2016年12月6日(火)10:50-12:20 平成28年度後学期 数学特論B 中間試験 問題・解答例・配点・シラバスとの対応・採点基準 4C・4E・4I 担当:笠井 剛 1
1 関数f(x) = 4x
1 +x2 の極値を求めて下さい。
配点:15点 シラバス達成度目標:ウ
【解答例】 f(x)は任意の実数で定義された微分可能な関数です。まずこれを微分す ると
f0(x) =4(1 +x2)−4x·2x
(1 +x2)2 = 4−4x2 (1 +x2)2
ですから、f0(x) = 0となるのはx=±1です。更に2階微分も計算すると y00(x) =(−8x(1 +x2)2−(4−4x2)2(1 +x2)2x
(1 +x2)4
=−8x(1 +x2)2
(1 +x2)4 +(x=±1で0になる項)
となっていますからf00(1) <0, f00(−1) >0が分かり、前者は極大値、後者は極小値 です。
以上から求める極値は極大値f(1) = 2、極小値f(−1) =−2のみです。
2 f(x) =ax5−x4+x3+bは極大値f(1) = 2をもちます。
(1)a, bの値を求めてください。
(2)f(x)の極値をすべて求めて下さい。
配点:(1)10点、(2)5点 シラバス達成度目標:ウ
【解答例】 (1)まず条件f(1) = 2からa+b= 2です。また、x= 1で極値ですか らf0(1) = 0となっていなければならず、f0(x) = 5ax4−4x3+ 3x2によれば
0 = 5a−4 + 3, 従って a= 1 5, b=9
5 が分かります。
(2)上の結果からf(x) = 15x5−x4+x3+95であり、
f0(x) =x4−4x3+ 3x2=x2(x2−4x+ 3) =x2(x−1)(x−3) なので、その他の極値の候補点はx= 0,3です。2階微分は
f00(x) = 4x3−12x2+ 6x= 2x(2x2−6x+ 3) であって、
f00(0) = 0, f00(1) =−2<0, f00(3) = 18>0 ですから、f(1) = 2は極大値、f(3) =−185 は極小値です。
f(0)が極値かどうかはこの情報では不明ですが、
f(x) =1
5(x5−5x4+ 5x3) +9 5 =1
5x3(x2−5x+ 5) +9 5
においてx3(x2−5x+ 5)の部分はx <0なら負であり、更にx3{x2+ 5(1−x)}と変 形すれば0< x <1で正です。
従ってf(x)の値はx <0では9
5 より小さく、0< x <1では9
5 より大きい事が分か り、f(0) = 95は極値ではありません。
以上から極値は極大値f(1) = 2と極小値f(3) =−185 です。
2016年12月6日(火)10:50-12:20 平成28年度後学期 数学特論B 中間試験 問題・解答例・配点・シラバスとの対応・採点基準 4C・4E・4I 担当:笠井 剛 2
3 次の極限値が存在するかどうか調べ、存在するならその値を求めて下さい。
(1)lim
x→1
x+ sinx
x (2)lim
x→1
x ex
配点:(1)10点、(2)15点 シラバス達成度目標:イ
【解答例】 (1) ØØØØsinx x
ØØ ØØ≤ 1
|x| →0 as(x→ 1) に注意すれば
x+ sinx
x = 1 + sinx
x →1 as(x→ 1) です。
(2)与式は 1
1の不定形です。そこで、分子・分母をそれぞれ微分したものの比を 考えると、
x0 (ex)0 = 1
ex →0 なので、l’Hˆopitalの規則により、
xlim→1
x ex = 0 です。
4 次の漸化式の一般解を求めて下さい:
Gn+2+Gn+1−6Gn= 0.
配点:10点 シラバス達成度目標:ア
【解答例】 特性方程式はt2+t−6 = (t−2)(t+ 3) = 0であって2つの実数解2,−3 をもちます。このとき−1 = 2−3,−6 = 2·(−3)に注意すれば漸化式は次のように2 通りに変形されます:
Fn+2−2Fn+1=−3{Fn+1−2Fn} Fn+2+ 3Fn+1= 2{Fn+1+ 3Fn}.
ここでFn+1−2Fn=Gn, Fn+1+ 3Fn=Hnと置けば、Gn+1=−3Gn, Hn+1= 2Hn
なので、これは簡単に解けてGn=A(−3)n, Hn=B2n が一般解です(A, Bは任意 の定数)。
従って元の数列Fnによる記述にもどせば、
Fn+1−2Fn=A(−3)n, Fn+1+ 3Fn=B2n
であり、第1式から第2式を引けば、Fn = ˜A(−3)n+ ˜B2n (A,˜ B˜は任意の定数)で す。
2016年12月6日(火)10:50-12:20 平成28年度後学期 数学特論B 中間試験 問題・解答例・配点・シラバスとの対応・採点基準 4C・4E・4I 担当:笠井 剛 3
5 球面とその中心を通る平面との交線を『大円』と呼ぶ事にします。球面上に3つ 以上の大円が同一点で交わることのないようにn個の大円を描いたとき、球面は Rn個の小領域に分割されるとします。
(1)Rnが漸化式
Rn+1−Rn = 2n を満たす事を証明して下さい。
(2)上の漸化式を解いてRnの一般項を求めて下さい。
配点:(1)5点、(2)5点 シラバス達成度目標:ア
【解答例】 (1)n個の大円でRn個の領域に分割されているところに新たにもう1 本大円を描いたときに、領域が幾つ増えるか見ます。
まずある既存小領域の内部の点から出発してぐるっと一周大円を描き終わるまでの間 に既存の全ての大円と2回ずつ、合計2n回交わります。
まず最初の既存大円と交わりますが、まだこの段階では領域は増えていません。そこ から更に進んで行って2つ目の大円と交わった瞬間に今通って来た領域が2つに分割さ れ、領域数は1つ増える事になります。
以降、既存大円と交わる度に領域が1つずつ増えて行きますから、最後の既存大円と 交わった時点で2n−1個だけ領域が増えた事になります。
ここから始点までの間にもう大円はありませんが、始点に戻って来た瞬間にもう1個 領域が増えていますから、漸化式:
Rn+1−Rn = 2n が得られました。
(2)
Rn=
nX−1 m=1
2m+R1= (n−1)n+ 2 =n2−n+ 2.
6 関数g(x) = (1 +x) cosxのx= 0におけるテイラー展開を定数項から3次の項 までを具体的に求め、
g(x) =a0+a1x+a2x2+a3x3+· · ·
と云う形式で書いて下さい。なお、cosxのテイラー展開を知っている人は既知と して使って頂いて構いません。
配点:10点 シラバス達成度目標:カ
【解答例】 cosxのx= 0でのテイラー展開は cosx= 1−1
2x2+· · · ですから、
g(x) = (1 +x) µ
1−1
2x2+· · ·
∂
= 1 +x−1 2x2−1
2x3+· · · となります。
2016年12月6日(火)10:50-12:20 平成28年度後学期 数学特論B 中間試験 問題・解答例・配点・シラバスとの対応・採点基準 4C・4E・4I 担当:笠井 剛 4
7 半径1の円に外接する四角形があったとき、下図のように角度t, u, v, wを定め ます。
(1)外接四角形の面積をt, u, v, wで表して下さい。
(2)h(x) = tanxは0< x < π2 でh00(x)>0を満たす事を証明して下さい。
(3)Jensen-H¨olderの不等式を使って、この円に外接する四角形のうちで面積
が最小のものを求めて下さい。
配点:(1)5点、(2)5点、(3)5点 シラバス達成度目標:ウ、ク
【解答例】 (1)図の角度t, u, v, wはいずれも π
2 を越えない事に注意しておきます。
すると外接四角形の面積は 1
2{(tant+ tanu) + (tanu+ tanv) + (tanv+ tanw) + (tanw+ tant)}
= tant+ tanu+ tanv+ tanw です。
(2)
h(x) = tanx h0(x) = 1
cos2x
h00(x) =−2 cos−3x(−sinx) =2 sinx cos3x ですから0< x < π2 でh00(x)>0です。
(3)Jensen-H¨olderの不等式によれば
tant+ tanu+ tanv+ tanw≥4 tant+u+v+w 4
= 4 tanπ 4
であり、等号はt =u=v =w= π4 のとき、即ち正方形の時に成り立ちます。従って 面積が最小なのは正方形の場合です。