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東海地方における災害廃棄物の広域連携方策に関する研究

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Academic year: 2021

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東 海 地 方 に お け る 災 害 廃 棄 物 の 広 域 連 携 方 策 に 関 す る 研 究 鳥居雅隆 1.はじめに 日本は、北米プレート、ユーラシアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートの4つのプレート上 に位置しており、世界的にも地震が多発する地域である。とくに、東海 a東南海@南海地震、首都直下地震など が危慎される中、今回の東日本大震災が発生し、広域災害に対処する体制の重要性が高まっているO 阪神・淡路大震災では、膨大な量の震災廃棄物が発生し、被災地域内の処理施設では処理が困難な状況となり、 全国各地からの派遣された応援・支援部隊が活躍した。この教訓在踏まえ、平成10年10月に旧厚生省から「震 災廃棄物対策指針」が示され1)、市町村震災廃棄物処理計画の策定等、体制の整備が進められている。ここで、 図lに我が国の災害対応に関する法律体系のフローを示す。また、災害廃棄物処理マニュアルとして、大都市圏 震災廃棄物処理計画作成の手引き(平成12年3月、旧厚生省)災害廃棄物処理に係る広域体制整備の手引き(平 成22年3月、環境省)が策定されている。 図1.我が国の地震防災に関する法律体系 前で述べたように、東海地方で大規模地震が発生した場合、被災地域内で震災廃棄物を処理することは、困難 者E極めると予想される。このため、全国的な連携のもと、相互協力体制による広域的な処理体制の構築を検討す る必要がある。 これらを踏まえ、本研究では、廃棄物処理フローを鑑みた災害廃棄物処理方策、復旧・復興過程そ見据えた対 応方策を踏まえて、東海地方における災害廃棄物処理に対する広域連携方策について検討する。具体的には、中 部圏・近畿圏の内陸地震に関する報告(中央防災会議)、一般廃棄物処理実態調査結果(環境省)、産業廃棄物排 出・処理状況調査報告書(環境省入全国貨物純流動調査(国土交通省)などの実績データを活用し、大規模震 災における災害廃棄物の連携モデ、ルそ用いた数値シミュレーションにより、行政の災害対応体制・災害対応力を 考慮した中部圏の内陸型地震(猿投ー高浜断層帯)における災害廃棄物の広域連携方策そ検討する。 22

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2.中部圏の内陸型地震における広域連携方策 2-1災害廃棄物の広域連携シミュレーションモデル 本研究では、都道府県聞の広域連携に着目し、都道府県におけるにおける広域連携方策について、災害廃棄物 の広域連携モデ、ルそ用いた数値シミュレーションにより検討する。ここで、図2に示すように、災害廃棄物の広 域連携モデ、ルとして、平山、河田ら2)の広域連携モデ、ルを用いた数値シミュレーションを用いる。ここに、災害 廃棄物発生量WD(t)、被災都道府県 Aの処理能力αAWO,A Ctl年)、応援都道府県 Bの処理能力αBWO,B Ctl年)、 被災地Aから応援b都道府県Bへの災害廃棄物運搬量WT(A,B)である。また、各データは、中部圏・近畿圏の内 陸地震に関する報告、平成20年度一椴廃棄物処理実態調査結果、平成 18年度産業廃棄物排出 a処理状況調査 報告書、平成 17年度全国貨物純流動調査を用いた3-6)。

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図2 災害廃棄物連携モデル 2-2広域連携シナリオの設定 ここでは、中部圏の内陸型地震の猿投一高浜断層帯地震 CM7.6) を対象地震とする。また、想定されてい る被害ケースで最も被害が最大と推定される、冬、 1 2時 風 速 15m/s全壊・全焼建物数 30万棟、死者数 l万 1000人、瓦楳発生量 3600万 tを対象とする。 本研究では、広域連携方策として、被災県個別対応ケースと東海地方での連携対応ケースの2つの連携方法に ついて検討する。 被災個別対応ケースでは、愛知県、岐阜県、三重県の東海3県が個別に災害廃棄物を処理するとする。ここで、 処理能力は、平時の一般廃棄物処理量と産業廃棄物処 理量までは可能とした。 東海地方での連携対応ケースでは、愛知県、岐阜県、 三重県に加えて静岡県が連携して災害廃棄物を処理す るとする。ここで、災害廃棄物の処理能力は平時の一 般廃棄物処理量と産業廃棄物処理量までは可能とし、 その運報量は平時の貨物純流動量までは可能とした。 2-3シナリオ分析結果 2-子1被災個別対応ケース 被災個別対応ケースでは、図3に示すように、最も 災害廃棄物の発生するとされる愛知県において処理に 必要な期間は約9目9年となる。また、災害廃棄物を処 門 用 図3.被災個別対応ケース分析結果 23

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理するのに、岐阜県で約11ヵ月、三重県で 約2ヵ月の期間を要する結果となった。 2-3-2東海地方での連携対応ケース 東海地方での連携対応ケースでは、図4に 示すように、最も災害廃棄物の発生する愛知 県における災害廃棄物を周辺の3県に運搬 して処理するものとした場合、愛知県では 29.9万tl月、岐阜県では2.2万tl月、三重 県では10.7万tl月、静岡県 13.2万tI月の 災害廃棄物処理が可能であり、それら全量を 処理するのに必要な期間は約

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.4年である。 3.まとめ 図4.東海地方での連携対応ケース分析結果 本分析では、災害廃棄物の連携モデルを用いた数値シミュレーションにより、行政の災害対応体制・災害対応 力を考慮した中部圏の内陸型地震(猿投高浜断層帯)における災害廃棄物の広域連携方策を検討した。 その結果、被災個別対応ケースでは、すべての災害廃棄物を処理するのに最長で約9.9年かかる結果となった。 また、東海地方での連携対応ケースでは、すべての災害廃棄物を処理するのに約5.4年かかる結果となった。 このことから、可能な限り災害廃棄物を迅速に処理するためには、都道府県を越えた広域的な連携方策に基づ く処理体制の構築が重要であることを示すことができた。 今後は、焼却能力や運搬能力などの不確実性を考慮するとともに、全国的な連携による方策の検討していくこ とが重要である。 参考文献 1) 環境省(1998):震災廃棄物対策指針, URL< http://www.env.goj.p/recycle/waste/disasterl earthquakel gl main.pdf>, (参照2011-04-18) 2) 平山修久,河田悪昭 (2007):土木学会論文集G,63(2), 112-119 3) 中央防災会議 (2008):中部国・近畿圏の内陸地震に関する報告, URL< http://附 川.bousai.go

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p/jishinlchu -bou/nankai/36/shiryou/shiryou3.pdf>, (参照2011-04-18) 4) 環境省 (2008):平成 20年度一般廃棄物処理実態調査結果, URL< ht叩:/Iwww.env.goj.p/recycle/waste_tech/ index.html>, (参照2011-04-19) 5) 環境省 (2006):平成 18年度産業廃棄物排出・処理状況調査報告書, URL< ht甲:/Iwww.env.goj.p/recycle/ waste/sangyo/sangyo_h18a.pdf> 6) 国土交通省 (2005):第8回全国貨物純流動調査報告書, URL< http://www.mlit.goj.p/seisakutokatsu/census/ census.html>, (参照2011-04-19) 24

参照

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(出典)

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