第4学年 国語科学習指導案
1 単元名 組み立てに気をつけて、意見文を書こう「わたしの考えたこと」(東京書籍4年上) 2 指導観 本単元は、身近な出来事についての自分の考えやその理由、きっかけとなった出来事などの材料を集め、 伝えたいことに必要な材料を選び、文章の組み立てを考えて文章を書き、推敲することで読み手に自分の考 えをわかりやすく伝える文章を書くことをねらいとしている。具体的には、①「習い事は一つにしぼるべき か」「お手伝いをしてお小遣いをもらうのはよいか」に対する自分の考えを明確にし、同じクラスの友達に自 分の考えをわかりやすく伝えるという目的をもち、意欲的に文章を書くこと②自分の考えを分かりやすく読 み手に伝えるための文章についての特徴を捉え、材料の集め方や選び方、文章の組み立て、推敲の仕方など、 学習の見通しをもつこと③自分の考えを伝えるために必要な考えの理由やきっかけとなった出来事を集め、 選ぶこと④選んだ必要な考えの理由やきっかけとなった出来事を読み手に伝わるように考えながら整理し、 文章の組み立てを考え、文章を書くこと⑤書いた文章を推敲すること⑥自分の考えをわかりやすく読み手に 伝える文章の書き方や手順について振り返り、互いに評価し合うこと、が主な学習内容である。意見文とは、 自分の経験や体験を判断の対象として判断の内容を書いた文章のことである。しかし、子どもが自分の様々 な経験から適切な対象を選択することは難しい。そこで、題材については、「習い事は一つにしぼるべきか」 「お手伝いをしてお小遣いをもらうのはよいか」のうち1つの題材を選択させる。これらの題材は、まず習 い事やお手伝いはどの児童も経験しているものである。そのため、判断の対象となりうる。そして、どちら の判断であってもその根拠に妥当性があれば適切な判断となるものである。そのため、考えの理由ときっか けとなる出来事の関係について考えざるを得ない。したがって、自分の考えを相手に分かりやすく伝えるた めの文章を書くという活動は、自分の考えを伝えるための理由やきっかけとなった出来事を自分の経験から 集め、伝えたいことに合ったものを選び、文章の組み立てを考えて文章を書く上で適した教材である。 本学級の児童は、三年生での「理由が分かるように書こう」の学習において、自分で考えた絵文字につい て、考えたこととその理由を整理して文章に書く活動を行った。それにより、自分の考えを書くときには、 なぜそう考えたのか、理由も合わせて書くことやいくつかの理由があるときは、それらを順序立てて書くこ とができている。また、前単元「みんなで新聞を作ろう」の学習において、自分の伝えたいことの中心を考 えて読み手に分かりやすく伝えることや事実と意見とを区別して新聞形式で文章を書く活動を行った。それ により、「いつ」「どこで」「だれが」「何をした」を落とさずに書くことや読み手にとってわかりやすい見出 しや割り付けの工夫をすることやインタビュー等を通して書くための材料を集めることの必要性について つかむことができている。しかし、自分の考えとその理由やそのきっかけとなった出来事を明確にし、組み 立てを考えて文章を書くことや書いた文章を読み返し、推敲することはできていない。そこで本単元では、 「習い事は一つにしぼるべきか」「お手伝いをしてお小遣いをもらうのはよいか」というこれまで体験のあ る題材の中から1つを選び、自分の考えについての文章を書き、同じ題材を選んだ児童の文章をまとめた本 を作る活動を通して、これまで自分が経験したことをもとに、自分の考えやその理由、きっかけとなった出 来事を集め、自分の考えを読み手に分かりやすく伝えるために必要な出来事を選び、文章の組み立てを考え て文章を書いたり、推敲したりできるようにしたい。 本単元の指導においては、自分の考えが読み手に分かりやすく伝わるように材料を集め方や選び方、文章 の組み立て方などの文章を書くまでの方法や手順だけでなく、推敲の仕方ついても考えさせたい。そのため に、「見通す」段階では、教科書の文章を提示し、自分の身近な体験したことについて文章を書くことをつか ませ、「習い事は一つにしぼるべきか」「お手伝いをしてお小遣いをもらうのはよいか」について小集団で話 し合わせることで、その中から立場を選び、自分の考えを友達やお家の方に伝えようという相手意識と目的意識を持たせる。また、提示した文章を読ませ、文章の始めと終わりに自分の考えが述べられていることや 考えの後には理由やきっかけとなった出来事が書かれていることなど文章の特徴を捉えさせる。そして、「ど のようなことを学習すればこのような文章を書くことができるだろう。」と問うことで、計画を立てさせ、学 習の見通しをもたせる。「解決する」段階では、選択した題材について、自分の考えや理由・きっかけとなっ た出来事を付箋紙に書かせる。その後、同じ題材の児童同士を交流させ、自分の考えを伝えるために必要な 付箋紙を集め、つながりを考えながら、伝えたいことに合う付箋紙を選択し、文章の組み立てを考え、文章 を書かせる。最後に、下書きした文章をより相手に伝わる文章となるよう推敲させる。そのために、各活動 前にモデルを操作したり、比較したりする活動を位置付ける。「見つめる」段階では、それぞれの文章を読み 合い、評価し合った後、自分の考えを伝えるための文章を書く方法や手順について振り返り、目的を達成で きるようにする。 3 単元目標 ○ 考えとそれを支える理由や事例など情報と情報との関係について理解することができる。 【知識及び技能】 ○ 自分の考えが読み手に分かりやすく伝わるように、自分の考えや理由、きっかけとなった出来事の関係に 気をつけて文章の構成を考えたり、書き表し方を工夫したりしながら文章を書くことができる。 【思考力・判断力・表現力】 ○ 「習い事は一つにしぼるべきか」「お手伝いをしてお小遣いをもらうのはよいか」についての自分の考えを 明確にし、自分の考えを同じクラスの友達やお家の方に伝えるという目的をもち、見通しをもって学習に取 り組み、自分の学習活動を振り返って次につなげようとすることができる。 【学びに向かう力・人間性】 4 単元計画(全9時間) 学習活動と内容 教師の支援 配 時 見 通 す 2 時 間 1 教材と出合い、学習課題について話し合う。 (1)自分の考えを伝える文章を書く目的や文章の特 徴について話し合う。 ○ 「習い事は一つにしぼるべきか」「お手伝いを してお小遣いをもらうのはよいか」から選んだ 題材についての自分の考えを文章に書き表し、 友達に伝えるという目的をつかむこと ○ 「自分の考え」「理由」「きっかけとなった出 来事」「自分の考え」という構成に気付くこと (2)学習の見通しについて話し合う。 ○ 自分の考えを相手に伝える文章を書く上で 学ぶべきことや作成の手順について見通しを もつこと ※ 「既習事項」と「指導事項」とのつなが りを明確にするために、それぞれの学年 時の2つのモデル文を提示し、「より考え が伝わる文章はどちらか。」と問う。 ※ 学ぶ内容や手順の見通しを持たせるた めに、「このような文章を書くために、ど のようなことを学ばないといけないのだ ろう。」と問う。 ② 1 1 解 決 す る 6 時 間 2 取材・選材を行い、組み立てを考えて文章を書 き、推敲する。 (1)取材を行う。 ○ 選んだ題材について、同じ立場の友達と交流 し、自分の考えや理由・きっかけとなる出来事を 付箋紙に書き出すこと ※ 理由やきっかけとなる出来事を振り返 らせ、考えを広げるために、同じ立場の 友達ときっかけとなった出来事を交流す る場を設定する。 ⑥ 1 選んだ題材についての自分の考えを友達やお家の方に伝えるための文章を書こう。
解 決 す る 6 時 間 (2)選材を行う。 ○ 自分の考えを分かってもらうための理由やき っかけとなったできごとを選んだり、付加・修正 したりすること (3)文章の組み立てを考える。 ○ 理由ときっかけとなった出来事のつながりに ついて捉えること ○ 付箋紙を見直す視点をとらえ、見直すこと (4)文章の組み立てをもとに、「始め」「終わり」に あたる文章を下書きする。 ○ 「始め」では、自分の考えに関連する場面を具 体的に示し、わかりやすく書くこと ○ 「終わり」では、「このことから、~」のような 言葉を使いながら、できごとを踏まえて繰り返し て書くこと (5)文章の組み立てをもとに、「中」にあたる文章を 下書きする。 ○ 文末表現や理由を表す言葉などを使って、自分 の考えや理由を書くこと ○ 会話文等を入れるなどの工夫をしながら、きっ かけとなった出来事を詳しく書くこと (6)文章を推敲し、清書する。 ○ 推敲の仕方や目的について知ること ○ 一文が長くなっていないか、説明が不足してい る部分がないかなどに着目しながら読み返し、よ りよい表現に書き直すこと ○ 下書きをもとに、原稿用紙の使い方に気をつけ て、正しく書くこと ※ 自分の考えを分かってもらうための理 由の視点を捉えさせるために、2つの組 み立てメモを比較させる。 ※ 理由と出来事のつながりの視点を見出 させるために、教科書の文章と内容を削 除した文章とを比較させる。 ※ 付箋紙のメモを文章にする方法につい て考えさせるために、教科書の組み立て メモの付箋紙と文章とを比較させる。 ※ 理由ときっかけとなった出来事とのつ ながりを意識しながら詳しく書くことが できるようにするために、児童の発言に 合わせて切り返しの発問を行う。 ※ 振り返りがしやすいように、個人で書 き直した箇所は赤鉛筆・交流後に書き直 した箇所は、青鉛筆で書かせる。 ※ 誤字・脱字等がないか、一文が長くな りすぎていないかを確かめさせるため に、書いた文章を声に出して読ませる。 1 本 時 1 1 1 1 見 つ め る 2 時 間 3 文章を読み合い、既習の振り返りをする。 (1)それぞれの文章を読み合い、評価し合う。 ○ 考えや理由、きっかけとなった出来事のつな がりに着目しながら読み、考えが伝わる文章に なっているかを考えながら読むこと (2)自分の考えを伝えるための文章を書く方法や手 順について振り返る。 ○ 自分の考えや理由、きっかけとなった出来事 の組み立てを考えながら書くという手順や推敲 の仕方について確かめること。 ※ 書き手の考えが伝わったかどうか、ど んなところから伝わったかどうかを考え させながら読ませ、よかった所をカード に書かせる。 ※ 書く内容を決める段階、組み立てを考 える段階など、書き上げるまでの方法や 手順を段階ごとに振り返らせる。 ② 1 1 5 本時 平成30年9月21日(金) 5校時 6 本時主眼 ○ 2つの組み立てメモを比較し、それぞれの内容の相違点を見つける活動通して、自分の考えを相手にわ かってもらう文章を書くためには、①自分にとってのよさ②周りにとってのよさの2点を理由として書く とよいという視点を捉え、「考えの理由」メモの内容を見直し、付加・修正することができる。
7 本時の展開 学 習 活 動 と 内 容 教 師 の 支 援 見 通 す 1 これまでの学習を想起し、本時学習の見通しをもつ。 ○ 自分の考えを読み手にわかってもらう文章を書くため に、「考えの理由」の部分の付箋の内容を見直すという解 決の過程と方法を見通すこと ・お家の人や友達に分かってもらうためには、この内容でい いのかな。 ・「理由」や「きっかけとなった出来事」の部分の付箋を書 くことができたけど、この内容でいいのかな。 ※ 解決の過程と方法の見通しをもつ ことができるようにするために、流 れ図を使いながら、前時までの学習 内容を想起させる。 解 決 す る 2 2つの組み立てメモを比較し、付箋紙の内容を見直す。 (1)2つの組み立てメモを比較し、「理由」「きっかけとなっ た出来事」メモの内容について話し合う。 ○ 相手に自分の考えを伝える文章を書くためには、自分の ことだけでなく、周りのためになるような内容が含まれて いるとよいという視点を捉えること 【組み立てメモモデル1】 【組み立てメモモデル2】 ・このモデルの内容だと、自分にとってよいことしか書かれて いないから、読んでいる人には、わがままと思われるんじゃ ないかな。 ・自分のことだけ書かれていると、考えは伝わりにくいと思う よ。 ・こちらのモデルだと、周りの人のことも考えていることが伝 わる内容だから、読んでいる人にもわかってもらえると思う よ。 (2)見出した視点にあわせて付箋紙の内容を見直す。 ○ 2つの組み立てメモを比較する活動を通して見出した視 点をもとに理由やきっかけとなった出来事を見直し、必要 に応じて付加・修正すること ※ メモを付加・修正する際の視点を 明確にするために、①自分にとって のよさのみの理由②自分にとっての よさと周囲にとってのよさの理由が 書かれた2つの組み立てメモの内容 を比較させる。 ※ 相違点に着目して交流することが できるようにするために、視覚的に 相違点が明確になるように提示の仕 方を工夫する。 ※ 「考えの理由」メモを見直す視点 を明確にするために、「こちらのメ モだとどんなことがいいのかな。」 と問う。 ※ 実際にメモの内容を見直す際に、 いつでも視点を確認することができ るようにするために、子ども達がと らえた視点について、板書に整理す る。 ※ 困っている児童に対しては、板書 している視点に着目させたり、付箋 紙の内容について質問したりする。 見 つ め る 3 本時の振り返りをする。 ○ メモを文章にする視点を見つける方法や表現や詳しく書 くことのよさについて書きまとめること ※ すべての児童が自分の変容を振り 返ることができるようにするため に、①はじめの自分はどうだった か。②どのような活動があったか。 ③どう変わったか。④何を学んだか という4つの視点を与える。 2つの組み立てメモを比べて、メモを見直すポイントについて話し合い、考えの理由メモを見直そう。 はじめは、自分の理由をしっかり書けていると思ったけ ど、2つの組み立てメモを比べてみると、いい理由の書き 方がよくわかって、少し変えることができました。これか ら相手に考えが伝わる文章を書くときは、自分のことだけ でなく、まわりのことも考えながら内容を考えたいです。 自分のことだけ書いていても、読んでいる人 にはわかってもらえないんだね。 今書いているものだと、まわりの人にとっての よさがないから、理由を書き直そうかな。