第 407 回集談会(ご案内)
1.日時: 2009 年 6 月 29 日(月)16:30~
2.場所: 2A講義棟(中央棟2階)
3.座長: 薬理学教室准教授 丹野 孝一先生(内線3702)
4.演者: 生体膜情報学教室学術フロンティアポストドクター 渡辺 俊先生
(内線 3512)
5.演題: ガングリオシドによる疼痛の惹起
6.要旨: ガングリオシドは細胞膜を構成する糖脂質で、糖鎖を細胞表面に提示してお り、哺乳類の脳では GM1, GD1a, GD1b, GT1b などの糖鎖構造の異なるいくつかのガ ングリオシドが主な構成成分である。特に中枢神経系に豊富に存在することから神経 機能に注目された研究が行われてきたが、末梢神経系の主要な役割の一つである、
痛みの惹起と伝達における機能は明らかにされていない。そこで、我々はガングリオ シドが痛みに関与するか検討を行った。まず、マウス足底に GT1b を投与し、その効 果を足なめ行動により評価した。その結果、ガングリオシド GT1b を足底に投与するこ とで足なめ行動が誘導された。一方、糖鎖構造がより単純な GM1 ではその効果はほ とんどなかった。また、各種の阻害剤を用いてそのメカニズムを検討したところ、グル タミン酸受容体シグナルが関与していることが明らかとなった。
今回の知見によりガングリオシドが痛みを引き起こすためのシグナルを調節しうる ことが示され、疼痛の新たな制御機構を示唆するものかもしれない。