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分離工学Ⅰ 平衡分離 蒸留プロセス

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(1)

初心者のための化学工学入門 分離工学 Ⅰ 平衡分離

2014/7/1

SCE・Net 松井達郎 26-7-1

Copyrightⓒ2014 SCEJ

(2)

1.

平衡分離の考え方

2.

蒸留

(1)

気液平衡

(2)

単蒸留

(3)

フラッシュ蒸留

(4)

精留の原理と仕組み

(5)

棚段と充填塔

(6)

塔効率と段効率

(7)

蒸留装置と付属設備

(8)

蒸留塔段数計算演習

3.

抽出

(1)

ミキサーセトラー

(2)

スルホラン三角図

(3)

代表的な向流抽出装置

(RDC) 4.

晶析

(1)

飽和溶解度

目次

(3)

1. 平衡分離の考え方

分離と相平衡

分配係数 Ki= yi/xi KA=yA/xA KB=yB/xB 分離係数 αAB =

𝑦

𝐴

/𝑦𝐵

𝑥

𝐴

/𝑥

𝐵 = KA KB

αABが1より大きいほどA,Bの分離が容易。

2成分の場合

𝑦

𝐴AB

𝑥

𝐴/ 1+(αAB -1)

𝑥

𝐴 F,xF

Q,yi

W,xi

i成分の組成xFをもつ原料Fがプロセス (単位操作)を経て組成yiをもつQと組成 xiをもつWに二相に分配され,分離した とする。

組成yiと組成xiは互いに平衡であると する。

相平衡 原料

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プロセス

(4)

単位操作

異相 単位操作

気相-液相 蒸留、精留

液相-固相 吸着、晶析、抽出 液相-液相 抽出

気相-固相 吸着

(5)

相平衡

蒸留 気相 液相

ラウールの法則

yiAB

x

i/ 1+(αAB -1)

x

i }

yi:i成分蒸気組成(モル分率),xi:i成分液組成(モル分率)

抽出 液相 液相

yi = Kixi

xi,yi,i成分の各相の液組成

晶析 固相 液相

x:固体の溶解度(モル分率) ln x=(ΔHf/R)(1/T𝐼 – 1/T)

ΔHf:溶融熱, T𝐼 :融点

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(6)

操作論と単位操作

単位プロセスと操作論

操作論 ・連続と回分(時間のファクター)

・向流と並流

・段数(離散型)と微分型または連続(位置のファクター) 平衡操作と操作論を加味した単位操作(システム)が全体の種々の性 能を発揮する。

離散と連続

距離(時間) 濃度

濃度

段数

連続型(充填塔) 離散型(棚段)

(7)

2. 蒸留

下図はウィスキー、焼酎などアルコール度数(重量%)の高 いお酒を造るのに使われている濃縮装置である。麦を発酵 させたもろみ(15度)を蒸発釜(ポットスチール)に移し、加 熱して蒸留させる。蒸気側にアルコールが濃縮される。

1

回の蒸留で40度、

2

回の蒸留

60

度に上げる。単蒸留に近い 設備で濃縮する。

(共沸点 93度重量%)

蒸気y

液x

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0 20 40 60 80

y y (

%)

x 液(アルコール重量%)

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凝縮

y=x

(8)

水とアルコール(エタノール)の蒸気圧

大気圧

(760mmHg)

(9)

(1) 気液平衡

気相 液相

i成分化学ポテンシャルμi(g) i成分化学ポテンシャルμi(l) μi(g)=pi(t)=πyi μi(l) =PiS(t)xi

(ラウールの法則) 相平衡ではμi(g)=μi(l)

πyi=PiS(t)xi

P

iS

(t):i成分飽和蒸気圧,π:全圧,x

i

:液組成(モル分率),y

i

:蒸気組成(モル分率)

yi= PiS(t)xi

全圧 π=

𝑖=1 𝑁 𝑝

𝑖(t)=

𝑖=1 𝑁 𝑝

𝑖S(t)xi

純物質の液体の蒸気圧(PiS(t))は温度tに対して固有の値をもっており Antoineの式で表される。

Log10(PiS(t)/Torr) = A -

𝑩

𝑪+𝒕(℃)

(A,B,Cは物質固有のパラメータ)

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(10)

トルエンの不均化プロセス

2 → CH

3

(CH

3

)

2

+

(

蒸留分離の例

)

(11)

蒸気組成yiに対して

yi = piS xi /π= piS xi /

𝑖=1 𝑁 𝑝

𝑖S(t)xi 二成分系では

y1 = p1S x1 /π= p1S x1/(p1S x1 + p2S x2 )

= (p1S / p2S)x1/{(p1S / p2S)x1+(1-x1)

=αx1/{1+(α-1)x1} 但し 比揮発度α=p1S /p2S

通常添え字1の成分(本系ではトルエン)は添え字2の成分(本系ではキ シレン)よりも低沸成分をとるからp1S > p2S、α >1であり、トルエンの m-キシレンに対する比揮発度は以下の表のとおりとなる。

温度

()

100 110 120 130 140

比揮発

(α)

2.38 2.30 2.23 2.16 2.10

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(12)

各成分の蒸気圧

Log10(p/mmHg)=A -

𝐵

𝐶+𝑡(℃)

Antoineの式

A BB C

m-

キシレン

7.00908 1462.226 215.105

トルエン

6.95464 1344.8 219.482

(13)

トルエン /m キシレン系 温度と蒸気圧、比揮発度の関係

2.05 2.1 2.15 2.2 2.25 2.3 2.35 2.4

1 10 100 1000 10000

80 90 100 110 120 130 140 150

α

圧力(mmHg)

温度()

トルエン蒸気圧 m-キシレン蒸気圧 比揮発度

比揮発度

α

av.

=2.24

温度が低い

(

蒸気圧が 低い

)

と比揮発度は増 大する。

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(14)

x-y線図

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

y

x

x-y

線図

(

トルエン

/m-

キシレン系

)

X:

液相中の低沸成 分のモル分率

y:

気相中の低沸成分 のモル分率

(y>x) y=

𝛼𝑥

1+ 𝛼−1 𝑥

(15)

沸点と露点の関係

(トルエン-mキシレン系)

105 110 115 120 125 130 135 140 145

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

(

)

x,y(モル分率)

露点 沸点 圧力

大気圧

露点:

大気圧下、蒸気組成 が凝縮し始める温度

沸点:

大気圧下、液組成 が沸騰し始める温度

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(16)

パソコン(excel)上での沸点、露点の求め方

Log10 (p/Torr) = A -

𝐵

𝐶+𝑡(℃)

p(tol)x + p(mX)(1-x) = 760 ①

Excelゴールシーク(データ,what-If分析)上より

温度tを仮定して①より760- p(tol)x + p(mX)(1-x)が0(目標値)にな るtを求める。この値がxにおける沸点となる。

逆に760(1-y)={p(mX)/p(tol)} {p(tol)-760y}となるtをExcelゴール シーク(データ,what-If分析)上より求めその値がyにおける露点とな る。

(17)

(2) 単蒸留

釜の中に混合液体を仕込み、外から加熱していくと釜の中の液体は 蒸発していき釜の中の液体が減っていく。蒸発した蒸気は外部冷却さ れて凝縮される。このような蒸留挙動を単蒸留と定義する。

釜の中にA,B二成分の液量をAモル、Bモルが仕込まれていて、その成 分モル分率を

x

A

,x

Bとする。A,Bの比揮発度αABは一定とする。いま微小 量の混合物が留出したとすると留出した微小A,Bの比は缶内のA,Bの 各々減った量に等しく、更に揮発度の定義から

−𝑑𝐴

−𝑑𝐵

=

𝑦

𝐴

𝑑𝑉

𝑦

𝐵

𝑑𝑉

AB

𝑥

𝐴

𝑥

𝐵 = αAB

𝑊𝑥

𝐴

𝑊𝑥

𝐵 = αAB

𝐴

𝐵

式(1)

加熱

蒸発

液体

冷却水 凝縮液

x

A

,x

B

蒸気

y

A

,y

B

コンデンサー

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A,Bモル

(18)

式(1)を整理して積分すると dA/A = αAB dB/B

𝐴

2

𝐴

1

𝑑𝐴

𝐴

= αAB

𝐵

2

𝐵

1

𝑑𝐵

𝐵

ln

𝐴

1

𝐴

2AB ln

𝐵

1

𝐵

2 (2)

式(2)において単位はモル単位でも重量単位でもよく、2成分でも多成 分でも成立する。

上記の単蒸留の解析の他、下記解析法(Rayleighの式)があるが、実用 的には上記の式(2)が便利である。

d(Lx)=ydL → xdL + Ldx = ydL (但しL:缶内液量) (y-x)dL = Ldx →

𝐿

0

𝐿

1

1

𝐿 𝑑𝐿

=

𝑥

0

𝑥

1

1

𝑦−𝑥 𝑑𝑥

= ln(L1/L0) 二成分系では y =αx/{1 + (α-1)x}

上式に代入して積分すると

ln (L0/L1) = (1/α-1){ ln (x0/x1) +αln(

1−𝑥

1)}

(19)

単蒸留の演習問題

問題 単蒸留缶にトルエンとm-キシレンの混合物が100モル仕込 まれている。その中にトルエンが50モル%存在していた。単蒸留 を始めてある時刻で留出液量が50モル得られた。釜残中のキシレ ンは何%に濃縮されたか。

解) トルエン、キシレンをA,Bとし初期値を添え字1とする。

ある時刻を添え字2として A1=50, B1=50

A2+B2=50, B2=50-A2 式(2)よりln

50

𝐴

2 = 2.24 ln

50

50−𝐴

2

上式を試行計算よりA2=18.2モル

従ってトルエン濃度は18.2/50=0.364モル分率。キシレン濃度 は缶側に63.6モル%に濃縮された。蒸気側ではトルエン濃度は (50-18.2)/50=0.636 即ちトルエンは蒸気側に63.6モル%濃縮され た。

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(20)

(3) フラッシュ蒸留

連続的に単蒸留を行う方法である。原料を加熱し、減圧下で 一挙に蒸発させ、気液を分離する。

F = D + W ① FxF = WxW + DxD

留出液と回収液は平衡関係にあるから理想 系ではその組成は

xD =

𝜶𝒙

𝑾

𝟏+(𝜶−𝟏)𝒙

𝑾

熱収支より FhF(T)=DH(t)+WhW(t) D/W =

𝒉

𝑭

𝑻 −𝒉

𝒘 (

𝒕)

𝑯 𝒕 −𝒉

𝑭

𝒕(𝒕)

全圧兀が与えられると温度tを仮定して④よりD/Wを求める。

①, ②, ③よりx , x が求まり、平衡組成における温度が

加熱

T

減圧弁

コンデンサー 留出液

回収液

W,x

w

D,x

D

原料

F,X

F

(21)

フラッシュ蒸留計算の演習

原料状態とフラッシュ率D/W が与えられるとトルエンはどの程度蒸 気側に濃縮されるだろうか。

F=1.0,D/W=1.0,xF=0.5とする。トルエン/m-キシレンの比揮発度

𝜶

=2.24 であるからフラッシュ後の液中の低沸成分のモル分率をxとして低沸成 分についての収支をとると

1×0.5 =

2.24𝑥

1+1.24𝑥

×0.5 + 0.5x

0.5(1+1.24x) = 0.5x(2.24x) + 0.5x(1+1.24x) x2 + 1.61x = 0.81

x=0.402 y=1-x=0.598

即ち原料中の低沸成分が0.5に対してフラッシュ蒸留では留出組成が 0.598しか濃縮されたに過ぎない。単蒸留の63.6%よりも濃縮性が低 い。

濃縮倍率をもっと大きくするために、蒸留として精留操作が取り入 れられる。

=

𝜶𝑥

1+ 𝜶−1 𝑥

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(22)

(4) 精留の原理としくみ

3.1 気液向流操作

化学装置の操作の特徴として向流操作が重要な因子なる。

向流操作を導入することにより伝熱装置は小さい装置で済む。物質交換 を目的とするガス吸収や吸着、蒸留では高効率の分離が可能となる。

高温流体 気液平衡線

低温流体 操作線

塔底 塔頂

熱交換器 精留装置

蒸留では高度の分離が要求され、精留と称して蒸気と液を向流で接触さ 低沸成分濃度

伝熱管の長さ

塔長 温度

推進力 推進力

(23)

蒸留塔の構成

コンデンサー 冷却水

留出液

抜出量 D

缶出液抜出量 W

リボイラー 原料

濃縮部

回収部

スチーム ドレイン

n-1 n n+1

m-1 m m+1

蒸気

液 蒸気

物質交換

(

物質移動

)

物質交換

(

物質移動

)

還流R

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(24)

蒸留塔における気液向流操作(濃縮部)

濃縮部

塔内上昇蒸気量 V=R+D

塔内下降液量 L,還流量 R, 塔頂抜出量D n段 L=R,V=R+D, 還流比r=R/D

Lxn+DxD=Vyn+1 破線内での低沸成分収支

yn+1=(L/V)xn+(D/V)xD yn+1 =

𝑟

𝑟+1

xn+

1

𝑟+1

xD ① 濃縮部操作線 但し yn+1 : n+1段より上昇する蒸気組成

xn : n段より下降する液組成 r : 還流比

xD : 留出液組成(塔頂留出液組成) 式 ①においてxn = xDではyn+1= xD

コンデサー

L,xn

V,yn+1 供給 n+1段

F,zF

W, xw 濃縮部

回収部

V

R D

x

D

(25)

蒸留塔における気液向流操作(回収部)

回収部

塔内上昇蒸気量 V=R+D 塔内下降液量 L=R+F

F:原料供給量、zF:原料組成 Vym+1+WxW=Lxm

ym+1=(L/V)xm–(W/V)xW ② 回収部操作線 但し W:缶出抜出量, xW:缶出液組成

ym+1 : m+1段より上昇する蒸気組成 xm : m段より下降する液組成

式 ②においてxm= xWではym+1= xW

コンデサー

L,xn

V,yn+1 供給 n+1段

F,zF

W, x

w

V,ym+1 L,xm m段

m+1段 濃縮部

回収部

破線内での低沸成分収支

V

D x

D

R

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(26)

最小還流比R

m

と最小理論段N

m

(1) 最小還流比 Rm

(2)最小理論段 Nm

1

0

0 1

A(x

D

,x

D

) B(x

F

*,y

F

*)

xD zF

操作線傾き 𝑅𝑚

1+𝑅𝑚

=

𝑥𝐷−𝑦∗𝐹

𝑥𝐷−𝑥∗𝐹

∴ R

m

=

𝑥𝐷−𝑦𝐹∗

𝑦𝐹∗−𝑥F

操作線 傾き=

𝑅𝑚

1+𝑅m

y

A

y

B

𝑥

𝐴

𝑥

𝐵

全還流の場合 操作線の傾きは1であり、 yn+1=xn, ym+1=xm

R

m

を求め る。

x ) = y ) =

α(

𝑥 ) =

α(

𝑦

)

=

α2(

𝑥 )

= -- = αNm+1

x )

y

x

原料組成z

F

からR

m

を求める。操作線と気液

平衡線の交点をB(x

F

*,y

F

*)とする。

(27)

全還流

全還流であるから Ln=Vn+1

Lnxn,i=Vn+1yn+1,i

∴xn,i= yn+1,i

xn,i :n段目から落下するi成分液組成 yn+1,i:n+1段目から上昇するi成分蒸気

組成

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n+1 n

Ln,xn,i Vn+1,yn+1,i

(28)

x-y線図と最小還流比

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

y

x

x-y

線図

(

トルエン

/m-

キシレン系

)

X:

液相中の低沸成 分のモル分率

y:

気相中の低沸成分 のモル分率

(y>x) y=

𝛼𝑥

1+ 𝛼−1 𝑥

z

F

y

F

=

𝛼𝑧F

1+ 𝛼−1

z

F

y

F

x

D

原料が沸点の液で供給 される場合垂直

(q=1)

(29)

理論段と還流比の決定 (Gilliland の相関 )

還流比と理論段の関係

Gilliland

の相関

最小還流比

r

mと最小理論段数

n

mが算出できれば

Gilliland

の相関を用いて最適

(

経済性

)

な還流比と理論段の関係を求めることができる。

還流比は運転費

(

蒸気、水、電気等の用役費

)

に相関し、理論段は固定費

(

蒸留 塔等の設備費

)

に相関する。

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(30)

(5) 棚段と充填塔

蒸留塔には棚段式と充填式に大別される。棚段には泡鐘トレイ、多孔 板トレイ、バブルトレイがある。

充填塔は、塔内に充填物を充填し、充填層を上昇する蒸気と充填物の 表面を流れ落ちる液との気液向流接触して気液平衡と物質移動が行わ れる。

充填塔には1理論段当たりの充填高さHETP(Height Equivalent to a Theoretical Plate)と移動単位数NTU(Number of Transfer Units)に基 づく移動単位当たりの高さHTU(height of a Transfer Unit)が使われ ている。

LMdx=GMdy=kya(yi-y)dZ=kxa(x-xi)dZ Z=( GM

kya)

𝑦

1

𝑦

2

𝑑𝑦

𝑦

𝑖

−𝑦

= ( LM kxa)

𝑥

1

𝑥2

𝑑𝑥

𝑥

𝑖

−𝑥

=(HTU)(NTU) (但しyiはxに平衡なy,xiはyに平衡なxである。)

HTUは実験データに基づく推測値から、NTUは図積分から充填塔高さZ

(31)

HETPと蒸気空塔速度の関係

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(32)

(6) 塔効率と段効率

蒸留塔の一段で気液平衡が成立する場合その段を去る液と蒸気は 平衡関係にあるが、段内で理想的な気液接触が成立しているわけ ではなく、理論段よりも多くの段数を必要とする。理論段数Nthと 実際の段数Nacの比(Nth / Nac)を塔効率という。

段効率は以下の式で定義される。

E=(yi - yi+1)/(yiOUT - yi+1)

ここでyi, yi+1はi段,i+1段より発生する蒸気組成、yiOUTはi段より 流出する液と平衡にある蒸気組成である。

Eは概ね0.4~0.8である。解析的に解かれている。

yiOUT 平衡線

y yi xi+1

yi+1 操作線 xi

(33)

フラディングとウィーピング

液流量

蒸留塔は気液向流操作であり、適切な設計、操作でないとフ ラデイング現象(上から下降する液体が下から上昇する蒸気に よって持ち上げられ下降できなくなる)を生じる。塔径を決め る際の重要な因子。流量が少ないとウィーピングと称して液 がショートパスして落下し、気液接触が十分されず極端に効 率低下を引き起こす。

蒸気

安定操作領域

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(34)

充填塔の内部構造

(35)

(7) 蒸留装置と附属設備

代表的な連続精留装置

棚段塔

(

泡鐘塔

)

コンデンサー

リボイラー

予熱器

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(36)

各種充填物

(37)

泡鐘段の構造

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(38)

(8) 蒸留塔段数計算演習

例題 トルエン/キシレンの混合物のxF供給組成=0.5として塔頂 留出液組成xD=0.9,塔底缶出液組成xW=0.1 とした場合の蒸留塔 濃縮部及び回収部における各々の理論段を求めよ。

解 F=D+W

低沸成分の収支をとると 0.5F = 0.9D + 0.1W

F=1.0とすると

0.5 = 0.1W + 0.9(1-w) D=0.5, W=0.5 次に階段作図をする。

(39)

階段作図(0.1-0.9)

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

y

x

気液平衡 濃縮部操作線 回収部操作線 濃縮部操作線 (y−0.9)/(x−0.9)

=

𝑟

/(

𝑟

+1)

y= (0.9+

𝑥𝑟

)/(1+

𝑟

) r=4.0

理論段6段強 回収部操作線

(y−0.1)/(x−0.1)

=𝐿/𝑉

=(

𝑟

+

𝐹

/

𝐷

)/(

𝑟

+1)

= (

𝑟

+2)/(

𝑟

+1)

m-

キシレン

/

トルエンの分離

x

D

=0.9 x

W

=0.1

1N 2N

3N 4N

5N 6N

7N

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y=x

気液平衡線

(40)

階段作図の手順

1. 気液平衡線をx-y線図上に正方方眼紙に描く。

目盛はモル分率の単位で縦軸、横軸共に0-1.0にとる。

2.対角線を引く。

3.塔頂留出組成xDと塔底缶出組成xWを対角線上にプロットする。

4. 対角線上のxD,xWの点を基点にして傾斜に見合った操作線を引く。

濃縮部の操作線の傾斜 = r/(r+1) (r:還流比)

回収部の操作線の傾斜 = L/V=(R+F)/(R+D) = (r+F/D)/(r+1) 5.4.の操作で得られた濃縮部、回収部の操作線と気液平衡線の間を

階段作図して濃縮部、回収部の理論段数を各々求める。

濃縮部操作線 傾き =r/(r+1)

1

(41)

演習問題

(8)の演習問題において 塔底濃度xWを5%,塔頂濃度xDを95%に設計変更し た場合の還流比と理論段数をx-y線図を利用して求めよ。

還流比

r=4, D=0.50,W=0.50

理論段 濃縮部

4N,

回収部

4N

x

D

=0.95 x

W

=0.05

濃縮部の操作線 0.95−𝑦

0.95−𝑥

= r/(r+1)=0.8

回収部の操作線 0.05−𝑦

0.05−𝑥

= L/V=

𝑟+2

𝑟+1

= 1.2

0.4 0.6 0.8 1

0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

液モル分率

気液平衡 操作線 濃縮部

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

液モル分率

気液平衡 操作線

回収部 1N

2N

3N

4N

1N 2N

3N 5N

回収部操作線

濃縮部操作線 4N

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y=x

y=x

回収部

気液平衡線 気液平衡線

(42)

抽出とは固体原料または液体原料を液体溶剤(抽剤)により処理して 原料中の可溶性成分(溶質)を溶解分離する操作である。抽出後可溶性 成分と溶剤との混合物(抽出液)と抽残物を分離し、抽出液は蒸留、蒸 発によって溶質と溶剤に分ける。

抽出プロセス 抽出例

・ 芳香族抽出

・ 金属イオン抽出

・ 各種合成物の精製、

3. 抽出

抽出液

抽剤 抽残液

原料 溶質

溶剤 抽出操作

(43)

パラフィン中の芳香族(ベンゼン、トルエン、キシレン)をスルホラン で抽出する。石油化学の分野で広く工業的に使われている。

原料 オクタン 0.8 ベンゼン 0.2

溶剤 スルホラン1.0

オクタン 0.89 ベンゼン 0.10 スルホラン0.01 スルホラン層 オクタン 0.04

ベンゼン 0.10 スルホラン0.86 (溶剤スルホランはShellが1950年代開発した。)

混合

オクタン層

(1.15kg) (0.85kg)

SO2

スルホラン構造

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R

(

抽残液

)

E

(

抽出液

) ( 2.0kg)

二層分離

例題Ⅰ(液液系抽出)

(44)

スルホラン法BTX抽出プロセス

原料

分解ガソリン

ラフィネート

溶剤(スルホラン)

B,T,X(合繊、プラの原料)

(45)

例題Ⅱ 固体抽出

コーヒー豆中のカフェインを除去する。最近超臨界CO2の優れた抽出性 を利用してコーヒー豆の抽剤としてCO2が超臨界状態で利用されている。

CO2状態分布

CO

2

ボンベ ポンプ

熱交 抽出器

分離器

CO

2

温度

( ℃ )

(Mpa )

31 ℃ 7.4MPa

超臨界領域

(

液体

)

(

気体

) (

液体

)

三重点 沸点曲線

(

固体

)

Pc(

臨界圧力

)=7.4MPa Tc(

臨界温度

)=31 ℃

コーヒー豆中のカフェ インを

0.7-0.8%

0.02%

まで除去する。

コーヒー豆

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(46)

(1) ミキサーセトラー

(例 分解ガソリンより芳香族を抽出する。)

原料 F, x

F

溶剤

スルホラン S

オクタン層(x

R

),R(抽残液) スルホラン層(y

E

), E(抽出液)

M

ミキサー セトラー

(混合) (静置) F + S = M = E + R

Fx

F

= R(x

R

) + E(y

E

) = Mz

M

= Ey

E

+ Rx

R

y

E

とx

R

は液液平衡関係。

抽出率 ε= Ey /Fx

(47)

(2)スルホラン溶剤-ベンゼン-オクタン三角図

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プレイトイント

二相分離領域 均一相

抽出液

(E)

抽残液

(R))

K

A

=y

A

,

E

/x

A

,

R

K

B

=y

B

,

E

/x

B

,

R

分離係数α=KA/KB

R E

タイライン

出典 化学工学便覧

y

A

,

E

47

(48)

抽質の選択性

mi=yi/xi yi:溶剤(抽出液)中のi成分重量分率

xi:ラフィネート(抽残液)中のi成分重量分率 選択性:βi= yi/xi

yHX/xHX i:ベンゼンではβi=30 (HX:ヘキサン)

(蒸留の比揮発度αに相当する。) トルエンではβi=22, i=キシレンではβi=16

(49)

(3) 代表的な連続向流抽出装置(RDC)

軽液

重液

出典 化学工学便覧

軽液

重液

液液向流操作は気液 向流操作

(

蒸留、ガス吸

)

と同様にフラッディン グ現象を抑えるため に、処理量

(

塔径

)

、翼の 回転数に制限がある。

段間の仕切りが十分で なく逆混合が大きくて段 効率が

10-30%

とかなり 悪い。

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(

抽剤

)

(

原料

)

(

抽出液

)

(

抽残液

)

(50)

4. 晶析

温度を下げたり、蒸発により濃縮したり、反応させて溶解度以上の 溶質濃度が存在すると溶解度まで結晶物が析出し、これを晶析と呼 ぶ。食品や医薬品を始め様々な工業で最終製品や中間製品の分離・精 製に巾広く用いられている。

溶解度曲線

A点にあった状態を冷却し ていくと、溶質濃度が飽和(B 点)に達したのち、ある温 度、ある過飽和度に達して(C 点)、初めて結晶の核化が観 察される。このときの温度に 対する初濃度を過溶解度 (ΔCm)と呼ぶ。初濃度を変え て得られた温度と過飽和度の 関係を過溶解度曲線と呼ぶ。

飽和溶解度曲線より下の領域 は未飽和領域で安定な状態で あり、過溶解度曲線と溶解度 過飽和度溶解曲線

(51)

(1)飽和溶解度

固液平衡

溶解度の熱力学的推算では理想溶液の場合次式に記述できる。

ln x=(ΔHf/R)(

1

𝑇

𝐼

1

𝑇

) ---- ③

x:溶質のモル分率,ΔHf:溶質の融解熱(J/mol),

𝑇

𝐼:溶質の融点(K) R:ガス定数(=8.314J/(K・mol))

例題 ナフタレンの融点は80℃,融点における融解熱は

19.29kJ/mol,25℃における溶解度は③式に代入して(19290)(353.2-1- 298.2-1)/8.314=-1.22=lnx

∴ナフタレンの溶解度は x=0.295モル分率

例題 温度49℃、濃度32.5%のMgSO4水溶液を晶析器で21℃まで冷却 した。21℃の飽和濃度は29.5%としてMgSO4・7H2Oの結晶析出量はいく らになるか。

原液1kg当たりの結晶量をxkgとすると結晶物中のMgSO4はMgSO4の分 子量は120.4, MgSO4・7H2O の分子量は246.6だからx(120.4/246.6)

=0.488xkg MgSO4の収支をとると 0.325=0.488x+(1-x)(0.259)

∴ x=0.288kg

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(52)

(2)結晶化核発生と結晶成長

核発生

まず核が発生して溶液が懸濁し、その後粒子群が成長する。点Aが冷 却されると点Bで飽和に達し、点Cで過飽和状態になって核が発生して同 時に結晶は成長する。

結晶の成長

dW/dθ=K0MA(C-CS),M:結晶の分子量(kg/mol),A:結晶の表面積(m2), k0: 物質移動係数(m/s),θ:時間(s),C-CS:液体濃度と界面濃度の差(mol/m3), N:結晶の個数,ρc:結晶の密度φv:体積形状係数(=π/6),φs:面積形状係 数(=π),W:結晶質量(kg)

W=NρcL3φv,A=NL2φs → dL/dθ=(Mφs/3ρcφv)K0(C-CS)

結晶の成長速度dL/dθは結晶粒径Lに依存しない。 → ΔL法則 上式を積分すると製品粒径L=Lpになる時間はθ=

3

ρcφv(Lp−LS)

φ

M

K

(C−

C ) 式(A)

(53)

結晶成長モデル

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溶液 結晶

境膜

表面 C

CS

(54)

5. 演習問題(1),(2)

5,1 単蒸留の演習問題

単蒸留釜にベンゼンとトルエンの混合物が1kg仕込まれていた。その中 のトルエン含有濃度は50重量%であつた。単蒸留を始めてある時刻での 留出液量は0.5kgであり、その中のトルエンは34重量%であった。トル エンに対するベンゼンの比揮発度を求めよ。

5.2 Gillilandの相関図を利用して次の条件(1),(2)での理論段数を求 めよ。又階段作図により求めた理論段数と比較せよ。

(1)還流比r=4,xF=0.5,xD=0.9,xW=0.1 (2)還流比r=4,xF=0.5,xD=0.95,xW=0.05

(55)

5. 演習問題(3)

5.3 抽出の問題

25℃で30wt%のエタノール水溶液40kgに、エチールエーテル60kgを加え て抽出を行ったときの抽出液,抽残液の質量及びエタノールの抽出率を 求めよ。エタノール、水、エチルエーテルの三角図においてF点は

30wt%エタノール水溶液の座標を示す。

1.0

1.0 0

0.5 0

0.5 0.3

A(エタノール)

C(エチールエーテル) B(水)

F

M E

R

F

C

を結び

,FM:MC=60:40

になる点

M

を決め る。

M

点が

30wt%

のエタノール水溶液

40kg

とエ チールエーテル

60kg

を混合した状態の三角図 の座標を示している。

M

を通る対応線

(

タイライ

)

の両端

E

R

の座標を読むと、抽出液

(E)

の組 成の座標は

x

A

=0.13,x

C

=0.84,x

B

=0.03

抽残液

(R)

の組成の座標は

x

A

=0.25,x

C

=0.08,x

B

=0.67

であった。

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