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エージェント指向ペトリネットの解析について

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Academic year: 2021

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Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title エージェント指向ペトリネットの解析について

Author(s) 岡橋, 孝治

Citation

Issue Date 2003‑03

Type Thesis or Dissertation Text version author

URL http://hdl.handle.net/10119/1669 Rights

Description Supervisor:平石 邦彦, 情報科学研究科, 修士

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エージェント指向ペトリネットの解析について

岡橋 孝治

北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科

キーワード 拡張ペトリネット エージェント指向, モデルの縮約 システムの解析 ペ トリネットへの変換

マルチエージェントシステムとは,複数のエージェントが自律的かつ協調的な行動に よって分散的に問題を解決するシステムである.このシステムの利点としては,自律的な エージェントが分散的に問題を解決できるので,機能が単純なエージェントでも協調する ことによって複雑な問題に対応でき,また外乱や問題の変化に対しても柔軟に対応できる ことなどがある.このシステムは,ロボット,自動搬送車,加工・組立て機械などをエー ジェントとしたフレキシブル生産システムや,プロトコルを介してデータを交換する通信 システムなど,多くの分野での応用が期待できる.

このシステムを,ペトリネットを用いてモデル化することを試みると,カラーペトリ ネットのような高水準ペトリネットを用いれば,マルチエージェントシステムの動作を表 現することは可能である.しかし,カラーペトリネットではデータ構造を持つトークンは 扱えるが,データ構造とそれを操作するための方法をカプセル化したオブジェクトの概念 は取り入れられていない.よって,このモデルでは各エージェントを独立したものとして 記述することが難しく,あるエージェントの記述を変更しようとすると,それと同時に環 境も変化するので他のエージェントの記述にも影響を与えてしまい,システムの変更を容 易に行うことができない.

このようなシステムのモデル化への問題点を解決するために,オブジェクト指向ペトリ ネットやエージェント指向ペトリネットというモデルが提案されている.これらはトーク ンを単なるデータとしてではなく,データ構造とそれを操作するための方法をカプセル化 したオブジェクトとして考えている.このトークンをエージェントに対応させることによ り,環境と各エージェントの動作を独立して記述できるので,エージェントの記述の変更 が環境や他のエージェントに影響を与えるという問題を解消できる.また,エージェント 指向ペトリネットでは,実際にエージェントシステムで行われているエージェントの動的 な通信リンクの変更や,エージェントの複製や消滅も容易に表現できる.以上のことか ら,エージェント指向ペトリネットは,ペトリネットによるマルチエージェントシステム のモデル化に適していると言える.

­

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このエージェント指向ペトリネットには初等的なモデルとして¾

と呼ばれるモデルがある.このモデルは,エージェントの動作をモデル化し た下位階層のエージェントネットと,エージェントの動作可能な環境をモデル化した上位 階層に当たる環境ネットの2階層のペトリネットで構成されている.¾では,環境ネッ トのトークン自体がペトリネットで記述されており,そのトークンがエージェントネット に相当している.¾のトランジションの発火は,環境ネットとエージェントネットに 共通するトランジションが同期をとって行われる.

この¾のようなエージェント指向ペトリネットの既存研究の多くは,マルチエージェ ントシステムをいかにモデル化するかという対象の記述に関するものであり,モデルの解 析の面についてはほとんど研究が行われていなかった.よって,本研究では¾の効率 的な解析手法について述べる

1つめとして,環境ネットは変えずに,与えられているエージェントネットの動作に対 して,その動作の記述を縮約しても,与えられている動作と同じ動作を行えるようなエー ジェントネットの縮約構成法について述べる.¾の解析手法の1つとして,接続行列 を用いた状態方程式による到達可能性の判定などが提案されている.エージェントネット を縮約できればエージェントネットの状態数×遷移の数で決定される接続行列のサイズも 小さくできることから,このような解析をより効率的に行うことができると考えられる.

なお,本研究では有限オートマトンで表現できるようなエージェントネットについての縮 約である.

次に,有限オートマトンで表現できるようなエージェントネットに対しては本研究で述 べる縮約法によりまず縮約し,そのようなエージェントネットで構成される¾に対し て,¾の動作を保存するような1階層のペトリネットへの変換を行う.解析の面 については,¾よりも の方が研究が進められており, では到達可能性やシス テムのインバリアント不変量などを解析するための手法が既に存在している.よって,

¾を本研究で述べる変換法によって に変換し,そのに対して既存の解析手法 を用いて解析することにより,変換前の¾の解析を行う.

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