長崎大学総合環境研究 第 1 0 巻 第 1号 pp. 1‑1 0 2007 年 1 1月
学校給食における献立評価の意義と評価項目の検討
秋永優子* ,中村 修榊,下村久美子 榊 ,片測結子* ,波速美穂* * ,宮崎 藍* *
Eva l ua t i ono fMe nusa ndI t e msf orEva l ua t i oni nSc hoo lLunc h Se r vi c e s
YukoAKI NAGA,Os a muNAKAMUR A ,Kumi koSHI MOMUR A , Yui koKATAFUCHI , Mi ho WATANABEa ndAiMI YAZAKI
Abs t r a c t :Eva l ua t i ngs c ho oll u n c hme nusi sne c e s s a r yf o rr a i s i ngt heq ua l i t y ofs c ho ol l u nc hs e Ⅳi c e s . Eva l ua t i o nsc a np r o vi dei n f bm a t i o no nt hes t a t eo fme nusa n dme a l c o n t e n t smo r eo b j e c t i ve l y ,a ndme nusc a nbec r e a t e dwi t ht hek no wl e dg ef r omt hei t e ms us e df わre va l ua t i on, a n dp r o bl e mst ha ta ppe a rc a nbec o 汀e C t e di nt h ene x tme nu.
Thepi l l a r so ft hei t e msus e df わrt hema n y‑ s i de de va l u a t i o no ft heme nuswe r e ; " me n u c o mpos i t i o n" , " us a g eo fve g e t a bl e s " , " l oc a l l y‑ g r o wnpr o d uc e " , " e ne r g ya ndl i pi d " ,a nd
" pr o c e s s e d f わod" . As c o mpone n t s o f e a c h pi l l a r t h e f bl l o wl ng We r e us e d;
" J a pa ne s e ‑ s t yl eme a l " , " r i c eba s e d me a l " , " ve g e t a bl e si n s e a s o n " ,a nd " r a t i o o f
f a t ‑ de r i ve de ne r g y" .
K ey wor d s . ・ s c ho oll u nc hs e r v i c e s ,ev al u at i ono fme nu s ,i t e ms fo re v al u at i on,qu al i O)
Ⅰ.緒言
福岡県では,平成 1 6 年度 に実施 された児童生徒食 生活等実態調査の報告書 1 に,小学生の 7 7%,中学 生の 7 2% が脂 質摂 取量 の適正範 囲を超 えてい るこ
とが示 された。著者 らは, 食事内容が よく吟味 され, 一般の家庭生活 と比較す ると脂質量が押 さえ られて い ると考 え られ る学校給食 でも,必ず しも脂質量が 低 くない こと 2 を明 らかに した。 また,前報 3 では, 平成 1 8 年 1 月の福 岡県内の 1 0 校の給食献立を調べ
* 福 岡教育大学教育学部,
** 長崎大学大学院生産科学研究科,
* * * 純真女子短期大学
受領年月 日 2 0 07 年 ( 平成 1 9 年) 7 月 1 7日 受理年月 日 2 0 07 年 ( 平成 1 9 年)9 月 1 8日
た ところ,月平均値が基準 を超 える場合 もあ り, 様 々 な増加要因がみ られた。
子 どもたちの心身の健康 の観点か ら食のあ り方が 心配 され,平成 1 7 年 に食育基本法の制定,平成 1 8 年には食育推進基本計画の策定がな された。食育推 進基本計画の中で も,脂質の過剰摂取は,我 が国の 食 をめ ぐる危機的な状況の筆頭 にあげ られ,子 ども も含 めて見受 け られ るとされてい る。学校給食 にお いて も脂質摂取量の低減 が早急 に求め られ ることか ら,著者 らは,脂肪エネル ギー比率増加 を押 さえる ための学校給食献立のあ り方 について検討 した 4。 そ れ らを献立内容 に反映 させ ,献立を改善す るための 一方法 として,献立の 日常的な 自己点検 ・評価 の積 極的実施 が考 えられ る。
学校給食の献立に関 しては,実際の給食調理の現
場では栄養量は厳密 に計算 されてい ることは周知の ことであ り, 「 学校給食栄養報告 ( 週報)書」にま とめ た ものを,選定 された学校や共同調理場が年 2回提 出す ることになってい る。 また,福 岡県内で も,各 校,各調理場が平均摂取栄養量や,エネル ギー比, 残食率,給食 回数,平均食 品摂取量な どについて, 年 に数回,各都道府県教育委員会や保健所 に提 出す ることとなっている。 しか し, これ らは,一 ケ月, あるいは一週間の平均値や実施回数 の合計 を算 出す るもので,あ くまで結果の報告である。栄養摂取状 況評価 の一方法 5 であ るとして も, フィー ドバ ック
させ るシステムにはなっていない。
各校 ・調理場が給食 の内容を振 り返 って次‑生か すための,立てた献立について一 日一 日の具体的な 内容 を多角的 ・総合的に点検 ・評価す る仕組みに関 す る報告 は,まだ見 られ ない。桂お よび冨田 6 も, 献立を評価 し,改善す ることに取 り組 んでお り,有 効 なものであると考 え られ るが,評価項 目として定 めたものや システムは示 されていない。著者 ら 7 は, 教育 としてな され る学校給食 に対 し,『人権の尊重』
『 社会性 の育成』『自然的環境 との関わ り』を評価基 準 として,質改善のための総合評価 を試みたが,献 立に関す る項 目は一部 にす ぎなかった。
そのため,著者 らは,学校給食 にお ける脂質量適 正化 とともに給食献立の総合的な質向上を 目的 とし, 多忙 な学校栄養 士 自身が質改善に向けて取 り組む こ
とのできる献立の評価 の一手法 として提案す ること に した。本報では,給食 における献立評価 の意義 を 明 らかに し,学校給食 の献立評価項 目について検討 す る。
Ⅱ.献立評価の意義
は じめに,献立評価 の意義についての各研究者 の 見解 を示す。
桂 8 は,提供 され る食事が適切 な ものであるか ど うかについては常にチェックしてお く必要がある と し, 「 常 にある基準 を設 けて意識 的 に献立作成 され ることが肝要である。評価 した資料 は以後の献立作 成 に対す る反省材料 とし,一層 の向上 を促すための 貴重な資料 とな りうるのである。」 と述べてい る。
鈴木 9 は,献立は,給食運営の諸条件 の範 囲で作 成 し,献立に基づいて調理 ・配食 を行い,給食 の総
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括的評価 ,食事の量,質の評価 にも献立が使われ る とし,次のよ うに述べてい る。 「 献立の評価は,食事 計画, 栄養計画,献立計画の再検討が必要か どうか, また,給食経営計画,管理 ・統制の検討 に使 うこと ができる。 ( 略)給食経営のための総合評価 として, 供食 した食事 に対す る評価,献立表 を分析 した評価 をもとに,給食 システム計画,管理 ・統制‑の課題 となるものである。」
芦川 ら 10 は,食 品構成表の見直 しとともに献立計 画の検討お よびサイ クル メニューの見直 しを,次の サイ クル に反映 させ るために給食業務 の流れ に位置 づ けてお り,献立の評価 と改善のシステムを組み込 む ものである。
小切間 11 は, 「 品質保証のために,献立,生産 ( 調 理)工程 な どの品質 の 目標 に対す る客観 的な品質評 価 を行い,問題点を明確 にす る。評価 の 目標 ・目的 は,給食 システムにお ける品質管理の問題点を改善 し,フィー ドバ ックす ることにある。」と述べている。
この場合 の品質 とは,提供す る食事やサー ビス,栄 養教育な どが喫食者 に とって適切であるかを評価す
るための性質や性能の ことである。
この よ うに,献立を評価す ることは,給食献立や 食事内容 を客観的に把握す ることに とどま らない。
まず,評価の基準や 目標 に基づいて,意識的に献立 作成 され ることにつながる。そ して,評価 の結果 を 反省材料 とす ることができ,兄いだ された課題 をも とに,次の献立の改善 を図 ることができる。献立評 価 は,献立改善を導 くもの と言 うことができる。
加 えて,献立は,給食全体の質に対 して及ぼす影 響が非常に大 きい と考 えられている。藤井 12 は,献 立計画 と栄養計画 をあわせ て食事計画 といい,食事 計画は給食の晶質 を決 定づ けるものであるとしてい る。西岡 ら 13 も, 「 献立は,集 団給食施設 にお ける 食事サー ビスの流れ を演出す るもの 」 であ り,それ ゆえ献立の善 し悪 しは,食事サー ビスの評価 を支配 す る最大 の要因 となってい ると述べている。茂木 14
は,献立は,給食実施 の基盤 をなす ものであ り,袷 食業務 のかなめ となるものであるとし,給食実施の 成果いかんは,献立作成の優劣 と調理の巧拙 とによ って決定 され るといっても過言ではない と記 してい る。
このため,献立の良否は,給食全体の良否 を左右
学校給食 における献立評価の意義 と評価項 目の検討
す るものであるとみな され る。 したがって,献立評 価やその他 の方法で,献立をよい ものに してい くこ
とは,給食全体の質 を高めるために重要であ り,必 要なことであると言 える。
また,献立を評価す ることによって明 らかになる のは,献立内容 にお ける課題であるが,それ ととも に,望ま しい献立内容が実現できない背景が表 出す ることも少 な くない。 したがって,献立内容の改善 は,給食調理場の施設設備 をは じめ,給食 の実施条 件全体のあ り方 に対す る見直 しにつながると言 える。
献立だけでな く給食全体に関 して も,主体的に評 価 に取 り組む ことが改善 につながる。小松 15 が次に 述べ るよ うに,種々のサー ビス業 と同様 , 自ら積極 的に取 り組む ことによって初めて改善がな され ると 考 え られ る。 「 給食 サー ビスは食事 の配膳 のたび に 評価 に曝 され る。 ( 略)しか し,それ らを漠然 と受 け 止 めてい るだけでは,給食 の内容 は改善 しない。近 年は,様 々なサー ビス業においては評価 システムが 強 く働 くよ うになった。評価 を行 った うえで,その 内容をつ ぎの業務改善に生か してい くとい うマネジ メン トサイ クルが働 くことが大切である C」
これ らの献立評価の意義 を踏まえ,次に,学校給 食の献立評価項 目を設定す る。
Ⅲ. 学校給食の質の向上のための献立評価項 目の検 討
学校給食 は,食 されて子 どもたちの血肉 となると ともに,子 どもたちの噂好や食習慣 の形成 に大 きく 影響す るものである。 とりわけ,教育 の一環 として 行 われ ることか ら,その食事一食 が身体 に及 ぼす効 果 に加 え,望ま しい食事のモデル として毎 日学習 さ れ続 けることによる食習慣 の形成 まで も考慮 した も のでなけれ ばな らない。大留 と鈴木 16 は,学校給食 における献立作成上の留意点 として, 「 食教育 ・ 健康 教育の生 きた教材 とな るよ う,四季折 々の味, 歳時, 行事食 な どを盛 り込み,児童生徒 が給食時間を心待 ちにす るよ うな魅力 ある献立を工夫す る」 と述べて いる
。学校給食献立を評価す るための項 目は,前報まで に明 らかに してきた子 どもたちの健康や食生活 にお ける実態 に鑑みて設定 され なければな らない と言 え
る。
一方,給食献立を評価す るための項 目は,す なわ ち,献立作成の際に考慮すべき項 目を意味す る。西 岡 ら 17 も,献立について評価すべ き項 目を検討す る とき参考 となるものに,献立作成上配慮 しなければ な らない諸条件があると述べてい る。
これ らの点を勘案 した結果,献立を多角的 に総合 評価す るための項 目の柱 として, 「 献立構成 」, 「 野 菜の使用」, 「 地場産物の使用」, 「 エネル ギー ・脂質 等」, 「 加 工食 品等 」 の 5 つ をあげる。その根拠 とそ の内容 について検討す る。
1 .献立構成
まず,食事内容 は,主食や主菜 を何 にす るか,そ してそれ らに何 を副 えるか とい う献立構成 によって 大きく決 まる。 また,前報 において,脂肪エネル ギ ー比率 に有意 に影響 を及ぼす要因 として,揚 げ物料 理 を含 んでいることや和食献立であること,主食 が 米飯であること,主菜の主材料が魚や大豆 ・豆製 品 であることな どが示 された。また,二次加 工品や牛 乳 も,脂質摂取過剰 の原因 となる可能性 があること が示唆 された。
そ こで,献立構成 を柱 とす る小項 目について,献 立を構成す る料理のタイプや調理法,主食 ,おかず の材料,牛乳 な どの点か ら考える。
( 1 )献立を構成す る料理のタイプについて
前報で明 らかに した よ うに,和食献立は脂質の摂 取量を抑 えやすい。我が国において地域地域でその 時期その時期 に入手できる食品を用い る中で生まれ, 食べ継 がれてきた ものが,和食である。人の知恵の 結晶で もあ り, 日本人の体質に合 ってい るもの と言 える。現代の子 どもたちの多 くに不足 している魚, 大豆,野菜,海藻な どを摂取す るのに適 した もので
もある。
大留 と鈴木 18 の述べ るところの 「 献立内容 を豊か にす るため,郷土食や地域 ・家庭 の 自慢料理,外国 料理な ども取 り入れ る」 ことを否定す るものではな い。子 どもの健康 と食生活の現状 を考 える と,一 ケ 月を通 して見た際の献立の基本 を和食 とす ることが 必要であると考 え られ る。
一方,芦川 ら 19 は,献立表のチェ ックポイ ン トと
して 「 毎食 『主食 +主菜+副菜』が組み合 わ されて
い るか
」をあげてお り,山本 と小切間 20 は,献立作 成の際,まず,主食 ,主菜,副菜,汁物,デザー ト の組み合 わせ を考えるもの としてあげてい る。
日本 にお ける食事の基本的な構成 は,本膳料理 に 端 を発す る 「 ご飯 を主食 とした一汁三菜」である。
しか し,実際の庶民の 日常食の基本構成 は, 「 飯, 汁, 莱,漬物 」 21 であった とされ,一汁二菜の形であっ た。一汁三菜まではできな くとも,一汁二菜に献立 を整 える と栄養 的 なバ ランスが とりやす くな る 2 2
と言われ る。
学校給食では,調理員の人数や施設設備,食缶, 食器 な どの数,費用 な どの面か ら, ご飯 を主食 とし た一汁三菜の実施は,ほ とん どの場合困難 であるが, 一汁二菜 は現在 でも多 く実施 されてい る。基本的に はこれ らの献立構成 を とることが望ま しい と考 える。
ただ し, この形 にこだわるあま り,料理一品を簡単 に増やすために加 工食 品の使用 を増やすのは適 当で はな く,あるいは給食調理場に過度の負担の及ぶ も の となってはな らない。 あ くまで,給食 の質向上の ために 目指すべ き方 向性 として提案す るものである。
( 2)揚げ物 について
揚げ物 は,現代の子 どもに好まれ る料理であるが, 脂質の摂取量を高めるものでもある。前報でも揚げ 物 を含む献立群 の脂肪エネル ギー比率 が有意 に高 く なることが示 された。子 どもの噂好 を育てるとい う 観点か らも,揚 げ物 の実施頻度 を低 く抑 える工夫が 求 め られ ると考 えられ る。
芦川 ら 23 が述べ る 「 調理法のバ ランスを とるこ と」は,いずれの調理法 も同 じ回数 を実施す る とい う意味ではな く,それぞれの調理法 に応 じた頻度 を 採用 しなが ら料理に変化 を持たせ ることの重要性 を 意味 してい ると捉 え られ る。週報で も,おかず の調 理法別 に実施回数 と出現率 を提 出す ることになって い る。
揚げ物の実施回数が多 くな らない よ うに,評価項 目として揚 げ物料理の数 をカ ウン トしてい くことが 必要である。
( 3) 主食 について
一般 に,献立作成 において,主食 が最初 に決定 さ れ,それ を前提 に,他 の料理構成 が考 え られ ること が多い。
前報で示 した よ うに,主食が米飯以外であると脂
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質量が多 くな りがちであるだけでな く,米飯 には多 くの優位性が見 られ る。米飯給食週 5 回実施 に取 り 組む地域 も増 えつつ あ り,子 どもたちに毎 日食べ さ せ る意義 24 は次に示す よ うに種 々あげ られ る。
①米飯 はエネル ギー源 としての役割 に注 目す ると特 に優れた ものであるとされ る
②米飯 は, リー ド性の高い主食 である
③米飯給食では,脂質摂取量を少 な くできる
④米飯給食は,ア トピーの改善に効果がある
⑤米飯 を とる食習慣 の形成 に役立つ
⑥米飯 は,おい しく,子 どもが好んでい る
⑦米は 自給率が高い食 品で,その維持 によって将来 の主食物の安定供給 が期待 できる。
⑧米は,多 くの地域 で地場産物 を使用す ることがで きる。さらに, 地場産物 で生産者が特定 され る場合, その多 くは減農薬栽培 な どを実施 してお り,安全性 の高い ものが期待できる。
⑨地場産米は,地域教材 として教育的効果が高い 大留 と鈴木 1 8 は,主食 に変化 を持たせ ることを重 視 し,四季の献立例 25 として小学校 について 9 食 中 6 食,中学校では 1 2 食 中 6 食 に,米飯以外 の献立を あげてい る。学校給食 の 目標 には, 「日常生活 におけ る食事について,正 しい理解 と望ま しい習慣 を養 う こと」が,学校給食法 において も第一 に定め られて い る。米飯以外の主食 を多 く登場 させ ることは,千 どもの健康が憂慮 され る現代社会 において, ことに 家庭での 日常の食事内容が大 きく乱れ,米飯 を主食 とす る習慣 な らびに主食 ・主菜な どの食事の概念が 形成 されていない現状 に鑑み ると,適 当なことであ るとは考 えに くい。
また, 日本では昔か ら,主食 におかず を副えて食
べ ることによって,野菜料理 な どのおかず もよく食
べてきた。現在では,それ ができない食卓状況が増
えてい ることも,野菜 の摂取不足な どの摂取食 品の
偏 りの一因 と見 られ る。足立 26 が 「 普通食べ るごは
んは付 け味がないか ら,ごほんだけでは満足できな
いが故 に他の料理 との組み合わせ を必要 とし,他の
料理 を食事‑ とリー ドす る」 と述べ るよ うに,米飯
は リー ド性 の高い主食 であると言 える。 また, ごは
ん食 はパ ン食 に比べて平均‑,二品 くらいずつ料理
が多 く,主菜料理 と副菜料理 を伴 って,栄養学的に
も優れた食事になる比率が高い ことも明 らかに され
学校給食 における献立評価の意義 と評価項 目の検討
ている。
他方,茂木 27 は,学校給食献立に必要な地域的な 考慮事項 として, 「 地域 の食生活 と学校給食 の食事 が長短相補い新 しい食文化 の創造に寄与す るよ うな 献立を工夫す ること」をあげ,次の よ うに説明 して いる。 「 食生活の改善を図 るためには,いままでの 日 本型食形態 の献立の中にも,パ ン食 に調和す るもの が沢山あることに留意 し創意 と工夫に よって,それ ぞれの地域 にふ さわ しい,合理的な新 しい食形態 を 樹立す る必要がある。た とえば,パ ン食 にあ うみそ や大豆の加 工方法 を研 究す ることに よって,農 山村 に栄養的なパ ン食 を普及す ることな ども一方法であ ろ う。」これ は,本末転倒 であ り,また時代錯誤 と言 わざるを得 ないが,この文献が,1 956 年の初版で改 訂 を重ねた ものが前身であ り,この部分 を近年書 き 改め られ ないまま新版 とされたため と考 え られ る。
しか し,学校給食 にお ける献立作成の原点の考 え方 が表れてい るとも言 うことができる。 主食の問題 に 限 らず, この よ うな考 え方が現代 の学校給食献立作 成 にも引き継 がれていないか どうか,十分 に客観的 な視点 をもって給食献立の評価 に取 り組む必要があ ると言 える。
これ らの ことか ら,米飯給食回数 については別 に 議論す るもの として も,主食が米飯 であるか ど うか
を評価項 目とす ることは重要である と考 える。
なお,前述 した 「 学校給食栄養報告 ( 週報)書 」 や 各都道府県教育委員会‑の報告書で も,調理形態 と
して主食 が米飯 (「 飯」, 「 変わ り飯」, 「 井物,カ レー 等」)とパ ン(「 普通パ ン」,「 サン ドイ ッチ,調理パ ン等」, 「 変わ りパ ン,菓子パ ン 」 ) ,麺 ,その他 のい ずれであるかについて,実施回数 と出現率を記録す ることになってい る。その内容 に対 し,脂質量適正 化 とともに総合的な給食献立の質向上 を 目的 とした 評価の視 点を付与す る とい うことになる。
ところで,前述 した 「 ご飯の リー ド性」は,米飯 に付 け味 を していない場合 に得 られ る特徴である。
米飯 に味がついていなけれ ば,主食 だけ単独で食べ ることが少 な くな り,おかずに対す る食欲 を高める ことができる。そのため,主食が付 け味 されていな い米飯であることも,子 どもの食生活 のあ り方,食 べ る物 の内容 をただ してい く上で大切 であ り,評価
項 目として必要である と考 えられ る。
週報な どにおいても,主食の米飯 を,自飯,麦飯, 旺芽飯 な どを指す 「 飯 」と, 「 変わ り飯」, 「 井物,カ レー等」の 3 通 りに分類 してお り,同 じ飯で も分 け て取 り扱 うことになってい る。
( 4)おかず の材料 について
前述 の よ うに,魚や大豆 ・豆製 品を主菜の主材料 として使 った献立群の脂肪エネル ギー比率が,他の 主材料 を使 った場合 に比べて有意 に低い ことが前報 で明 らかになった。芦川 ら 2 3 が主菜の素材 となるた んぱ く質性食品について 「 肉類,魚介類,卵類お よ び大豆製 品の使用 にあた りバ ランスを とること 」 と 記す よ うに,現在 の欧米化 した食生活で見 られ るよ うな畜肉の使用 に偏 った もの とな らない ことが,献 立作成 において も重視 され るよ うになった。畜肉に 多 く含 まれてい る飽和脂肪酸は,血清 コレステ ロー ル値 を上げることか ら肥満や生活習慣病の原因 とさ れ,食事摂取基準 28 も設 け られた。 さらに,主菜の 主材料 に魚 ・大豆 ・豆製品を用い ることで,和食献 立が作成 しやす くなるとい うの も利点 と言 えよ う。
学校給食 における食 品構成の留意点 として,豆類, と りわ け豆の摂取等 について 29 積極 的 に取 り組む ことも求 め られている。
畜肉食 品は,主菜以外の料理 において使用 され る こともまれではない。野菜料理 を好まない子 どもが 多いため,畜肉食品で旨味 と脂質の コクを与えるこ とによって,子 どもに とって食べやすい ものにす る ことが 目的である。前報における調査対象である福 岡県内の 1 0 カ所 の小 中学校の平成 1 8 年 1 月の献立 では,主菜以外で畜肉食品を使用す る料理が,平均 す るとほぼ 2 回に 1 回の頻度で出現 してお り, 2 回 に一品の頻度で使用 されている( 表 1 ) 。動物性たん ぱ く質の主菜がある献立の中に,けんちん汁に鶏肉, 中華のスープに豚肉,野菜や ワカメのスープにベー コンか鶏 肉,サラダに‑ム,ひ じきごはんに鶏 肉な どの形で使用 されていた。
飽和脂肪酸の問題 に加 え,味覚教育の観点か ら見
直 しが必要である。その味に慣れ ると,その旨味 と
コクがない料理 はおい しい とは感 じに くくなる。教
育 として実施 されてい る学校給食 が子 どもの食習慣
に及 ぼす影響力 と味覚 を育てる責任 の大 きさを考 え
ると,食材 の選択には十分 な配慮が必要である。た だで さえ,家庭生活 の中で,畜肉食 品中心の食事 を す る子 どもが増 えてい る中,学校給食 では,残食が 増 えない よ うに配慮 しなが らも,本来の食品の味を 知 らせ,畜肉食 品に頼 らず におい しく食べ る噂好 を 育てる手助 けをす ることが重要であろ う。
( 5)牛乳 について
牛乳は,カル シウムの給源 として重要なもので, 飲用に努 めることが謳 われ ている一方,給食 に必ず 牛乳がつ け られてい る現状 には,次の よ うな問題点
もみ られ る。
①洋風の料理以外には合わない。特 に和食 とは味の 取 り合わせが合 わない。
②牛乳だけでかな りお腹が満た され,おかずや ご飯 の残食が多 くなる。
③欧米人 を除 く世界の大半の人々は,離乳す ると乳
ムの供給量の多い献立や和食献立の場合は,牛乳 を つ けない とい う柔軟性 も必要であると考え られ る。
日本人の栄養摂取状況では,学校給食終了年齢以 降のカル シウム不足が指摘 され る。 これは,学校給 食 の献立がカル シウムの摂取方法 を牛乳 に依存 して い ることと関連づ けて考えることができる。牛乳で カル シ ウムを摂取す ることを基本 に した献立では, 牛乳以外 の献立ではカルシ ウムを得 ることはない。
つま り,子 どもたちは毎 日牛乳 を学校給食 で飲む こ とで,同時に,カル シウムを得 に くい献立を学習 し, 慣れてい くことになる。そ うした子 どもが成人 にな れ ば,ほ とん どの場合 ,食事の際に牛乳 を飲む こと はないため,カル シ ウム不足になる。
学校給食の献立に牛乳 を含 んでいない場合,小魚 な どカル シウムを多 く含む献立を考 えざるを得ず, 子 どもたちは,そ うした献立を通 してカル シウムを 表 1 福 岡県内の 1 0 校 の学校給食 における主菜以外での畜肉食 品使用回数 と頻度
( 平成 1 8 年 1 月献立)
\ 学校 A B C D E F G H Ⅰ J 平均
献立群 1 品に使用 ( 回) 7 6 3 8 4 5 4 8 7 8 6.0 2 品に使用 ( 回) 0 0 0 2 0 0 0 1 0 2 0.5
使用 していない ( 回) 7. 7 1 2 2 1 0 1 0 1 0 6 8 6 7.8 計 ( 回) 1 4 1 3 1 5 1 2 1 4 1 5 1 4 1 5 1 5 1 6 1 4.3 出現頻度* ( 回/回) 0.50 0. 46 0.20 0. 83 0.29 0.33 0.29 0.60 0. 47 0.63 0. 45
出現頻度*:使用回数/全給食回数,使用頻度**:使用料理数/全給食回数 糖 を分解 できな くなる乳糖不耐症であ り, 日本人は
体質的に牛乳 を多飲す るのは不適 当である。
④乳糖 を分解できない ことによって,牛乳に含 まれ るカル シ ウムが分解 できないだけでな く,他 の食物 か ら摂取 したカル シ ウムの排涯 も促進 され るとされ る。
⑤牛乳ア レル ギーの子 どもも増 えてい る。
⑥牛乳 には,脂質が多 く含 まれてい る。
そのため,東京都武蔵野市のよ うに,毎 日ではな く,献立の内容 によって,牛乳 をつ けるか どうか決 めてい るところや,福 島県熱塩小学校 のよ うに,袷 食時間ではな く,休み時間に牛乳 を飲用す る学校 な ど,種 々の取 り組みがみ られ る。例 えば,カル シ ウ
‑6‑
得 ることを学習す るこ とができる。
2. 野菜の使用
野菜摂取不足の子 どもたちが多い ことは,食育推 進基本計画にも記 され るほ ど重大な問題の一つ とな ってい る。前掲の児童生徒食生活等実態調査報告書
30 では,野菜摂取量の少 ない子 どもほ ど,野菜 を嫌 ってお り,その よ うな子は有意 に 「 体がだ るい」や
「 イ ライ ラす る」, 「 学校給食が嫌い」であることが わかった。野菜がほ とん ど食卓に上 らない家庭 も増 えつつ ある中,学校給食 は,野菜 をよく提供 し,千 どもの健康維持 と成長 ,噂好形成 に及 ぼす効果がか って以上に重要な働 きをす るよ うになってきてい る
と言 える。
学校給食 における献立評価 の意義 と評価項 目の検討
その一方,施設設備 による制限や栄養量の充足, 使用食材数増の 目的な どの理 由 31 か ら,冷凍の野菜 や旬 をはずれた野菜,地場産物がた くさん収穫 され ているにもかかわ らず遠方の産地や外 国か ら輸送 さ れた野菜 の使用 も多々見 られ る。旬 の新鮮 な野菜 は, 様 々な長所 を持 ち,何 よ りおい しくて子 どもたちの
野菜に対す る噂好 を高 める可能性 を多 く持 ってい る。
野菜の数量 とともに,冷凍 ・加 工 された ものではな い事が大切であると考 える。
学校給食 は旬 に配慮 して献立作成 されてはい るも のの,それで も約 3 回に 1回の割合で旬 を外れた野 菜 を使用 している学校 32 も少なか らず ある。
旬の野菜は栄養価 が高いな ど,学校給食で使用す る際,多 くの意義 31 が認 め られ る。 中で も,現代の 子 どもたちに とって最 も重要なのは,味がよく,食 べやすい ことであると考え られ る。旬 の野菜は,疏 通が速 く,また近 くの産地か ら届 け られ るものが多 いため,新鮮である。甘味や 旨味が感 じられ,苦み も少 ない。歯 ごたえも,生であれ ば心地 よいシャキ シャキ感 があ り,加熱すれ ばふ っ くらした柔 らか さ になる。寒い冬に歯 ごたえも味 も良 くない体 を冷や す キュウ リを食べ,夏に筋 っぽ くて水 っぽい味のほ うれん草 を食べていては,野菜 を嫌いになって も仕 方 ない と考 え られ る。 また,野菜の 旨味が感 じられ ないサ ラダであれば, ドレッシングの味で どうにか 口の中を通過 させ るとい う食べ方 も無理はない と言 えよ う。
芦
川33 や 山本 と小切 間 2 0 ,大留 と鈴木 1 8 が述べ る
「 季節感 」 のある献立,「 四季折々の味」を盛 り込ん だ献立は,主 として情緒 とい う点か ら,食欲 を高め ることができ,重要である。それ とともに,赤羽 34 が記す よ うに 「 魚介類,野菜や果物 な どについては, 旬の時期 を献立に生かす よ うに し,常 に新鮮 な味を 提供 して利用者の噂好 を満足 させ るよ うに努 める 」 ことは,実際に口中で味わ う食材 の味 としても重要 である。
果物 についても,同様 に,旬の生鮮 の食品を使用 す ることが大切である と考 えられ る。
3. 地場産物の使用
学校給食 における地場産物の使用 は,様々な教育 的意義がある 2 9 とされ る。教育的効果のほかにも,
子 どもたちに とって,食材 の質,安全性,健康‑の 貢献,将来の食料保障な どの観点か らメ リッ ト 35 が み られ る。
しか し,使用す る食材 の中に地場産物が含 まれて い る割合 を重量で示 した地場産 自給率は,平成 11 午 ll ‑1 2 月に長崎県下 7 9 市町村 を対象に実施 した 調査では平均は 6. 3% 36 ,平成 1 7 年 1 2 月に福岡県 下 84自治体 を対象 とした調査では平均 4. 2% 37 と, 学校給食 でも地場産物の使用が少 ない ことが明 らか になっている。近年 「 地産地消」 とい う言葉 も生ま れ,芦川 ら 33 も,給食献立表のチェ ックポイ ン トに お ける点検内容 として 「 地場産の食 品が用い られて いるか」 をあげている。
学校給食で使用 されてい る地場産物の量 を把握す るためには,地場産 自給率調査がよ り望ま しいが, 調査 に手間がかか り栄養士の負担 が大 きい。一方, 使用 した地場産物の種類 な どを定期的な報告書に記 録す る地域 も見 られ る。地場産物 の種類数 を 日単位 で点検す ることは,比較的容易である。種類数の調 査 を行 うことによ り,量的な把握 はできな くて も, どの程度 の使用率 となっているかの 日常的な把握が 可能 とな る。
この地場産食材 の購入は,栄養 士 らによる発注の 際 に地場産物 を指 定 して意図的 に実施 38 され る場 合 と,指定 しないが納入 された品物の中に偶然含 ま れてい る場合 とがある。意図的購入 が地場産 自給率 向上に直結す るため,地場産物 として指定 されてい る品 目があるかについて評価 してい くことも重要で ある。
地場産 の品物が得 られない場合,新鮮 で安全性が 高 く,生産者の顔 のわかる食材 を入手す るために, 産地 を指定 して注文す ることがある。農業が盛んで ない地域や, 自給率が高い地域で もそ こで生産 され ていない食材 を使用す る場合, どこかわか らない と ころで生産 された食材や,遠方,あるいは外国産の 食材 ではな く,近隣地域の産物や優れた産物 を,荏 地指定す ることによって購入す ることができる。子 どもたちによ りよい食材 を用いた給食 を提供す るた めに,このよ うな産直指定品 目 39 の把握 をお こな う ことも望 まれ る。
4. エネルギー比 ・脂質等
緒言で述べた よ うに,子 どもたちの脂質の過剰摂 表 2 学校給食献立評価項 目
献立構成 主食 .汁物 .主菜 .副菜 を基本 とした献立構成 揚 げ物料理
和食献立 主食が米飯 主食 が味な しご飯
主菜 の主材料 が魚 .大豆 .豆製 ロ ロロ
主菜以外で畜肉食品使用の料理 牛乳 を出 さない 日
野菜の使用 用 野菜 .きの こ .海藻 .い もの使 旬 の野菜等の使用
旬 の果物の使用 地場産物 の使用 地場産物の使用
地場産物指定品 目 産直農産物指定品 目 エネル ギー .脂質等 脂肪エネル ギー比率
油脂 を使用 した料理の有無 マ ヨネーズの使用
口 工食品等 冷凍や レ トル ト等の二次加 工食 品の使用 有害性 の高い食 品添加物の含有
取の現状 に鑑み,学校給食 の脂質量 を低減す る必要 が認 め られ る。学校給食では脂肪エネル ギー比率 を その 目安 としていることか ら, この数値の点検 を行 うことで,適正化並び に低減 を図 ることをね らうも のである。
赤羽 40 も,脂肪エネル ギー比率な どの栄養比率 と いわれてい る指標 を求 めて栄養水準の適否 を評価す
ることも必要だ と述べ,芦川 ら 33 もチェ ックポイ ン トの具体的内容 として 「 栄養比率は適切か」をあげ ている。
ただ し,基準値 を超す献立がある 4 1 こと,言い換 えると日単位 の多少 を問題 とす るのではな く,月平 均値が高い場合 に月全体の献立のあ り方 を見直す こ
18‑
とが,学校給食 では適 当であると考 える。 ある程度 の期間を総合 して判断す ることが肝要で,1日 1日 を一定にお さめよ うとす る方が,む しろ,献立に無 理が生 じやすい。 ち ぐは ぐな料理 の組み合わせや季 節 にあわない料理 ・食材の採用な どを招 きがちであ る。 日に よって変動があ り,高低 にバ ラつ きが出る のは当然 だ とす る考 え方 も必要である。
次に,調理の際に油脂 を使用す る料理数 が増 える と,必然的に脂質摂取量が増 える。 油脂 の使用の多 い給食 を提供す ることは,子 どもが脂質 を多 く摂取 す るとい うことに加 え, その よ うな料理 を食べ慣れ, それ らに対す る噂好 を高めることにもなる。油脂 を 必要以上に使用 しないで調理 された食事 を とること で,脂質 に対す る子 どもの噂好 を低 下 させ ることも 大切である。学校給食 において油脂 を用い る料理の 少 ない献立を作 ることも一つの方向性 として重要で
あると考 えられ る。
特に,マ ヨネーズは,コクや なめ らか さ,風味な どの点か ら現代 の 日本人の噂好 によく合 った食 品で ある。 この大量摂取が若い年齢層 を中心に蔓延 し, 常軌 を逸 した摂取 となって 「 油に中毒 している」 と いわ ざるをえない と伏木 4 2 は述べてい る。マ ヨネー ズは, ドレッシングの中で も特 に脂質の含有量が多 く ,25 % 以上 43 に及 んでいる。マ ヨネーズを使用す れば,子 どもたちの好む料理 に仕上げることが容易 になるが,子 どもの脂質摂取量の問題 と噂好 ・食習 慣形成 の観点か ら,学校給食でのマ ヨネーズの使用 回数 はある程度抑 えるために,評価項 目としてあげ
ることが望ま しい と考 えられ る。
5. 加 工食 品
施設 ・設備や人員不足 とい う理 由か ら,学校給食 で も,加 工度の高い食 品が使われ ることが増 えてい る。二次加 工品 と呼ばれ る● 加 工度の高い食 品には脂 質含有量の多い食 品 もみ られ ることが,前報で明 ら かになった。二次加 工品は,脂質 に関す る問題 のほ か,手作 りした場合 よ り味が落 ちること,原材料 と して どの よ うな ものが使われてい るか分か りに くい こと,そのため質の良 くない原材料が使 われやすい こと,種 々の食品添加物が含 まれ がちであることな どが,問題点 としてあげ られ る。
給食調理場 に過度の負担が及ぶべ きではないが,
献立構成や料理 の内容,調理方法の工夫な どによっ
学校給食 における献立評価 の意義 と評価項 目の検討
て,許容 され る負担 の範囲で二次加 工品の使用 をあ る程度抑 えることも可能である。
そのため,冷凍や レ トル トな どの二次加 工品数 を あ らためて数 え,評価す ることが,それぞれ の調理 場 の事情 に則 した調理 内容 に改善す るための一手法
として求 め られ る。
また,調理場 の事情 か ら加 工品を使 用せ ざるを得 ない場合 も,脂質量や味付 けが濃す ぎないかな どの 視 点か ら,加 工品の品質 についての評価 を行 う必要 がある と考 える。
6. 添加物
加 工食 品に関 しては,学校給食 では食 品添加物の 入 ってい るものは避 けるよ うに留意 されてはい る。
しか し,ハ ムや ソーセー ジに使 われ る亜硝酸ナ トリ ウムや ,主食 である米飯 ・パ ンには ビタ ミン類 が強 化 され てい ることが多い。
カル シ ウム同様 , 日本人 の成人の栄養状況では, ビタ ミン B 群 の不足が指摘 され てい る。 これ に対 し て も牛乳 と同 じよ うな考 え方ができる。
現在,学校給食 では米飯 には, ビタ ミン強化米が 添加 され てい る ところも少 な くない。 その ことで, 強化 され るビタ ミンについては,副食 で補 うとい う 考 え方 は とられていない。つま り,子 どもたちは ビ タ ミン強化米 を食べ ることで,副食 で ビタ ミン B 群 を得 る献立 を学習で きない, とい うこ とである。 こ れがカル シ ウム同様 ,成人 になってか らの ビタ ミン B群不足 につ ながってい る,と考 えることもできる。
そ こで,米‑の ビタ ミン強化 については,原則 と して使用せず,で きる限 り副食 で補 うことを提案す る。 さらに, 白米ではな く,腔芽米 ,五分づ きな ど での対応 も可能であ り,他 県ではその よ うな学校 も 多 く見 られ る。
特に,主食‑の ビタ ミン強化 につ いては,主食 と なる食 品だけをみ る と,不足 しが ちな ビタ ミンもあ るが,食事全体 をみ る と,おかず の材料 となってい る食 品に含 まれてい る ビタ ミンと補 い合 って,特別 な不足 は見 られ な くな る。 強化 ビタ ミンは,合成 さ れた栄養 素であ り,食 品添加物 として摂取 しない こ とが望 ま しい。主食‑ の ビタ ミン強化 は,食事全体 として不足 を補 う必要が認 め られ る場合 に限 ること が必要であると考 え られ る。
Ⅳ. まとめ
以上 よ り,学校給食 の献立評価項 目を検討 した結 果, 5 つ の柱 について,主 として表 2 に示す小項 目 があげ られた。
これ らをもとに学校給食献立評価 を実施す ること によ り,脂肪エネル ギー比率の高い学校 の給食 の脂 質量が低減す る とともに,給食全体の質が向上す る ことが期待 され る。次報では,献立評価票 を作成 し, 実際に実施 されてい る学校給食 の評価 を試 み る。
Ⅴ. 要約
給食 にお ける献立評価 は,給食献立や食事内容の あ り様 が客観的 に把握 され るだけでな く,評価項 目 を念頭 においた意識 的な献 立作成 がな され,また評 価結果 のフィー ドバ ックに よって次の献立改善が図 られ ることにつ なが り,質 を高 めるために必要 な こ とである と言 える。
献 立 を多角 的 に総合評価 す るた めの項 目の柱 と して, 「 献 立構 成 」, 「 野 菜 の使 用 」, 「 地 場産 物 」,
「 エネル ギー ・脂質等」, 「 加 工食 品」の 5 つ を示 し た。 それ ぞれ について,具体的な内容 を検討 した結 果 , 「 和食献 立」, 「 主食 が米飯 」, 「 旬 の野菜等 の使 用」, 「 地場産物指定品 目」, 「 脂肪エネル ギー比率」
な どが,小項 目としてあげられた。
謝辞
本研究 にご協力いただいた中間市立中間南小学校 井上 由岐子先生,福 岡教育大学付附属久留米小学校 藤 田雪子先生,同附属小倉小学校平島喜和子先生に 深謝いた します。
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