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神経細胞の情報伝達機構に基づくシナプス可塑性モデル

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Academic year: 2021

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Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title 神経細胞の情報伝達機構に基づくシナプス可塑性モデ

Author(s) 鳥居, 鉱太郎

Citation

Issue Date 1997‑09

Type Thesis or Dissertation Text version author

URL http://hdl.handle.net/10119/850 Rights

Description Supervisor:國藤 進, 情報科学研究科, 博士

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神経細胞の情報伝達機構に基づくシナプス可塑性モデル

鳥居 鉱太郎

北陸先端科学技術大学院大学

1997710

論文の内容の要旨

神経細胞が持つ可塑的性質は学習・記憶の初期過程の候補として考えられており、ここに現在 の情報処理理論に存在しない、新たな情報処理機構のヒントが隠されている可能性が高い。この 性質を参考にするためには、まず情報がいかに表現され、またその情報がどのように伝達されて 保持されるのかといった基本的機能を、その基本素子である神経細胞でとらえる必要がある。そ こでこうした機構の鍵をにぎると思われるシナプスの可塑性に注目し、素量解析法の改良ならび に実験データの解析を行った。さらにこの結果から神経情報の伝達機構を検討し、生理学実験に より時間パターンによる可塑的性質を明らかにした。

神経情報の伝達機構解明には、シナプスにおける神経伝達物質の放出機構を明らかにする必要 がある。このためには得られた実験データの正確な解析が重要となる。この解析手法として素量 解析法が知られるが、シナプスから得られる微小信号はノイズの影響を受けやすく、その精度には 限界があった。そこで素量解析法のうちノイズによる影響を減少させる手法として進んでいると 考えられるMEND(MaximumEntropyNoise Deconvolution)法の改良を試みた。この改良版は、

実験データを離散データとして扱う際に、より精度の高い数値積分方式を用いてもとの情報をな るべく忠実に利用する方法をとり入れたものである。本改良版ではシミュレーション実験を行い、

従来の手法よりも良好な解析結果が得られるものであることを示す。さらに海馬の単一シナプス から得られた実験データに適用し、シナプスにおける神経伝達物質の素量放出量に大きな変動が あることを明らかにする。

つぎに、素量解析の結果からシナプスにおける素量放出サイトでの状態遷移を検討し、刺激の タイミングがシナプス可塑性に重要であることを示す。情報の表現手段として従来から刺激の平 均頻度が考えられてきたが、時間間隔の異なるパルス列が平均頻度と同じく重要な要素となりう る可能性を検討した。刺激に用いるパルス列は長・短2種類の刺激間隔を設定し、これを平均頻 度は同じまま自己相関系列の異なるパターンとした。この時間パターン刺激はラット小脳プルキ ンエ細胞に投射する平行線維群に対して行い、パッチクランプ法を用いて異なるパターン刺激が 異なる応答変化を引き起こすことを明らかにする。この結果は平均頻度は一定のままでも、刺激 パターンの違いにより情報を表現できることを示すものである。さらに、時間パターン刺激によ る抑制側から増強側までの応答変化を検討することにより、神経可塑性モデルの構築に大きなヒ ントを与えることを示す。

キーワード: 素量解析, ノイズディコンボリューション, シナプス可塑性, 時間コーディング, 海馬, 小脳, パッチクランプ

参照

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