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IRUCAA@TDC : The effect of aging on the functions of epithelial rest cells of Malassez in vitro: immunofluorescence, DNA microarray and RT-PCR analyses

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

The effect of aging on the functions of epithelial

rest cells of Malassez in vitro:

immunofluorescence, DNA microarray and RT-PCR

analyses

Author(s)

根津, 崇

Journal

歯科学報, 112(2): 184-185

URL

http://hdl.handle.net/10130/2778

Right

(2)

論 文 内 容 の 要 旨 1.研 究 目 的 マラッセ上皮遺残細胞は生涯を通して歯根膜内に存在し,その機能としては歯根膜恒常性の維持,歯根吸収 時のセメント質修復,および嚢胞の裏層上皮形成などが報告されている。しかしエイジングによるその機能へ の影響を比較,検討したものはほとんどない。本論文ではマラッセ上皮遺残細胞を継代培養することで起こる 細胞エイジングを想定し,それに伴う機能変化を分子生物学的に検索することを目的とした。 2.研 究 方 法 マラッセ上皮遺残細胞はブタ下顎前臼歯歯根膜より分離培養し,実験には3,11および17継代目の細胞を用 いた。一次抗体として CK19と Phalloidin による蛍光免疫染色を用いて形態学的な検討および RNA を抽出 し,マイクロアレイにて網羅的に遺伝子発現の比較を行った。さらにマイクロアレイのデータより継代間の発 現量の変化が大きい遺伝子を抽出し,それら遺伝子の発現量の定量化を行うために RT-PCR とタンパク量の 比較のため CELIZA を用いて検討した。 3.研究成績および考察 蛍光免疫染色にて継代に伴い CK19の発現に変化はないものの,より多くのアクチンフィラメントが細胞内 に観察された。エイジングにより細胞内のアクチンフィラメント量が増えることが知られていることからマ ラッセ上皮遺残細胞も継代することにて細胞老化するが,そのケラチンの性格は維持されることが示唆され た。マイクロアレイを用いた遺伝子発現の比較では,Array 上にプロープされた mRNA 約24,000個のうち mRNA 発現量に信頼性と有意差があるものは約4,300個であった。その中で BMP2 mRNA を含む230個の遺 伝子が.3から11継代目間で2分の1以下に発現量が減少した。また11から17継代目でさらに2分の l 以下に 発現量の減少したものが23個あり,その中にβ-defensin1,CD61,および MMP13が存在していた。これらに 関して mRNA 発現量の定量化を行ったところ,マイクロアレイの結果とほぼ同様な結果を得た。またタンパ ク量においては3から17継代間で有意に BMP2およびβ-defensin1が減少していた。以上の結果よりマラッ セ上皮遺残細胞は継代数を重ねることにより,セメント芽細胞の分化に関与する BMP2発現量が減少したこ とからセメント質修復能が低下し,コラーゲン線維代謝に関与する MMP13の発現量が減少したことから歯根 氏 名(本 籍) ね づ たかし

(山梨県) 学 位 の 種 類 博 士(歯 学) 学 位 記 番 号 第 1861 号(甲第1127号) 学 位 授 与 の 日 付 平成22年3月31日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 目 The effect of aging on the functions of epithelial rest cells of Malassezin vitro: immunofluorescence, DNA microarray and

RT-PCR analyses

掲 載 雑 誌 名 Oral Medicine & Pathology 第15巻 95∼100頁 2010年5月

論 文 審 査 委 員 (主査) 末石 研二教授 (副査) 山田 了教授 井上 孝教授 柴原 孝彦教授 石原 和幸教授 歯科学報 Vol.112,No.2(2012) 184 ―108―

(3)

膜線維の代謝機能が低下することが示唆された。またβ-defensin1は常在菌に働き通常,分化度の高い上皮細 胞で発現し抗細菌性に関与するものとして知られているが,今回,継代を重ねるごとにβ-defensin 1 と CD61 の発現量が減少したことで細胞接着能が低下し,歯周炎など細菌感染に対する歯根膜の防御機構に影響を及ぼ すと思われた。 4.結 論 マラッセ上皮遺残細胞は,歯根膜の恒常性の維持において重要な役割を有しており,エイジングによりその 機能に影響が及ばされることが示唆された。 論 文 審 査 の 要 旨 本論文はマラッセ上皮遺残細胞の継代培養で起こる細胞エイジングを想定し,それに伴う機能変化を分子生 物学的に検索することを目的とした。材料として3,11および17継代目のブタマラッセ上皮遺残細胞を用い た。蛍光免疫染色の結果として,継代に伴い,より多くのアクチンフィラメントが観察され,また CK19にて 低分子量サイトケラチンが各細胞内に観察され,マラッセ上皮遣残細胞は継代することで細胞老化が起こるも のの,ケラチンの特徴は変わらず維持されていたことが示唆された。次にマイクロアレイにて網羅的に遺伝子 発現の比較を行い,BMP2,β-defensinl,CD61,および MMP13の減少を認めた。これら全ての遺伝子は RT -PCR においても mRNA の発現量が減少していた。また,タンパク量においては3から17継代間で有意に BMP2およびβ-defensin1が減少していた。 以上の結果よりマラッセ上皮遺残細胞はエイジングによりその機能に影響が及ぶことが示唆された。 本査委員は,1)継代培養とエイジングの関係,2)アクチンフィラメントと老化との関係,3)減少した 23個の遺伝子のうちβ-defensin 1,CD61,および MMP13のみに注目した理由などの質問がなされた。これら に対しl)In vivo における実験後のマラッセ上皮遺残は単離培養が難しいため,従来から行われている横断 的実験モデルを用いた,2)細胞は老化に伴い細胞内のアクチンフィラメン卜が増加すると報告されているの で,今回の実験においてエイジングの指標の一つとして用いた,3)Down regulate した他の20個の遺伝子は 全て unknown で,また,up-regulate したものも unknown であったため検索できなかった,と概ね妥当な回 答が得られた。また,文章および図の修正すべき点などが指摘され,訂正および追加が行われた。

本研究で得られた結果は,今後の歯学の進歩,発展に寄与するところ大であり,学位授与に値するものと判 定した。

歯科学報 Vol.112,No.2(2012) 185

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