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緒 言
文部科学省新体力テストは平成 11 年度から保 健体育教育に本格導入され、旧文部省スポーツテ ストや体力診断テストに取って替わり、個人の体 力水準を把握し積極的な健康づくりのための資料 として今日利用されている。本学の保健体育教育 においても、学生の体力状況を把握しその結果を、
学生指導に反映させてきた。
本学においては平成 6 年(1994 年)に旧テスト のデータを用いて本学独白の体力の評価表を作成 した。そして平成 23 年度に新しいテストのデー タを元に本学独自の評価表を作成した。その後も、
本学の学生にあわせた評価やテスト結果の利用法 を考えるため、継続的なデータ蓄積が必要とされ ている。
本研究の目的は、本学の平成 27 年度健康栄養 専攻学生の新体力テストの測定結果を用いて体力 水準を把握することである。
研究方法
2015 年 4 月に、健康栄養専攻学生 92 名(男子 9 名女子 83 名)を対象に、体力テストを実施した。
体カテストの項目は文部科学省新体力診断テスト 8 種目(握力、上体おこし、長座体前屈、反復横 とび、20m シャトルラン、50m 走、立ち幅とび、
ハンドボール投げ)である。
女子の測定値について、合計点を算出する関係 から 8 種目すべてを受検した 55 名を対象に基本 的統計量を算出し、平成 25 年度文部科学省体力・
運動能力調査「学校段階別テスト結果:短期大学」
の値を用いて差の検定を行った。また、文部省の 評価基準に従って種目ごとに 10 段階評価を行い、
8 種目の合計点によって級別判定を行った。
結 果
1.1. 基本的統計量と全国平均値との差の検定 各テスト項目の平均値及び標準偏差は表 1 のと おりである。握力以外の種目は全国平均値を上ま わった。上体おこし、20m シャトルラン、立ち幅 とび、合計得点では 1%水準で有意差があり、反 復横とびは 5%水準で有意差があった。
研究ノート
本学学生の体力水準と評価方法に関する研究
一平成 27 年度 健康栄養専攻 女子学生を対象としてー
A study of fitness lebel of Musashigaoka College students and construction of norm for Musashigaoka College students
中村 達也 太田あや子 福島 邦男 山村 伸
Tatsuya NAKAMURA Ayako OTA Kunio FUKUSHIMA Shin YAMAMURA Abstract
The purpose of present study was to clarify fitness lebel of Musashigaoka College female students.
The subjects of the study were 55 female College freshman students enrolled in general health and physical education classes. The subjects took Japan Fitness tests(Grip Strength, Sit-ups, Sit & Reach, Side Steps, 20 m Shuttle Running, 50 m Dash, Standing Long Jump, and Handball Throwing). Physical fitness in participants was graded into five categories (A-E) according to norm-referenced criteria.
There are significant difference between Side Steps , 20 m Shuttle Running, and handgrip, Standing Long Jump of the means of Musashigaoka College students and the means of Japanese students.
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本学学生の体力水準と評価方法に関する研究
表 1 基本統計量と全国値との差
テスト項目 武蔵丘 全国 差 t値 有意差
握力 kg
mean 27.15 27.18 NS SD 4.65 4.51 -0.03 -0.05
N 55 296
上体起こし 回
mean 25.95 23.19
**
SD 6.48 6.04 2.76 3.33
N 55 296
長座体前屈 cm
mean 48.80 47.00 NS SD 10.14 9.65 1.80 1.36
N 55 296
反復横とび 回
mean 49.51 47.63
* SD 5.22 5.53 1.88 2.47
N 55 296
20m シャトルラン 回
mean 52.69 42.59
**
SD 20.47 14.41 10.10 5.10
N 55 269
50m 走 秒
mean 9.13 9.21 NS SD 0.81 0.89 -0.09 -0.65
N 55 293
立ち幅とび
mean 183.78 169.62
**
SD 23.78 21.32 14.16 4.84
N 55 296
ハンドボール投げ m
mean 14.64 14.43 NS SD 3.82 3.67 0.21 0.42
N 55 296
合計点
mean 54.87 47.71
**
SD 10.94 9.66 7.16 5.40
N 55 292
*(p<0.05), **(p<0.01)
1.2 文部科学省評価基準による評価
各種目ごとの 10 段階評価の結果は図 2 から図 9 のとおりである。上体おこし、ハンドボール投げ では最低評価の段階 1 に該当した者がいた。
表1 基本統計量と全国値との差
テスト項目 武蔵丘 全国 差 t値 有意差
握力 kg
mean 27.15 27.18
NS
SD 4.65 4.51 -0.03 -0.05
N 55 296
上体起こし 回
mean 25.95 23.19
**
SD 6.48 6.04 2.76 3.33
N 55 296
長座体前屈 cm
mean 48.80 47.00
NS
SD 10.14 9.65 1.80 1.36
N 55 296
反復横とび 回
mean 49.51 47.63
*
SD 5.22 5.53 1.88 2.47
N 55 296
20mシャトルラン 回
mean 52.69 42.59
**
SD 20.47 14.41 10.10 5.10
N 55 269
50m走秒
mean 9.13 9.21
NS
SD 0.81 0.89 -0.09 -0.65
N 55 293
立ち幅とび cm
mean 183.78 169.62
**
SD 23.78 21.32 14.16 4.84
N 55 296
ハンドボール投げ m
mean 14.64 14.43
NS
SD 3.82 3.67 0.21 0.42
N 55 296
合計点
mean 54.87 47.71
**
SD 10.94 9.66 7.16 5.40
N 55 292
*(p<0.05), **(p<0.01)
1.2 文部科学省評価基準による評価
各種目ごとの10段階評価の結果は図2から図9 のとおりである。上体おこし、ハンドボール投げで は最低評価の段階1に該当した者がいた。
100 112 104 104 124 101 108 101 115 200
4060 10080 120140
図1 全国平均値を100%とした場合の武蔵丘 生の割合(%)
0 1 3 3 5
16 13
8 3 3 0
5 10 15 20
1点 2点 3点 4点 5点 6点 7点 8点 9点 10点 図2 握力得点(人)
1 0 0 1 1 5 7 9 9
22
0 5 10 15 20 25
1点 2点 3点 4点 5点 6点 7点 8点 9点 10点 図3 上体起こし得点(人)
0 0
5 6 6
10 7 10 6 5 0
2 4 6 8 10 12
1点 2点 3点 4点 5点 6点 7点 8点 9点 10点 図4 長座体前屈得点(人)
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武蔵丘短期大学紀要 第23巻
8 種目全てのテストを受けた 55 名の合計点の平 均値は 54.87 点(80 点満点)で、18 歳の年齢別級 別判定の分布は図 10 のとおりである。
最高級の A 級(65 点以上)は 14 人、B 級(54
~ 64 点)が 16 人、C 級(43 ~ 53 点)が 18 人と 最も多く、D 級(31 点~ 42 点)が 6 人、最低級 E 級(30 点以下)は 1 人であった。
本学の健康栄養専攻女子学生の体力 ( 総合得点を考 察
比較 ) は学生として全国的にみて 1% 水準で有意差 があり、高い水準にあることが明らかとなった。
しかし、握力のみ有意差はないが全国平均を下 回った。
昨年度全国平均を 2.01cm 下回った長座体前屈 は11) 昨年度の反省を生かし、有意差はないが全国 平均より 1.80cm 上回った。
上体おこし、20m シャトルラン、立ち幅とび、
合計得点は 1% 水準で有意差があった。また 20 m シャトルランでは平成 25 年度の反省【学生の中に は心拍数がそれほど上昇しているように見えない 段階で走るのをやめる者も見受けられることから、
今後は学生の意欲を喚起する方法を取る必要10)】 を活かし正確な値が出せるよう導入時に周知した 結果、全国平均より10.1回高い値となった。さらに、
反復横とびは 5%水準で有意であり全国平均より 反復横とびは 1.88 回上回った。
今年度も昨年度の課題であった点を活かし、体 力テスト開始前の動機づけを十分行い、テストに 臨む意欲が高まるように工夫した。しかし 1 種目
(握力)のみ全国平均を下回った。今後もテスト 施行時のウォーミングアップを入念に行い、個 人が持つ最大の能力を発揮できるよう行ってゆ く必要があると考えられる。
また、データを蓄積し、測定値の分布状況を 8種目全てのテストを受けた55名の合計点の平
均値は54.87点(80点満点)で、18歳の年齢別級 別判定の分布は図10のとおりである。
最高級のA級(65点以上)は14人、B級(54
~64点)が16人、C級(43~53点)が18人と最 も多く、D級(31点~42点)が6人、最低級E級
(30点以下)は1人であった。
考 察
本学の健康栄養専攻女子学生の体力(総合得点を 比較)は学生として全国的にみて1%水準で有意差 があり、高い水準にあることが明らかとなった。
しかし、握力のみ有意差はないが全国平均を下回 った。
昨年度全国平均を2.01cm下回った長座体前屈は
11) 昨年度の反省を生かし、有意差はないが全国平均 より1.80cm上回った。
上体おこし、20mシャトルラン、立ち幅とび、合 計得点は1%水準で有意差があった。また20mシャ トルランでは平成25年度の反省【学生の中には心 拍数がそれほど上昇しているように見えない段階で 走るのをやめる者も見受けられることから、今後は 学生の意欲を喚起する方法を取る必要10)】を活かし 正確な値が出せるよう導入時に周知した結果、全国 平均より10.1回高い値となった。さらに、反復横と びは5%水準で有意であり全国平均より反復横とび は1.88回上回った。
今年度も昨年度の課題であった点を活かし、体力 テスト開始前の動機づけを十分行い、テストに臨む 意欲が高まるように工夫した。しかし1種目(握力)
のみ全国平均を下回った。今後もテスト施行時のウ ォーミングアップを入念に行い、個人が持つ最大の 能力を発揮できるよう行ってゆく必要があると考え られる。
また、データを蓄積し、測定値の分布状況を分 0
5 10 15 20
1点 2点 3点 4点 5点 6点 7点 8点 9点 10点 図5 反復横とび得点(人)
0 0 3 6
12 12 9
3 3 7 0
5 10 15
1点 2点 3点 4点 5点 6点 7点 8点 9点 10点 図6 20mシャトルラン得点(人)
0 3
9 8 11 8
3 9
2 2 0
5 10 15
1点 2点 3点 4点 5点 6点 7点 8点 9点 10点 図7 50m走得点(人)
0 1 1 3 9 7
12
6 6 10 0
5 10 15
1点 2点 3点 4点 5点 6点 7点 8点 9点 10点 図8 立ち幅跳び得点(人)
2 1 4 4 7
18 7 6 0 2 4
5 10 15 20
1点 2点 3点 4点 5点 6点 7点 8点 9点 10点 図9 ハンドボール投げ得点(人)
14 16 18
6 1
0 5 10 15 20
A B C D E
図10 総合評価(人)
8種目全てのテストを受けた55名の合計点の平 均値は54.87点(80点満点)で、18歳の年齢別級 別判定の分布は図10のとおりである。
最高級のA級(65点以上)は14人、B級(54
~64点)が16人、C級(43~53点)が18人と最 も多く、D級(31点~42点)が6人、最低級E級
(30点以下)は1人であった。
考 察
本学の健康栄養専攻女子学生の体力(総合得点を 比較)は学生として全国的にみて1%水準で有意差 があり、高い水準にあることが明らかとなった。
しかし、握力のみ有意差はないが全国平均を下回 った。
昨年度全国平均を2.01cm下回った長座体前屈は
11) 昨年度の反省を生かし、有意差はないが全国平均 より1.80cm上回った。
上体おこし、20mシャトルラン、立ち幅とび、合 計得点は1%水準で有意差があった。また20mシャ トルランでは平成25年度の反省【学生の中には心 拍数がそれほど上昇しているように見えない段階で 走るのをやめる者も見受けられることから、今後は 学生の意欲を喚起する方法を取る必要10)】を活かし 正確な値が出せるよう導入時に周知した結果、全国 平均より10.1回高い値となった。さらに、反復横と びは5%水準で有意であり全国平均より反復横とび は1.88回上回った。
今年度も昨年度の課題であった点を活かし、体力 テスト開始前の動機づけを十分行い、テストに臨む 意欲が高まるように工夫した。しかし1種目(握力)
のみ全国平均を下回った。今後もテスト施行時のウ ォーミングアップを入念に行い、個人が持つ最大の 能力を発揮できるよう行ってゆく必要があると考え られる。
また、データを蓄積し、測定値の分布状況を分 0
5 10 15 20
1点 2点 3点 4点 5点 6点 7点 8点 9点 10点 図5 反復横とび得点(人)
0 0 3 6
12 12 9
3 3 7 0
5 10 15
1点 2点 3点 4点 5点 6点 7点 8点 9点 10点 図6 20mシャトルラン得点(人)
0 3
9 8 11 8
3 9
2 2 0
5 10 15
1点 2点 3点 4点 5点 6点 7点 8点 9点 10点 図7 50m走得点(人)
0 1 1 3 9 7 12
6 6 10 0
5 10 15
1点 2点 3点 4点 5点 6点 7点 8点 9点 10点 図8 立ち幅跳び得点(人)
2 1 4 4 7
18
7 6 2 4 0
5 10 15 20
1点 2点 3点 4点 5点 6点 7点 8点 9点 10点 図9 ハンドボール投げ得点(人)
14 16 18
6 1
0 5 10 15 20
A B C D E
図10 総合評価(人)
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本学学生の体力水準と評価方法に関する研究
分析検討したり、昨年度生と今年度生の比較や 運動習慣の有無による比較などを行ない、指導 に役立つテスト結果の活用を図っていきたい。
【参考文献】
1)出村 慎一:例解 健康・スポーツ科学のための 統計学 大修館書店 (1996)pp.168-170.
2)Hoeger W. K。 Hopkins D. R.:A comparison of the sit and reach and the modified sit and reach in the measurement of flexibility in women. Research Quarterly Exercise and Sport 63-2 : 191-195. (1992)
3)MCSwegin P. Pemberton C. Petray C.,Going S. : Physical BEST The AAHPERD Guide to Physical Fitness Education and Assessment.
The American Alliance for Health Physical Education, Recreation,and Dance,(1988)
4)文部科学省:平成 25 年度体力・運動能力調査 報告書 , 文部科学省スポーツ青少年局(2014)
5)日本体育学会測定評価専門分科会アジア青少 年体力テスト研究調査班:アジア青少年健康 体カテストプロジェクト報告書 , pp.67(1993)
6)太田 あや子:実施 15 年目を迎えて見えてき た課題とその対策 , 体育科教育 , 大修館書店 , 61-4:22-25. (2013)
7)Snedecor,G.W., 畑村 又好他訳:統計的方法(改 訂版) 岩波書店 pp.183-186. (1967).
8)横山 泰行:青少年の体力運動能力計測値の正 規性に関する研究 , 体育学研究 36 : 219-233.
(1991)
9)( 財 ) 日本体育協会スポーツ科学委員会編:体 力テストガイドブック , ぎょうせい,pp.168- 170.(1982)
10)中村 達也、太田 あや子、福島 邦男、山村伸:
本学学生の体力水準と評価方法に関する研究、
武蔵丘短期大学紀要第 21 巻 pp23-25, 2013 11)中村 達也、太田 あや子、福島 邦男、山村 伸:
本学学生の体力水準と評価方法に関する研究、
武蔵丘短期大学紀要第 22 巻 pp49-52, 2014