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廃棄物系バイオマスの熱物性の同定 環境資源学専攻

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2017 年 2 月 7 日

廃棄物系バイオマスの熱物性の同定

環境資源学専攻 生物生産工学講座 循環農業システム工学 田中 美礼

1. はじめに

全国で発生するバイオマスのうち,活用促進が期待されるバイオマスの発生量は約 2.5 億トンに ものぼり、そのうち約 90%が廃棄物系バイオマスである。これらの廃棄物系バイオマスを再利用す ることで環境影響の少ないバイオマスエネルギーを安定的に得ることが出来ると考えた。廃棄物系 バイオマスの利用方法のひとつに炭化という手法がある。バイオマスは炭化することで土壌改良剤 として,更には燃料としても使用可能であり,また貯蔵や運搬性にもすぐれるため,有効な廃棄物 系バイオマスの利用方法である。しかし,廃棄物系バイオマスは比較的高水分のものが多く,通常 600℃以上で行われる炭化の際に乾燥と燃焼の過程で外部から多量のエネルギーを用いているため 処理に高いコストが必要となり,普及を妨げている。そこで,本研究では,廃棄物系バイオマスを 発酵熱により昇温させる手法を考えた。本研究の手法は微生物等の自己発熱現象を利用して昇温を 行い,発火に至る前に反応を抑制し,炭化を行うというものである。これまでに RDF 等での発火は 見られているが,その詳細な昇温メカニズムは不明であり,炭化や発火に至る十分な昇温がおきる 条件は解明されていない。今後シミュレーションによって昇温予測を行っていくためには試料の熱 物性の値が不可欠であるが,各種廃棄物系バイオマスの熱物性の研究は十分ではなく,特に同定の 難しい熱伝達係数においてはほぼ皆無と言って良い。そこで,本研究では廃棄物系バイオマスの熱 物性として熱拡散係数,熱伝導率,比熱,熱伝達係数を同定することを目的とした。

2. 方法

供試材料はいずれも木質チップを用いた。熱拡散係数は周期加熱法を用いて測定した。20cm×

25cm×25cm の上部以外の面を断熱した容器を用い,周期 5 時間,外気温の変動幅を 38℃とし,中 心部の上下方向の位相差から計算を行った。熱伝導率,比熱,熱伝達係数は文献と実験の計測値か ら最適解を割り出す逆解析により推定した。値の妥当性は、推定値を用いて再度実測値との適合性 を検討,更には既往文献を元に考察を行った。実測値は前述の容器を用い,試料中心部の温度を上 方から 5cm 間隔で測定したものを用いた。

3. 結果と考察

周期加熱法により求めた熱拡散係数は,有機資材における文献から算出した推定値を大きく逸脱 する値ではなかったため,妥当な値を得たと言える。反復実験の結果,算出した熱拡散係数の値に 多少のばらつきが出たが,原因は試料温度が徐々に低温域に変遷していくことによる振幅のずれで あると考えた。熱伝導率,比熱は既往文献と,測定した熱拡散係数から求めた結果,各値とも大き く文献値を逸脱する値ではなかった。熱伝達係数に関しても一般的な木質材料の数値と比較し,妥 当な値を得た。

4. まとめ

自己発熱による炭化のプロセスを解明するため,廃棄物系バイオマスである木質チップの熱物 性を測定した。その結果,熱拡散係数,熱伝導率,比熱,熱伝達係数共に既往の研究から導かれた 値から考察して妥当な値であるという結果が得られた。

参照

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