかを検討 し、グルー プホームにおける終末期 ケアの実施 を 目指 した施設の体制づ くりを検討す る。 2.研 究 目的 グルー プホー ムにお ける終末期 ケア実施 を 目指 した体制づ くりへの示唆 を得 る 目的 で、看護師雇用の有無に着 日し、終末期 ケアの取 り組み状況 と終末期ケア提供 に際 して 施設 が抱 えている課題・困難 の程度 について比較す る。

3.研

究 方 法

1)調

査方法 質問紙調査 による調査 をお こなつた。対象は

2009年

7月 の時点で、独立行政法人福 祉 医療機構 の運営す るワムネ ッ トの介護 事業者情報 に登録 され た グルー プホー ムの う ち、施設名お よび住所の確認 できた全国の

9785施

設 よ り、無作為に

4886施

設 を抽 出 し質 問紙 を送付 した。回答は、終末期 にお ける入居者の生活支援 を生活面、医療 面全体 にわた り把握す ることが可能 な立場にあるもの として、看護師の雇用がある場合 は看護 師に、また看護師の雇用のない場合は施設 の管理者 も しくは介護の責任者 に回答 を求め た。 2)デー タ収集期間

:2009年

8月 25日 ∼9月

30日

の間 とし、郵送留置 き法で回収 した。

3)調

査内容 :施設 の概要 と して、経営母体、設 立年数、併設施設 の有無 とその種類、 入居 定員、現入居者教、要介護度別の入居者数 、職種別の職員数 をたずねた。 終末期 ケアの取 り組み状況 として、過去

1年

間の退所者教 とその うちの終末期 ケアの 対象 となつた退所者教、終末期ケア経験の有無 、終末期 ケア指針の策定の有無 、地域医 療連携加算取得の有無 と看取 り介護加算の取得の有無、今後の終末期ケアの取 り組みの 有無 について、該 当す る ものひ とつ を選択す る方法でたずねた。

,

また、先行研 究4)で明 らかになつた終末期 ケア提供 における課題・困難の

22項

目に つ いて、その程度 についてそれぞれ に 「1,と て もそ う思 う」、「2.ややそ う思 う」、「3,ど ち らか とい うとそ う思わない」、「4.全くそ う思わない」の

4段

階の リッカー トスケール でたず ねた。

(7)

日本看護福祉学会誌Vol,16 配2,1‐

13(2011年

3月)

4.倫

理 的配 慮 研究協力者 と所属施設に対 し、個人や施設の匿名性の厳守、研究協力の 自由、研究協 力の有無による不利益はないこと、職務評価 との独立性、研究結果の公表に際 し個人や 施設が特定 されない処理を行 うこと、得 られたデータの厳重管理を厳守す ることを保証 した。長野県看護大学倫理委員会の承認を得て (承認番号♯

13)実

施 した。 5。デ ー タ分 析 方 法 対象の施設 の概要 と終末期 ケアの取 り組みの状況については、施設の設立主体、併設 施設の有無 とその種類、入居定員 と現入居者数、要介護度別の入居者数、職種別職員数、 過去

1年

間の退所者数 とその うちの終末期ケア対象 となつた人数、現在の終末期 ケアの 取 り組 みの有無 について、項 目ごとに記述統計量を算出 した。 職種別職員数 にお ける看護師の欄 に評入のあつた

487施

設 を看護師雇用 のある施設 群 、その他 の

687施

設 を看護師雇用のない施設群 とした。 これ ら

2群

F月日の施設 の概 要 を比較す るために、入居定員の平均値 な らびに平均 要介護度 についてはt検 定を行 つた。 また、施設 の経営母体の構成割合 と併設施設 の有無の比較 については、 χ

2検

定 を行 つ た。看護師の雇用の有無の

2群

間における終末期ケアの取 り組みの状況 を比較す るため に、終末期 ケア経験 の有無、終末期ケア指針 の策定の有無、地域医療連携加算取得の有 無 、看取 り介護加算取得の有無、今後の終末期 ケアの取 り組みの有無については χ

2検

定 を行 い、終末期 ケアの課題・ 困難の程度 の違 い を比較す る 目的で、Mann‐

Whtney

U検

定 を用 いた。 有意水準は

5%未

満 とし、統計解析 にはSPSS15.0」 for WINDOWSを 用 いた。 6.結 果

1)対

象施設 の概要

1174施

設 か ら回答 が得 られた (回収率 24.0%)。 対 象 とな つ た施 設 の概 要 を表

1に

示す。施設入居定 員の平均 は 14.0±

28.1人

で、入居者 の平均要介護度 は 2.68±

0.5で

あつた。ま た、経営母体別 にみた施設 の割合は、株式会社・有限 会社が

576施

設 (49。

1%)

と最 も多 く、次いで社会福 祉法人が

295施

設(25。 1%)、 医 療 法 人 が

213施

設 (18,1%)、

NPO法

72施

設 (6.1%)、 社団法人・財 団法人

11施

設 (0.9%)、 経営母体 社会福祉法人 医療法人 株式会社・有限会社 NPO法人 社団法人・財団法人 その他 表1.対象 施 設 の 概 要

n=1174

平均値・標準偏差 入居定員

14.06±

28.07(人) 2,68」LO.51 度数(路 ) 295 (25.1) 213(181) 576 (49.1) 72 (6.1) 11 (0。9) 7 (0.6) 併設施設 介護老人福祉施設

175(14,9) 999(85,1)

介護老人保健施設

96(3.2) 1073(91,3)

ディサービス

444(378) 730(62.2)

訪問看護ステーシヨン

86(7,3) 1088(927)

訪問介護

195(16.6) 979(83.4)

病院または診療所

141(120) 1033(880)

その他

372(31.7)

・802(86.3) 看護師雇用の有無

487(415) 687(58.5)

あり 度数(%) なし 度数(%)

(8)

日本看護福祉学会誌Vol.16 配2,1‐

13(20■

年 3月) その他 として7施設

(0,6%)で

あった。併設施設 を有す る施設 は全体で1065施設(90.7%) であ り、併設施設 を有 さない施設が

109施

(9,3%)で

あった。併設施設 の種類 (複 数回答可

)と

してはデイサー ビスを有す る施設が

444施

設 (37。

8%)で

最 も多かった。 次いでその他 と回答 した

372施

設 (31,7%)、 介護老人福祉施設 を有す る と回答 した施 設 が

175施

設 (14.3%)、 訪問介護

195施

設 (16.6%)、 病院 または診療所 を有す る施設 が

109施

設 (9,3%)、 介護老人保健施設

(8.2%)で

あった。 看護 師の雇用の有無では、看護師の雇用のある施設 は

487施

設 (41.5%)、 看護 師の 雇用 のない施設は

687施

(58.5%)で

あった。

2)対

象施設 の終末期 ケアの取 り組 み状況 対象施設の過去一年間の退所者数 は 3224名 で、その うち終末期 ケアの対象 となった 退所者 の人数 は

778人

(24。

1%)で

あつた。終末期 ケアの経験の有無 をたずねた ところ、 終末期 ケアの経験が ある と回答 した施設 は

607施

設 (51.7%)、 経験 がない と回答 した 施設 は

541施

(46.1%)で

あつた。 また、地域医療連携加算取得の有無 をたずねた と ころ、

714施

(60.8%)が

取得 している と回答 し、

440施

(37.5%)が

取得 してい ない と回答 した。看取 り介護加算の取得の有無については、

312施

(26.6%)力

取得 してい る と回答 し、

862施

(73.4%)が

取得 していない と回答 した。今後の終末期ケ アに対す る施設の取 り組み予定についてたずねた ところ、今後 「取 り組みたい」と回答 した施設 は

701施

設 (59.7%)、 「考 えていない」と回答 した施設が159施設 (13.5%)、 「方針が決まってお らず、検討 中」 と回答 した施設が

274施

(23.3%)で

あった (表 2)。 表2.対象 施 設 の 終 末 期 ケアの 取 り組 み 状 況 n=11 項 目 あり 度数(%) 終末期ケア経験の有無 地域 医療連携加算取得の有無 (未回答20を除く) 看取 り介護加算取得の有無 終末期ケア指針の策定の有無(未回答の38を除く) 終末期ケアに対する今後の取り組み予定 取り組みたい 考えていない 方針が決まっておらず検討中 未回答 過去一年間の退所者数 過去一年間の退所者のうち終末期ケア対象となつた人 607(51,7) 714(60,8) 312(26.6) 544(47.9) なし 度数(%) 541(46.1) 440(37.5) 862(73.4) 592(52.1) 度数(X) 701(59,7) 159(13.5) 274(23.3) 40(4.5) 3224(人) 773(人)

3)看

護師雇用の有無別 にみた施設 の概 要

'

看護 師の雇用の有無別 に施設 の概要の違いについて検定を行 つた結果 を表

3に

示す。 入居定員の平均は、看護 師の雇用のある施設群で 14.69±

5,61人

、看護師雇用 のない

(9)

日本看護福祉学会誌Vol.16 配2,1‐

13(2011年

3月) 施設群 で 14.03±5。

58人

と、看護 師雇用のある施設群の ほ うが有意 に高かつた(P<0。 05、

t値

=1.99)。 一方、平均要介護度 は、看護師の雇用のある施設群が 2.69±0。 54、 看護 師の雇用のない施設群で 2.68±

0,49で

2群

間に有意差は見 られ なかつた。 経営母体別の施設 の割合について χ

2検

定 を行 つた結果、

2群

間で差は見 られ なかつ た。看護 師の雇用のある施設群 、看護師の雇用のない施設群 ともに、経営母体 としては 株式会社・有限会社 が最 も多 く (看護師雇用 のある施設群 52.4%、 看護師の雇用のな い施設群 46.7%)、 次いで社会福祉法人 (看護師の雇用のある施設群 22.0%、 看護師の 雇用 のない施設群 27.4%)、 医療法人 (看護師雇用 のある施設群 16.8%、 看護師の雇用 のない施設群 19。 1%)、

NPO法

人 (看護 師の雇用のある施設群 6.8%、 看護師の雇用の ない施設群 5.7%)、 社団法人 ,財団法人 (看護師の雇用のある施設群 1.2%、 看護師の 雇用のない施設群0。 7%)、 その他 (看護師の雇用のある施設群0。 8%、 看護 師の雇用 の ない施設群

0,4%)の

順 であつた。 併設施設 の有無では、介護老人保健施設の有無のみで有意差がみ られ た。介護老人保 健施設では、看護師の雇用のある施設群は

31施

(6.4%)が

、看護師の雇用のない施 設群では

65施

(9.5%)が

あ りと回答 し、看護師の雇用のない施設群のほ うが併設施 設 として介護老人保健施設 を有す る施設の割合が高かつた (P<0,05、 χ2値=3.64)。 それ以外の介護老人福祉施設、デイサー ビス、訪問看護ステーション、訪問介護、病院 または診療所、その他についてはいずれ も併設施設 として有す る施設の割合に差は見 ら れなかつた。 表3.看證 節 雇 用 の有 無 別 にみ た施 設 の 概 要

n=1174

項 目 看韻師の雇用のある施設群n=487 看護師の雇用のない施設群 検定結果 入居定員 平均要介護度 経営母体 社会福祉法人 医療法人 株式会社・有限会社 NPO法人 社団法人・財回法人 平均値・標準偏差 14.60と5,61(人) 2.69±0.54(度) 度数(路 ) 107 (22.0) (16.8) (52.4) (6.8) (■2) 188 (27,4) 131(19.1) 321 (46.7) 39 (5,7) 5 (0.7) 3 (0,4) χ2検定結果 有患確率 7.96 平均値・標準偏差 14,03=ヒ5.58 (人) 2.68±0.49(度) 度数(%) t値

有な磁準 1,99 0.49 ** 82 2 55 33 6 4 り な し あ り な し χ2検定結果 有な確事 併設施設 度数(%) 介護老人福祉施設

175(14.9) 999(85.1) 175(14,9) 999(95,1) 2.546 n,s.

介護老人保健施設

31(6.4) 456(98.6) 65(9.5) 622(90.5) 3.64 **

ディサービス 444(37.8) 730(62.2) 444(37.8) 730(62.2) 2.09 n,s. 訪問看護ステーション

86(7.3) 1088(92.7) 86(7.3) 1088(92,7) 2.30 n.s.

訪問介護

195(166) 979(83.4) 195(16.6) 979(83.4) 0,00 ns

病院または診療所

141(12.0) 1033(88.0) Hl(12.0) 1033(88,0) 0.40 n,s,

その他

372(31,7) 802(863) 372(31,7) 802(86.3) 7.62 n,s

神:Pく005

4)看

護師雇用の有無別 にみた終末期 ケアのヨ課題・ 困難 の程度の違 い グループホームにおける終末期ケアの課題・ 困難

22項

目について、

4段

階の リッカ ー トスケールでたず ねた。

22項

目の内容は 「看取 りの環境 を提供 しに くい」、「職員が

(10)

日本看護福祉学会誌Vol。

16

醜2,1‐

13(2011年

3月) 少 な く終末期 ケアの提供が困難」、「看護師の確保 が困難」、「介護保険の利用に限度があ る」、「必要な医療の提供が困難」、「急変時の対応が困難」、「終木期に必要な医療の知識・ 技術が不足」、「医師 との連携 が困難」、「介護・看護 の連携が困難」、「職員間での情報共 有や ケアの方針の統一が困難」、「入居者の精神的ケアが困難」、「入居者の健康管理が困 難」、「入居者 の意思確認が困難」、「家族へのイ ンフォー ム ドコンセ ン トが困難」、「家族 と入居者の希望の調整が困難」、「家族への精神的ケアが困難」、「家族への知識 。技術の 提供が困難」、「他 の入居者への気兼ねがある」、「他 の入居者へのケアが十分にできな く なる」、「終末期 ケア指針の策定が困難」、「終末期 ケアの研修の開催が困難」、「職員の看 取 りに対す る不安が大きい」であった。これ ら項 目によつて得 られたそれぞれの終末期 ケアの課題・ 困難の程度 を看護師の雇用の有無別に比較 した。 有意差のみ られ た項 目について、検定結果 を表

4に

示す。 有意差のみ られ た項 目は、 「看護師の確保が困難」、「終末期に必要な医療の知識・技術が不足」、「介護・看護の連 携 が困難」、「終末期 ケア指針の策定が困難」の

4項

目で看護師の雇用がある施設群で有 意 に困難の程度が低 かつた (Pく 0.01)、 また 「入居者の健康管理が困難」、「職員が少な く終末期ケアの提供 が困難」の

2項

目で も看護師雇用のある施設群 のほ うが有意 に困難 の程度 が低 か った (P<0,05)。 表

4.看

護師雇用の有無別にみた終末期ヶアの課題・困難の程度の違い

■=1174 項 目 看護師の確保が困難 終末期に必要な医療 の知識・技術が不足 介護・看護の連携が困難 終末期ケア指針の策定が困難 入居者の健康管理が困難 職員が少なく終末期ケアの提供が困難 116202.50 145868.50 135737.50 143897.50 153593.00 151600.50 *** *** *** *** ** ** 料4:Pく001, 料Pく005

5)看

護師の雇用 の有無別 にみた終末期 ケアの取 り組み状況の違 い 看護師の雇 用の有無別 に終末期 ケア経験 の有無な らびに終末期 ケア指針の策定の有 無、地域医療連携加算 の取得の有無 と看取 り介護加算取得の有無、終末期ケアの今後の 取 り組み予定について、 χ望乗検定によ り比較 した (表 5)。 終末期ケアの経験 の有無では、看護師の雇用のある施設群において、終末期ケア経験 について「あ り」と回答 した施設は

282施

設 (59.7%)で、終末期ケア経験 について「な し」 と回答 した施設 は

190施

(40.3%)で

あった。 一方看護師の雇用のない施設群で は終末期ケア経験が 「あ り」 と回答 した施設 は

325施

(48,1%)で

、終末期ケア経験 を 「な し」 と国答 した施設 は

351施

(51.9%)で

あった。看護師の雇用のある施設群 のほ うが看護師雇用 のない施設群 と比較 して、終末期ケア経験 を有す る割合が有意に高 かつた (P<0,01、 χ2値=15。 18)。 また、終末期ケア指針の策定の有無については、看 護師雇用のある施設群で 「あ り」 と回答 した施設が

275施

設 (57.9%)、 「な し」 と回答 したのは

200施

(42.1%)で

あつた。 これ に対 して看護師の雇用のない施設群では終

(11)

日本看護福祉学会誌Vol,16 配2,1‐

13(2011年

3月) 末期ケア指針 の策定の有無につ いて 「あ り」 と回答 した施設 が

269施

(40.7%)で

、 「な し」 と回答 した施設が

392施

(59,3%)で

あつた。 したがつて看護 師の雇用の あ る施設群のほ うが、そ うでない施設群 と比較 して、終末期ケア指針 の策定の有無 を「あ り」 と回答 した施設 の割合が有意に高かつた (P<0,01、 χ2値=32.76)。 地域医療連携 加算の取得の有無については、看護師雇用施設群 において、「あ り」 と回答 した施設が

389施

設 (81.5%)に 対 し、看護師雇用 のない施設群 では 「あ り」 と口答 した施設が 325 施設 (48.0%)と 、看護師雇用施設群のほ うが有意 に地域医療連携加算の取得 してい る 施設の割合が高か った (P<0,01、 χ2値=133,48)。 看取 り介護加算 の取得の有無では、 看護師雇用施設群で 「あ り」 と回答 した施設は 164施設 (33.7%)、 「な し」 と回答 した 施設 は

323施

設 (66.3%)、 一方看護 師雇用のない施設群においては、「あ り」 と回答 し た施設 は

148施

設 (21.5%)、 「な し」 と回答 した施設 は

539施

(78.5%)で

あつた。看 護師雇用施設のほ うが有意 に看取 り介護加算 を取得 してい る施設 の割合が高かつた (P <0.0と 、 χ2値 生21.49))。 さらに、終末期 ケアの今後の取 り組み予定について、今後施 設 として取 り組みたい と考 えてい るかの有無をたずねた ところ、看護 師の雇用のある施 設群では 「あ り」 と回答 した施設 は

383施

(71,9%)で

、「な ヒ」 と回答 した施設 が

130施

(28,1%)で

あつた。看護 師の雇用のない施設群では、「あ り」 と回答 した施設 が

368施

設 (54.8%)、 「な し」 と回答 した施設が

303施

設 (45。

2%)で

あつた。看護師 の 雇用のある施設群 のほ うが、今後の終末期ケアの取 り組み予定がある と回答 した施設 の 割合が有意 に高かつた (P<0.01、 χ2値=33.85)。 表 の有 無別 を離師の鳳用のない施設群 検定結果 な護師の雇用のある施設群 n=487 n=887 終末期ケアの取り組み状況 終末期ケア経験の有括 (未回善の28を除く) 終末期ケア指針の策定の有無(未回各の38を除く) 地域医療連携加算取得の有無(未回答の20を除く) な取り介離加算取得の有無 終末期ケアの今後の取り組みの予定 あり 度数(ヽ) なし 度敗(■) あり 度数儡) なし 度敗(ヽ) χ2検定結果 有意確準 282(50,7) 275(57.9) 380(816) 104(33.7) 333(719) 100(40.3) 200(121) 88(18,4) 323(66.3) 130(28.1) 325(48.1) 269(40,7) 325(18,0) 148(215) 308(54.8) 351(519) 392(59,3) 352(520) 53D(78.5) 303(13,2) 1518 3276 13343 2140 33.85 埓 構 韓 構 帯 ―P(001

7.考

1)対

象施設 の特徴 について 施設入居定員の平均は 14,0±

28.1人

で、大体の施設 が

1か

2ユ

ニ ッ トで構成 され てい ることが うかが える。入居者 の平均要介護度は 2.68±

0.5で

あつた。これ ら数値は、 公営法人 日本認知症 グループホー ム協会が行 つた調査5)では、施設入居定員の平均 は 14。

1人

とい う報告であ り、入居者の平均要介護度は

2.7で

あることんヽら、近似値 と考 え られ る。経営母体別 にみた施設の割合において も、構成割合は、社会福祉法人が24.8%、 医療法人が24.4%、

NPO法

人 6.5%、 株式会社 19.8%、 有限会社 22.8%と い う構成害1合で あった。本研究では株式会社・ 有限会社 をひ とつの法人格 として扱 ったため、

576施

設 (49。

1%)と

最 も多 く、次いで社会福祉法人が

295施

設 (25,1%)、 医療法人が

218施

(12)

日本看護福祉学会誌Vol。

16

配2,1‐

13(20■

年 3月 ) 設 (18.1%)、

NPO法

72施

設 (6,1%)、 社団法人・財 団法人 ■ 施設 (0.9%)、 その 他 として

7施

設 (0。

6%)で

あった。 看護師の雇用 あ りと回答 した施設は全体の 41.5%で あった。2006'年に全国 グループホ ー ム協会 の行 つた調査結果6)でも看護師 (准看護師 は除 く

)の

配置 してい る施設は全 体 の

45.0%と

報告 されている。 これ らの ことよ り、今回対象 となった施設は、全国の グループホームの概 要 と近似 し た集団である と言 え る。

2)終

末期ケアの取 り組み状況について 対象施設全体での過去一年間の退去者数は 3224名 であった。 この うち終末期 ケア対 象 となって退所 した認知症高齢者の数は774名で、この数値は

1施

設 あた り年間で退所 す る高齢者が約

3名

い る とい うことである。 また、年間の退所者の

24.0%が

終末期 ケ アの対象 となる とい うことである。加 えて、施設の終末期経験の有無をたずねた ところ、

51.7%の

施設 が 「あ り」 と回答 していた。 したがって、約 半数の施設では、終末期ケア の対象 とな り退所す る入居者が 1名 いるとい う現状か ら、グループホームでの終末期ケ ア経験の有無の割合 が高 くなつていることが理解で きるc日 本認知症 グループホーム協 会の報告 7)に おいて も、年間の退所者の うち死亡を理 由 とす る退去者は全体の

2割

程 度 であ り、その うちの

1割

程度 はグループホームでの看取 りであった との報告 に もある よ うに、終末期 ケアニー ドの高 さが うかがえるといえる。

1

地域医療連携加算 取得 については、約

6割

の施設が取得 あ りと回答 していたが、看取 り介護加算取得の有無については 26。

6%程

度の取得率であった。 日本認知症 グループ ホーム協会 8)で は、地域医療連携加算取得の割合は、70。

6%と

高率であった と報告 し ている。このことは、グループホームにおいて医療提供に関するニー ドが高いというこ とを示す と考えられ る。グループホームにおいても、入居高齢者の利用期間の長期化に 伴い、医療依存度は高 くな り要介護度 も重度化する。このような高齢者の 日常生活を支 援す る うえで も、医療の提供ニー ドは高くな りおのず と医療機関との連携体制をとるこ とが背景にあると考 えられ る。

3)看

護師雇用の有無別 にみた施設 の概要について 看護師雇用の有無別 に施設 の概要 として、入居定員の平均 と平均要介護度 、経営母体 の構成割合 と併設施設の有無の割合について比較 した ところ、入居定員の平均 と介護老 人保健施設 を併設施設 として有す る施設の割合のみ有意差がみ られ、それ以外での差は 見 られ なかった。この ことか ら、看護師雇用施設のほ うが施設規模 として若干大きいな

がら、この両群において、グループホームの入居者の重症度、経営母体や併設施設の状

況については、ほぼ同じような性質を持つ施設群であったと判断できる。また、これら

の結果は今回の対象施設全体の施設概要の結果と

t)ほ

ぼ近似値であり、両群とも対象施

全体の性質にそれぞれ近似 した施設群と判断できる。

4)看

護師雇用 の有無別 にみた終末期 ケアの課題 。困難 の程度 について 看護師雇用の有無別 に

2群

聞における終末期ケアの課題・困難 と終末期ケアの取 り組

(13)

日本看護福祉学会誌Vol.16 配2,1‐

13(2011年

3月) み状況 をみた。 看護師 の確保 では、看護師 を雇用す ることの困難 が あげ られ る。先行研 究9)に おい て も、看護 師の確保が困難 とい う内容は、看護師雇用 のない施設か らあげ られた。また、 Nagatal°)も グループホームの管理者 を対象 とした研究報告の中で、人材の確保の困難 を述べその背景 に賃金の低 さを指摘 してい る。そのた め、看護師の雇用のない施設 にお いて も、看護師の雇用 について検討 していて も雇用で きない とい う現状 も背景にある と 考 え られ 、今後詳細に看護師雇用 についての施設の現状 を調査す る必要 もある と考え ら れ る。 終末期 に必要な医療の知識・技術が不足、介護・看護 の連携が困難 とい う項 目につい ては、看護師の施設での存在 は大きい と考 える。終末期 に必要 とされ る医療 では、吸引 や点滴、浣Л易、な ど、 日常生活行為の中で も必要 となつて くる医療行為が中心 とな る。 しか し、医療行為については、介護職 の実施 は法律 で禁止 されてお り、看護師 に よる実 施が求 め られ る。そのために訪問看護師 を頼 り、その都度状況 を説 明 し医療行為 を実施 して もらうといつた現状 を考慮す ると、常時そ こにいて入居者 の状況を十分 に把握 して い る看護師の存在 は大 きい と考 える。 更 に常時入居者 の状況 を十分に把握 してい る看護 師の存在意義 として、入居者の健康 管理 があげ られ る。先行研究 耐 では、グループホームでの終末期ケア提供に求められ る看護 師の役割 として、「健康管理 を行 う」 ことが看護 に期待 され る役割 として明 らか になつてい る。これ は 日常生活の中で入居者 の体調 を把握 し、変化 を介護職へ伝 えると い う役割 を期待 した もの として表現 されていた。この こ とか ら、単に医療的処置 を常時 確保す るために外部 の看護 資源 を利用す る とい うよ りは、日常生活の中にあつて、入居 者の状態 に応 じて、その時々の判断を下 しケアの方 向性 を示す といつた役割 が期待 され るものである。 したがつて、看護師が施設 に雇用 され常時い ることで、入居者 の健康管 理 に関す る困難の程度は、看護師のいない施設 と比較す る と低かつたのではないか と考 える。 終末期 ケアの課題・ 困難 については、「看護 師の確保 が困難」、「終末期に必要な医療 の知識 。技術が不足」、「介護 。看護の連携 が困難」、「終末期 ケア指針の策定が困難」の 項 目で有意 に看護師雇用施設群のほ うが課題・困 '部 との程度 が低かつた。 また、「入居者 の健康管理 が困難」、「職員が少 な く終末期 ケアの提供が困難」について も有意差がみ ら れ、看護師雇用施設 のほ うが課題・困難の程度が低 かつた。また、終末期 ケア指針の策 定状況につ いて も看護師雇用のない施設群 と比較 し、策定 している施設の割合が有意 に 高かつた。 終末期 ケア指針の策定 とは、施設が終末期ケアを提供す るにあた り、入居者の状況に 応 じてケア提供す るための施設 としての一定の基準や ケアの道筋す なわちガイ ドライ ンを示す もの といえる。これ については、厚生労働省か らも大まかなガイ ドライ ンとし ての指針が示 され ているが、個別性T)高 いケア提供現場 であるグループホー ムにおいて、 個 々の入居者 に応 じた対応 を行 うためには、独 自のガイ ドライ ンを定めてお くことも必、

要であると考える。そのためには、入居者が終末期ケア提供の対象となるかを見極め、

その都度状態を判断しながらケアの方向性を指針に沿つて見定める能力が求められる。

医療職である看護師は、そのような入居者のアセスメン トとケアにおける専門職であり、

(14)

日本看護福祉学会誌Vol.16 配2,1‐

13(2011年

3月 ) 入居者 の 日頃の生活状況 を熟知 してい るか らこそ医療面でのアセス メン トも可能にな る。 したがつて、訪 問看護 等で医療連携体制 を とっている施設 であつて も、終末期ケア の指針 を策定す るには、看護師にその役害1を期待す ることは困難であるため、指針の策 定に対す る困難の程度 も高 くなっていたのではないか と推察す る。

5)看

護師雇用 の有無別 にみた終末期 ケア提供の状況の違いについて 看護師雇用の有無別に終末期 ケアの取 り組み状況をみた ところ、終末期 ケア経験の有 無、終末期 ケア指針の策定の有無、地域医療連携加算取得の有無、看取 り介護力日算取得 の有無 、終末期ケアの今後の取 り組みの予定で有意 に看護師雇用のある施設群 のほ うが、 「あ り」と回答 した施設の割合が高かつた。この ことは、前述の終末期ケアの課題・困 難の程度 の違 いか らも推察で きる結果 といえる。 終末期 ケアの課題・困難で有意差のみ られた項 目は、入居者への医療・健康面での課 題 が中心であった。 したが って看護師の雇用のある施設群のほ うが、これ ら課題 への看 護師の対応 の機会がそ うでない施設 よ り得 られ ることで、終末期 ケア提供 に際す る困難 の程度 も低 くな り、終末期 ケアの提供 につながっていたのではないか。 しか しなが ら、看取 り介護加算の取得については、看護 師雇用のある施設群 のほ うが 有意 に取得す る施設 の割合が高かった とはいえ、

33,7%に

とどまっている。また、今回 の対象施設全体の結果 と して も

26.6%と

低 い数値であつた。 これ については、今後取 得率の低 さが、算定要件 を満 た さない ことに よる取得困難によるものか、他 に施設の方 針 として取得 に対 して消極的であるのかを詳細に調査 してい くことも必要である。

8.研

究 の 限 界 と今 後 の課 題 今回の調査にお いて、グループホー ムにお ける終末期 ケアの提供状況 と終末期 ケアの 課題 。困難の程度 を看護師の雇用の有無別 に比較す ることで、入居者の医療・健康面の 課題 において違いがみ られ た こと、終末期 ケアの実施 において も違 いが明 らかになった。 特 に、終末期 ケア提供 を見据 えた地域医療連携加算の制定後における、グルー プホーム での終末期 ケア提供 の状 況 を看護 師雇用 の有無別 に比較 で きた ことは重要な結 果であ った。また、今回比較 した看護師雇用の有無による

2群

において施設 の概要に大 きな違 いがみ られ なかつた ことか らも、看護 師の雇用の有無に よる違 い として明確 になった と いえる。

ヽ 今後は、終末期 ケア提供 において施設雇用看護師の役割 と医療連携 においてかかわっ ている看護師の役割 の違いの詳細 を`明 らかに してい く必要がある。また、看取 り介護加 算取得 について、取得率の低 さの背景にある施設の状況を明 らかに してい くことも重要 である と考 える。 9。 結 論 グループホームにおける看護師雇用の有無に着 日し、

2群

間における終末期 ケアの取 り組み状況 と終末期 ケアの課題 。困難の程度 を比較 した ところ、以下の ことが明 らか と なった。

1.看

護師雇用のある施設群 の終末期 ケアの課題・ 困難では、「看護師の確保 が困難」、

(15)

2 日本看護福祉学会誌Vol。

16醜

2,1‐

13(20■

年 3月) 「終末期に必要な医療の知識・技術が不足」、「介護・看護の連携が困難」、「終末期 ケ ア指針 の策定が困難」、「入居者の健康管理が困難」、「職員が少 な く終末期 ケアの提供 が困難」の

6項

目において、看護師雇用のない施設群 と比較 して困難の程度 が低かつ た。

.看

護 師雇用 の有無で分 けた

2群

間の終末期ケアの取 り組み状況の比較では、看護 師 雇用 のある施設群のほ うが、終末期ケア経験の有無、終末期ケア指針策定の有無、地 域医療連携加算取得の有無、看取 り介護加 算取得の有無、終末期ケアの今後 の取 り組 み予定の有無 において、有意に実施す る施設 の割合が高かつた。 これ ら結果 よ り、グループホームにお ける終末期ケア提供に向けた施設の体制 を考 え る うえで、施設 に常時いて入居者の状態 を詳細 に把握す ることが可能な看護 師の存在 が重要である とい うことが示唆 され た。

(16)

日本看護福祉学会誌Vol。

16 h2,1‐ 13(20■

年 3月) 文 献

1)長

谷川 ゆ り子

,武

政奈保子 :痴呆性高齢者のター ミナル ケアをめ ぐるグル ープホー ム職員の意識 ∼アンケー トとイ ンタ ビュー調査か らの考察∼

,帝

京平成 短期大学 紀要

,第

14号

,2004.

2)畠

山怜子

,石

川み ち子

,吉

四千鶴子他 :岩手県内の グループホームにお けるター ミ ナルクアの現状 と課題

,岩

手県立大学看護学部紀要

,7,73-79,2005.

3)千

葉真 弓

,奥

野茂代

,大

田規子他 :グループホームで暮 らす認知症高齢者への終末 期 ケアの課題

,高

齢者のケア と行動科学 と

2(1),30-34,2006.

4)前

掲書

3)

5)公

益法人 日本認知症 グループホー ム協会 :認知症 グループホームの実態調査事業報 告書,2010. http://ghkyo.or..ip/home/pdf/cilousakenkyuu iigyouhoukoku-20100730-02,Ddf

6)日

本認知症 グループホーム協会

:認

知症 グループホーム実態調査報告書,2006。

7)日

本認知症 グループホーム協会

:認

知症 グループホーム実態調査報告書,2009.

8)前

掲書

2)

9)前

掲書

3)

10) Chizuru Nagata :Group home care for elderly with dementia ――Results from a survey of group home managers and families of elderly with Dementia― , 本大学医学部保健学科紀要第

4号,71-84,2008.

)千

葉真 弓

,楠

本祐子

,奥

野茂代他 :グループホー ムにお ける認知症高齢者への終末 期 ケアに期待 され る看護師の役割,日本看護福祉学会誌

Vol.14,配 2,41-52,2009.

(17)

日本看護福祉学会誌Vol.16 N諺,1‐

13(2011年

3月)

End‐of―

Life Care for Dementia Patients in Group HomesI

Comparison Between Facilities with and Without Nurses

in Their AppЮ

aches and lssues

Mayumi CHba(Nagano College of Nursing)

Emi Hosoda(Nagano Conege of Nursing)

Yuka Matsuzawa(Nagano Conege of Nursing)

Chikako Sone(Nagano Couege of Nursing)

Midori Watanabe(Nagano College of Nursin♪

Abstract

The ottectiVe Ofthis study was to obtain infomation to help esttblish a system for

implementing end‐of―life care in gЮup homes.

A questionnaire suⅣey was conducted in 4886 group homes,which were randoHlly extracted among 9785 8Юup homes nationwideo A total of l174 gr6up homes responded(the

response rate:24.020/0)。 COmparisons were made between gЮup homes with and without nurses

(n=487 and 687,respectively)uSing a chi―square test and Man■ ―Whitney U testt When approache,to end‐of‐life care were compared,the group homes with nurses had signticandy

more experience in end‐ of―life care,receipt ofadditional fees for coordintted medicine,receipt

ofadditional fees for end oftife care,and devetopment ofend―of―life care guidelines(p<0.001),

The group homes with nurses had fbwer issues and dif¬cuities in end‐of―life care regarding

.こ

insufflcient inedical knowledge and skilisデ'“diriCuities in cooperation bemeen nursing and

caregi宙 ng sta転"and“dimcuities in devetoping end‐ of―life care guidelines"(p<0・ 901)・

To provide end―oF‐life care at group hoEneS,the present study indicattd the importance

ofexperienced nurses in facilities to estabHsh cooperation among heatthcare,nursing,and

caregi宙 ng statt and tO deveiop suidelines for elld― of―hfe care.

(18)

日本看護福祉学会誌Vol.19 配1,63・

75(2013年

10月)

グループホームにおける終末期ケアの取 り組み状況と課題

(第

2報

)

一医療法人・社会福祉法人

NPO法

人による比較―

細 田江美

,渡

辺み どり

,千

葉真弓

,曽

根千賀子

,松

澤有夏

要 約

NPO法

人 で は、平均 要介護 度 、終末期 ケアの経験 、看護 師の雇 用 が有意 に高 く (pく 0,91)、 医療 法人は、病院や訪 問看護 ステー シ ヨンの併設、医療連携体制お よび看 取 り介護加算 の取得が有意 に高かつた(pく0。01)。 社会福祉法人は、終末期ケアの経験、, 現在の取 り組み、今後の取 り組み予定がいずれ も「あ り」が有意に低 く (p<0,01)、 医 療連携 を とる上での困難 として、「急変時の看護対応」が有意に高かつた (pく 0.01)。 終末期 ケアのための体制づ くりには、それ ぞれ の施設背景 を考慮した医療連携 の方 法 を検討す る必要性 が示唆 された。 キー ワー ド:グループホー ム 終末期ケア 経営母体

1.は

じめ に

2012年

8月 24日

に厚生労l巨)l省より発表 された平成

22年

の認知症高齢者数は

280

万人である。その数は平成

15年

に推計された

208万

人の予想をはるかに上回り、平

27年

には

65歳

以上高齢者 の

1割

が認知症 にな る といわれてい る。。現在 、認知症 高齢者 の増加 と重度化に伴 い、認 知症対応型生活介護 (以下 グループホーム

)に

おい て も終末期 ケアの必要性 は高ま りつつ ある。 また 、昨年策定 された認知症施策推進 5 か年計画オ レンジプ ラン (平成

25年

か ら

29年

まで

)で

は、認知症高齢者 が住み慣れ た地域 で暮 らせ るよ うにグルー プホームを利用で きる人数 を

17万

人 (平成

24年

度) か ら

25万

人 (平成

29年

)に

増やす としてい るか。地域で認知症高齢者 を最期まで 支 えることに主眼 を置 くとすれば、 グループホー ムにおける終末期ケアヘ の責務 は今 後 ます ます重 くなる と考 える。 日本認知症 グループホーム協会 (以下、

GH協

)が

行 った看取 りに関す る調査報告書ゆでは、グループホームでの終末期ケアの意義につい て、「グループホームケアな らではの 日常的な支援 を終末期 にも活か しつつ、本人に最 期 まで関わ り続 けることこそが グループホー ムの看取 り支援の意義である。」とその重 要性 を記 してい る。 しか し、提供す るケアの質 の施設 間格差や 、ケア提供者 のス トレ スの増加 な どの課題 もあるとされてい る°向。 施設サー ビス分野が公的主体や医療法人、社会福祉法人等による運営・ 設置に限 ら れてい ることに比べ、グループホームを運営で きる経営母体は、公的主体・医療法人 。 社会福祉法人・ 民間事業者 (企業・

NPO)等

、多岐 に渡 つてい るため、施設 の規模や併 設施設 の有無、医療連携体制 な ど施設 によつて さま ざまな背景 を有する。終末期ケア

(19)

日本看護福祉学会誌Vol.19 配

1,63,75(2013年

10月 ) を考 える時、医療の存在が不可欠 であるが、 これ らの ことが少 なか らず終末期におけ るケア体制 に影響 を及ぼ している と考 え られ、終末期 ケアの体制づ くりを検討す る上 で

,経

営母体別 に施設のケアの体制や終末期 ケアの取 り組み状況の違 いを明 らかにす る必要があ る と考 えた。

1

2.研

究 目的 グルー プホー ムの経営母体 として社会福祉法人、医療法人、

NPO法

人の

3法

人にお いて、終末期 ケアの取 り組み状況 と課題 を経営母体別に明 らかに し、終末期ケア実施 を 目指 した体制づ く りへの示唆 を得 ることである。

3.研

究 方 法

1)調

査方法 質問紙調査 に よる調査 を

2009年

8月

25日

か ら9月 30日 の間に郵送留 め置 き法で 実施 した。

2009年

7月の時点で、独立行政法人福祉医療機構の運営す るワムネ ッ トの 介護事業者情報 に登録 された グループホー ムの うち、施設名お よび住所の確認できた 全国の

9785施

設 よ り無作為に

4886施

設 を抽 出 して質問紙 を送付 し、

1174施

設か ら 回答 を得た。 回答 は看護師雇用がある場合 には看護師に、そ うでない場合は施設の管 理者 または介護 の責任者に依頼 した。

2)調

査 内容 施設 の概 要 と して、経営母体 、設立年数 、併設施設 の有無 とその種類、入居定員、 現入居者数 、要介護 度別の入居者数 、職種別 の職員数 をたずねた。 終末期 ケアの取 り組 み状況 として、過去

1年

間の退所者数 とその うちの終末期 ケアの 対象 となつた退所者 数、終末期 ケア経験 の有無、終末期 ケア指針の策定の有無、医療 連携体制加 算取得の有無 と看取 り介護加算の取得 の有無、今後の終末期 ケアの取 り組 みの有無 について、 さらに終末期 ケアに必要な医療連携上の困難について該 当す るも のひ とつ を選択す る方法でたずねたと

3)分

析対象 現在 グループホー ムを運営す るための経営母体 と しては、旧来 よ り認 め られ てきた 営利 を 目的 と しない医療法人、社会福祉法人、仕団法人・財団法人に加 え、近年の急 速 な少子高齢化 に伴 い居宅サー ビス分野において参入 を認 め られた °め

NPO法

人 と、 営利 を 目的 とした民 間事業者 (株式会社等)んミある。

NPO法

人を加 えた非営利法人は、 多かれ少 なかれ いずれ も行政庁 の監督下に置かれ 、その設立資格や活動、組織運営に ついて様 々な規制 を受 ける。一方、営利法人 としての事業者は施設の設立のための基 準は満 た さなければな らない ものの、法人 と しての設立がたやす く、様 々な業種がそ の設 立母体 となつて いる。地域や利用者のニー ズを反映 させやす く自由度が高い反面、 個 々の事業者 の運営方針や理念 に よつてケア体制 に大 きな違 いが生 じると考えられ る。 その よ うな背景を考慮 し、経営母体 としての特徴を明 らかにす るため、得 られた ■74 施設 の回答 の うち、その設立背景や組織運営が規定 されている医療法人、社会福祉法 人、

NPO法

人 を経営母体 としている

580施

設の回答 を今回の研 究の分析対象 とした。

(20)

日本看護福祉 学会誌Vol.19 配1,63‐

75(2013年

10月 )

4.倫

理 的配 慮 研 究協力者 と所属施設 に対 し、個人や施設の匿名性の厳守、研究協力の 自由、t研究 協力の有無による不利益はないこど、職務評価 との独立性、研究結果の公表に際 し個 人や施設が特定 されない処理を行 うこと、得 られたデータの厳重管理を厳守す ること を保証 した。なお、本研究は所属大学研究倫理委員会の承認 を得て実施 した。 5。 デ ー タ分 析 方 法 分析対象 となつた

580施

設の概要 として、入居定員、平均要介護度 、施設の経営母 体別 、併設施設 の有無、看護師雇用の有無 を項 目ごとに記述統計量を算 出 した。 また 対象施設 の終末期ケアの取 り組み状況 と過去

1年

間の退所者数な らびにその うちの終 末期 ケア対象 となつた人数 について も項 目ごとに記述統計量 を算出 した。 経営母体烈1の施設概要の違いは、入居定員の平均値 な らびに平均要介護度 について は一元配置分散分析 を行 つた。経営母体別 にみた併設施設 の有無な らびに看護師雇用 の有無 、経営母体別 にみた終末期 ケア経験の有無 と終末期 ケアの取 り組み状況、 さら に終末期 にお ける医療連携 を図 る うえでの困難 の有無の比較 については χ2検 定を行 った。有意水準は

5%未

満 とし、統計解析 にはSPSS18.0を用 いた。

6.結

1)対

象施設 の概要 対象 となつた施設 の概要 を表

1に

示す。施設入居定員 の平均は 13,69±

5.5人

で、入 居者 の平均要介護度 は 2.64±

0.5で

あつた。経営母体別 の施設数 は、社会福祉法人が

295施

設 (50,9%)、 医療法人が

213施

設 (36t7%)、

NPO法

72施

(12.4%)で

あ つた。併設施設 の有無 を複数回答可 表 概 要 n=580 でたずねた ところ、介護老人福祉施 設 を有す るのは

155施

設 (26。 7%)、 介 護 老 人 保 健 施 設 は

98施

設 (16.0%)、

デイサービスは

280施

1越

れ法

(48.3%)、 訪 問看護 ステー シ ヨンが

医療法人

77施

設 (13.3%)、 訪問介護 を 126 施設 (21,7%)、 病院 または診療所 を

125施

(21.6%)の

施設 が有す る と回答 していた。 看護 師の雇用の有無は、

289施

(49.8%)が

看護 師の雇用 がある と 回答 していた。 入居定員 平均要介競度 人 併設施設 介護老人福祉施設 介護老人保健施設 デイサービス 訪問看護ステーシヨン 訪問介護 病院または診療所 看護師雇用の有無 平均値・粽率信差 13.69■549(人) 2.64±0.51(度) 度数(%) 295 (500) 213 (36,7) 72 あり' 度数 155 (267) 93 (16.0) 280 (48,3) 77 (13,3) 126 (21.7) 125 (21.6) 289(49,8) 425 (73.3) 487 (840) 300 (51,7) 503 (86,7) 454 (78.3) 455 (78.4) 253 (43.6) な し

2)対

象施設の終末期ケアの取 り組み状況 終末期ケアの経験の有無をたずねた ところ、終末期ケアの経験があると回答 した施 設 は

259施

設 (45.3%)、 経験がない と回答 した施設は

313施

(54.7%)で

あつた。

(21)

日本看護福祉学会誌Vol.19 配1,63‐

75(2013年

10月 ) また、終末期 ケア指針の策定の有無 については策定あ りと回答 した施設が

272施

設 (49.1%)、 策定な しと回答 した施設が

282施

(50,2%)で

あった。医療連携体制加 算取得の有無 では、

353施

(61,8%)が

取得 してい る と回答 し、

218施

設 (38。

2%)

が取得 して いない と回答 した。看取 り介護加算の取得の有無 については、

158施

(27.2%)が

取得 していると回答 し、

422加

(72.8%)が

取得 していない と回答 し た。対象施設の過去一年間の退所者数は 1544名 で、その うち終末期ケアの対象 となっ た退所者の人数は

297人

(19.2%)で

あった (表 2)。 表2.対象施設 の終 末朗 ケアの取 り組み状況 項 目 終末期ケア経験の有無 (未口答8を除く) 終末期ケア指針の策定の有無(未回答の2Gを除く) 医療連携体常!l加算取得の有無 (未回答0を除く) 看取り介護加算取得の有無 過去一年間の退所者数 過去一年間の退所者のうち終末期ケア対象となつた人 あり 度数(X) 259(45.3) 272(49,1) 353(61.8) 158(27.2) なし 度数(比) 313(54.7) 282(509) 218(38,2) 422(72,3) 1544(人) 297(人)

3)経

営母体別 にみた施設概要 経営母体別 に施設 の概要を比較 した結果 を表

3に

示す。 入居定員の平均 は、医療法人の15。 31±5.63人が、社会福祉法人の 13,02±5,86人

NPO法

人の 11.61±

4.28人

に比べて有意に多かった。入居者一人 当た りの職員数は、

NPO法

人の 1,18±0。

37人

が、社会福祉法人の 0.99上0。

25人

、医療法人の 0,95± 0。 23 人 と比べて有意に多かった。平均要介護度では、

NPO法

人が 2.84± 0.51と 、社会福祉 法人の 2.61±0.49、 医療法人の 2.62±0.52と比べて有意 に高かった。 社会福祉 法人の介護老人福祉施設 を有す る割合は

136施

設 (46。

1%)と

医療法人の

17施

(8,0%)や

NPO法

人の

2施

(2.8%)に

比べ有意 に高かつた。 また医療法人 は、介護 老 人保健施設、訪 問看護 ステー シ ョン、病院または診療所 を併設施設 として 有す る割合 がそれ ぞれ

70施

設 (32.9%)、

49施

設 (23.0%)、 102施

(47,9%)と

会福祉法人、

NPO法

人がそれぞれ併設施設 と して有す る割合に比べて有意に高かつた。 また、デイサー ビスについては、

NPO法

人は併設 しない施設割合が

55施

設 (76.4%) と社会福祉 法人、医療法人に比べて有意に高かった。 看護 師雇用 の有無 について比較 した ところ、

NPO法

人は看護師 を雇用す る施設 の割 合が

49施

(72.1%)と

社会福祉法人の

130施

(46.8%)や

医療法人の

110施

(56,1%)に

比べて有意 に高かった。

(22)

表3.経営母体別にみた施設概要の比較 日本看護福祉学会誌Vol.19 配1,63‐

75(2013年

10月) 医療法人 n=213 NPO法人 項 目 入居定員 八居者一人あたりの職 員数 平均要介饉度 俳設施設 介甑老人福祉施設 介観老人保健施設 デイサービス 訪間看甑ステーシヨン 病院または診残所 看臣師雇用の有無 社会福祉法人 n=295 平均値,標準偏差 13.02圭5,3C(人) 0.90±025(人) 2.01±0.49(度) n=72 平均に,標隼偏差 1161±428(人) 1.18圭0.37(人う 2.84±051(度) n=580 検定結果 F値 有意館準 平均値`標串偏差 13.31±5,03(人) 0.95±0,23(人) 2.62±052(度) あ り あり 腹数(L) 19C (401) 22 (7.5) 173 (586) 25(35) 23 (7.8) な し 度数(L) 159 (53.9) 273 (923) 122 (414) 270 (915) 272 (92.2) 17 (80) 70 (329) 90 (42.3) 49(230) 102 (470) 186(830) 262(807) lS3(544) 136(487) 152(328) 233('90) なし 皮数(ヽ) 196(920) 143 (671) 123(577) 164(770) 111(52.1) 2(2.8) 1(1.4) 17 (238) 3 (42) 0(00) 49(721) 70 (972) 71 (98.6) 55 (764) 69 (958) 72(1000) 19(27.9) 1759 2037 5,91 1158G 72,39 3334 28.61 14017 1501 度留 り 底曇イ路う メ 2検定結果 有lヒ菫率 料 料 料 禅 掛 器 130(46.3) 148(532) 110(561) 86(43.9) 幹Pく001

4)経

営母体別 にみた終末期 ケアの取 り組み状況 経営母体別 にみた終末期 ケアの取 り組み状況 を比較 した結果 を表

4に

示す。 終末期 ケア経験の有無 については、

NPO法

人では経験 あ りと回答 した施設 は

43施

(62.3%)と

、社会福祉法人の105施設 (86。 1%)、 医療法人の111施設

(52.4%)に

比較 して有意 に終末期ケア経験 を有す る施設 の割合 が高かつた。 また、医療連携体制加算取得の有無 については、取得 してい ると回答 した施設 の割 合 は医療法人が

154施

(73.7%)と

NPO法

人の

44施

設 (62.0%)、 社会福祉法人 の

155施

(53.3%)に

比べて有意 に高かった。 また、看取 り介護加算取得 の有無 に ついて も、取得 していると回答 した施設 の割合 は医療法人が

78施

(36.6%)と

、社 会福祉法人の

62施

設 (21.0%)、

NPO法

人の

18施

(2510%)に

比べて有意 に高かつ た。 n=580 表4.機営 母体 別にみ た倍末期 ケ アの取 り組み 状 況の比駁 __ n=580 社会福祉法人 医療法人 NPO法 人 検定結果 n=295 n==213 終末期ケアの取り組み状況 あり 底敬 く■)なし 虞数(馬) あり 腹 散(■)なし 度敗(■) あり 慶数(“)なし 度数(ヽ)χ2検定備果 有患確 率 終末期ケ7経験の有無 (ネ回答の3を除く) 現在の終末期ケア取り組みの有無 (朱 回 害の ‖と '拿 () 終末期ケア指針の策定の有祭(未回善のlSを除く) 地域医療連携加算取得の有無(未回書の9を除く) 今後の終末期ケア取り組み予定の有無 (宋回薔の19を除く) 看取り介眼加算取得の有無 105(361) 30(103) 128(456) 165(533) 136(4,2) G2(210) 111(524) 37(179) ,12(540) 151('37) 13S(840) 78(366) 101(17.0, 1,O1821) 92(451) 55(26.3) 73(351) 135(834) 43(823) 20(286) 32(464) 14(020) 51(718) 18(250) 26(377) 50('14) 3,(538) 27(38,0) 20(282) 54(750) 2231 1027 437 2149 2287 1540 持 一 哨 持 持 幹 ■中Pく001

5)経

営母体別 にみた医療連携 を図 る うえでの困難 経営母体別 にみた医療連携 を図る上での困難について、比較 した結果 を表

5に

示す。

'社

会福祉法人では、「急変時の看護対応 が困葉性」で 「はい」 と回答 した施設 の割合が

106施

(35,9%)と

医療法人の

48施

設 (22.5%)、

NPO法

人の

17施

(23,6%)に

(23)

日本看護福祉学会誌Vol,19 配1,63‐

75(2013年

10月 ) 比べて有意 に高かった。 医療法人は、「連携 を図 ることができる医療機関の確保が困難」に対 して 「はい」と 回答 した施設σ)割 合 は

26施

設 (12.2%)、 「訪問看護 ステー シ ョンな ど、連携 を図るこ とがで きる看護師の確保が困難」では

26施

設 (12,2%)、 「急変時の医療機 関への受け 入れが困難」では

59施

設 (27,7%)、 「臨終時の死亡確認体制 の確保 が困難」では 24 施設 (■

,3%)が

「はい」,と 回答 してお り、社会福祉法人、

NPO法

人で 「はい」 と回 答 した施設 の割合 に比べて有意 に低か った。 表5.経営 母 仏 囲 にみた医歳違 儀 をはかるうえでの園壁 医療連携をとるとでの困難 連携をとれる医療機関の確保が困難 訪間骨彗ステーシヨンなど、連携をとれる■題師の確保 が困難 入居着・烹族のを向が医療機関に伝わりI二(い 終末期医療について医療機関とと思統一が図れない 急査時の医療機関への受け入れが口強 急衰時の骨饉節対応が困難 臨機時の死亡磁躍体制の確保が困難 社会福祉法人 医療法人 検定結果 あり 度敷(ヽ)なし 度敵(り あり 虞散(ヽ)なし 度敗(再) あり 虞敏(“)なし 度敷(■)メ2検定結果 有意韓早 NPO法人 n=213 104(353) 01(207) 43(183) 00(30b) ‖0(403) 100(360, 50(200) 20(122) 20(122) 33(153) 03(200) 5,(277) 48(225) 24(,13) 20(資03) 15(200) a(123, 2S(31') 31(131) 1'(230, 14(104) 101(C47) 234(703) 230(847) 203(003) 1'0(507) 18,(041, 230(800, 10'(0'8) ta7(a78, 180(01S, 150(701) ISn('23) ,OS(7,3) 180(38,, 43(60,) 57('02) 03(878) 17(033, 41(50,0, 35(784) 38(a03)

疇 い 科 持 付 ●PくC05"P<α01

6)経

営母体別 にみた終末期ケアの取 り組み状況 と今後の取 り組み予定の有無 経営母体別 に終末期 ケアの経験の有無、現在の終末期 ケア取 り組みの有無、今後の 終末期 ケア取 り組み 予定の有無 を比較 した (表 4)。 終末期 ケア経験 の有無では、「あ り」 と回答 した施設の割合 は、社会福祉法人では

105施

設 (36.1%)、 医療法人では111施設 (52.4%)、

NPO法

人では

43施

設 (62.3%) で あ り、現在の終末期 ケア取 り組みの有無について、「あ り」と国答 した施設 の割合は、 社会福祉法人では

30施

(10,3%)で

、医療法人では

37施

設 (17,9%)、

NPO法

人で イま

20施

(28.6%)で

あった。 また、今後の終末期 ケア取 り組み予定の有無について は、「あ り」 と回答 した施設 の割合は社会福祉法人では

136施

(47.2%)で

あったの に対 し、医療法人は 135施設 (64.9%)、

NPO法

人では

51施

(71.8%)で

あった。 社会福祉 法人は、終末期 ケア経験の有無、現在の終末期ケア取 り組みの有無、今後 の終末期ケア取 り組み予定の有無に.ついて、「あ り」と回答 した施設の割合が、医療法 人、

NPO法

人を経営母体 とす る施設群 に比べていずれ も有意に低かった。

7.考

1)対

象施設 の概要 と終末期 ケアの取 り組み状況 今回は、医療 法人 、社会福祉法人、

NPO法

人 を母集団 として分析 を行 つた。本研究 か ら得 られ た

3法

人の平均要介護度お よび入所定員数は、平成

21年

介護 サー ビス施 設・事業所結果の概 況 けか ら報告 されてい る各

3法

人の平均要介護度 2.6、 お よび入所 定 員13.6人 と近似 してお り、全国の対象施設 の平均要介護度お よび施設規模 と類似 し ていた。

表 3.経 営母体別にみた施設概要の比較 日本看護福祉学会誌 Vol.19  配 1,63‐ 75(2013年 10月 ) 医療法人 n=213 NPO法 人項 目 入居定員 八居者一人あたりの職 員数 平均要介饉度 俳設施設 介甑老人福祉施設 介観老人保健施設 デイサービス 訪間看甑ステーシヨン 病院または診残所 看臣師雇用の有無 社会福祉法人n=295平均値,標 準偏差13.02圭5,3C(人)0.90±025(人)2.01±0.49(度) n=72平均に,標 隼偏差1161±428(人)1.18圭0.

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