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久   野   美 津 子

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(1)

第 二言語 と しての 日本 語格 助詞 の習得過 程解 明 をめ ざ して 一 Tブ ラジル人幼児の事例における予備的調査―

久     美 津 子

【 要   旨】

本稿の目的は、ブラジル人幼児 1名 の格助詞の出現時期 と回数を調査することによつて、

格助詞の習得過程を明 らかにするための予備的調査をすることである。縦断的調査か ら得 られた発話資料を分析 した結果、 (1)Fが 」「に」「で」「を」「と」「の」「へ」「か ら」の格 助詞において、正用が初出する以前に、格助詞を使用 しない段階が観察 された。 (2)格 助 詞の初出時期には違いが見られ、特 に 6〜 8ヶ 月 目に初出した「が」「に」「で」「を」「の」

「と」と13〜 17ヶ 月 日に初出した「まで」「から」「へ」とでは大きな差があった。(3)

「に」の初出時期は特に早い とは言いがたいが、その使用回数は初出直後から多かつた。

これは、ほぼ同時期に初出した「が」「で」「を」「の」「と」には見 られない特徴であつた。

(4)「 が」「に」「で」「を」「と」「の」「から」は、正用 として多 く使用 され始めるように なると、誤 りとしても使用 されるようになつた。

【 キァワー ド】

第二言語習得、格助詞、ブラジル人幼児、代用の誤 り、初出時期         '

1。 は じめに

日本語には様々な格助詞があ り、どのような種類、数の格助詞、及び格が文の構成にとつ て必要であるかは、用言によつて予め決まつている (小 川他 1982)。 そして、母語 (Ll)

あるいは第二言語 (L2)と して 日本語を学ぶ学習者にとつて、 この格助詞は非常に困難 な項 目であることも知 られている (野 田他  2001)。 これまでの格助詞に関する習得研究で は、 Llの 場合、縦断的調査が多 くなされ、その習得過程 において誤用 も観察 されている

(永 野  1959、 横山  1989a、 1989b、 1991、 Clancy 1986)。 また L2の 場合も、1990年 代以降、格助詞の習得研究が盛んに行われるようにな り、学習者に見 られる数多 くの誤用 も報告 されている (迫 田  1990、 2001、 石田  1991、 松田・斎藤  1992、 Yagi 1992、 自 畑  1993a、 久保田  1994、 井内  1995、 八木  1996、 今井  2001)。

久野 (2002、 2003)で は、ブラジル人幼児 2名 を縦断的に観察 し、発話資料を基に、場

所を表す格助詞「に」「で」の習得過程 について報告 した。そこでは、い くつかの特徴を見

出す ことができた。しかし、分析対象 とした格助詞が「に」「で」だけであったこと、さら

に、「に」については「存在場所」のみを対象 としていたことか ら、格助詞の全体的な使用

状況や習得過程の特徴を把握することができなかつた。そこで本稿では、久野 (2002、 2003)

では明らかにできなかつた、「に」「で」を合む様々な格助詞について、その使用状況を把

握 し、 L2と しての格助詞の習得過程の解明を目指すための予備的調査を行つた。

(2)

静 岡大学留学セ ンター紀要   第 3号

2.先 行研究概観

まず、 Llの 先行研究について簡単に触れる。 Ll幼 児の場合、助詞の種類や対象児に よつて時期に違いはあるものの、主な助詞は 3歳 頃までに初出することから、 3歳 頃まで に助詞が正 しく使えるようになると考えられていた (永 野  1959、 大久保  1967、 Miyahara

1974)。 しか し、横山 (1989a)は 、助詞の習得に関して、正用だけでな く誤用の実態も踏 まえるべきだと考え、幼児 1名 の 10ヶ 月から 3歳 3ヶ 月までの自発的発話資料を分析 した。

その結果、助詞の習得過程には、まず「全 く助詞が使えない段階」、次に「限られた発話の 中で助詞を正 しく使 うことのできる段階」、次に「正用だけでな く、しきりと誤用 も行 う段 階」 、最後に「全ての助詞が正 しく使える段階」があることを述べている。

次に、 L2の 先行研究について述べる。 L2と しての日本語の格助詞に関しては、 これ まで横断的あるいは縦断的調査によつて様々な研究がされてきた 6縦 断的調査の うち、発 話資料を分析 したものも幾つかある (石 田  1991、 松田・斎藤  1992、 自畑  1993a、 1993

b、 久保田  1994、 井内  1995、 西谷  1997、 奥野  2001、 松本  1998、 2000、 久野  2002、

2003)。 研究の対象者に関 しては、日本語教育機関等で学ぶ成人学習者を対象 としたものは 多いが、幼児や児童を対象 とした研究はあま り多 くはない (白 畑  1993a、 西谷  1997、 1998、

松本 1998、 2000、 久野  2002、 2003)。 白畑 (1993a)は 、韓国人幼児が連体修飾構造を習 得 してい く過程を 1lヶ 月間観察 し、本来「の」を必要 とする箇所で「の」を生成するよう

になつた被験者が、必要ではない箇所でも「の」を過剰に生成するようになつたことを述 べている。西谷 (1997、 1998)は 、中国人及びブラジル人児童 4名 を 4〜 1lヶ 月間観察 し、

格助詞を合む助詞の使用に関しては、月数が増すにつれて助詞の種類や数が増加 していき、

反対に、誤用が減つてい くとい う報告をしている。松本 (1998)は 、中国人児童の来 日後 約 1lヶ 月間の助詞の出現時期、頻度などを調査 した。その結果、格助詞に関しては、かな り誤用が多 く、第 1期 (2〜 27週)に は「に」と場所を表す「で」との混同、第 2期 (30〜

40週 )に は「最初の名詞 +に 」で主語を表す傾向、および「の」の過剰使用、第 3期 (42〜

49週 )に は「を」「が」と「で」「と」との混同が見られたことを述べている。さらに松本 (1998)は 、「へ」の出現が無 く、「を」「へ」の習得が遅かつたとも述べている。

久野 (2002、 2003)で は、ブラジル人幼児 2名 の発話資料を基に、「ある、いる」な どの

述語を伴い存在場所を表す「に」、動作場所を表す「で」について、その使用状況を報告 し た。そこで得 られた特徴の幾つかを (1)に 挙げる。

(1)a.観 察最初期には、助詞を使用 しない段階があつた。

b.正 用 「に」の初出時期は正用 「で」の初出時期 よりも早かつた。

c。 動作場所を「に」で代用 している誤 りが多 く、場所表現には「に」を使 うとい う学習方略を取つている可能性が伺えた。その理由として、「に」が存在場所以 外の場所表現、あるいは場所以外の用法 としても広 く使用 されていることが考

えられる。

d.「 で」「に」は、正用 として多 く使用 されるようになると、本来使用すべきでは ない箇所で代用 としても使用 されるようになつた。

以上の結果を踏まえ、本稿では「に」「で」を含む全ての格助詞について、以下 (2)に

挙げる問題点を明らかにしたい。

(3)

(2)à各 格助詞 の習得過程 の最初期 において、助詞 を使用 しない段階が見 られ るか。

b.各 格助詞 の正用 の初 出時期 に違いが見 られ るか。

c.「 存在場所」だけでな く多様な用法 を合めた「に」の初出時期は早いのか、また 使用 回数 は多いのか。

d.格 助詞は正用 として使用 され るよ うになる と、他 の助詞 を使用すべ き箇所で代 用 として も使用 され るよ うになるのか。

発話資料の分析にあたっては、発話の状況や文脈を考慮 し、正用か否かを慎重に判断 し なければならない。義務的生起文脈 (Obligatory Contexts,OC)に おいて、助詞が発話 されていない場合 (「 φ」

)、

その発話データを分析の対象か ら外 している先行研究もある (奥

野  2001、 松本  1998、 2000)。 しかし、「φ」を誤 りの一つであると捉えている研究も多 い (迫 田  1990、 石田  1991、 松田・斎藤  1992、 久保田  1994)。 また、「φ」を発達段 階の一部 として視野に入れているものもある (Slobin 1973、 横山  1989a、 自畑  1993b、

2001)。 縦断的研究によつて、ある格助詞が どのような経緯を辿つて習得 されてい くのかを 調査する場合、正用はもちろん、 「φ」を合めた誤 りも視野に入れ分析する必要があると思 われる。「φ」には、省略すると不 自然である場合 と、省略 しても不 自然ではない場合 とが ある (1)。 従つて、もし対象児が格助詞を省略 した場合、使用すべき格助詞を理解 した上で の省略なのか否かは定かではない。 しか し、省略すると不 自然である格助詞の場合に限つ てみても、 OCに おける「φ」の初出時期やその後の出現状況などに関して、 L2幼 児を習

得段階の最初期から長期間に渡つて観察 した研究は、筆者の知る限 り自畑 (1993a)を 除い てほとんど見当たらない。このことから、本稿では、会話において省略可能な格助詞も「φ」

に合め、その使用状況を調査することにする。

3.方   3.1  対象児

ポル トガル語を Llと する、ブラジル人女児 (Y)を 対象 とした。 Yは 1996年 9月 13日 にブラジルで生まれ、1997年 9月 6日 に来 日した。2000年 4月 2日 に静岡県掛川市内の保 育園に入園した。入園時の年齢は、 3歳 6ヶ 月であつた。 Yの 両親は日本語がほとんど話 せないため、親子間の会話はポル トガル語で行われていた。そのため、入園時には、 日本 語は全 く話せなかつた。

3.2  観察期間

対象児 Yが 保育園に入園した直後の 2000年 4月 20日 から、 Yが 両親 と共に帰国する直 前の 2001年 12月 25日 まで観察を行つた。その内、本稿では、入園直後から2001年 9月 までの最初の 18ヶ 月間に得 られた資料を分析対象 とした。これは、 Yが 3歳 6ヶ 月から5 歳 Oヶ 月までの期間である。

3口 3  観察方法

筆者が、原則 として 1週 間に 1度 保育園を訪問し、観察を行つた。1回 につき約 60分 間、

発話や状況等を記録 した。同時に発話は全てテープに録音 し、後に文字化 した。分析資料

(4)

静岡大学留学センター紀要   第 3号

は主 に対象児の 自主的発話である。観察者が意図的 に誘導的質問をす る場合 もあった。

3.4  調査項 目と分析方法

本稿で調査対象 とした格助詞 は「が」「を」「に」「へ」「と」「で」「か ら」「より」「まで」

「の」の 10種 類である。これ らの格助詞の基本的用法 は表 2の 通 りである

C/Jヽ

り │1他  1982、

益岡・ 田窪  1987)(2)。

表 1  格助詞の基本的用法

格助詞    基本的用法 用 例

「が」   (a)  動作 0変 化 。状態の主体 (b)  状態述語 の対象       ̀

「を」   (a)  動作 0作 用 の対象

(b)  移動の経路・ 動作 の場所

(c)期 (d)起

「に」   (a)  存在位置

(b)  所有者

(c)  動作 。事態 の時、順序

(d)  動作主

(e)  着点

(f)  変化結果

(g)  授受な どを行 う相手

(h)  対象

(i)  動作の 目的 (j)原 因

「へ」   方 向 0目 的地

「と」   (a)  共 同動作の相手 。一緒 に動作す る者

(b)  比較 の基準

(c)  変化結果

「で」   (a)  動作・ 出来事の行われ る場所

(b)  手段 。道具

(c)原 因

(d)材 料

(e)  範囲・ 限度

(f)様 (g)動 作主

「か ら」  (a)起

(b)  物な どを受 け取 る相手

(c)  原 因 。理 由・判断の根拠

先生が   来た。

私 は   寿司が   好 きだ。

手 を   洗 う。

廊下 を   歩 く。

時間を   過 ごす。

小学校 を   卒業す る。

あそ こに   車が   ある。

わた しには   車が   ある。

誕生 日に   プ レゼ ン トを   も らった。

先生 に   叱 られ る。

ここに   荷物 を   置 く。

秋 に   なる。

母 に   花 を   あげる。

学校 に   遅れ る。

買い物 に   行 く。

寒 さに   震 える。

学校今   行 く。

友達 と   遊ぶ。

私 の年齢 は   彼 と   同 じだ。

無駄 と   なる。

公園で   遊ぶ。

電車で   行 く。

風邪で   休む。

紙で   作 る。

1時 間で   終わ る。

片足で   歩 く。

私達で   や つてお く。

階段か ら   落 ちる。

図書館 か ら   本 を   借 りる。

別 の視点か ら   考 える。

(5)

格助詞    基本的用法 用 例

(d)  原料

(e)  動作や状態の始 まる時

「よ り」  (a)  比較 の基準

(b)  場所 。時間の起点

「まで」 動作・作用・事態等の及ぶ先、行きづ く先

「の」   (a)  所属先 の指定

(b)  性質の指定

(c)  数量指定

(d)  主体の指定

(e)  対象 の指定

(f)所 の指定

(g)  時の指定

小麦粉か ら   パ ンを   作 る。

明 日か ら   出張 だ。

昨 日よ り   寒レヽ

3時 よ り   始 める。

東京まで   行 く。

父の   帽子

木の  

3人   友達 先生の   笑い声 ひ らがなの   勉強 壁 の   絵 誕生 日の  

本稿では、 OCに おける格助詞の出現時期 と回数を調べた (3)。 対象児の意図するところが 曖味な発話は、調査の対象外 とした (4)。 分析対象 とした格助詞には、本来使用すべき格助 詞を使用せず、他の助詞で代用 しているもの、必要な箇所に格助詞を何 も使用 していない もの (「 φ」

)、

本来格助詞を必要 としない箇所で過剰に使用 しているものも含まれる。対象 児はこれ らの用法を誤 りではな く正 しい とい う認識のもとで使用 していた可能性 もある。

格助詞には省略可能な場合や、「へ」と「に」などのようにほとんど区別な く使用 される場 合 もある (益 岡・田窪  1987、 長谷り I1 1993、 野田他  2001)。 従つて、省略可能な格助詞 における「φ」や、「へ」の代わ りに「に」を使用 したものな どについては決 して誤 りとは 言えないが、本稿では便宜上 これ らも誤 りとして扱った。「φ」に関 して、 (3)の 発話例 のように「φ」が複数回繰 り返 されている場合、「φ」は 1回 とみなした。また、便宜上、

lヶ 月を 1つ の単位 として習得過程を提えることにした。表記に関して、 (*)が 付 してあ るものは当該項 目において格助詞の使用が不適格であることを表す (5)。

(3)*お みず (が )あ る   おみず。       (13ケ 月 日 )

4口 結果 と考察

観察結果は表 2の とお りである。表中の例えば「 *が を→が」 とは、 (4)の ように「が を」を使用 しているが、本来使用すべき格助詞は「が」であることを表す。また 「 *に → φ」

とは、 (5)の ように「に」を使用 しているが、本来格助詞を必要 としない誤 りを表す。

(4)〈 針刺 しの練習をしなが ら〉 *… こうやって   こうやつて   これがを (→ が )こ れ ができたら、は りが、んとね、かわいいつしょ。

(5)*マ   大きいに (→ φ )な つた らね…

(14ヶ 月 日 )

(15ヶ 月 日 )

調査対象 とした格助詞の うち、「よ り」は 1度 も観察 されなかつた。以下では、「よ り」

を除 く 9種 類の格助詞の観察結果 について、 (2a)〜 (2d)で 挙 げた問題点 に沿 つて見てい く。

(6)

静岡大学留学センター紀要   第 3号

表 2  格助詞 の使用 状 況

「 が 」

月数     1 2 3 6   7   8   9   10  11  12  13  14  15  16  17  18

*φ 1  16  13  42  60 104  67 102  46  97  88  47  90  67

正 用 22  27  24   8  55  18  24  34  69

*に )が 213251 1    1

*と →勁ミ

*で → が

*を →が

*は → が

*ん │が

*が を →卜

*が → φ

「 に 」

月 数 6   7   8   9   10  11  12  13  14  15  16  17  18

*φ 4  12  13   9   7  21  19  19  17  21  18  15  26  32

正 用 34  91  25  73  33  39  35  90  76  35  62 128

*て ■→に 22   2   2   1   3   1   3

*が →嗜こ 1    1

*の マ に

*を → に

*へ → に

*か ら→ に

*は → に

*に へ → に

*iに を → に

*│こ

│こ

―→に

*│こ ― )φ

「 で 」

月 数 10  11  12  13  14  15  16  17  18

*φ 9   4 1   9

*で で→ で

341153124

正 用 6  24   2  15  12  14  13  37

*に → で

*と → で

(7)

「を」

月 数 6   7   8   9   10  11  12  13  14  15  16  17  18

*φ 9  34  60  67  71  75 102  38 114 110  66  83 164

正 用 2  32   2   1   3   6

*に → を 2   3   2 2   2

*で → を 1   2

*が → を

*と → を

*は → を

*ん → を

「 σ )」

月 数 9   10  11  12  13  14  15  16  17  18

*φ 1   2 2227

正 用 9  13  12  39  26  69  42  34  72 169

*が → の

*ん → の

*の → φ

「と」

月 数 9   10  11  12  13  14  15  16  17  18

*φ 1    1

正 用 6  10 3   2 7  10  11

*に と→ と

*と → φ

「 ψ へ、 」

月 数 9   10  11  12  13  14  15  16  17  18

*φ 6   7   3   3   3   7   8   5  22  36

正 用 1    1

*に ―ンヽ 5  17

*に は→ ヘ

4  19

3   3

:F (-->a.

(8)

静 岡大学留学セ ンター紀要   3号

「から」

月 数 1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  11  12  13  14  15  16  17  18

正 用 66878

*に →か ら

*で →か ら

「まで」

月 数 1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  11  12  13  14  15  16  17  18

正 用 1   3   7

4口 1  『 Φ」の初出時期 と正用の初出時期

「まで」 に関 しては、「φ」は 1度 も観察 されなかつた。「まで」以外 の格助詞 に関 して は 「φ」が観察 され、いずれの場合 も「φ」の初 出時期の方が正用 の初 出時期 よ り早かつ た。この うち、「か ら」については「φ」の初出以前 に代用 の誤 りが初出 しているが、「が」

「に」「で」「を」「の」「と」「へ」においては、まず格助詞 を全 く使用 しない段階が観察 さ れ、続いて格助詞 を正 しく使用す る段階が観察 されたのである。各格助詞 の 「φ」の初出 時期 と正用 の初 出時期は表 3の 通 りである。表 中の数字は、入園後何 ヶ月 日であるかを示 す。「の」の場合、「φ」も正用 も初出時期 は同月ではあつたが、「φ」の方が一週間先行 し ていた。

表 3「 Φ」と正用の初出時期

「φ」の初出時期 を見ると、「が」が最 も早 く 2ヶ 月 日であ り、他 の格助詞は 5ヶ 月 日以 降に徐々に初出 していた。「φ」の初出後、正用が初出す るが、「が」「に」「で」「を」「の」

「と」の初出時期が 6〜 8ヶ 月 日であつたのに対 し、 「へ」 「か ら」 「まで」の初出時期は 13ヶ 月 日〜 17ヶ 月 日であつた。 (6)〜 (13)は 、正用が初 出す る以前 に 「φ」が観察 された 発話例である。

(6)〈 痛い箇所 を指 しなが ら〉 *こ こ (が )  いたい。         (2ヶ 月 日 )

(7)〈 探 していた靴 を見つ けて〉 *あ つた   ここ (に )。         (6ヶ 月 日 )

(8)〈 観察者 に対 して〉 *ま ってて   ここ (で

)、

まってて   ここ (で )。 (6ヶ 月 1日 )

(9)〈 靴 を脱がせ るよ う頼む〉 *や って   や つて   これ (を )や って。  (5ヶ 月 日 )

(10)〈 先生 に尋ねなが ら〉 *お かばん   どこ   ヤ ン くん (の )。      (7ヶ 月 日 )

(11)〈 ユキの絵 と同 じ絵 を描 くよ う頼む〉 *や って   ■キちゃん (と )レ ヽっしょ。

〈 観察者が絵 を描 くと〉 *ユ キちゃん (と )い っ しょちが う。    (6ヶ 月 日 )

(12)*コ マツせ んせい   こっち (へ )  いつた。       (6ヶ 月 日 )

格助詞 が    に    で           と        から    まで

「φ」初出時期 25657669‑

正用   初出時期 6      7      7      7      7      8      17     14     13

(9)

(13)〈 塗絵 を持 つてきた友達 に〉 *ど こ (か ら )も つてきた   それ ?  (9ヶ 月 日 )

「φ」の初出時期 と正用の初出時期 との差 は格助詞 によつて異なつていたが、特 に「へ」

については正用 の初出時期が遅 ぐ、その差 が大 きかうた。その理 由 として、 日常会話では

「へ」は省略 され る場合が多い こと、また 「へ」は人や物が動いてい く方 向を示すが、 目 的地 を示す「に」とほ とん ど区別 なく使用 され ることな どが考 えられ る (益 岡・田窪  1987、

長谷川  1993)。 (14)〜 (16)は 7ヶ 月 日の同 日に観察 された発話例である。

(14)〈 先生 に椅子 に座 るよ う頼 んでい る〉 *せ んせい   ここ (に )や って   ここ (に )

や って。せ んせい   せ んせい   ここへ (→ に )や つて   ここ (に )。 (7ヶ 月 日 )

(15)〈 観察者にボールを袋に入れるよう頼む〉 ここに   やって。 (7ヶ 月 日 )

(16)〈 手に付けた石鹸を壁 にこす り付けながら〉 *こ こにへ (→ に )。   (7ヶ 月 日 )

(14)〜 (16)の 「座る」「入れる」「こす り付ける」 とい う動作は、いずれ も多少移動 の動きが伴つている点で共通 している。これ らの発話が観察 された時点では、 Yは 「へ」 「に」

「φ」のどれを使用 したらいいか曖味な状態であったと思われる。 しかし、「に」 と「へ」

をほぼ同義 として捉えている様子が伺える。 8ヶ 月 日以降になると、 Yは 「へ」を「に」

で代用 させることが多 くなつた。 このことか ら、 Yが 目的地・方向を表す場合は 「に」を 使用すればよい と認識 した可能性、あるいは「へ」は省略できると認識 した可能性が推測

される。 このような理由から、「へ」の正用の初出時期が遅れた と考えられる。

「か ら」「まで」については、 Ll幼 児の場合も、初出時期が比較的遅かった り使用頻度 が低かったりするとい う報告がある a鯉 予  1959、 大久保  1967、 山田  1980、 江端  1995‑

1996)。 これ らの格助詞の初出時期が遅れる要因には、その意味用法 も関わつていると考え られる。「から」の場合、「で」で表せる用法 (「 小麦粉か らできている」

)、

「が」で表せる 用法 (「 私か ら主任に言います」 )な どもある (小 り │1他  1982、 仁田  1993)。 また、「まで」

の場合、その多 くは「に」「へ」で言い換えが可能である (仁 田  1993)。 このことか ら、

Yは 「から」「まで」を使用すべき状況でも「に」「へ」「で」等によつてそれ らを表現 して いた可能性 も考えられる。(17)は Yが 「か ら」を使用すべき箇所で誤つて「に」を代用 し ている発話例である。

(17)〈 落ちていた帽子を拾い観察者の所へ持つてきた時〉 *ぼ くの、あそこに (→ か ら )

もつてきた、あそこに (→ から )も つてきた、 これ。       (8ヶ 月 日 )

Yが 幼児である点、また意味用法の複雑 さな どを考えると、 Yに とつて 「から」「まで」

は、認知的あるいは概念的に捉えにくい格助詞であつたことが予想 される。

4.2  『に」の初出時期 と使用回数

「に」の正用の初出時期は 7ヶ 月 日であつた。これは、13〜 17ヶ 月 日に初出した「へ」

「か ら」「まで」とは 6ヶ 月間以上の差があるものの、 6〜 8ヶ 月 日に初出 │し た「で」「を」

「の」「と」 とはそれほど差があるとは言えない。このことから、「に」の初出時期だけが

特 に早かつた とは言いがたい。一方、「に」の正用の使用回数を見てみると、7ヶ 月 日の初

出以来、他の格助詞に比べ非常に多 く、 しかも毎月継続的に使用 されていた。他の格助詞

の うち「が」「の」についても、正用の回数は比較的多かつた。 しかし、「に」は初出した

月を合め、その後ほぼ毎月 30回 以上使用 されていたのに対 し、「が」「の」は初出以降数 ヶ

(10)

静岡大学留学センター紀要   第 3号

月間、それほど多 くは使用 されていなかつた。「が」の場合、正用は 6ヶ 月 日に 1回 、8ヶ 月 日に 5回 であ り、 7、 9ヶ 月 目には模倣発話が 1回 あっただけで、自発的発話は観察 さ れなかつた。その後 10ヶ 月 日以降になつて 20回 以上使用 される月が多 くなつた。「の」の 正用の場合は、 7ヶ 月 日に 1回 使用 され、その後徐々に増加 してはいるが、 1lヶ 月 日まで はそれほど多 くな く、12ヶ 月 日以降になつてほぼ毎月 30回 以上使用 されるようになつた。

これ らのことか ら、様々な格助詞の正用が出現 し始めた 6ヶ 月 日以降数ヶ月間にわたつて、

最も多 く使用 された格助詞は 「に」であると言えるだろ う。

4.3  誤 りの使用状況 4. 3日  1  「Φ」の誤 り

9種 類の格助詞の うち、 「まで」を除 く 8種 類において誤 りが観察 された。誤 りの うち「φ」

に関 しては、「が」「に」「を」「へ」において、期間を通 じて多 く使用 される傾向にあった。

これ らの格助詞は会話では省略されることもあるため、 Yは 省略 とい う方法でこれ らの OC

を表現することが多かったとも考えられる。 これに対 し、「で」「の」「と」「か ら」におい ては、「φ」の使用回数は観察期間を通 じてそれほど多 くなかつた。この うち「と」「から」

については、観察期間の途中で 「φ」が観察 されな くなったが、「で」「の」については、

観察期間を通 じて断続的に「φ」が観察 され続けた。これは、 Yが 「と」「から」の OCで

は何 らかの助詞が必要であることを比較的早期に認識できるようになつたが、「で」「の」

の OCで はまだそれを完全に認識するには至 らなかつたためだ と推測される。

4.3.2  代用の誤 りの使用時期

代用の誤 りが観察 された時期については、 2つ の特徴が見 られた。まず 1つ 目の特徴は、

ほとんどの格助詞において、正用の初出以降に代用が初出していた点である。 2つ 目の特 徴は、期間を通 じて「φ」が観察 されている間は代用 も観察 されたが、「φ」が観察 されな くなると、代用もほとんど観察 されな くなつた とい う点である。「と」「から」「まで」の場 合、期間中の発話回数も少ないため詳述はできないが、「φ」が観察 されていない時期には 代用 もほとんど観察 されなかった。これに対 し、「が」「に」「で」「を」「の」「へ」の場合、

期間を通 じて「φ」が継続的あるいは断続的に観察 されていた。そして、「φ」力` 観察 され ている限 り、代用などの誤 りも消滅することはなかった。 これ ら 2つ の特徴から、 Yは あ る OCを まず 「φ」によつて表現 し、そこに徐々に適格な格助詞を当てはめてい くように はなつたが、 「φ」を使用 し続けている間は使用すべき格助詞が何なのか未だ曖昧な状態で あつたため、代用によつても OCを 表現 していたのではないか と考えられる。

4.3.3  代用の種類 と特徴

代用 として使用 された助詞は、「が」「に」「で」「を」「の」「と」「へ」「から」「は」「ん」、

あるいはこれ らを重複 させたものであった。 この うち、格助詞に関 しては、 これ らが代用

として誤つて使用 される以前あるいは同時期に、既に正用 としても使用 されていたものが

ほとんどであった。表 4は 、各格助詞の正用の回数、および、その格助詞が誤 りとしても

使用 されている回数を月別に記 したものである (6)。

(11)

表 4  格助詞の正用回数 と誤 りの使用回数

「 に 」

ナ ]委 拠          1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  11  12  13  14  15  16  17  18 正用回数 34  91  25  73  33  39  35  90  76  35  62 128

*│こ → が 41213251 11

*に → で 3   6   1   7   3   4   1  15   3   1   2   4

*│こ ― ),を 3       2       2   3   2       2   2

*│こ → ヘ 2   2   3        1   4  19   4   3   5  17

*に は→ ヘ

*に →から 2       2

*に と→ と

*に に →

│こ

1    1

*│こ ―うφ 2      2      1

「 で 」

月 数      1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18

正用 回数 10   3   1   3   6  24   2  15  12  14  13  37

*で → が

*て ■→に 5       1       22   2   2   1   3   1   3

*で → を 1   2       5   1   2

*で → へ 1133

*で →か ら

*で で→ で

「 と」

月 数          1   2   3   4   5   6   7   8   9  10  11  12  13  14  15  16  17  18 正用 回数 6  10   5   3   2   1   3   1   7  10  11

*と →が 1   2   1

*と →で

*と → を

*と → φ

「力`」

ナ ]委 女          1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  11  12  13  14  15  16  17  18 正用 回数 1        5       22  27  24   8  55  18  24  34  69

*が → に 3         1 1    1

*が ―

>′

を 3   4   3       1      1   3

*が → の        1

*が → φ       2

(12)

静 岡大学留学セ ンター紀要   第 3号

「の 」

月 数 1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  11  12  13  14  15  16  17  18 正用 回数 1   3   9  13  12  39  26  69  42  34  72 169

*の → に

*の → φ 1   3   9 1   2

「を」

月 数 1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  11  12  13  14  15  16  17  18

正用 回数 2  32   2   1   3   6

*を →が

*が を →"が

*を → に

*に ,→

│こ

「から」

月 数 1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  11  12  13  14  15  16  17  18

正用 回数 66878

*か ら→ に

「 ψ ヽ 、」

月 数 1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  11  12  13  14  15  16  17  18 正用 回数

*^ヽ →に

*に ヘ ー → に

まず、「に」「で」「と」については、正用が初出した月に代用 としても使用 され始めた。

そして、この時期は 「に」「で」「と」の正用回数 も多 く、正用が毎月添 区続的に使用 され始 めた時期でもあつた。次に、「が」「の」「を」「から」については、正用が初出した直後で はな く、その数 ヶ月後から代用 としても使用 され始めた。それは、正用が毎月継続的に使 用 され始めたか、あるいは使用回数が多 くなつた時期でもあつた。 このことから、格助詞 は本来使用 されるべき OCで 正用 として多用 されるようになると、本来使用 されるべきで はない OCに おいても代用な どの誤 りとして使用 されるようになると考えられる。「まで」

が代用 として 1度 も使用 されなかつたのは、 「まで」が正用 として十分使用 されていなかつ たためだと考えられる。(18)ん (19)は 、代用 による発話例である。(18)は 「を」を「に」

で代用 した発話例、 (19)は 「に」を「が」で代用 した発話例である。

(18)〈 紙袋の中の菓子を見せながら〉 *こ れに (→ を )み せてあげる ? (8ケ 月 日 ) (19)〈 鞄を置 く場所を探 しなが ら〉 ここに   お く。   ここじゃな くつて、おかばんと、

ここ。 *こ こが (→ に )お いといてくる、   よいしょ。 (10ヶ 月 日 )

代用 として使用 された格助詞の うち、観察期間を通 じて最 も使用回数が多かつたのは「に」

(13)

であつた。これは、「に」が正用 として、 7ヶ 月 日の初出直後か ら非常 に多 く使用 された格 助詞であつたためだ と考 えれ られ る。また、「に」は 「が」

'「

で」「を」「へ」「か ら」「と」

の格助詞の代用 として広範 囲に用 い られていた。 これは 「に」の意味用法が多岐 に渡 つて いることと関連があるか もしれないが、詳細な分析 については、今後の課題 としたい。

5.   おわ りに

本稿の解決すべ き課題 として取 り上 げた (2a)〜 (2d)に ついて、結果 と考察か ら得 ら れた結論 は (20a)〜 (20d)の 通 りである。 ここでは、観察 されなかつた 「よ り」を除 く

「が」「に」「で」「を」「と」「の」「へ」「か ら」「まで」の 9種 類の格助詞 について述べ る。

(20)a.「 が」「に」「で」「を」「と」「の」「へ」「か ら」の習得過程 の最初期 において、

正用 が使用 され始 める以前 に、まず 「φ」 によつて OCが 表現 され る段階が 観察 された。ただ し、「か ら Lに おいては、「φ」 に先行 して代用 による表現

も観察 された。

b.格 助詞の正用 の初 出時期 には違いが見 られた。特 に、 6〜 8ヶ 月 日に出現 し た「が」「に」「で」「を」「の」「と」と、 13〜 17ヶ 月 日に出現 した「まで」「か

ら」「、」 とでは、 5ヶ 月間以上の差があった。

c.正 用 「に」の初 出時期 は 7ヶ 月 日であ り、特 に早い とは言いがたい。しか し、

その使用 回数 は初 出直後か ら多 く、 しか も初 出以降毎月継続的 に使用 されて いた。 これは、「に」 とほぼ同時期 に初出 した 「が」「で」「を」「の」「と」に は見 られない特徴であつた。

d.「 が」「に」「で」「を」「と」「の」「か ら」につい て は tこ れ らが正用 として多 用 され るか、 あるいは毎月継続的 に使用 され始 めるよ うになる と、本来使用 すべ きではない箇所で も、代用等の誤 り として使用 され るよ うになつた。 こ の うち、「に」は最 も多 く代用 された格助詞であつた。ある格助詞の Ocを 表 現す る場合、正用 と「φ」 とが混在 してい る時期 には、本来使用すべ き格助 詞がまだ曖味であるため、既知である格助詞 によつて代用 の誤 りが生 じやす い と考 え られ る。

以上が本稿で明 らか となつし た点であ り、 ブラジル人幼児が L2と しての 日本語 の格助詞

を習得 していった過程 の特徴である。本稿で得 られ た結果 は、 L2幼 児 ■名 による事例 に

よるものではあるが、 L2学 習者の格助詞 の習得過程 を解 明す る上で、何 らかの示唆 を与

えるものである と思われ る。 しか し、本稿では、残 された課題 もい くつかある。それ らは

対象児の Llか らの影響 を考慮 しなかった点、格助詞 を意味用 法別の観点か ら分析 しなかつ

た点、省略が許 され る格助詞 と許 されない格助詞 とを同時 に扱 つた点な どである。省略 に

関 しては t日 本人母語話者が会話場面 において どの格助詞 を どの程度省略 しているのか に

ついて も調査す る必要があると思われる。今後、発話資料 をより詳 しく分析 し、事例研究

を重ね ることによつて、格助詞 の習得過程 の さらなる解 明を目指 したい。

(14)

静岡大学留学センター紀要   第3号

(1)省 略 され る こ との あ る助 詞 とは 「が」「を」「に」「へ 」「は」 で あ る (益 岡・田窪  1987、

長谷川 1993、 野 田他 2001)。

12)発 話 資料 の分析 にあた り、岩 立 (1979)、 野 田 (1985)、 寺村 (1982、 1991)、 丹 羽 (1990)、

庵他 (2000)、 原 沢 (2002)な ども参考 に した。

13)複 数の用法を持つ格助詞であつても、それ らを区別せず 1つ の格助詞 として扱つた。

14)あ る学習項 目の習得過程において、ある段階で不可解な発話あるいは誤用が見 られると い う報告 もある (Hawkins 2001)。 このことか ら、発話者の意図が明確でな く分析困難 な発話の扱いについても、今後検討が必要な課題であると思われる。

15)表 記 に関して、発話例中の く   〉内は発話時の状況、 ( )内 は筆者が語句等を補つたも のである。また、例えば (→ で )は 、本来使用すべき助詞が 「で」であることを意味す る。発話例後の ( )内 には発話時期を記 した。

16)表 中の記号等の読み方は表 2の もの と同様である。

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(16)

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第 2号 pp.15‑25

The Process of Acquiring Case Markers as a Second Language

-'A preliminary Investigation of a YoungBrazilian Child's Case'-

HISANO, Mitsuko

The purpose of this paper is to investigate the process by which the Brazilian child acqulred Japanese grammatical case markers. The results of long term observation of the subject are as follows. (l)Before producing the correct forms of each case marker, a no case marking stage (i.e. zero case marking stage) was found. (2)As for the first production of case markers, the subject produced them at different times during the observation perio d. Ga, ni, de, o, no and to appeared at 6 - 8th months, whil e rnade, kara and e appeared during 13 - 17th month period. (3)Although the first appearance of the correct form of. niwas not so early, it came to be frequently used from that time on, compare this to ga, de, o, no and /o which appeared mostly at the same period of time. (4)When the child began to use the correct form of the case markers ga, ni, de,

o and /o frequently in the obligatory contorts, she also began to use them inadequately

in non - obligatory contexts.

表 4  格助詞の正用回数 と誤 りの使用回数 「 に 」 ナ ]委 拠          1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  11  12  13  14  15  16  17  18 正用回数 34  91  25  73  33  39  35  90  76  35  62 128 *│こ → が 41213251 11 *に → で 3   6   1   7   3   4   1  15   3   1   2   4 *│こ ― ),を 3   

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