第 22 回日本救急放射線研究会
1.研究発表会
日時:平成 24 年 9 月 29 日(土)13:30〜15:30
平成 24 年 9 月 30 日(日) 8:30〜12:00
会場:NCC & スタジオ
〒 857-8527 長崎県長崎市茂里町 3-2
TEL:095-843-7007
2.ERセミナー
日時:平成 24 年 9 月 29 日(土)15:30〜17:00
会場:NCC & スタジオ
〒 857-8527 長崎県長崎市茂里町 3-2
TEL:095-843-7007
日本救急放射線研究会事務局: 〒 216-8511 神奈川県川崎市宮前区菅生 2-16-1 聖マリアンナ医科大学放射線医学 中島康雄 TEL:044-977-8111 FAX:044-977-2931 第 22 回日本救急放射線研究会世話人: 〒 904-2293 沖縄県うるま市宮里 281 沖縄県立中部病院放射線科 高良博明 TEL:098-973-4111 FAX:098-974-5165 主催: 日本救急放射線研究会第 22 回日本救急放射線研究会のご案内
受付 NCC & スタジオで 9 月 29 日は 13:00 より,9 月 30 日は 8:00 より開始いたします. 1) 一般演題 発表者 一般演題の口演時間は発表 6 分,質疑応答時間を 2 分とさせていただきます. 発表時間を厳守してください. 発表形式 秋季シンポジウムの発表形式に準じます. 2) 石川メモリアル・レクチャー 座長:井田正博(荏原病院放射線科) 講師:外山芳弘(香川大学医学部放射線診断科) 「頭頸部領域の救急疾患− QOL を左右する画像診断−」 共催:第一三共株式会社 3) 特別教育講演 座長:中島康雄(聖マリアンナ医科大学放射線医学) 講師:佐藤 豊(アイオワ大学医学部放射線科)「Pediatric CNS Trauma with Emphasis on Nonaccidental Head Injury」 4) フィルム・リーディング・セッション
・研究会当日 9 月 29 日 13:30 より会場前に症例を提示いたします.
・症例提示わきに準備してあります回答用紙を 9 月 30 日 10:30 までに提出してください. ・成績優秀者はセッション終了後に発表します.奮ってご参加ください.
5) ER セミナー 9 月 29 日(土) 15:30∼17:00 テーマ「Critical care imaging」
担当:西巻 博(聖マリアンナ医科大学心臓血管外科)
・「急性呼吸器疾患に対する実践的診療手順」 藤島清太郎(慶應義塾大学医学部救急医学)
・「ICU Radiology」 松本純一(聖マリアンナ医科大学救急医学)
研究会
(救急放射線)
第 22 回日本救急放射線研究会プログラム
9 月 29 日(土) 開会の辞(13:30) 高良博明(沖縄県立中部病院・放) 一般演題 Session 1(13:32〜14:20) 座長:松本純一(聖マリアンナ医科大・救急医学) 1 異所性膵に発症した急性膵炎の 1 例 京都市立病院・放 立川裕之 2 DIC(Drip Infusion Cholecystocholangiography)-CT 所見が,治療方針決定に関与した腹部外傷の 2 症例 公立甲賀病院・放 濱中訓生 3 卵巣静脈の同定が女性生殖器の捻転の診断に有用であった 3 例 東京都立多摩総合医療センター・診療放射線科 伊藤浩一 4 腎動脈損傷後に生じた腎血管性高血圧症の 1 例 国立病院機構仙台医療センター・救急科 加賀谷知己雄 5 腎生検後の遅発性再出血に対して塞栓術を施行した 1 例 名古屋市大・放 下平政史 6 救急放射線科医が設計した第 3 次救命救急センターを有する地域中核病院放射線科の紹介 那須赤十字病院・放 水沼仁孝 Session 2(14:20〜15:00) 座長:伊東一志(公立置賜総合病院・放) 7 硬膜静脈洞血栓症を合併した特発性低髄圧症候群の一例 荏原病院・放 遠藤健二 8 Marfan 症候群に合併した緊張性気脳症の 1 例 河北総合病院・救急部 渡邉 元 9 Systemic Capillary Leak Syndrome の一例 藤沢市民病院・画像診断科 藤井佳美 10 胸骨圧迫に伴う内胸動脈損傷と血管塞栓術 日本医科大学武蔵小杉病院・血管内・低侵襲治療センター 竹ノ下尚子 11 経時的に CT で観察し得た急性大動脈解離破裂の 1 例 日本医科大学千葉北総病院・放 進藤惠美 石川メモリアル・レクチャー(15:00〜15:30) 座長:井田正博(荏原病院・放) 「頭頸部領域の救急疾患− QOL を左右する画像診断−」 外山芳弘(香川大・放) 共催:第一三共株式会社 9 月 30 日(日) 特別教育講演(8:30〜9:00) 座長:中島康雄(聖マリアンナ医科大学・放) 「Pediatric CNS Trauma with Emphasis on Nonaccidental Head Injury」
佐藤 豊(アイオワ大学医学部・放) Session 3(9:00 〜 9:40) 座長:我那覇文清(沖縄県立南部医療センター・放) 12 憩室のため CT 診断が困難であった,外傷性十二指腸穿孔の 1 例 亀田総合病院・救命救急科 横尾由紀 13 Closed-loop に拡張を認められなかった絞扼性イレウスの 4 例 愛媛県立中央病院・放 村上忠司 14 内翻 Meckel 憩室を先進部とした成人腸重積の 1 例 滋賀医大・放 白波瀬歩 15 術前に診断し経時的変化を確認できた爪楊枝穿孔の 1 例 横須賀共済病院・放 厳吾 16 十二指腸穿孔を合併したロタウイルス腸炎の乳児 2 例 国立成育医療研究センター・放射線診療部 宮坂実木子 Session 4(9:40〜10:28) 座長:亀井誠二(愛知医科大・放) 17 GDA 近位部の仮性動脈瘤に対しバルーンカテーテルを併用した backdoor アプローチによる塞栓術が有効であった 1 例 PL 病院・放 前林徹範 18 横行結腸に穿通し下血で発症した仮性脾動脈瘤の一例 公立置賜総合病院・放 伊東一志 19 下部消化管急性出血に対し,NBCA-lipiodol 混和液を用いた TAE が奏功した二例 日野市立病院・放 三浦弘志 20 卵巣癌術後再発による小腸浸潤に伴う大量下血に対し,金属コイル及び IPM/CS を併用した動脈塞栓術が奏功した 1 例 東京医科大学・放 大高 純 21 膵癌術後出血に対し繰り返し IVR をしたが救命しえなかった 1 例 奈良医大・放 孤杉公啓 22 膵仮性嚢胞内出血に対しコイル塞栓術を施行した 3 例 浦添総合病院・放 宜保慎司
Session 5(10:28〜11:00) 座長:穴井 洋(奈良医大・放) 23 右総頸動脈に生じた仮性動脈瘤に対し,カバードステント留置術が奏功した 1 例 弘前大学大学院医学研究科・放射線科学講座 掛端伸也 24 左肺動脈本幹に迷入した SMART ステントに対し,経静脈的抜去に成功した 1 例 熊本赤十字病院・放 菅原丈志 25 当院における仮性瘤に対するステントグラフト内挿術について 鹿児島大学病院・放 池田俊一郎 26 子宮頸癌による出血性ショックに対して TAE にて止血をし得た 1 例 独立行政法人国立相模原病院機構相模原病院・放 田口智香子 フィルム・リーディング・セッション(11:00〜11:57) 座長:東浦 渉(沖縄県立中部病院・放) 又吉 隆(那覇市立病院・放) 閉会の辞(11:57〜12:00) 亀井誠二(愛知医科大・放) ER セミナー 9 月 29 日(土)15:30〜17:00
テーマ「Critical care imaging」 司会:西巻 博(聖マリアンナ医科大学) 15:30∼16:00 急性呼吸器疾患に対する実践的診療手順 藤島清太郎(慶應義塾大学) 16:00∼16:30 ICU Radiology 松本純一(聖マリアンナ医科大学) 16:30∼17:00 消化管出血の CT 西巻 博(聖マリアンナ医科大学)
S 573 平成 24 年 8 月 28 日
研究会
(救急放射線)
❏
日本救急放射線研究会講演発表抄録❏
9月29日(土) 13:32〜14:20Session 1
座長:松本純一(聖マリアンナ医科大・救急医学) 1 異所性膵に発症した急性膵炎の 1 例 京都市立病院 放射線科1, 京都市立病院 外科2, 京都市立病院 臨床病理科3 立川裕之1,里上直衛1,藤本良太1,早川克己1, 玉木一路2,上 和広2,河野文彦3 症例は 50 歳代男性.来院前日に大量の飲酒をし,翌日 左側腹部痛が出現し救急受診.膵アミラーゼは正常範囲 内であった.造影 CT では小腸間膜内に正常膵に似た分 葉状形態,同様の造影パターンを示す腫瘤が認められ, 周囲腸間膜,腸管壁に炎症の波及を認めた.緊急で腫瘤 摘出術が施行された.小腸間膜に柔らかい腫瘤を認め, 小腸粘膜に潰瘍の形成と,同部より排膿を認めた.病理 所見では粘膜下から腸間膜にかけて膵組織を認め,周囲 には好中球優位の炎症細胞浸潤,脂肪壊死,線維化を 伴っていた.異所性膵は胃や十二指腸などの消化管や Meckel 憩室などに発生することが多い.腸間膜に発生 し,さらに急性膵炎を生じるものは非常に稀であり,若干 の文献的考察を加えて報告する.2 DIC(Drip Infusion Cholecystocholangiography)- CT 所見が,治療方針決定に関与した腹部外傷の 2 症例 公立甲賀病院 放射線科 濱中訓生,井上明星,板橋健太郎,井本勝治, 山崎道夫,坂本 力 症例 1:60 歳代男性,胆嚢損傷に対し保存的加療を 行っていた.第 6 病日腹痛が出現し,CT では胆嚢粘膜の 一部途絶が疑われ,胆嚢穿孔を考えた.DIC-CT で胆汁漏 出を認めず,保存的加療の継続を選択し第 15 病日に軽快 退院した.症例 2:30 歳代男性,IIIb 型肝損傷に対し, TAE を行った.第 5 病日に腹膜刺激症状を伴う腹痛が出 現した.CT では肝周囲の血腫のみで,限局した遅発性腸 管穿孔や胆汁性腹膜炎を考えた.DIC-CT で腹腔内への胆 汁漏を認め,胆汁性腹膜炎と診断した.経皮的ドレナー ジ術及び ENBD による保存的加療で,第 68 病日軽快退 院した.DIC-CT は過去に有用性の検討が少ないことや被 曝,造影剤の副作用から定まった評価を得ていないが, 非侵襲的に胆嚢,胆管の評価が可能で,外傷診療におい て有用な評価法となる可能性がある. 3 卵巣静脈の同定が女性生殖器の捻転の診断に有用で あった 3 例 東京都立多摩総合医療センター 診療放射線科 伊藤浩一,竹内 均,鴨志田久美,増川 愛, 荒木潤子,片瀬七朗,高田ゆかり 女性生殖器の捻転の診断は,他の急性腹症との鑑別を 要するため,容易ではない.救命と妊孕性の保持の観点 から,早期の診断と手術が必要である.近年,女性生殖 器の捻転の報告が多くなされているが,術前の画像診断 に関する検討は少ない. 当院で経験した女性生殖器が捻転していた 3 例の CT 所見の特徴を検討した.捻転していたのは,それぞれ子 宮,卵巣腫瘍,漿膜下子宮筋腫であった.そのうち子宮 の捻転の報告は極めてまれであり,CT では両側卵巣静脈 が付属器付近にて造影欠損を認めた.今回我々は,捻転 の診断に CT での卵巣静脈の評価が有用であった 3 例を 経験したので,若干の文献的考察を含め報告する. 4 腎動脈損傷後に生じた腎血管性高血圧症の 1 例 国立病院機構仙台医療センター 救急科1, 泌尿器科2, 放射線科3 加賀谷知己雄1,櫻井睦美1,篠原大輔1,山田康雄1, 吉川和行2,力丸裕哉3,佐藤明弘3 症例は 50 歳男性.伐採作業中に木が倒れ受傷.CT に て右腎の造影不良を認め,腎動脈損傷と診断した.保存 的加療を行い,受傷 11 日目の CT では,右腎動脈本幹が 近位で途絶,遠位で再び細い血流を認め,腎の造影効果 が改善していた.受傷 18 日目に軽快退院.受傷約 1 カ月 後に頭痛が出現,約 2 カ月後の検診で血圧高値を指摘さ れた.受傷約 3 カ月後の外来受診時に腎血管性高血圧疑 いで降圧薬内服を開始,その 4 日後に痙攣が出現,高血 圧脳症の診断で緊急入院となった.薬物治療後,根治的 治療目的に右腎動脈塞栓術を行い,高血圧は軽快傾向, 外来にて経過観察中である.腎動脈損傷後の腎血管性高 血圧症に対して腎動脈塞栓術を施行した 1 例を経験した ため,文献的考察を加えて報告する. 5 腎生検後の遅発性再出血に対して塞栓術を施行した 1 例 名古屋市大 放1, 刈谷豊田総合病院 放2, 名古屋市立東部医療センター 放3 下平政史1,橋爪卓也1,河合辰也1,太田賢吾1, 鈴木庸介1,芝本雄太1,黒坂健一郎2,鈴木一史3 症例は 43 歳男性.持続する不明熱,関節炎症状,抗 核抗体強陽性があり,SLE 疑いにて腎生検が施行され た.生検後,腰痛出現し,造影 CT を施行し,左腎周囲に 血腫を確認したが,明らかな extravasation や仮性動脈瘤 は無く,経過観察となった.2 日後,突然の腰痛が生じ, ショック状態となったため,緊急にて動脈塞栓術が施行 された.血管造影では,両腎に微小な動脈瘤が多発して おり,結節性多発動脈炎と診断された.穿刺ルートと思 われる下極の分枝および皮膜動脈に,extravasation がみ られ,ゼラチンスポンジおよびコイルにて塞栓し,良好な 止血が得られた. 6 救急放射線科医が設計した第 3 次救命救急センター を有する地域中核病院放射線科の紹介 那須赤十字病院 放射線科 水沼仁孝,森川和彦 「常に自分は医療者にケアされている」と感じさせる接 遇,合理的な画像診断部門の運営,そして救急部門と画 像診断・IVR・内視鏡部門の一体化を念頭に設計を行った. 今回,その内容を紹介する.廊下を挟み,CT,MR の西側 に救急センター,北側に東に向かって XTV,IVR,内視 鏡,超音波を並べた.胸部(立位)専用撮影室とそれ専用の 個人更衣室 8 室,CT,MR 患者用ロッカールーム,車椅 子用更衣室,問診・血管確保・ルート抜去・造影剤副作用 チェックなどを行う看護師コーナーなどを設けた.緊急お よび入院症例は外来患者の目に触れずに検査室に入室可 能.画像は JPEG 配信可能とし院外においても大量の救 急画像をタブレットなどで閲覧できるようにした.
S 574 第 48 回日本医学放射線学会秋季臨床大会抄録集 9月29日(土) 14:20〜15:00
Session 2
座長:伊東一志(公立置賜総合病院・放) 7 硬膜静脈洞血栓症を合併した特発性低髄圧症候群の 一例 荏原放 遠藤健二,井田正博 今回,我々は特発性低髄圧症候群に硬膜静脈洞血栓症 を合併した一例を経験した. 症例は 40 歳代男性,2 週間前より続く頭痛と左上肢痛 を主訴に当院受診. MRI では上矢状洞に血栓があり,頭蓋内の硬膜にびま ん性の均一な軽度肥厚と,造影効果増強を認めた. 当初,肥厚性硬膜炎に合併した上矢状洞血栓症を考 え,ステロイド治療と抗凝固療法を開始したが,症状改 善認めず血栓は増加傾向にあった.3 週間後の MRI で両 側硬膜水腫が顕在化,この頃より起立性頭痛を訴え始め た.低髄圧症候群を考え,CT myelography で上部頸椎レ ベルに髄液漏出を確認した. 当症例では blood patch を施行し,症状軽快,最終的に は抗凝固療法を行わず静脈洞血栓の消失を認めた.硬膜 静脈洞血栓症が低髄圧症候群に合併することは非常に稀 であり,文献的考察を含めて報告する. 8 Marfan 症候群に合併した緊張性気脳症の 1 例 河北総合病院 救急部1, 河北総合病院 脳神経外科2 渡邉 元1,金井信恭1,仲間秀幸2 【症例】27 歳女性,主訴は急にバットで殴られたような頭 痛.既往に Marfan 症候群.頸部前屈時に前頭部痛あり 他,特記すべき所見なし.頭部 CT にて頭蓋内くも膜下腔 に広範に貯留した Air を認め,症状と合わせ緊張性気脳症 と診断した.【経過】発症後,絶対安静にて経過観察.頭 部 CTfollow し,3DCT にて前頭洞に小骨欠損を認めた. 経時的に頭蓋内 Air はほぼ消失し保存的加療退院した. 【考察】Marfan 症候群は,骨形成状の小奇形および結合織 の異常による硬膜の脆弱化から頭蓋内硬膜の欠損が生じ やすいため,鼻をかむことで Ball-valve mechanism が働 き気脳症を惹起したものと考えた.【結語】Marfan 症候群 に緊張性気脳症を呈した 1 例を経験した.9 Systemic Capillary Leak Syndrome の一例 藤沢市民病院 画像診断科
藤井佳美,山本真由,武田浩智,塚本 浩, 蘆田 浩
Systemic Capillary Leak Syndrome は血圧低下,低 Alb 血症,血液濃縮を 3 徴とする稀な疾患である.急速な転 帰をたどった一例を経験したので報告する.症例は 70 歳 男性.健診で胸部異常影を指摘され当院紹介となった. CT では肺うっ血,胸腹水,皮下の浮腫を認めたが,原因 は不明であった.精査を開始した矢先,全身の浮腫と胸 腹水が急激に増悪し,乏尿が出現.DIC のため初診から 26 日で死亡となった.生前は診断がつかず,剖検の結果 をふまえて文献検索を行い診断に至った.Systemic Cap-illary Leak Syndrome は画像診断のみで確定できる疾患で はないが,原因不明の浮腫が進行し,臨床的に難渋する 症例では鑑別に挙げるべきと思われる. 10 胸骨圧迫に伴う内胸動脈損傷と血管塞栓術 日本医科大学武蔵小杉病院 血管内・低侵襲治療セン ター1, 同 放射線科2, 同 循環器内科3 竹ノ下尚子1,田島廣之1,金城忠志1,市川太郎2, 安藤 順2,清水康弘2,一色彩子2,橘和聡文2, 山口香織2,山本英世3,佐藤直樹3 救命手技としての胸骨圧迫に伴う合併症として,肋骨・ 胸骨骨折はよく知られているが,大量出血を来した報告は 稀である.BLS の普及や救急医療の向上により,今後更 に心肺蘇生術から集中治療管理が行われる症例が増加す る事が予想されるため,救急医療従事者は常にこの可能 性を考慮すべきである.今回,我々は胸骨圧迫に合併し た内胸動脈損傷による大量出血(胸腔内出血および皮下出 血)に対し,経カテーテル的内胸動脈塞栓術を施行し止血 に成功した 2 例を経験した.文献的考察を加えて報告す る. 11 経時的に CT で観察し得た急性大動脈解離破裂の 1 例 日本医科大学千葉北総病院 放射線科 進藤惠美,古川一博,川俣博志,岡田 進,他 【症例】54 歳男性.主訴は背部痛.【現病歴】午前 10 時, 安静時に突然の背部痛を来たし,救急車で当院救急外来 受診した.【所見】造影 CT 動脈相で弓部直下から腎動脈 分岐直下に及ぶ開存型大動脈解離を認め,平衡相で上行 大動脈への偽腔の拡大を認めた.約 30 分後に突然の血圧 低下を認めたため,再度 CT 検査を施行したところ胸部大 動脈解離の破裂を認めた.【治療・経過】外科的手術による 救命を試みたが,血行動態が保てず死亡.【考察】大動脈 解離の重篤な合併症として,解離腔の破裂や大動脈分枝 の虚血が考えられる.緊急手術の適応となるが外科的治 療の死亡率は高く合併症発症後の救命率は低い.【結語】 急性大動脈解離破裂の進行過程を経時的に捉えた 1 例を 経験したので報告した. 9月30日(日) 9:00〜9:40
Session 3
座長:我那覇文清(沖縄県立南部医療センター・放) 12 憩室のため CT 診断が困難であった,外傷性十二指 腸穿孔の 1 例 亀田総合病院 救命救急科1, 同 放射線科2 横尾由紀1,中井智子1,田中研三1,伊藤憲佐1, 大橋正樹1,葛西 猛1,山崎郁郎2,河村泰孝2, 大内敏宏2 69 歳女性.自動車事故にて受傷.脳挫傷,肝損傷を初 めとした多発外傷にて保存的加療を開始.受傷後 2 日目 より発熱と膿尿を認めたが抗生剤投与にて解熱.腹痛や 腹膜刺激徴候は認めなかったが,7 日目の CT で十二指腸 下行脚周囲∼右腎周囲腔内側に膿瘍形成が認められ,消 化管造影で穿孔が確認された.本症例は,十二指腸憩室 に mask され穿孔の CT 診断が困難であったが,retro-spective には window を調整し MPR でも観察すると壁外 の air を確認できた.多発外傷に伴う十二指腸損傷は,意 識障害や他の腹部臓器損傷の影響で臨床的に見逃され易 く,CT 診断が非常に重要である.十二指腸損傷の CT 所S 575 平成 24 年 8 月 28 日
研究会
(救急放射線)
見について,若干の文献的考察も加えて報告する. 13 Closed-loop に拡張を認められなかった絞扼性イレ ウスの 4 例 愛媛県立中央病院 放射線科 村上忠司,石丸良広,稲月千尋,曽我部一郎, 菊池隆徳,井上 武,三木 均 Closed-loop に拡張を認められなかった絞扼性イレウス の 4 例を経験したので報告する.4 例全例に手術が施行 され,胃切除 Roux-en-Y 再建術後の内ヘルニアが 2 例, 腸間膜の異常裂孔ヘルニアが 2 例であった.全例腸切除 はされていない.症状出現から CT 撮像までの時間は 2∼ 18 時間であった.いずれの症例も closed-loop の拡張は 認められなかったが,closed-loop の同定は 4 例中 2 例に 可能であった.腸管壁肥厚が 4 例中 2 例,腸管壁造影不 良が全例,腸間膜浮腫が 4 例中 2 例,腸管の Beak sign が 4 例中 3 例,静脈の Beak sign が 4 例中 3 例,腸管も しくは静脈の走行異常が全例に指摘できた.Closed-loop に拡張が認められなかった原因として,静脈鬱滞期に CT が撮像されたと考えられる.症例数が少なく内ヘルニアと 限定はできないが,絞扼性イレウスで closed-loop に拡張 のない時期に CT が撮像されることがあり,読影に注意が 必要と考えられた. 14 内翻 Meck el 憩室を先進部とした成人腸重積の 1 例 滋賀医大 放1, 甲南病院 放2 白波瀬歩1,渡辺尚武1,大田信一1,友澤裕樹1, 園田明永1,大谷秀司1,田中豊彦2,高橋雅士1, 村田喜代史1 症例は 20 歳代の女性.心窩部痛が 2 日間持続,症状 増悪を認め来院. CT にて回腸の腸間膜の一部が捻転,これに関与する腸 管の拡張,浮腫,造影効果の低下を腸重積を認めたため 緊急手術施行.手術では小腸の軽度捻転と口側腸管の腸 重積を認めた.内翻した Meckel 憩室を先進部として入り 込み,腸重積した腸管は壊死していたため切離,腸管吻 合を行った. Meckel 憩室先端の漿膜下には脂肪が多く,憩室が内翻 すると中心に脂肪塊を含んだ重複輪状構造を CT で示す が今回の症例では脂肪塊が少なく診断が困難であった. 術前診断が困難であった内翻 Meckel 憩室を先進部とし た成人腸重積を経験したので文献的な考察を加えて報告 する. 15 術前に診断し経時的変化を確認できた爪楊枝穿孔の 1 例 横須賀共済病院 放射線科 辻 厳吾,吉儀 淳,小山新吾,小林 愛, 池田 新,青木利夫,能谷雅文 症例は 80 代女性.左下腹痛の改善なく,当院救急外来 受診.発熱と左下腹部の筋性防御,反跳痛等を認め腹部 CT を施行.free air と左下腹部に限局した脂肪濃度の上 昇を認め,消化管穿孔に伴う限局性腹膜炎を疑い精査加 療目的で外科緊急入院となった.消化管穿孔の原因が特 定できず,2 日後に CT を施行.下行結腸に結腸内から外 に連続する直線状の高吸収構造を認めた.前回 CT を見 直すと同部には低吸収の直線状構造が同定可能で,木性 構造が液体成分を徐々に吸収し,経時的に吸収値が変化 したものと推察し爪楊枝の誤嚥による消化管穿孔と診 断.緊急手術となり下行結腸の爪楊枝穿孔が確認され た.この症例を若干の文献学的考察を加え報告する. 16 十二指腸穿孔を合併したロタウイルス腸炎の乳児 2 例 国立成育医療研究センター 放射線診療部 宮坂実木子,野坂俊介,宮崎 治,大和田啓峰, 岡部麻里,堤 義之,正木英一 ロタウイルス腸炎(ロタ腸炎)の合併症には,脳症,劇症 肝炎,腎不全などがあるが,最近,ロタ腸炎に関連した 十二指腸穿孔が注目されている.今回,ロタ腸炎罹患中に 十二指腸穿孔を合併した 2 例を経験したので報告する. 症例は,2 歳の男児と女児で,近医でロタ腸炎と診断さ れ,治療されていた.その後,症例 1 は,イレウス症状, 黒色便と褐色調の吐物が出現したため,CT が施行され た.症例 2 は,腹満が出現したため,当院に紹介となっ た.来院時単純写真で,腹腔内遊離ガスを認めたため CT を行った.両者の CT 所見は,腹腔内遊離ガスと後腹膜 腔の液体貯留,十二指腸球部の壁肥厚であり,十二指腸 穿孔と診断した. 2 例とも緊急手術で,十二指腸球部の穿孔が確認され た. 9月30日(日) 9:40〜10:28Session 4
座長:亀井誠二(愛知医科大・放) 17 GDA 近位部の仮性動脈瘤に対しバルーンカテーテ ルを併用した backdoor アプローチによる塞栓術が有効 であった 1 例 PL 病院 放射線科1, 大阪市立大学 放射線科2 前林徹範1,西田典史2,城後篤志2,曺 寿幸2, 山本 晃2,三木幸雄2 症例は 63 歳男性.膵癌に対する膵体尾部切除後に門 脈血栓や膵液漏を認め,術 20 日後 CT で膵頭部頭側に 4cm 大の仮性動脈瘤を認めた.血管造影では GDA 近位 部に仮性動脈瘤を認め,SMA 造影でも膵アーケード介し その仮性瘤が見られた.本症例では門脈血栓があり肝動 脈温存の必要があったが,出血点は GDA 近位にあり,肝 動脈側への塞栓物質逸脱の危惧があった. 治療は GDA 分岐部の総肝動脈をバルーン閉塞下に SMA 側から IPD を介して GDA へアプローチし isolation を施行した.マイクロコイル 10 個の留置で仮性瘤は消失 し,コイルの肝動脈側への逸脱認めず.術後 CT で瘤の 血流消失が確認され,肝梗塞は認めなかった. 18 横行結腸に穿通し下血で発症した仮性脾動脈瘤の 一例 公立置賜総合病院 放射線科 伊東一志,菅原千智,萩原靖倫 症例は 80 代後半女性.2 週間前から腹痛あり,立ちく らみも生じ,近医入院中.左腹痛,下血を生じ,準夜帯 に当院救命救急センター受診,虚血性腸炎疑いで入院と なる.来院時バイタル安定,下血はなし.検査データは 貧血を認めたが,他に異常なし.単純 CT で,胃周囲に空 気を含む液体貯留あり.深夜に再度下血あり,大腸カメ ラで,横行結腸に粘膜下腫瘍様の突出あり,出血が見らS 576 第 48 回日本医学放射線学会秋季臨床大会抄録集 れた.この時点ではっきりした診断つかず,胃潰瘍穿孔と 結腸粘膜下腫瘍の出血と考えていた.翌日造影 CT 施 行,横行結腸に突出する脾仮性動脈瘤あり,下血の原因 は仮性動脈瘤と考えた.手術的治療も考慮されたが,年 齢,全身状態等から IVR を選択.脾動脈の近位遠位塞栓 を施行,その後,危惧された感染性合併症も生ぜず経過 している. 19 下部消化管急性出血に対し,NBCA-lipiodol 混和液 を用いた TAE が奏功した二例 日野市立病院 放射線科 三浦弘志,片桐真理 一例目は 40 才男性.進行直腸癌(骨盤内浸潤伴う)で化 学療法施行,人工肛門造設し放射線療法.最初の治療か ら 1 年後に突然 1000cc 下血,Hb6.3mg/dl で緊急 Angio 施行.上直腸動脈分枝の選択的造影で extravasation 描 出.Gelfoam では止血できず NBCA-lipiodol(0.3ml:0.5ml) 混和液注入にて止血に成功.その後再出血や腸管虚血壊 死を疑わせる臨床経過は見られなかった.二例目は 65 才 女性.S 状結腸 polypectomy 後動脈性出血で emergency call.microcoil では止血不成功,責任血管付近まで selec-tive に microcatheter 挿入し NBCA-lipiodol(0.2ml:0.8ml) 混和液注入にて止血に成功.内視鏡上潰瘍形成が見られ たがその後退縮軽快.NBCA は迅速で高い塞栓効果を有 し,急性消化管出血時の救急 TAE において有用な塞栓物 質と思われる. 20 卵巣癌術後再発による小腸浸潤に伴う大量下血に対 し,金属コイル及び IPM/CS を併用した動脈塞栓術が奏 功した 1 例 東京医科大学 放射線科1, 同 産婦人科2 大高 純1,佐口 徹1,齋藤和博1,勇内山大介1, 舟津智一1,長谷川大輔1,赤田壮市1,徳植公一1, 井坂恵一2,寺内文敏2,中山大栄2 症例:61 歳女性.未分化卵巣癌骨盤内多発転移に対し 骨盤内全摘術を施行.その後,多発する腹腔内残存腫瘍 に対し,化学療法を施行していたところ,大量下血を認 め,当院婦人科に緊急入院となったが,貧血の改善な く,当科 IVR 依頼となった. IVR:上腸間膜動脈造影では血管外漏出や動脈瘤の形成 は認めなかったため,回腸から結腸にかけて多発する腫 瘍濃染に対し,金属コイル及び IPM/CS を用い,計 2 回 の塞栓術を施行した. その後貧血は改善したが,3 ヶ月後原病死した.この間 下血は再発しなかった. 結語:腫瘍浸潤による消化管出血に対する塞栓術は有 用であると考えた. 21 膵癌術後出血に対し繰り返し IVR をしたが救命しえ なかった 1 例 奈良医大 放射線科 孤杉公啓,穴井 洋,末吉 智,東浦 渉, 西尾福英之,田中利洋,前田新作,正田哲也, 吉川公彦 50 歳代,男性.膵頭部癌に対して化学放射線治療後に 膵頭十二指腸切除を施行.腹痛を認めた術後 2 週目の CT で GDA 断端仮性動脈瘤を認め,コイルと NBCA によ る TAE を行った.術後 5 週目にドレーンから出血を認 め,後腹膜に血腫を認めた.AG では SMA 本幹の破綻を 認め,NBCA では止血できず,カバードステント(7mm 径 2 ㎝長)で止血が得られた.しかし 3 時間後再出血を認め たが,治療部から再出血は無く,IMA 根部から多発性出 血を認めた.バルーンカテーテルによる IMA 血流遮断下 に左半結腸切除を施行したが,DIC の進行により術後 6 週目に死亡した.経過中の CT でみられた腸間膜根部に 広がる膵液瘻が難治性多発動脈破綻の原因であると推測 した. 22 膵仮性嚢胞内出血に対しコイル塞栓術を施行した 3 例 浦添総合病院・放射線科1, 同・消化器外科2, 同・消化器内科3, 沖縄県立八重山病院・放射線科4, 沖縄県立南部医療センター・放射線科5 宜保慎司1,安座間喜明1,加藤正也1,伊佐 勉2, 小橋川嘉泉3,中山 格4,我那覇文清5 膵仮性嚢胞は,膵の炎症や外傷等に続発するが,仮性 嚢胞内出血は,死亡率が 18∼29% と報告されており,速 やかな治療を要する合併症である.嚢胞内出血の治療と して,以前は外科手術が施行されていたが,近年は IVR が第一選択となりつつある. 当院でも外傷,膵炎から続発 した膵仮性嚢胞内出血に対し,IVR(コイル塞栓術)にて止 血を得た 3 例を経験したので,文献的考察を加えて報告 する. 9月30日(日) 10:28〜11:00
Session 5
座長:穴井 洋(奈良医大・放) 23 右総頸動脈に生じた仮性動脈瘤に対し,カバードス テント留置術が奏功した 1 例 弘前大学大学院医学研究科 放射線科学講座1, 青森労災病院 放射線科2, 弘前大学大学院 医学研究科脳神経外科学講座3 掛端伸也1,対馬史泰1,澁谷剛一1,嶋村則人3, 徳田俊英2,川口英夫1,畑山佳臣1,青木昌彦1, 小野修一1,髙井良尋1 症例は 72 歳女性.甲状腺癌術後再発にて外照射の既 往があり,I-131 内服療法も計 8 回施行したが,腫瘍は増 大傾向であった.腫瘍浸潤による右総頸動脈仮性瘤から 大量吐血を生じ,緊急 IVR を施行した.頸動脈用ステン トとして直ちに使用可能であった Carotid Wallstent を複 数枚重ねて留置することで止血を試みたが仮性瘤の消失 には至らず,緊急避難的に胆管用カバードステント (Flu-ency Plus)を留置.バルーンで後拡張を追加し,仮性瘤の わずかな造影が残存するのみとなり,手技を終了.治療 2 日後の CT で仮性瘤は消失していた.文献的考察も加えて 報告する. 24 左肺動脈本幹に迷入した SMART ステントに対 し,経静脈的抜去に成功した 1 例 熊本赤十字病院 放射線診断科 菅原丈志,中島康也,東美奈子,伊藤加奈子 36 歳男性.透析シャント不全の原因である右鎖骨下静 脈閉塞に SMART ステント留置後,すぐに左肺動脈本幹 に迷入した.開胸術の既往があるため経静脈的抜去術施 行.最初,スネアカテーテルで抜去しようとしたが掴むこS 577 平成 24 年 8 月 28 日