• 検索結果がありません。

中学校理科教科書における「エネルギー」に関する表現の分析

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "中学校理科教科書における「エネルギー」に関する表現の分析"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Title. 中学校理科教科書における「エネルギー」に関する表現の分析. Author(s). 森, 健一郎. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 65(1): 63-71. Issue Date. 2014-08. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/7540. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第 6 5巻 第 1号 J o u r n a lo fHokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n( E d u c a t i o n l Vo . l6 5 .No. l. 平成 2 6年 8 月. Augus . t2014. 中学校理科教科書における「エネルギー」に関する表現の分析 森. 健一郎. 北海道教育大学大学院教育学研究科高度教職実践専攻. AnA n a l y s i so fUseo fTerm“Energy"i nJ u n i o rHighS c h o o lS c i e n c eTextbooks MORIK e n i c h i r o HokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o nAdvancedTeacherP r o f e s s i o n a lDevelopmentProgram. 概要 中学校理科の学習内容のうち「エネルギー」の定義は第 3学年で学習する。そのため第 1 2学年では「エネルギー」を科学用語としてではなく日常語として扱う形になっている。つま. り,カリキュラムの中で日常語から科学用語へ修正していくことが求められている。この修正 をより効果的に進めるための視点を抽出すべく,国内の教科書を調査し分析したところ,. 1). 小学校と第 1学年では「エネルギー」を日常語として扱い,文脈から生徒各自が「エネルギー」 のイメージをつくっていること,. 2) 第 2学年では「エネルギー』を日常語から科学用語へ修. 正するための大単元が設定されているが,学習の順序によっては,他の大単元でも科学用語へ の修正を意識することが望ましいこと,. 3) 第 3学年では「エネルギー」の定義を学習するこ. とになるが,学習の順序によっては第 2学年同様,他の大単元でも科学用語への修正を意識す ることが望ましいこと,の 3点が抽出された。. はじめに 平成 24年度から施行された『中学校学習指導要 領(理科)~ (以下,学習指導要領と略)では,科 学的な概念の理解など基礎的・基本的な知識・技. 2 0 0 8 )。したがって,今後の教育現場では,科学. の基本的な見方や概念によって,学習内容の系統 化の視点を意識させた指導が欠かせない(山極ら, 2 0 0 9 )。. 平成 24年度から施行されている学習指導要領で. 能の確実な定着を図る観点から,大単元という学. 示された「エネルギー J,I粒子 J,I生命J,I地球」. 習内容の区分とは別に,「エネルギー J,I粒子 J,I生. という科学の基本的な概念の中でも,特に「エネ. 命 J, I地球」などの科学の基本的な見方や概念を. ルギー」の語句そのもの(以下,構造化の柱とし. 4つの柱。として,子どもたちの発達の段階を踏. ての「エネルギー」と区別するために『エネルギー」. まえ,小・中・高等学校を通じた内容の構造化を. と表記する)の定義に関しては,第 3学年で学習. 図るという方向が示されている(文部科学省,. することになっているため,第 1学年と第 2学年. 6 3.

(3) オミ. 不本. の学習では,『エネルギー」を科学用語としてで. 健一郎. そこで,国内で使用されている全ての中学校理. はなく,日常語 2)として扱う形になっている。こ. 科教科書での「エネルギー』の使用状況を調査し,. れは,「エネルギー」の概念の理解が困難である. どのような学習内容の中で,どのような表現とと. ため 3)の配慮といえる。. もに用いられるかをまとめ,学年ごとの特徴を整. このような背景を考慮すると,中学校理科のカ. 理した。このことにより,日常語としての『エネ. リキユラムの中に,日常語としての「エネルギー』. ルギー』を科学用語としての「エネルギー」へよ. を科学用語としての「エネルギー』へと徐々に修. り効果的に修正していくための視点が得られるの. 正していく過程が含まれていることを授業者も意. ではないかと考えた。. 識しておく必要がある。ただし,「エネルギー」. なお,中学校の考察をするにあたり,小学校の. の意味は,文脈から独立して決まるものではない. 教科書における『エネルギー』についての調査も. 1 )どのような学習内容の中で, ( 2 )どのよう ため, (. 必要と考え,まず小学校における「エネルギー』. な表現とともに用いられるか,についても考慮し. についての概略を述べ,その後,中学校について. ていく必要があると考えた。このことが,本研究. の調査概要・結果・考察などを述べる。. に取り組んだ筆者の問題意識である。 ここで,理科教科書で、扱われている『エネル ギー」に関する調査・研究が報告されているか否 かについて先行研究を調査した。. 2 . 小学校における『エネルギー」 小学校においても,「エネルギー J,'粒子 J,' 生. 金子ら ( 2 0 0 5 ) は,旧学習指導要領 4)に基づい. 命J,'地球」などの科学の基本的な概念を柱とし. て編集された中学校理科教科書(5社)の比較検. て内容の構造化を図るという方向が示されてい. 討をおこない,全ての大単元について評価できる. る。小学校ではさらに,中学校の「第 1分野(物. 点と考慮すべき点を指摘している。特に『エネル. 第 2分野(生物・地学分野)J 理・化学分野)J, '. ギー」に関する大単元については,題材の配列順. との整合性も加味するという観点から,各大単元. などに関する比較検討をおこなっている。. が 'A 物質・エネルギー J, 'B 生命・地球」の. 板橋 ( 2 0 1 2 ) は,アメリカの教科書と教師用指. 2つの領域から構成されている(丈部科学省,. 導書を事例に,『エネルギー」の概念が,小学校. 2 0 0 8 )。その中で,柱としての「エネルギー」に. 段階でどのように導入されているのかを分析し,. 関わる内容は,第 3学年[風やゴムの働き l 第. アメリカでは児童が直感的に理解できる光,熱,. 4学年[電気の働き 1第 5学年[振り子の運動 1. 音などを題材としたエネルギー概念および定義が. 第 6学年[電気の利用 1(以下,各大単元名は. 低学年から導入され,さらにそれが繰り返し取り. [ 1を用いて表記する。大単元名は学習指導要. 扱われていることを指摘した。. 領に示されているものと一致している)などで指. その他, 1986年から 2007年までの『日本科学教 1 9 7 7年以降の「科学教. 小学校で使用されているいくつかの教科書 5)を. 2009年以降の『エネルギ一環境教育研. 調査したところ「エネルギー」はほとんど見られ. 育学会研究会研究報告~, 育研究~, 究~,. 導される。. 1999年以降の『理科教育学研究~,. 2003年以. なかった。小学校の学習指導要領(文部科学省,. 降の「日本教科教育学会誌』を調査したが,筆者. 2 0 0 8 ) には,その語句自体の取り扱いの可否につ. が管見する限り,「エネルギー』が,学校現場で. いての記載はないが,その概念については,発達. 使用されている教科書の中で,どの大単元でどの. の段階を考慮しつつ,実感を伴った理解を図るた. くらい記載されているか,また,どのような表現. めに,観察・実験を通した探究や,物質の性質な. と共に用いられているかについての調査・研究は. どを活用したものづくりに重点を置くことが示さ. なされていない。. れている。なお,教科書によっては『エネルギー』. 64.

(4) 中学校理科教科書における「エネルギー」に閲する表現の分析. が一部用いられており,例えば,「みんなと学ぶ. 表現とともに用いられている場合があるが,何れ. 小 学 校 理 科 6年 J (学校図書, 2011)には, [電気. の表現についても補足説明などはなされていない. の利用]で,「電気を流すことで(中略)電磁石. ため,何れも日常語としての「エネルギー」であ. で鉄を引きつけたりできます。これは,電気がエ. る。しかし,そのことが学習内容の理解の妨げと. ネルギーを持っているからで、す」という文が見ら. なることはないと思われる。小学校の段階は,『エ. れる。また, [人の体のっくりと働き]6)では,発. ネルギー」と共に用いられている語句(電気,動. 展的な内容として「人やほかの動物は,養分から. かすなど)から,生徒各自が「エネルギー』のイ. とり出したエネルギーを f 吏って体を動かし,いろ. メージをつくっていく過程であると考える。こう. いろな活動をしています」という表現が見られる。. いった扱いは,中学校の,特に第 1学年の「エネ ルギー』の扱いにつながるものといえる。. このように「持っている J,1"とり出す」などの. 表 1 抜き出した文の内訳 本文中に「エネルギ 」を合んだもの. 2 0 2. コラム(発展的な内容の記述)に「エネルギ 」を合んだもの. 7 2. 同の説明に「エネルギ 」を合んだもの. 3 4. 注釈中に「エネルギ 」を合んだもの. 2 0. コラム(発展的な内容の記述)の岡去に「エネルギ 」を合んだもの. 9. 合計. 3 3 7. 1つの丈中に複数回『エネルギ 』が用いられている場合,使用回数は 1として数えている。. 表 2 各単元の「エネルギー」という語句の使用回数(教科書出版社ごとの集計) 学園. 学年. 分野. 単. 1. 1. [身近な物理現象]. 1. 1. [身の回りの物質]. 1. 2. [植物の生活と種類]. 1. 2. [大地の成り立ちと変化]. 2. 1. [電流とその利用]. 2. 1. [化学変化と原子・分子]. 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。. 2. 2. [動物の生活と生物の変遷]. 8. 2. 2. [気象とその変化]. 3. 1. [運動とエネルギ. 3. 1. [化学変化とイオン]. 3. 2. [生命の連続性]. 3. 2. [地球と宇宙]. 。 。 。 。 。 。 。. 3. 1.2. [自然環境の保全と科学技術の利用]. 7じ. 教問. 名. 2. 束書. 啓林. 2. 4. 2. 7. 大口. 合計. 2. 1 1. 3. 1. 6. 7. 8. 1 0. 5. 3 7. 7. 1 2. 4. 1. 2 4. 1 7. 8. 1 6. 8. 5 7. 3. 6. 2. 2. 1 4. ]. 合計. 4. 1 1. 1 4. 1 6. 3. 7. 3. 3. 1 1. 2 6. 2 9. 3 9. 1 6. 1 2 1. 3 6. 8 2. 84. 9 4. 4 1. 3 3 7. 6. 5 1. 1 6. ※分野の 1は第 1分野(物理・化学領域), 2は第 2分野(生物・地学領域)を表す. 3 . 中学校理科教科書の調査について ( 1 ) 分析対象 平成 24年度から中学校で使用されている全ての. 教科書(5杜 15冊。平成 24年度から学年分冊となっ ているため各出版社につき 3冊の構成)において, 「エネルギー」を含んだ丈が,どのような大単元 で,どのくらい使用されているかを使用事例と共. 6 5.

(5) オミ. 不本. 健一郎. に全て抜き出し分析対象とした。ここで言うとこ. 名詞として用いられている表現 8)があることがわ. ろの丈とは,句点までの丈字のまとまりである。. かったため,区別のために動詞とともに用いられ. 3である。今回の調査 中学校の大単元は全部で 1. ている表現を網掛けとした。. 対象とした大単元は,「エネルギー」の定義を学 習する第 3学年の[運動とエネルギー]以外の全. 2となる。 てであるので 1. 4 . 考察および教科書への示唆. 文については,本文以外の部分(図の説明,コ. 表 2および表 3から,学年ごとの特徴を整理し,. ラムなど)についても分析対象とした。分析対象. 日常語としての「エネルギー』を科学用語へ効果. の内訳を表 1に示した。出版社名は次の( )内. 的に修正していくための視点について考察した。. のように略記した。教育出版(教出),東京書籍(東. 以下,学年ごとに記す。. 書),啓林館(啓林),大日本図書(大日),学校 ( 1 ) 第 1学年. 図書(学園)。. 表 2より,「エネルギー』は,ほとんど使用さ ( 2 ) 分析方法および結果. れておらず, [植物の生活と種類]に関する内容と,. 教科書から抜き出した「エネルギー」を含んだ 文の総数は 337であった。これらの文を以下のよ うなプロセスで分類した。. [大地の成り立ちと変化]に関する内容で用いら れているのみである。 構造化の柱としての「エネルギー」は[身近な. まず,『エネルギー」含んだ文が,どの大単元. 物理現象]を包括しているが,ここでは「エネル. でどのくらい使用されているのか,また,その使. ギー』は使われていない。しかし,柱が「エネル. 用の回数に教科書出版社による偏りがどのくらい. ギー」であることが,「エネルギー」を用いるこ. 3 7 ) なのかを確認するために,得られた文(総数3. とを直接意味するのではないことに留意する必要. をさらに表 2のように分類した。表 2では,. 5杜. がある。学習指導要領において,柱としての「エ. 1 5冊の教科書について,「エネルギー』を含んだ. ネルギー」は,「エネルギーの見方J,iエネルギー. 丈が,どの学年のどの大単元で,どれくらい使用. の変換と保存 J, iエネルギー資源の有効利用」の. されているかを一覧にしている。大単元名につい. 3つの枠組み 9)が,小学校から高等学校の基礎科. ては,出版社によって違いがあるため,本稿で扱. 目まで共通のものとして設定されている。『エネ. う際は,学習指導要領で用いられている大単元名. ルギー』を用いなくても「エネルギーの見方」を. に統ーした。そして参考のために,従来から用い. 育成する視点でこの大単元は設定されており,授. られている「第 1分野J, i第 2分野」の分類も表. 業者もこのことを意識しなければならないと考え. 中に示した。なお,学年内における大単元の学習. る 。. 順は,地域の実態によって入れ替えることが認め られているため,表 2の順序とは限らない。. 一方,「エネルギー」で包括されていない[植 物の生活と種類]10)では,表 2から,光合成に関. 次に,各大単元の中で,「エネルギー」が,ど. する文脈で『エネルギー」が比較的多く用いられ. のような学習内容の中で,どのような表現ととも. ている。そして表 3からは,表現の主なものが「光. に用いられているかを明らかにするために,表 2. のエネルギー J, iエネルギーを消費する」などで. で得られた結果をさらに分類し,各大単元におけ. あることカ王わかる。. る表現の類型と使用回数をまとめた(表 3)。表. 同様に,「エネルギー」で包括されていない[大. 現の類型については筆者と公立中学校に勤務する. 地の成り立ちと変化]11)では,表 3から,地震に. 現職理科教員 3名と協議した上で決定した。まと. 関する文脈で,主に「地震のエネルギー」という. めの過程で,動詞と共に用いられている表現 7)と ,. 表現が用いられている。. 66.

(6) 中学校理科教科書における「エネルギー」に閲する表現の分析. 表3 学年 1 1. 1. 1. 2. 2. 2. r エネルギー」という語句を含んだ表現の類型および使用回数(教科書出版社ごとの集計). 分野 1 I. 2. 2. 1. 1. 2. 2. 2. 3. 1. 3. 3 3. 1. 2. 2. 単 J C 名 [身近な物理現象] [身の回りの物質]. 表現の類型(使用回数). 光エネルギー,光のエネルギー エネルギーを消費する,利加する,使う 生命を維持するためのエネルギー [植物の生活と種類] エネルギー源 その他,問題や図での使用など 地震のエネルギー [大地の成りーなちと変化] その他,問題や凶での使用など エネルギーを消費する事利沼する, 1 吏 う 電気エネルギー,電気のエネルギー もっている,保存されているエネルギー エネルギーの変換,移動,移り変わり [電流とその利用] 熱エネルギー エネルギー源 エネルギーをたくわえる,得る その他,問題や図での使用など もっている,保存されているエネルギー エネルギーの変換,移動,移り変わり エネルギーをたくわえる,得る 光エネルギー,光のエネルギー [化学変化と原子・分子] 化学エネルギー 一牛命を維持するためのエネルギー エネルギ}をとり t 討す,取り出す その他,問題や図での使用など エネルギーをとり出す事取り 1 1 1す エネルギーをたくわえる,得る [動物の生活と生物の 支 う エネルギ}を消費する,利用する, 1 エネルギー源 変遷] 活動するためのエネルギー その他,問題や図での使用など 太陽のエネルギー [気象とその変化] エネルギーのもと [運動とエネルギー] エネルギ}をとりおす,取り1:1:¥す エネルギーの変換,移動,移り変わり 電気エネルギー [化学変化とイオン] エネルギーをたくわえる,得る エネルギーを消費する,利用する,使う もっている,保存されているエネルギー その他,問題や図での使用など [生命の連続性] 太陽のエネルギー エネルギー i 原 [地球と宇宙] 光エネルギー,光のエネルギー その他,問題や│文│での使用など エネルギーを消費する,剥脱する, ! 1 患 う エネルギーの変換,移動,移り変わり エネルギ}をとり出す,取り1:1:¥す よL ネル~-をたくわえる,得る. 3. 1・2. [自然環境の保全と 科学技術の利用]. 。 。 。 。。 。。 。。 。。 。。 。 。。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。。。 。 。 。 。 。 。 。。 。。。 。。 。 。 。 。 。 。。。 。 。 。 。 。 。 。 。。 。。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。。 。 。。 。 。。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。。。。 。 。 。 。 。 。。。。。 。。 。 。 。 。 。 。。。. 教問I. エネルギー資源 光エネルギー,光のエネルギー 電気エネルギー もっている,保存されているエネルギー 太陽のエネルギー エネルギー源 生命を維持するためのエネルギー その他,問題や図での使用など 合計. 1. 東害. 1 1. 1. 啓林. 3 2. l. 学図. 2. 2 l l. 1 1 2. 2. 1 I 3 1. 大日. 4 l 1 l l. 5 2. 1. 1 2 1 1. I. 1. 3. 8. l 2 l l l. 1 1 3 2 1 1. 2. 1. 1 l 4 l 2 l. 4 2 2 2 l. 1. I 1. 1 3 2 3 1. 3 1 l 2 7. 4 3 2 1 1 4 2 1 4 8 4 4 2 1 1 3 8. 5. 4. l l l. 1. l 1 0. 合計. l. 2 2 2 2 1 2 2 8 8 7. 2. 5 5. 1 2. 4 1 2 2. 2. 4 7 2. 2 2 1. 2 2 l. 2. 1. 1 9 1 1 8 3 3 3 4. 2. 8 3 2 3 2 8. 2 6. 7. 2. 1 1. 2 1. l. 8. 8. 出は 。 。 。 。 。。。 。 。 。 。 。 。 。。。。。 2. 2 4. 1. I 3 6. 3 6 l 1 l. 3 8 2. 3 8 4. 5. 2 2 1 1. 8 9 4. 2 I. 1 2 9. 5 5 3. 1 3 4 1. 1 1 1 8 3 3 7. 6 7.

(7) オミ. 不本. 2つの大単元とも,特に「エネルギー」につい. 健一郎. 単な説明 12)がある。. ての補足説明などはなされていないため,日常語. 2種類の「エネルギー』のうち,「電気エネル. として J 及われているといえる。しかし,そのこと. ギー J, I電気のエネルギー」という表現は全ての. が学習内容の理解の妨げとなることはないと思わ. 教科書で用いられているが,「熱エネルギー」に. れる。第 1学年の段階は,小学校と同様に,「エ. ついては扱っていない教科書もある。しかし,日. ネルギー」と共に用いられている語句(消費する,. 常語から科学用語へ移り変わるための重点である. 光,地震など)から,生徒各自が「エネルギー』. ため,「電気エネルギーから熱エネルギーへの変. のイメージをつくっていく過程であると捉えられ. 換」という 2種類の「エネルギー』を意識した指. る 。. 導をすることが,日常語としての「エネルギー』. なお,表 3からもわかるように,『エネルギー』 と共に用いられている語句は,学年が進むに従っ. を科学用語としての「エネルギー』へより効果的 に修正していくために有効であると考える。. て増加している。特に動詞(とり出す,たくわえ る,消費するなど)を伴った表現は,第 2学年以 降に増加が顕著であり,かつ繰り返し扱われる。. ②[化学変化と原子・分子] 各教科書で「エネルギー」は用いられているが,. このことによって,生徒各自が「エネルギー」の. この大単元は,柱としての「エネルギー」に包括. イメージを徐々につくることが可能になってい. されていない。表 2からわかるように,『エネル. る 。. ギー」を用いている教科書もあれば,用いていな い教科書もある。また表 3からは,用いられ方も. ( 2 ) 第 2学年. 教科書によって様々であることがわかる。このこ. 第 2学年については,全ての大単元で「エネル. とは,『エネルギー」が科学用語として意図的に. ギー」が用いられている。そのため,大単元ごと. 使用されているのではなく,日常語として使用さ. に分けて記載する。. れていることを意味していると思われる。構造化 の柱としての「エネルギー」は,この大単元を含. ①[電流とその利用]. んでいない 13)ことを考慮すると,「エネルギー』. この大単元は,柱としての「エネルギー」に包. の使われ方がまちまちであることに問題はないと. 括されている。この大単元を構成するいくつかの. 考える。ただし,この大単元が, [電流とその利用]. 単元のうち,電力量や熱量に関する文脈で,主に. の後に学習することになっている場合 14)は,日. 「電気のエネルギー J, Iエネルギーを使う J, Iエ. 常語から科学用語への修正を意識した指導の在り. ネルギーを消費する」という表現で「エネルギー』. 方を考慮してもよいと思われる。. が用いられていることが表 3からわかる。この内 容は,エネルギーに対する理解を段階的に高める. ③[動物の生活と生物の変遷]. ために設定されており(山極ら, 2009),日常語. この大単元は,構造化の柱である「エネルギー」. から科学用語へ移り変わるための重点としての側. によって包括されていない 15)が,表 2からわか. 面を既にもっている。. るように,第 2学年で最も多く『エネルギー」が. この単元では,電力量や熱量を扱う過程で,「電. 用いられている阿部分である。. 気エネルギーから熱エネルギーへの変換」に触れ. ここでは,表 3からわかるように,「エネルギー. 2種類の「エネルギー」が関係し. をとり出す J, Iエネルギーを得る J, Iエネルギー. てくる。 2種類の「エネルギー」の違いを説明す. を消費する」といった表現が用いられており,特. るときに科学用語としての扱いが必要になるた. に,「エネルギーをとり出す」という表現はどの. め,どの教科書にも『エネルギー』についての簡. 教科書でも使われている。これらは,呼吸や消化. ることになり,. 68.

(8) 中学校理科教科書における「エネルギー」に閲する表現の分析. に関する丈脈で用いられている。そして,この大. 以下,調査の対象とした大単元について記す。. 単元には「エネルギー』についての補足説明など は見られない。したがって,ここでの「エネルギー」 は,日常語としての扱いと考えることができる。. ①[化学変化とイオン] この大単元 18)については,表 3からわかるよ. なお,この大単元の構造化の柱が「エネルギー」. うに,化学電池に関する文脈で,「エネルギーを. でないことが「エネルギー」を用いないことを意. とり出す J,1"電気エネルギー」といった表現がど. 味するのではないことに留意しておく必要があ. の教科書でも用いられており,特に,「エネルギー. る。ここで用いられている「エネルギー』は,日. をとり出す」という表現が繰り返し用いられてい. 常語としての「エネルギー」であるので,柱によ. る。ここでは,化学電池の仕組みを扱う過程で,「化. る構造化とは匝接関係しないといえる。. 学エネルギーから電気エネルギーへの変換」に触. この大単元は,第 1学年の[植物の生活と種類]. れることになるため,科学用語としての「エネル. や[大地の成り立ちと変化]と同様に,「エネル. ギ、一」が求められる。一部の教科書では「化学エ. ギー」と共に用いられている語句(とり出す,得. ネルギー」の語句も用いられている。ここで, [ 運. る,消費する)などから,生徒各自が『エネルギー」. 動とエネルギー]の学習を終えていれば,「エネ. のイメージをつくっていく過程の一部であると考. ルギー」の定義を既に扱っていることになるので. えられる。. 問題はない。しかし, [化学変化とイオン]が[運 動とエネルギー]より先に配置されている教科書. ④[気象とその変化]. を用いる場合,または,教科書の配置上は問題が. この大単元は,構造化の柱である「エネルギー」. なくても, [化学変化とイオン]を[運動とエネ. によって包括されていない 17)が,表 3からわか. ルギー]より先に学習する場合は配慮が必要であ. るように,どの教科書も水や大気の循環に係わる. る。こういった場合,『エネルギー』の定義を学. 丈脈で「太陽のエネルギー」といった表現が用い. 習する前に,「電気エネルギー」や「化学エネル. られている。この大単元にも『エネルギー」につ. ギー」という語句を扱うことになるため,第 2学. いての補足説明などは見られない。したがって,. 年の[電流とその利用]と同様,「エネルギー』. 日常語としての扱いと考えることができる。「太. を日常語から科学用語へ修正するための重点とし. 陽のエネルギー」という表現は,第 1学年の[植. て取り組むことが望ましいと考える。. 物の生活と種類]で用いられている「光のエネル ギー」と似た表現である。したがって,この丈脈. ②[地球と宇宙]. においては,補足説明がなくても,「エネルギー』. [地球と宇宙]19)については,表 3からわかる. と共に用いられている語句(光,太陽)によって,. ように「太陽のエネルギー」といった表現がほと. 生徒各自が「エネルギー」のイメージをつくって. んどの教科書で見られる。これは四季の変化にか. いくことができると思われる。. かわる丈脈で用いられている。この大単元におい て「エネルギー」についての補足説明などは見ら. ( 3 ) 第 3学年. れないが, [運動とエネルギー]の学習前であれば,. 第 3学年については, [生命の連続性]以外の. 日常語としての扱いと考えることができる。「太. 大単元で「エネルギー」が用いられている。柱と. 陽のエネルギー」という表現は,第 1学年の[植. しての「エネルギー」が包括する[運動とエネル. 物の生活と種類]や,第 2学年の[気象とその変. ギー]は,「エネルギー』の定義を学習する大単. 化]においても見られるものである。したがって,. 元であり,「エネルギー」が用いられるのが当然. この文脈においては,補足説明がなくても,これ. であるため調査の対象にしていない。. までと同様に「エネルギー』と共に用いられてい. 6 9.

(9) オミ. 不本. 健一郎. る語句(光,太陽)によって,生徒各自が『エネ. るための重点として設定されている。[化学変. ルギー』のイメージをつくっていくことができる. 化と原子・分子]における「エネルギー』は,. と思われる。また, [運動とエネルギー]の学習. 学習する順序によっては,科学用語への修正を. 後であれば,科学用語としての扱いと考えられる. 意識して扱うことが望ましい。その他の大単元. が,どちらの場合であっても特に学習内容の理解. の『エネルギー』については日常語としての扱. に支障はないと思われる。. いである。. 3)第 3学年では, [運動とエネルギー]で『エ ③[自然環境の保全と科学技術の利用]. ネルギー』の定義を学習することになる。なお,. [自然環境の保全と科学技術の利用 PO)につい. [化学変化とイオン]における「エネルギー』. ては,表 3からわかるように,「エネルギーを消. は,学習する順序によっては,科学用語への修. 費する J, iエネルギーをとり出す J, iエネルギー. 正を意識して扱うことができる。また, [科学. を得る」といった表現がどの教科書でも用いられ. 技術と人間]における『エネルギー」は科学用. ており,特に,「エネルギーを消費する」という. 語と考えることができるため,ここで用いられ. 表現が繰り返し用いられている。これらは,エネ. ている「エネルギー」を含んだ表現が具体的に. ルギー資源の利用に関する文脈におけるものであ. どのような現象を意味するかを生徒に考えさせ. る。この大単元は,中学校 3年間の理科学習のま. ることで,「エネルギー」がもっている 3つの. とめとなる部分であるため,扱う「エネルギー」. 枠組みを意識させることができると思われる。. は全て科学用語として捉えることができる。. 以上の点が「エネルギー』を日常語から科学用. また,ここでは,全体を通して「エネルギー』. 語へ修正していくために留意すべき点として抽出. がさまざまな表現と共に扱われている。これらの. された。しかし,本研究は,教科書のみを調査対. 表現が具体的にはどのような現象を意味するかを. 象とした文献研究であるため,中学校の各学年に. 生徒に考えさせることは,柱としての「エネル. おいて,生徒が「エネルギー」に関してどのよう. ギー」がもっている 3つの枠キ且み「エネルギーの. な認識をもっているか,あるいは,その認識が中. 見方 J, iエネルギーの変換と保存 J, iエネルギー. 学校の学習の中でどのように変化しているのかに. 資源の有効利用」を生徒に意識させる上でも有効. ついては検討されていない。これらについては,. であると思われる。. 今後さらに詳細に検討していく必要があると考え る 。. 5 . おわりに 中学校理科のカリキュラムの中で,「エネル. 附記. ギー」を日常語から科学用語へ修正していくため. 本研究の一部は,平成 2 5年度日本学術振興会科. に留意すべき点を,教科書の分析結果から考察し. 学研究補助金(研究活動スタート支援,課題番号. た。学年ごとにまとめると以下の 3点となる。. 2 5 8 8 5 0 0 4 ) の助成によって行われた。. 1)小学校と第 1学年の段階は,「エネルギー」 を日常語として扱う。この時期は,共に用いら れている語句から,つまり,丈脈全体から生徒 各自が「エネルギー」のイメージをつくってい く段階である。. 2)第 2学年では, [電流とその利用]における「エ ネルギー」が,日常語から科学用語へ移り変わ. 7 0. 謝辞 本稿の作成に際しましては,島根大学教育学部 の栢野彰秀教授から,貴重なご助言をいただきま した。ありカすとうございました。.

(10) 中学校理科教科書における「エネルギー」に閲する表現の分析. エ +. ==ロ. に関する実態調査報告書 2012j によると, [電流とその 利用]の後に[化学変化と原子・分子]を学習する中. 今回調査した中学校の理科教科書は,次の 5種類(そ 5冊)である。 れぞれ学年分冊のため計 1. 教育出版 (2011) ,自然の探求. 学校は,全体の 13.7%である。 1 5 ) この大単元の構造化の柱は「生命」である。 1 6 ) これは表 2の全体の合計から見た結果であり,第 2. 巾学校理科」. 学年の教科書全ての傾向を示すものではない。啓林館. 東京書籍 (2011) ,新しい科学」. は[化学変化と原子・分子]で『エネルギー」の使用. 2 0 1 1 ) ,未来へひろがるサイエンス」 啓林館 (. が最も多く見られる。. 2 0 1 1 ) ,理科の世界」 大日本図書 (. 1 7 ) この大単元の構造化の注は「地球」である。. 学校凶書 (2011) ,巾学校科学」. 1 8 ) この大単元の構造化の杭は「粒子」である。. 1)学習指導要領では '4つの概念と表現されているが, 本稿では '4つの柱」と表記する。これは,“エネルギー" が学習指導要領を構造化するための概念を指している のか,学習内容そのものとして扱うエネルギーの概念. 1 9 ) この大単元の構造化の杭は「地球」である。 2 0 ) この大単元は,中学校 3年間の理科学習の最後に配. 置されていることもあり,構造化の杭は「エネルギー」 と「粒子」の 2つとなっている。. 昆同を防ぐためである。 を指しているのか, i 2) 日常語としての「エネルギー」の意味は様々である。. 参考文献. 例えば新選国語辞典(小学館)では活力,物体 が牡事をする能力」などと説明されている。. 3) 例えば,原口ら (2007) も,エネルギ一概念が科学 において非常に重要で基礎となる用語であるにもかか わらず,中学生・高校生にとって理解することが困難 旨t 商している。 であることを t. 日高敏│盗,霜田光ーほか ( 2 0 1 1 ) みんなと学ぶ小学校理 , 147,学校凶書. 科 6年 2 0 1 2 ) 米国小学校におけるエネルギー 板橋夏樹,大高泉 ( 概念の導入に関する研究~米国の小 '7~ 校理科教科書, 教師用指導書を事例として~理科教育学研究, 5 2( 3 ),. 4) 1998年に改訂された学習指導要領を指す。 5)ここで調査対象とした教科書は,次の 6種 類 (7冊). である。. 11-21 .. 金子之史,森征洋,松村雅文,末慶喜代一,高橋尚志ほ か (2005) 中学校理科教科書の比較検討(その 2). 教育問版 (2011) ,地球となかよし小学理科 6j. 新教科書の比較. 東京書籍 (2011) ,新しい理科 6j. ,香川大学教育実践総合研究, 10,. 9 9 1 1 0 .. 大日本凶書 ( 2 0 1 1 ) ,たのしい理科 6- 1j. 文部科学省 ( 2 0 0 8 )小学校学習指導要領解説理科編, 1-72,. 大日木凶書 ( 2 0 1 1 ) ,たのしい理科 6- 2j. 大日本図書.. 学校凶書 (2011) ,みんなと学ぶ小学校理科 6年 」. 文部科学符 (2008) 中学校学習指導安領解説理科編. 」 信濃教育会出版部 (2011) ,新編楽しい理科 6年. 3,. 大日本図書.. 2 0 1 1 ) 1わくわく理科 6j 啓林館 (. 山極隆ほか (2009),中学校新学宵指導要領の展開理科編,. 6)この単元の構造化の柱は「牛一命」である。 7)例えば,エネルギーを消費する j,エネルギーをと. 2 2一7 4,明治図書.. り出す j,'エネルギーをたくわえる」などである。. 8) 例えば, 1 ) ' [ ;エネルギー j,化学エネルギー j, エ ネ. (調!日各校准教授). ルギー資源」などである。. 9)中学校学習指導要領解説理科編 p.12 1 0 ) この大単元の構造化の柱は「生命」である。 1 1 ) この大中元の構造化の注は「地球」である。 1 2 ) 例えば,東京書籍では「ものを動かしたり,ものを. あたためたりできる場合エネルギーをもっている」 という j,大日本図書では「エネルギーについては. 3. 年牛ーでくわしく学習する」などの注釈が付けられてい る。なお~エネルギー」について注釈が付けられてい. るのは,どの教科書においてもこの大単元のみである。 1 3 ) [化学変化と原子・分子]を構造化する杭は「粒子」. である。 1 4 ) ベネッセ教育総合研究所による「中学校の学習指導. 7 1.

(11)

表 3 r エネルギー」という語句を含んだ表現の類型および使用回数(教科書出版社ごとの集計) 学年 分野 単 J C 名 表現の類型(使用回数) 教問 I 東害 啓林 大日 学図 合計 1  1  [身近な物理現象] 。 。 。 。 。 。 1  I  [身の回りの物質] 。 。 。 。 。 。 光エネルギー,光のエネルギー 1  1  。 。 2  4  エネルギーを消費する,利加する,使う 。 1  2  。 。 3  1  2  [植物の生活と種類] 生命を維持するためのエネルギー 1  。 l  。

参照

関連したドキュメント

~2030 年までに東京のエネルギー消費量を 2000 年比

再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(以下「再生可能エネル

RE100とは、The Climate Groupと CDPが主催する、企業が事業で使用する 電力の再生可能エネルギー100%化にコ

出典:総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会

方針 3-1:エネルギーを通じた他都市との新たな交流の促進  方針 1-1:区民が楽しみながら続けられる省エネ対策の推進  テーマ 1 .

2 省エネルギーの推進 東京工場のエネルギー総使用量を 2005 年までに 105kL(原油換 算:99 年比 99%)削減する。.

 大都市の責務として、ゼロエミッション東京を実現するためには、使用するエネルギーを可能な限り最小化するととも

 大都市の責務として、ゼロエミッション東京を実現するためには、使用するエネルギーを可能な限り最小化するととも