「上田女子短期大学幼児教育学科 保育者養成年報」創刊によせて
学長 松 田幸子
上 田女子短期大学の関学は昭和 48年である。当初は幼児教育科 (現在の幼児教育学科)のみ の単科であり、幼稚園教員2級免許状 (幼稚園教諭2種免許状)と保母資格 (保育士資格)が取得 できる定員 100名の短期 大学であった。地域の多くの要望に応えて資質の高い保育者を育てるた めに、大きな使命感 を持って努力 をかさねてきた。すなわち、保 育者 となる学生 にとってもっとも必 要とされる人間性を豊かに育てるため、創立以来 「敬愛 、勤勉 、聡 明」の三つを本学の教育理念と してかかげ、大学教育の中心 に据えてきている。
敬愛の徳 目には、他 の人 々との交わりの際に最も重要な基本的態度 が示されている。具体的に は、他の人々に親切 にし、常に感謝の気持ちを持ちながら喜びも悲しみも他の人 々と分かちあう共 感を大切 にする愛の意味と、他 の人 々との間に節度を守り、謙虚な態度をとり、相 手の人格を尊重 する敬の意味が含まれている。
また勤勉の徳 目は、人間としての 自己完成を達成しようとするときの心構 えを示 している。つまり、
人間にとっての宝である心と体と時間を大切 にし、人間としてなすべき事柄 を熱 心に行い 自己の能 力を最大に発揮するように強い意志を持ち努力することである。
そしてこの二つの徳 目を職場で、また 日常生活のなかで常 に見失わないように生きるために必要 となるものが、広い視野からの判断力 に裏付けられた聡明さである。
以上の教育理念 に基づいて幼児教育学科では、学生 にたいし保 育者 という専門職 に就くための 専門知識、技能を教え、これらを総合 的 に実践教育する実習を義務付 けてきた。創 立 当初 と比較 すれば、あらゆる面で大きく発展してきている本学であるが、今ここに保 育者養成年報を創刊し、保 育者養成の本質を問い直し研 究するということは非常に有意義であると思われる。創 立 当初の大き な使命感を心に深く刻 み、人 間性 豊かなより資質の高い保育者を世 に送 り出していくことは、地域 に根ざした本学 に課せられた義務であると考える。この年報が時代とともに着 実に育ち、地域社会 に貢献しながら本学の将来の発展 に寄与するものであると期待 している。