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- 当科における口唇口蓋裂患者に対する顎矯正治療

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Academic year: 2021

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A B

C D  

A:Cheek  strap  装着時 B:口蓋床   

C:初回検査時(黒線:顎裂幅) D:顎矯正治療終了時(黒線:顎裂幅)

図1 ACheek strap装着時 B:口蓋床     C:初回検査時(黒線:顎裂幅)

   D:顎矯正治療終了時(黒線:顎裂幅)

 口唇口蓋裂患者は , 出生頻度は約500人に1人 で我が国の先天性疾患で最も多いと報告されてい ます

1)

。口唇口蓋裂患者では , 口腔と鼻腔が交通 しており出生直後より哺乳機能が著しく損なわれ てしまいます。そのため , 栄養供給を維持すべく 胃にチューブを留置し , 直接ミルクを注入する経 管栄養を行わなければなりません。その結果とし て,哺乳機能が営まれないため摂食嚥下機能の発 育も停滞してしまいます。

 一方,口唇口蓋裂患者は,歯槽骨の連続性が失 われており,生後約1歳6か月時に行われる口蓋 形成手術時にその断裂している距離(顎裂幅)が 大きい場合には手術が困難になり,手術侵襲が大 きくなります。その結果,術後に生じる瘢痕組織 の発生領域も大きくなります。この瘢痕組織に よって,上顎骨の成長が著しく抑制されるため骨 格性下顎前突を呈するのです。 

 したがって,口蓋形成手術時に顎裂幅が小さけ れば,手術侵襲も小さく,瘢痕組織の発生領域が 少なくなります。そのため,上顎骨の成長抑制が 少なくなり,良好な顎間関係が得られます。

 口唇口蓋裂患者に対しては,出生から成人に至 るまで形成外科,小児科,耳鼻咽喉科,言語療法 士,小児歯科,口腔外科,補綴科および矯正歯科 などによるチーム医療が必要です。当科でも,地 域医療における歯科矯正学的な対応を本学口腔外 科や近隣の総合病院(形成外科)と医療連携を実 施しています。

 従来,口唇形成手術前には Hotz 床という哺乳 床を用いて哺乳機能の問題を解決してきました。

しかしながら, Hotz 床では哺乳の改善はするも のの,顎裂幅を積極的に縮小するような作用は得 られません。

 そこで当科では, Grayson

2)

や平川ら

3)

によ り報告されている口蓋床とテーピング( Cheek

strap )を用いた顎矯正治療を採用し,哺乳機能

の改善と顎裂幅の積極的な縮小を同時に行ってい ます(図1)。治療のタイムスケジュールは,口

唇口蓋裂患者が出生後早期に開始すると良い治療 効果が得られるため,全身的な疾患のない患者に 対して顎矯正治療を行っています。治療期間は,

出生後約1週間後より口唇形成手術時(生後約3 か月)まで行っています。施術間隔は,2週間に 一度印象採得し口蓋床を作製しています。また,

毎回哺乳の量および哺乳時間を計測し哺乳機能変 化と作製時に使用した模型にて,顎裂幅の縮小量 などを計測して形態的変化にて治療の効果を評価 しています。その結果をもとに,担当の口腔外科 医および形成外科医とディスカッションを行い,

口唇形成手術や口蓋形成手術時期,手術方法など を決定しています。

 今後も,口唇口蓋裂患者の治療成績の向上を目 指して地域医療に貢献したいと思います。

文   献

1) 高橋庄二郎:口唇裂・口蓋裂の基礎と臨床;日 本歯科評論社 1-2 1996.

2) Grayson, B. H, Cutting, C. B. and Wood, R. Preoperative columella lengthening in bilater- al cleft lip and palate. Plas Reconstr Surg  92;1422-1423 1993.

3) 平川 崇,佐藤麻衣子,宮崎英隆,松本 亨,

三島木節,小林眞司,安村和則,山本 康,鳥 飼勝行:片側唇顎口蓋裂の術前顎矯正による治 療成績.日口蓋誌 29 ;287-297 2004.

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当科における口唇口蓋裂患者に対する顎矯正治療

奥羽大学成長発育歯学講座歯科矯正学分野

 川鍋  仁 

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