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親と子との同一化について

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(1)

親と子との同一化について

鮪心理学研究室 林  正 邦

問     題

子どもは,乳児期からの長い親子関係の中で生育し,親の感じ方・考え方をはじめ特定 の事態での反応型式や態度まで,類似した行動様式をあらわすようになる。この現象を子

どもの側からみたとき,親への同一化(identification)と呼んでいる。精神分析学者は,

この事実に着目して,いろいろな仮説を試みており,また学習心理学者は,模倣とか条件 づけとの関連において,異なる見解をのべ,必ずしも一致した点に達していない。本報告 では直接その理論的問題に触れるのをさけ,同一化を操作的に規定して,親子間の同一化 にっいて現象的考察を試みようとする。

同一化の測定については,何をその測度とするかによって,いろいろな方法が工夫せら れているが,質問紙法,面接法による直接的測定方法と投影法による問接的測定方法とに 分けることができる・L・M・L・・H㍗1・kは・同一化湘人とそのモデ・レとの間におけ礁 介過程(意味)の類同性であると考えて,C. E. Osgoodらの研究になるSemantic Differential(S D法といわれている)を用い,親子間のsemantic類同性を測定し,D の値で同一化を操作的に定義した。そして不安傾向の低い大学の学生には,同性の親に対 する同一化傾向があることを明らかにしている。中西昇らは,SD法を用いて,非行少

(2)

年群と正常少年群との親への同一化を調査し,後者の方が親への同一化傾向のっよいこと を指摘している。

S・B・SaQnは・テスト不安児に関する磯にもとついて,不安傾向のつよ、・子ども は親への依存性が強く,親の評価事態に当面して,自己防衛の心理的機制を通じ,親の行 動への同一化を生じ易いといっている。もしその理論を認めるとすれば,子どもの好まし   しュない行動傾向に対する親の情緒的反動は,その先行過程として子どもの行動の評価を含 んでいるものであるから,それが子ども自身の,自らの行動に対する情緒的反応に反映し,

親と子との間にその反応の類似性が生ずると予想することができる。とくに不安傾向の高 い子どもには,その傾向があらわれやすいと思われる。本報告においては,子どもの行動 に対する親と子との情緒的反応の類似性を同一化の指標として,質問紙評定法を用いて直 接測定し・SD法にならってED点によつて同一化を操作的に規定するとともに,評定の

(2)

ずれにもとついて,不安傾向の高い中学生と低い中学生との間における親子間の同一化の 相異を比較検討しようとする。

方     法

1.被調査者 茨城大学教育学部付属中学校第1学年の生徒204名(男99名・女105名)お よびその母親(母親のない場合には他の保護者)である。

2.調査の実施期日 昭和36年3月上句 3.調査の材料および手続

生徒の鞍傾向を測定するため,さきに林・暢(が標靴した不贈候腰(MAS (4))を・

担任教官に依頼して実施した。

親と子との情緒的反応の類似陸を測るために,子どもの口常生活における行動目録20項 目に対して,情緒的反応を3段階評定するように求める質問紙評定尺度を用意した。

母親に対するものと,子どもに対するものとは,含まれる行動目録は全く同じであり,

その配列の順序も同一である。ただ教示と質問の形式は多少ことなっている。

母親に対する質問紙は,それぞれの質卍劉にっいて,1は大体いつでも・ヲト常に気にかけ たり,不満に思ったり,いらだたし憾んずる場合を・3は大体いつでも・そんな1こ気に とめない場合を,2はその中間の場合を示すものとして,3段階の尺度上に○をつけるよ

うに求めた。例示すると,

質問、あなたの子どもさんが,家ての勉強を怠けた  ・  2   3

@      1         1   のを見て,あなたはどのようにかんじますか。

の如くである。

子どもに対する質問紙は,それぞれの質問について,1は大体いつも親が心配したり,

不満に思うのではないかと気にかけたり,なさけなく感ずる場合を,3は大体いつも気に しない船を,2はその欄の場合を示すものとして・3段階の膿上に○をつけるよう に求めた。例示すると

卿あなた伽勉強を怠けたとき・あなたはど

の如くである。

SD法によると,一定の刺戟語に対する形容詞による意味の尺腿,5段階乃至7段 階に評定するようになっているが,ここでは感駒反応の縦を求めるものであるから・

評鰍1糊の間隔をできるだけ等価にするため・瀞さに欠ける協はあるけれども・あ えて3段階評定を用いることとした。

(3)

母親に対する質問紙は,担任教官を介して家庭に配布し,翌日回収してもらった。子ど もに対する質問紙は,担任教官の管理のもとで,特定の時間に実施した。質問紙には予め 記号を付し,母親と子どもの質問紙が後に照合できるようにしてあったので,無記名法に より回答を求めた。

質問紙の結果にもとついて,項目分析を行い,不適当な項目を除くまえに質問紙を整理 し,次の4っの基準に該当するものは資料からはぶくこととした。

(1)母親でない者が評定した場合

(2)無応答の項目がある場合

(3)親と子との質問紙の一方が欠けている場合

(4)MASの検査をうけなかった子どもの場合

このようにして得られた資料は,153組(男74組,女79組)であつた。

項目分析にあたって,まず親と子との評定結果を点数化し,評定段階1・2・3に3点        一

E2点・1点を配し,情緒的反応点を求めた。その分布,X, Mdn, S Dを表示すると,第 1表のとおりである。親と子の反応点のMdnによって,得点の高い群と低い群にそれぞれ

第1表 母親と子の情緒的反応点 分け,項目毎に1・2・3の評定段階に

1母 親 1[    子 おける頻数を比較した。 κ2によって上

  i  i…{皿皿一一

     i 男 女1全    〜 位群と下位群とでは有意差のない項目が,

N 74  79 153 74  79 153 母親の評定結果あるいは子の評定結果の 最高 44 44 44 42  42 42 いつれか一方にあるとき,その項目を除 最低 19 21 19 17  19 17 [

@ ; いた。その結果残った15の行動項目にっ

i

32.8 34.1 33.6 30.6 32.4 31.61  1

いて,同一化の指標を求めた。その項目 lMdn 33.9 34.9 34.4 31.9 32.4 31.6 は,(1)家庭における勉強 ②学校におけ

iSD 5.62 5.14 5.32 4.79

  「5.04  1

る学習の態度 (3)テストの成績 ㈲進学

(5)友人関係 (6)あそび方 (7>独りでの外出 (8)よみもの (9)身つくろい ㈹言葉づかい

(11)行儀作法 囮こづかいのっかい方 ㈲悪い習慣 α4)偏食 ㈲健康への留意である。

結 果 と 考 察

1.ED点による同一化の傾向

母親と子の評定結果にもとついて,情緒的反応の類似度を示すためED点(Emotional Deviation Score)を算定した。 E D点は,各質問項目に対する母親と子との評定のずれ(d)

を求め,その二乗の和σ防根であらわされる。公式で示すと,ED−》葺d・である。

i=1

EDの値は母親と子との評定のずれを示すので,その値の小さいほど,親と子との評定の

(4)

類似性が高く,その値が大きいほど,評定の類似性は低いことになる。そこでED点を同 一化の測度として用いた。

本調査結果から得られるEDの値は,3段階評定で15行動項目にっいて得られるので・

0から7.74の間の値をとることが理論的に予想で 第2表 HAGとLAGのED点

_一} きる。しかしその分布は正規型になる保証がない I H AG L AG

1

No.

@ MASIED MASIED ので,ED点と不安標準点との相関をKendallの

・1732170 3.16 R.61

28 R1

4.69 S.58

係数(r)で求めると,0.0142となってきわめて 痰「相関である。したがって標本全体については・

31 S

69 U7

2.45 Q.65

32 R2

3.87

c3.32 不安傾向の高低と親子の同一化との間に直接的関

5 65 3.32

  132  2.83

係があるとはいわれない。

6 65 3.46 3313・46  i

そこでMASの不安標準点にもとついて,不安

7 64 3.61 34 4.36

8 63 3.46 34 3.32 傾向の高い群(HAG)と低い群(LAG)とを抽

9160

E・16・

2.83 Q.83

36 R8

3.61 R.87

出した。得点の高い者からと,低い者から男女そ

11 60 3.00 38 3.46 れそれ20%ずっを選び,HAGとLAGとを構成す

12 60 3.32 38 3.32

ると,両群の人数は男女それぞれ14名ずつで,不

13 60 3.61 38 3.00

P14 60 3.87 40 2.65 安標準点の平均はHAGが63.8, LAGが35・3で統 Tl896ト㌫・81・84i5α34 計的にも有意の差がみとめられる。HAGとLAG 又・4・t・・23134・la6・ における各被験者の不安標準点およびED点を示

1 741a24 23 4.24 すと第2表のとおりである。

2 67 2.65 31 3.46

3 66 2.83 3b 3.00 HAGとLAGにおけるEDの平均の差は一〇.36で

451i 6 166 3.87 2.83 ある。EDの値の分布は正規分布をするという保

65 U2

3.00 Q.65

37 R7

4.80

R.61 証がないので,non−parametric testのTテスト 117 62 2.83 37 3.61 によって両群の有意差を検定したpCR=1.950

89 62

U1 3.16 R.00

37 R8

2.45

R.32 であるから,5%水準(片側検定)でLAGのEDの

10 61 [3.32  ヒ

38 3.00 平均が大であることが認められた。また両群の分

11 P2

61i3.46  i61  3.61

39 R9

3.87

R.16 布型の差を検定するためランの検定法を用いて臨

13 61 3.74 39 2.65 界比を求めると,CR=−2.965である。 HAGと

14 60 3.00 40 3.87

LAGのEDの範囲(最大値一最低値)は第3表の

一一一一r}■¶一

Ti889協3615・5!・乳87

とおりで,1%水準でLAGのちらばり方がHAG

図63・131・13a21a42

に比べて大きいといえる。以上の結果から,不安

総計・78細5498gl兜・21

総平均,6㌫8ト1613刷a・・

の分布も脱逸の度が小さいので,親への同一化傾

(5)

第3表HAGとLAGのEDの範囲の差 向があることをみとめることができる。

i最大値巖小値厩囲ICR 「次に礁における男女の差についてみると,EDの HAG R.8712.2411.63『一一___ r

LAG} 一一 生80}2.452.35 2,965

@**

平均とその分布の範囲との差は,第4表,第5表のよ

** 1%水準 うになって,検定の結果から両群内における性差は認

       められない。LazOwickがS D法によって不安傾向第4表EDの平均における性差

        一一

P群 1性」平均1差ICR

噛L旦13.23−一∫0.13 1 しているが,本調査の結果からはそのような傾向を明

「}隔皿一幽一一一一

@  「kAG L男

p一一『皿一 1女一按

 3.10−−

@3.60 』−r−

@3.42−一『一一一一

1 °・735! 一一  一_  らかにすることはできなかった。

l岬1乞評定の鋤方向と同一化     一』一一

ED点を同一化の測度として,不安傾向の高い宝 徒が低い生徒に比べて,親との同一化傾向がある 卜群 1性「最大値「最小樹範囲1CR一冨

lIHAG

  1R.87 2.45一}@2@ 1.42iu『一『『

@』一「

ことを指摘したが,EDの値は評定のずれの平方

旨一 1女

387旨λ24/    1。154

P,631 和をもとにして算定されたものであるから,ずれ

51LAG 男14.6912.65匿・4 1.538i1 の方向は明からでない。そこでずれの方向との関 女 4.8012.45 2.35 i

係から不安傾向と同一化について検討してみよう。

評定のずれの方向をみるために,子の評定段階から母親の評定段階を引いて,+の場合 を積極的評定とし,一の場合を消極的評定とすると,各質問について評定のすれは+2,

+1・0・…1・…2のいずれかであらわすことができる。HAGとLAGにおける15行動項 目に対する評定のすれの頻数を表示すると,第6表のとおりであり,さらにこれをヒスト

第6表 評定のずれの頻数 グラムに図示すると,第1図のよう

1\\

P貨\避 H   A  G L   A  G 1になる。

…・「・,一・ 2 ・i・1−・!−21

1  第6表および第1図によると,行

i瑠目乳2iNo。  21−一 }「1111211 3 ト

1

珪膓1− i    I711614   ト

4

ζ15 199 ll1  動項目12(こずかいのっかい方)と

i4 5  l    I

?ル§1サ § 11 1−4(偏食)との2項目を除いて・

9 14 1 5 1 8 14 5 1  LAGにおいては消極的評定の傾向

171 11 10 7 7 14 6 11 III

ル1一

§1112

12}9 §含 11 「 1 珪含 握ll 、1 21

P1 がある。HAGにおいては行動項目 P.(勉強)2.(学習態度)12.14.

12 i13 i3 § 1ラ 11 1 § 1五

1 15(健康)を除いて,消極的な方向

14 } 3 13 11 1 3 16 8  1P

15i1  1

6 11 9 4 14 10 { への葺しいずれがみられない。全行 計171・・7i192一一@11014 1  1u   『 ・t621…1・33図 動項口の平均頻数の分布をみると,

一}一

HAGは0を中心として正規分布に 近く・LAGは消極的評定の方に偏っている。 このような分布型の偏りの差を検定する

(6)

第1図 評定のずれの分布図   □ HAG  ■ LAG    ため,全頻数 の分布につい

α)    (2)    (3)  て,κ・擬

20        ...._._7.._.一・一・・一・・ 「り 辱 頓Q..   ...・」.一.・」..昌畠・φ・・凸 ・ …  凸 陰°凸畠 陰゜°P 幽¶ 隔 …

求めてみると,

10 一 昌 ■  ,  ,    9 幽  ¶ 甲 一魑一 .  r   ・  ・  ■  一    臨  一   幽  一  曜  魯 一一「 暫 邑 画 亀一 一馴・噛 畠嚇 ,° 噛 「・覧凸 曹』』 胃@ 『     κ2 −=21.756

となって1%

0 2 i o −1 一2  2 1 0. 1 一1 。2 2 1 0−∫「2  水準で有意差

(4)        (5)   一…・・……・・〈6)一…・……  がみとめられ

20         」 」 7胃 , . ,脚 齢 , .陶 噛の P , ■ r・. ・ 曹 .?@巳 . 。 噛 嘱 , . . 噂 ● . . 噛 一 一 愚 一 醇  、  監  o 暫

た。

ノ0 _  P   昏  ●   ●  ●   ■   .   ,   P

胸 ■ 冒 圏 」  ,  ¶ 「 1 − 唖  喝 ■ ・ 一     腎  − ■ 9 ● 幽 9  馴 畠C 一 . ■  , ■ 響 曹 ・  ,  一 , ・ 幽 ・ 伽職● o働●齢 一 鞠昌

@      このような

「      ,     ■ 結果から,不

o 2  !  0

一2  2 f o−1_ユ 2 1 044@       安傾1自Jが低い

ユ0

_一_ω._...._…(ど〜一一一一・・一一一皿一…・群の生徒のE

Dの値が小さ

!0 噛 幽  ・   ■   層 隔一 .. } _ _ _ _隔 曽 一 ・ 一ロ 幽 ■ 一 」 甲    」   一  巳  一  畠  一 秩@ 藺   一  一  一  一  一  昌     ,  一  一 一一. 圏−響一一一

@   く,一「Lっ母親

,   ,

0 2 1  0一ヱ 一2. 2 J O−1 一2  ユ

ヱ   O  __エ  _2」      (フ)1計1くンt三よ り汀1

20

   (ω._.一__ω),____(2ユ_..極融加へ,_ 一 一 一 _ 一 隔  ,  胴  甲 幽  齢 一  一 ・  一       の脱逸が大き

曹邑一一曽 一曹, _ 曹 ■  甲  曹  一 ■ ・  , F 幽 F 騨 冒 , 幽 F.匿一

一 r ,「 曹 一 p r − 一 ,7 . 一 鍾,F , ■ , 一.

一……@ い傾向のある ことが推測で

,  ,

1 ,      ,

0 2   0 −1 一2  2 1  0  1 一2  2 1  0 −1 −2    さるOSarason

20

   (13)  ._,一ω__..__,(15L_..が鞍働の_ _ _ 一 冒 _ 一 一 響 一 , 冒 一 一邑 ., ,一 匿

高い子どもは,

/0 ,  F  P  一   暫  一   旛 , , 一 一 _ 一  , ,  φ 一 rr幽匿. F 邑 一_冒一餉 ・ r9 , 一 階 7−・ ,畠. ■一, 雪一…@ 親への依存性

欲求がっよく,

0 2 1 0 −1 一2  2  ∫ 0 一1 一2  皇 1 0−1−2@      親の評価事態

20 一_錘切_一一  に反復して腿し,そ卿態での子どもの轍礁

積かρ,,自己防衛の心理的機制によって・親への同

!o凸   一  ,   −   F  F   −   一 ,  _ 幽  炉  r   曹   ゜ , ・

@       _化が宅じ易いとした理論に対して・直接的な証拠 を与えることはできないであろうが・閥接的にその

θ 2 1 0 一1 −2 理論を推測できる結果を示していると考えられる・

(7)

3.行動項目と同一化の分析

子の行動に対する親の情緒的反応は,先にも述べたとおり,親の評価を先取するもので あるから,情緒的反応の類似性は,子の経験する評価事態において条件づけられる不安反 応と関連するものである。しかしそれぞれの行動項目によって,その類似性はことなるで あろうし,また子の性の相異によってもことなることが予想できる。そこで同一化に関し て,調査されたそれぞれの行動項目に対する不安傾向と性差との要因分析を試みた。

各行動項日に対する母親と子の評定のずれにあらわれたHAGとLAGの頻数は第6表に 示したとおりであるが,各行動項目毎に性と不安傾向を次のように要因としてとり,0・

1法によって,評定のずれの頻数について解析した。

A:性一A1:男、 A2:女

B:不安傾向一B、:高不安傾向,B2:低不安傾向

いま行動項目1について,その解析の例を示そう。A, Bの要因にっいて,評定のずれ 1と0の頻数と一一1と一一2の頻数とをまとめ,S1, S 2として表示したのが第7表aであ る。この表を直交表L4(23)にのせて書き改めると,第7表bのようになる。分散分析 の結果を要因分析表に示すと,第7表Cの如くである。その結果性の要因は評定に影響し ているとはいえないが,不安傾向の要因は5%水準で有意の影響を与えているということ ができる。

S

No. [A B (e)    S i

1\武

1.0 (S、)L1,−2(S,) 計  I@ i 、231s、,S,ITl

一}}旧

A1 B1 141  旨 1 1  1  1 1 9 5 14

一一 1

B2 4      10 14       1      1 2 1  2 2 1 4 10 14

A2 B1 7  7 ・41 1 3 2,217 7 i 14   

B;} 3 1 ・・ i・41 1 41221 3      −一一一一一 11i14 1  ヨ r一一@ 一  一一一一         一      一 一      一 一  一  一一

@       1

1計1 23 i 33 i561 旨23「 33i561

第7表③要因分析表

このようにして,15の行動項口について性と不安 要因 S.S. n M.S. F

A 0。560  1 0,560 0,598 傾向の要因のFの値を算出して,同一化に関して評

B;5.971  1

?撃奄=E7・1・     1e2 49.498 52 5,971 O・071

6°386* 定のずれに及ぼす影響の有意性を検定した。その結

@    果は第8表のとおりである。すぺての行動項目にわ

e1 49.569153   ヨ 0,935

たつて性の要因は,有意な影響があるとはいえない

5a…岡  1 が,言葉づかいのFの値が一・ばん大きいのは,親の

*5彩水準

この行動に対する期待や評価が,子どもの性によっ てことなることを示しており,それが母親と生徒の反応の類似性に反映していることを陪

(8)

第8表 性,不安の要因のFの値 示するように思われる。

腰行動項目1性不安 不安傾向の要因は,行動項目1と2に対

1 家庭における勉強 0,600 6.386ド してだけに有意な影響を与えていることが

2 学校における学習態度 0.208 4.837*

一一一

3 テストの成績 0.089 0.303

τ 進学 0,075 1,871 ならべてみると,1.家庭における学習 2.

 一      一一匿@一一

1−5 友人関係 0,183 0,183 学校における学習の態度 3.行儀作法 4・

6 あそび 0,984 0,107

11 一人での外出 0,363 0,000

身つくろい5.言葉づかい6進学となる。

1L8_ よみもの 0,658 0,074 このように,生徒の行動に対する親子の

1 9 身つくろい 0,000 3,169  一、 情緒的反応の同一化現象に,生徒の性の要

 一一了

・10 言葉づかい 1,342 3,020 一一

hiユ1       一一一一耐一鼈鼈鼈鼈鼈鼾

s儀    一一一 一Q }−O・08Ll.−3廼

因がそれほど重要な関係を,統計的に示さ

[12 こづかい

0.152io,152   一一一一一一一  一 己 なかったことは意外であった。しかし親の

}一一113 悪習慣 0,373 1,493−一一一一一一}一目一

評価が中学1年生頃では特に性的差別を意

 一一

鼈鼈 一一一7一  一一一 一『黹ホ一一

114 偏食       尼一一 0,074_ 一一一 0.658 n 1.5

健康への留意 0,ge8 0,000一1 識しないことの反映であると拷えられる

一一・5%水準      ので・被験者の層を考えて調査詫晒を立て,

さらに検討を要するところである。

また不安要因が統計的に有意の関係を示した学習に関する行動項目以外に,ある特定の 行動項目に関して,Fの値が大さくあらわれた傾r」にっいては注目を要するところである

と考える。というのは,被調査者が付属学校の生徒と母親であったということに関連して いる。社会的経済的地位の比較的高く均等な家庭状況の下で育ち,選抜されて入学した生 徒であるということからみて,いわゆる中産階級の母親が子どもを評価する際に抱いてい ると思われるFrame of referenceに関連の深い,学習,進学・行儀作法,言葉づかいなど がFの値が大きく,よみもの,友人関係,あそび,こづかいのつかい方などは重要性を持 っていないということである。したがって,親の関心のつよい行動面での評仙事態からう ける子どもの経験によって,親の期待や願望にそいたいという欲求が,親への同一化を生 ぜしめ,不安傾向の高い生徒には親の情緒的反応の類似性が反映し易いと考えられる。こ のような社会的経済的背景にもとつく親の価値や行動のシエマが情緒的反応の類同性の基 礎としていかなる意義を有するかについてさらに考究を要する問題であろう。

要     約

親と子との同一化の問題をとりあげて,主として不安傾向と同一化の関連を考察した。

子どもの行動傾向に対する母親と子ども自身の情緒的反応における類似性を,同一化の指 標とし,質問紙評定法を用いて同一化を測定した。その結果を不安傾向の高い群と低い群

i

(9)

について分析し,不安傾向と1司一化との関係に関して,次の点を明らかにすることができ たo

1.EDの値をもって同一化を操作的に規定すると,不安傾向の高いものは低いものよ りもEDの値が小さく,その分布のずれも小さいので,不安傾向の高い生徒には親へ の同一化傾向がみとめられる。

2.不安傾向の低いものの親子の評定のずれは,消亟的評定の方に偏する傾向がある。

3.同一化の傾向は行動項目によってことなり,親の関心の深い評価事態で経験される 行動に,不安の要因が関係している。

以上のような結論を導き出すことができたのであるが,被調査者が特殊な学校の生徒と 母親であること,測定方法の精密さが不十分であることなどを改善することによって,さ

らに検討を重ねようと考えている。      一

参  考  文  献

1 Lazowick, L. M.:On the nature of identification. Jurnal of abnormal&social psychology,

1955.vo 1.51.

2 中西昇・小西勝一郎・村尾能成:問題少年における親子間の類似性に関する研究 育少年非行に関する研究,昭和35年

3 Sarason. S.B.:Anxiety in elementary school children.1960.

4 林正邦・中原弘之:MAS標準化に関する研究,茨城大学教育学部紀要No.8.1958.

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参照

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