177
一般に︑社会調査例えば世論調査や市場調査においては︑通常何らかの方法でその対象者︵対象世帯︶の生活水準
を評定して︑意見や態度を夫々生活水準別に比較対照することが行われる︒この場合︑生活水準乃至生活程度を直ちに
社会階級とみなすことには問題があるとしても︑生活水準の上下は職業・学歴と相関が高く︑例えば熊田︵8︶の結 社会調査における生活水準測定尺度作製の試み
序
一︑一一︲︑
一一一︑四︑
五︑ 序生活水準測定の諸方法生活水準尺度作製の基礎スケログラム・アナリシス尺度の妥当性
その他の問題要約
参照文献
註
田中富士夫
曇の︾畔一点叺
178
従来︑生活水準を測定するために実施されてきた方法は次のように分類することができよう︒
④家計調査乃至は生活費調査に基く︒
②被調査者が自己評価する︒
⑧地域社会の成員が評価する︒
④調査員が観察︑評価する︒
⑤社会経済的地位尺度乃至はこれと類似の尺度を用いる︒
これらの諸方法のうち︑①の場合は精密な生計費の実態調査から︑単に一カ月間の生活費︵支出額︶を質問する簡
単な方法に至るまで様々な段階があり︑ある場合には月間収入額を調査している例もみられる︒生活水準を金額の如 果にみられるように政治的意見や社会的態度にも生活程度による差異が認められるのである︒直接消費者に対して行なわれる市場調査では︑このような指標が︲一層必要とされることは調査目的からいって当然である︒
周知のごとく生活水準あるいは生活標準は古くから社会科学において大きな関心をもたれてきた問題であって︑従
来この分野での研究は少くないし︑近年しばしば論義されている社会的階層の主題も︑つねに階層即生活水準という
ことはできないが︑その測定論的問題としては同様に取扱うことができよう︒しかしながら︑本稿の目的は生活水準
を測定すること目体が本来の目的なのではなくて︑いわばどのような調査においても必要な基礎項目の一つとしての
生活水準指標を考案することにあるのである︒従って︑測定のためにかなりの質問項目が必要であったり長時間を要
する方法は適当ではない︒要するにできるだけ簡便で︑諸種の調査票に容易に追加することが可能で︑しかも信頼性
と妥当性を備えていることが要請されるのである︒
一︑生活水準測定の諸方法
179
ぎ連続量で表示しうることは測定論の立場からいって望ましい形ではあるが︑一般に世論調査等においては煩墳な生
計費調査が殆んど不可能に近いことはいうまでもない︒また︑単に一カ月間の生活に費やされる平均支出額を訊ねる
場合においても︑世帯構成の異なる世帯を同一に取扱うことはできないから消費単位に修正しなければならず︑これ
がためには家族全員の人数︑性別︑年令等の知見を必要とするから必ずしも調査はそれ程容易ではない︒更に︑世論
調査等においてこの種の私的生活内容に介入することは技術的に困難なばかりでなく︑応稗の信遥性についても我々
は直接確かめる手段をもたないので疑わしい結果をも利用せざるを得ないという欠点が伴っている︒そのほか︑被調
査者が常に必ずしも一家の家計に通じているわけではなく︑ある場合には︑生活水準測定のために更に対象者以外の
家族に質問する必要が生ずるなどこの方法は案外手数がかかる︒■
世柵の生活水準を知るために一家の家庭収入の総額を調査する試みは︑○・国○○讐以来実施されている方法である
が︑この場合には以上記した欠陥の外に更に収入︵所得︶が凡て生活費のために支州されるわげではないという点で
批判されねばならない︒この種の論議を行なうに際しては先ず生活水準を定義してかかる必要があるが︑今仮にこれ
を常識的な意味に解したとしても︑所得のうちには無分別な浪費の如く生活費以外に文出れざる部分をも含んでいる
ことがあるから︑収入即生活費とみなせぬことは当然である︒
︲②の場合は︑被調査者自身が自己乃至は自己の属する世符の生活水準を評価して︑上流︑中流︑下流の如く主観的
に判断する方法であるp実際問題としては︑この種の質問にはかなりの︐.K応雰を唯ずるばかりでなく得られた応
容の信頼性も疑わしい︒筆者の結果では︑﹁上﹂︑﹁中の上﹂︑﹁中の下﹂︑﹁下のt﹂及び﹁下の下﹂の五段階に
評価させた場合︑﹁上﹂のカテゴリーを選ぶ者が殆んどなく︑このような傾向は他の研究結果命︶ではもっと著し
く現われており︑結局調査者の意図した五個のカテゴリーのうち四個しか用いられないという評定のあり方としては
望ましくない結果をもたらしている︒
180
㈱の場合は︑調査員が被調査者︵枇帯︶の生活状況の様子から主観的に生活水準を評定する方法であって︑手続の
簡便さから現在世論調査や市場調査にしばしば用いられている︒普通用いられているのは︑その地域の平均的な生活
水準を﹁中﹂として上・中・下の判断は被調査者の衣食住全体の模様から綜合的に行なうよう教示されており︵8︶
︑いわば調査員が生活状態についての◎ぐ角二吋胃冒︑を行なうわけである︒例えば︑国.gロ三一︵2︶の結果では
経済的地位について同一面接者が同一対象者を三週間おいて前後二回評定した場合︑前後の評定間にはHI・忌の相関
があり︑また同一対象者を二名の面接者が約二ヵ月の間隔をおいて夫々評定した結果は儲Ⅱ︑宝の相関が認められたと
いい︑概してこの種の評定がかなり信頼しうるといえる︒また妥当性を検討するために︑一週間の平均収入を質問し
た結果と経済的地位について調査員が行なった評定との相関を求めたところ︑局1.畠であったというから︑かなり
満足すべき結果であるといえよう︒ところが︑このような評定の信頼性と妥当性は調査員たる面接員の評定能力に左
右されるところが大きいと考えられる︒わが国においては︑多くの場合世論調査や市場調査の調査員は特定の訓練を
受けたものばかりを揃えるということが困難な現状であってみれば︑屡冒三一の結果を以て直ちにこの方法を実用化
することはいささか檮膳せざるを得ない︒現在のところ︑わが国におけるこの種の資料は発表されていないようであ
るが︑後に記すように筆者が未訓練の調査員︵大学生︶を用いて一カ月の生活費の額︵人員修正を施した金額︶と︑
﹁上﹂︑﹁中の上﹂︑﹁中﹂︑﹁中の下﹂及び﹁下﹂の五段階にわたる生活水準の評定との間の相関を求めた結果は︑
端I・塞一であって岳旨三一の同種の値より幾分低く︑おそらく信頼性においても彼の結果程高いとは思われないか
ら︑少くとも未訓練の調査員を数多く用いねばならないような大標本の世論調査等においては︑わが国の現状では余 ⑧の場合は︑尋.伊.三豊巨閂のE・Pにみられるように地域社会の成員の評価に基いて成員を幾つかの段階に評価する方法である︒このような方法の適用は小規模な地域社会に限られており︑世論調査の如き散逸的な大標本を対象とする調査では実施困難である︒
181
り望ましい方法とはいえない︒
⑤の場合は︑その典型例として︑甸.い○言巨昌の社会I経済的地位尺度︵の○号ん8旨○日旨の国冒のの邑①︶あるいは
社会的地位尺度︵の︒︒堅の冨冒の⑮8斤︶︵3︶をあげることができる︒前者は︑その世帯の文化的設備︑有効所得︑物
質的調度品︑及び地域社会の集団活動への参与の程度等四部五十三項目の調査項目から成っていたが︑改訂版の後者
ではかなり単純化されて︑居間の調度品の有無と質についての十七項目と居間の物品の状態の評価の四項目計二部二
十一項目からなる尺度が構成されている︒この尺度は︑その後の数多くの追試の結果︑信頼性︑妥当性共に満足すべ
きものであるとされ︑以来今日まで米国の社会調査では基礎調査としてこの尺度を利用する傾向が著しい︒また米国
ではその後︑少.言.Fgどの冨言①○国題○日の聾画曾二且関や雪.国.静笥呈の農村におけるmoe○ん8国○日﹄︒菌冨
の星①等の発展を見ているが淘我国における研究は極めて乏しく︑僅かに金田︵7︶が北海道の開拓部落でO言凰昌
の尺度と瀞急①崖の尺度を若干改訂して実施した追試研究と︑日本社会学会の﹁農村社会成層の研究﹂︵註1︶が指
摘されるにとどまる︒⑦言凰昌のS・S尺度を生活様式の異なる我国にそのまま適用するわけにはいかないが︑いず
れはこの種の日本版が作製されてよいと思われる︒
また︑このような尺度化されるまでに至らない素朴な形で提出されている例としては︑奈良県の平野村に於いて生
活水準の指標として投票日における服装︑調味料の種類︑住居の部屋数︑電灯の数︑若干の家具数の所有状況︑衛生
知識等を調査した今西の研究︵6︶を挙げることができる︒彼らの調査項目のなかには他にみられぬ興味深いものが
あるが︑限られた範囲の地域社会を調査する場合と異なり︑世論調査の如きマス・ソサエティを対象とする場合には
実施不可能なものが多く︑これまた直ちに実用化するわけにはいかない︒
一方︑最近しばしば用いられる方法としては︑家庭用耐久消費財の所有状況から生活水準を測定しようとする試み
がある︵1︶︒この方法はへその世帯がミシンへ電気洗濯機等幾つかのいわゆる家庭用耐久消費財を所有するか否か
‐‐‐−‐‐‐̲ ゞ一一一−覇
182
によって︑夫々の点数を与え︑その合計点の高低により生活水準を段階づけようとするものであって︑調査に際して
は︑簡単にそれらの物品の有無だけを聞けばよいこと︑所得や生計費を質問するよりは応答の抵抗が少く︑必ずしも
家計に携わらなくとも応答可能な点などを備えている︒
彼らの報告書︵1︶によれば︑耐久消費財の所有状況から堆活水準の測定が可能な理論的根拠としては︑最も基礎
的には︑或る耐久消費財を有する世帯はそれを有しない世帯より生活水準が高いという前提が存するわけである︒そ
して︑その財の所有世帯と非所有世帯との生活水準上の格差を数量化された形で導くために野吋①さの法則を援用し
ている︒即ち︑生活水準の分布は所得におけるパレート分布曲線を示すとの前提に立てば︲﹈*I︵半︶計⁝::e
ん平均生活水準路︽生活水準苑以上の世榊の平均生活水準恥全世帯数凡生活水準苑以上の世帯数︐
αパレート常数
︵鋤︶であるから︑ ︾0①の如き関係式において︑或る財の所有世帯が生活水準苑以上の撒榊であると仮定すれば必〃はその財の普及率
いま︑パレート常数αを2とおけば︵註2︶︑
B9fjl0︲︲jIIIjII4oIllLG770︲T︲6111●IT16fl0IllO01ⅡⅡⅡ0ぞⅡ州く︲l劇l: ﹄﹄計︵の︽︶︒︒:︒:︒:︒︒︵函︶一一ⅡⅡ︽︒
︑︒
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183
来る︒つ︾
求めると︑
⑥式は結局︑・7個の耐久消費財空
を測定することが可能であるという︒
さて︑この理論的根拠においては次の点が問題とならう︒
第一に︑或る財の所有世帯が非所有世帯より生活水準が高いとの仮定は︑凡ての財について真であるとはいえな
い︒いわゆる家庭用耐久消費財のなかには︑生活水準の差異を示すというより︑生活様式の差異を示すものや趣好に
より購入されるものがあるから︑単に普及率の低い財を所有することが直接︑生活水準の高さを意味しない場合が考
えられる︒従って︑調査の項目となすべき消費財は一定の基準に従い︑ある手続で選択されねばならない︒
第二に︑或る財の所有︑非所有の生活水準上の差異がその財の普及率に関係していることは肯定できるとしても︑
また生活水準の分布がパレートの法則に従うことを一応認めたとしても︑これらの消費財の普及率が時間的︑地域的
にかなり変動することを考えると︑前記のような荷重点の与え方は実際上余り便利とはいえない︒というのは︑合理 また︑非所有世帯の平均生活水準を晩とすれば︑
酔津十GI乞宗1ヶなる故
包一Ⅱ鈩l﹃一・・:.・・・:・・・・・・・・a︶
いま⑤式の如き必を考えれば︑この値は或る財を所有する世滞と非所有世帯との生活水準上の差と見倣すことが出
る︒つまり︑或る財を所有した場合の荷重点が必である︒このような仏を.J個の耐久消費財について累積した値を lIIIil⁝⁝⁝⁝窓一︑尋恥Ⅱ型十くの︽
耐︑Ⅱ悩鼻︑:⁝⁝⁝⁝⁝︵g
﹄︒結局︑・7個の耐久消費財の有無から導き出された生活水準値であり︑この値の高低に基いて生活水準の上下 ﹃︒
●
184
まず︑耐久消費財として何を調査項目に採用するかを検討する︒そのためには︑例えば電気洗濯機を所有する世梢
は果して所有しない世帯より生活水準が高いといえるであらうかといった具合に個々の消費財を吟味していくことに
なる︒この場合︑生活水準が低くても嗜好的に洗濯機を所有する世帯もあれば︑生活水準が高くてもそのような機械
を嫌う家庭もあるかもしれない︒また︑主婦の家事労働の軽減のために洗濯機が購入されるとすれば︑生活水準の高
い層では初めから主婦の労働量が少く軽減する必要がないかもしれないし︑軽減のためには洗濯機の購入が唯一無二
の方法というわけではない︒更に︑地域的にみれば︑洗濯機の普及状況は当然のことながら水道の敷設率と著しく関
係が深いという要因も見逃し得ない︒とすれば︑ここでいう家庭用耐久消費を所有していることで表わされるような
生活水準とは単に所得額や生計費の額で表わされるものというより生活様式の近代化の程度といった色彩が濃厚に出
てくることにならう︒前記の今西︵6︶は︑はっきりと生活水準とは消費生活における近代化の程度と見倣すという
立場をとっている︒生活水準が消費生活の近代化の程度と全く同義に解してよいとは思わないし︑質を異にする生活
様式乃至は文化パターンといった側面を無視することは出来ないが︑︵例えば︑現在︑稗︑粟等の雑穀類を常食とす
る人口は米を常食とする人口より少いが勿論前者が後者より生活水準が低いC同様にしてパンを常食とする人口も米 的な方法をとるとすれば調査毎に先ず荷重点を求めねばならず︑そのような手続をとれば時間的地域的に異なる調査結果を相互に比較することが困難であるという欠点を生ずる︵註3︶︒
本稿の目的とするところは︑さきにも記したように︑以上の如き家庭用耐久消費財の所有状況を標識として生活水
準の測定を行なうことに意義を認めながらも︑従来行なわれて来た方法の若干の占だ疑問をもち︑そのような難点を
克服するような生活水準測定尺度を試作することにある︒
二︑生活水準尺度作製の基礎
185
食人口より少いがへこの場合はパン食の方が生活水準が高いとは断定できない︒ただ︑より近代化した生活様式とい
うことはできるかもしれない︒つまり︑このような場合は程度の差というよりパターンの相異と見倣した方が合理的
である︶︑多くの場合︑両者はほ蝉合致すると解して著しい誤はないであらう︒
さて︑先に記したAORの方式︵1︶で︑項目として選ばれているのは︑①電気コタッ②扇風機側洋服ダンス③応接セット⑤氷冷蔵庫⑥電気冷蔵庫旬電気洗濯機⑧ミシン㈲カメラ⑩スト−ブ⑪電話⑫テレビ
の十二個の耐久消費財である︒ここでも項目の選択を行なうために一応この十二個を基礎とした︒この十二個のう
ち︑どの項目が望ましいかを前記の洗濯機のように考えれば際限がないから︑何らかの一定基準に基いて取捨選択す
る必要がある︒この場合︑信頼性の面では通常の尺度やテストのように項目分析を行なうことも考えられ︑また妥当
性の面からはクラィテリァとの相関の高い項目を残していくという手続きが考えられよう︒筆者は︑生活水準のよう
に必ずしも妥当性検討のための外的なクラィテリアとして適切な指標が見出ない場合には︑信頼性の側面は単なる項
目分析を行なう以上に厳格な内的一貫性が要求されると考えた︒︵註4︶即ち︑生活水準尺度はF⑦巨茸目四国︵5︶
の意味での一次元的な︵言三日gの旨冒邑尺度でなければ巌らない︒例えば︑普及率の低い消費財を所有する世帯
は︑それより普及率の高い消費財は必ず所有しているという風な関係が常に成立している必要がある︒仮りに今︑
電蓄がミシンより普及率が低いとすれば︑電蓄を所有する世帯は必ずミシンを所有しているという関係がなければな
らない︒若し︑電蓄を所有する世帯がミシンを余り所有していないとすれば︑ミシン所有で表わされるもの︵例えば
生活水準︶と︑電蓄所有で表わされるもの︵例えば音楽的な趣味の有無とか文化的な水準︶とは本来︑一本の尺度に
リ
186
盛り込むことの出来ない異種のものであるといわねばならない︒つまり︑項目相互間の関係を無視して単に普及率の
上下から尺度を構成した場合には︑たとい項目分析にかけたとしても真にの邑画匡①な尺度にはならない︒従って︑ガ
ットマン尺度に適合するという規準で項目を選択することが尺度の信頼性を確かめ︑同時にそれは以前憂慮された事
柄︑例えば︑生活水準の差でなくて曜好の相違により所有︑非所有が規定されるのではないかといった点を検討する
ことが出来るのである︒そのため次に︑士一個の耐久消費財について所有︑非所有による吻邑︒唱幽冒自島湯を行
なった︒︽
↓昭和三十五年七月に金沢市の三四九世帯をランダムに抽出して︑マス︒コミニケーションに関する調査を行なった
際に︑前記の十二個の家庭用耐久消費財の所有状況を併せて調査した︒その結果は第1表の通りである︒
いま︑十二個の項目を普及率の順に並べて︑三四九世帯から更に一○○世帯をランダムに抽出して︑スヶログラム
行列を描くと第2表の如くなる︒このスケログラム行列から⑦Ca①冒○巨警の方法︵4︶で誤数を求め︑再現性係数を
求めると︑
|閃①壱1﹄I①亘画×きつ﹄l︲斗串李叩1つ・函画司
となり︑ガットマン尺度の基準P二以上に達しない︒それ故︑不適切な項目を除き項目数を減ずるため普及率の似か
よった項目を落していくという手続きをとる︒この調査の結果得られた普及率はサンプリング誤差を含んでいるか
ら︑再調査の際に普及率の順位が逆転するような近寄った項目は適当ではないと考えられるCサンプルの大きさが三
五○の時の最大誤差︵五○%のときの絶対誤差︶は︑表命︶によれば︑什口﹄韻︵信頼度誤畿︶であるから︑項目 三︑スケログラム・アナリシス
187
間に9%前後のひらきがあれば再調査で順位が逆転するようなことはまずないとみてよい︒また︑最終的な尺度には
$普及率の高低について巾広く散らばっていることが望ましいから︑ここでは一応次のような六段階に分割することを
第2表Goodenough法によるスケログ ラム・アナリシスのための得点行列
(所有を1,非所有を0と採点)
扇 /
/
/
/
ク ノ ノ ー /
夕 一 一 β
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/
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別
。 7 3 6 4 砥 艶 5 6 4 5 2 9 1 4 1 4 9 9 1 0 . 437 206
,メ*I
188
扇風機︑電話
応接セット︑電気冷蔵庫︑ストーブ︑氷冷蔵庫
次に十二項目のなかから二項目をとり出して夫々の所有︑非所有関係を調べるため第3表の如き分割表を凡ての組
合せ・馬6画Ⅱ霊個作り第4表の如き各項目間の誤数の一覧表を作り︑これを参照しながら︑以下の事情を勘案して
項目の取捨選択を行なったC
ここで︑ミシンと洋服ダンスの項目を残すことには問題がない︒次にテレビ︑電気コタッ︑カメラのうちいずれか
を選ばねばならないが︑テレビ︑電気コタッは共に洋服ダンスの普及率からの差が余りなく︑テレビは特に普及しつ
つある現状を考慮すると︵註5︶︑これらの項目は再調査で変動する公算が大であり︑他方カメラは一万円以下のも
のから中級カメラ︑高級品に至るまで価格上に余りにも大きな巾があり︑この種の尺度では適切とは思われないの
で︑この段階は除くことにした︵註6︶︒次に電気洗濯機の項目は問題がなく︑その次の段階では電話を採った︒こ
れは第4表から明らかなように︑電気洗濯機と電話の間の誤が電気洗濯機と扇風機間の誤に比して︑かなり減少する
ことが知られたためである︒最後の段階では電気冷蔵庫を選んだ︒これは電話の普及率との差と又︑この段階の普及
率が余りに低すぎる点を警戒した結果であるp︵註7︶︒
このようにして最終的に残された項目は︑ミシン︑洋服ダンス︑電気洗濯機︑電話︑電気冷蔵庫の五項目である︒ 試みた︒
テレビ︑電気コタッ︑カメラ電気洗濯機 ︑﹃︑シン洋服ダンス
189
夫々の普及率から考えられるのはミシン以上に高い普及率をもった八○%台の項目がもう一項あった方がよいという
ことである︒おそらく︑ラジオがこの要求を満すものであらうが︑ここでは資料が欠けているので割愛せざるを得な
かつた︒
第 3 表 「ミシン」及び「洋服ダンス」
所有の相互関係
(*:誤数)
│
: ン J 」 帯 I 帯 |三 ℃ 瞳 ; 鴬 「 計
│壼看世帯│i壼丁壷25|
│非所有世帯│ |,
I |・
計 2161133134911
1 1 1
第4表 各品目間の相互所有関係における誤数一覧表
(例えば「洋服ダンス」を所有するが「ミシン』
を 所 有 し な い 世 帯 が 3 1 と 読 む ) 、電気コタッ 11i
、.
燃 母
跨二÷
電l鮓
詩畷些
洋服ダンス1111ミシン ;扇風機一昭電気洗濯機理 二■■Ⅱ9r0108.111ⅡIⅡ1111.IIlpllllllI00hI0︲lLIb︐トー1︐1︲卜︲11︲l︲6.1←卜l4Il141qjllI11f︲1..IIIIIlllllIl1IIflli0︐11.︲000︲10︲90日10Ⅱ01090応接セット−1255︐刀メラテレ
ビ 2−3 6−7 III部llIlI 理一冊 寵 加一Ⅳ7|妬一妬一焔一瓢一一一ヨー 加一88−Ⅲ一過一妬一塑一型一一一一 7−7杢8 I11ITIIII1IlIIIIf4141D■l■10101!■1180040Ⅱ0001ⅡⅡIfbII6j
ミ シ ン | 洋 服 ダ ン ス
テゞ'−
−'−−
電気コタソ│−
カ メ ラ |
| −
電気洗濯機
一
扇風機 三
雲ェ|
壷
31 如一妬 41 736−
58
ー 一粥一別翠||一一 1118016︲Ⅱ7114111141114回114︐0Ⅱ110ⅡII01j41︲9●ⅡHllITⅡ01111日10J■IⅡ90111019︲1日g1U0fII01■f6?lI0II1tIlIIU1II4Tレー︲140●11Ⅱ07111.ilⅡ 口釦一妬一坐三一一一 三超一妬 59Fトト
1 4 1 1 4
− − 』 − 1
44123
一胸院と
︑一週丑︲陥躁トⅢL︲
妬一焔一L一
一一 ̲量
‑に −28 │'︑一↓妬一別一Ⅳ一J
13 加一妬一鮒一別
一口︲一
電 話 16
‐ − ここ −
氷 冷 蔵 庫 29
│−−
‑ J
ス ト ー ブ
電気冷蔵庫 1− 一︲ ■● FD一 一一一一 一一一一
一一一'一 門
一
応接セット |
190
前節において構成した生活水準測定尺度は項目数が少ないので︑ガットマン尺度の条件を凡て充分に満たしている
とはいえないければも︑少くともそこで測定されているものが一次元的であること︑つまり単一の或るものを測定し
ていることは確かであり︑信頼性は保証されていると考えてよい︒
しかしながら︑そこで測られているものが真に目的としている生活水準であるか否かという妥当性については尺度
作製の上では予め考慮していないから改めてこの側面の検討を行なわねばならない︒通常︑妥当性はその尺度とクラ
ィテリアとの一致度によって表示されている︒ところが︑今問題にしている生活水準につ〃いてば何が最もクライテリ
第 5 表 ス ケ ロ グ ラ ム ・ パ タ ー ン (誤数はCornell法による)
さて︑以上の五項目の所有状況をスケログラム・パターンに描き︑第5表のように誤数が最少限になるよう︒◎目皇
目胃言菖吊︵色を用いて再現性係数を算出すると︑・
閉のもI﹄lトミ画×舌つI戸匿の
となり︑この場合には尺度化可能といえる︒即ち︑項目として︑ミシン︑洋服ダンス︑電気洗濯機︑電話及び電気冷
蔵庫を選びそれらの有無によって一次元的な尺度を構成することが出来る︒
四︑尺度の妥当性
*被測査世幣番号は鰯2表と異なっている 被捌丘世幣※
凋 介 頃 { I 電 電気冷蔵庫
諾
布イI.
竜招無
電気冷蔵庫熊
︑皇︑シン向
洋服ダンズ何
V生ずも胃EJ・風岾早I
目{1もミ
灘シ、12鷺 ンス雛 ン
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9.b〃″唖配
、 点
123456789m皿聰迩叫嘔沁刀畑皿如釦狸塑劉56
c一⑰﹄78901234567890122223333333333444
43 44 45 46 47 48 4967788888888889999印副乾認副弱弱印認印印釦錘唖恥印和ね淘澗汚拓沼鈍兜90901234567890345
妬 97 98 100
④●⑥︑④●●●●①●●●●②●●●●●●●●●●④●③③●④●●●④③④③●●④●●●●●●④︑●●●④●●︑⑤●④●●⑨④④●@●⑮●④●●●●●⑥●●②●●⑲④e●●●●●●●⑦●●●④③⑧●●④②●●●●●●●●②④●●●④●
④④③④③②④⑭⑧⑤⑨⑥︑③④②●⑧●e●⑬③⑥③●●●①③④⑥●②⑫⑬●●⑤︑●⑨●④︑③④③⑨●●④⑲●●③④③●④⑧④⑧●④④⑬④︑⑳②e②④●●●●●④●④⑥●⑥⑮③●②︑⑨①④●②④⑳●④②③④④⑬⑬e●⑬⑮●︑︑⑳②⑨⑳⑥⑥③①⑪③④④●●①●⑧④④●⑧③⑧④⑭②⑨●●●⑮●●●●④●c③④④●⑧︑③●●●●●●●●⑨●●●●●●●●●●●●
● ● ③ ④ ③
⑥ ⑤ 、 ③ ③
⑬ ② ⑭ ● ③
⑬ ③ ● ② ①
● ⑳ ● ⑥
● ⑨ ● 、
⑨ ③ ⑤ ●
● ② 、 ⑤
⑮ 、 ● ●
④ 、 ④ ⑭
● ③ ● ⑱
④ ③ ④
② ● ③
③ ④ ③
⑬ ③ ⑨
、 ② ⑭
、 ④ ③ ⑬;鯛
、 ⑲ 、
④ ⑬ ⑱
③ ⑬ ⑧
● 、 ⑬
鯛:● ⑭ ④
⑥ ⑨ ●
⑭ 、 ④
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③ ⑨ ⑤
3霊
④、⑬②⑨
● ③
● ④
④ ④
④ ③
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● ● ④
● ③
● ●
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③ ●
● ④
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● ●
● ●
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④ ④
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● ③
④ ●
● ④
④ ⑤
● ●
● ●
● ④
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● ●
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●
● ●
●
●
●
●
④
③
●
②
②
●
●
●
■5555444444433333333333333333333333222222222222222222222222222222222222111111111111111100000000000000
淫
■・GG
1 2 1 4 8 2 5 逗 誤 = 4 1
191
ァとして適しているかという決め手がないといえる︒この事情は︑知能検査と知能との関係においても同様である︒
ここでは︑便宜上︑簡単な世帯毎の一ヶ月間の平均支出額と試作した尺度との相関を求めるにとどめたいと思う︒
昭和三十五年十月︑石川県下の一○○○世帯について燃料に関する市場調査を行なった際に︑金沢市のランダムに
選んだ二九六枇柵には付帯調査として前記の家庭用耐久消費財の所有状況の調査と生活費調査の項目を付け加えた︒
生活費調査は︑調査員が各世帯を訪問し︑面接終了時に第6表の如き二十一項目の選択肢をプリントしたカードを
見せながら次の教示を述べて応答を記録した︵註8︶︒
﹁鼓後に一寸たちいったことをお聞きしますが︑お宅の一ケ月の生活費は大体どれくらいでしょうか︑このカード
の番号でいえば何番になるでしょうか︒﹂
勿論︑この場合は世榊主︑主婦等一家の家計上の責任者や事情に詳しい人にだけ質問した︒その結果は二八八名か
第 6 表 生 活 雲生活費調査の質問に使用した選択肢
一 万 円 以 下
一万円以上デー万五千円未満 一万五千円以上〜二万円未満 二 万 円 以 上 〜 二 万 五 千 円 未 満 二万五千円以上〜三万円未満 三 万 円 以 上 〜 三 万 五 千 円 未 満 三万五千円以上〜四万円未満 四 万 円 以 上 〜 四 万 五 千 円 未 満 四万五千円以上〜五万円未満 五 万 円 以 上 〜 五 万 五 千 円 未 満 五万五千円以上〜六万円未満 六 万 円 逗 上 〜 六 万 五 千 円 未 満 六万五千円以上〜七万円未満 七 万 円 以 上 〜 七 万 五 千 円 未 満 七万五千円以上〜八万円未満 八 万 円 以 上 〜 八 万 五 千 円 未 満 八万五千円以上〜九万円未満 九 万 円 以 上 〜 九 万 五 千 円 未 満 九万五千円以上〜十万円未満 十万円以上
わ か ら な い
側②倒倒⑤⑥い⑧⑨⑩⑪⑫圃幽⑮⑱伽偲⑲鋤創
一 ら解答を得た︒このようにして求められた一ヶ月間の平均生活費︵支出額︶はその世帯の人員構成の如何によって生活水準が異なるから一人当りの平均生活費に換算するために︑昭和三十二年全都市勤労世常基準の人員修正係数⑮︶によって補正した値を算出した︒このような手続で得られた一人当りの生活費と前記の六段階の生活水準尺度の得点との相関をピアソンの相関係数によって求めたところ︑吋IP一睡が得られた︒これはロハ己三
で有意な相関である︒この値は︑それ程高い相関
192
ではないが︑調査員がその世帯の生活水準を五段階に評定した結果と一人当
りの一ケ月平均生活費との相関︑吋ⅡP宅一念八己三︶より僅かに高い︵但
し有意差はない︶︒の.シ︑F自巨富侭︵9︶によれば︑O富凰昌のぎo亘理胃巨の
浮巴①を四四二世将に実施した結果は︑収入との相関比戸瞳であったという
から︑この種の相関としてはそれ程低いとはいえない︒なお︑今の場合は︑
極めて簡単な質問一項目で生活費を調査しているので︑クライテリア自体の
信頼性が必ずしも高いとは思われないから︑そのような支出額と著明に高い
相関がみられぬからといって直ちにこの尺度の妥当性が低いと断ずるわけに
はいかない︒
試みに尺度上の各段階に属する世裕の一人当りの平均一ケ月支出額を算出
すると第7表にみられるように︑得点の上昇に伴なって生活費も増加してい
る︒なお︑各得点間の平均支出額の平均値の差の検定︵コクラン・ゴックス
の方法︶を行なったところ︑﹁1﹂と﹁2﹂の間及び﹁4﹂と﹁5﹂の間は
差が認められないが︑他の段階間は凡て五%の危険率で有意差が認められ
ア︵︾○.
㈲普及率について
最初に昭和三十五年七月の耐久消費財の普及率と十月の結果とを尺度に採り入れた五項目について比較してみると 五︑その他の問題
第 7 表 生 活 水 準 尺 度 の 得 点 分 布 と 各 段 階 に お け る 平 均 1 ケ 月 生 活 費
0 │ 1 」 2 1 3 1 4 1 5 計
−
鰐
人ゞ '1 731 67 331 Ⅳ| '3β割 5.91‐
14.211 19.8
% 25.3 100.0
−−
' 1 生 活 費
平均(値円)』。,…,''4J"川棚ユ8,089113,560
生 活 費
標準儒│'〃,2』,,,,│,,88,'5'7〃,2,
193
か 金 要 が 作 た 第 ら 沢 が あ 製 こ 8
、 市 あ つ し と 表
一 よ る た た が の
応 り ・ と よ 知 よ 安 人 こ し う ら う 定 口 の て な れ に し の 点 も 尺 る 個 だ 少 を 、 度 ・ 々 項 い 吟 ま も こ の 目 小 味 た 厳 こ % と 都 す 地 密 に に い 市 る 域 な 取 は え の た 的 意 り 多 |
考層逗鬘逵志:
。 ま 十 少 は た 変 た 月 ズ そ 家 動 |
更 の し の 庭 が
に 調 て 都 用 み |
人 査 い 度 耐 ら |
g彙奎簑粂署|
少 か し 率 費 も i
い ら て に 財 、
郡 、 も 基 の そ |
勢実笈芝簑&
町 市 率 再 率 位 の 以 の 構 は に 層 外 値 成 年 は に の そ さ 々 変 於 地 の れ 上 化
芝努勇浸署雲|
も 普 は な て い | そ 及 別 ら い こ
の 率 と な く と |
順 を し い こ か i
位 算 て 。 と ら | は 出 そ し が 、 変 す の か 予 以
裳重僻瞠譽剪,
い 、 は 多 れ 進 |
こ 第 安 ・ 少 る 択 と 8 定 の か が が 表 し 時 ら 通 知 の て 間 、 切 ら よ い 的 こ で れ う る 間 こ あ る に 必 隅 で つ
石川県下の諸地域における家庭用 耐久消費財5点の普及状況
(昭和35年7月及び1明調)
第 8 表
一
口 口口
名
、、
、、
ミ山碇舅|電
シ|多可窯
ン | ス 機 話
="'"│6・
|772255i16"1I9M1W,4,131192
︑謎︑︑︑|︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑.N
︑︑漢︑︑︑︑︑︑︑い〜地域
謡︑︑ 電気冷蔵庫
域 金
| 沢 市 一(7月)
N=349
i度 数 33
'19.21
1 4
166
舛弓トど︲州些hI己口卿
普及率
(%)
9.5
順 位 2 3 5
唖壺2|鋤
IlIlIIIIIII︲IIIllIIIIIIl︲IIIll1IⅡⅡ10ⅡⅡⅡIIl100I4IIlIB0■l68llD■O104pIII1︲4111171116︲Il9lI080Ⅱ010ⅡⅡⅡfⅡⅡⅡⅡ011
| ' 度 数
普及率
(%)
順位|
| 一一一一一一|度数
普及率
(%) 順 位
度数
一普 及 率一一|
(%) 順 位 金 | 沢 |
市 |
(10月)i N=2961
小*
都 市
(10月)
N = 2 0 2
難の"1
町
(10月)
N=145
132 39
44.6 2263 13.2
3−弱一
4
−−
5
|I側
45 16
7.9
↓41=
市
,('0月)
│N=202
1 . .
│−−−−−−
|郡*I 古 1 7
59.4 45.0 27.7 22.3
一
31
1 2
− 二 一 一 |
1
|
坐『4S‑│|'1
46912971214
'│.F
加 賀 市
野々市町,七塚町,引 11 91
|剛量5
普及率62.8
(%)
)
5 順 位 1 :小松市,七尾市,
:松任町,美川町,
羽 咋 市
森木町,
*
* *
194
㈲項目の荷重について
本稿ではガットマン尺度を目指していたので︑各項目に荷重点を付与することは問題にしなかったが従来種々用い
られて来た生活水準尺度では︑O言凰口・靜言色.AOR等いずれも全項目を等価と見倣さず項目毎に異なった荷重︵
ウエイト︶を与えている︒測定せんとしている生活水準に対して各項目が有している意味の竜味が凡て等価であると
考えることは出来ないから︑項目の占める重要性に従って適当な荷重点を与えることは当を得ているが︑問題はその
項目の重味づけの方法としては︑窓意的に或る得点を付与する方法︑項目の妥当性例えばクラィテリァと相関の高
い項目ほど重い点を与える方法︑あるいは項目自体の意味例えば普及率の低い消費財や価絡の高い消費財は高く採点
し︑反対に普及率の高いものや安価な消費財は低く採点する方法などがある︒このうち普及率によって項目の荷重を
行なっているものは多く︑例えば静言呈はシグマ法を用いて項目を荷電しているし︑AOR方式では前記のパレー
ト法則を利用して荷重点を算出しているし︑また元.匡百風の方法を用いることも可能であらう︒しかし︑の①言呈
や巨富風の方法では正規分布を︑またAPRではパレート法則に従う分布を前提としているから︑その前に生活水
準が如何なる分布をしているかを見究めなければならない︒所得の分配曲線が正規に分布せず特有な分布曲線を描く
ことはこれまで種々論ぜられて来たところであるが︑これとても社会経済的変動を考慮すれば所得乃至は生活水準は
本来このような理論分布をとるべきであると先験的に決定することは出来ないであらう︒
他方二別記のように家庭用耐久消費財の普及率がかなり時間的︑地域的に変動することを考えると普及率に著しく
左右されるような荷重を与えることは好ましくないといえる・
また︑周知のように一般にテストや尺度の妥当性は項目の荷重を如何様に変えても概してそれ程変らないといわれ
ており︑限られたサンプルから構成した尺度にそのような荷重点を含ませることは︑かえってgoの︑Iぐ堅墓qを低め 荷重の与え方である︒
195
世論調査や市場調査の如きマス・ソサエティを対象とする社会調査において生活水準を測定するために実用上簡便
な尺度を作製するのが本稿の目的であった︒
尺度は︑家庭用耐久消費財の所有状況を質問し︑これに基いて六段階に評定するよう構成された︒尺度に含まれた
項目は︑①ミシン︑②洋服ダンス︑⑧電気洗濯機︑㈹電話︑⑤電気冷蔵庫であり︑これらの有無から作られる尺度は
ガットマンの意味での一次元性を有しており信魎性も充分備えていた︒
この尺度の妥当性を検証するために一ヶ月間の生活費の支州顎を調査した結果との相関を求めたところ︑有意な相
関︵儲IP登らが得られ妥当性の点でも一応満足すべき条件を備えていることが知られた︒
なお︑この尺度で得られた得点をどこで区分するのが適切かという分割点の問題が残されているが︑この点につい
ては更に将来改めて検討を加えたいと思う︒ る結果ともなり兼ねないことを考え併せると︑本稿で提案したような一項目一点を与える方式がかえって適切なのではなかろうか︒
参照文献①朝日新聞
②○四国重潭
③○言且口.
例同座葛閏号
⑤○具目︺胃佃今西一錦 朝日新聞東京本社広告部司AOR︑マス・コミ接触調査﹂中間報告︑zo函九二11九八○四昌邑︾国.⑦画巨唱口頤も巨匡旨○凰昌○国︑z・﹈・雨風ロ88自己己ぐ.弔蔚のの︾岳虐D
C壷四亘邑︑蜀加.閃〆月国目①具里己①印荷国の言の○凰巳○魁︒巴罰①ゅ①質の戸z・国.函閏月H︑毛雪●
同座葛閏号.シ・P・亜目①9口茸巨勝旦鈩茸岸屋号粋巴①○○国里冒oは○目︑z・園.少で巳のざロー○の.目ご︾も野
の巨雰目四口︑F︐2画房冨①尉巨愚日①日四国Q弔尉&鼻ざ唇z﹄.弔凰ロ58国ごaぐ.雨扁協︾毛巴
今西一錦司村と人間︑東京浄新評論社︑一九五四︑八一一四○
要
約
I
196
へ
附 、 記 8 7 6
ー
本稿に用いた二回の調査は︑大広金沢出張所の山田浩三氏の好意により実施できたものである︒AOR方式の資料を頂いた朝日 註
新聞大阪本社広告部企画調査課の好意と共に︑記して感謝の意を表したい︒
⑫⑪伽(9)(8)(7)
5 4 3 2 1
この事情は左記に述べられている心
西田春彦:社会経済的地位尺度GOOざl再○国︒且●聾四目印雰巴①︶について︵村落社会研究会編農地改革と農民運動︑東
京︑時潮社︑一九五五︑二三六二三九︶
我国では︑パレート常数は大体二・一前後といわれているが︑所得が平均化すればこの値は小さくなる︒
生活水準の尺度は︑一時期における地域社会のなかでだけ適用できるものも叉︑ある程度の時間的巾をもちマス・ソサエテ
ィ全体に適用するようなものも共に可能である︒そのいづれをとるべきかは目的次第であって︑本来決めることができない︒
というのは生活水準はある標識を用いて測定する操作的概念だからである︒
因子分析を用いて単一因子のみを測定するよう項目を選択するのも一方法であろう︒
テレビ放送が開局されると︑ある一定期間受像機の普及率は急増するが︑その後増加率は安定して来るのが普通である︒金
沢市では一応そのような期間が過ぎたと見倣すべきかもしれないが︑この尺度が作られた当時では︑昭和三十四年十月で︑
三五・四%︵zⅡ篭g︑昭和三十五年七月で︑五五・九%︵zⅡ詮巴の値だけが知られていたので︑サンプリングに問題
がないとすれば普及率は未だ上昇しつつある途上と考えたのである︒態度尺度や人格検査でいえば︑項目の意味の多義性に相当する︒
ガットマン尺度では︑一.ご以下の項目が存在することは望ましくないといわれている︒
調査員は未訓練の大学生である︒ 金田弘夫唖開拓部落におけるのogOI①8口︒且︒⑳冨冨のの測定と若干の問題︑社会学評論︑一八︑一九五五︑二二八熊田登轆世論調査における社会階級︑千輪浩先生還暦記念論文集﹁最近心理学の諸問題﹂︑一九五二︑二九一二九八宮口今の侭.の︒シ︑著・福武直︑安田三郎訳叩社会調査︑東京︑東京大学出版会︑一九五一︑三三○頁日本社会学会調査委員会編︑日本社会の階層的構造︑東京︑有斐閣︑一九五八︑一八頁西平重喜如統計調査法︑東京︑培風館︑一九五七︑一八八頁安田三郎社会調査ハンドブック︑東京︑有斐閣︑一九六○︑八一八二