Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
チームのAgility
Author(s)
上田, 貴之
Journal
歯科学報, 120(2): 2i-2i
URL
http://hdl.handle.net/10130/5188
Right
Description
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チームの Agility
上 田 貴 之
新型コロナウイルス感染症の蔓延と感染拡大防止のために,社会生活が大きく制限されている。私 たちは,これまでと違った行動様式や働き方を余儀なくされている。しかも,事前準備がほとんどで きない状況で,急激な変化としてもたらされた。このような突発的な変化に対応するのは,たやすい ものではない。個人が変化を受容するのも容易なことではないが,組織としては更に様々な困難を伴 う。私自身も,顔を突き合わせ,阿吽の呼吸で業務を遂行していた毎日とは,大きな乖離のある状態 におかれている。今まさに,自らのチームが変化に柔軟に対応できるのかどうかが試されているとも いえる。 変化への対応力の高いチーム,Agility(機敏性,敏捷性)を兼ね備えたチームとは,どのような組 織なのだろうか。1つの鍵は,情報集約能力であると考える。私たちが不確実性の高い状況に直面し た時,どのような行動をとるだろうか。追加の情報を待つ,都合の悪い情報より都合の良い情報を重 視する,これまでと同じ行動をとるための理由となる情報を探す,といった行動が本能的に引き起こ される。しかし,これらは意思決定を先延ばしすることにつながり,適切な決断の時期を逸すること になるだろう。Information and Communication Technology(ICT)が発達した今日,チームメンバーの物理的な距 離は,情報伝達や情報収集には影響を与えなくなった。そのため,このような状況下でも情報が不足 することはほとんどなくなった。逆に,メールやチャットツール,クラウドサービスなど様々な媒体 を通じて,多種多様な情報が,過大に集まってしまう。そのため,ICT の発達したチームには,情 報収集能力よりも情報整理能力の重要性が高まっている。チームで収集した大量の情報を,いかに迅 速に集約,整理していけるかが問題になっていくであろう。これまでの ICT の中心は情報を伝達す ることであり,その情報を一元化し,クリーニングするのは,属人的な役割であった。今後,チーム の Agility を高め,更に迅速に意思決定を行うためには,ICT による情報の整理やレイティングなど の支援が必要であり,それらを運用できる能力がチームに求められていると考えている。 私のチームでも,役割が属人的になりすぎると Agility が低下すると考えている。お互いの役割の 見える化を進め,相互理解をすすめるのにも ICT は役立っている。今回の混乱をチャンスととら え,ICT の力を借りながら,チーム力を高める機会にしたいと思っている。 (東京歯科大学老年歯科補綴学講座 教授) 巻 頭 言 ②