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付録1 原子炉等利用に関する共同研究報告書

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Academic year: 2021

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(1)Vo148(2011). 近畿大学原子力研究所年報. 付 録1. 原子炉等利用 に関す る共 同研究報告書 (「平成22年 度近 畿大 学原 子炉 等利用 共 同研 究経 過報 告書 、 大 阪大 学大 学院工 学研 究科編 集 ・発行 」 よ り一・ 部転 載). 近 畿大学原 子炉 は、 昭和55年 度 よ り大 阪大学 を窓 口 とし、国公 私立大 学 の 共 同研 究 施設 と して全 国 の大 学 研究 者 の利 用 に提供 され て お り、 これ まで研 究 ・教 育 に大 きな成 果 を挙 げて きま したが 、これ らの成 果 は大 阪大 学大学 院工 学研究 科 に よ り 「 近 畿大 学原 子炉 等利用 共 同研 究経 過報 告書 」と して毎年 発行 されて い ます。近 大原研 のActivityを 更 に広 く知 って頂 くた め、こ こに付録 と して上記経過 報告書 の一一 部 を転載 します。. 89.

(2) 付 録1. 原 子 炉 物 理 ・原 子 炉 応 用 に 関 す る研 究 研 究総括責任者. 大 阪 大 学 大 学 院 工 学研 究 科 教授. 原 子 炉 物 理 ・原 子 炉 応 用 に 関 す る 分 野 で は 、 平 成22年. 堀池 寛. 度 は 下 記 の研 究 提 案 が採 択 さ. れ 、 実 施 され た 。. (1)研 究 炉 を 用 い た 小 型 指 向 性 中 性 子 検 出 器 特 性 評 価 に 関 す る 研 究 (2)高 感 度 中 性 子 ラ ジ オ グ ラ フ ィ の 実 用 化 に 関 す る 研 究(X皿) (3)イ ン タ ー ネ ッ ト に よ る 原 子 炉 遠 隔 実 験 お よ び 実 習 の た め の 技 術 開 発 (4)制 御 棒 効 果 と 中 性 子 束 分 布 の 精 密 測 定 (5)未 臨 界 体 系 で の 中 性 子 束 分 布 時 間 変 動 測 定 実 験 (6)原 子 炉 中 性 子 の 精 密 計 測 シ ス テ ム の 開 発 及 び 原 子 炉 を 用 い た 実 験 実 習 (7)マ イ ク ロ ド シ メ ト リ ー 手 法 を 用 い たUTR-KINKI中. 性 子 場 の線 質 の 評 価. (8)傾 斜 線 式 位 置 読 み 取 り 法 に よ る 中 性 子 位 置 検 出 器 の 開 発 (9)宇 宙 線 に よ る カ ル シ ウ ム 化 合 物 の 熱 蛍 光 特 性 の 研 究 (10)ICの. 放 射 線 廃 棄 物 管 理 へ の 適 用 に 向 け た 光 子 、中 性 子 に 対 す る 耐 性 評 価 に 関 す る. 研 究 (11)中. 性 子 線 量 測 定 器 の応 答 特 性 試 験. (12)医. 療 用 加 速 器 か ら の 漏 洩 中 性 子 検 出 を 目 的 と し た 中 性 子 イ メ ー ジ ン グ法 の 開 発. こ の 分 野 で は 、 検 出 器 の 改 良 ・開 発 に 関 す る 研 究 が5件 る 研 究 が3件. 、原 子 炉 の 特 性 評 価 に 関す. 、 ラ ジ オ グ ラ フ ィ や 中 性 子 イ メ ー ジ ン グ 法 に 関 す る 研 究 が2件. 験 お よ び 実 習 に 関 す る 技 術 開 発 お よ び 廃 棄 物 管 理 へ のICの. 、遠 隔 実. 適 用 に 関 す る 研 究 が2件. 実 施 され て い る 。 検 出 器 の 改 良 ・開 発 に 関 す る 研 究 は 、 今 後 の 進 展 が 期 待 さ れ る 中 性 子 科 学 の 発 展 の 上 に 非 常 に 重 要 な 分 野 で あ り 、 研 究 課題 数 も 最 多 で あ る 。 こ れ ら の 研 究 の 中 で 、(1) で は 、 これ ま で 測 定 が 困 難 で あ っ た 中 性 子 束 の 方 向 分 布 を 取 得 で き る よ う小 型 検 出 器 ヘ ッ ド に ス リ ッ ト開 口 部 を 設 け る こ と で 熱 中 性 子 の 方 向 分 布 情 報 の 取 得 が 出 来 た 事 が 報 告 さ れ て い る 。 ま た(6)で は 、 中 性 子 の エ ネ ル ギ ー 分 布 に 関 し て は 、 エ ネ ル ギ ー 情 報 を反 跳 陽 子 の位 置 情 報 に変 換 す る こ とで測 定 す る方 法 が 考 案 され 、 簡 便 に 中性 子 スペ ク トル 情 報 が 求 め ら れ る こ と が 報 告 さ れ て い る 。 さ ら に(8)で は 、 検 出 器 内 の ど の 場 所 で の 検 出 で あ る か を 評 価 し う る 中 性 子 位 置 検 出 器 の 開 発 が 進 め ら れ て い る 。 ま た(9) で は 、 新 た な熱 蛍 光 線 量 計 素 子 の 開 発 と して 、感 度 の 向 上 に 関 す る研 究 開発 が進 め ら れ て お り 、(11)で. は 有 機 シ ン チ レー タ の 中 性 子 線 と ガ ン マ 線 の 弁 別 性 能 に 関 す る 研 究. 開 発 が 進 め ら れ て い る 。 以 上 の よ う に 、 検 出 器 の 改 良 ・開 発 に 関 す る 研 究 は 多 岐 に わ た っ て お り、 今 後 さ ら に 実 用 性 を 考 慮 し た 検 討 も進 め られ て い く こ と が 期 待 さ れ る 。 原 子 炉 の 特 性 評 価 に関 す る研 究 で は 、近 畿 大 学 原 子 炉 の低 出 力 炉 で あ る特徴 を活 用. 一90一.

(3) Vo1.48(2011). 近畿大学原子力研究所年報. し な が ら 、 制 御 棒 効 果 の 再 現 性 確 認 実 験 を 文 系 学 生 の 見 学 ・実 習 プ ロ グ ラ ム と し て 実 施 し た 研 究(4)、 未 臨 界 状 態 に お け る 制 御 棒 移 動 に よ る 添 加 反 応 度 を リ ア ル タ イ ム で 、 か つ 高 精 度 で 評 価 可 能 な 測 定 手 法 の 開 発(5)お め にUTR-KINKI中. よ び 生 物 照 射 場 と して の 特 性 評 価 の た. 性 子 場 の 線 質 評 価(7)が 実 施 さ れ て い る 。. ラ ジ オ グ ラ フ ィ や 中 性 子 イ メ ー ジ ン グ 法 に 関 す る 研 究 で は 、 冷 却 型CCD撮. 像素子. の 実 用 上 の 最 大 の 課 題 で あ っ た 白 色 ノ イ ズ の 原 因 解 明 に 関 す る 研 究(2)が 行 わ れ て お り、 そ の 原 因 が シ リ コ ン 照 射 欠 陥 で あ る 可 能 性 が 高 い こ と が 示 され て い る 。 ま た 近 年 重 視 され る人 材 育 成 を踏 ま え、 原 子 力 に対 す る初 学者 を 参 加 者 に含 め 、 実 習 ・実 験 を 兼 ね て 実 施 さ れ て い る 研 究 開 発 【(6),(7)]や 、 実 験 へ の 参 加 を 容 易 に し 、 さ ら に 実 験 教 育 効 果 の 向 上 を 狙 っ た 研 究 開 発(3)が 行 わ れ て お り 、研 究 開 発 の 中 で も 教 育 用 原 子 炉 と し て の 役 割 が 活 か され て い る 。. 以 上 の よ う に 、 原 子 炉 物 理 ・原 子 炉 応 用 に 関 す る 研 究 は12件. あ り 、検 出 器 の 改 良 ・. 開 発 、 原 子 炉 の 特 性 評 価 方 法 、 原 子 炉 お よ び 中 性 子 利 用 に 関 す る研 究 に つ い て 実 施 さ れ て い る 。 こ れ ら は 、 照 射 場 の 特 性 を 把 握 す る こ と が 必 要 な 他 分 野 の 研 究 に も密 接 に 関 連 し て お り、 今 後 の 更 な る 発 展 を 期 待 す る も の で あ り ま す 。. 一91.

(4) 付 録1. (1)研. 究 炉 を用 い た 小 型 指 向 性 中性 子 検 出器 特性 評 価 に 関 す る研 究 代表者:瓜 谷. 章(名 古屋大学 大学院工学研 究科). 〔要約〕 現 在 、 原 子 炉 の 基 本 設 計 、 性 能 予 測 で は 計 算 機 シ ミ ュ レー シ ョン が 非 常 に 重 要 な 役 割 を 果 た して い る。 しか し な が ら計 算 機 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の み で は 信 頼 性 を 担 保 す る こ と は 出 来 ず 、 実 験 と計 算 機 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 結 果 を 比 較 し 、 そ の 妥 当 性 を評 価 す る 必 要 が あ る 。 計 算 で は 中 性 子 ス ペ ク トル や 方 向 分 布 等 の 各 種 微 分 量 を 取 り扱 う こ と も可 能 とな って きて い るが 、 実験 で これ らの微 分 量 を 実測 す る こ とは 容 易 で は ない 。 そ こ で 本 研 究 で は 、 小 型 指 向 性 中 性 子 検 出 器 の 開 発 を 進 め て い る。 開 発 を 進 め た 検 出 器 は 、Li含. 有 シ ン チ レ ー タ の 周 囲 をCdあ. る い はGd製. の ス リ ッ ト型 熱 中 性 子 コ リ メ ー タ. で 覆 っ た 小 型 検 出 器 ヘ ッ ド か ら の シ ン チ レ ー シ ョ ン 光 を ラ イ トガ イ ド を 介 し て 光 電 子 増 倍 管 で 検 出 す る 構 成 と な っ て い る 。 ス リ ッ ト開 口 部 の 方 向 か ら 入 射 す る 熱 中 性 子 に の み 有 感 で 、 検 出 器 全 体 を 回 転 させ る こ と で 熱 中 性 子 の 方 向 分 布 を 得 る 。 検 出 器 ヘ ッ ド部 の 構 造 を 改 良 し 、 シ ン チ レ ー シ ョ ン 光 収 集 効 率 を 改 善 す る こ と で 、 中 性 子 と ガ ン マ 線 の 弁 別 性 能 を 向 上す る こ とが で き 、熱 中 性 子 の方 向 分 布 を取 得 す る こ とに成 功 し た。. (2)高. 感 度 中 性 子 ラ ジ オ グ ラ フ ィ の 実 用 化 に 関 す る研 究(XIH) 代表者:谷 口. 良一(大 阪府 立大学 放射線研 究セ ンター). 〔 要約 〕 高 感 度 中 性 子 画 像 装 置 に 用 い ら れ る 冷 却 型CCD撮. 像 素 子 に は 、 特 徴 的 な 白点 ノ イ. ズ が あ り 、 こ れ が 実 用 上 の 最 大 の 問 題 で あ っ た 。 こ の ノ イ ズ に は 、 画 像 の 同 じ場 所 に 現 れ る 固 定 パ タ ー ン ノ イ ズ(FPN)と. 、 ラ ン ダ ム に 現 れ る ラ ン ダ ム ノイ ズ が あ っ た 。. ど ち ら も 外 見 は 同 じ で あ る 。FPNは. 放 射 線 損 傷 、 ラ ン ダ ム ノイ ズ は 放 射 線 誘 起 ノ イ. ズ の 一 種 と 考 え ら れ る が 、 そ の 起 源 は 不 明 で あ っ た 。 本 研 究 で は 、CCDに. 中性 子 と. ガ ン マ 線 を 照 射 し、 ノ イ ズ と の 関 係 を 調 べ た 。 そ の 結 果 、 ラ ン ダ ム ノ イ ズ は 、 ど ち ら の 放 射 線 照 射 で も 増 大 し、 そ の 量 は 線 量 率 に 比 例 す る こ とが 明 ら か と な っ た 。 一 方 、 FPNは. 微 弱 な 中 性 子 照 射 で も 増 大 す る の に 対 し て 、5mGyま. 加 し な か っ た 。 増 加 し たFPNの ら のFPNは. で の ガ ン マ線 照 射 で は増. 温 度 変 化 、 活 性 化 エ ネ ル ギ ー か ら判 断 す る と、 こ れ. 検 出部 で の シ リコ ン照 射 欠 陥 が 原 因 で あ る 可 能 性 が 高 い。. 92.

(5) Vo1.48(2011). (3)イ. 近 畿大学原子力研究所年報. ン タ ー ネ ッ トに よ る 原 子 炉 遠 隔 実 験 お よ び 実 習 の た め の 技 術 開発 代表者:山 本. 淳治(摂 南大 学理 工学部). 〔 要約〕 大 学 生 を 対 象 に して 近 畿 大 学 炉 で 実 施 され て い る原 子 炉 実 習 を イ ン ター ネ ッ トを 介 して遠 隔 で 実 施 す る た め に必 要 な し くみ と機 器 を 開発 して き た.目. 的 は,原. 子炉施. 設 に お け る実 習 で は 限 られ た 実 習 時 間 で 学 習 す るた め に選 択 的 に な ら ざ る を得 ない 学 習 内容 を遠 隔 実 習 で補 完 す る こ とで あ る.今 い て 実 施 した 遠 隔 実 習 につ い て 報 告 した.近. 年 度 は 東海 大 学 工 学 部 原 子 力 工 学 科 にお. 市)に. 畿 大 学 本 部 キ ャ ン パ ス(大. あ る原 子 炉 棟 の制 御 室 と東 海 大 学 湘 南 キ ャ ンパ ス(神. 教 室 との 間 で 遠 隔 実 習 を実 施 した.原. 子 炉 出力,ペ. 阪府東 大 阪. 奈 川 県 平 塚 市)に. リオ ド,制 御 棒 位 置,運. の 映像 な どの デ ー タ を ほぼ リアル タ イ ム で遠 隔 の 教 室 に送 信 して,授. 設 けた. 転操作 中. 業 時 間2コ. マを. 使 った授 業 で 原 子 炉 の 臨 界 と制 御 棒 校 正 実 験 を行 っ た. 授 業 後 に行 っ た 学 生 ア ン ケ ー トで は,原. 子 炉 実 習 をす で に経 験 した 学 生 の 評 価 は. 高 く,実 習 で学 ん だ 内 容 の定 着 化 に は効 果 的 で あ っ た と言 え る.ま 習 方 法 に よ っ て,近. た,こ. の よ うな 学. 畿 大 学 炉 の 実 習 テ キ ス トに記 載 され た 実 験 課 題 の い くつ か を学 生. が 時 間 を掛 け て 系 統 的 に学 習 で き る機 会 を与 え る こ とが で き る.. (4)制. 御 棒 効 果 と 中性 子 束 分 布 の 精 密 測 定 代 表者:北 村. 晃(神 戸 大学大学 院海 事科学研 究科). 〔 要約〕 制 御 棒 効 果 の 一 側 面 として 臨 界 時 制 御 棒 位 置 の 再 現 性 と、金 箔 放 射 化 反 応 率 分 布 の 精 密 測 定 を行 っ た 。別 途 、文 系 学 生67名 年度 プ ログラ ム. が 参 加 した 見 学 ・実 習 プ ログ ラ ム 、経 済 産 業 省2010. 「原 子 力 総 合 技 術 プ ロ グ ラ ム 」 に お け る 運 転 時 に 得 た 臨 界 時 制 御 棒 位. 置 の デ ー タ を 加 え た 上 、過 去 の も の と比 較 して 再 現 性 を検 討 した 。2010年 年 度 を 除 く06年. 度 以 前 の 平 均 値 か ら大 きくか け 離 れ た04・07・08年. 度 の デ ー タ は 、04. 度 に 近 い 値 を示 した 。. 放 射 化 反 応 率 分 布 測 定 に お い て は 、過 年 度 の 一 時 期 顕 著 で あ っ た 特 定 の 位 置 に お け る "くぼ み"や 昨 年 度 み られ たNW -MSに お け る 異 常 に 大 き な 放 射 化 反 応 率 と特 異 な 分 布 形 状 も見 られ ず 、統 計 誤 差 の 範 囲 内 で 上 下 対 称 性 が 実 現 され て い るこ とと南 北 非 対 称 性 の 傾 向 が 確 認 され た 。. 93.

(6) 付 録1. (5)未. 臨界 体 系 で の 中性 子 束 分布 時 間 変 動 測 定 実験 代表者:北 田. 孝典(大 阪大学大学 院工学研究科). 〔 要約〕 臨 界 体 系 に お け る反 応 度 添 加 量 を リア ル タイ ム で 評 価 す る方 法 を もとに 、未 臨 界 体 系 で の 手 法 を 開 発 し 、開 発 した 手 法 の 妥 当 性 検 証 を 実 施 した 。 基 準 とな る未 臨 界 度 を 評 価 す る た め に 、臨 界 体 系 で の 測 定 を 実 施 し、約 一〇.5%△k/kを 得 た 後 、未 臨 界 体 系 に お け る幾 つ か の 反 応 度 添 加 方 法 に 対 す る反 応 度 評 価 結 果 に つ い て 検 討 し た 。そ の 結 果 、開 発 した 手 法 は ほ ぼ 妥 当 な 結 果 を 与 え ることが 確 認 で き、手 法 の 有 効 性 お よ び 妥 当 性 が 確 認 で きた 。しか しな が ら、ShimRodを80%位. 置 か ら落 下 させ るよ うな 反 応 度 添 加 率. が 大 きい 場 合 に は 、開 発 した 手 法 で も 精 度 よく反 応 度 評 価 出 来 て い るとは 言 い 難 い 結 果 とな っ て い る。これ は 、反 応 度 評 価 に 用 い て い る 式 の 導 出 に あ た り、大 きな 反 応 度 添 加 率 の 場 合 に 現 れ る と考 え られ る高 次 モ ー ドが 考 慮 して い な い 一 点 炉 近 似 を 用 い て い ることが 原 因 で は な い か と考 え て い る。 今 後 、高 次 モ ー ドの 影 響 も加 味 す る た め 、中 性 子 検 出 器 位 置 の 違 い に よる 反 応 度 評 価 結 果 へ の 影 響 の 測 定 な ども 通 じて 、一 点 炉 近 似 あ る い は 基 本 モ ー ドの み を扱 うことに よ る影 響 に つ い て 、さら に 検 討 行 う予 定 で あ る。. (6)原. 子 炉 中性 子 の 精 密 計 測 シ ス テ ム の 開 発 及 び 原 子 炉 を 用 い た 実験 実 習 代表者:池 田. 伸夫(九 州 大学大学院 工学研 究院). 〔要約〕 近 年 、 医 学 ・工 学 分 野 に お い て 中 性 子 の 利 用 が 拡 大 し て お り 、 中 性 子 の 被 ば く に よ る 生 物 学 的 効 果 を 精 度 よ く評 価 す る こ とが 求 め ら れ て い る 。 中性 子 被 ば く に よ る 生 物 学 的 効 果 は 中 性 子 の エ ネ ル ギ ー に 大 き く依 存 す る た め 、 評 価 に あ た っ て は 対 象 と な る 中 性 子 場 の エ ネ ル ギ ー ス ペ ク トル を 測 定 す る こ と が 必 要 と な る が 、 一 般 に 中 性 子 の エ ネ ル ギ ー ス ペ ク トル 測 定 は 簡 単 で な い 。 そ こ で 本 研 究 で は 、 三 角 柱 形 の ア ク リ ル コ ン バ ー タ を 用 い て 、 反 跳 陽 子 の 位 置 分 布 を イ メ ー ジ ン グ プ レ ー トで 測 定 す る こ と に よ り 中 性 子 の エ ネ ル ギ ー 情 報 を 位 置 情 報 に 変 換 し 、 入 射 中 性 子 の エ ネ ル ギ ー ス ペ ク トル を 簡 便 に 測 定 す る 方 法 を 考 案 し た 。 原 子 炉 か ら の 中 性 子 を 照 射 した 実 験 の 結 果 、 ア ン フ ォ ー ル デ ィ ン グ 法 を 応 用 す る こ と に よ り 、 イ メ ー ジ ン グ プ レ ー トで 測 定 さ れ た 反 跳 陽 子 の 位 置 分 布 情 報 か ら 入 射 中 性 子 の エ ネ ル ギ ー ス ペ ク トル を 簡 便 に 求 め る こ と が で き る こ とが 分 か った 。 ま た 、 九 州 大 学 、徳 島 大 学 の 学 生 を対 象 に原 子 炉 運 転 実 習 を行 な っ た 。 平 成22年. 度 は17年. 性 子 の絶 対 測 定 、 漏 洩. 目 に あ た り、 原 子 炉 運 転 の 実 習 、 放 射 化 法 に よ る 炉 内 中. γ 線 の測 定 、 中性 子 ラ ジ オ グ ラ フ ィ等 の 内容 で 実 習 を行 な っ. た。. 94一.

(7) Vo1.48(2011). (7)マ. 近 畿大学原 子力研 究所 年報. イ ク ロ ドシ メ ト リ ー 手 法 を 用 い たUTR-KINKI 中 性 子:場 の 線 質 の 評 価 代表者:遠 藤. 暁(広 島大 学大学院工学研 究科). 〔 要約〕 LETカ. ウ ン タ ー は 組 織 等 価 な 器 壁 を も っ ガ ス 比 例 計 数 管 に 組織 等 価 ガ ス を 封 じ 込. め た 検 出 器 で あ る 。 ガ ス 圧 を 変 化 させ る こ とで 生 体 組 織 中 に 付 与 され る エ ネ ル ギ ー を 模 擬 的 に 測 定 す る 。 こ の マ イ ク ロ ド シ メ ト リ ー で 得 ら れ るy分 ∼ 数 μm)生. 布 は 、 ご く 小 さ い(1. 体 組 織 に 付 与 され るエ ネ ル ギ ー 分 布 を 通 して 、 生物 効 果 比 見 積 も る こ と. も 可 能 で あ る 。 本 研 究 を 行 う こ と でUTR-KINKIの. 生 物 照 射 場 と して の 特 性 を 明 ら か. に す る こ と が で き る 。 組 織 等 価 型 ガ ス 比 例 計 数 管(TEPC)を. 用 い てUTR-KINKIの. マイ. ク ロ ドシ メ ト リ ー ス ペ ク トル の 測 定 を 行 う こ と が 目 的 で あ る 。 こ れ ま で 行 っ て き たTEPCの. 測 定 で は 、 エ ネ ル ギ ー 測 定 下 限 が 、 数keV/μm程. 度 と. 高 か っ た た め 、 外 挿 し て 議 論 し て き た 。 こ れ を 克 服 す る た め 、 本 年 度 は 、 低y領 重 点 を 置 い た 測 定 を 試 験 し た 。2イ. ン チTEPCを. 用 い て 中 性 子 線 及 び γ線 の マ イ ク ロ. ド シ メ ト リ ー ス ペ ク トル を 炉 外 で 測 定 し た 。 こ れ ま で 、 低y側 μmで. あ っ た が 、0.2keV/μmま. 域 に. の 測 定 限 界 が 数keV/. で 下 げ る こ とが 出 来 た 。 今 後 、 更 に ノイ ズ の 低 減 を. 行 い 、 γ 線 領 域 の マ イ ク ロ ド シ メ ト リ ー ス ペ ク トル を 測 定 す る 。. (8)傾. 斜 線 式 位 置 読 み 取 り法 に よ る 中 性 子 位 置 検 出 器 ・ の開 発 代 表者:前 多. 信 博(福 井工業 高等 専門学校 電 気電子工学科). 〔 要約〕 平 成15年. 度 の. 「近 畿 大 学 原 子 炉 等 利 用 共 同 研 究 」 で 、 陽 極 芯 線 に 沿 っ て2本. 位 置 読 取 線 を 張 っ た 比 例 計 数 管(TSW-PSPC)が 事 が 分 っ た(前. の. 、 中性 子 位 置 検 出器 と して作 動 す る. 多,伊 藤 堀 口,「 傾 斜 線 式 位 置 読 取 法 に よ る 中 性 子 位 置 検 出 の 可 能 性 」. RADIO-ISOTOPES,Vol53,611-615(2004))。. そ の 後 、 平 成21年. で も 検 出 器 の 有 効 性 を 明 ら か に で き た 。(前. 度 ま で の 共 同研 究. 多,伊 藤,堀 口,「 傾 斜 線 式 読 取 法 に よ る. 中 性 子 位 置 検 出 器 の 位 置 分 解 能 」ibid.VoL54,359-363(2005))。(前. 多,伊 藤,堀 口,芳. 原,「 傾 斜 線 式 位 置 読 取 法 に よ る 熱 中 性 子 の 空 間 分 布 測 定 」ibid.vo1.56,431-435 (2007))◎ 平 成22年. 度 に は 、 実 験 デ ー タ を 解 析 す る た め の ソ フ ト を 新 開 発 し 、 平 成20∼22. 年 度 の 炉 内 計 測 デ ー タ を 再 検 討 し た 。 こ れ に よ り 、TSW-PSPCの. 幾 つ か の特 性 が 明. か に な っ た(伊 藤,安 岡,堀 口,芳 原,前 多,「 近 大 原 子 炉 内 に 設 置 し た 中 性 子 用 傾 斜 線 式 位 置 感 応 型 比 例 計 数 管 の 性 能 調 査 」 日本 物 理 学 会. 「2010年. 秋 季 大 会 」 講 演 番 号23pRH-. 7)。 ま た 、 中 性 子 ラ ジ オ グ ラ フ ィ ー 装 置 内 で の 設 置 も 可 能 な 中性 子 測 定 用 比 例 計 数 管 を試 作 し、 動 作 試 験 を 終 えた 。 中性 子 ラ ジオ グ ラ フ ィー 装 置 内 で は比 例 計数 管 の 設 置 や 構 造 変 更 が 容 易 で 、今 後 、 実験 の進 展 が期 待 で き る。. 95.

(8) 付 録1. (9)宇. 宙 線 に よ るカル シ ウム化 合 物 の 熱 蛍 光 特 性 の研 究 代表 者:福 田. 和悟(大 阪産 業大学人 間環境学部). 〔 要約〕. 宇 宙 線 に 対 応 す るTLD(熱. 蛍 光 線 量 計)素. を 活 性 体 と し て 添 加 し たCaF2:Tb,Ce焼 焼 結 体 、CaF2:Pr,Mn単 る. 熱 蛍 光(TL)特. CaF2:Tb,Ce焼. 子 と し てTb407、Gd203、Pr203、Ce203等. 結 体 、CaF2:Tb,Gd,Bi焼. 結 体 、CaF2:Tb,Gd,Sm. 結 晶 を 作 成 し 、 原 子 炉 内 放 射 線 お よ び60Coの. γ線 照 射 に 対 す. 性 を そ れ ぞ れ 調 べ 報 告 し て い る 。 今 回 、 前 回 の 測 定 に 引 き 続 き. 結 体 、CaF2:Tb,Gd,Bi焼. 結 晶 に つ い て も 原 子 炉 内 放 射 線(熱. 結 体 のTLD特 中 性 子+γ. 性 を 調 べ る と 共 に 、CaF2:Pr 線)照. 熱 蛍 光 特 性 を そ れ ぞ れ 調 べ た 結 果 、Tb407、Gd203、Ce203等 時 間 を 従 来 よ り も 長 く し て 作 成 し たCaF2:Tb,Ce焼. 射 と60Coの. ,Mn単. γ線 照 射 に 対 す る. の活 性 体 を混 合 撮 搾 す る. 結 体 、CaF2:Tb,Gd,Bi焼. 結 体 にっ い. て は 、 感 度 に お い て 改 善 が 見 られ る 一 方 、 ば ら つ き が 見 ら れ る こ とか ら 、 今 後 さ ら に 作 成 方 法 を 修 正 す る 必 要 が あ る 。CaF2:Pr,Mn単. 結 晶 は γ 線 対 応 のTLDと. して 実 際 に. 使 用 で き る も の と思 われ る。. (10)ICの. 放 射 性 廃 棄 物 管 理 へ の適 用 に向 け た光 子 、 中性 子. に 対 す る 耐 性 評 価 に 関 す る研 究 代表者:小 佐古. 敏荘(東 京大 学大学院 工学系研究科). 〔要約 〕 ICタ. グ を 用 い た 情 報 整 理 は 、 情 報 を 非 接 触 で 瞬 時 に 読 み 取 る こ とが で き る 、 従 来. の バ ー コ ー ド管 理 よ り 多 く の 情 報 を 記 憶 ・管 理 す る こ と が で き る 等 の 利 点 が あ る 。 し た が っ て 、 放 射 性 廃 棄 物 を 効 率 よ く 、 的 確 に 管 理 す る の に 有 効 で あ る こ とが 期 待 さ れ る 。 し か し な が ら 、ICタ. グは複 数 の 素 子 か らな る超 小 型 の 電 子 回 路 で あ る た め 、 放. 射 性 廃 棄 物 に使 用 す るに は 、放 射 線 に対 して どの部 分 が 、 どの程 度 影 響 を受 け るか と い っ た 耐 放 射 線 性 を 把 握 す る 必 要 が あ る 。 こ れ ま で の 研 究 に お い て 、ICタ 線 が 照 射 さ れ る こ と に よ っ て 、IC内. グ に放 射. の デ ー タ に 影 響 が 生 じ な い ま で も 、IC読. 時 の 感 度 に 影 響 が 生 じ て い る こ と が 経 験 的 に わ か っ て い た 。 実 際 にICを. み取 り. 放射 性廃棄. 物 の 管 理 に 使 用 し て い る 間 に 読 み 取 り感 度 が 変 化 す る と 、 管 理 業 務 に 支 障 を き た す こ と が 考 え ら れ る 。 そ こ で 、 本 研 究 で は 放 射 線 を 照 射 し た 前 後 に お い てICタ. グ と リー. ダ/ラ イ タ 間 の 読 み 取 り距 離 に ど の 様 な 影 響 が 生 じ る か 詳 細 を 把 握 し た い と 考 え た 。 近 畿 大 学 原 子 炉 で の 照 射 実 験 に よ り 、ICタ. グ の 光 子 ・中 性 子 照 射 に 読 み 取 り 可 能. 距 離 の 変 化 は ま だ 明 確 に 判 断 で き な い が 、 数Gyの. 照 射 線 量 を超 え る と変 化 し始 め る. こ と が 分 か っ た 。 今 後 は 引 き続 き 照 射 を 継 続 し 、 読 み 取 り可 能 距 離 の 変 化 を 観 察 し て 行 く。. 96.

(9) Vo1.48(2011). (11)中. 近畿大学原子力研究所年報. 性 子 線 量 測 定器 の 応 答 特 性 試 験 代表者:山 西. 弘城(自 然科学研 究機 構核融 合科学研 究所). 〔 要 約〕 作 業 環 境 に お け る 中 性 子 線 量 の 測 定 器 を 開 発 中 で あ る 。 昨 年 度 ま で は 、TLDを. 検 出. 素 子 と して 、減 速 材 と吸収 材 を組 み合 わ せ た測 定 系 につ い て応 答 特 性 試 験 を行 っ て き た 。 今 年 度 は 、2つ. の 異 な る サ イ ズ の 有 機 シ ン チ レー タ に つ い て 、 中 性 子 線 と ガ ン マ. 線 の 弁 別 性 能 を 試 験 し た 。2つ. の サ イ ズ は 、 Φ50mmx10mmと. 、 Φ3inchx3inch. で あ る 。 検 出 器 か ら の 出 カ パ ル ス の 立 ち 上 が り時 間 が 、 中 性 子 線 と ガ ン マ 線 と で 異 な る こ と を利 用 し て 、 中 性 子 線 に よ る パ ル ス と ガ ン マ 線 に よ る パ ル ス と を 弁 別 す る 。 原 子 炉 出 力 を0.1Wか. ら1Wま. で 、 段 階 的 に 上 昇 させ て 、 デ ー タ を 得 た 結 果 、 中 性 子. 束 密 度 の 上 昇 に 伴 っ て 、 中 性 子 線 と ガ ン マ 線 の 弁 別 性 能 が 劣 化 して い く こ と、 弁 別 性 能 は よ り薄 型 で あ る シ ン チ レ ー タ の 方 が 良 好 で あ る こ と が わ か っ た 。. (12)医. 療 用 加 速 器 か ら の 漏 洩 中 性 子 検 出 を 目的 と し た 中 性 子 イ メ ー ジ ン グ法 の 開 発 代 表者:佐 瀬. 卓也(徳 島大 学アイ ソ トープ総合 セ ンター). 〔 要約 〕 医 療 用 加 速 器 に対 す る恒 常 的 かっ 簡 便 な放 射 線 管 理 測 定 手 法 開発 の一 環 として、中性 子 放 射 化 イメー ジング法 によって漏 洩 中 性 子 線 を計 測 、管 理 す る手 法 を検 討 している。本 研 究 の 目的 は 、徳 島 大 学 病 院 の 医 療 用 サイクロトロンならび に近 畿 大 学 原 子 力 研 究 所 の原 子 炉(近 大 炉)の 中性 子 場 を用 いて模 擬 漏 洩 中 性 子 線 場 を作 成 し、中性 子 放 射 化 イメー ジング 法 によって漏 洩 中性 子 線 が正 しく測 定 が可 能 であるか検 討 を行 うことである。 自己 遮 蔽型PETサ. イクロトロンの遮 へい 体 内 部 の 中性 子 線 、および 近 大 炉 における模 擬 漏. 洩 中 性 子 線 を圧 延 金 板 とイメー ジングプレー トを用 い て測 定 し、画 像 化 によって定 性 的 に評 価 した。サ イクロトロンにお いては事 故 遮 蔽 体 内 部 にお ける遮 蔽材 ごとの 中性 子 の遮 蔽 効 果 を視 覚 的 に測 定 す ることに成 功 し、近 大 炉 にお いては炉 頂 中央 部 の中 性 子 線 分 布 が色 調 情 報 と 強 度 分 布 グラフによって画像 化 され た。約2mm幅. のポリエチレン空 隙 を通 過 した 中性 子 線 も. 本 法 によって明 瞭 に画 像 化 することが 出来 た。本 法 は 医療 用 加 速 器 の遮 へ い 体 の健 全 性(中 性 子 線 漏 洩 の有 無)を 、視 覚 的 に判 定 し得 る手 法 として有 用 であると考 えられ る。. 97.

(10) 付 録1. 原 子 炉 化 学 ・放 射 化 学 に 関 す る 研 究 研究総 括責任 者. 大阪大学大学院 工学研 究科 教授. 原 子 炉 化 学 ・放 射 化 学 に 関す る研 究 で は 、平 成22年. 山中. 伸介. 度 は 下 記 の4件. の研 究 が採 択 、. 実 施 され た 。 (1). 食 品 中 のナ トリウ ム と塩 素 の放 射 化 分 析. (2). 気 体 状 放 射 性 同位 元 素 の測 定 に 関 す る研 究(3). (3). 古 代 エ ジ プ ト遺 物 中微 量 元 素 の 中性 子 放 射 化 法 に よ る分 析. (4). 中性 子 お よび γ線 照射 に よ るセ リ ウム含 有 ガ ラ ス の 物 性 変 化 測 定. (1) 健 康 に 及 ぼ す 食 事 の 影 響 に つ い て は 、 量 と質 の 両 面 か ら重 要 視 され 、 過 剰 の ナ ト リ ウ ム(Na)摂. 取 は 、血 圧 を 上 昇 させ る 要 因 の 一 つ と し て 健 康 管 理 上 注 意 が は ら わ れ て. い る 。 そ こ で 、 極 抵 出 力 原 子 炉 を 用 い て 献 立 お よ び 食 品 中 のNaと 測 定 を 行 い 、Naか. ら 換 算 し た 食 塩 量 とClか. 塩 素(Cl)の. 同時. ら換 算 し た 食 塩 量 を 求 め 、 各 種 食 品 中 の. 値 に つ い て 比 較 検 討 して い る 。 本 年 度 は 、 子 供 が 中 心 に 食 し て い る 、 ま た 、 補 助 食 品 と し て 食 さ れ て い る 焼 き 菓 子 の ク ッ キ ー 、 ビ ス ケ ッ トお よ び ス ナ ッ ク 菓 子 中 の 食 塩 量 に つ い て 検 討 し、 以 下 の 結 果 を 得 た 。 全 食 品 と も にNaとClが 告 と 同 様 にNa量. 検 出 され た が そ の 量 は 微 量 で あ っ た 。ま た 、前 回 ま で の 報. か ら 算 定 し た 食 塩 量 の 方 がCl量. か ら算 定 した 食 塩 量 よ り も 高 い 値 を. 得 る 傾 向 が 認 め ら れ た 。 こ の こ と か ら 食 品 添 加 物(ア. ミ ノ 酸 等)使. 用 が 認 め られ る。. ま た 、 こ れ ら の 食 品 に お け る 一 日 に 摂 取 す る と 考 え られ る食 塩 量 は 、 微 量 で あ る 。 (2) 本 研 究 で は 、 ト リチ ウ ム の 化 学 形 弁 別 連 続 モ ニ タ リ ン グ の 際 に 誤 差 の 要 因 と な っ た ラ ドン を 利 用 し て 、 原 子 炉 建 屋 内 の 施 設 管 理 に 有 用 な 情 報 が 得 ら れ る こ と を 期 待 して ラ ドン の 濃 度 の 計 測 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 炉 室 に お け る ラ ド ン 濃 度 、 温 度 お よ び 相 対 湿度 の 測 定 結 果 は 、 い ず れ の 期 間 に お い て も 、 ラ ドン 濃 度 は 低 く 、 そ れ らの 変 動 は 温 度 お よ び 相 対 湿 度 と の 相 関 性 も認 め られ な か った 。 炉 室 は っ ね に 空 調 制御 され た外 気 で 換 気 され て い る た め 、炉 室 の 壁 よ り放 出 され る ラ ド ン濃 度 よ り も 外 気 中 の ラ ドン 濃 度 の 影 響 を 受 け た も の と推 定 され る。 他 方 、 α線 計 測 装 置 を 炉 室 か ら 炉 室 に 隣 接 す る 測 定 室 に 移 動 し、 同 様 な 実 験 を 行 っ た 結 果 、 ラ ド ン 濃 度 は34日. 目 か ら39日. 目の 問 に お い て が 著 し く 増 大 した 。 ま た 、 そ. の 間 に 温 度 は 低 下 し 、 相 対 湿 度 は 増 大 し た 。 こ の ラ ドン 濃 度 の 増 大 は 、 測 定 室 専 用 の 空 調 設 備 を 停 止 し た こ と に 連 動 し て お り 、37日. 目に お け る諸 特 性 の急 激 な 変化 も空調. 設 備 の 稼 働 お よ び 停 止 に 連 動 して い た 。 しか し 、 ラ ドン 濃 度 の 増 大 の 原 因 に つ い て 検 討 を行 っ た が、 結 論 に は 至 らな か っ た。. 一98一.

(11) Vo1,48(2011). 39日. 近畿大学原子力研究所年報. 目 に は 空 調 設 備 の 稼 働 に 伴 っ て ラ ドン 濃 度 は 一 旦 バ ッ ク グ ラ ン ドに 低 下 した. が 、 そ の 後 僅 か ず つ で は あ る が 再 び 上 昇 す る傾 向 を 示 して い る。 こ の 現 象 に つ い て も 来 年 度 も引 き続 き 計 測 を行 うこ と に よ り、原 因 究 明 を試 み る予 定 で あ る。 (3) 近 大 炉 の よ う な 低 中 性 子 フ ラ ッ ク ス の 条 件 に お い て 、 古 代 エ ジ プ ト遺 物(フ ン ス)や. 砂 等(主. 原 料)の. ァイ ア. 主 元 素 ・微 量 元 素 等 の 構 成 元 素 の 特 定 を 行 い 、 含 有 元 素 の. 分 布 状 態 か ら そ れ ら の 時 代 性 ・地 域 性 の 考 古 学 的 特 徴 を 示 唆 で き る 指 標 を 見 出 す こ と の 可 能 性 に つ い て 見 当 す る こ と を 目的 と し て い る 。 今 回 は 、 ナ イ ル 川 流 域 、 及 び ナ イ ル 川 西 方 で の 出 土 遺 物 の 近 辺 で サ ン プ リ ン グ され た 砂 の サ ン プ ル に つ い て 、 鉛 遮 蔽 体 付Hp-Ge検. 出 器 に よ る γ線 ス ペ ク トル 分 析 シ ス テ ム を 用 い て 、 定 性 ・定 量 的 に 分 析 を. 行 っ た。 ナ イ ル 川 流 域 の 砂 サ ン プ ル は 、ナ イ ル 川 西 方 の 砂 漠 地 帯 の 砂 サ ン プ ル に 比 べ て 、Mn やNaを. 比 較 的 多 く 含 ん だ 砂 が 多 く 、 放 射 化 量(ピ. な っ て い る 。 ま た 、Alの. ー ク カ ウ ン ト率)が. 全体 的に高 く. 含 有 量 に つ い て は いず れ の エ リア に お い て も、お お む ね 一 定. 量 を もっ た 砂 とな っ て い る こ とが わ か っ た。 こ れ らの 間 が 有 意 な 関 係 に あ る の か に つ い て 、 さ ら に 多 く の 砂 サ ン プ ル の 分 析 を 通 じ、 統 計 的 に 実 証 して い く 必 要 が あ る 。 (4) 遷 移 金 属 元 素 や 希 土 類 元 素 を 含 有 され た 酸 化 物 セ ラ ミ ッ ク ス や ガ ラ ス 、 フ ッ化 物 お よ び フ ッ化 物 ガ ラ ス は 、 ア ップ コ ン バ ー ジ ョ ン 、 非 線 形 光 学 効 果 、 蛍 光 発 光 を は じ め と す る 光 学 特 性 や 、 磁 気 的 性 質 の た め 多 く の 研 究 が 進 ん で い る 。 セ リ ウ ム は3価 価 の2種. 類 の 価 数 を 取 り 、3価. と4. の セ リ ウ ム を 含 有 さ せ た ガ ラ ス は α線 、 紫 外 線 を 吸 収. す る ガ ラ ス も し く は 中 性 子 デ ィ レ ク タ ー と し て 利 用 され る な ど広 く用 い られ て い る。 Ce3+イ. オ ン は 無 色 、Ce4+イ. オ ン は 一 般 に 榿 赤 色 あ る い は 黄 色 で あ る 。2種. の価 数 が. 混 在 した ガ ラ ス で は 、 異 な るエ ネ ル ギ ー 準 位 を も つ セ リ ウ ム イ オ ン 同 士 で エ ネ ル ギ ー 遷 移 が 起 き 、 茶 色 を 示 す 。 平 成21年. 度 研 究 に お い て 、 セ リウム を含 む 酸化 フ ッ化 ガ. ラ ス の 合 成 と そ の 物 性 と価 数 制 御 の 可 能 性 に つ い て 検 討 し た と こ ろ 、 中性 子 線 照 射 に よ る 価 数 の 変 化 は ほ と ん ど観 測 で き な か っ た 。 そ こ で 、本 年 度 はX線. 照 射 に よ る 色 変 化 を確 認 し て い る 表 面 フ ッ 素 化 二 酸 化 チ タ ン. を 用 い 、 中 性 子 線 照 射 に よ る 色 変 化 を 確 認 し、 中 性 子 照 射 後 の 経 過 時 間 と色 と の 間 に 相 関 性 が あ る こ と を 示 し た 。 し か し 、 よ り 正 確 な 相 関 性 の 検 討 に は よ り顕 著 な 色 変 化 を 誘 導 す る 必 要 が あ り 、 表 面 状 態 解 析 を 含 め た 発 色 ・消 色 機 構の 解 明 が 必 用 で あ る こ とが わ か っ た。. 以 上 の よ う に 、 原 子 炉 化 学 ・放 射 化 学 に 関 す る 研 究 は4件. あ る が 、 研 究(1)は. 放. 射 化 分 析 法 の 食 品 科 学 へ の 応 用 と 正 確 な デ ー タ の 蓄 積 と い う観 点 か ら 、 研 究(2)は ラ ド ン に よ る 環 境 影 響 を 正 確 に 評 価 す る た め に 動 態 を 把 握 し よ う と す る 点 、研 究(3) は 中 性 子 放 射 化 法 に よ る 非 破 壊 分 析 の 考 古 学 分 野 へ の 応 用 と い う 点 、 研 究(4)は. 、. 新 規 の 光 学 材 料 で あ る ガ ラ ス と し て 期 待 さ れ て い る 点 か ら 、す べ て 重 要 な 研 究 で あ る 。 これ ら の 今 後 の さ らな る 発 展 を 期 待 す る 。. 一99一.

(12) 付 録1. (1)食. 品 中 の ナ ト リ ウ ム と塩 素 の 放 射 化 分 析 代表者:山 本. 忠志(兵 庫教 育大学大学 院学校教育研 究科). 〔 要約 〕 健 康 に 及 ぼ す 食 事 の 影 響 に つ い て は 量 と質 の 両 面 か ら 重 要 視 さ れ 、 過 剰 の ナ ト リ ウ ム(Na)摂. 取 は 血 圧 を 上 昇 させ る 因 子 の 一 っ と し て 健 康 管 理 上 注 意 が 払 わ れ て い る 。. そ こ で 、 我 々 は 極 抵 出 力 原 子 炉 を 用 い て 食 品 中 のNaと Naか. ら 換 算 し た 食 塩 量 とC1か. 塩 素(C1)の. 同時 測 定 を行 い 、. ら換 算 し た 食 塩 量 を 求 め 、 各 種 食 品 中 の 値 に つ い て 比. 較 検 討 し て い る 。 今 回 は 子 供 が 中 心 に 食 し て い る 、 ま た 、 補 助 食 品 と し て 食 され て い る 焼 き 菓 子 類 の ク ッ キ ー 、 ビ ス ケ ッ トお よ び ス ナ ッ ク 菓 子 中 の 食 塩 量 に つ い て 検 討 し 、 以 下 の 結 果 を得 た 。 1)全. 食 品 と も にNaとC1が. 検 出 され た が 、 そ の 量 は 微 量 で あ っ た 。. 2)こ. れ ま で の 報 告 と 同 様 に 、Na量. か ら 算 定 し た 食 塩 量 の 方 がCl量. か ら算 定 し た 食. 塩 量 よ り も 高 い 値 を 得 る傾 向 が 認 め られ た が 、 そ の 数 値 は 小 さ い も の で あ っ た 。 こ の こ と か ら 食 品 添 加 物(ア. ミ ノ 酸 等)使. 用 が 認 め られ る も の の わ ず か な 量 で あ る こ とが. 推 測 され る。 3)こ. れ ら の 食 品 に お け る 一 日に 摂 取 す る と考 え られ る食 塩 量 は 、 微 量 で あ る。. (2)気. 体 状 放 射 性 同 位 元 素 の 測 定 に 関 す る 研 究(3) 代 表 者:太. 田. 雅 壽(新. 潟 大 学 工 学 部). 〔要 約 〕 本 研 究 で は 、 ト リチ ウ ム の 化 学 形 弁 別 連 続 モ ニ タ リ ン グ の 際 に 誤 差 の 要 因 と な っ た ラ ド ン を利 用 し て 、 原 子 炉 建 屋 内 の 施 設 管 理 に 有 用 な 情 報 が 得 られ る こ と を 期 待 し て ラ ドン 濃 度 の 計 測 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 炉 室 に お け る ラ ドン 濃 度 、 温 度 お よ び 相 対 湿 度 の 測 定 結 果 は 、 い ず れ の 期 間 に お い て も 、 ラ ド ン濃 度 は 低 く 、 そ れ ら の 変 動 は 温 度 お よ び 相 対 湿 度 と の 相 関 性 も認 め られ な か っ た 。 炉 室 は つ ね に 空 調 制 御 され た 外 気 で 換 気 され て い る た め 、 炉 室 の 壁 よ り放 出 さ れ る ラ ド ン 濃 度 よ り も 外 気 中 の ラ ド ン 濃 度 の 影 響 を 受 け た も の と推 定 さ れ る。 他 方 、 α線 計 測 装 置 を 炉 室 か ら 炉 室 に 隣 接 す る 測 定 室 に 移 動 し 、 同 様 な 実 験 を 行 っ た 結 果 、 ラ ド ン 濃 度 は34日. 目 か ら39日. 目の 問 に お い て が 著 し く 増 大 した 。 ま た 、 そ. の 間 に 温 度 は 低 下 し 、 相 対 湿 度 は 増 大 し た 。 さ ら に 、37日. 目に は 短 時 間 にお い て 、. ラ ドン 濃 度 は 減 少 し、 温 度 は 増 大 し、 相 対 湿 度 は 減 少 した 。 こ の ラ ドン 濃 度 の 増 大 は 、 測 定 室 専 用 の 空 調 設 備 を 停 止 し た こ と に 連 動 し て お り 、37日. 目 にお け る諸 特 性 の急. 激 な 変 化 も 空 調 設 備 の 稼 働 お よ び 停 止 に 連 動 し て い た 。 し か し 、 ラ ドン 濃 度 の 増 大 の 原 因 につ い て 、 検 討 を行 った が 、結 論 に は 至 ら な か った 。 39日. 目 に は 空 調 設 備 の 稼 働 に 伴 っ て ラ ドン 濃 度 は 一 旦 バ ッ ク グ ラ ン ドに 低 下 した. が 、 そ の 後 僅 か つ っ で は あ る が 再 び 上 昇 す る傾 向 を 示 し て い る。 こ の 現 象 に つ い て も 来 年 度 も 引 き 続 き 計 測 を 行 う こ と に よ り原 因 究 明 を 試 み る 予 定 で あ る 。. 100一.

(13) Vol.48(2011). (3)古. 近畿大学原子 力研究所年報. 代 エ ジ プ ト遺 物 中 微 量 元 素 の 中 性 子 放 射 化 法 に よ る 分 析 代表者:吉 田. 茂生(東 海 大学 工学部). 〔 要約 〕 本 研 究 は 近 大 炉 の よ う な 低 中 性 子 フ ラ ッ ク ス の 条 件 に お い て 、 古 代 エ ジ プ ト遺 物 (フ ァ イ ア ン ス)や. 砂 等(主 原 料)の 主 元 素 ・微 量 元 素 等 の 構 成 元 素 の 特 定 を 行 い 、 含. 有 元 素 の 分 布 状 態 か ら そ れ ら の 時 代 性 ・地 域 性 の 考 古 学 的 特 徴 を 示 唆 で き る 指 標 を 見 出 す こ と の 可 能 性 に つ い て 検 討 す る こ と を 目 的 と し て い る 。 今 回 分 析 した 砂 サ ン プ ル に お い て 、 大 き く 分 け て 採 取 場 所 の 異 な る2地 漠 地 帯 と の 砂 成 分 に つ い て 、Mn,Na,Alの. 域 と な る ナ イ ル 川 流 域 とそ の 西 方 の 砂. 含 有 率 に地 域 的 存 在 の傾 向 性 を確 認 した 。. 今 後 サ ン プ ル 数 を 増 加 しつ つ 、 そ の 傾 向 の 確 認 を 行 っ て い く。. (4)中. 性 子 お よ び γ線 照 射 に よ る セ リ ウ ム 含 有 ガ ラ ス の 物 性 変化測 定 代表者:米 沢. 晋(福 井 大学大 学院 工学研 究科). 〔 要約 〕 遷 移 金 属 元 素 や 希 土 類 元 素 を 含 有 さ せ た 酸 化 物 セ ラ ミ ッ ク ス や ガ ラ ス 、 フ ッ化 物 お よ び フ ッ化 物 ガ ラ ス は 、 ア ッ プ コ ン バ ー ジ ョ ン 、 非 線 形 光 学 効 果 、 蛍 光 発 光 を は じ め と す る 光 学 特 性 や 、 磁 気 的 性 質 の た め 多 く の 研 究 が 進 ん で い る 。 セ リ ウ ム は3価 4価 の2種. 類 の 価 数 を 取 り 、3価. と. の セ リ ウ ム を 含 有 させ た ガ ラ ス は α 線 、 紫 外 線 を 吸. 収 す る ガ ラ ス も し く は 中 性 子 デ ィ レ ク タ ー と し て 利 用 さ れ る な ど広 く 用 い られ て い る 。 Ce3+イ オ ン は 無 色 、Ce4+イ オ ン は 一 般 に 榿 赤 色 あ る い は 黄 色 で あ る 。2種 の価 数 が混 在 し た ガ ラ ス で は 、 異 な る エ ネ ル ギ ー 準 位 を もつ セ リ ウ ム イ オ ン 同 士 で エ ネ ル ギ ー 遷 移 が 起 き 、 茶 色 を 示 す 。 平 成21年. 度 研 究 に お い て 、 セ リ ウ ム を 含 む 酸 化 フ ッ化 物 ガ. ラ ス の 合 成 と そ の 物 性 と価 数 制 御 の 可 能 性 に つ い て 検 討 し た と こ ろ 、 中 性 子 線 照 射 に よ る 価 数 の 変 化 は ほ と ん ど観 測 で き な か っ た 。 そ こ で 本 年 度 は 、X線. 照 射 に よ る 色 変 化 を 確 認 して い る表 面 フ ッ素 化 二 酸 化 チ タ ン. を 用 い 、 中 性 子 線 照 射 に 伴 う色 変 化 を 確 認 し 、 中 性 子 照 射 後 の 経 過 時 間 と 色 と の 問 に 相 関 性 が あ る こ と を 示 した 。 しか し、 よ り正 確 な 相 関 性 の 検 討 に は よ り顕 著 な 色 変 化 を 誘 導 す る 必 要 が あ り 、 表 面 状 態 解 析 を 含 め た 発 色 ・消 色 機 構 の 解 明 が 必 要 で あ る こ とが わ か った 。. 101.

(14) 付 録1. 生 物 の 放 射 線 影 響 に 関 す る研 究 広 島大学大学院理学研究 科. 研究総括責任者. 准教授 平 成22年. 谷 口研 至. 度 の生 物 の放 射 線 に 関す る研 究 は、 昨 年 度 と同 様 計8件. の課二 題 で 実施. され た 。 生 物 系 の課 題 は次 の とお りで あ る。. 3-1米. 澤 義 彦 ほ か3名. 速 中性子 に よる植 物 の染色 体突然変 異の研 究. 3-2谷. 口研 至 ほ か3名. 速 中性子 による植 物培養細胞 の突然 変異研 究. 3-3吉. 田茂 生 ほ か3名. 低線 量放射 線照射 に よる細胞 損傷 ・修 復機構 と刺激効果 に関す る基礎研究. 3-4高. 井 明徳 ほ か2名. 中性 子線 による魚類細胞 にお け る小核誘発 に関す る研 究. 3-5根. 岸 友 恵 ほ か2名. シ ョウジ ョウバ エ体細胞 の放射線 誘発傷害 にお け る酸化 傷 害 に関す る研 究. 3-6河. 井 一 明 ほか4名. 放 射線被曝 に よる生体過 酸化物質 生成 とその防除. 3-7野. 村 大 成 ほか7名. 核 分裂放射能 に よるマ ウス 、 ヒ トの臓器 ・組織 障害の発 生機 構. 3-8松. 本 義 久 ほか2名. 中性子線 に よるDNA損. これ らの 生 物 系 の研 究 課 題 は 、(1)放. 傷 とその修復 の分子機 構. 射 線 の生 物 作 用 の解 明 、 お よび(2)放. 線 の 生 物 モ ニ ター 系 の 開発 に 大 別 され るが 、 以 下 に平 成22年. 射. 度 の研 究成 果 の概 要 を. 示 す。. (1)放. 射 線 の生 物 作 用 の解 明. 谷 口 ら(研 究 計 画3-2)は. 、今 年 度 か らキ ク属 植 物 は 同質 四倍 数 体 の分 配 機 構 を. 解 明す るた め に、 二 倍 体 キ ク タニ ギ ク に放 射 線 を 照 射 して 突 然 変 異 を誘 導 し、Aa遺 伝 子 型 を作 製 し、 それ を人 為 的 に 四倍 体 化 しAAaa遺 手 始 め と して 実 生 苗 に予 備 的 にX線. 伝 子 型 の 作 製 を 開始 した。 今 回 、. を照 射 し、 突 然 変 異 誘 導 条 件 の検 討 を行 っ た 。. そ の結 果 、 「 斑 入 り」 と 「非 対 称 性 本 葉 第 一 葉 」 の キ メ ラ変 異 が高 頻 度 に 生 じた こ と か ら、 ヘ テ ロ接 合 体 の優 性 遺 伝 子 に 突 然 変 異 を生 じ、劣 性 遺 伝 子 の み の発 現 が 起 こ り、 キ メ ラ を生 じた 可能 性 が示 唆 され た 。 吉 田 ら(研. 究計 画3-3)は. 、低 線 量 照 射 に よ る有 益 な効 果 も しくは刺 激 的 な効 果. を もた らす と した 「 放 射 線 ホル ミシ ス効 果 」 の存 在 が 問 われ て い る。 今 回 、 これ ま で に生 長 促 進 効 果 の 見 られ た 中性 子 照 射 実 験 で の 照射 条件 で 、熱 中性 子 と γ線 混 合 場 で あ る原 子 炉 内 で の 照射 実 験 を行 い 、 高 速 中性 子 照射 と同様 の促 進 効 果 が 見 られ る か ど うか を確 認 した が 、放 射 線 ホル ミシ ス効 果 の指 標 とな る 「 効 果 比 」に は 有意 な差 は見 出 す こ とが で きな か っ た。 しか し、 今 回 の実 験 で 高 速 ・高 エ ネ ル ギ ー 中性 子 等 に よ る し. 102.

(15) Vol48(2011). 近畿大学原子 力研究所 年報. きい値 反応 が そ の効 果 に影 響 して い るの で は な い か とす る仮 説 の 立 証 を高 め る も の と な った 。 根岸 ら(研 究 計 画3-5)は. 、X線. の生 物 影 響 につ い て 、尿 酸 欠 損 株yvma-1が. 、. X線 照 射 に対 して 野 生 株 よ り致 死感 受 性 が 高 い こ とを確 か め 、放 射 線 傷 害 に は尿 酸 に よ り消 去 され る活 性 酸 素 種 の 関与 が示 唆 され た。 そ こで 変 異 検 出 マ ー カ ー を持 つ 尿 酸 欠 損株 を作 成 し、X線. 感 受 性 が親 株yvma-1と. 同等 で あ る こ と を確 認 して い る。 今 年. 度 は変 異 原 性 検 出感 度 に つ い て調 べ た 。 そ の結 果 、 同 線 量 のX線 酸 欠 損株 で は野 生 株 に 比 べ て 約3倍. 照 射 に お い て 、尿. 高 い変 異 が観 察 され 、尿 酸 欠 損 はX線. 傷害 を促 進. す る こ とが 示 され た。 さ らに ミスマ ッチ修 復 欠 損 株 を 用 い た 変異 原 性 試 験 にお い て 、 X線 誘発 変 異 は野 生 株 よ り低 くな る こ とを支 持 す る結 果 を得 、 シ ョ ウジ ョ ウバ エ にお い てX線. 傷 害 は ミスマ ッチ 修 復 の 対 象 とな る傷 害 で あ る こ とが示 唆 され た 。. 河 井 ら(研 究 計 画3-6)は るDNA中. 、 生 体 の酸 化 ス トレス の 指 標 と して 広 く用 い られ て い. の8一 ヒ ドロキ シデ オ キ シ グ ア ノシ ン(8-OH-dG)は. られ て い るELISA法. で は8-OH-dG以. 、 近 年 、 しば しば用 い. 外 の成 分 が 交 叉 反 応 し、 正 しい 値 が 得 られ な い. こ とが 明 らか とな っ て きて い る こ とか ら、精 度 の 高 い 分 析 方 法 の確 立 を試 み た。 本 研 究 で は、 精 度 の 高 い 分 析 法 と してHPLC-ECD法 中8-OH-dGを. を用 い 、 低 線 量X線. 照 射 マ ウス の尿. 測 定 し、 照 射 線 量 依 存 的 で あ る こ とを確 か め た。. 野 村 ら(研 究 計 画3-7)は. 、 ヒ ト臓 器 ・組 織 の 形 態 と機 能 を継 代 維 持 で き る超 重. 度 複 合 免 疫 不 全 マ ウス(super-SCIDマ 射 線 お よび137Csガ た。 中性 子 線 のRBE値. ウス)を. 用 い 、 ヒ ト甲状 腺 組 織 へ の原 子 炉 放. ンマ 線 に よ る形 態 、機 能 お よ び 遺 伝 子 発 現 変 化 へ の影 響 を調 べ は 、機 能 は ∼6.5、 遺 伝 子 発 現 は4.5で. あ っ た。 ヨ ウ素131、. トリチ ウム 水 の 内部 被 ば くに つ い て も取 りま とめ を始 め た。N5雄 放 射 線 の精 原 細 胞 期 照 射 を行 い 、Flマ. 親 マ ウスへ 原 子 炉. ウス の マ イ ク ロ サ テ ライ ト突 然 変 異 が 対 照 群. に比 べ ほ ぼ直 線 的 に 増 加 し、 変 異 は メ ンデ ル 遺 伝 し、 白血 病 も有 意 に増 加 す る こ とを 確 か め た。 宇 宙 実験 にい つ で も対 応 で き る体 制 を整 え た。 松 本 ら(研. 究 計 画3-8)は. 、 中性 子線 のDNA損. 傷 の 特 徴 とそ のDNA修. 復機構. を 明 らか にす る こ とを 目的 に 、近 大原 子 炉 放 射 線 照 射 に よ っ て生 じたDNA損. 傷 の修. 復 につ い て調 べ て きた 。XRCC4の て お り、X線. 調 節 にDNA-PKとATMの. に 比 べ て 修 復 が難 しい か 、 修 復 して も間 違 い を起 こ しや す い こ とが示 唆. され て い る。 本 年 は、 突 然 変 異検 出 系(内 来M10細. 胞)を. 用 い て 、XRCC4遺. 胞 を用 い 、6-thioguanine耐. 在 性 のXRCC4を. 認 め られ 、M10-CMV細. 欠 損 す るマ ウ ス 白血 病 由. 伝 子 あ る い は コ ン トロー一ル ベ ク ター を導 入 した細. 性 を指 標 と してHPRT遺. 然 変 異 を検 出 した 。 そ の 結 果 、M10-XRCC4細 XRCC4遺. 両方 が相 補 的 に 関 わ っ. 伝 子 にお け る原 子 炉 照 射 に よ る突. 胞 で は 照 射 後 に突 然 変 異頻 度 の 上 昇 が. 胞 で は 認 め ら れ な か っ た こ と か ら、 突 然 変 異 の 上 昇 は. 伝 子 が 関 与 す るNHEJに. よ るDNA二. こ とが示 唆 され た。. 103. 重 鎖 切 断 修 復 の誤 りに よ っ て生 じる.

(16) 付 録1. (2)放. 射 線 の 生 物 モ ニ ター 系 の 開発. 米 澤 ら(研 究 計 画3-1)は. 、 これ ま で染 色 体 突 然 変 異 又 は遺 伝 子 突 然 変 異 を可 視. 的 に測 定 す るた めの研 究 を行 っ て き た。 本 年 度 は単 子 葉 植 物 の ツユ クサ 科 ヌ マ ム ラ サ キ ツユ クサ の挿 し穂 に,原. 子 炉 放 射 線 を照射 して,そ. つ い て調 べ た。 そ の結 果,原 認 め られ た が,こ. 子 炉 放 射 線 照射 線 量 の増 加 に 対応 して 、生 存 率 の低 下 が. れ が 有 意 で あ るか に つ い て は検 討 が 必 要 で あ る。 しか し,草 丈 に っ. い て は,1.2Gy以. 上 の 照 射 に よっ て,ヌ. マ ム ラサ キ ツ ユ クサ にお い て は,放. よる影 響 が現 れ る と推 察 され た。 ま た,0.4Gy照 にお い て 開花 が 観 察 され た が,花 高井 ら(研. 究 計 画3-4)は. にす るた め に 、X線 した。X線. の生 存 率 及 び 花 器 の形 態 異 常 に. 射 群 で は生 存 した27個. 射線 に. 体 中10個. 体. 器 異 常 は認 め られ な か った 。. 、 メ ダカ の 腎臓 細 胞 の 小 核 出現 に対 す る特性 を明 らか. の全 身 照射 を行 った 個 体 に つ い て 、 線 量 及 び 時 間依 存 特性 を分 析. 照射 後 の経 過 時 間 と誘 発 され た 小 核 頻 度 の 関係 は線 量 に 関 わ らず24時. 間. に ピー ク を もっ 二相 性 を示 し、 小 核 の頻 度 と線 量 の 関 係 は直 線 的 で あ る こ とを確 か め た。. 104.

(17) 近畿大学原子力研究所年報. Vo1.48(2011). (1)速. 中 性 子 に よ る植 物 の 染 色 体 突 然 変 異 の 研 究 代表者:米 澤. 義彦(鳴 門教育大学大学院学校教育研究科). 〔 要約〕. 平 成22年. 度 は,前. 年 度 に 引 き 続 い て,染. 色 体 突 然 変 異 又 は遺 伝 子 突 然 変 異 を可 視 的 に測. 定 す るた め の研 究 が行 われ た。 単 子 葉 植 物 の ツ ユ ク サ 科 ヌ マ ム ラ サ キ ツ ユ ク サ7掬 炉 放 射 線(0.4∼2.OGy)を. 照 射 し て,4ヶ. ゴθ30∂ 舵 ノ∂ ρ∂んdo5∂ の 挿 し穂 に,原. 月後 に その生存 率及 び花器 の形態 異常 につい て. 調 べ た 。 そ の 結 果,照. 射 線 量 の 増 加 に 対 応 し て 補 正 生 存 率(照. 率 で 補 正 し た も の)の. 低 下 が 認 め られ た が,こ. る 。 し か し,今. 年 度 新 た に 測 定 し た 草 丈(植. サ キ ツ ユ ク サ に お い て は,放 は 生 存 し た27個. 体 中10個. 射 群 の 生 存 率 を 対 照 群 の生 存. れ が 有 意 で あ る か につ い て は検 討 が 必 要 で あ. 物 体 の 高 さ)に. 照 群 と ほ と ん ど差 が 認 め られ な か っ た が,1.2及 意 に 成 長 が 遅 れ て い た 。 し た が っ て,原. 子. つ い て は,0.4Gy照. び2。OGy照. 子 炉 放 射 線1.2Gy以. 射 群 で は,対. 照 群 に 比 べ て,有. 上 の 照 射 に よ っ て,ヌ. 射 線 に よ る影 響 が 現 れ る と推 察 され る 。 ま た,0.4Gy照. 体 に お い て 開 花 が 観 察 さ れ た が,花. 射 群では対. マムラ 射群 で. 器 異 常 が 認 め られ た 個 体 は 確. 認 で きな か っ た。. (2)速. 中 性 子 に よ る植 物 培 養 細 胞 の 突 然 変 異 研 究 代表者:谷 口 研至(広 島大学大学院理学研究科). 〔 要約〕 キ ク属植物 は 同質倍数 体の ゲ ノム分化 を明 らか に してい く上で重要 なモデル とな る可能性 を もってい る。 そのため に、我 々は まず 二倍 体 レベ ルで キ クタニギ クを用 いたモデル 実験植 物 の作製 を進 めてい る。 しか し現在 まで、分子 レベ ルで の種 間 のゲ ノム比較 や遺伝 学的研 究 につ い ては ほ とん どな され て お らず 、連 鎖群 も全 く作成 され て い ない。 そ こで形 態 お よび DNAレ ベル で交配 に よる新規 形質 の分離 を収集 して いる。 特 に、播 種後数 週間 以内 に解析 で きる形 質 につ いて も多 くの変異 が分離 して い る。 実 際には劣性 条件 で発 現せず ヘテ ロ接 合体 として存在 してい る変異 は さらに多 くある と考 え られ る。以 上の点 か ら、ヘ テ ロ接合 体へ の 放射線 照射 に よ り、1ポ イ ン トの突 然変異 を起 こ し、キ メラ状態 で劣性 形質 を発現 させ、 こ のキ メラ突然 変異体 の子 孫 を とるこ とに よ り、劣 性 ホモ の変 異個体 を分離 で きるので はない か と考 えた。 そ こで 、その手始 め と して野生種 子(痩 果)よ. り選抜 され た劣性 変 異形質(ア. ル ビノ と第 一本葉 の針 状葉)の 子孫分離解析 を行 い、 さらに予備 的 に突然変,異誘 導条件 の検 討 を行 った。. 105.

(18) 付 録1. こ の 予 備 的 な 実 験 を 通 し て 、 三 っ の 重 要 な 結 果 が 得 られ た 。 1キ. ク 属 植 物 は 自家 不 和 合 性 の 高 い 植 物 で あ る が 、 キ ク タ ニ ギ ク のAEV2の. 系統 に お い て. 自殖 系 統 が 得 ら れ た 。 今 後 の キ ク 研 究 の 重 要 な 系 統 と な る も の で あ る 。 2「. アル ビノ 」 と 「 針 状 本 葉 第 一 葉 」 の2形. 質 が そ れ ぞ れ 核 ゲ ノ ム 上 の1遺. 伝 子 座 の劣 性. 形 質 で あ る こ とが 確 か め られ た 。 3X線. 照 射 に よ り 「斑 入 り」 と 「非 対 称 性 本 葉 第 一 葉 」 の キ メ ラ 変 異 が 高 頻 度 に 生 じ た こ と か ら 、 ヘ テ ロ接 合 体 の 優 性 遺 伝 子 に 突 然 変 異 を 生 じ 、 劣 性 遺 伝 子 の み の 発 現 が 起 こ り 、 キ メ ラ を 生 じ た 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 次 に 、 今 回 得 ら れ た キ メ ラ 変 異 体 の 子 孫 か ら劣 性 ホ モ個 体 を得 る こ とが で きか ど うか を確 か め る必 要 が あ る。. (3)低. 線 量 放 射 線 照 射 に よ る 細 胞 損 傷 ・修 復 機 構 と刺 激 効 果 に 関 す る基 礎 研 究 代表者:吉 田 茂生(東 海大学工学部). 〔 要約〕 低 線 量 照 射 に よ る 有 益 な 効 果 も し く は 刺 激 的 な 効 果 を も た らす と した. 「 放 射 線 ホル ミシ ス. 効 果 」 の 存 在 が 問 わ れ 、 数 多 く の 実 証 研 究 、 発 現 メ カ ニ ズ ム の 解 明 に 関 す る研 究 が 行 わ れ て い る が 、 再 現 性 等 に て 充 分 な 結 果 を示 す こ と が で き て い な い 。 今 回 、 こ れ ま で に 生 長 促 進 効 果 の 見 られ た14MeV中 実 験(熱. 性 子 照 射 実 験 で の 照 射 条 件(線. 中 性 子 ・ γ線 混 合 場)を. 量 ・線 量 率)に. て、原子炉内での照射. 行 い 、 高 速 中 性 子 照 射 と 同 様 の 促 進 効 果 が 見 られ る か ど う. か を 確 認 した 。 残 念 な が ら、 放 射 線 ホ ル ミ シ ス 効 果 の 指 標 と な る 「 効 果 比 」に は 有 意 な 差 は 見 出 す こ とが で き な か っ た 。 し か し な が ら 、 こ れ に よ っ て 高 速 ・高 エ ネ ル ギ ー 中 性 子 等 に よ る し き い 値 反 応 が そ の 効 果 に 影 響 し て い る の で は な い か とす る 仮 説 の 立 証 を 高 め る も の と な っ た。. (4)中. 性 子 線 に よ る魚 類 細 胞 に お け る 小 核 誘 発 に 関 す る 研 究 代表者:高 井. 明徳(大 阪 信 愛 女 学 院 短 期 大 学). 〔 要約〕 本 研 究 は 、 さ ら に 腎 臓 細 胞 の 小 核 出 現 に 対 す る特 性 を 明 ら か に す る た め に 、 X線. の 全 身 照 射 を 行 っ た 個 体 に つ い て 、 線 量 及 び 時 間 依 存 特 性 を 分 析 し た 。X. 線 照 射 後 の 経 過 時 間 と 誘 発 さ れ た 小 核 頻 度 の 関 係 は 線 量 に 関 わ ら ず24hに ピ ー ク が あ る 二 相 性 で あ っ た 。 線 量 と誘 発 さ れ た 小 核 頻 度 の 関 係 は 直 線 的 で 、 MNCsの. 頻 度(F)と. 線 量(〃)の. 関 係 は 次 の 式 で 示 さ れ た 。 鳶0.2+0.78〃(0.2は. 対 照 群 の 小 核 出 現 頻 度(%。)). 106.

(19) Vol.48(2011). (5)シ. 近畿大学原子 力研 究所 年報. ョ ウ ジ ョ ウバ エ 体 細 胞 の 放 射 線 誘 発 傷 害 に お け る 酸 化 傷 害 に 関 す る研 究 代表者:根 岸. 友恵(岡 山大学大学院医歯薬学総合研究科). 〔 要約〕 X線 の生物影響 につい ての昨年度 まで の実験 にお いて、尿酸 欠損 株7u加. ∂一ノが 、X線 照. 射 に対 して野生株 よ り致死感 受性 が高 い ことが確 かめ られ 、放 射線傷 害には尿酸 に よ り消去 され る活性酸 素種 の関与 が示 唆 され た。 昨年度 は変 異検 出マ ー カー を持 つ尿酸欠損株 を作成 し、そのX線 感 受性 が親株7γ%-1と. 同等で ある ことを確認 した ので、今年度 は変 異原性. 検 出感度 につい て調べ た。 その結果 、同線 量のX線. 照射 において 、尿酸欠損株 では野生株 に. 比 べて約3倍 高 い変異 が観 察 された。 したが って、尿酸欠損 はX線 傷 害 を促進す るこ とが示 された。 さ らに昨年度 得 られ た ミスマ ッチ修復欠 損株 を用 い た変異 原性試験 におい て、X線 誘発 変異は野生株 よ り低 くな るこ と結果 を支持 す る結果 を得 、シ ョウジ ョウバエにお いてX 線 傷害は ミスマ ッチ修 復の対象 とな る傷害で ある ことが示 唆 され た。. (6)放. 射 線 被 曝 に よ る 生 体 過 酸 化 物 質 生 成 とそ の 防 除 代 表 者:河. 井. 一 明(産. 業 医 科 大 学 産 業 生 態 科 学 研 究 所). 〔要 約 〕 DNA中8一. ヒ ドロ キ シ デ オ キ シ グ ア ノ シ ン(8-OH-dG)は. 、 生 体 の 酸 化 ス ト レス の 指 標 と し て. 広 く用 い られ て い る 。 し か し、 不 正 確 な 測 定 結 果 を も た ら す 測 定 法 が 混 在 す る こ と に よ っ て 、 結 果 の 判 断 ・評 価 を 複 雑 に し て い る 。 近 年 、 し ば し ば 用 い ら れ て い るELISA法 い て 、 目 的 の8-OH-dG以. にお. 外 の 成 分 が 交 叉 反 応 し 、 正 し い 値 が 得 られ な い こ と が 明 ら か と. な っ て き た 。 酸 化 ス ト レ ス は 、 放 射 線 被 曝 影 響 の 一 つ と し て 重 視 さ れ て お り、 精 度 の 高 い 分 析 方 法 の 確 立 が 被 曝 影 響 の 評 価 ・応 用 に 不 可 欠 と い え る 。 本 研 究 で は 、 精 度 の 高 い 分 析 法 と し てHPLC-ECD法. を 用 い 、 低 線 量X線. 照 射 マ ウ ス の 尿 中8-OH-dGを. した。. 107. 、 照射 線 量依 存 的 に検 出.

(20) 付 録1. (7)核. 分 裂 放 射 能 に よ る マ ウ ス 、 ヒ トの 臓 器 ・組 織 障 害 の 発 生 機 構 代表者:野 村. 大成(大 阪大学大学院医学系研究科、医薬基盤研究所). 〔 要約〕 ヒ ト臓 器 ・組 織 の 形 態 と機 能 を 数 年 に わ た る 継 代 維 持 を 可 能 に した 超 重 度 複 合 免 疫 不 全 マ ウ ス(super-SCIDマ. ウ ス)を. 用 い 、 ヒ ト甲 状 腺 組 織 へ の 原 子 炉 放 射 線 お よ び137Csガ ン マ 線. に よ る 形 態 、 機 能 お よ び 遺 伝 子 発 現 変 化 へ の 影 響 を ま と め た 。 中 性 子 線 のRBE値 ∼6 .5、 遺 伝 子 発 現 は4.5で. あ っ た 。 ヨ ウ素131、. は、 機 能 は. ト リチ ウ ム 水 の 内 部 被 ば くに つ い て も 取 り. ま とめ を始 め た。 N5雄 親 マ ウ ス へ の 原 子 炉 放 射 線(中. 性 子0.2Gy+γ. 線0.2Gy/時. 間)、0. .2、0.4、0.8、1.2. Gy精 原 細 胞 期 照 射 に よ り、F1マ ウ ス の マ イ ク ロ サ テ ラ イ ト突 然 変 異 が 対 照 群 に 比 べ ほ ぼ 直 線 的 に 増 加 し、 突 然 変 異 率 は 、3.3x1σ2/Gyで のRBEは. 約16に. あ り、6°Coガ ン マ 線 と比 較 し 、 原 子 炉 中 性 子 線. な っ た 。 変 異 は メ ン デ ル 遺 伝 し 、 白血 病 も 有 意 に 増 加 し た 。 遺 伝 子 発 現 の. 異 常 も 子 孫 マ ウ ス に 見 られ た 。 い ず れ の 課 題 で も 、 宇 宙 実 験 に い つ で も対 応 で き る 体 制 を整 え た 。 (文 科 省 基 盤 研 究A、 厚 労 省 科 研 費 、 基 盤 研 野 村 プ ロ ジ ェ ク トに よ る 。). (8)中. 性 子 線 に よ るDNA損 代表者:松 本. 傷 とそ の 修 復 の 分 子 機 構. 義久(東 京工業大学原子炉工学研究所). 〔 要約〕 本 研 究 の 目的 は 、 中 性 子 線 のDNA損. 傷 の 特 徴 とそ のDNA修. る。 これ ま で の 結 果 か ら 、 近 大 原 子 炉 照 射 場 で 生 じたDNA損 にDNA-PKとATMの. 復 機構 を明 らか にす る こ とで あ 傷 の 修 復 に お け るXRCC4の. 両 方 が 相 補 的 に 関 わ っ て い る こ と 、 更 に 、 原 子 炉 で で き たDNA損. 線 で で き た も の に 比 べ てDNA-PK、ATM、XRCC4の. 調節 傷 はX. 連 携 に よ る 修 復 が 難 しい 、 あ る い は 修 復 し. て も 間 違 い を 起 こ しや す い こ と が 示 唆 さ れ た 。 本 年 は 、 突 然 変 異 検 出 系 を 用 い て 、 こ の 可 能 性 に つ い て 検 討 し た 。 方 法 と し て 、 内 在 性 のXRCC4を XRCC4遺. 欠 損 す る マ ウ ス 白 血 病 由 来M10細. 伝 子 あ る い は コ ン トロ ー ル ベ ク タ ー を 導 入 し た 細 胞(M10-XRCC4お. を 用 い 、6-thioguanine耐 果 、M10-XRCC4細. 性 を 指 標 と してHPRT遺. よ びM10-CMV)細. 胞 で は 照 射 後 に 突 然 変 異 頻 度 の 上 昇 が 認 め られ た が 、M10-CMV細. よ るDNA二. 重 鎖 切 断 修 復 の 誤 りに よ っ て 生 じ る こ と が 示 唆 され た 。. 108. 胞. 伝 子 に お け る 突 然 変 異 を検 出 した 。 そ の 結. め られ な か っ た 。 こ の 結 果 か ら 、 原 子 炉 照 射 に よ る 突 然 変 異 の 上 昇 はXRCC4遺 るNHEJに. 胞 に、. 胞 で は認. 伝 子 が 関 与す.

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