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北海道のスキー場選択 における判断要因

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Academic year: 2021

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(1)

北海道のスキー場選択 における判断要因

‑ we b を利用 した実験

1)

社会情報学科 佐 山 公 一

スキー客 は どの ようにしてスキー場 を選択 しているのであろうか ?雪質が良 い とい う理由だけでスキー客がスキー場 を選ぶ とは限 らない。居住地か らの距 離, 自家用車の所有の有無,当地のホテルのサー ビス,スキー場の設備や広 さ などといった,ち ょっとした違い も彼 らのスキー場選びに影響する。

スキー場 は都市か ら離れている。それゆえ,スキー場の情報は,当地のホー ムページ等 を通 して間接的に集め られる。 スキー場 に関す る情報 を,情戟 を提 供す る側が どの ように提供す るか,その提供の仕方が見込み客 にスキー場 を選 ばせ る決定的な要因 となる。

本研究は,ホームページ上で,スキー場 に行 く際に実際に起 こ りうる意思決 定場面 をシミュ レー トする。ホームページを見てスキー場 を選ぶ見込み客の現 実の意思決定行動 を記録す る。そ うすることで,見込み客 に本当に必要な情報 は何か, さらには,その効果的な呈示方法 を知 ることがで きる。

従来, この種の調査 は,ホテルの宿泊客 に対す る宿泊前後のホテルサー ビス に関す るア ンケー トであるとか,あるいはスキー場 に対する好みに関する質問 調査 といった もの しか行われてこなかった。本研究はこうした研究 とは根本的 に異 なる。観光協会,スキー場のホームページに置かれたバナーをクリックす ると, どこのスキー場 に行 くかを決める際に実際に起 こ りうる意思決定場面が 現れる。現実 と同 じ2, 3の選択 を見込み客 に行って もらう。そ うすることで, ホームページを見てスキー場 を選ぶ見込み客の生の選択行動の時間経過を追 う。

1)本研究は,北海道開発協会平成1 8 年度研究助成の補助を受けた。

〔 1 0 9 〕

(2)

漠然 と考 えていることがスキー場を選ばせる

唐突であるが,数学のテス トで良い点 をとり続けている学生がいた としよう

誰 もがその学生 を理系的な学生 と思 うであろう。 この とき,我 々は二つの判断 を している。一つ は,学生が 『 理系学力』 をもっているとい う判断その もので あ り, もう一つは,その理系学力が原因 とな り,数学の高得点の連続 とい う結 果 になって現れている, とい う判断である。

理系 とい う判断を我 々は当然の こととして受け入れているが,では理系 とは 何か と問われれば, 『 科学者 向 きの人』, 『 数字 に強い人』 な どといった漠然 と した答 え しか返す ことがで きない。漠然 としているにもかかわ らずそ うしたこ とを誰 もが常識 と思って疑 わない。 さらに, この漠然 とした考 えを原因 と思 っ て, 目に見 える結果 ( 数学の高得点の連続) と結びつけている。 こうした推論 を,行 きたい店や場所 を探す際にも,我 々は 日常的に行 っている。 これは,あ る種の因果関係の判断であるが,あいまいな考 えにもとづいているとい う点で, 数学や論理学 などで習 う因果関係の判断 とは異 なる。

こうした判断を,我 々はもっと複雑 に積み重ねて行 っている。 どの ようなテ ス トで も,お しなべて良い点をとる傾向のある学生がいた とすれば,その学生 は 『 学力』が高い とも我 々は考 える。『 学力』には 『 理系学力』が含 まれると, やは り当然の こととして受 け とる。 あるいは, 『 学力』が原因 となって 『 理系 学力』 を引 き起 こす, とい うような因果関係 を認める人 もいるであろう。

図 1 ( a ) にこの関係 を示す。本研究では,以後,楕 円を使 って,人が漠然 と抱 いている考 えを表す ことに し, また,現実に客観的に現れる数字 を,長方形 を 使 って表す ことにする。図 1 ( a) では,理系学力が強い原因 となって数学のテス トの点数に結果 として現れている。 また,理系学力が弱い原因 となって英語テ ス トの点数 に結果 として現れている。 この様子 を,図 1 ( a) では,矢印の太 さの 違い として表 している。理系学力は学力 に含 まれてお り,学力が理系学力の原 因になって もいる。

こうした判断が 日常的に行われるものであるなら,スキー場 を選ぶ ときにも漠

然 と思っていることがあ り,それが原因となってスキー場選択を行っているか も

(3)

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北海道のスキー場選択における判断要因 1 11

図 1( a ) 構成概念 ( 楕円)と具体 図 1( b) 構成概念 ( 楕円)と具体的 的に現れる数値 ( 長方形) に現れる数値 ( 長方形)と との関係.学力とテス ト の関係.スキー場の意思決 の点数との関係の場合. 定の場合.

しれない。た とえば,図 1( b) 右側の "?"で示 される 3 つの要因があ り,学力 と理系学力,文系学力 との関係 と同 じ関係 をな しているか もしれない。あるい は,図 1( b) 右側の関係 よ りも複雑 な関係 になっているか もしれない。そ もそ も 漠然 としたあい まいな考 えを選択時に使 っているとすれば,それはどの ような 考 えであろ うか ? 本研究の 目的の一つは,選択行動 に関す るさまざま質問を 行いその結果に対 して因子分析 を行い,そ うした考えを探索的に調べ ることで ある。なお,質問 ( 実験 2)はスキー場選択の シミュ レーシ ョン ( 実験 1)の 後 に行 った。

スキー場の選択行動 は, どの ような数字に具体的に現れるであろうか ?図 1 ( b) の左側 にあるような,特定のスキー場の雪質や設備 に対す る評価が大 きいの は確かであろう。特定のホテルの満足度が影響することもあるか もしれない。

そ うした数値 は,これ までに行われて きた質問調査で も得 ることがで きるが, それだけでは十分 と言 えない。たいていのスキー場が顧客満足度調査の類の質 問調査 を行 ってはいるが,結果的にスキー客 を増やす ことになっているように は見 えない。結果 として表れる数値 よ りはむ しろ,そ うした数値 に結果 として 至 る経過の方が,選択行動 をよ りよく反映するのではないか。

スキー場 を選ぶ経験 は,どの ような人にもたいてい一度や二度はある。ただ, 選択 をしている最中のことを覚 えている人はまずいない。経験 に関する記憶 は, 時間の経過 とともに急速に失われる ( Tu l vi ng, Sc ha c t e r , & St a r k,1 9 8 2 ;太田, 北海道のスキー場選択における判断要因 11 1

図 1( a) 構成概念 ( 楕円)と具体 図 1( b) 構成概念 ( 楕円)と具体的 的に現れる数値( 長方形) に現れる数値 ( 長方形)と との関係.学力とテス ト の関係.スキー場の意思決 の点数との関係の場合. 定の場合.

しれない。た とえば,図 1( b) 右側の "?"で示 される 3つの要因があ り,学力 と理系学力,文系学力 との関係 と同 じ関係 をな しているか もしれない。あるい は,図 1( b) 右側の関係 よ りも複雑 な関係 になっているか もしれない。そ もそ も 漠然 としたあい まいな考えを選択時に使 っているとすれば,それは どのような 考 えであろ うか ? 本研 究の 目的の一つは,選択行動 に関す るさまざま質問を 行いその結果に対 して因子分析 を行い,そ うした考えを探索的に調べ ることで ある。 なお,質問 ( 実験 2 ) はスキー場選択の シミュレー ション ( 実験 1)の 後 に行った。

スキー場の選択行動 は, どの ような数字に具体的に現れるであろうか ?図 1 ( b) の左側 にあるような,特定のスキー場の雪質や設備 に対す る評価が大 きいの

は確かであろう。特定のホテルの満足度が影響することもあるか もしれない。

そ うした数値 は,これ までに行われて きた質問調査で も得 ることがで きるが, それだけでは十分 と言 えない。たいていのスキー場が顧客満足度調査の類の質 問調査 を行 ってはいるが,結果的にスキー客 を増やす ことになっているように は見 えない。結果 として表れる数値 よ りはむ しろ,そ うした数値 に結果 として 至 る経過の方が,選択行動 をよ りよく反映するのではないか。

スキー場 を選ぶ経験 は,どの ような人にもたいてい一度や二度はある。ただ, 選択 をしている最中のことを覚 えている人はまずいない。経験 に関する記憶 は, 時間の経過 とともに急速に失われる ( Tu l vi ng, Sc ha c t e r ,& St a r k,1 9 8 2 ;太田, 北海道のスキー場選択における判断要因 11 1

図 1( a) 構成概念 ( 楕円)と具体 図 1( b) 構成概念 ( 楕円)と具体的 的に現れる数値( 長方形) に現れる数値 ( 長方形)と との関係.学力とテス ト の関係.スキー場の意思決 の点数との関係の場合. 定の場合.

しれない。た とえば,図 1( b) 右側の "?"で示 される 3つの要因があ り,学力 と理系学力,文系学力 との関係 と同 じ関係 をな しているか もしれない。あるい は,図 1( b) 右側の関係 よ りも複雑 な関係 になっているか もしれない。そ もそ も 漠然 としたあい まいな考 えを選択時に使 っているとすれば,それは どのような 考 えであろ うか ? 本研 究の 目的の一つは,選択行動 に関す るさまざま質問を 行いその結果に対 して因子分析 を行い,そ うした考えを探索的に調べ ることで ある。 なお,質問 ( 実験 2 ) はスキー場選択の シミュ レー ション ( 実験 1)の 後 に行 った。

スキー場の選択行動 は, どの ような数字に具体的に現れるであろうか ?図 1 ( b) の左側 にあるような,特定のスキー場の雪質や設備 に対す る評価が大 きいの

は確 かであろう。特定のホテルの満足度が影響することもあるか もしれない。

そ うした数値 は,これ までに行われて きた質問調査で も得 ることがで きるが, それだけでは十分 と言 えない。たいていのスキー場が顧客満足度調査の類の質 問調査 を行 ってはいるが,結果的にスキー客 を増やす ことになっているように は見 えない。結果 として表れる数値 よ りはむ しろ,そ うした数値 に結果 として 至 る経過の方が,選択行動 をよ りよく反映するのではないか。

スキー場 を選ぶ経験 は,どの ような人にもたいてい一度や二度はある。ただ,

選択 をしている最中のことを覚 えている人はまずいない。経験 に関する記憶 は,

時間の経過 とともに急速に失われる ( Tu l vi ng, Sc ha c t e r ,& St a r k,1 9 8 2 ;太田,

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1 9 9 5 ) ため,選択行動 をした本人には記憶がないoそれゆえ,質問調査 を行い, 選んだ経過 を直接本人に聞いて も分か らない。 どのように行動 しているか,そ の途中経過 を知 るには,実際に選択行動 を して もらい,選択 を行 っている途中 経過 を実際に記録する以外 ない。本研究の もう一つの 目的は,スキー場の選択 行動 を Web 上で シミュ レー トし,選択行動の時間経過 を反映す ると思われる さまざまなデータを収集 し,それ らの間の関係 を考 えることである。 さらに, 因子分析 の結果 をもとにして想定 した因子 ( 原因)が, シミュ レーションか ら 得 られた数値 ( 結果) に及ぼす因果関係の強 さを測定 してみることに した。

意思決定行動は文化 によって規定 されている

選択行動 を実際に行っている人たちが意識 していないにもかかわらず,彼 らが 共有 し使っている漠然 とした考えは行動規範 と呼ばれる。この行動規範をどのよ うにしたら明確 にすることができるであろうか。特定の集団の成員が持っている 行動規範を明 らかにする方法の一つは,複数の集団を比較することであろう。

Ho f s t ede は彼 の膨大 な研究の積 み重ねか ら, さまざまな文化 の行動規範 を 5 つの次元 ( di me ns i o n) の上 に位置づ け分類す ることがで きると主張 して き ている ( Ho f s t ede ,1 9 9 4 ,1 9 9 8 , 2 0 01 ;Ho f s t e de & Ho f s t ede , 2 0 0 4 ;Ho f s t e de &

Bo nd,1 9 8 4 ;Ho f s t ede , Ho f s t e de ,&Pe de r s e n, 2 0 0 2 ) 。 Ho f s t ede の言 う次元 と は ,po we rdi s t a nc e ( 権力差) ,i ndi vi dua l i s m‑ c o l l e c t i vi s m ( 個人 一集団主義), ma s c ul i ni t y‑ f e mi ni ni t y ( 男性性 ‑女性性) , unc e r t a i nt ya vo i da nc e ( 不確定 感の回避) , l o ng‑ s ho r tt e r m o r i e nt a t i o n ( 長期 ‑短期指向)の 5 つである。

これ ら次元の中には個人に関わる次元 もあれば,個人 と言 うよ りは集団 と個人 の関係 に関わる次元 もある 。" unc e r t a i nt ya vo i da nc e ' 'は, どち らか と言 うと 個人 レベルの次元であるように思 える。それゆえ,個人の意思決定に現れるか もしれない。 日本の文化 は unc e r t a i nt ya vo i da nc e を回避す る傾向の きわめて 強い文化 とされている ( Ho f s t e de , 2 0 01 , 2 0 0 5 ) 。

Ho f s t e de の主張は多 くの研究者の批判や修正提案 を受けてお り ( たとえば,

Sc hwa r t z ,1 9 9 0 ) ,今 なお議論の中心にある 。 Ho f s t e de の言 う次元は,我々の 日

(5)

北海道のスキー場選択における判断要因 113 常的な行動の どのような場面に具体的に現れるのかを考えは じめるとはっきりし な くなる。ただ,直感的には受け入れることがで きそうな気がする。そこで,本 研究では,スキー場選択行動 を具体例にとり,過去に指摘 されて きたこうした構 成概念が,現実場面に具体的にどのように現れるのかを考えてみることにした。

この他 , compens at or y‑ nonc ompens at or y ( 補償 一非補償 ;Gr een &

Wi nd,1 97 3 ;So l omon,1 99 9;Ka nuk, 2 00 0 ), l i mi t edpr oc e s s i ng‑ e xt ens i ve pr o c e s s i ng ( 限定的 一広範 な処理 ;Be t t ma n, Lu ° e ,& Pa yne ,1 9 9 8 ) といった 構成概念 も,集団の行動規範の違い として指摘 されて きている。大雑把 には, これ らは次の ような考 えを指 している。商品を購入するとき,人は しば しばカ タログを多 く集め,その商品の属性 に関する情報 をで きる限 り多 く収集 しよう とす ることがある。 とくに, 自動車や家の ような高額な商品になるほどこの行 動の傾向は強 くなる。自動車 を買 う場合,見込み客の多 くが,車の値段,燃費, 乗 り心地などといった 自動車の属性 を網羅的に調べ ようとす る。 こうした行動 傾向は しば しば c o mpe ns a t o r y とか e xt e ns i vepr o c e s s i ng とか言われる。 これ とは反対 に, とりあえず手にとってみて,たまたま売 り場 にあったい くつかの 種類の商品の中で,その商品が気 に入れば買 う, とい うこともしば しばある。

日常的で低額の商品 を買 う場合, こうした傾 向が強 くなる 。 c o mpe ns a t or y‑

nonc o mpe ns at or y の違いは,同 じ個人で も状況 に依存 して変わるか もしれな い。 また,異 なる個人で も,文化 によって も変わるか もしれない。

本研究では,スキー場 を選ぶ とい う現実に即 した仮想的な場面 を設定 し, 日 本人である見込み客の実際の選択行動 に unc e r t a i nt ya vo i da nc e や c o mpe ns a ‑ t o r y な行動が見 られるか どうかを調べてみることに した。

実験 は平成 1 8 年 2 月初旬 か らお よそ 3 ケ月の間行 われた。 ニセ コ観光協会 ( ht t p: / / www. ni s eko. org) ,倶 知安観 光協会 ヒラ フ支 部 ( ht t pノ/ www.

ni seko ‑ hi raf u. j p) , お よび, ニ セ コス キー場 連 絡 協 議 会 ( ht t p: / / www.

ni s e ko. ne. j p) のホームペー ジ訪問者が,それぞれのホームページに置かれた

バナーをクリックする。す ると,小樽商科大学 ・佐 山研究室のホームペー ジが

呼びだされ,実験が開始 される。巻末の付録 に,ニセコ観光協会お よびニセコ

(6)

スキー場連絡協議会のホームページ ( いずれ も平成 1 8 年 3 月時点の もの) とそ れぞれに置かれたバナーを示す。

実験 1では,ニセ コのスキー場の情報 を載せたホームページをク リック した 見込み客に,現実 に近い意思決定場面 を呈示 し実際に選択 を行って もらう。彼 らが何 を欲 し,どの ように意思決定 を行 うか,その時間経過 を具体的に調べ る。

レンタカー会社,ホテル,スキー場の選択場面 を設定 し,そこで彼 らが どの よ うな処理 を行 うか を探索的に調べ る。意思決定場面が現れてか ら初めてクリッ クす るまでの時間,最初のクリックか ら最後にクリックす るまでの間の時間, 最後のクリックか ら選択 までの時間,選んだ選択肢 な どが記録 される。実験 1 の 目的は, こうした測定値の間にどの ような関係があるか,共分散構造分析 を 使 って考察 してみることである。

実験 2 では,見込み客が 日常的に経験すると思われる一般的な消費行動場面 における意思決定 に関する質問を用意 し,それ らに対 し評定 を行 って もらう。

実験 2 の 目的は,スキー場選択の意思決定に,どの ような要因が潜在的に関わっ ているのかを調べ ることである。 さらに,実験 2 の実験結果の分析か ら見つけ だされるであろう因子が,実験 1の見込み客の選択行動 を, どの くらい よく説 明で きるか,言いかえれば,因子 と実際の行動 との間にどの程度の因果関係が あるか を,共分散構造分析 を使 って分析 してみる。

実 験 1

万 法

被験者 日本語 を母語 とす る 日本人207 名であった。被験者 の うち1 5 名 に抽 選でスキー場 リフ ト8 時間利用券がプ レゼ ン トされた。 これは,被験者の実験 参加への動機 を高めるために行われた。

手続 き 実験 は個別 に行われる。ニセコリゾー ト観光協会,ニセ コスキー場

連絡協議会, または,倶知安観光協会 ヒラフ支部のホームページにおかれたバ

ナーをクリックした被験者 は,小樽商科大学,佐 山研究室のホームページに導

(7)

北海道のスキー場選択における判断要因 115 かれ,被験者 自らページを進む。巻末の付録 に,被験者が見た実際の実験場面 の一部が示 されている。個人情報 は厳重 に管理 される旨の説明が与 えられた後, 被験者 は実験 開始ボタンをクリックする。す ると,実験が開始 される。郵便番 号,氏名,年齢,職業,性別 を入力す る画面が現れ,入力の後,次のペー ジに 進む。実験作業 を説明する次の ような文章が現れる。

最初,表の各セルには何 も表示 されていません。あなたが知 りたい情報 に対 応す るセルをク リックす ることでその情報が表示 され ます。 セルはい くつ ク リック して もか まいません。セルか ら得 られる情報 をもとに して,質問に答 え て ください。

被験者は,ニセ コに レンタカーで行 くことを想像するよう求め られる。被験 者がスペースキーを押す と, どの会社 の レンタカーを借 りるかを決定す る仮想 の意思決定場面が現れる。 レンタカー会社 とレンタカー会社の属性が被験者 に 一覧表の形式で示 される。 こうした情報は, どの レンタカー会社 を選択す るか を決める際に必要 になる。一覧表は,ち ょうど ̀ ̀ 7 並べ"の トランプのカー ド の ように並べ られている。表 1 ( a) にこの選択場面で呈示 された情報 を示す。横 の欄 は レンタカー会社 を,縦の欄 は レンタカー会社各社の属性 を表す。表の中 の空 自のセルをクリックす ると, トランプの カー ドを裏返す ように,選んだ選 択肢の情報が現れる。選択肢の情報 は一度現れると以後消 えない。一度 ク リッ クす ると,セルは開いたままになるが,同 じところを再度ク リックす ると , 2 回 目のクリックの位置 と時間も記録 される。

被験者が レンタカー会社 を 1社選択す ると,ニセコで どの ようなホテルを選 ぶかを決める場面が現れる。 この場面では, どのホテルに泊 まるかを決める際 に考えるであろうと思われるホテル とそれ らの属性が, レンタカー会社 を選択 す る場面 と同 じ一覧表の形式で呈示 される。被験者は レンタカー会社 を決めた の と同 じや り方でホテル会社 を 1 つ選択する。表 1( b ) にホテルを選択する場面 で呈示 される情報 を示す。

選択後,今度は どのスキー場 を選ぶかを決める場面が現れる。被験者 は各 ス

キー場 の属性 を もとに してスキー場 を決定す るよう求め られる。表 1 ( C ) にス

(8)

表 1 ( a ) レンタカー会社 を選択 す る場面 で呈示 された情報 .

A

B

C

D

E

1日の レンタル料 ¥6, 80 0 ¥1 0, 6 0 0 ¥7, 7 00 ¥1 2, 5 0 0 ¥1 2, 5 0 0 自動車保険の必要 有 り 無 し 有 り 1 . 1 %し 有 り 返却時にガソリンを満 タンにする必要 無 し 有 り 解 し 有 り 有 り 車のモデルの年代 1 9 8 8 年 1 99 8 年 1 9 9 6 年 2 0 01 年 2 0 0 0 年

従業員のサービスの度合い 普通 悪い 普通 普通 良い

表 1 ( b ) ホテル を選択 す る場面 で呈示 された情報 .

ホテル A ホテル B ホテル C ホテル D ホテル E 1 泊の料金 ¥8, 2 0

0

¥1 0, 2 0

0

¥8, 40

0

¥1 3, 20 0 ¥1 3, 2 0 0 ホテルから市街までの距離 ( 分) 1 0

6 分 1 5

2

8

ホテルの居心地 ( 1 0

点満 点)

3 5 6 8 7 従業員のサービスの度合い (

1

0

点満 点)

4 6 4 9 7

食事の有無 無 し 無 し 有 り 有 り 難 し

表 1 ( C ) スキー場 を選択 す る場面 で呈示 された情報 .

スキー場 A スキー場 B スキー場 C スキー場 D

雪 の状 態

( 1 0

点満 点)

9 4 8 8

ホテルか らスキー場 までの車での所要時間 ( 分) 3 5 分 1 5

3 0 分 45

貸 しスキーの一 日の料金 ¥3, 4 0 0 ¥2, 6 0 0 ¥3, 00 0 ¥3, 0 0 0 従業員のサービスの度合い (

1

0

点満 点)

8 6 6 5

トイレ ・駐車場 ・喫茶店の設備 良い 悪い 普通 普通

キ ー場 を選 択 す る場 面 で与 え られ る情 報 を示 す 。

3 つ の場 面 を通 じ, 被 験 者 が 画 面 を開 い て か ら, 最 初 に い ず れ か 1 つ の セ ル を ク リ ックす る まで の 時 間 , お よび , 各 セ ル を ク リ ック した 時 間 間 隔 , さ らに は , ク リ ック した セ ル の系 列 が 記 録 され る。

刺激 ニ セ コに あ る複 数 の ス キ ー場 の うち の いず れ か 一 つ に行 くこ と を想 定

(9)

北海道のスキー場選択における判断要因 1 17 し,上記 3 つの選択場面 ごとに,決定 をす るために必要 な選択肢 を 5 つ (レン タカー会社 A か らレンタカー会社 E ,ホテル A か らホテル E) または 4 つ ( ス キー場 Aか らスキー場 D) ,各選択肢の属性 を選択肢 ごとに 5 つ用意 した。

レンタカー会社 を選択す る場面では,一 日の レンタル料金, 自動車保 険の必 要性, ガソ リンを満 タンに して返す必要性 ,車の年代 ,従業員の接客 ( 1 0 点満 点) の 5 つ の レンタカー会社 の属性 を用意 した ( 表 1 ( a) を参照 されたい)。宿 泊す るホテルを選択す る場面では,一 日の宿泊料金,市街地 までの距離 ( 分), ホテルの快適 さ ( 1 0 点満点),従業員の接客 ( 1 0 点満点),食事の有無の 5 つの ホテルの属性 を設定 した ( 表 1( b) を見 てほ しい)。スキー場 を選択す る場面では, 雪の状態 ( 1 0 点満点),ホテルか ら車での距離 ( 分),貸 しスキーの料金,従業 員 の接客 ( 1 0 点満点),駐車場 ・トイ レ ・喫茶店 の設備 ( 1 0 点満点) の 5 つの スキー場 の属性 を設 けた ( 表 1 ( C ) を参照の こと)

0

結果 と考察

後の実験 2 において,実験 1 の分析結果 と合 わせて共分散構造分析 を行 うた め,実験 1 ,実験 2を通 じ欠損値 を 1 つ以上含 む 7人のデー タを分析 か ら除外 した。また,画面が現れてか ら初 めてク リックす るまでの時間,被験者が ク リッ クを繰 り返 している時間, ク リックを終 え選択す る までの時間のいずれかが 3 分 を超 えた 7 人のデー タも,被験者がパ ソコンか ら離れ作業 を中断 した とみ な

し削除 した。結局 ,1 9 3 人分のデー タを分析 した。

基礎統計量 被験者 の平均年齢 は 3 6. 1 4 歳 ( 標準偏差 1 0. 7 7 歳)であった。表 2 に被験者 の年齢 の分布 を示す 。3 0 歳代が72人 と最 も多 く,次いで 2 0 歳代が55 人 ,4 0 歳代が 4 0 人であった。性別で見 る と,男性が 1 1 8 人,女性が 6 4 人であった。

11人は性別 を明 らかに しなか った。被験者 自身によって 自己 申告 された被験者 の職業 を表 3 に示す。事務が 4 3 人,次いで技術 ・専 門職が 4 2 人 となっていた。

反応デー タの整理 図 2 に,画面上 に一つの選択場面が呈示 されてか ら,被

験者が選択 を行 うまでの時 間経過 を示す。 1つの選択場面が里示 されるたびご

とに,選択 に関す る属性 ( 表 1 ( a) ,( b ) ,( C ) の最左欄 を見てほ しい)が被験者 に

(10)

表 2 被験者の年齢の分布 . 表 3 被験者の職業の分布 . 年 齢 層 人数 割合 ( %)

種 人数 割合 ( %)

2 0 歳未満 2 0 歳以上3 0 歳未満 3 0 歳以上40 歳未満 4 0 歳以上5 0 歳未満 5 0 歳以上6 0 歳未満 6 0 歳以上7 0 歳未満

不明

3 1. 55 5 5 2 8. 5 0 72 37. 31 4 0 2 0. 7 3 1 5 7. 7 7 7 3. 6 3 1 0. 5 2

事務 43 2 2. 2 8 技術 ・ 専 門職 42 21. 7 6 販売 ・ サー ビス 22 11. 40 管理職 8 4. 1 5

製 造

6 3. l l

運輸 ・ 通信 5 2. 5 9 その他 66 3 4. 2 0

計 1 9 3 1 0 0. 0 0 不明 1 0. 5 0

合計 1 93 1 0 0. 0 0

場 面 の 呈 示 開 始

3回日クリック2回日クリック

1回EEE[クリック(土初)

図 2 レンタカー会社,ホテル,スキー場 を選択する場面の時間経過 .

呈示 され る。被験 者 は任 意 回の ク リックを行 い,各選択 肢 が もつ属性 の情 報 を

自由 に集 め る こ とが で きた。場 面呈示 開始 か ら選択 まで の時 間 を,そ の性 質 か

ら, 『 前』, 『中』, 『 後』 の 3 つ に分 けて考 えてみ る こ とに した。 『 前』 は場 面 が

呈 示 され て か ら被験 者 が 初 め て ク リ ックす る まで の時 間 を, 『 中』 は被験 者 が

ク リ ック を繰 り返 して い る時 間 を, さ らに, 『 後』 は ク リ ック を終 え選択 す る

まで の時 間 をそ れぞ れ示 す。表 4 に,前 , 中,後 の平均 時 間 と標 準偏 差 を場 面

ご とに示 す。 中の欄 の下 に, ク リ ック とク リ ックの 間の時 間間隔 の平均 と標 準

(11)

北海道のスキー場選択における判断要因 119 偏差 を示す。表か ら明 らかなように, ク リックとク リックとの間の間隔は前, 後 に比べ る ときわめて短 くなっている

選択の分類 表 5に被験者 によって実際 に採 られた選択の結果 を示す。表 4 か ら, レンタカー会社 はAとC ,ホテルは CとD ,スキー場 は Aが際立 って多 いのが見 て とれる。選 ばれた選択肢 を,そ うでない選択肢か ら区別す る属性 を, 表 1 ( a) ,( b) ,( C ) を もとに して考 えてみる と, レンタカー会社 の場合 には 『1 日 の レンタル料』,ホテルの場合 には 『 食事の有無』,スキー場 の場合 には 『 雪の 状態 ( 雪質) 』 であるこ とが分か る。被験者 は レンタル料 の安 い車,食事つ き のホテル,雪質の良いスキー場 を多 く選 んでいた。

レンタカー会社 ,ホテル,スキー場の選択 の組み合 わせの うち,頻度が 1 0 以

表 4 レンタカー会社,ホテル,スキー場を選択する場面の時間経過.

カッコ内は標準偏差.単位はいずれも秒.

平均クリック時間 レンタカー会社 21. 7 6( 1 3. 55 )

ホテル 6. 7 5(4. 9 3) スキー場 7. 88( ll0 8)

33. 1 4( 1 4. 7 3 ) 1. 5 1 (2. 2 6 )

4 0 1 8 2 0 2 9 5 2 5 1 = 日 日 9 2 3 7 5 1 3 1 6 1 0 1 2 2

3 8. 89( 31. 01 )

29. 8 8( 2 4. 62)

20. 3 8( 1 8. 7 4)

表 5 被験者の選択の結果,

選択肢 レンタカー会社 ホテル スキー場

A 61 3 1 5 4

B 4 2 4 4

C 97 91 3 4

D 1 0 69 1

E 21 6

合計 1 93 1 93 1 93

(12)

上 の選 択 パ ター ンを,多 い もの か ら順 に挙 げ る と , CCA 3 5 , CDA 3 2 , ACA 2 8 ,EDA 1 6 , ACC ll ,ADA I Oとなっていた。

図 3( a) 反応時間の分析. ここ 図 3( b ) 反応時間の分析結果.

から分析を始めた.

情報収集 から選択へ至 る時間経過 共分散構造分析 を使 い,反応時間の間の 関係 を分析 した。図 3 ( a) に始 めに設定 したモデルを示す。図 3 ( a) に示す ように,

『 前半』 , 『 中盤』 , 『 後半』 とい う構成概念 を設定 した。識別性 を確保 す るため,

『 前半』 , 『 中盤』 , 『 後半』 の分散 を 1 に固定 した ( 山本 ・小 野寺 ,2 0 0 2 ) 。修 正指数 に もとづいてモデルの適合度 を改善 した。標準化解 の結果 を図 3( b) に示 す . 以後示す共分散構造分析 の結果 はすべ て標準化解 である。最終 的に, カイ 2 乗値 1 9. 2 3 5 , 自由度 2 3 ,有意確 率 0. 6 8 7 とな りモデルは棄却 され なか った。

また ,GFI0. 9 7 9 , AGFI0. 9 5 8 ,RMSEA 0. 0 0 0 とな り十分受容可能であっ た。『 前半』と 『 中盤』との間に 0. 1 % 以下の水準 で有意 な相 関が認め られた ( γ

‑. 6 3 ) 。パ ス も 『 前半』 か ら前 (レンタカー) に至 るパス を除 きすべ て 0. 1 % 以下の水準 で有意であった。

この結果 は,前半 と中盤の間の反応の同質性 を示す。おそ らく,前半 と中盤

で ( す なわち,場面が呈示 されてか らク リック し終 えるまでに)情報収集 を行

い,後半で選択 の決定 に移 るのであろう。そのために,前半 と中盤の反応時間

(13)

北海道のスキー場選択における判断要因 121 と後半の反応時間が異 なる性質 となった と推察 される。また,『 前半』か ら前 (レ ンタカー) に至 るパスが有意でない理由は,おそ らく一般の人が この種の調査 に慣れていないため,最初の場面である レンタカー会社選択場面が呈示 されて か ら何 をすべ きか考 えるのに余分に時間がかかった もの と思われる。

図 3 ( a ) ( b) とは異 なるモデル も考 え られる。た とえば,『レンタカー会社』

,

『 ホ テル』

,

『 スキー場』とい う構成概念 を想定 し,『レンタカー会社』が原因 となっ て,前 (レンタカー),中 (レンタカー),後 (レンタカー)の数値が結果 とし て生 じる,などというモデルも考 えうる。 また,クリックの総数の ような頻度 を考慮す ることもで きる。実際,そ うしたモデル も試 してみた。 しか し,いず れ も統計的に意味のあるモデル とはならかった。本研究では,北海道のスキー 場選択行動 を現実 に表す数値 に相当す るもの として,図 3( b) を想定す ることに した。実験 2 では,被験者の選択行動 を潜在的に規定す る要因 ( 国子) にどの ような ものがあるか, さらに,それ らは実際の被験者の行動 ( 実験 1で構成 さ れたモデルお よび反応時間)をどのように説明するかを調べてみることに した。

実 験 2 万 法

被験者 日本語 を母語 とす る一般人 2 0 7 名であった。実験 1とまった く同 じ 被験者が実験 に参加 した。実験 は実験 1の直後 に行われた。

材 料 選択行動 に関わると思われる次の1 8 の質問文 を用意 した0 q 1 :食事 に出かけると,普段食べない ものを食べ ようとす る。

q 2 :いつ も新 しい ものを購入 しようとす る。

q 3 :レス トランで,普段 よく知 っている料理 を注文する

q 4 :人 との衝突 を解決 しようとす ることを不快 に思 う。

q 5 :大切 な 日には決 して不慣れな場所 に行かない。

q 6 :な じみのないブラン ドよ りもな じみのあるブラン ドを自動的に選んで

いる。

(14)

q 7:意思決定す るとき,他人 よ りも多 くの時間を費や して しまう。

q 8 :なぜ物 を購入 したのか正当化で きることが重要だ。

q 9 :買い物 をす るとき,いつ も商品の特徴 をひとつ残 らず よ く見 る。

ql O:電気製品を買 うとき,な じみのないブラン ドの商品を買わない。

q ll:嫌いな特徴 を見 ると,選択肢か らはずす。

q1 2 :他のお店 を見ずに, 1 つのお店でパーティー用品一式 を買 う。

q1 3 :決定に至 るために,細かいことは考 えない。

q1 4:新 しい商品を試す ときは とて も慎重 になる。

q1 5 :スキーやスノーボー ドの道具一式 を借 りて山に登 る。

q1 6 :困難な状況 を避けようとす るためにいつ も一生懸命 になる。

q1 7 :先生の前では堂々 と先生の言 ったことに対 して よく質問 した ものだ。

q1 8 :新 しいブラン ドを試す ことで買い物のや り方 を変 える。

手続 き 実験 は個別 に行われる。 日常的に頻繁 に経験す ると思われる消費行 動場面 における意思決定に関する質問文が, 1 つずつ,合 わせて1 8 文,パ ソコ ンの画面上 に現れる。被験者はそれぞれの質問文に対す る印象 を 7 段 階尺度上 で評定す るよう求め られる。尺度の 目盛 りは,左か ら順 に, まった くそ う思わ ない,そ う思わない,あ ま りそ う思わない, どちらで もない,ややそ う思 う, そ う思 う, とて もそ う思 う, となっていた。

結果 と考察

実験 1 ,実験 2 を通 し,欠損値 を含 む 7 人のデー タ,お よび,実験 1の前, 中,後のいずれかの時間が 3 分 を超 えた 7 人のデー タを分析か ら除外 し ,1 9 3 人のデー タを分析 した。

探索的因子分析 " まった くそ う思わない"か ら ̀ ̀ とて もそ う思 う' 'まで順

に 1 か ら 7 まで数値 を割 りあて連続変量 とみな した。反復主因子法 ( 共通性の

初期値 は SMC) を用 い国子抽 出を行 った後,スク リープロ ッ ト基準 に従 い 5

因子 を抽出 した。 さらに直交回転 ( エ カマ ックス法) を施 した。結果 を表 6に

示す。 5 因子合わせた累積寄与率は2 7. 3 %であった。

(15)

北海道のスキー場選択における判断要因 123 表 6 の縦の欄 には質問番号 と質問文,横の欄 には因子が示 されている。表 6 では,因子負荷 ( 因子 と質問文 との間の相関) の絶対値が0. 4 を超 えるものが 網掛 けで示 されている。 これ ら 0. 4 を超 える因子負荷 をとる質問文の意味 を考 えなが ら,各因子が何 を表すかを解釈 した。第一因子 と高い因子負荷 を示す質 問文 ( 質問 q9,q1 3 , q1 4 , q8) は, カタログを多 く集め,商品の属性 に 関す る情報 をで きる限 り多 く収集 しようとす る行動傾 向を表 している と解釈 し ,c o mpe ns a t or y 国子 と名づけた。第二因子 と高い因子負荷 を示す質問文 ( q 2 , q l) は何 か新 しいことに果敢 に挑戦 しようとす る行動傾 向を示す もの と解釈 し , e nt e r pr i s i ng 因子 と名づけた。

第三因子 と高い因子負荷 を示す質問文 ( 質問 ql O )は,過去 に自らが行 った 類似の経験の記憶 を頼 りに,電気製品を買お うとす る行動傾向を表す もの と考 え , c onvent i ona l i t y ( 電気製品)因子 と名づ けた。 さらに,第四因子 と高い 因子負荷 を持つ質問文 ( q1 7 , q4) は,あえて リスクを胃 してで も事態 を打 開 しようと試みる行動傾向を表 していると考 え ,r i s k‑ t a ki ng 因子 と名づ けた。

第五因子 と高い因子負荷 を持つ質問文 ( q 3 , q 6) は,過去 に自らが行 った 類似の経験の記憶 を頼 りに,過去の経験 どお り無難 にこなそ うとす る行動傾向

を表す もの と考 え , c onvent i ona l i t y 因子 と名づけた。

この探索的因子分析 では累積寄与率が 2 7. 3 % と低かった。そ こで,絶対値で 見 て 0. 4 未満の因子負荷 しか もたない質問文 ( 質問 q7, q1 6 , q5, q1 8 , q l l ,q1 5 ,q1 2 ) は後の分析では使 わないことに した。

検証的因子分析 探索的因子分析 の結果 をもとに して質問文 と国子 との間の モデルを構成 した。図 4 ( a) に示す。スキー場 を選択する行動 を説明す る潜在的 な因子 と,それ らが原因 となってひ き起 こされる数値 ( 評定値) との間の関係 をこのモデルは表 している。識別性 を確保す るため ,4 つの因子の分散 を 1 , 各因子か ら出るパスの 1つのパス係数 を 1とおいた。修正指標 を使 ってモデル の適合度 を改善 した。図 4( a ) のモデルを使 って分析 を始 める前 に , conven‑

t i ona l i t y ( 電気製品)因子 と c onvent i ona l i t y 因子 との相 関を予想 したモデル

を分析 したが,実際 には, これ ら二つの国子 間に相 関は認め られなかった ( γ

(16)

凶 子

c ompens at or y ent er pr l S l ng c oI I Vent l Ona l l t y ( 電気製品)

r l S k‑ t a kl ng C OnVent l Ol l a l l t y

q9 買 うとき商品の特徴 をひ とつ残 らず見 る.

q1 3 決定 に,細 かいことは考 えない.

q1 4 新商品を試す ときは とても慎重 になる.

q8 品物 を購入 した理由を言 えることが重要だ.

07 6 7 00 07

‑ 05 6 9 ‑ 00 3 3 045 5 ‑00 67 045 3 ‑00 3 2

‑ 02 0 4

‑ 01 05 006 6

‑ 002 0

000 8 00 06

‑00 47 ‑ 00 45 01 46 01 31 0001 00 32 q2 いつも新 しいものを購入 しようとする. ‑ 009 9 06 41 002 0 ‑0091 005 6 ql 普段食へ ないものを食へよ うとする. 001 5 043 2 00 06 01 1 1 ‑ 0. 0 91 ql O 馴染みのないプラン トの電気製品を買わない. ‑ 00 03 001 9 069 0 ‑006 4 00 41 q1 7 堂 々と先生の言 ったことに質問 した. 00 87 00 3 2 ‑ 02 43 ‑05 47 ‑ 007 6 q4 人 との衝突の解決に抵抗 を感 じる. 00 42 ‑ 007 6 ‑ 01 5 8 04 87 01 45 q3 普段 よ く知 っている料理 を注文する. ‑ 01 0 8 ‑031 4 ‑ 022 0 ‑01 6 8 0437 q6 馴染みのあるフラン ドを自動的に選んでいる. ‑ 006 9 ‑ 00 8 2 0. 1 5 4 00 45 0433 q7 意思決定に人よ り多 くの時間 を費やす.

q1 6 困難 を避けよ うと‑生懸命 になる.

q5 大切 な 日には不慣れな場所 に行 かない.

q1 8 新 しい ブラン ドを試すことでや り方を変 える.

q l l 嫌いな特徴 を見 ると選択肢 からはずす.

q1 5 道具一式 を借 りて山に登 る.

q1 2 他 を見ずに一つのお店 で買 う.

032 6 ‑007 0 02 02 01 75 01 01 001 5 00 40 03 8 0 00 35 ‑ 007 0 00 00 00 9 9

‑ 027 9 ‑ 01 3 4

01 5 6

‑ 00 4 8

‑ 00 35

‑ 02 85 01 40

‑ 002 8 00 86

03 2 2 02 42

‑001 1 025 5 01 55 02 81

‑000 8 ‑ 01 37 007 3 0. 27 6 02 3 8 ‑ 00 2 3 01 07 00 32 因子寄与

因子寄与畢 ( %) 累秩寄与率 ( %)

15 9 7 09 2 9 082 6 081 7 07 3 8

887 51 6 459 45 4 41 0

887 1 40 4 1 86 3 2 31 7 2727

劃 硝

冷 部 5 8 勝 潮

4巾

(17)

   

 

 

北海道のスキー場選択における判断要因 1 25

‑‑ 0. 1 2 , n s ) 。被験者 はおそ ら く 『 電気製 品』 の言葉 に強 く反応 した もの と思 われ る。結局,質問文 ql Oのみか らなっているこ とに加 え , ql Oの意味か ら判 断 して単独 では一般的な選択行動 には関わ らない と考 えこの因子 は除外 した。

分析 結果 を図 4( b) に示す。 カイ 2乗値 は28. 5 38, 自由度36,有 意確率0. 807で あ りモ デ ルは棄却 され なか った。他 の適合 度指標 を見 て も , GFI が 0. 9 72,

図 4 ( a) スキー場選択行動を説明する因子間の関係.探索的因子分析の結果と同 じ.

ここから分析を始めた.

図 4( b) スキー場選択行動を説明する因子間の関係.検証的因子分析の結果.元の モデルを修正 した.

北海道のスキー場選択における判断要因 1 25

10. 1 2 , n s ) 。被験者 はおそ ら く 『 電気製品』 の言葉 に強 く反応 した もの と思 われ る。結局,質問文 ql Oのみか らなっているこ とに加 え, ql Oの意味か ら判 断 して単独 では一般的な選択行動 には関わ らない と考 えこの因子 は除外 した。

分析 結果 を図 4( b) に示す。 カイ 2乗値 は28. 53 8, 自由度36,有意確率0. 807で あ りモ デ ルは棄却 され なか った。他 の適合 度指標 を見 て も, GFI が0. 9 72,

図 4 ( a) スキー場選択行動を説明する因子間の関係.探索的因子分析の結果と同 じ.

ここから分析を始めた.

図 4( b) スキー場選択行動を説明する因子間の関係.検証的因子分析の結果.元の モデルを修正 した.

北海道のスキー場選択における判断要因 1 25

10. 1 2 , n s ) 。被験者 はおそ ら く 『 電気 製品』 の言葉 に強 く反応 した もの と思 われ る。結局,質問文 ql Oのみか らなっているこ とに加 え , ql Oの意味か ら判 断 して単独 では一般的な選択行動 には関わ らない と考 えこの因子 は除外 した。

分析 結果 を図 4( b) に示す。 カイ 2乗値 は28. 53 8, 自由度36,有意確率0. 807で あ りモ デ ルは棄却 され なか った。他 の適合 度指標 を見 て も , GFI が0. 9 72,

図 4 ( a) スキー場選択行動を説明する因子間の関係.探索的因子分析の結果と同 じ.

ここから分析を始めた.

図 4( b) スキー場選択行動を説明する因子間の関係.検証的因子分析の結果.元の

モデルを修正 した.

(18)

AGFI が 0. 95 8 ,RMS EA が 0. 0 0 0 となってお り,いずれ も受容可能 な範 囲に 入 った 。 e nt e r pr i s i ng 因子 と c onve nt i ona l i t y 因子 との間には 0. 1 % 以下の水準 で有意な負の相関が認め られた ( γ= ‑0. 2

7)

。パス係数 も ( 識別性確保のため

1と設定 したパス を除 き)すべて有意であった。

次に,下位の複数グループの間の同時分析 を行った。本研 究には,下位のグ ループの間に研究の 目的に関わる先験的な強い知見があるわけではなかった。

それゆえ,下位 グループのモデルも全体の分析 モデルとさほ ど変わ りがない と 考 えた。そ こで,分析 の際,本研究では次の手順 を採 った。いずれの場合 も全 体のモデルか ら分析 を始め,全体のモデルを修正 した ときに付 け加 えた誤差分 散の間の相 関や潜在変数の間の相 関の中に有意でない ものがあれば削除 した ( 以下の結果の図の中では削除されているか,または ,. 0 0 と表示 されている)0 その上で,修正指数にもとづいて各 グループのモデルの適合度を改善 した。紙 面が限 られているため,下位のグループごとの分析結果の受容可能性 を示す カ イ 2 乗値 ,GFI ,AGFI ,RMS EA の数値 は図の中に書 き込み,それ らの数値 を本文中では言及 しないことに した。

男女間の比較 図 5 ( a) に男性 の場合 ,( b) に女性の場合の結果 を示す。男性の 場合 , c onvent i onal i t y と ent er pr i s i ng との間に,全体 の場合 よ り強い負の相 関が認め られた ( 0. 1 % 以下の有意確率で有意)。女性 の場合 , c onvent i onal ‑ i t y と ent er pr i s i ng との問に相 関はな く,代 わ りに , r i s k‑t aki ng と c onven‑

t i o na l i t y との間に 1% 水準で有意な正の相関が認め られた。

男性の場合, 1と設定 したパスを除 くすべてのパス係数が有意であった。女性 の場合 , c onve nt i ona l i t y‑ q6 へのパス, および , r i s k‑ t a ki ng‑ q4 へのパス が有意に近かった ( 順に, 有意確率 0. 0 6 7,0. 0 7 7 ) 以外,すべて有意であった。

年齢層の間の比較 図 6( a ) に 2 0 歳代の場合 ,( b ) に 3 0 歳代の場合 ,( C ) に 40 歳代

の場合 の結果 を示す 。2 0 歳代 ,4 0 歳代 の場合 に,誤差変数 e9 の分散の数値が

わずかなが ら負 となった ( 2 0 歳代 : ‑0. 3 8,40 歳代 : ‑0. 07 ) 。小 さな負の値で

あること,標準誤差 も小 さ く ( 2 0 歳代 : 0. 1 2,40 歳代 : 0. 2 1 ),有意で もない

ことか ら,これは偶然変動であると考 えられる ( 狩野 ・三浦 ,2 0 0 3 ) 。そこで,

(19)

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北海道のスキー場選択における判断要因 1 27

図 5( a ) 男女間の比較.男性の場合.

図 5( b ) 男女間の比較.女性の場合.

両方の場合 とも , e9 の値 を 0に固定 し分析 を行 った。

その結果 ,2 0 歳代では,因子の間に相関はまった く見出されなかった。 これ に対 し ,3 0 歳代では ,c onve nt i o na l i t y 因子 と e nt er pr i s i ng 因子 との間,お よび, c onve nt i ona l i t y 因子 と r i s k‑ t aki ng 因子 との間の両方 に有意 な相関が認め られ た ( 順 に,有意確率 0. 0 01 以下 0. 01 6 ) 040 歳代では , c onve nt i ona l i t y 因子 と c ompens at or y 因子 との間に有意 な相 関が認め られた ( 有意確率 0. 0 05 ) 。 日 本人の場合,選択行動 は年齢層 によって変わる可能性が示唆 される

北海道のスキー場選択における判断要因 1 27

図 5( a) 男女間の比較.男性の場合.

図 5( b) 男女間の比較.女性の場合.

両方の場合 とも , e9 の値 を 0に固定 し分析 を行 った。

その結果 ,2 0 歳代 では,因子の間に相 関は まった く見 出 されなか った。 これ に対 し ,3 0 歳代 では ,c onve nt i o na l i t y 因子 と e nt e r pr i s i ng 因子 との間,お よび, c onvent i ona l i t y 因子 と r i s k‑ t aki ng 因子 との間の両方 に有意 な相 関が認 め られ た ( 順 に,有意確率 0. 0 01 以下 0. 01 6 )040 歳代 では , c o nve nt i ona l i t y 因子 と c ompens at or y 因子 との 間に有意 な相 関が認 め られた ( 有意確 率 0. 0 05 ) 。 日 本人の場合,選択行動 は年齢層 によって変 わる可能性が示唆 され る。

北海道のスキー場選択における判断要因 1 27

図 5( a) 男女間の比較.男性の場合.

図 5( b) 男女間の比較.女性の場合.

両方の場合 とも , e9 の値 を 0に固定 し分析 を行 った。

その結果 ,2 0 歳代 では,因子 の間に相 関は まった く見 出されなか った。 これ

に対 し ,3 0 歳代 では ,c o nve nt i o na l i t y 因子 と e nt e r pr i s i ng 因子 との間,お よび,

c onve nt i o na l i t y 因子 と r i s k‑ t a ki ng 因子 との間の両方 に有意 な相 関が認 め られ

た ( 順 に,有意確率 0. 0 01 以下 0. 01 6 ) 040 歳代 では , c o nve nt i o na l i t y 因子 と

c ompens a t or y 因子 との 間に有 意 な相 関が認 め られた ( 有意確 率 0. 0 05 ) 。 日

本人の場合,選択行動 は年齢層 によって変 わる可能性が示唆 され る。

(20)

       

 

     

     

       

 

図 6 ( a ) 年齢層の間の比較 .2 0 歳代の場合 .

E g I6( b) 年齢層の間の比較.3 0歳代の場合.

図 6 ( C) 年齢層の間の比較 .4 0 歳代の場合.

図 6 ( a ) 年齢層の間の比較 .2 0 歳代の場合.

図 6 ( b) 年齢層の間の比較 .3 0 歳代の場合.

図 6 ( C) 年齢層の間の比較 .4 0 歳代の場合.

図 6 ( a ) 年齢層の間の比較 .2 0 歳代 の場合.

図 6( b) 年齢層の間の比較.3 0歳代 の場合.

図 6 ( C) 年齢層の間の比較 .4 0 歳代の場合 .

(21)

北海道のスキー場選択における判断要因 1 29 パス係数 は ,2 0 歳代 の場合 , c onvent i onal i t y‑ q6 が有意でなか った ( 有 意確率 ,0. 861 ) 以外すべ て有意であった 。3 0 歳代 の場合 , r i s k‑t aki ng‑ q

4 が有意でなかった ( 有意確率 ,0. 2 87 ) 以外すべて有意であった。さらに ,4 0 歳代の場合 , c ompe ns at or y‑ q1 3, ent e r pr i s i ng‑ q2 ( 順 に,有意確率, 0. 1 2 9,0. 7 0 0 ) が有意でなかった以外 は有意であった。

職種の間の比較 図 7 ( a ) に事務の場合 ,( b) に技術 ・専 門職の場合 ,( C ) にその 他 の場合 の結果 を示す。事務,その他 の場合 に,誤差変数 e9 の分散の数値が わずかなが ら負 となった ( 事務 : ‑ 0. 3 9 ,その他 : ‑0. 07 ) 。小 さな負の値 であ ること,標準誤差 も小 さ く ( 事務 : 0. 1 3 ,その他 : 0. 2 8 ) ,有意で もない こと か ら, これは偶然変動であると考 え られる ( 狩野 ・三浦 ,2 0 0 3 ) 。そ こで,両 方の場合 とも , e9 の値 を 0に固定 し分析 を行 った。 その他 の場合 には, さら に e5 もわずかなが ら負 となった ( ‑0. 0 8 ,標準誤差 0. 1 6 , ns ) ため,前 と同

じ理由か ら0とおいた。

職種別の分析結果は,全体の場合 と似ていた 。 c onve nt i o na l i t y と e nt e r pr i s ‑ i ng との間の相関は,事務お よび技術 ・ 専 門職の場合 に有意であった。ただ し, 全体の場合 よ りも高い数値 ( 事務 : ‑ 0. 6 3 ,技術 ・ 専 門職 : ‑0. 42 ) であった。

その他 の場合 には,相 関は見 出されなか った。事務の場合 , c onvent i onal i t y

‑ q6 が有意でない ( 有意確率 0. 405 ) 以外すべ てのパ スが有意であった。

技術 ・ 専 門職の場合 , r i s k‑ t aki ng‑ q4 ( 有意確率 0. 25 8 ), c ompens at or y

‑ q8 ( 有意確率 0, 1 7 7 ), ent e r pr i s i ng‑ q2 ( 有意確率 0. 1 83 ) のパス以 外 はほぼ有意であ った。その他 の場合 , convent i onal i t y‑ q6 ( 有意確率 0. 405 ) のパス以外 はほぼ有意であった。

選択パ ターンの間の比較 図 8 ( a) ,( b) にレンタカー会社の選択パ ター ンの間 の比較 を示す。同様 に,図 9( a) ,( b) にホテル,図 10( a) ,( b) にスキー場の選択パ ター ンの比較 をそれぞれ示す。

レンタカー会社 Cの場合 に,誤差変数 e9の分散の数値が わずかなが ら負 と

なった ( ‑0. 1 8 1 )。小 さな負の値であること, 標準誤差 も小 さく ( 2 0 歳代 : 0. 11 8 ) ,

有意で もない ことか ら, これは偶然変動である と考 え られる ( 狩野 ・三浦,

(22)

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図 9( a ) ホテルの選択による違い.ホテル C を選択 した場合.

図 9( b) ホテルの選択による違い.ホテル D を選択 した場合.

との間に相関が見 られないのに対 し,ホテルDを選択 した場合 には,全体の場 合 と同様の相関が認め られた ( ‑0. 391 ) 。 ホテル C とホテル D の差 は一泊の料 金である。 ホテル C は ¥8 40 0 と安 く設定 されていたのに対 し ,D は ¥1 32 0 0 と 高 く設定 されていた。費用が高 くつ くものを買 う傾向のある人はそれだけ保守 的になって過去の経験 に頼 ろうとす るのであろう。パス係数は,ホテル D の場 令, 1 と設定 したパスを除 くすべてのパスが有意であった。 また,ホテル C の 場合 ,c onve nt i ona l i t y‑ q6,e nt er pr i s i ng‑ q2 が有意でない ( 順 に ,0. 1 5 8 , 0. 45 3 ) 以外 ほぼ有意であった。

図 9( a) ホテルの選択による違い.ホテル C を選択 した場合.

図 9( b) ホテルの選択による違い.ホテル D を選択 した場合.

との間に相関が見 られないのに対 し,ホテル D を選択 した場合 には,全体の場 合 と同様 の相 関が認め られた ( ‑0. 391 ) 。 ホテル C とホテル D の差 は一泊の料 金である。ホテル C は ¥8 40 0 と安 く設定 されていたのに対 し ,D は ¥1 3 2 0 0 と 高 く設定 されていた。費用が高 くつ くもの を買 う傾向のある人はそれだけ保守 的になって過去の経験 に頼 ろうとす るのであろう。パス係数は,ホテル D の場 令 , 1 と設定 したパスを除 くすべてのパスが有意であった。 また,ホテル C の 場合 ,c onve nt i o na li t y‑ q6,e nt e r pr i s i ng‑ q2 が有意でない ( 順 に ,0. 1 5 8 , 0. 45 3) 以外 ほぼ有意であった。

図 9( a ) ホテルの選択による違い.ホテル C を選択 した場合.

図 9( b ) ホテルの選択による違い.ホテル D を選択 した場合.

との間に相 関が見 られないのに対 し,ホテル D を選択 した場合 には,全体の場

合 と同様 の相 関が認め られた ( ‑ 0. 3 9 1 ) 。 ホテル C とホテルDの差 は一泊の料

金である。 ホテルCは ¥8 4 0 0 と安 く設定 されていたのに対 し , Dは ¥1 3 2 0 0 と

高 く設定 されていた。費用が高 くつ くもの を買 う傾向のある人はそれだけ保守

的になって過去の経験 に頼 ろうとす るのであろう。パス係数は,ホテル D の場

令 , 1 と設定 したパスを除 くすべてのパスが有意であった。 また,ホテル C の

場合 ,c o nve nt i o na l i t y‑ q6,e nt e r pr i s i ng‑ q 2 が有意でない ( 順 に ,0. 1 5 8 ,

0 . 4 5 3 ) 以外 ほぼ有意であった。

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130 商 学 討 究 第 5 8 巻 第 4 号

図 7( a ) 職種の間の比較.事務の場合.

図 7( b) 職種の間の比較.技術 ・専門職の場合.

図 7 ( C) 職種の間の比較.その他の場合.

130 商 学 討 究 第58 巻 第 4 号

図 7( a ) 職種の間の比較.事務の場合.

図 7( b) 職種の間の比較.技術 ・専門職の場合.

図 7 ( C) 職種の間の比軌 その他の場合.

130 商 学 討 究 第5 8 巻 第 4 号

図 7( a ) 職種の間の比較.事務の場合.

図 7( b) 職種の間の比較.技術 ・専門職の場合.

図 7 ( C) 職種の間の比軌 その他の場合.

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図 8( a) レンタカー会社の選択による違い. レンタカー会社 C を選択 した場合.

図 8( b) レンタカー会社の選択による違い. レンタカー会社 A を選択 した場合.

2 0 0 3 ) 。 そ こで e9 の値 を 0に固定 し分析 を行 った。

レンタカー会社 C,A の場合 とも, ほぼ全体 と同 じ結果 となった 。 c onve n‑

t i onal i t y 因子 と ent er pr i s i ng 因子 との 間 に有 意 な相 関が認 め られ た (レンタ カー会社 C :‑0. 35,A :‑ 0. 4

0

) 。 レンタカー会社 C の場合 ,すべ てのパ ス係 数が有意 ,A の場合 , c ove nt i ona l i t y‑ q6 のパ ス係数が有意 で ない ( 看意確 率 0. 8 45 ) 以外 すべ て有 意であ った。

ホテルを選択 別 に比較 した図 9 ( a) ,( b) を見 る と, ホテル C を選択 した場合 に は,全体 の分析 の結果 とは異 な り , ent er pr i s i ng 因子 と c onvent i ona l i t y 因千 図 8( a) レンタカー会社の選択による違い. レンタカー会社 C を選択 した場合.

図 8( b) レンタカー会社の選択による違い. レンタカー会社 A を選択 した場合.

2 0 0 3) 。 そ こで e9 の値 を 0に固定 し分析 を行 った。

レンタカー会社 C,A の場合 とも, ほぼ全 体 と同 じ結果 となった 。 c o nve n‑

t i ona l i t y 因子 と e nt e r pr i s i ng 因子 との 間 に有 意 な相 関が認 め られ た (レンタ カー会社 C :‑0. 3 5,A :‑ 0. 40 ) 。 レンタカー会社 Cの場合 ,すべ てのパ ス係 数が有 意 ,A の場合 , c o ve nt i o na l i t y‑ q6 のパ ス係 数が有意 で ない ( 看意確 率 0. 8 45 )以外 すべ て有意 であ った。

ホテル を選択別 に比較 した図 9 ( a) ,( b) を見 る と, ホテル Cを選択 した場合 に は,全 体 の分析 の結果 とは異 な り , e nt e r pr i s i ng 因子 と c o nve nt i o na l i t y 因千 図 8( a) レンタカー会社の選択による違い. レンタカー会社 C を選択 した場合.

図 8( b) レンタカー会社の選択による違い. レンタカー会社 A を選択 した場合.

2 0 0 3) 。 そ こで e9 の値 を 0に固定 し分析 を行 った。

レンタカー会社 C,A の場合 とも, ほぼ全 体 と同 じ結果 となった 。 c o nve n‑

t i ona l i t y 因子 と e nt e r pr i s i ng 因子 との 間 に有 意 な相 関が認 め られ た (レンタ カー会社 C :‑0. 3 5,A :‑ 0. 40 ) 。 レンタカー会社 Cの場合 ,すべ てのパ ス係 数が有 意 ,A の場合 , c o ve nt i o na l i t y‑ q6 のパ ス係数が有意 で ない ( 看意確 率 0. 8 45 )以外 すべ て有意 であ った。

ホテル を選択別 に比較 した図 9 ( a) ,( b ) を見 る と, ホテル Cを選択 した場合 に

は,全体 の分析 の結果 とは異 な り , e nt e r pr i s i ng 因子 と c o nve nt i o na l i t y 因千

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北海道のスキー場選択における判断要因 133

図 1 0( a ) スキー場の選択による違い.スキー場 A を選択 した場合.

図 1 0( b ) スキー場の選択による違い.スキー場 C を選択 した場合.

スキー場 を選択別 に比較 した図1 0 ( a ) ,( b ) を見 ると,スキー場 A, Cいずれの 場合 も e nt e r pr i s i ng 因子 と c o nve nt i o na l i t y 因子 との間に相 関があった ( スキー 場 A : γ = ‑ 0. 2 7, C : γ = ‑0. 37 ) 。ただ し,スキー場 Aの場合 には有意 ( 有 意確率 0. 00 6 )であるが, Cの場合 には ( おそ らくデー タ数が少 ないために) 厳密 には有意で はない ( 有意確率 0. 0 65 ) 。パス係数 は,スキー場 Aの場合 に はすべ て有意であったの に対 し ,C の場合 には c ompe ns a t o r y‑ q6, c om‑

pe ns a t o r y ‑ q1 4 ,e nt e r pr i s i ng ‑ q2 ( 順 に,有意確率 0. 31 2,0. 1 82,0. 39 9 ) を除 き,有意であった。

北海道のスキー場選択における判断要因 1 33

図 1 0( a) スキー場の選択による違い.スキー場 A を選択 した場合.

図 1 0( b) スキー場の選択による違い.スキー場 C を選択 した場合.

スキー場 を選択別 に比較 した図1 0 ( a) ,( b) を見 ると,スキー場 A, Cいずれの 場合 も e nt e r pr i s i ng 因子 と c o nve nt i o na l i t y 因子 との間に相 関があった ( スキー 場 A : γ = ‑0. 27, C : γ= ‑0. 37 ) 。ただ し,スキー場 Aの場合 には有意 ( 有 意確率 0. 006)であるが, Cの場合 には ( おそ らくデー タ数が少 ないために) 厳密 には有意で はない ( 有意確率 0. 065 ) 。パ ス係数 は,スキー場 Aの場合 に はすべ て有意であったの に対 し ,C の場合 には c ompe ns a t o r y‑ q6, c om‑

pe ns a t o r y ‑ q1 4 ,e nt e r pr i s i ng ‑ q 2 ( 順 に,有意確率 0. 31 2,0. 1 82,0. 399 ) を除 き,有意であった。

北海道のスキー場選択における判断要因 1 33

図 1 0( a) スキー場の選択による違い,スキー場 A を選択 した場合.

図 1 0( b) スキー場の選択による違い.スキー場 C を選択 した場合.

スキー場 を選択別 に比較 した図 1 0 ( a ) ,( b ) を見 ると,スキー場 A,C いずれの 場合 も e nt er pr i s i ng 因子 と c onve nt i ona l i t y 因子 との間に相 関があった ( スキー 場 A : γ= ‑ 0. 2 7, C : γ= ‑0. 3 7 ) 。ただ し,スキー場 A の場合 には有意 ( 有 意確率 0. 00 6 ) であるが ,C の場合 には ( おそ らくデー タ数が少 ないために) 厳密 には有意で はない ( 有意確 率 0. 0 65 ) 。パ ス係数 は,スキー場 A の場合 に はすべ て有意であったの に対 し ,C の場合 には c ompens at or y‑ q6, c om‑

pe ns at or y‑ q1 4,e nt e r pr i s i ng‑ q2 ( 順 に,有意確率 0. 31 2,0. 1 82,0. 39 9 )

を除 き,有意であった。

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因子は選択行動の反応時間をどの程度説明するか ? 探索的因子分析,検証 的因子分析 を行 った結果,ス キー場選択行動 を説 明 しうる因子 として c om‑

pe ns a t o r y 国子 , e nt e r pr i s i ng 因子 , r i s k‑ t a ki ng 国子 , c o nve nt i o na l i t y 因子 の 4 つの因子 を考 えることがで きた。次に,実験 1で想定 したスキー場の選択 場面 における反応の時間経過のモデルを, これ ら4つの因子が どの程度説明で きるか,実験 1 の分析結果 と実験 2 の分析結果 を使 って考 えてみ よう。 4 つの 因子が,実験 1 の 『 前半』, 『 中盤』,『 後半』のそれぞれに影響す るモデルを考 えてみた。 しか し , 4因子‑ 『 前半』 と4 因子‑ 『 中盤』の場合 にはモデルそ の ものが受容可能 とな らなかった。 『 後半』 の場合 の結果 を図1 1に示す。モデ ルその ものは受容可能になっている。 しか し , 4 因子か ら 『 後半』 に至 る 4 つ のパ スのパス係数 はいずれ も有意ではなかった ( 有意確率 c o mpe ns a t or y ‑

『 後半』 : 0. 9 2 5 , e nt e r pr i s i ng ‑ 『 後半』 : 0. 8 7 2 , r i s k‑ t a ki ng ‑ 『 後半』

:0. 3 6 9 , c o nve nt i o na l i t y ‑ 『 後半』 : 0. 7 2 8 ) 。実験 1 の結果か ら,各場面の 前半 と中盤では,被験者は情報収集 を行 っていたのに対 し,各場面の後半では, 選択の決定 を行 っていた と考え られた。 とすれば, この結果は,有意にはなら なかったが, 4 つの因子が,情報収集ではな く,決定その ものに関わっている

図 1 1 因子と 『 後半』の反応時間との間に因果関係はあるか ?

因子は選択行動の反応時間をどの程度説明するか ? 探索的因子分析,検証 的因子分析 を行 った結果,ス キー場選択行動 を説 明 しうる因子 として c om‑

pe ns a t o r y 因子 , e nt e r pr i s i ng 因子 , r i s k‑ t a ki ng 因子 , c o nve nt i o na l i t y 因子 の 4 つの因子 を考 えることがで きた。次に,実験 1で想定 したスキー場の選択 場面 における反応の時間経過のモデルを, これ ら4 つの因子が どの程度説明で きるか,実験 1 の分析結果 と実験 2 の分析結果 を使 って考えてみ よう。 4 つの 因子が,実験 1 の 『 前半』,『 中盤』,『 後半』のそれぞれに影響す るモデルを考 えてみた。 しか し , 4因子‑ 『 前半』 と4 因子‑ 『 中盤』の場合 にはモデルそ の ものが受容可能 とな らなかった。 『 後半』 の場合 の結果 を図1 1に示す。モデ ルその ものは受容可能になっている。 しか し , 4 因子か ら 『 後半』 に至 る 4 つ のパスのパ ス係数 はいずれ も有意ではなかった ( 有意確率 c o mpe ns a t or y ‑

『 後半』 : 0. 9 2 5 , e nt e r pr i s i ng ‑ 『 後半』 : 0. 8 7 2 , r i s k‑ t a ki ng ‑ 『 後半』

:0. 3 6 9, c o nve nt i o na l i t y ‑ 『 後半』 : 0. 7 2 8 ) 。実験 1 の結果か ら,各場面の 前半 と中盤では,被験者は情報収集 を行っていたのに対 し,各場面の後半では, 選択の決定 を行 っていた と考え られた。 とすれば,この結果は,有意にはな ら なかったが, 4 つの因子が,情報収集ではな く,決定その ものに関わっている

図 1 1 因子と 『 後半』の反応時間との間に因果関係はあるか ?

因子は選択行動の反応時間をどの程度説明するか ? 探索的因子分析,検証 的因子分析 を行 った結果,ス キー場選択行動 を説 明 しうる因子 として c om‑

pe ns a t o r y 因子 , e nt e r pr i s i ng 因子 , r i s k‑ t a ki ng 因子 , c o nve nt i o na l i t y 因子 の 4 つの因子 を考 えることがで きた。次に,実験 1で想定 したスキー場の選択 場面 における反応の時間経過のモデルを, これ ら4つの因子が どの程度説明で きるか,実験 1 の分析結果 と実験 2 の分析結果 を使 って考えてみ よう。 4 つの 因子が,実験 1 の 『 前半』, 『 中盤』,『 後半』のそれぞれに影響す るモデルを考 えてみた。 しか し , 4因子‑ 『 前半』 と4 因子‑ 『 中盤』の場合 にはモデルそ の ものが受容可能 とな らなかった。 『 後半』 の場合 の結果 を図1 1に示す。モデ ルその ものは受容可能になっている。 しか し , 4 因子か ら 『 後半』 に至 る 4 つ のパスのパス係数 はいずれ も有意ではなかった ( 有意確率 c o mpe ns a t or y ‑

『 後半』 : 0. 9 2 5 , e nt e r pr i s i ng ‑ 『 後半』 : 0. 8 7 2 , r i s k‑ t a ki ng ‑ 『 後半』

:0. 3 6 9, c o nve nt i o na l i t y ‑ 『 後半』 : 0. 7 2 8 ) 。実験 1 の結果か ら,各場面の 前半 と中盤では,被験者は情報収集 を行っていたのに対 し,各場面の後半では, 選択の決定 を行 っていた と考え られた。 とすれば,この結果は,有意にはな ら なかったが, 4 つの因子が,情報収集ではな く,決定その ものに関わっている

図 1 1 因子と 『 後半』の反応時間との間に因果関係はあるか ?

表 1 ( a ) レンタカー会社 を選択 す る場面 で呈示 された情報 . A 社 B 社 C 社 D 社 E 社 1日の レンタル料 ¥6, 80 0 ¥1 0, 6 0 0 ¥7, 7 00 ¥1 2, 5 0 0 ¥1 2, 5 0 0 自動車保険の必要 有 り 無 し 有 り 1 .1 %し 有 り 返却時にガソリンを満 タンにする必要 無 し 有 り 解 し 有 り 有 り 車のモデルの年代 1 9 8 8 年 1 99 8 年 1 9 9 6 年 2 0 01 年 2 0 0 0 年 従業員
表 2 被験者の年齢の分布 . 表 3 被験者の職業の分布 . 年 齢 層 人数 割合 ( %) 職 種 人数 割合 ( %) 2 0 歳未満 2 0 歳以上3 0 歳未満 3 0 歳以上40 歳未満 4 0 歳以上5 0 歳未満 5 0 歳以上6 0 歳未満 6 0 歳以上7 0 歳未満 不明 3 1

参照

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