第2学年 数学科学習指導案
期 日 令 和 ○ 年 ○ 月 ○ 日 対 象 男子○人 女子○人 計○人
指導者 ○ ○ ○ ○
1 単元名 図形の性質の調べ方 2 単元について
(1) 単元の位置とねらい (略)
(2) 本単元における思考力・判断力・表現力等の育成について
新学習指導要領において,中学校数学科の目標では,育成を目指す「思考力,判断力,表現 力等」に関わる資質・能力を,「数学を活用して事象を論理的に考察する力,数量や図形などの 性質を見いだし統合的・発展的に考察する力,数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確 に表現する力を養う」としている。また,本単元においては,次のような思考力,判断力,表 現力等を身に付けることが示されている。
ア 三角形の合同条件などを基にして,三角形や平行四辺形の基本的な性質を論理的に確か めたり,証明を読んで新たな性質を見いだしたりすること。
イ 三角形や平行四辺形の基本的な性質などを具体的な場面で活用すること。
このような力を育成するために,
① 学習問題設定の工夫
② ペア,グループ活動の充実
③ 学習内容の定着と自己評価のための振り返りの工夫
の3点を授業づくりのポイントとして設定した。その設定理由は,以下のものである。
①については,平成30年度鹿児島学習定着度調査報告において,課題解決に不必要な情報を 含む問題から,必要な情報を読み取る場を設定することが,授業改善のポイントとして挙げら れている。多くの情報を含む問題を読み取る経験を積む中で,図や表,式等の数学的表現を用 いて表す能力を養い,事象を簡潔・明瞭・的確に表現する力が身に付いていく。
②については,学びの羅針盤において,視点を明確にしたペア,グループ活動を行うことが,
質の高い授業の展開例として挙げられている。解法の到達度を段階的に設定することで,自力 解決で自分がどこまでできたのかを把握した状態でペア,グループ活動を行うことができ,グ ループ活動においても,その到達度を高め合うという視点を基にすることで,数学を活用して 事象を論理的に考察する力が身に付く。
③については,②と同様に学びの羅針盤において,本時の学習で何が身に付いたかを実感し,
生活や次の学習に生かしていこうとする意欲を養うことが,質の高い授業の展開例として挙げ られている。振り返りを行うことで,自分の考えや他者の考えを統合的・発展的に考察する力 が身に付く。
(3) 指導上の留意点
ア 具体物やパワーポイントを用いて既習事項を振り返らせながら学習問題を考えさせること で,スムーズに学習課題につなぎ,本時の学習を焦点化させる。
イ 全員がグループ活動に参加できるように,自力解決の場面で自分の考えをもたせておく。
ウ 振り返りにおいて,発展的な問題を扱うことで,考えが一般化できるようにする。
3 単元の目標
(1) 平行線と角の性質を理解するとともに,多角形の角についての性質を見いだすことができる ことを理解する。また,平面図形の合同の意味及び三角形の合同条件について理解する。さら に,証明の必要性と意味及びその方法を理解する。
(2) 基本的な平面図形の性質を見いだし,平行線や角の性質を基にしてそれらを確かめ,説明す ることができる。また,三角形の合同条件を基にして三角形や平行四辺形の基本的な性質を論 理的に確かめたり,証明をよんで新たな性質を見いだしたりすることができる。
~~~
4 指導計画及び評価規準(全18時間)
時間 主な学習活動 生徒の思考の流れ 教師の具体的な働きかけ 評価規準 1 ●合同な三角形のかき方 ●小学校で学習した三角形の作 ●いくつかの方法で合同な図形を作 ●三角形の性質をに関心をもち,操作活動な
を考える。 図の仕方を思い出し,作図をす 図させ,作図に必要な条件を見いだ どを通して,新たな性質を見いだそうとして
●平面の敷き詰めを基に る。 させる。 いる。(態)
して,等しい角の位置関 ●等しい角の位置関係を直感的 ●同じ角が図の中のどこにあるかを ●平面を三角形で敷き詰めたときの等しい角 係について調べる。 に見いだす。 確認させ,それぞれに印を付けさせ の位置関係などを考えることができる。(思,
る。 判,表)
2 ●対頂角の意味と性質を ●対頂角,同位角,錯角の意味 ●対頂角,同位角,錯角を,二つの ●対頂角,同位角,錯角の意味 理解する。 を理解し,対頂角や平行線の性 角の位置関係を表す用語としてまと を理解している。(知,技) 4 ●同位角,錯角の意味を 質 を 用 い て 角 の 大 き さ を 求め める。 ●対頂角や平行線の性質を見い
理解する。 る。 ●対頂角や平行線の性質を操作活動 だし,それらを根拠を明らかに
●平行線と同位角,錯角 ●平行線と同位角,錯角の関係 を通して直感的に理解させるととも して筋道立てて説明することが の関係を理解する。 を理解し,定理としてまとめる。 に,筋道立てた説明にも触れる。 できる。(思,判,表) 5 ●三角形の内角や外角に ●小学校で学習した三角形 ●平行線の性質を用いるための ●三角形の内角の和は 180
関する性質を,平行線の の三つの角の和が 180 °に 補助線の引き方を考えさせる。 °であることを平行線の性 9 性質などを用いて論理的 なることを,平行線を利用 ●多角形をいくつかの三角形に 質を用いて説明することが
に確かめる。 して説明する。 分けることで,内角の和を求め できる。(思,判,表)
●多角形の内角の和や外 ●三角形の内角の和を基に させ,それを基に外角の和を求 ●多角形の内角と外角及び 角の和を,三角形の角の して,多角形の内角の和を めさせる。 内角の和と外角の和を求め 性質などを基にして求め 求め,外角の和を求める。 ることができる。(知,技)
る。
●確かめよう
10 ●合同な図形の性質を理 ●合同な図形の性質をまと ●合同な図形を,対応する線分や角に注目 ●2つの図形が合同であることを記号を用い 解する。 める。 し,性質としてまとめさせる。 て表すことができる。(知,技) 11 ●二つの三角形が合同に ●小学校で学習した合同な図形のか ●合同な三角形をかくには三つの要素(辺 ●三角形の決定条件を基にして,2つの三角
なるための条件を調べる。 き方を思い出して作図し,条件とし や角)を使えばよいことを確認させる。 旗絵が合同になるための条件を見いだすこと 12 ●三角形の合同条件を理 てまとめる。 ●向きが異なっていたり裏返しになってい ができる。(思,判,表)
解し,それを用いて二つ ●三角形の合同条件を適用して,そ たりしても,合同条件の示す二つの要素が ●三角形の合同条件を用いて合同な三角形を の三角形が合同であるか れぞれの三角形が合同か否かを判断 等しければ三角形は合同であることを確認 見つけ,記号を用いて表すことができる。
どうかを調べる。 する。 させる。 (知,技)
13 ●証明の必要性と意味を ● 証 明 を 読 み 取 り な が ●分かっていることは何か, ●仮定と結論,証明の意味 理解する。 ら,証明の意味を理解す 証明することは何かを明確 を理解している。(知,技) 16 ●仮定と結論の意味を理 る。 にする。 ●図形の性質を証明するた
解する。 ●正しく図をかき,仮定 ●必要に応じて,仮定は青, めに,構想や方針を立てる
●図形の性質を証明する と結論を明確にし,その 結論は赤などで,辺や角な ことができる。(思,判,表) 手順を理解し,簡単な図 証明の仕方について考え どに印を付ける。 ●図形の性質を証明するこ 形の性質を証明する。 る。 ●ここでまとめた図形の性 とに関心をもち,その必要
●証明の根拠となる図形 ●図形の性質についてま 質が,今後証明の根拠とし 性と意味を考えたり,証明 の基本的な性質について とめる。 て使われることを確認する。 の方法について考えたりし
理解する。【本時】 ようとしている。(態,人))
●確かめよう
17 ●4章のまとめの問題 18
5 本時(16/18) (1) 目標
証明の方針を立て,与えられた情報の中から必要な情報を読み取り,三角形の合同を証明する ことによって,図形の性質を確かめることができる。
(2) 本時のポイント
ア 多くの情報を含む図形を学習問題として扱い,自分で必要な情報を読み取りながら証明を進 めるという場面を設定する。
イ 自力解決の到達度を四段階に設定し,自分の到達度を理解した状態でグループ活動に取り組 ませる。なお,グループ活動においても,その段階を進んでいくことを視点として取り組ませ る。
ウ 振り返りにおいては,自分の変容に着目させて,記述させる。
(3) 実際
過程 主な学習活動 時間
教師の具体的な働きかけ (形態)
【目標の明確化】 2分
1 学習問題を把握する。 (一斉) 学習問題
下の長方形ABCDを点Dを通る直線で 折り曲げると,点Aが辺BC上に移った。
どのような直線で折り曲げたのだろうか。
導
2 学習問題に取り組む。 3分 ○ まず,点 A と辺 BC が重なる場所を特定しな (個) ければならないことに気付かせる。
3 作図の方法を確認する。 3分 ○ 作図によって折り曲げる直線を求めることが (一斉) できた生徒に発表させる。
○ 作図の方法を見付けられなかった場合は,教
入 師から提示する。
【作図の方法】
① 点 D を中心とし,辺DA の長さを半径と する円をかき,辺BCとの交点をPとする。
② ∠ADPの二等分線DQをひく。
4 学習課題を確認する。 2分
学習課題 (一斉)
作図した直線 DQ が折り目となること を説明するにはどうすればよいだろうか。
【子供が主役となる学び】
5 課題解決に向けての見通しをもつ。 2分 ○ 解決に向けて,「何を使って」といった視点を
生徒の反応 (個) 与え,見通しをもたせる。
・ 実際に紙を折って説明する。 ↓
展 ・ 証明する。 (一斉)
・ △DAQ≡△DPQを証明する。
・ 三角形の合同条件
6 学習課題に取り組む。 8分 ○ 課題解決の流れを確認させる。
開 (個) ① 分かっていることを挙げる。(記号や式を
用いて)
② 書き出したことを組み立てる。
③ 根拠を明らかにしながら説明する。
④ その他の方法についても考える。
A
B C
D
A
B C
D
P Q
過程 主な学習活動 時間 教師の具体的な働きかけ
○ 行き詰まっている生徒には,仮定と結論を確 認させ,△DAQ≡△DPQを証明するためには,
何が言えればよいかを考えさえる。
7 グループで意見交換を行う。 9分 ○ 意見交換の手順を確認させる。
(グル ① どのステップまで到達したかを具体的に ープ) 説明する。
展 ② 全員が同じステップに到達できるまで,
教え合う。
③ 次のステップについて,グループ全員で 考える。
○ 意見交換の視点を提示し,どのようなことに
開 注意しながら説明すればよいかを意識させる。
○ 考え方の筋道は適切か。
○ もっと簡潔に処理する方法はないか。
○ もっとわかりやすい説明はないか。
8 自分の考えを再検討する。 2分 ○ 意見交換で得た考えを参考に,自分の考えを (個) 再検討させる。
9 全体で確認する。 6分 ○ 根拠を明らかにしながら説明することができ (一斉) ているグループに説明させる。
【ラスト10分の充実】
10 本時のまとめをする。 2分 ○ 問題の解決過程を振り返らせ,まとめを行う。
まとめ (一斉)
図形の性質を確かめるためには,三角 形の合同の証明を利用すればいい。
多くの条件が与えられているときは,
証明に必要な条件を取り出す。
終 11 練習問題に取り組む。 7分 ○ 学習問題の作図方法をもとに考えさせる。
(個) ○ 行き詰まっている生徒には,作図の方法を提 下の四角形ABCDを,点Aが辺BC上 示し,証明に取り組ませる。
に移るように点 D を通る直線で折り曲げ る。折り目となる直線を作図しなさい。
また,その直線が折り目となることを証 明しなさい。
末
12 本時の振り返りを行う。 4分 ○ 振り返りシートに記入させる。
(個) (4) 評価
ア 証明の方針を立て,与えられた情報の中から必要な情報を読み取ることができたか。
イ 三角形の合同を証明することによって,図形の性質を確かめることができたか。
A
B C
D
(5) 板書計画
証明 学習課題
学習問題 作図した直線DQ が折り目とな 生徒の考え 下の長方形 ABCD を点 D を通る ることを説明するにはどうすれば
直線で折り曲げると,点 A が辺 BC よいだろうか。
上に移った。どのような直線で折り
曲げたのだろうか。 〈見通し〉
・証明する
・△DAQ≡△DPQを証明する。
結論
〈分かっていること〉 まとめ
AD=BC,AB=DC 図形の性質を確かめるために
∠A=∠B=∠C=∠D=90° は,三角形の合同の証明を利用 AD // BC,AB // DC すればいい。
AD=BC,AB=DC 多くの条件が与えられている
∠ADQ=∠PDQ,DQ共通 ときは,証明に必要な条件を取
∠ADP=∠DPC り出す。
(6) 発問計画(主要なポイントのみ) 発…発問 指…指示
学習活動 発問 ・ 指示
1 学習問題を把握する。 発:折り目となる直線はどこにあるのでしょうか。
2 学習問題に取り組む。 指:折り目となる直線を作図しなさい。
3 作図の方法を確認する。 指:折り目となる直線を作図できた人は発表してください。
発:納得できましたか。直線 DQ で折り曲げると本当に点 A は 辺BC上に移るのでしょうか。
4 学習課題を確認する。 発:今日はどのようなことを課題とすればいいでしょうか。
5 課題解決に向けての見通しを 発:納得のいく説明とは具体的に何をすればいいのでしょうか。
もつ。 指:△DAQ≡△DPQとなることを証明しましょう。
6 学習課題に取り組む。 指:課題解決までの流れを確認しましょう。
(しばらく個人追究をした後に) 発:今,分かっていることは何ですか。
発:△ DAQ ≡△ DPQ を証明するためには,何が言えればいい ですか。今挙げたことで使えるものはないですか。
7 グループで意見交換を行う。 指:ではグループで意見交換しましょう。意見交換は次の手順 で行ってください。
8 自分の考えを再検討する。 指:意見交換で得た考えを参考にして,自分の考えを再検討し,
必要があれば修正しましょう。
9 全体で確認する。 指:全体で確認しましょう。
発:他の考え方はありませんか。
10 本時のまとめをする。 発:図形の性質を確かめるためには,どうすればいいですか。
発:今回のように多くの情報があるときは,どんなことに気を つける必要がありますか。
11 練習問題に取り組む。 指:今日学習したことをもとに練習問題に取り組みましょう。
12 本時の振り返りを行う。 指:今日の授業で学んだこと,疑問に思ったこと,今後の課 題などを振り返りシートに記入しましょう。
A
B C
D
A
B C
D
P Q