日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 髙橋 流星 助教 学籍番号 11A0446学生氏名
齋藤 将平 中西 優太 1.背景 文部科学省が昭和39 年から行っている「体力・運動能 力調査」1)によると、児童・生徒の体力・運動能力は、昭和 60 年頃から現在に至るまで 20 年以上もの間、長期的な低 下傾向にあることが指摘されている。そこで、本研究では、 文部科学省が示した子どもの体力低下、特にソフトボール 投げの低下の問題に着目し、本学の男子ソフトボール部員 と本学の体育学科と武道学科の一般学生を実験対象とし研 究を行い、今後の大学生の投能力を縦断的に比較、検討す るための重要な参考資料としたい。 2.目的 本研究の目的は、大学生のソフトボール投げ(投能力)が 低下傾向にあるのか今後、縦断的かつ長期的な研究を継続 させる上での参考資料にすることを本研究の目的とする。 3.方法 被験者は、本学男子ソフトボール部所属の 26 名と、体 育学部の専門運動方法・ソフトボール(野球を含む)を受講 した一般学生151 名(体育学科:104 名,武道学科:47 名) を本研究の対象者とした。助走後に、最大努力での遠投を 行い基準線からボールが落下した地点までの直線距離を計 測した。分析方法は、一般学生と本学のソフトボール部員 のソフトボール投げ(遠投)の測定記録を Microsoft Office Excel2010 上に入力し、最大値、最小値、平均値、標準偏 差を算出した。そのデータをもとに、棒グラフを作成し、 比較しやすいものにした。 4.結果 62.2 50.6 44.1 40.0 45.0 50.0 55.0 60.0 65.0 男子ソフト 体育学科 武道学科 遠投飛距離 (m ) 図1.遠投飛距離における各カテゴリーの比較日本体育大学男子ソフトボール部と一般学生の遠投能力の差異
61.4 61.1 48.9 50.2 42.8 43.1 40 45 50 55 60 65 一投目 二投目 男子ソフト部 体育学科 武道学科 遠投飛距離 (m) 図2.遠投飛距離における一投目と二投目の差 図1 は、遠投飛距離の平均値を算出したものである。男 子ソフトボール部は62.2m、体育学科は 50.6m、武道学科 は 44.1m であり、一般学生よりもソフトボール部員の方 が高い値を示した。図2 は、遠投飛距離における一投目と 二投目の差である。男子ソフトボール部員は一投目より も、二投目の方が、0.3m 低い値を示した。一方、体育学 科の一般学生は一投目よりも二投目の方が、1.3m 高い値 を示し、武道学科の一般学生も、一投目の方が0.3m 高い 値を示す結果となった。 5.考察およびまとめ 本研究の被験者である、ソフトボール部員は、小学生低 学年期から投動作を含むスポーツに関わっていたと考え られ、適時期に十分な練習効果を得ることができ、また、 技術練習や筋力トレーニングを行っており定期的な投球 をする環境的要因が整っており遠投能力や準備局面の技 術的な要素を習得していることから高い値を示す結果と なったと考えられる。また、ソフトボール部員の記録は一 投目より二投目の遠投飛距離が低下していることから、測 定時に緊張や不安、あるいは力みが生じた可能性が考えら れる。また、体育学科、武道学科ともに、2 投目の方が高 い値を示したことから、ウォーミングアップの不足や、試 技に対しての慣れにより、遠投能力や準備局面の技術が向 上したものと推察される。これからの課題としては、今後 の大学生の投能力を縦断的に比較、検討する DATA を収 集する必要があると考える。日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 髙橋 流星 助教 学籍番号 11A0469学生氏名 勝二 耕陽
1.背景 ソフトボールは塁間の距離が短く短距離的要素が強いため、 陸上の短距離で速く走る為に必要とされる要素「ピッチとスト ライド」に関係性があるのではないかと考え着目した。走運動 に関する研究は古くからなされており、さまざまな方法を用い て、ストライド長やピッチ数を算出したりなど様々な研究がな されている。しかし、ソフトボールは1921 年(大正 10 年)ア メリカから留学から帰国した人たちが学校体操科の遊戯とし て紹介されたことに始まる。そのため、歴史が浅く競技人口も 少ないのが現状である。そこで、全日本大学選手権大会で数多 くの優勝を成し遂げている本学の男子ソフトボール部員を対 象に研究を行い、今後のソフトボール競技の発展および活性化 に役立てたく本研究を行った。 2 目的 本研究の目的は、打撃や守備ほど重要視されていない走塁に 着目することで走塁の重要性を知るとともに、走塁には技術が 必要だがピッチとストライドは関係しているかを目的とした。 3.方法 被験者は本学の男子ソフトボール部 29 名を対象としストッ プウォッチを用いて、スターターの腕が降りたと同時にスター トし一塁まで走り、一塁ベースを踏んだタイミングでストップ ウォッチを止めた。それと同時にカメラ(HDR-CX720V:SONY 社製)を三塁手の定位置のあたりから撮影し、一塁までの駆け 抜けを何歩で走っているかを測定した。また、一周のタイムを も上記と同様に測定し、カメラでの撮影は一塁ベースの右斜め 後方よりパンニング撮影した。 4.結果 図1.ベースラン一周のタイムとピッチ数 図1 はベースランニングのタイムとピッチ数の相関関係 図である。両者には 5%水準で優位な相関関係が認めら れた。その他の結果には優位な相関関係が認められなか った。 5.考察 本研究では、一塁駆け抜けにおける(直線)速度には 相関関係が認められなかったが、ベースランニング一周 における速度のタイムとピッチ数には相関関係が認めら れた。これは野球とソフトボールでは塁間の長さが違う ためではないかと推察される。ソフトボールは野球に比 べ塁間の距離が短く、最高速度に達する前にベースを踏 む た め 、 最 高 速 度 に 到 達で き な い こ と が 示 さ れ た。 Hunter et al. (2004)は、多数の競技者のピッチおよびス トライドと、それを構成する下位の因子(接地時間,滞 空時間,支持距離,滞空距離など)との関係について詳 細な検討を行った結果、両者に大きく影響を及ぼすのは 滞空時間であり、滞空時間が短いとピッチが高くなり、 反対に滞空時間が長いと滞空距離が大きくなることでス トライドが大きくなる傾向にあることを明らかにした。 大きなストライドを獲得するためには、接地中に地面に より大きな力を加えることで、滞空時間を長くすること が重要になると考えられる。一方で、高いピッチを獲得 するためには、滞空時間を短くすることが重要になるが、 そのためには、相対的に短い滞空時間の中で、素早く脚 を回復し、次の接地を行わなければならない。この素早 い脚の回復を実現するために、脚の動作範囲を小さくす ることや脚を素早く動かすために下肢を振り回す原動力 となる股関節の屈伸に関与する筋群が、大きなトルクや パワーを発揮することが重要になると考えられる。 6.まとめ 本研究では、ピッチとストライドの関係性について研 究を行ったが、走塁にはベースを回る技術や判断力も必 要になってくる。しかし、ソフトボール競技における走 塁の技術や判断力を題材にした論文はあまり報告されて いないため、ソフトボール競技の発展のためにも研究す る必要があると思われる。大学男子ソフトボール競技における走塁について
日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 髙橋 流星 助教 学籍番号 11A0489学生氏名 田口 正志 龍田 賢司
1.背景 野球・ソフトボール競技において試合で勝つためには、 いかにして相手より1 点でも多く得点を挙げるかが、最大 のカギとなる1)。このことから、打撃は重要であるという ことがいえる。 2.目的 本研究の目的は、日本リーグ(男子)の選手のリーグ戦 のデータを基に、日本代表選手(All Japan:以下 AJ)と非日 本代表選手(Other Japan:以下 OJ)に振り分け、打率、 出塁率、長打率、OPS の平均値をそれぞれに算出し、日本 代表に選出されるには、日本リーグにおいてどれだけの結 果を残す必要があるのかを数値として表すことを本研究の 目的とした。 3.方法 3-1 調査対象 本研究の調査対象は、日本の最高峰のトップリーグであ り、日本リーグ(男子)打率ベスト30 位(2008~2014 年: 計7 年間)の計 433 名(日本代表経験:104 名、非日本代 表選手329 名)。本研究では、2008~2014 年までの国際大 会のいずれか1 つに出場した選手を AJ とした。 3-2 データ取得および分析処理 本研究のDATA は、(公財)日本ソフトボール協会より 2008 年~2014 年までの計 7 年間の DATA を頂戴した。デ ータは全てMicrosoft Office Excel2010 上に DATA を入力 し、平均値および標準偏差値等を算出した。 4.結果 1.111 1.034 1.010 1.000 1.020 1.040 1.060 1.080 1.100 1.120 OPS 日本代表選手(AJ) 全体平均 非日本代表選手(OJ) 図1.AJ と OJ の OPS の比較 表2.AJ と OJ の各項目における平均値の比較 安 打 数 四 球 数 三 振 数 盗 塁 数 得 点 16.7 4.2 5.6 2.1 10.6 11.4 7.8 AJ OJ 13.4 3.2 5.9 1.3 7.8 打 点 5.考察およびまとめ OPS を算出する要素のである出塁率において、AJ が OJ を上回っている要因として下記のことが考えられる(表 2)。 ・安打数:AJ は平均 16.7 本、OJ は 13.4 本(3.3 本差) ・四球数:AJ は平均 4.2 個、OJ は平均 3.2 個(1 個差) ・三振数:AJ は平均 5.6 個、OJ は平均 5.9 個(0.3 個差) 上記の理由から、AJ は空振りが少なく、投球されたボー ルをミートする能力が高いこと、ゴロを打つことで守備者の エラーを誘発させる可能性を高くし、尚且つ、ストライクや ボールを見極める能力(選球眼)も良く、四球等での出塁す る機会を得る場合も多い。その為、出塁率が高い値を示した のではないかと推察される。 長打率に関しても、AJ の数値が高い。その要因としてス イングスピードの影響が考えられる。筒井2)は、スイングス ピードが速く、ボールとバットの接触時間を増やすことが必 要であると報告されており、AJ は根本的にスイングスピー ドが速く、振り出したバットがボールに接触する瞬間に力を 加え、接触時間を向上させている可能性も推察される。最後 にまとめとして、日本代表に選出されるためには、日本リー グにおいて試合結果から必要な要素は、下記の通りである。 ・OPS が高いこと(1.11 以上)(出塁率+長打率=OPS: スイング力があること) ・四球数が多いこと(4.2 個以上:選球眼が良いこと) ・三振数が少ないこと(5.6 個以下:ミート力があること) ・盗塁が出来ること(2.1 個:走力があること) 上記がAJ として選出される条件である。 6.参考文献 1) マイケルルイス,中山宥:マネー・ボール(完全版),早 川書房,2013/05/09. 2) 筒井大助:図解雑学野球の科学,ナツメ社 P,68,70,2007-05-14 3) 鳥越規央:勝てる野球の統計学~セイバーメトリクス~, 岩波書店,2014/3/13.男子ソフトボール競技における日本代表選手に選出されるための
必要な要素
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野球・ソフト研究室 指導教員 髙橋 流星 助教 学籍番号 11A0496学生氏名 龍田 賢司 田口 正志
1.背景 野球・ソフトボール競技において試合で勝つためには、 いかにして相手より1 点でも多く得点を挙げるかが、最大 のカギとなる1)。このことから、打撃は重要であるという ことがいえる。 2.目的 本研究の目的は、日本リーグ(男子)の選手のリーグ戦 のデータを基に、日本代表選手(All Japan:以下 AJ)と非日 本代表選手(Other Japan:以下 OJ)に振り分け、打率、 出塁率、長打率、OPS の平均値をそれぞれに算出し、日本 代表に選出されるには、日本リーグにおいてどれだけの結 果を残す必要があるのかを数値として表すことを本研究の 目的とした。 3.方法 3-1 調査対象 本研究の調査対象は、日本の最高峰のトップリーグであ り、日本リーグ(男子)打率ベスト30 位(2008~2014 年: 計7 年間)の計 433 名(日本代表経験:104 名、非日本代 表選手329 名)。本研究では、2008~2014 年までの国際大 会のいずれか1 つに出場した選手を AJ とした。 3-2 データ取得および分析処理 本研究のDATA は、(公財)日本ソフトボール協会より 2008 年~2014 年までの計 7 年間の DATA を頂戴した。デ ータは全てMicrosoft Office Excel2010 上に DATA を入力 し、平均値および標準偏差値等を算出した。 4.結果 1.111 1.034 1.010 1.000 1.020 1.040 1.060 1.080 1.100 1.120 OPS 日本代表選手(AJ) 全体平均 非日本代表選手(OJ) 図1.AJ と OJ の OPS の比較 表2.AJ と OJ の各項目における平均値の比較 安 打 数 四 球 数 三 振 数 盗 塁 数 得 点 16.7 4.2 5.6 2.1 10.6 11.4 7.8 AJ OJ 13.4 3.2 5.9 1.3 7.8 打 点 5.考察およびまとめ OPS を算出する要素のである出塁率において、AJ が OJ を上回っている要因として下記のことが考えられる(表 2)。 ・安打数:AJ は平均 16.7 本、OJ は 13.4 本(3.3 本差) ・四球数:AJ は平均 4.2 個、OJ は平均 3.2 個(1 個差) ・三振数:AJ は平均 5.6 個、OJ は平均 5.9 個(0.3 個差) 上記の理由から、AJ は空振りが少なく、投球されたボー ルをミートする能力が高いこと、ゴロを打つことで守備者の エラーを誘発させる可能性を高くし、尚且つ、ストライクや ボールを見極める能力(選球眼)も良く、四球等での出塁す る機会を得る場合も多い。その為、出塁率が高い値を示した のではないかと推察される。 長打率に関しても、AJ の数値が高い。その要因としてス イングスピードの影響が考えられる。筒井2)は、スイングス ピードが速く、ボールとバットの接触時間を増やすことが必 要であると報告されており、AJ は根本的にスイングスピー ドが速く、振り出したバットがボールに接触する瞬間に力を 加え、接触時間を向上させている可能性も推察される。最後 にまとめとして、日本代表に選出されるためには、日本リー グにおいて試合結果から必要な要素は、下記の通りである。 ・OPS が高いこと(1.11 以上)(出塁率+長打率=OPS: スイング力があること) ・四球数が多いこと(4.2 個以上:選球眼が良いこと) ・三振数が少ないこと(5.6 個以下:ミート力があること) ・盗塁が出来ること(2.1 個:走力があること) 上記がAJ として選出される条件である。 6.参考文献 1) マイケルルイス,中山宥:マネー・ボール(完全版),早 川書房,2013/05/09. 2) 筒井大助:図解雑学野球の科学,ナツメ社 P,68,70,2007-05-14 3) 鳥越規央:勝てる野球の統計学~セイバーメトリクス~, 岩波書店,2014/3/13.男子ソフトボール競技における日本代表選手に選出されるための
必要な要素
日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 髙橋 流星 助教 学籍番号 11A0526学生氏名
中西 優太 齋藤 将平 1.背景 文部科学省が昭和39 年から行っている「体力・運動能 力調査」1)によると、児童・生徒の体力・運動能力は、昭和 60 年頃から現在に至るまで 20 年以上もの間、長期的な低 下傾向にあることが指摘されている。そこで、本研究では、 文部科学省が示した子どもの体力低下、特にソフトボール 投げの低下の問題に着目し、本学の男子ソフトボール部員 と本学の体育学科と武道学科の一般学生を実験対象とし研 究を行い、今後の大学生の投能力を縦断的に比較、検討す るための重要な参考資料としたい。 2.目的 本研究の目的は、大学生のソフトボール投げ(投能力)が 低下傾向にあるのか今後、縦断的かつ長期的な研究を継続 させる上での参考資料にすることを本研究の目的とする。 3.方法 被験者は、本学男子ソフトボール部所属の 26 名と、体 育学部の専門運動方法・ソフトボール(野球を含む)を受講 した一般学生151 名(体育学科:104 名,武道学科:47 名) を本研究の対象者とした。助走後に、最大努力での遠投を 行い基準線からボールが落下した地点までの直線距離を計 測した。分析方法は、一般学生と本学のソフトボール部員 のソフトボール投げ(遠投)の測定記録を Microsoft Office Excel2010 上に入力し、最大値、最小値、平均値、標準偏 差を算出した。そのデータをもとに、棒グラフを作成し、 比較しやすいものにした。 4.結果 62.2 50.6 44.1 40.0 45.0 50.0 55.0 60.0 65.0 男子ソフト 体育学科 武道学科 遠投飛距離 (m ) 図1.遠投飛距離における各カテゴリーの比較日本体育大学男子ソフトボール部と一般学生の遠投能力の差異
61.4 61.1 48.9 50.2 42.8 43.1 40 45 50 55 60 65 一投目 二投目 男子ソフト部 体育学科 武道学科 遠投飛距離 (m) 図2.遠投飛距離における一投目と二投目の差 図1 は、遠投飛距離の平均値を算出したものである。男 子ソフトボール部は62.2m、体育学科は 50.6m、武道学科 は 44.1m であり、一般学生よりもソフトボール部員の方 が高い値を示した。図2 は、遠投飛距離における一投目と 二投目の差である。男子ソフトボール部員は一投目より も、二投目の方が、0.3m 低い値を示した。一方、体育学 科の一般学生は一投目よりも二投目の方が、1.3m 高い値 を示し、武道学科の一般学生も、一投目の方が0.3m 高い 値を示す結果となった。 5.考察およびまとめ 本研究の被験者である、ソフトボール部員は、小学生低 学年期から投動作を含むスポーツに関わっていたと考え られ、適時期に十分な練習効果を得ることができ、また、 技術練習や筋力トレーニングを行っており定期的な投球 をする環境的要因が整っており遠投能力や準備局面の技 術的な要素を習得していることから高い値を示す結果と なったと考えられる。また、ソフトボール部員の記録は一 投目より二投目の遠投飛距離が低下していることから、測 定時に緊張や不安、あるいは力みが生じた可能性が考えら れる。また、体育学科、武道学科ともに、2 投目の方が高 い値を示したことから、ウォーミングアップの不足や、試 技に対しての慣れにより、遠投能力や準備局面の技術が向 上したものと推察される。これからの課題としては、今後 の大学生の投能力を縦断的に比較、検討する DATA を収 集する必要があると考える。日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 高橋 流星 助教 学籍番号 11A0619学生氏名 横山 嵩洋
1.背景 打撃において、ホームランは大きな魅力である。しかし、 ホームランを打とうと思っても容易に打つことが出来な い。 打球を遠くに飛ばすことによって、試合での得点をとる ための要素につながるため、打球飛距離は非常に重要な要 素として評価されている。 ソフトボール競技においても、ボールを遠くに飛ばすこ とは欠かすことの出来ないスキルの一つと考えられている ため、選手評価の重要な要素として捉えることが出来る。 本研究では、本学における男女ソフトボール部の飛距離 を算出し、現状を選手に把握と理解させ、今後のトレーニ ングおよび打撃フォームの改善等に役立ててほしいと考え ている。また、本研究をもとに自分自身のバッティング向 上に生かせればよいと考えている。 2.目的 本研究は、大学男女ソフトボール選手における現段階の バッティング飛距離を調べ、男子と女子のレギュラーと非 レギュラーの差を出し、自分自身の技術向上および自分自 身の指導の一助とすることを目的とする。本研究では、本 学男女ソフトボール部を被験者にバッティングで遠くに飛 ばし、レギュラーと非レギュラーで比較し、調査したいと 考えた。 3.方法 3-1 被験者 被験者は、本学男女ソフトボール選手男子 22 名、女子 20 名であった。本研究の内容と測定方法を明確に説明し、 測定を開始した。 3-2 測定方法(打撃飛距離測定) 打球飛距離の計測にはロングティーバッティング形式で 行った。使用ソフトボールは、試合用公認球(KENKO BALL;KENKO 社製)、バットは試合用公認バット(カタリ スト85cm,740g:ルイスビルスラッガー社製)使用をした。 また、劣化や消耗を考慮しすべて新品を使用した。 被験者には、十分なウォーミングアップを行わせのち、 全力スイングで計3 スイング行わせた。使用した値は、差 3 スイングの打球飛距離のうちの、最大値を採用した。 4.結果 図1 は、男女の全体、レギュラー、非レギュラーのロング ティーの飛距離の平均である。 男子のレギュラーは、75.8m、非レギュラーは、72.4m で あった。レギュラーと非レギュラーの差は3.4m であった。 女子のレギュラーは54.1m、非レギュラーは、53.2m であっ た。レギュラーと非レギュラーの差は0.9m であった。 75.8 72.4 54.1 53.2 40.0 45.0 50.0 55.0 60.0 65.0 70.0 75.0 80.0 レギュラー 非レギュラー 打球飛距 離 (m) 図1. 男女の全体のロングティー平均、レギュラーの平均、 非レギュラー 5.考察およびまとめ 男女のレギュラー、非レギュラーのロングティーにおける 飛距離の平均値での結果は、男女共にレギュラーと非レギュ ラーの差が出たことが読み取れ、レギュラーと平均値及び非 レギュラーを比較してみてもレギュラーのほうが飛距離を だしていることが読み取れる。また、フェンスの距離を越え た人数は男子は6 人(レギュラー4 人、非レギュラー2 人)、 女子は1 人(非レギュラー1 人)であった。 男子のレギュラーと非レギュラーの身体的特徴を比較す ると、身長はレギュラーのほうが小さかったが体重ではレギ ュラーの方が高かった。また、女子のレギュラーと非レギュ ラーの身体的特徴を比較すると、体重は非レギュラーの方が 高かったが、身長差にはあまり変化がみられなかった。 このことから、男女ともに飛距離を出すのに身長及び体重 は、関係していないことが推察された。 今後の課題として、打球飛距離のみではなく、ミート力も 調査および研究が出来ればと考えている。本大学男女ソフトボール部における
ロングティーを用いた飛距離
日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 髙橋 流星 助教 学籍番号 11A0622学生氏名 吉田 光 高橋 秀行
1,背景 近年、若者のモラルや倫理観、価値観が低下していると 社会的に問題視されている現状を受け、企業が求める人材 像と就職を望む学生とのミスマッチを解消するために社会 人基礎力という12 項目から成る評価項目を定めた。 2,目的 本研究の目的は、本学ソフトボール部の目標である『人 間的育成・成長』という点において学年差・性差・競技強 度別の差異も調査し、一般調査結果との人間的としての内 面的な能力の差を『社会人基礎力』の値の差と仮定し、本 学ソフトボール部の選手の値と照らし合わせ比較すること により、日本代表などの高い競技レベルにある選手たちと の能力差との差異を明らかすることによって本学ソフトボ ール選手個々の競技力や競技成績の向上に役立てるための 重要な研究にすることを目的とした。 3,方法 アンケート調査法を用い、アンケート用紙を本学ソフト ボール部80 人(男子 31 人、女子 49 人)に配布し、アンケー トに回答していただいた。また、吉田ら10)の区分評価に合 わせ、本学ソフトボール部内トップアスリートとその他一 般部員の二つに分け競技強度別の区分での調査を行った。 アンケート内容は、社会人基礎力の 12 項目についてそ れぞれ3 問ずつ 36 問を 5 件法で問うものと、「将来的に 一般企業への就職を考えているか」という問いを二択で回 答することとした。 4,結果 図1 本学ソフトボール部と一般評価基準値との比較 図2 レギュラー・非レギュラーでの平均点の比 図3 男女別平均点比較 5,考察 本学ソフトボール部員の社会人基礎力自己評価得点の平 均は、一般若年者の平均に対して全ての値で上回っている。 このことから、本学ソフトボール部員は同世代の若者に比べ て社会人基礎力の認識得点が高いことが伺えた。 6,まとめ 学年差や性差において明確な特徴を指し示すことはでき なかったが、レギュラーと非レギュラーの二区間における社 会人基礎力の平均点の比較では、すべての項目においてレギ ュラーの基礎力平均点が上回るという顕著な差を観測する ことができた。したがって『人間力』を「社会人基礎力」と 仮定した場合、『人間力』の高い部員ほどレギュラーとして 試合に出場できる競技強度を持ち合わせていると推測でき る。これはレギュラーとして試合に出場している部員に日本 代表選手が多く、この稀有な経験が要因だと推測した。日本体育大学ソフトボール部の社会人基礎力に関する研究
~学年、性差、競技強度による比較~
日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 髙橋 流星 助教 学籍番号 11A0731学生氏名 市川 明佳 松畑 美希
1. 背景 近年におけるスポーツ選手の心理的要因は、気分プロフ ィール検査:Profile of Mood States(以下 POMS)を用いて、 多くの報告や研究が遂行されてきている。 POMS は、気分状態に基づく 30 項目の質問が①緊張― 不安②抑うつ―落ち込み③怒り―敵意④活動性⑤疲労⑥混 乱の6 つの因子のもとに配されたものである。この POMS は、アメリカの心理学者であるMcNair によって人間の情 動を気分や感情といった主観的側面からアプローチするこ とに1950 年の終わりから 1960 年にかけて欧米を中心に開 発がすすめられ、日本では1994 年に初版が完成され POMS を用いた研究が増加している。POMS を用いたスポ ーツにおける研究では、「青年期における運動・スポーツ活 動とメンタルヘルスとの関係」や「サッカー選手のコンデ ィショニングについて」などが行われている。 2. 目的 本研究の目的は、POMS を使用した研究は、多くの研究 者や教育機関等でなされている。また、2012 年に西口ら、 2013 年に小松らが大学女子ソフトボール選手におけるメ ンタルコンディショニングのチェックについては調査を行 った。本研究では、第46 回東京都大学ソフトボール秋季 リーグ戦、第45 回関東大学女子ソフトボール選手権大会 の計4日間の前日練習後に POMS短縮版検査を用いて各日 程別に全体のスターティングメンバーとベンチメンバー、 補欠の違いを検討し調査することを本研究の目的とした。 3. 方法 対象者は、本学女子ソフトボール部47 名で第 46 回東京 都大学秋季リーグ・第45 回関東大学女子ソフトボール大 会の競技大会前日である平成26 年 10 月 3 日、11 月 15 日 と大会期間中である平成26 年 10 月 11 日、11 月 16 日の 計4 日間とし POMS を用いて、心理的要因を調査した。ま た、被験者は、練習および試合後にPOMS のアンケートに 回答させた。 4. 結果 7.8 3.8 3.1 10.8 4.5 6.0 5.1 2.5 1.6 8.6 3.3 4.5 3.2 1.8 1.5 7.0 3.1 4.4 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 緊張T-A 抑うつD 怒りA-H 活動V 疲労F 混乱C スターティングメンバー ベンチメンバー 補欠 図1.各項目の T-スコアの平均値 8.1 4.3 3.5 11.6 4.7 6.1 7.5 3.3 2.8 10.0 4.3 6.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 緊張T-A 抑うつD 怒りA-H 活動V 疲労F 混乱C 秋季リーグ 関東選手権 図2.スターティングメンバーの試合別 T-スコア 5. 考察及びまとめ 秋季リーグ及び関東選手権の結果から、スターティングメ ンバーはベンチメンバー及び補欠と比べ、「混乱」「緊張」の 数値が高く示されている。スターティングメンバーは「勝た なければいけない」というプレッシャーがあったとのではな いかと推察される。また、スターティングメンバーの秋季リ ーグと関東選手権を比較すると、全体的に秋季リーグの数値 が高い。その理由として「新チームの最初の公式戦で初めて スターティングメンバーを任された選手が多いため、気持ち に余裕がなく、緊張や不安が生じた」と推察される。 6. 参考文献 1) 西口紗弓,高橋流星:大学女子ソフトボール部選手にお ける試合中の心理状態,日本体育大学運動方法(ソフ ト・野球)研究室,2012 年度卒業論文. 2) 小松優歩,高橋流星:大学女子ソフトボール選手におけ るオフシーズン中の心理状態~POMS を用いた心理 評価~,日本体育大学運動方法,(ソフト・野球)研究 室,2013 年度卒業論文.大学女子ソフトボール選手における
Profile of Mood Statesを用いた心理
的要因の調査 ~各メンバーおよび各大会の比較~
日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 髙橋 流星 助教 学籍番号 11A0739学生氏名 岩見
香枝 澤井 美佑 徳田 亜美
1. 背景 ボールカウントは、投手と打者の勝負の経過を表すもの であり、投手有利か打者有利かを示すバロメーターとなっ ている。一般的にストライクが先行していれば投手有利、 ボールが先行していれば打者有利と言われる1)。 ソフトボールの試合は打率だけでなく、様々な場面による 心理的状況や戦略が勝負と大きな関連性を持つが、私たち はこれらを踏まえず、本学女子ソフトボール部の「カウン トと打率の関係性」に着目し調べることにした。 2. 目的 本研究の目的は、カウントと打率について調査するため に、文部科学大臣杯第 46,47,48,49 回全日本大学選手権大 会時における本学女子ソフトボール部選手を対象に、大会 後に公式スコアを用いて各年度別に比較することを本研究 の目的とした。 3. 方法 調査対象は本学女子ソフトボール部の2011-2014 年に行 われた文部科学大臣杯全日本大学選手権大会、計 14 試合 337 打席である。全 12 通りのボールカウント別(0B-0S、 1B-0S、2B-0S、3B-0S、0B-1S、1B-1S、2B-1S、3B-1S、 0B-2S、1B-2S、2B-2S、3B-2S)の打率を算出した。 4. 結果 0B-2S、1B-2S、2B-2S でバッティングをした時は、圧 倒的にアウトが多いことが示されている。アウト率が高く 示されたカウントは、3B-0S を除くと、0B-2S と 2B-2S (0.833)であった。 2 ストライクに追い込まれることで、打者は、ストライ クを見逃すことができない状況であり、厳しいボールも振 っていかなければならないため、打率が低い傾向にある。 1B-0S、1B-1S、2B-1S では、投手はストライクをとり にくる可能性が高くなり、打者は狙い球が絞りやすくなる ため、打率が高い傾向にある。 その中でもカウント打率においてもっとも高い値を示し たカウントは、2B-1S(0.571)であった。打率がアウト率 を上回っていることから、安打が出やすいカウントである ことが示された。 表1.4 年分カウント別データ カウント B-S 0-0 44 34 10 0.227 0.773 1-0 35 26 9 0.257 0.743 2-0 8 5 3 0.375 0.625 3-0 2 2 0 0.000 1.000 0-1 29 17 12 0.414 0.586 1-1 42 24 18 0.429 0.571 2-1 28 12 16 0.571 0.429 3-1 13 9 4 0.308 0.692 0-2 18 15 3 0.167 0.833 1-2 41 33 8 0.195 0.805 2-2 42 35 7 0.167 0.833 3-2 35 27 8 0.229 0.771 計 337 239 98 - - AVE 28.083 19.917 8.167 0.278 0.722 SD 14.513 11.516 5.357 0.151 0.151 MAX 44 35 18 0.571 1.000 MIN 2 2 0 0.000 0.429 アウト率 打率 安打 アウト 打数 図1.カウント別による打率とアウト率 5. 考察 本学女子ソフトボール部の最高打率のカウントは、2B-1S で0.571 であり、打者としては、初球から積極的にバットを 振っていき、2 ストライクに追い込まれる前に打っていくこ とが重要であり、ストライク・ボールを見極める選球眼も打 率を上げる一つとなる。 6. まとめ 1B-1S において、分岐する 2B-1S、1B-2S では、ストライ ク先行の 1B-2S での打率は明らかに低いため、1B-1S から の打撃がとても重要である。0B-2S、1B-2S、2B-2S と、打 者が追い込まれた打率は総じて低いため、打者は追い込まれ る前の積極的な攻めが重要である。0B-0S において、打率 0.227 と高いとは言い難いが、初球から狙い球を絞ってスイ ングしていくのも良い戦術となる。 7. 参考文献 1)Wikipedia:ボールカウント大学女子ソフトボール競技におけるカウントと打率の関係性
~打撃に着目して~
日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 髙橋 流星 助教 学籍番号 11A0771学生氏名 澤井
美佑 徳田 亜美 岩見 香枝
1. 背景 ボールカウントは、投手と打者の勝負の経過を表すもの であり、投手有利か打者有利かを示すバロメーターとなっ ている。一般的にストライクが先行していれば投手有利、 ボールが先行していれば打者有利と言われる1)。 ソフトボールの試合は打率だけでなく、様々な場面による 心理的状況や戦略が勝負と大きな関連性を持つが、私たち はこれらを踏まえず、本学女子ソフトボール部の「カウン トと打率の関係性」に着目し調べることにした。 2. 目的 本研究の目的は、カウントと打率について調査するため に、文部科学大臣杯第 46,47,48,49 回全日本大学選手権大 会時における本学女子ソフトボール部選手を対象に、大会 後に公式スコアを用いて各年度別に比較することを本研究 の目的とした。 3. 方法 調査対象は本学女子ソフトボール部の2011-2014 年に行 われた文部科学大臣杯全日本大学選手権大会、計 14 試合 337 打席である。全 12 通りのボールカウント別(0B-0S、 1B-0S、2B-0S、3B-0S、0B-1S、1B-1S、2B-1S、3B-1S、 0B-2S、1B-2S、2B-2S、3B-2S)の打率を算出した。 4. 結果 0B-2S、1B-2S、2B-2S でバッティングをした時は、圧 倒的にアウトが多いことが示されている。アウト率が高く 示されたカウントは、3B-0S を除くと、0B-2S と 2B-2S (0.833)であった。 2 ストライクに追い込まれることで、打者は、ストライ クを見逃すことができない状況であり、厳しいボールも振 っていかなければならないため、打率が低い傾向にある。 1B-0S、1B-1S、2B-1S では、投手はストライクをとり にくる可能性が高くなり、打者は狙い球が絞りやすくなる ため、打率が高い傾向にある。 その中でもカウント打率においてもっとも高い値を示し たカウントは、2B-1S(0.571)であった。打率がアウト率 を上回っていることから、安打が出やすいカウントである ことが示された。 表1.4 年分カウント別データ カウント B-S 0-0 44 34 10 0.227 0.773 1-0 35 26 9 0.257 0.743 2-0 8 5 3 0.375 0.625 3-0 2 2 0 0.000 1.000 0-1 29 17 12 0.414 0.586 1-1 42 24 18 0.429 0.571 2-1 28 12 16 0.571 0.429 3-1 13 9 4 0.308 0.692 0-2 18 15 3 0.167 0.833 1-2 41 33 8 0.195 0.805 2-2 42 35 7 0.167 0.833 3-2 35 27 8 0.229 0.771 計 337 239 98 - - AVE 28.083 19.917 8.167 0.278 0.722 SD 14.513 11.516 5.357 0.151 0.151 MAX 44 35 18 0.571 1.000 MIN 2 2 0 0.000 0.429 アウト率 打率 安打 アウト 打数 図1.カウント別による打率とアウト率 5. 考察 本学女子ソフトボール部の最高打率のカウントは、2B-1S で0.571 であり、打者としては、初球から積極的にバットを 振っていき、2 ストライクに追い込まれる前に打っていくこ とが重要であり、ストライク・ボールを見極める選球眼も打 率を上げる一つとなる。 6. まとめ 1B-1S において、分岐する 2B-1S、1B-2S では、ストライ ク先行の 1B-2S での打率は明らかに低いため、1B-1S から の打撃がとても重要である。0B-2S、1B-2S、2B-2S と、打 者が追い込まれた打率は総じて低いため、打者は追い込まれ る前の積極的な攻めが重要である。0B-0S において、打率 0.227 と高いとは言い難いが、初球から狙い球を絞ってスイ ングしていくのも良い戦術となる。 7. 参考文献 1)Wikipedia:ボールカウント大学女子ソフトボール競技におけるカウントと打率の関係性
~打撃に着目して~
日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 髙橋 流星 助教 学籍番号 11A0772学生氏名 下山 桃子 髙田 彩也香
1、 背景 ソフトボールのピッチングで最も代表的な投法はウィン ドミル投法である。鈴木 1)の報告によると、速いボールを 投げるには腕を速く振ればよいのであるが、腕の力だけで は限界があり、速いボールを投げるには、脚力が必要なの であるということが述べられている。一方、ボールを速く 投げられる者が必ずしもステップ動作が大きくないことが 示されており、尚且つ、投球方向への重心速度が高くない ことが報告されている。しかしながら、ステップ動作を大 きくした際、バランスやリリースポイントを崩すことなく 投げることができれば有効な投球ができる。そこで本研究 では、大学女子ソフトボール選手におけるピッチング中の 移動距離と投球速度の相関関係について疑問を持ったため 調査したいと考えた。 2、 目的 本研究は、大学女子ソフトボール選手におけるピッチン グ中の移動距離と投球速度の関係性について調査した。 3、 方法 3-1 被験者 被験者は、大学女子ソフトボール選手9 名(全て右投手) 3-2 測定機材および設置 測定に使用したボールは、試合用公認球を使用し、投球 速度を計測するために、スピードガンを使用した。また、 距離計測を行うために、メジャーを使用した。捕手の後方 約5m にスピードガンを設置し、投球スピードを計測した。 尚、スピードガンは、三脚にて固定し測定した。また、移 動時間を算出するために、iphone の動画カメラを用い、投 手の側方約3m より投球動作を撮影した。 3-3 測定方法 被験者には、いつも通りスピードを気にせずに投げるよ う指示し、投球は、計5 球行わせた。移動距離は、踏み出 す足(左足)のつま先から踏み出した足(左足)のかかとの位 置を測定した。 3-4 分析方法 分析方法は、各被験者の投球速度、移動距離、移動時間 をそれぞれMicrosoft Office Excel2010 にデータを取り込み、分析を行った。また、下記算出方法にて、5 球の移動速 度(m/s)を算出した。 式)移動速度(m/s)=移動距離(m)÷移動時間(sec) 4、結果 ボール速度(km/h)と移動速度(km/h)の相関関係系図であ る。両者には、1%水準で優位な相関関係が得られた。 図1、ボール速度と移動速度(m/h)の相関関係系図 5、 考察およびまとめ 本研究の結果(図1)により、1%水準で有意な相関関係が 得られたことから、移動速度が速いとボール速度が速くなる ことが示された。三谷2)によると投球方向への下肢の速い踏 み出し運動が、体幹および上肢の運動を加速させ球速を増加 させたと考えられる。つまり、ウィンドミル投法で高い速度 を得るためには、素早い身体の移動速度と移動距離および、 その素早い移動速度を急激に減速させ、上半身や上肢の回転 運動を生じさせることが必要不可欠であるのではないかと 推察される。今回の研究では、ボール速度(km/h)と移動速度 (km/h)の関係があり、今後の課題としてはストレートだけで なく変化球での相関も同じようなことが言えるのかを実証 していきたいと考える。 6、参考文献 1)鈴木佑芽:大学男女ソフトボール選手の投手における身 長、体重、踏み出し距離と球速の関係性,日本体育大学 運動方法(ソフト・野球)研究室,2013 卒業論文. 2)三谷保弘:投球動作における下肢の踏み出し運動が球速に 及ぼす影響について,関西福祉科学大学保険医療学部リ ハビリテーション学,p59 ,2011
大学女子ソフトボール選手におけるウィンドミル投法の物理的研究
~ボール速度と移動速度の関係性~
日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 髙橋 流星 助教 学籍番号 11A0788学生氏名 槌谷 史花 渡辺 美緒
1. 背景 教育機関で行われる部活動の中には、チームスポーツで 行う競技が存在する。チームスポーツでは、個人の力やチ ームの力が存在するため、個人の持っている要素を合わせ たもののみがチーム全体の力となるわけではない。チーム メンバーがコミュニケーションをとり、相互にかかわりあ う中で、団結力や集団効力感などが形成されることが言わ れている2)。 2. 目的 研究の目的は、日本体育大学の女子ソフトボール部は技 術面で見ると優れた人材が多いように見えるが試合などの 実践的な場面で結果を出し切れていない試合がたくさんあ る。その理由を考えたところチームの雰囲気や戦術、選手 の精神面が少なからず影響しているのではないかと考え る。そこでアンケート調査により結果を明確にし、改善点 を見つけ、個人的な技術面・精神面のスキルアップ及び集 団(チームワーク)の向上に役立てることを本研究の目的 とした。 3. 方法 被験者は日本体育大学女子ソフトボール部の1年生、2 年生、3 年生の計 51 名を被験者として 2014 年秋季リーグ 戦の試合(計5 試合)の前後および試合中の心理状況を調 査した。調査内容は、下記に示す通りである。 ◇試合前の質問 5 項目(Q1.決められた戦術をしっかり確 認している、Q2.メンバーの動きを予測している、Q3.チー ムを盛り上げるために声を出している、Q4.ミスをして落 ち込んでいるメンバーを励ましている、Q5.メンバーの悪 いプレーばかり注目している。)◇試合中の質問 10 項目 (Q1.最後まで諦めずに頑張ることができる、Q2.闘争心 (闘志)を持って試合することができる、Q3.目標達成す るという気持ちを持って試合することができる、Q4.勝つ という意欲を持って試合をすることができる、Q5.自分を 見失うことなく試合をすることができる、Q6.緊張しすぎ ることなく試合をすることができる、Q7.集中力を持って 試合することができる、Q8.自信を持って試合することが できる、Q9.作戦や状況判断をうまく行うことができる、 Q10.試合中や試合の合間に仲間と励まし合い協力すること ができる。)◇試合後の質問5 項目(Q1.決められた戦術をし っかり行った、Q2.メンバーのプレーを予測して動いた、Q3. チームを盛り上げるために声を出した、Q4.ミスをして落ち 込んでいるメンバーを励ました、Q5.メンバーの悪いプレー ばかり注目した)上記の計20 項目から構成されている。 4. 結果 64.7 68.6 80.2 73.5 41.4 72.7 73.1 81.8 73.9 39.8 74.6 73.8 81.3 74.2 42.5 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 10/4 国士・早大 10/10vs東富士・東女体 10/17vs日女体 図1. 試合前の心境について 5. 考察およびまとめ 1)試合前後を比較すると、試合の慣れが生じて個人に 安 心感が生まれ、集団の気持ちにも安心感ができてしまうと推 察される。選手同士での予測を比較すると、試合前より試合 後のほうが選手同士の動きの予測が高くなっていることが 推察される。試合を重ねるにつれて経験が増え、動きのイメ ージを獲得できている選手が増えていると考える。一方、次 に試合を控えていない最終戦のときには試合へ臨む気持ち が減少していく傾向にあることが推察された。2)試合中の チーム全体の試合に対する気持ちを比較すると、試合によっ て選手にかかるプレッシャーが変化しており、闘争心や集中 力も変化していることがグラフから明らかになった。このこ とから我々が行っている団体スポーツは、集団効力感を発揮 しなければならない競技でもあり、試合に勝つためには、重 要な事柄として捉えることが出来る。日本体育大学女子ソフトボール部員を対象とした集団効力感の研究
日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 髙橋 流星 助教 学籍番号 11A0792学生氏名 徳田
亜美 岩見 香枝 澤井 美佑
1. 背景 ボールカウントは、投手と打者の勝負の経過を表すもの であり、投手有利か打者有利かを示すバロメーターとなっ ている。一般的にストライクが先行していれば投手有利、 ボールが先行していれば打者有利と言われる1)。 ソフトボールの試合は打率だけでなく、様々な場面による 心理的状況や戦略が勝負と大きな関連性を持つが、私たち はこれらを踏まえず、本学女子ソフトボール部の「カウン トと打率の関係性」に着目し調べることにした。 2. 目的 本研究の目的は、カウントと打率について調査するため に、文部科学大臣杯第 46,47,48,49 回全日本大学選手権大 会時における本学女子ソフトボール部選手を対象に、大会 後に公式スコアを用いて各年度別に比較することを本研究 の目的とした。 3. 方法 調査対象は本学女子ソフトボール部の2011-2014 年に行 われた文部科学大臣杯全日本大学選手権大会、計 14 試合 337 打席である。全 12 通りのボールカウント別(0B-0S、 1B-0S、2B-0S、3B-0S、0B-1S、1B-1S、2B-1S、3B-1S、 0B-2S、1B-2S、2B-2S、3B-2S)の打率を算出した。 4. 結果 0B-2S、1B-2S、2B-2S でバッティングをした時は、圧 倒的にアウトが多いことが示されている。アウト率が高く 示されたカウントは、3B-0S を除くと、0B-2S と 2B-2S (0.833)であった。 2 ストライクに追い込まれることで、打者は、ストライ クを見逃すことができない状況であり、厳しいボールも振 っていかなければならないため、打率が低い傾向にある。 1B-0S、1B-1S、2B-1S では、投手はストライクをとり にくる可能性が高くなり、打者は狙い球が絞りやすくなる ため、打率が高い傾向にある。 その中でもカウント打率においてもっとも高い値を示し たカウントは、2B-1S(0.571)であった。打率がアウト率 を上回っていることから、安打が出やすいカウントである ことが示された。 表1.4 年分カウント別データ カウント B-S 0-0 44 34 10 0.227 0.773 1-0 35 26 9 0.257 0.743 2-0 8 5 3 0.375 0.625 3-0 2 2 0 0.000 1.000 0-1 29 17 12 0.414 0.586 1-1 42 24 18 0.429 0.571 2-1 28 12 16 0.571 0.429 3-1 13 9 4 0.308 0.692 0-2 18 15 3 0.167 0.833 1-2 41 33 8 0.195 0.805 2-2 42 35 7 0.167 0.833 3-2 35 27 8 0.229 0.771 計 337 239 98 - - AVE 28.083 19.917 8.167 0.278 0.722 SD 14.513 11.516 5.357 0.151 0.151 MAX 44 35 18 0.571 1.000 MIN 2 2 0 0.000 0.429 アウト率 打率 安打 アウト 打数 図1.カウント別による打率とアウト率 5. 考察 本学女子ソフトボール部の最高打率のカウントは、2B-1S で0.571 であり、打者としては、初球から積極的にバットを 振っていき、2 ストライクに追い込まれる前に打っていくこ とが重要であり、ストライク・ボールを見極める選球眼も打 率を上げる一つとなる。 6. まとめ 1B-1S において、分岐する 2B-1S、1B-2S では、ストライ ク先行の 1B-2S での打率は明らかに低いため、1B-1S から の打撃がとても重要である。0B-2S、1B-2S、2B-2S と、打 者が追い込まれた打率は総じて低いため、打者は追い込まれ る前の積極的な攻めが重要である。0B-0S において、打率 0.227 と高いとは言い難いが、初球から狙い球を絞ってスイ ングしていくのも良い戦術となる。 7. 参考文献 1)Wikipedia:ボールカウント大学女子ソフトボール競技におけるカウントと打率の関係性
~打撃に着目して~
日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 髙橋 流星 助教 学籍番号 11A0827学生氏名 松畑 美希 市川 明佳
1. 背景 近年におけるスポーツ選手の心理的要因は、気分プロフ ィール検査:Profile of Mood States(以下 POMS)を用いて、 多くの報告や研究が遂行されてきている。 POMS は、気分状態に基づく 30 項目の質問が①緊張― 不安②抑うつ―落ち込み③怒り―敵意④活動性⑤疲労⑥混 乱の6 つの因子のもとに配されたものである。この POMS は、アメリカの心理学者であるMcNair によって人間の情 動を気分や感情といった主観的側面からアプローチするこ とに1950 年の終わりから 1960 年にかけて欧米を中心に開 発がすすめられ、日本では1994 年に初版が完成され POMS を用いた研究が増加している。POMS を用いたスポ ーツにおける研究では、「青年期における運動・スポーツ活 動とメンタルヘルスとの関係」や「サッカー選手のコンデ ィショニングについて」などが行われている。 2. 目的 本研究の目的は、POMS を使用した研究は、多くの研究 者や教育機関等でなされている。また、2012 年に西口ら、 2013 年に小松らが大学女子ソフトボール選手におけるメ ンタルコンディショニングのチェックについては調査を行 った。本研究では、第46 回東京都大学ソフトボール秋季 リーグ戦、第45 回関東大学女子ソフトボール選手権大会 の計4日間の前日練習後に POMS短縮版検査を用いて各日 程別に全体のスターティングメンバーとベンチメンバー、 補欠の違いを検討し調査することを本研究の目的とした。 3. 方法 対象者は、本学女子ソフトボール部47 名で第 46 回東京 都大学秋季リーグ・第45 回関東大学女子ソフトボール大 会の競技大会前日である平成26 年 10 月 3 日、11 月 15 日 と大会期間中である平成26 年 10 月 11 日、11 月 16 日の 計4 日間とし POMS を用いて、心理的要因を調査した。ま た、被験者は、練習および試合後にPOMS のアンケートに 回答させた。 4. 結果 7.8 3.8 3.1 10.8 4.5 6.0 5.1 2.5 1.6 8.6 3.3 4.5 3.2 1.8 1.5 7.0 3.1 4.4 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 緊張T-A 抑うつD 怒りA-H 活動V 疲労F 混乱C スターティングメンバー ベンチメンバー 補欠 図1.各項目の T-スコアの平均値 8.1 4.3 3.5 11.6 4.7 6.1 7.5 3.3 2.8 10.0 4.3 6.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 緊張T-A 抑うつD 怒りA-H 活動V 疲労F 混乱C 秋季リーグ 関東選手権 図2.スターティングメンバーの試合別 T-スコア 5. 考察及びまとめ 秋季リーグ及び関東選手権の結果から、スターティングメ ンバーはベンチメンバー及び補欠と比べ、「混乱」「緊張」の 数値が高く示されている。スターティングメンバーは「勝た なければいけない」というプレッシャーがあったとのではな いかと推察される。また、スターティングメンバーの秋季リ ーグと関東選手権を比較すると、全体的に秋季リーグの数値 が高い。その理由として「新チームの最初の公式戦で初めて スターティングメンバーを任された選手が多いため、気持ち に余裕がなく、緊張や不安が生じた」と推察される。 6. 参考文献 1) 西口紗弓,高橋流星:大学女子ソフトボール部選手にお ける試合中の心理状態,日本体育大学運動方法(ソフ ト・野球)研究室,2012 年度卒業論文. 2) 小松優歩,高橋流星:大学女子ソフトボール選手におけ るオフシーズン中の心理状態~POMS を用いた心理 評価~,日本体育大学運動方法,(ソフト・野球)研究 室,2013 年度卒業論文大学女子ソフトボール選手における
Profile of Mood Statesを用いた心理
的要因の調査 ~各メンバーおよび各大会の比較~
日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 高橋 流星 助教学籍番号 11A0829
学生氏名 溝口 寛子 沢見 智恵
1、背景 心理的競技能力検査(Diagnostic Inventory of Psychological-Competitive Ability for Athletes:以下 DIPCA)は、選手やチーム全体の心理的競技能力の特 徴を知れるため、心理面のトレーニングに役立てるこ とができる1)とされている。そこで本学女子ソフトボー ル選手に着目し、心理的競技能力の実情を調査し今後 のソフトボール競技の発展へと繋がるよう研究を遂行 した。 2、目的 本研究の目的は、第45 回関東大学女子ソフトボール 選手権大会時における日本体育大学女子ソフトボール 部の心理傾向を評価するため、第一試合後、準決勝・決 勝後にそれぞれDIPCA を用いて各日程別にレギュラー メンバーと非レギュラーメンバーの違いを検討し調査 することを本研究の目的とした。 3、方法 2014 年 11 月 14 日から 17 日に行われた第 45 回関東 大学ソフトボール選手権大会期間中に本学女子ソフト ボール部のベンチ入りメンバー25 名を対象に DIPCA を用いて、アンケート方法にて調査を行った。調査場所 は、第一回目は11 月 16 日の第一試合終了後に宿泊し ているホテルのミーティングルームにて行い、第二回目 は11 月 17 日の準決勝・決勝後に学校の教室で行い、2 回に分けて調査を行った。 4、結果 14.5 17.1 16.3 16.7 13.6 13.2 14.7 12.4 12.9 13.5 13.3 16.9 16.8 15.5 15.8 14.6 14.1 15 11.8 12.3 12.2 12.6 16.4 10 11 12 13 14 15 16 17 18 忍耐力 闘争心 自己実現 勝利意欲 自己コントー ル リラックス 集中力 自信 決断力 予測力 判断力 協調性 レギュラー 非レギュラー 図1.レギュラーと非レギュラーの比較結果 5、考察およびまとめ 辻らによると日本代表経験者は日本代表未経験者に比べ、 ハンドボール競技の習熟度が「判断力」を高めると述べてい る。女子のソフトボール競技においてもレギュラーメンバー に比べ、非レギュラーメンバーは「予測力」の強化が必要で あることが分かった。これは、普段の練習が深く関係してい る。多くの部員が在籍する本校のソフトボール部の中でも、 レギュラーは中心となり練習をしていることから、実践練習 を非レギュラーに比べ数多く行っている。そういった試合の 経験がこのような結果になったのではないかと考える。 このことから、レギュラーメンバーはソフトボール競技も ハンドボール競技と同様に習熟度が「判断力」を高めたので はないかと推察される。 本研究の被験者は、本学女子ソフトボール部であり、9 月 から新チーム体制でスタートされており、多くの選手が試合 経験の不足や新しいポジションなどで、試合を行ったため、 習熟度が低く、「判断力」や「予測力」が低い値を示したと 思われる。 これから数多くの実戦を積み、習熟度を高め「予測力」「判 断力」を含む、「作戦能力」を高めることが本校の女子ソフ トボール部のチーム強化に繋がることが考えられる。これ は、ハンドボール競技においても共通している。 背景でも述べたが、このような結果から考えられることは、 「作戦能力」を強化することによりチームが勝利するために 重要な要素として考えることができる。 6、参考文献 1)半田洋平,高田正義:高校ハンドボール選手の心理的競技能 力についてーチーム内における競技力の違いから- 愛知学 院大学教養部紀要23号2013,P4 2)辻昇一,高井秀明,栗山雅倫,楠本恭久,松井幸嗣:日本 トップリーグにおけるハンドボール選手の心理的競技能力 からみた強化方略の検討 日本体育大学紀要42 (1),25–33, 2012大学女子ソフトボール選手の心理的競技能力に関する考察
―関東インカレに参加した女子選手を対象として―
日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 髙橋 流星 助教 学籍番号 11A0846学生氏名 渡辺 美緒 槌谷 史花
1. 背景 教育機関で行われる部活動の中には、チームスポーツで 行う競技が存在する。チームスポーツでは、個人の力やチ ームの力が存在するため、個人の持っている要素を合わせ たもののみがチーム全体の力となるわけではない。チーム メンバーがコミュニケーションをとり、相互にかかわりあ う中で、団結力や集団効力感などが形成されることが言わ れている2)。 2. 目的 研究の目的は、日本体育大学の女子ソフトボール部は技 術面で見ると優れた人材が多いように見えるが試合などの 実践的な場面で結果を出し切れていない試合がたくさんあ る。その理由を考えたところチームの雰囲気や戦術、選手 の精神面が少なからず影響しているのではないかと考え る。そこでアンケート調査により結果を明確にし、改善点 を見つけ、個人的な技術面・精神面のスキルアップ及び集 団(チームワーク)の向上に役立てることを本研究の目的 とした。 3. 方法 被験者は日本体育大学女子ソフトボール部の1年生、2 年生、3 年生の計 51 名を被験者として 2014 年秋季リーグ 戦の試合(計5 試合)の前後および試合中の心理状況を調 査した。調査内容は、下記に示す通りである。 ◇試合前の質問 5 項目(Q1.決められた戦術をしっかり確 認している、Q2.メンバーの動きを予測している、Q3.チー ムを盛り上げるために声を出している、Q4.ミスをして落 ち込んでいるメンバーを励ましている、Q5.メンバーの悪 いプレーばかり注目している。)◇試合中の質問 10 項目 (Q1.最後まで諦めずに頑張ることができる、Q2.闘争心 (闘志)を持って試合することができる、Q3.目標達成す るという気持ちを持って試合することができる、Q4.勝つ という意欲を持って試合をすることができる、Q5.自分を 見失うことなく試合をすることができる、Q6.緊張しすぎ ることなく試合をすることができる、Q7.集中力を持って 試合することができる、Q8.自信を持って試合することが できる、Q9.作戦や状況判断をうまく行うことができる、 Q10.試合中や試合の合間に仲間と励まし合い協力すること ができる。)◇試合後の質問5 項目(Q1.決められた戦術をし っかり行った、Q2.メンバーのプレーを予測して動いた、Q3. チームを盛り上げるために声を出した、Q4.ミスをして落ち 込んでいるメンバーを励ました、Q5.メンバーの悪いプレー ばかり注目した)上記の計20 項目から構成されている。 4. 結果 64.7 68.6 80.2 73.5 41.4 72.7 73.1 81.8 73.9 39.8 74.6 73.8 81.3 74.2 42.5 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 10/4 国士・早大 10/10vs東富士・東女体 10/17vs日女体 図1. 試合前の心境について 5. 考察およびまとめ 1)試合前後を比較すると、試合の慣れが生じて個人に 安 心感が生まれ、集団の気持ちにも安心感ができてしまうと推 察される。選手同士での予測を比較すると、試合前より試合 後のほうが選手同士の動きの予測が高くなっていることが 推察される。試合を重ねるにつれて経験が増え、動きのイメ ージを獲得できている選手が増えていると考える。一方、次 に試合を控えていない最終戦のときには試合へ臨む気持ち が減少していく傾向にあることが推察された。2)試合中の チーム全体の試合に対する気持ちを比較すると、試合によっ て選手にかかるプレッシャーが変化しており、闘争心や集中 力も変化していることがグラフから明らかになった。このこ とから我々が行っている団体スポーツは、集団効力感を発揮 しなければならない競技でもあり、試合に勝つためには、重 要な事柄として捉えることが出来る。日本体育大学女子ソフトボール部員を対象とした集団効力感の研究
日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 高橋 流星 助教学籍番号 13A2059
学生氏名 沢見 智恵 溝口 寛子
1、背景 心理的競技能力検査(Diagnostic Inventory of Psychological-Competitive Ability for Athletes:以下 DIPCA)は、選手やチーム全体の心理的競技能力の特 徴を知れるため、心理面のトレーニングに役立てるこ とができる1)とされている。そこで本学女子ソフトボー ル選手に着目し、心理的競技能力の実情を調査し今後 のソフトボール競技の発展へと繋がるよう研究を遂行 した。 2、目的 本研究の目的は、第45 回関東大学女子ソフトボール 選手権大会時における日本体育大学女子ソフトボール 部の心理傾向を評価するため、第一試合後、準決勝・決 勝後にそれぞれDIPCA を用いて各日程別にレギュラー メンバーと非レギュラーメンバーの違いを検討し調査 することを本研究の目的とした。 3、方法 2014 年 11 月 14 日から 17 日に行われた第 45 回関東 大学ソフトボール選手権大会期間中に本学女子ソフト ボール部のベンチ入りメンバー25 名を対象に DIPCA を用いて、アンケート方法にて調査を行った。調査場所 は、第一回目は11 月 16 日の第一試合終了後に宿泊し ているホテルのミーティングルームにて行い、第二回目 は11 月 17 日の準決勝・決勝後に学校の教室で行い、2 回に分けて調査を行った。 4、結果 14.5 17.1 16.3 16.7 13.6 13.2 14.7 12.4 12.9 13.5 13.3 16.9 16.8 15.5 15.8 14.6 14.1 15 11.8 12.3 12.2 12.6 16.4 10 11 12 13 14 15 16 17 18 忍耐力 闘争心 自己実現 勝利意欲 自己コントー ル リラックス 集中力 自信 決断力 予測力 判断力 協調性 レギュラー 非レギュラー 図1.レギュラーと非レギュラーの比較結果 5、考察およびまとめ 辻らによると日本代表経験者は日本代表未経験者に比べ、 ハンドボール競技の習熟度が「判断力」を高めると述べてい る。女子のソフトボール競技においてもレギュラーメンバー に比べ、非レギュラーメンバーは「予測力」の強化が必要で あることが分かった。これは、普段の練習が深く関係してい る。多くの部員が在籍する本校のソフトボール部の中でも、 レギュラーは中心となり練習をしていることから、実践練習 を非レギュラーに比べ数多く行っている。そういった試合の 経験がこのような結果になったのではないかと考える。 このことから、レギュラーメンバーはソフトボール競技も ハンドボール競技と同様に習熟度が「判断力」を高めたので はないかと推察される。 本研究の被験者は、本学女子ソフトボール部であり、9 月 から新チーム体制でスタートされており、多くの選手が試合 経験の不足や新しいポジションなどで、試合を行ったため、 習熟度が低く、「判断力」や「予測力」が低い値を示したと 思われる。 これから数多くの実戦を積み、習熟度を高め「予測力」「判 断力」を含む、「作戦能力」を高めることが本校の女子ソフ トボール部のチーム強化に繋がることが考えられる。これ は、ハンドボール競技においても共通している。 背景でも述べたが、このような結果から考えられることは、 「作戦能力」を強化することによりチームが勝利するために 重要な要素として考えることができる。 6、参考文献 1)半田洋平,高田正義:高校ハンドボール選手の心理的競技能 力についてーチーム内における競技力の違いから- 愛知学 院大学教養部紀要23号2013,P4 2)辻昇一,高井秀明,栗山雅倫,楠本恭久,松井幸嗣:日本 トップリーグにおけるハンドボール選手の心理的競技能力 からみた強化方略の検討 日本体育大学紀要42 (1),25–33, 2012大学女子ソフトボール選手の心理的競技能力に関する考察
―関東インカレに参加した女子選手を対象として―
日本体育大学 卒業抄録
野球・ソフト研究室 指導教員 髙橋 流星 助教 学籍番号 13A2069学生氏名 髙田 彩也香 下山 桃子
1、 背景 ソフトボールのピッチングで最も代表的な投法はウィン ドミル投法である。鈴木 1)の報告によると、速いボールを 投げるには腕を速く振ればよいのであるが、腕の力だけで は限界があり、速いボールを投げるには、脚力が必要なの であるということが述べられている。一方、ボールを速く 投げられる者が必ずしもステップ動作が大きくないことが 示されており、尚且つ、投球方向への重心速度が高くない ことが報告されている。しかしながら、ステップ動作を大 きくした際、バランスやリリースポイントを崩すことなく 投げることができれば有効な投球ができる。そこで本研究 では、大学女子ソフトボール選手におけるピッチング中の 移動距離と投球速度の相関関係について疑問を持ったため 調査したいと考えた。 2、 目的 本研究は、大学女子ソフトボール選手におけるピッチン グ中の移動距離と投球速度の関係性について調査した。 3、 方法 3-1 被験者 被験者は、大学女子ソフトボール選手9 名(全て右投手) 3-2 測定機材および設置 測定に使用したボールは、試合用公認球を使用し、投球 速度を計測するために、スピードガンを使用した。また、 距離計測を行うために、メジャーを使用した。捕手の後方 約5m にスピードガンを設置し、投球スピードを計測した。 尚、スピードガンは、三脚にて固定し測定した。また、移 動時間を算出するために、iphone の動画カメラを用い、投 手の側方約3m より投球動作を撮影した。 3-3 測定方法 被験者には、いつも通りスピードを気にせずに投げるよ う指示し、投球は、計5 球行わせた。移動距離は、踏み出 す足(左足)のつま先から踏み出した足(左足)のかかとの位 置を測定した。 3-4 分析方法 分析方法は、各被験者の投球速度、移動距離、移動時間 をそれぞれMicrosoft Office Excel2010 にデータを取り込み、分析を行った。また、下記算出方法にて、5 球の移動速 度(m/s)を算出した。 式)移動速度(m/s)=移動距離(m)÷移動時間(sec) 4、結果 ボール速度(km/h)と移動速度(km/h)の相関関係系図であ る。両者には、1%水準で優位な相関関係が得られた。 図1、ボール速度と移動速度(m/h)の相関関係系図 5、 考察およびまとめ 本研究の結果(図1)により、1%水準で有意な相関関係が 得られたことから、移動速度が速いとボール速度が速くなる ことが示された。三谷2)によると投球方向への下肢の速い踏 み出し運動が、体幹および上肢の運動を加速させ球速を増加 させたと考えられる。つまり、ウィンドミル投法で高い速度 を得るためには、素早い身体の移動速度と移動距離および、 その素早い移動速度を急激に減速させ、上半身や上肢の回転 運動を生じさせることが必要不可欠であるのではないかと 推察される。今回の研究では、ボール速度(km/h)と移動速度 (km/h)の関係があり、今後の課題としてはストレートだけで なく変化球での相関も同じようなことが言えるのかを実証 していきたいと考える。 6、参考文献 1)鈴木佑芽:大学男女ソフトボール選手の投手における身 長、体重、踏み出し距離と球速の関係性,日本体育大学 運動方法(ソフト・野球)研究室,2013 卒業論文. 2)三谷保弘:投球動作における下肢の踏み出し運動が球速に 及ぼす影響について,関西福祉科学大学保険医療学部リ ハビリテーション学,p59 ,2011