鹿児島県中学校家庭科教員の調理実習における食物アレルギーへの対応について
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(2) Bulletin of the Educational Research and Development, Faculty of Education, Kagoshima University 2016, Vol.25, 77-85. 論 文. 鹿児島県中学校家庭科教員の調理実習における食物アレルギー への対応について 田 島 真理子[鹿児島大学教育学系(家政教育)] 武 田 由利恵[鹿 児 島 県 立 牧 之 原 養 護 学 校 ] The efforts and the methods on how to deal with food allergy in classes of cooking practice by junior high school teachers in Kagoshima TAJIMA Mariko・TAKEDA Yurie. キーワード:食物アレルギー、中学校技術・家庭科、家庭科教員、調理実習. 1. 緒言. いが、食品の安全という中に含まれていると読み. アレルギーによって引き起こされる疾患の 1 つ. 取れるとしている。. に食物アレルギーがある。食物アレルギーは子ど. 一方、小学校教員の食物アレルギーに対する認. ものときに多く、近年増加しているといわれる。. 識・対応について井奥ら 5)は、一般教員の 51.2%. 2009 年 3 月のアレルギー疾患に関する調査研究委 員会の報告書(2004 年 5 月実施)1)によると、児 童生徒全体の食物アレルギー疾患有病率は 2.6% で小学生では 2.8%、中学生では 2.6%である。公. が学校におけるアレルギー管理について知ってい るとしており、決して高いとは言い切れないため、 食物アレルギーについて再認識すべきではないか と述べている。. 益財団法人日本学校保健会により 2013 年に実施. 家庭科においては調理実習は、食生活の自立に. された学校生活における健康管理に関する調査の. 向けて基礎的・基本的な調理技術を身に付けると. 中間報告(対象:全国公立小学校・中学校・高等. ともに安全と衛生についての適切な管理について. 2). 学校・中等教育学校) によると、食物アレルギー. 学ぶ重要な学習の場であると同時に、食品の摂取・. 疾患の有症者の割合は児童生徒の 4.5%、小学校. 接触の場であるため、食物アレルギーをもつ子ど. 4.5%、中学校・中等学校 4.8%となっている。子. もへの対応は重要である。そこで、本研究では、. どもたちが多くの時間を過ごす学校における食物. 中学校家庭科担当教員の調理実習時の食物アレル. アレルギーに関わる安全管理の在り方は子どもの. ギーをもつ子どもへの対応についてアンケート調. 健康安全に大きくかかわってくるため、日本学校. 査を行い、具体的対応の実際とともに今後の課題. 保健会により「学校のアレルギー疾患に対する取. を把握することを目的とした。. 3). り組みガイドライン(2008)」 が出され、そこで は食物アレルギーについても学校での取り組みの. 2. 調査対象および調査方法. 在り方が述べられており、その中には学校生活管. ⑴ 調査対象および調査時期. 理指導票(アレルギー疾患用)も示されている。. 2012 年 11 月、中学校技術・家庭科(家庭分野). 学校活動の中には給食や、食物・食材を扱う授. における調理実習時の食物アレルギーへの対応に. 業・活動、食事を伴う学校行事など食物を摂取し. ついて調査するため,家庭科担当教員を対象とし. たり接触したりする活動が多くあるが、家庭科は. て、アンケートを鹿児島県内の全公立中学校 241. 食物・食材を扱う教科であると同時に食生活の安 全や衛生について学習する教科でもある。栗田ら. 4). 校に郵送した(自記式)。アンケートは 78 校から 回答があり、回収率 32.4%であった。. は小学校学習指導要領家庭編および中学校学習指. ⑵ 調査内容. 導要領技術・家庭科編における食物アレルギーの. 調査内容は、中学校技術・家庭科(家庭分野). 取扱いに関して、アレルギーについての記載はな. の調理実習にあたっての食物アレルギーの把握方. − 77 −.
(3) 鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 第25巻(2016) 表 1 アンケートによる調査項目 t#%yZj. と半数弱であり、また、大学等で家庭科あるいは 食物・栄養学系の食物を専門的に学修した者の割. AJ. 合は、約 20%と低かった(表 2 記載外)。勤務形. J,i$;{N B^(^(^-{N7o. 態としては、専任教員が約 70%と高く、一部期限. '<[?DmS6+w2Hd` 0/FK. 付き、非常勤講師により授業がなされていること. ?DmOE_n. がわかった。家庭科担当歴は 5 年未満の比較的経. c"!%MR<r fGc"!%YbkxUa . 験の浅い教員割合が 40%で、5 〜 10 年未満のあ. ye>r.c"!%Ybkx c"!% <r])v= . る程度経験を重ねている教員割合、10 年以上の経. "!%5*gd` @Ip. 験の長い者の割合が、それぞれ約 23%、33%とお. tlq/tlQ:"!%5
(4) | *gC 45 @Ip. およそ 3 分割される状況であった。家庭科の授業. c"!%@I . 担当時間数は、中学校技術・家庭の授業時数が第 1、. c"!%Y fGye>rP\pYb &upY 83@IUa (X". *g>~. }1". *g>~. 第 2、第 3 学年でそれぞれ、70、70、35 時間となっ ており、また、鹿児島県は、小規模校を多く抱え. >r2LTe9W>~. るため、週当たり 1 〜 4 時間が 55% を占めていた. "!%@IV shuzn. 法・状況や特定原材料等のアレルギー食品の利用. (表 2 記載外) 。. 状況、食物アレルギーへの対応経験や対応方法等 についてである。各質問項目を表 1 に示す。. ⑵ 生徒の食物アレルギーの確認と食物アレル ギーについての学習状況について. 3. 結果および考察 ⑴ 調査対象者の概要. 生徒の食物アレルギーの有無について確認して. 表 2 に調査対象者の概要を示す。アンケート回. いるかどうか、その調査主体を含めて尋ねた結果. た。年齢の分布は、20 代から 60 代まで幅広く分. どうかを尋ねた結果を表 4 に示す。. 答者はほとんど女性であり 2 人男性が含まれてい. を表 3 に、また、調理実習前に確認をしているか. 布していたが、70%近くは 30 代から 40 代の教員. 一般に小中学校においては、給食の実施に伴い. であった。家庭科の免許を有している割合は 44%. 学校全体で食物アレルギーについて調査がなされ. >A5&B<6? -
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(15) 田島・武田:鹿児島県中学校家庭科教員の調理実習における食物アレルギーへの対応について が 10%であったが、その他の中には、アレルギー. 30(6.5+/5+!. * "#7. %,. . . %,&'1)$. . . %,26. . . 26.
(16). . 5+. . . . . 4. を持つ生徒がいないため確認していないという場 合を含むが、本人に直接聞く、口頭で確認する、 魚・肉・卵について聞くなど、学校での調査結果 は確認しないものの授業の実施に当たって何らか の方法で確認をとろうとしていることがうかがえ た。また、中には、調査結果を事前に確認した上 で、さらに調理実習時にも口頭でさりげなく聞く と回答した者もあった。調理実習における食物ア レルギーにかかる安全性確保の意識が高い一方. 表+ .(!*"%/' 4 調理実習授業前の食物アレルギーの )- 確認について )-$&. #. . で、確認していないという回答が1割みられるこ とは、実習の安全性の観点から懸念される。野田. 0.
(17). . ら 6)は学校教育の大きな課題の一つである食物ア. )-.
(18) . レルギーの深刻な事実に対応できる人材育成の体. .
(19) . 制づくりが急務であると述べているが、教員養成. . . において食物アレルギーについての学習機会の確. )-. ,. 保も必要であろう。 ているが、本調査結果においても、調査主体が学. 次に食物領域の学習において食物アレルギーに. 校と回答した教員が約 77%と高い割合であり、次. ついて学習する機会を設定しているか否かについ. いで給食センター主体の調査が 10%であったが、. て尋ねた。結果を表 5 に示す。学習機会を設けて. その他学校の調査に加えて家庭科担当教員も調査. いるとする者の割合は半数弱であった。文部科学. をしているとの回答も 5%あった。中学校技術・. 省中学校学習指導要領解説技術・家庭編の家庭分. 家庭科の家庭分野は、その独自性として食品を調. 野「B 食生活と自立」には、食物アレルギーに. 理・喫食する機会をもつため、家庭科教員主体に. ついて直接的な記述は見られないが、教科書にお. も確認を行っているということが推測できる。一. いては、開隆堂、東京書籍、教育図書のいずれに. 方で、調査していないとする回答も 5%見られた. おいても、食物 ( 食品)アレルギーという言葉が. が、学校によるアレルギーの調査について把握さ. 含まれる記述が見られる 7)~9)。その記載は、加工. れていないことによるものではないかと考える. 食品の表示、食品の選択と購入、食品の安全と情. が、その理由は明らかではない。. 報などの学習内容の中で取り上げられている。食. 調理実習の実施前における生徒の食物アレル. 物分野のうち食物アレルギーと関連すると思われ. ギーの有無の確認について学校の調査結果等を確. る学習内容を分類して提示し、いずれの授業場面. 認するか尋ねたところ、約 8 割が確認していた。. で食物アレルギーについて、学習するかについて. 確認していないと回答した者は約 10%で、その他. 質問したところ、食品・加工食品の表示等の中で. C G=! #1B>; 表 5 食物アレルギーについての学習状況 1B:&
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(24) 鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 第25巻(2016) 学習するとした回答が 6 割を占めた。食品表示の. が分かるように表示が薦められている。これらの. 学習の中で卵やそばなどアレルギー表示の義務の. 特定原材料(以下、表示義務食品と記す)および. ある食品についても、学習されていることがわか. 特定原材料に準ずる食品(以下、表示推奨食品と. る。その他、食の安全・情報の中で学習されてい. 記す)についてどの程度授業で使用するか、よく. るケースが多かった。なお、学習時間について. 使用するから全く使用しないまで 4 段階、そして. は、10 分未満から 50 分の範囲で回答があったが、 約半数は 20 分以内であった。制約のある授業時. 覚えていないを加えて 5 つの選択肢で、使用頻度 を尋ねた。ただし、表示推奨食品については、調. 間数の中で、食の安全性・情報と結びつけて学習. 理実習時の使用の頻度を考慮して 15 品目につい. の工夫がなされていることがわかるが、一方で約. て調査した。それぞれのアレルギー食品について、. 半数は、食物アレルギーについて学習がされてお. よく使用するを 3 点、時々使用するを 2 点、ほと. らず、重篤な症状を呈する場合もある食物アレル. んど使用しないを 1 点、全く使用しないを 0 点と. ギーについて触れておくことは、アレルギー患者. して、回答者から覚えていないとした者を除いた. 数が増加してきている中、極めて重要であると考. 人数で除し、使用頻度を点数化した。その結果、. える。. 表示義務食品については、卵 2.48、乳 2.26、小麦 2.20、そば 0.31、落花生 0.43、えび 0.52、かに 0.26. ⑶ アレルギーの原因となる食品の調理実習にお. であった。推奨表示食品では、使用頻度が 2.0 を 上回る食品は、豚肉 2.29 のみであった。表示義. ける使用頻度と各食品への対応経験 アレルギーの原因となることが知られている食. 務 7 食品と豚肉について、図 1 に使用頻度の状況. 品のうちえび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花. を示す。これより、調理実習での使用頻度の高い. 生の 7 品目は、特定原材料として患者数の多さや. 食品は、卵、乳、豚肉、小麦の 4 品目であった。. 症状の重さから、原材料として使った場合だけで. これらの食品のうち、卵と乳 ( 牛乳)は栄養価の. なく、原材料を作るときに使った場合も、使われ. 優れた食品であり、小・中学校を通じて学習する. ていることがわかるように表示が義務付けられて. 食品である。また、魚や肉は日常食の調理におい. いる。また、あわびやいか、豚肉など 20 品目も、. て安全と衛生に留意して、調理の目的にあった加. 特定原材料に準ずるものとして使われていること. 熱方法やたんぱく質の変性・凝固等について学習. − 80 −.
(25) 田島・武田:鹿児島県中学校家庭科教員の調理実習における食物アレルギーへの対応について. することが求められている食品であるが、その代 表的食品として豚肉が用いられていることがわか. ⑷ 食物アレルギーへの対応経験と対応方法. る。さらに小麦については、小麦粉が中学校調理. 食物アレルギーをもつ生徒への対応経験の有無. 教材として様々な調理に用いられている。アレル. について尋ねた結果を表 6 に示す。回答者全体. ギー食品のうち、そば、落花生、えび、かには授. の 25%程度がある程度以上の対応経験を有して. 業でほとんど、あるいは全く使用されていないこ. おり、また、経験はあるが少ないとした者も同程. とがわかった。. 度あった。この結果は約半数の教員が食物アレル. 上述の 8 食品に関して食物アレルギーをもつ生. ギーへの対応を行ったことがあることを示してい. 徒の調理実習時の対応経験について経験が豊富で. る。そこで、調理実習を行うにあたってどのよう. あるから全く経験がないまでの 4 段階に覚えてい. に対応を行ったか、5 つの選択肢により質問した。. ないを加えて、経験の状況について尋ねた結果を. 選択肢は、実習で取り扱う調理品目(以下、料理. 図 2 に示す。ここでは、卵と乳について、ある程. と記す)にアレルギーを発症する食品を含む場合、. 度経験があると回答したものが 3 割近くあった。. その食品を他の食品でおきかえる代替レシピでの. その他は、落花生を除いて経験はあるが少ないと. 対応、次にアレルギー食品のみをその料理から除. しており、落花生については全く経験がないとす. 去する除去レシピでの対応、その他、該当食品を. るものがほとんどであったが、これは調理実習で. 摂取あるいは接触しないよう指示をするというも. の使用頻度が低いことも一因であると思われる。 即時型アレルギーに関するものではあるが、平成 23 年即時型食物アレルギー全国モニタリング調査. 4 60%3,8/ 表6 調理実習時における食物アレルギー に対する対応経験について !''*29. においては、その原因食物の上位は鶏卵、牛乳、. 29-.. #$:.
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(28). に次いでえび、かにへの対応経験割合が高く、一. 29. . . 致が見られた。. 5.
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(30). . 小麦であり、7 〜 17 歳の群では甲殻類、魚類、果 物、木の実が増えてくると述べられている 10)。本 調査における対応経験においても、三大原因食物. − 81 −. 297&. "+.
(31) 鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 第25巻(2016) の、実習の料理項目そのものを変更するもの、そ. ケースが多いことがわかる。表 8 は食物アレルギー. の他である。結果を表 7 に示す。代替レシピでの. をもつ生徒がいた授業において代替レシピを採用. 対応が最も多く約 35%、除去レシピが約 24%で、. したと回答したケースについて具体的なアレル. 両者で 6 割を占めていた。代替レシピの割合が最. ギー食品とそれの代替として使用した食品につい. も多いことから、指導内容を踏まえるためには、. て記述されたレシピを示しているが、原因となっ. 単に該当食品を除去するだけでは対応できない. ている食品はやはり卵や乳・乳製品、マヨネーズ. =
(32) @:-<B9"!$. などそれらを含む食品が多いが、その他えび、キ. ./58. ウイ、やまいもなどの表示義務食品や表示推奨食 品、その他の食品と幅広い。また、その代替食品 (+C. ./58. %3. '7". .
(33). A)".
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(36) . . & ?. としては、牛乳では豆乳が使われているケースが 比較的に多く見られるが、料理により野菜ジュー スを使用したケース、あるいはキウイフルーツの 代わりにリンゴやバナナを使用したケースも見ら れ、指導にあたる教員の工夫をみることができる。 アレルギー対応として次に多かった除去レシピ では、表 9 に見られるように、原因食品として. 表 8 授業において使用された代替レシピ. − 82 −.
(37) 田島・武田:鹿児島県中学校家庭科教員の調理実習における食物アレルギーへの対応について 表 9 授業において使用された除去レシピ例 YIN BT \E;$1C. n]b V`_gM. LSF. \E^G. V`O_gS. V`[_gS. HP. . . $$4:J. $$+F82. 2:?*#9'. . .
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(46) 鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 第25巻(2016). ^aTE[
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(50) . $N4/SUJW`. 考えられる。しかし一方では、これらの対応の必. の調達から実習費の検討、実習室の管理と、様々. 要をクラスで共有することで食の安全に対する学. な付随した仕事をもつ家庭科教員にとって一人ひ. 習を深めることにもつながるといえる。. とりの生徒への対応が必要な食物アレルギーにつ. 調理実習において食物アレルギーに対応する上. いて、その対応方法を家庭科教員間で共有してお. で授業において困難を感じたり、対応が難しいと. くことは重要であろうと考える。授業で取り上げ. 感じたケースについて自由記述により回答された. られる実習レシピの中にあるアレルギー原材料の. 例を表 12 に示す。事前のアレルギー調査時に申. 把握や代替レシピの蓄積等は今後の重要な課題で. 告しておらず、実習時間において伝えられて対応. あると考える。. を迫られるケースや、アレルギーを他に知られた くないとする生徒への対応、また指導内容そのも. 4. まとめ. のに関わる食品にアレルギーを持つケース、アレ. 食物アレルギーをもつ生徒への調理実習に際し. ルギーの程度(どの程度食することができるかな. ての家庭科教員のアレルギー把握と対応および課. ど)に関わる問題、アレルギーへの対応をとるこ. 題について明らかにすることを目的に質問紙によ. とによっておいしくないといわれるなど、様々な. る調査を実施した。調査は、2012 年 11 月鹿児島. 課題が含まれていた。また、代替等による実習費. 県内の全 241 校に配布し 78 校から回答があり回. の増加という問題も指摘されていた。. 収率は 32.4%であった。. 更に、調理実習のレシピについてアレルギー食. 生徒の食物アレルギーの確認は、学校・給食セ. 品に対応した代替レシピの必要性については、表. ンターを中心に約 95%が実施しているとし、学. 13 に見られるように全回答者の 77%がとてもあ るいはある程度必要であるとしており、特に家庭. 校に加えて家庭科教員も実施しているとの回答が 5%あったが、授業前にそのアレルギー調査結果. 科免許を有しない教員では、82%が代替レシピを. について確認していると回答したものは 8 割であ. 必要であると回答していた。授業に加えて原材料. り、安全性の観点から、すべてにおいて実施され. ;#('$)*5(%&3<4 表 13 アレルギー代替レシピの必要性について. ることが望まれる。食物アレルギーの学習につい. 3<1. 02:,>+697. ては、44%が学習機会を設定しており、学習時間. ,>6! ./? ,>8 ./?. は 20 分以内が約半数を占めており、アレルギー. 3<". . . 3<". .
(51) . . . . . アレルギーの原因となる食品の使用頻度は、表. . . 示義務食品では卵、乳、小麦が、表示推奨食品で. . . . . !3< -3< =. の学習の多くは食品・加工食品の表示や食の安全・ 情報の中でなされていた。. − 84 −.
(52) 田島・武田:鹿児島県中学校家庭科教員の調理実習における食物アレルギーへの対応について は豚肉が高かった。食物アレルギーをもつ生徒の. 校における食物アレルギー教育の在り方−全て. 調理実習時の対応経験については、卵、乳につい. の子どもと共に学ぶことのできる調理実習を目. て 5 割以上が経験があると回答しており、次いで. 指して−」 愛知教育大学家政教育講座研究紀. 小麦、えびでの経験割合が高かった。. 要 43,17-32. 食物アレルギーをもつ生徒への対応経験は、約 5 割が多寡はあるが経験があるとしており、その. 5)井奥加奈,小切間美保,白石龍生(2010)「大 阪府下の小学校を中心とした食物アレルギーに. 対応方法としては、代替レシピにより対応して いるものが 35%で最も多く、次いで除去レシピ、 摂取・接触しないよう指示するがそれぞれ 24%、 22%であった。授業において使用された代替レシ. 対する教員の実態と問題点」 大阪教育大学紀 要第Ⅲ部門,59,53-68 6)野田文子,古田豊子,中岸須美子(2014)「教 員養成における食物アレルギーの指導−意識調. ピ・除去レシピは、牛乳・乳製品、卵に対応する. 査と授業実践から−」 大阪教育大学紀要第Ⅴ. ものが多く、また、それらの適用範囲は代替レシ. 部門,62,55-62. ピおよび料理を変更して実施したとするケースで. 7) 「技術・家庭科 家庭分野」(2012)開隆堂出. はクラス全体で実施しているケースが多く、除去 レシピでは本人のみとするケースが多く、対応方. 版 94,97,100 8) 「新しい技術・家庭科 家庭分野」(2012)東. 法によってレシピの適用範囲が異なることが明ら かになった。調理実習において食物アレルギーに. 京書籍出版,43-44 9) 「 技 術・ 家 庭 家 庭 分 野 」(2012) 教 育 図 書, 101. 対応する難しさとして、アレルギーを申告してい ないケースやアレルギーを他の生徒に知られたく. 10)内閣府(2012)平成 24 年度食品表示に関す. ないとする生徒への対応など様々な回答があっ. る試験検査「即時型食物アレルギーによる健. た。これらの食物アレルギーへの対応の難しさに. 康被害、及びアレルギー物質を含む食品に関. ついて教員間で問題点を共有し、よりきめ細かい. する試験検査」−抜粋− http://www.cao.go.jp/. 対応に向けてアレルギーの観点からの題材の検討. consumer/history/02/kabusoshiki/syokuhinhyouji/ doc/130530_shiryou4.pdf. や代替レシピの開発等を図っていくことが必要で あると思われる。. 付記 文 献. 本論文は第二筆者が鹿児島大学教育学部に提出. 1) ア レ ル ギ ー 疾 患 に 関 す る 調 査 研 究 委 員 会. した平成 24 年度卒業論文の一部を第一筆者が再. (2007) ,アレルギー疾患に関する調査報告書. 分析したものである。. http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/286184/www.. 本研究に際し,アンケート調査にご協力をいた. mext.go.jp/b_menu/houdou/19/04/07041301/002.pdf. だきました鹿児島県中学校家庭科担当の先生方に. 2)学校給食における食物アレルギー対応に関す. 深く感謝申し上げます。. る調査研究協力者会議(2013) ,学校生活にお ける健康管理に関する調査中間報告 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/12/ __icsFiles/afieldfile/2013/12/19/1342460_1_1.pdf. 3)公益財団法人日本学校保健会編(2008) ,学校 のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライ ン h t t p : / / w w w. g a k k o h o k e n . j p / b o o k / e b o o k / ebook_01/01.pdf. 4)栗田沙織,柴田央麻,青木香保里(2013)「学 − 85 −.
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