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保育者・教育者養成におけるピアノ学習に対する意識変容に関する調査と分析

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保育者・教育者養成における

ピアノ学習に対する意識変容に関する調査と分析

今井 由惠

1 研究の背景と目的

 本来音楽は,人間にとって“遊び”の一つとして楽しむべき存在である.柳生は「楽器を奏するこ とは英語では play、ドイツ語でも Spielen というように、音楽することと遊びをすることは実は同じ 本質に根ざした行為の両面にすぎないはずである。」(柳生 1986)と述べている.音楽を“遊び”の 一つとして捉えることは,こどもにとっても,学生にとっても,何ら変わりはないはずである.  しかしながら,学生にとって大学で学ぶ音楽やピアノは,音楽本来の姿が見失われ,必須科目の一 つとして,あるいは授業の評価や教員採用候補者選考検査,就職試験のための一科目であり,“遊び” とは無縁の内容となってしまっている.さらにはカリキュラムの過密さやアルバイトの忙しさなどか ら,学生はピアノの練習時間の確保が困難な場合が多い.ピアノ学習について,荻田は「幼児、児童 への指導者を志す者は、ピアノ演奏の技能を習得するために十分な練習を積むことが要求される。し かしながら、幼児・初等教育の指導者養成校である短期大学や 4 年制大学の教職課程に在籍する学生 が、卒業時までに教育現場のニーズに充分に応え得る技能を身につけることは、甚だ難しいように思 われる。」(荻田 2012)と言及している.また,榎内らは「短期間での習得を求められる上に,モチベー ションを維持させつつ走る必要があるその道のりは,学生自身にとって苦しいものとして感じられる ことも多く,学生のみならず,その学生を指導し技能を育成していく周りの指導者にとっても安易な ものではない。」(榎内・立本・齋藤 2011)と,指導者にとっても困難な道のりであることを挙げている. 保育者・教育者養成における指導者は,音楽が人間にとって楽しむべき存在であるという“理想”と, 限られた時間の中で,あるレベルまで学生を引き上げなければならない“現実”とのギャップに置か れている.  また,教育現場における芸術教科の扱いについて,髙倉は「感性など数値化しにくいものも大切に する芸術教科は、隅の方に追いやられているように思われる」(髙倉 2012)と指摘する.養成校のみ ならず,一般的な教育現場においても,芸術科目の時数削減など教科音楽が抱える問題は依然存在し ている.  こどもに対する幅広い理解と知識を備えた保育者・教育者の育成を目指し開設された北海道文教大 学人間科学部こども発達学科は,2012 年現在,開設 3 年目を迎えた.学生たちは保育士資格,幼稚 園教諭免許の他,小学校教諭や特別支援学校教諭免許の取得を目指している.現在,最高学年である 3 年生は,翌年に控えた幼稚園や小学校での実習,教員採用試験や就職試験を見据えて学習を継続し ている.保育者・教育者にとって,音楽分野の技術や実践力は,必須素養の一つである.とくにピア ノ実技は,現場の要請が強い.筆者は授業において,学生のピアノの技術力・実践力とともに音楽に 関する基礎知識の向上を目指している.さらに,現場での音楽活動が教育対象者の反応を無視した活 動に陥らないよう,他者からのフィードバックを感受できる心を育てることを最重要な目標に掲げて いる.

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 筆者は,2011 年に,本学における保育者・教育者を目指す学生のピアノ学習の実態と,ピアノ練 習に対する意識を把握するため,2 年生を対象に質問紙調査を行った.その結果,学生たちのピアノ 学習の困難原因が,ピアノの練習時間確保の困難,音楽の基礎知識の乏しさから派生する読譜能力の 低さ,ピアノの演奏経験不足による指使いの工夫の困難などに起因していることを明らかにした(小 野 2012).  こうした原因を個別に対処して指導する方法も考えられるが,そもそも,音楽を学習者が楽しむ経 験をすることが,根本的な改善を図ることにつながると筆者は考えている.筆者はこの観点に基づい て,2 年次の必修科目であり,総合的な音楽授業である演習「保育内容Ⅴ音楽リズム 1・2」(66 名受 講)の授業を構成してきた.それと同時に,できる限りピアノに触れる機会を持つよう授業内容を考 慮した.しかし,ピアノの個人レッスン形態とは異なるため,ピアノ実技に関して授業時間内で一人 ひとりのレベルに合った助言を行うことは困難であった.  2012 年,ピアノの個人レッスン形態の演習「総合表現音楽Ⅰ」が,保育士・小学校教諭志望者の 選択必修科目として開講された.当該授業においては,3 年生 2 クラス合計 65 名中 53 名が受講し, 指導には専任教員 2 名と非常勤講師 1 名があたった.授業の開始時には,学生からピアノ実技に対 する苦手意識などの消極的な発言も依然聞かれたが,授業が進むにつれ前年度とは異なる反応が見受 けられるようになった.それまでは弾き歌いで声を出せなかった学生が元気よく歌い出し,明らかに 練習不足だった学生が自発的に十分な準備を重ねるようになった.筆者が強く感じたことは,ピアノ を弾き,歌うその姿が以前より生き生きとし,自己と向き合う学生が増えたことであった.マーセル が「興味と意欲は、学習能率を高める主要な心理的要素である」(Mursell 1948,美田訳 1971)と述 べているように,この意識の変容は大変重要である.  大学や学外におけるさまざまな学習や経験を重ね,学生は確実に成長しているように見受けられ, とくに精神的な成長は著しいものと思われる.ピアノ学習において,ピアノの個人レッスンが本格的 に始められたことは,彼らの学習環境に大きな変化をもたらした.指導者によるピアノの学習支援は, 各学生とのコミュニケーションの中で互いの理解を深めるところから始まる.つまり学習者と指導者 の信頼関係が生まれたとき,指導者の助言は学習者にとってはじめて生きた言葉となる.個人レッス ンという環境で,学生と教員の精神的な距離が近づき,ピアノ技術だけでなく音楽の楽しさなどの情 感を共有できたことが,上述の学生の意識の変容に影響を与えた可能性が考えられる.  松井は,マーセルの音楽教育論についてまとめた著書の中で,「音楽的成長は,すべての精神的成 長と同じく,音楽の本質的な意味が,しだいに明確になり,深められ,拡げられていく過程であり, それは覚えることでなく,一つ一つ感じながら獲得していくものである。」(松井 1965)ことを挙げ ている.また,マーセルは「学習せずに精神的成長はあり得ないのも、議論の余地のない事実です」 (Mursell 1934,美田訳 1967)と記している.また「音楽教育を、人間性の高揚のために組織するに は、なによりもまず、有意義な音楽経験に基づいて計画しなければならないのです」(Mursell 1934, 美田訳 1967)とも述べているように,音楽的な成長を促がす学習支援は,同時に精神的な成長をも 視野に入れた学習支援であるといえる.  これらを背景に,筆者は,2011 年に行った本学における学生のピアノ学習の実態とピアノの練習 に対する意識の経年変化を探るため,2012 年にも質問紙調査を実施した.上述したような学生の意 識の変容が何によってもたらされたのか,調査結果に基づき分析を試みた.本論文では,「大学入学

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前のピアノ経験の有無と成績の関係」と「ピアノ学習の実態」の経年変化,「ピアノ練習に対する動 機と成績の関係」について着目し,考察を行った.

2 調査

2.1 調査対象および時期  調査対象は,北海道文教大学人間科学部こども発達学科の学生である.調査時期,および詳細は, 以下のとおりである. [2 年次の調査]   調査対象: 「保育内容Ⅴ音楽リズム 1」履修者 66 名(回答者 62 名)   調査時期: 2011 年 7 月 21 日,27 日 [3 年次の調査]   調査対象: 「総合表現音楽Ⅰ」履修者 53 名(回答者 52 名)   調査時期: 2012 年 7 月 26 日 2.2 調査方法  記名方式による質問紙調査を実施した.なお,記名方式とした理由は,2011 年に同学科 2 年生 66 名を対象に行った質問紙調査(小野 2012)との比較,分析のためである. 2.3 調査内容  調査に用いた質問紙は資料のとおりである.質問項目は,以下の 3 つに分類される.  1) 目指す職種に対する意識(問 1 〜 7)   ・現在取得を目指す資格と免許について   ・一番就きたい職種について   ・希望職種に対するピアノ技術(弾き歌いを含む)の必要性とその理由   ・希望職種が大学入学当初の初心であるか,否かについて  2) ピアノ学習について(問 8 〜問 15)   ・大学入学前のピアノ経験の有無について   ・現在の学外でのピアノレッスンの有無・頻度,および「習う」・「習わない」理由について   ・3 年次のピアノ学習の実態,および到達度などの自己評価   ・ピアノ学習に対する熱心さの変化  3) ピアノ練習に対する意識(問 16 〜 21)   ・現在とそれ以前のピアノ練習に対する意識の変化について   ・ピアノが上達したと感じる状態・内容について   ・「ピアノが上手」とはどのような状態を指すか(自由記述)   ・今より努力をして「ピアノが上手」になりたいか

3 調査結果および考察

 本稿では,①大学入学前のピアノ経験の有無と成績の関係,②ピアノ学習の実態,③ピアノ練習に 対する動機と成績の関係について考察した.

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3.1 大学入学前のピアノ経験の有無と成績の関係  表 1 は,大学入学前のピアノ経験の有無と 3 年次の成績の集計結果である.なお,ピアノ実技 試験の課題曲は,表 2 のとおりである.保育士・ 幼稚園教諭志望については,「課題曲グループ 1・ 2」が 3 年次前期の「総合表現音楽Ⅰ」に,「課 題曲グループ 3・4」が後期「総合表現音楽Ⅱ」に配置されていた.進度の早い学生については,前 期の段階で「課題曲グループ 3」以降に進むことを許可している.また成績については, 80.0 〜 100 点を「成績上位」,60.0 〜 79.9 点を「成績下位」とした.成績上位・下位の学生数は,同数の 26 名 であった. 表 2 「総合表現音楽Ⅰ」 ピアノ実技試験・課題曲 保育士・幼稚園教諭志望 小学校教諭志望 ①ソロ曲  ブルクミュラー『25 の練習曲』〜「ソナチネ」程度の任意の 1 曲 ②弾き歌い  下記の 1) と 2) のいずれかを選択 ①ソロ曲 バイエル『ピアノ教則本』 77 番以降より,任意の 1 曲(ただし,86,87 番は 除く) ②弾き歌い 歌唱共通教材 24 曲から 任意の 1 曲 1)「課題曲グループ 1」より, 任意の 2 曲 おべんとう とんぼのめがね こぎつね ぶんぶんぶん ちょうちょう 2)「課題曲グループ 2」以降より,任意の 1 曲 さよならのうた,Happy birthday to you, ぞうさん,やぎさんゆうびん, おつかいありさん,しゃぼんだま, たなばたさま,うれしいひなまつり, おもいでのアルバム,いぬのおまわりさん, ふしぎなポケット,とんでったバナナ, はたけのポルカ 他 9 曲  ピアノ経験の有無と成績の上位・下位の関係について独立性の検定(有意水準 5%)を行った結果, 両者に関連が認められた.すなわち,ピアノ「経験あり」の学生の方が,成績は上位になりやすかった.  続いて,ピアノ経験の有無が,2 年次と 3 年次の成績にどのように反映しているかを分析した.2 年次「保育内容Ⅴ音楽リズム 1」と 3 年次「総合表現音楽Ⅰ」の学生の成績について,二つの母回帰 直線の差の検定(有意水準 5%)を行った結果,経験者と初心者の回帰直線の傾きは同一であったが, y 切片は有意に異なっており,その差は 5.4 点であった(図 1).すなわち,ピアノ経験者と初心者の 平均的な点差はわずかに 5 点であ り,2 年次と 3 年次の成績には相関 がみられた.つまり,経験者・初心 者に関わらず,2 年次の成績が上位 だった学生は 3 年次も上位に,2 年 次の成績が下位だった学生は 3 年次 も下位になる傾向があった.  「経験あり」と回答した学生の, ピアノを習っていた時期,期間,内 容や進度などの詳細を今回は明らか にしていない.しかしながら,その 間適切な指導を受け努力を怠らな 表 1 ピアノ経験の有無と 3 年次の成績の関係 n=52 人数(%) 成績上位 成績下位 経験あり 19(36.5) 11(21.2) 30( 57.7) 経験なし 7(13.5) 15(28.8) 22( 42.3) 26(50.0) 26(50.0) 52(100.0) 図1 2年次と3年次の成績の関連

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かった経験者にとっては,当然の結果といえる.成績下位の経験者は,過去にピアノ経験があるにも 関わらず成績が思わしくないことで落胆し,あるいは過去の苦手意識がよみがえるなど,ピアノや音 楽に対する嫌悪感が増長する可能性がある.この場合,技術指導の他に,指導者による精神面の支え が必要と思われる.一方,成績上位の初心者の存在もこの調査で認められた.初心者も個々の取り組 み方によっては,短期間で成長する可能性を秘めているといえる.とくに初心者に対して指導者は, 学習者が初めて出会った楽器や音楽に対する興味を持ち,練習習慣が身につくように,個々の学習者 に考慮した指導を行わなければならない.楽器の導入期指導は,学習者のその後に及ぼす影響を考え ると非常に重要である.成績下位の初心者は,周りの学生と自分を比較することで萎縮し,焦燥感に 駆られ,学習意欲が低下する可能性がある.必要に迫られて行われるピアノ学習の場合,指導者は, 学習者の学習意欲を喪失させないよう配慮しなければならない.また,学習者は,音楽の基礎知識を 身につけ,ピアノ技術と並行して読譜力の向上を目指すことが必要といえる.マーセルが「楽譜の意 味がひとたびわかると、その読み方が速くなり、それと共に、音楽の内容を理解し、表現する能力も しだいに発達してくる」(Mursell 1948,美田訳 1971)と記したように,読譜力の向上はピアノ学習 効率を高めるとともに,作曲者からのメッセージを読み解く上でも重要な意味を持つ.  この調査はあくまで学生自身による申告であり,「経験あり」と答えた学生であっても,「経験なし」 の学生より読譜力などが劣っている場合もまれではない.東が述べたように,本学においても「好き な曲ばかり習っていた」例や,「習っていた形跡がほとんど感じられないケース」さえ見受けられる(東 2012).「長く楽器に親しみながら,音楽知識の蓄積に関してはかなりの個人差がある」点については, 拙著(小野 2012)でも述べたとおりである.  経験者であっても,楽譜からの情報を一定の技術水準で再現できた段階が到達点であると捉える危 険性がある.さらに,演奏時の意識が聴き手に向いていない場合や,自身の演奏についての客観的な 観察ができていない場合もある.通常,自らが奏でた音を聴き,自己を客観視できなければ,ピアノ 演奏の技能向上は見込まれない.場合によっては初心者の方が,指導者からの指導を充分に受け入れ やすい素地を持っている.実際に,初心者が目覚ましい成長を遂げ,経験者が伸び悩むケースを見聞 きすることは多い.経験があれば,あるいは経験年数に乗じて,音楽知識やピアノ技能が高くなると は言い切れない.これは,筆者がこれまでに本学以外で行ってきたピアノ指導においても,強く感じ ていたことである.  ピアノ演奏能力は,さまざまな音楽体験の中で,指導者による助言と,自らを振り返る作業と,繰 り返しの学習によって獲得されるものであり,指導者と学習者の相互作用の影響は大きいといえる. さらに,ピアノ演奏能力は,学習者の音楽的素質や素養,学習環境,学習習慣の有無,物事に取り組 む姿勢や性格,得意・不得意,器用さの相違,音楽に対する興味や関心の深さなど,さまざまな条件 が絡み合って体現する.すなわち,保育者・教育者養成におけるピアノ演奏の優劣は,大学入学前の ピアノ経験の有無だけでは計り知れない要因があるといえる. 3.2 ピアノ学習の実態  ここでは,調査対象となった 2 年次「保育内容Ⅴ音楽リズム 1」と 3 年次「総合表現音楽Ⅰ」の, 学生のピアノ学習の実態の細項目について点数化し,データを分析する.点数化は,質問の回答項目 数に対応させた.具体的には,ピアノ練習量と練習量の満足度が 5 〜 1 点,練習頻度と一日の練習

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時間が 6 〜 1 点である.なお,表中の空欄は無効回答であったため,集計では除外している.有効 回答のあった学生を経験者と初心者に分け,それぞれ 2 年次と 3 年次のデータを比較し(表 3 〜 6), 母平均の差の検定(有意水準 5%)を行った.その結果,経験者・初心者ともに 2 年次と 3 年次では, ピアノ練習量,練習頻度,練習量の満足度において,有意に向上している.また,初心者の一日のピ アノ練習時間においても,有意に向上していた.経験者の一日のピアノ練習時間については,有意差 が認められなかった.  また,ピアノ学習の実態に関連した質問紙の問 9「現在、大学の授業以外でピアノ等の鍵盤楽器を 習っているか」については,52 名中 49 名(94.2%)が,大学の授業のみと回答した.他の 3 名(5.8%)は, 現在も学外でレッスンを継続していた.その理由について「以前から習っていたので継続」,「さらに レベルアップを図りたい」,「授業だけでは時間が足りない」の他,自由記述で「(鍵盤楽器の)指導 資格を取るため」があった.一方,大学の授業のみと回答した学生が,学外でピアノを学ばない理由 については,「時間がない」(51.0%),「経済的に難しい」(44.9%),「ピアノより優先順位の高いも のがある」(28.6%),「授業で十分」(14.3%)の結果を得た.自由記述においては,「大学の講義が 最優先」,「また習おうと思っている」,「ピアノを習うと、それで満足してしまいそう」などの記述が 見られた. 表 3 ピアノ練習量の比較 経験者 n=29 被験者 1 3 4 5 6 11 12 13 14 15 16 18 19 22 24 26 27 28 30 31 32 34 35 38 40 41 45 47 48 3 年次 4 5 5 3 4 5 5 4 4 4 3 4 5 3 4 3 4 4 3 4 4 4 4 3 4 4 5 3 2 年次 4 3 4 2 3 2 4 2 2 2 4 4 3 3 3 1 3 4 2 2 1 3 4 2 3 4 3 2 0 2 1 1 1 3 1 2 2 2 0 2 0 1 2 1 0 1 2 3 1 0 1 1 0 2 1 差の平均 1.1 初心者 n=22 被験者 2 7 8 9 10 17 20 21 23 25 29 33 36 37 39 42 43 44 46 49 50 51 3 年次 4 4 3 4 4 4 4 4 1 4 3 4 4 4 4 2 3 4 4 4 4 2 年次 3 3 1 4 3 3 2 4 1 1 5 3 3 3 2 5 3 4 3 3 2 1 1 2 0 1 1 2 0 0 3 -2 1 1 1 2 -3 0 0 1 1 2 差の平均 0.7 表 4 ピアノ練習頻度の比較 経験者 n=29 被験者 1 3 4 5 6 11 12 13 14 15 16 18 19 22 24 26 27 28 30 31 32 34 35 38 40 41 45 47 48 3 年次 5 5 6 4 4 5 5 5 4 4 4 4 4 3 5 4 5 5 5 4 4 4 3 3 5 6 4 2 年次 4 3 4 3 3 4 3 3 1 5 3 3 3 2 4 3 4 3 3 2 3 3 1 2 4 4 3 1 2 2 1 1 1 2 2 3 -1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 1 1 2 1 1 2 1 差の平均 1.3 初心者 n=22 被験者 2 7 8 9 10 17 20 21 23 25 29 33 36 37 39 42 43 44 46 49 50 51 3 年次 4 3 4 4 5 3 4 6 4 3 4 5 4 2 4 5 4 5 4 2 年次 3 2 4 2 4 2 3 1 4 2 4 4 3 3 2 4 3 4 2 1 1 0 2 1 1 1 5 0 1 0 1 1 -1 2 1 1 1 2 差の平均 0.7

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表 5 一日のピアノ練習時間の比較 経験者 n=29 被験者 1 3 4 5 6 11 12 13 14 15 16 18 19 22 24 26 27 28 30 31 32 34 35 38 40 41 45 47 48 3 年次 3 4 3 4 2 5 6 4 5 6 4 6 3 5 5 4 4 2 3 3 5 3 5 5 2 2 5 4 2 年次 4 3 5 3 2 4 2 3 3 6 4 3 5 5 6 3 5 4 2 4 2 4 4 2 2 4 5 3 -1 1 -2 1 0 1 4 1 2 0 0 3 -2 0 -1 1 -1 -2 1 -1 3 -1 1 3 0 -2 0 1 差の平均 0.4 初心者 n=22 被験者 2 7 8 9 10 17 20 21 23 25 29 33 36 37 39 42 43 44 46 49 50 51 3 年次 4 4 5 4 5 6 1 6 6 4 6 5 6 5 6 4 3 3 6 5 2 年次 3 3 6 3 3 5 1 3 6 3 2 5 4 6 5 3 4 4 4 1 1 1 -1 1 2 1 0 3 0 1 4 0 2 -1 1 1 -1 -1 2 4 差の平均 1.0 表 6 ピアノ練習量の満足度の比較 経験者 n=29 被験者 1 3 4 5 6 11 12 13 14 15 16 18 19 22 24 26 27 28 30 31 32 34 35 38 40 41 45 47 48 3 年次 2 2 4 1 2 3 2 3 2 3 1 4 4 1 1 5 2 2 3 2 4 3 3 3 1 2 1 3 3 2 年次 2 2 5 1 2 2 2 2 1 2 2 3 1 1 1 3 2 1 3 1 1 1 3 2 1 2 1 3 3 0 0 -1 0 0 1 0 1 1 1 -1 1 3 0 0 2 0 1 0 1 3 2 0 1 0 0 0 0 0 差の平均 0.6 初心者 n=22 被験者 2 7 8 9 10 17 20 21 23 25 29 33 36 37 39 42 43 44 46 49 50 51 3 年次 2 2 2 1 2 4 3 2 3 2 3 2 2 1 2 2 4 4 4 3 2 年次 1 1 4 1 1 2 3 1 4 1 1 2 1 1 3 3 2 2 1 1 1 1 -2 0 1 2 0 1 -1 1 2 0 1 0 -1 -1 2 2 3 2 差の平均 0.7  この分析では,ほぼすべての項目において,学生の 3 年次のピアノ練習が 2 年次より増えている ことが示された.これは,授業における週 1 回のピアノの個人レッスンが行われたことによる変化で あることは,質問紙の問 9 で,94.2%の学生が大学の授業以外でピアノを習っていないと回答してい ることからも明らかである.  なお,有意差が認められなかった経験者の一日のピアノ練習時間については,経験者の多くの練習 頻度が増加していることから,一日の練習時間を短縮し,練習を数日に分散させた学生が増えたと推 察できる.学生の学習法の変化は,レッスン時の指導者からの繰り返しの助言や評価,また 2 年次と 3年次のカリキュラムの違いによる,学生の学習時間の配分変化などによって生まれた可能性がある.  また,授業以外でピアノを習わない理由について,「時間がない」や「経済的に難しい」の回答が多かっ たのは,学生が現在より多くの時間をかけてピアノを学びたい気持ちがあるにもかかわらず,難しい 現状であることを物語っている.また,ピアノを習うことで演奏技能が自然に高まることを期待して いるとも読み取れる.レッスン時の学生との会話でも,それと思われる発言がなされることも少なく ない.  レッスンが規則的に行われるとき,学習者は具体的な目標を見据えて,自身の能力とレッスンまで の練習可能な時間を逆算し,レッスン日に照準を合わせた練習計画を立てることができる.このよう に,本来は自らの力量を知った上で練習に臨むことが望ましい.しかし,学習習慣が身についていな

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い学習者や,練習時間の確保が難しい学習者の場合は,練習の目標が「週一回のレッスン」を“無事” に通過することに据えてしまう危険がある.つまり,音楽的成長のための具体的,かつ自発的な練習 とはならないのである.マーセルは「積極的な経験だけが、教育を可能にするのです」と述べている (Mursell 1934,美田訳 1967).さらに,東が述べたように,近年「忍耐力が減少している学生」(東 2012)や,中には精神的不安を抱える学生と出会うこともある.指導者は,学生がピアノに向かう ための精神的な安定をも導かなければならない.モチベーションと精神的な安定には深い関わりがあ り,精神的な安定を得られている学生は,学習の準備ができやすい.これは,マーセルの「音楽で何 かをしようとする意欲のある人になってこそ、初めて音楽について学ぶ準備ができた人といわれるの である」(Mursell 1948,美田訳 1971)の記述からも読み取れる.  学習者が週一回のピアノレッスンを継続することは,音楽の基礎知識の蓄積や読譜力の向上をもた らし,演奏技能の習得につながる.さらに,指導者とのコミュニケーションを通し,自らが抱える技 術的・精神的困難と向き合っていくことは,人間としての成長にも大きな影響を与えるものと考えら れる.この点に関しても,マーセルは「音楽的成長は、あらゆる精神的成長と同じく目的意識のある 過程である。」(Mursell 1948,美田訳 1971)と記している.  3 年次の学生たちが自らの意思でピアノ練習に向き合うようになったことは,ピアノ演奏の技能向 上を目指す上で大きな進歩であるといえる.はじめに述べた学生のピアノを弾く姿の変化は,学生が 目標に向けて努力を始めた姿が反映されたものと考えられる. 3.3 ピアノ練習に対する動機と成績の関係  質問紙の問 15「3 年生になる前より熱心 に練習するようになったか」について,52 名中「はい」が 39 名(75.0%),「いいえ」 が 5 名(9.6%),「どちらでもない」が 8 名 (15.4%)であった.「はい」と答えた 39 名 に,さらに問 16 の「熱心に練習するように なった理由」をたずねた結果,回答が多かっ たのは,「保育者・教育者を目指す者として の意識の向上」(46.2%),「弾くことが面白 い」(41.0%),「やればできるという自信」 (33.3%),「就職・教員採用試験が近づいた」(28.2%),「ピ アノ実技の試験があった」(28.2%)であった(図 2).  また,ピアノを熱心に練習するようになった動機につ いて,質問項目を内発的動機と外発的動機の 2 つに分類し, 学生の 3 年次の成績と動機の関連について分析した(表 7).Fisher の直接法により独立性の検定(有意水準 5%) を行った結果,いずれも有意差は認められなかった.なお,内発的・外発的動機の質問項目の分類は, 表 8 に示したとおりである. 図2 熱心に練習するようになった理由(5つまで選択) 表 7 ピアノ学習の動機と成績の関係 n=39 人数 内発的 外発的 成績上位 13 3 16 成績下位 12 4 16 25 7 32

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表 8 内発的動機・外発的動機の分類 内発的動機 外発的動機 ⑦楽譜が以前より読めるようになった ⑧指使いが以前よりわかってきた ⑨やればできるという自信が出てきた ⑩勉強(練習)のコツがわかってきた ⑭大学のピアノの授業が面白い ⑮楽譜が読めるようになり面白くなった ⑯指が動くようになり面白くなった ⑰ピアノの練習自体が面白くなった ⑱ピアノを弾くことが面白くなった ⑲その他〜内発的動機に関わる自由記述 ①保育者・教育者を目指す者としての意識の向上 ②進路がしっかり定まった ③これまでの実習などを通して変化した ④授業外のボランティア活動などを通して変化した ⑤幼稚園や小学校の実習が近づいた ⑥就職・教員採用試験が近づいた ⑪大学でピアノの授業を受講した ⑫大学でのピアノの授業がレッスン形態だった ⑬ピアノ実技の試験があった ⑲その他〜外発的動機に関わる自由記述  質問紙の問 16「熱心に練習するようになった理由」では,5 つ以内で選択回答するよう示していたが, 6 つ以上の回答を寄せた学生も複数おり,その被験者の回答は無効回答として除外した.この結果, 有効回答が少なく,検定は断念した.  そこで,内発的動機の内訳について,経験 者・初心者に分けて集計をすると,ある特徴 が示唆された(図 3).それは,選択項目の「楽 譜が読めて面白い」(選択者 0 名),「ピアノ の授業が面白い」(経験者・初心者ともに 2 名同数)以外は,内発的動機を選択した学生 が初心者にやや多く見受けられた点である. これは,ピアノやピアノレッスンに対する先 入観ができあがっていない初心者が,大学の 授業の中で音楽に対する知識を深め,ピアノ 実技においてある程度の達成感を味わった結果である可能性がある.また,指導者の一番大きな目標 であった「ピアノを弾くことが面白くなった」や「やればできるという自信が出てきた」を選択した 学生が,履修者全体の 3 分の 1 程度を占めたことは,前期 15 回の授業の成果としてある程度評価で きよう.今後は,さらに多くの学生がピアノや音楽の楽しみを体験し,自信が持てるよう指導してい くための授業内容の検討が必要である.  また,本調査では外発的動機に組み込んだ「保育者・教育者を目指す者としての意識の向上」と回 答した学生が 18 名(46.2%)であった.ここからは,学生が大学や学外でのさまざまな学習や経験 を通して精神的に成長し,自分の進路をしっかりと見定めたこともうかがわれる.  保育者・教育者養成におけるピアノ学習は,学生の意思とは別の理由,つまり必須科目として始め られることが多い.指導者は,ピアノ技能が就職や教員採用試験,現場の活動の一つとして必要なも のという意識づけではなく,音楽がこどもに与える影響やこどもの“遊び”としての音楽の存在を学 生に深く理解させる必要がある.最も重要なのは,学生自身が音楽やピアノを楽しみ,向き合う経験 を持つことでないかと筆者は考える.指導者が目指しているのは,“しなければならない練習”から,“す ることが楽しい練習”であり,経験者・初心者に関わらず“やればできる”という自分の可能性を信 じる心の伴った練習である. 図3 内発的動機の内訳(人数)

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4 研究のまとめと今後の課題

 本研究で,大学入学前のピアノ経験の有無は,音楽やピアノ実技の成績に反映することが明らかに なった.具体的には,初心者より,経験者の方が成績上位になりやすいことであった.しかし,2 年 次と 3 年次の成績の関連については,初心者より経験者が上位という相関は認められるが,差が開く ということもなく,初心者も相応の健闘をしていることが明らかになった.また,ピアノの個人レッ スン形態の授業が行われると,多くの学生のピアノ練習量が増えることも明らかになった.しかし, 学生のピアノ練習に対する内発的動機と成績に,明確な関連は見いだせなかった.  学生の 2 年次から 3 年次のピアノ実技に対する意識の変容は,週 1 回のピアノの個人レッスン形 態の授業が始まったことが“きっかけ”になったと推測される.大学で行われるピアノのレッスンは, 学生自身の成績評価につながるだけでなく,同時に,他者の前で演奏を披露することでもある.人前 で演奏を披露するという精神的重圧のために,ある程度の準備をしなければならないという意識が働 いたと考えられる.その結果,学習する機会が増えた学生は,指導者の助言を得ることで,ピアノや 音楽に対する基礎力を高めていったと考えられる.基礎力が高まれば,指導者からの段階を踏んだ助 言が理解できるようになり,徐々に自らの力で練習に活かすことができるようになる.結果的に,授 業で高い評価を得られた学生は,できる喜びを感じ,達成感を味わい,自らの可能性を信じるように なる.学生の意識の変容は,このような経過をたどって生まれたものと考えられる.ここで重要なの は,ピアノ学習が自身を振り返る作業でもあるということである.この点について,徳丸は「音楽は 他人の存在を前提にしています。音楽を聴き、演奏する過程は、身体活動を通して他人の存在を知り、 その結果として自分を知るということです。」(徳丸 2012)と述べている.  保育者・教育者を目指す学生が自身の演奏を客観視することは,教育対象者からの視点で自分を意 識することと同じである.3 年生になった学生は,大学や学外でのさまざまな学習や経験を重ねてお り,自身の進路についてより現実味を帯び考えるようになっている.これは,学生がこどもの前の自 分の姿を想像し,重ね合わせることができるまで成長したことの現れではないだろうか.マーセルは, 経験と教育について次のように述べている.  人の心を魅するような経験によって学習が行なわれている場合は、細かいことは忘れてしまうで しょうが、細部よりは大事な何物かが心に残るのです。人は、そのような経験によって、外界のい ろいろな新しい事柄や、自分の新しい可能性に気づくようになるのです。さらに、新しく生まれた 意欲によって、学習者の物の見方や考え方が、飛躍的に進歩するのです。すなわち、物事の価値の 基準が変わってくるのです。これが、本当の教育というものです。(Mursell 1934,美田訳 1967)  また,パヨルは「学生には,幅広い学識と良い専門知識が必要である。それによって,魅力的で高 いレヴェルの音楽教育ができるようになる。良い指導を受けた人しか,良い指導はできない。」(Pajor 2009)と述べている.これは,保育者・教育者を目指す学生を指導する指導者にとっても,忘れて はならない点であろう.  次いで,大学入学前のピアノ経験の有無と成績の関係について,経験者の方がわずかに有利であっ たが,2 年次の成績の良し悪しと 3 年次の成績のそれとの関連は,両者とも等しいという結果を得た. 経験者が初心者に比べて有利に成績を伸ばせなかったのは,経験者の過去の学習の記憶が作用してい

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ることが考えられる.この場合,新しい指導者が学生の意識の変容を短時間で導くことは難しい場合 が多い.ただし経験者であっても,いわゆる“クセ”となるまで身についていない場合は,これに限 らない.指導者は,学生が弾くことだけに留まらず,表現する,あるいは他者を意識するレベルに到 達できるよう,根気強く見守ることが大切である.  最後に,学生のピアノ練習に対する内発的動機と成績の関連については,指導者が感じていた学生 の変化とは異なり,明確な関連は見いだせなかった.この結果は,質問紙調査が行われたのが 15 回 のピアノ授業という,短期間に限定されていたことに起因している可能性がある.内発的動機と成績 の関連については,今後継続して研究すべきと考える.  現在,本学のピアノの授業における問題点として,学生一人のレッスン時間が個人レッスンとして は極めて短いことが挙げられる.現状では,保育者・教育者としての音楽的知識や技能の習得のため の時間と,指導者によるピアノの学習支援のために必要な,学生とのコミュニケーションの時間確保 が困難である.これらの点を改善するためには,学生の音楽に関わる学習の早い段階での意識改革が なされることと,効率的なピアノ学習方法,授業構成などを検討していくことが必要である.学生が 保育者・教育者となったとき,次世代のこどもたちによりよい音楽経験・教育を実践することができ るよう,また,学生にとってよりよい学習環境と学習内容を提示するために,学生の精神的な成長と ピアノ技能の向上についての研究を継続していきたいと考える.

文献

東卓治,2012,「教員養成課程におけるピアノ教育の現状と課題──入学前の音楽経験との関連性に 着目して──」人間環境学会『紀要』17:35-46. 榎内光子・立本千寿子・齋藤節子,2011,「保育者養成校における音楽技能に関する研究──『学びの姿』 のタイプを視点とした実態調査と指導のあり方の検討──」『徳島文理大学研究紀要』82:1-9. 松井三雄,1965,「J. L. Mursell の音楽教育論──基礎篇──」『横浜国立大学教育紀要』5:68-80. Mursell, James Lockhart, 1934, Human Values in Music Education, New York:Silver, Burdett and

Company.(=1967, 美田節子訳『音楽教育と人間形成』音楽之友社)

──── , 1948, Education for Musical Growth, Boston:Ginn and Company.(=1971, 美田節子訳『音 楽的成長のための教育』音楽之友社)

荻田泉,2012,「幼児・初等教育の指導者養成におけるピアノ指導法の研究──初心者の学習意欲を 高める教授法について──」『四天王寺大学紀要』53:215-232.

小野由惠,2012,「保育者・教育者養成におけるピアノ学習の実態調査に基づく学習支援の課題」『北 海道文教大学論集』13:83-96.

Pajor, Márta, 2009,「ハンガリーの音楽教育──コダーイ・コンセプト──」(=2009, Szirmai Monika 翻訳,三村真弓日本語校閲)日本音楽教育学会『音楽教育学』39(2):32-36. 髙倉弘光,2012,「特集 芸術教育はなぜ必要か──本当に大切なものは目に見えない?──」初等教 育研究会『教育研究』67(10):13. 徳丸吉彦,2012,「特集 芸術教育はなぜ必要か──学校での音楽教育の役割──」初等教育研究会  『教育研究』67(10):14-17. 柳生力,1986,『自分のためにうたがあるとき──音楽教育論集──』音楽之友社.

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総合表現音楽Ⅰ ピアノ実技に関する意識調査        



 授業としてのピアノのレッスンが再開し、前期の  回が終了しました。来春の幼稚園や小学校 での実習、そしていよいよ就職試験や教員採用候補者選考試験が現実のものとなって来ました。  そこで、 年生「音楽リズム 」終了時に行ったアンケート内容のその後について、追跡調査を 行うことに致しました。あくまで今後の授業研究の参考にするためのアンケートであり、成績に は全く関係ありません。趣旨をご理解の上で、下記の質問にお答え下さい。 3年  組 学籍番号 氏 名  1  目指す職種に対する意識 問1 現在、あなたが取得を目指す資格・免許は?(複数回答可)  ①保育士  ②幼稚園教諭  ③小学校教諭  ④特別支援学校教諭  ⑤その他  ⑥迷っている 問2 現在、あなたが一番就きたい職種は?  ①保育士  ②幼稚園教諭  ③小学校教諭  ④特別支援学校教諭  ⑤その他  ⑥迷っている                 問3へ                   問8へ ≪問2で「①~④」とお答えの方にお聞きします≫ 問3 その職種について、ピアノ技術(弾き歌いを含む)の習得は必要だと思いますか?  ①必要である    ②ある程度必要である    ③必要ではない    ④わからない           問4へ                   問5へ 問4 なぜピアノ技術(弾き歌いを含む)が必要だと考えましたか?(複数回答可)  ①就職試験、教員採用試験で必要である     ②現場でこどもの教育の一つとして必要である  ③現場でこどもの遊びの一つとして必要である  ④こどもたちと一緒に音楽で遊びたい  ⑤自身のピアノ(音楽)に関する興味が深まった ⑥本心に反するが、現実をみるとやむを得ない  ⑦その他(                                            ) 問5 問2でお答えの職種は、本学入学当初のあなたが目指していた職種と同じですか?  ①はい ⇒ 問6へ               ②いいえ ⇒ 問7へ ≪問5で「①はい」とお答えの方にお聞きします≫ 問6 初心を貫けたのは、どのような理由からだと思いますか?(複数回答可)  ①その職種に就くことが自分の夢であった    ②やはり自分に適した職種であると確信した  ③大学の授業を通して再確認できた       ④介護等体験、保育実習を通して再確認できた  ⑤授業外のボランティア活動などを通して再確認できた  ⑥学内の友人のアドヴァイスがあった      ⑦学外の知人のアドヴァイスがあった  ⑧家族のアドヴァイスがあった         ⑨教員のアドヴァイスがあった  ⑩やむを得ない事情があり、実は本心とは異なる  ⑪その他(                                            ) 資料

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≪問5で「②いいえ」とお答えの方にお聞きします≫ 問7 本学入学時から現在へ、就きたい職種が変化した理由を教えて下さい(複数回答可)  ①自分により適した職種を見つけた       ②自分にはその職種が適していないと思った  ③大学の授業を通して変化した         ④介護等体験や保育実習を経て変化した  ⑤授業外のボランティア活動などを通して変化した  ⑥学内の友人との話の中でヒントを見つけた   ⑦学外の知人との話の中でヒントを見つけた  ⑧家族との話の中でヒントを見つけた      ⑨教員との話の中でヒントを見つけた  ⑩やむを得ない事情があり、実は本心とは異なる  ⑪その他(                                            )  2  ピアノ学習について 問8 大学入学前のあなたは、ピアノを習ったことがありましたか?  ①ピアノ経験あり               ②ピアノ経験なし 問9 現在、あなたは大学の授業以外でピアノ等の鍵盤楽器を習っていますか?  ①はい ⇒ 問9-1~問9-3へ       ②いいえ ⇒ 問9-4へ   ≪問9で「①はい」とお答えの方にお聞きします≫   問9-1 どこで(誰に)習っていますか?  ①ピアノの個人レッスン    ②音楽教室    ③学外の知人    ④学内の友人  ⑤その他(                                          )   問9-2 その頻度は?  ①週に  回  ②2 週に 1 回  ③月に 1 回  ④その他(                     )   問9-3 習っている理由を教えて下さい(複数回答可)  ①以前から習っていたので継続         ②将来必要だと思っている  ③ピアノ(音楽)が好き            ④更にレベルアップを図りたい  ⑤大学の授業だけでは時間が足りない      ⑥大学の授業だけでは物足りない  ⑦その他(                                          )   ≪問9で「②いいえ」とお答えの方にお聞きします≫   問9-4 その理由を教えて下さい(複数回答可)  ①学外で習うほど必要性を感じない       ②大学の授業で十分である  ③ピアノ(音楽)が苦手、あるいは嫌い     ④ピアノ(音楽)より優先順位の高いものがある  ⑤習いたいが時間がない            ⑥習いたいが経済的に難しい  ⑦その他(                                          )

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●現在(大学3年生)のあなたの様子についてお聞きします 問10 あなたは、ピアノの練習をどの程度しましたか?  ①大変よく練習した       ②少し練習した         ③したりしなかったりであった  ④あまり練習していない     ⑤ほとんど練習しなかった    ⑥その他 問11 問 10 について、練習の頻度はおよそどのくらいでしたか?  ①毎日         ②週に4~5日     ③週に2~3日     ④週に1日  ⑤授業時のみ      ⑥ほとんどしなかった  ⑦その他(                    ) 問12 問 11 について、一回の練習時間はおよそどのくらいでしたか?  ①10 分未満      ②10~20 分未満    ③20~30 分未満    ④30~45 分未満  ⑤1時間程度      ⑥1 時間以上     ⑦その他(                    ) 問13 問 10~12 について、ご自身の練習量に満足していますか?  ①満足している         ②やや満足している       ③どちらでもない  ④やや不満である        ⑤不満である 問14 問 13 の結果、ピアノ実技の到達度については、どのように感じていますか?  ①ずい分上達した        ②少し上達した         ③どちらでもない  ④あまり上達していない     ⑤昨年より下手になった 問15 ピアノについて、3年生になる前より熱心に練習するようになったと思いますか?  ①はい ⇒ 問 16 へ      ②いいえ ⇒ 問 17~問 18 へ   ③どちらでもない  3  ピアノ練習に対する意識 ≪問15 で「①はい」とお答えの方にお聞きします≫ 問16 熱心に練習するようになった理由として近いものを5つ以内で選んで下さい  ①保育者・教育者を目指す者としての意識の向上 ②進路がしっかり定まった  ③これまでの実習などを通して変化した     ④授業外のボランティア活動などを通して変化した  ⑤幼稚園や小学校の実習が近づいた       ⑥就職・教員採用試験が近づいた  ⑦楽譜が以前より読めるようになった      ⑧指使いが以前よりわかってきた  ⑨やればできるという自信が出てきた      ⑩勉強 練習 のコツがわかってきた  ⑪大学でピアノの授業を受講した        ⑫大学でのピアノの授業がレッスン形態だった  ⑬ピアノ実技の試験があった          ⑭大学のピアノの授業が面白い  ⑮楽譜が読めるようになり面白くなった     ⑯指が動くようになり面白くなった  ⑰ピアノの練習自体が面白くなった       ⑱ピアノを弾くことが面白くなった  ⑲その他(                                            )

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≪問15 で「②いいえ」とお答えの方にお聞きします≫ 問17 熱心に練習しなかった理由として近いものを5つ以内で選んで下さい  ①実は保育者・教育者を目指していない     ②進路が定まっていない、あるいは迷いがある  ③ピアノ 音楽 が苦手、あるいは嫌い      ④ピアノの練習が嫌い  ⑤楽譜を読むことに困難を感じる        ⑥指使いがわからない  ⑦勉強 練習 のコツがわからない        ⑧大学のピアノの授業についていけない  ⑨大学のピアノの授業が面白くない       ⑩ピアノに必要性を感じていない  ⑪自信がない                 ⑫練習環境が整っていない  ⑬時間がない                 ⑭ピアノに限らず、すべてにおいて気が進まない  ⑮その他(                                            ) 問18 どのようにすれば、今よりピアノの練習が充実すると思いますか?    自由にお書き下さい  ●最後に、皆さんにお聞きします 問19 ご自身のピアノが上達したと感じるのはどのような時か、近いものを4つ以内で選んで下さい  ①右手と左手が同時に動いた時         ②右手と左手で違う動きができた時  ③ピアノが両手で弾けるようになった時     ④  や  のついている曲が弾けるようになった時  ⑤楽譜を見ないで弾けるようになった時     ⑥手を見ないで弾けるようになった時  ⑦止まらずに弾けるようになった時       ⑧速く弾けるようになった時  ⑨新しい曲に進んだ時             ⑩弾き歌いができるようになった時  ⑪誰かに褒められたり、上達したと言われた時  ⑫その他(                                            ) 問20 あなたにとって、「ピアノが上手」というのはどのような状態を指しますか?    自由にお書き下さい 問21 あなたは、今より努力をして「ピアノが上手」になりたいですか?  ①はい             ②いいえ           ③どちらでもない ご協力をありがとうございました

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Piano Instruction for Childcare Workers and Preschool Teachers:

Survey and Analysis of Altered Consciousness

IMAI Yoshie

Abstract: A paper questionnaire survey was carried out over two years concerning piano instruction to gather

information about students who aim to become childcare workers and preschool teachers. The survey’s subjects were students taking a class on the individual lesson style for piano in the third year of their university course. In comparison to the second year, students were beginning to work on the piano lesson assertively. The author attempted to analyse the variable that led to this change in consciousness. The results showed the following: (1) The trends of the students receiving high and low grades for the comprehensive music lessons they took in

the second year remained the same for the piano lessons they took in the third year.

(2) The individual lesson style for piano classes contributed to an increase in the amount of time that students practised.

(3) No significant relationship was observed between voluntary motivation and grades with regard to piano instruction.

表 8 内発的動機・外発的動機の分類 内発的動機 外発的動機 ⑦楽譜が以前より読めるようになった ⑧指使いが以前よりわかってきた ⑨やればできるという自信が出てきた ⑩勉強(練習)のコツがわかってきた ⑭大学のピアノの授業が面白い ⑮楽譜が読めるようになり面白くなった ⑯指が動くようになり面白くなった ⑰ピアノの練習自体が面白くなった ⑱ピアノを弾くことが面白くなった ⑲その他〜内発的動機に関わる自由記述 ①保育者・教育者を目指す者としての意識の向上②進路がしっかり定まった③これまでの実習などを通して変化し

参照

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